JP5323623B2 - 車載用ヒューズ - Google Patents

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本発明は、例えば自動車分野のバッテリー保護回路等に用いられる車載用ヒューズに関し、詳しくは、ヒューズ遮断後の絶縁抵抗不良がなく、しかも遮断時にアーク漏れが発生しない車載用ヒューズに関する。
1.ヒューズの絶縁抵抗と発弧
一般にヒューズは、そのヒューズエレメントに定格遮断電流程度の大電流が流れると、短時間にヒューズエレメントの溶断部が固体→溶融→液体→気化の順で相変化を起こす。
しかし、ヒューズエレメントが数10秒を超える長時間で溶断する低電流領域(例えば定格電流の135%領域)においては、エレメントの発熱により炭化したカーボンが発生し、消弧後もそのカーボンによりリークして電流が流れ続け、規定の絶縁抵抗が得られないため、いわゆる「絶縁抵抗不良」が生じる。
この絶縁不良状態で高電圧を引火し続けると高温になり、最悪の場合はケーシング等の破壊に至る。
一方、比較的短時間で溶断する大電流領域においては、沸点にあるヒューズエレメントは、導体から瞬時に絶縁物に変化すると考えられる。この電流は急速に阻止されるから、電気回路に含まれているインダクタンスの逆起電力により、高い電圧がヒューズエレメントの痕跡に印加される。すると金属蒸気の絶縁が破られて急熱される結果、熱電離を起してアークが閉じられ(いわゆる「発弧」)、溶断部に再び電流が流れ始める。
したがって、溶断後のヒューズにおいては、「絶縁抵抗不良」があってはならず、また、発生したアークは速やかに消弧されて「遮断」されねばならない。
2.硅砂を用いた消弧
従来、このような問題に対処するため、車載用途のヒューズの消弧材として、一般に硅砂が用いられていた(例えば特許文献1)。
消弧材に硅砂が100重量%用いられているヒューズは、定格電圧以下の電圧時における遮断時間が数10秒以下の電流領域においては、良好な消弧及び絶縁性能を示す。
しかし、消弧材の材質が硅砂100重量%の車載用途のヒューズにおいては、定格電流の135〜200%の電流で溶断した場合、溶断後の絶縁抵抗は数Ω〜数100KΩと低く、バッテリーの回路保護のためには、定格電圧が450V(DC)の場合、漏れ電流が人体に影響を与えない程度のせめて1MΩ程度の絶縁抵抗が必要であった。
また、消弧材として硅砂のみが充填されたヒューズにおいては、硅砂の粒度を大きくして絶縁抵抗を改善する方法もあるが、その際はより多くの硅砂を必要とし、ヒューズ全体の容積が大きくなるため、コンパクト化を使命とする自動車用途には適さない。
このように、消弧材として硅砂が100重量%のものを用いた従来ヒューズは、消弧後における絶縁抵抗が低く、また、ヒューズ不良率が高くなる問題があった。
3.ゼオライトを用いた消弧
一方、別の消弧材として、ゼオライトが100重量%の消弧材を用いたヒューズがある(例えば特許文献2)。
ゼオライトは、水分子(HO)を結晶水の形で構造中に主成分として含み、微細孔を持つ含水アルミナケイ酸塩鉱物で、急に熱すると泡を立てて溶ける。このように、ゼオライトの結晶水は、ゼオライトの立体網目構造の中に水分子として存在するため沸石水と呼ばれ、加熱などにより脱水してもゼオライトの構造は破壊されず、結晶水が存在した部分はそのまま空洞として残り、ちょうどスポンジ状の構造に成り、この空洞に再びガスや水分を強力に吸着する特性がある。
しかし、消弧材としてゼオライト成分が100重量%のヒューズにおいては、消弧後の絶縁抵抗は良好なものの、定格電流に対する割合が大きな2000Aもの高電流領域においては、消弧性能が低いため、アークの吸収が十分でなくアーク漏れが生じ、ついにはヒューズケースを破壊するに至る問題があった。
そのため、消弧材にゼオライトを100重量%含む従来のヒューズでは、特許文献2に記載のヒューズのように、ヒューズを複数本から成る撚り線にしたり、或はケーシングを強固にするなどの補強策の併用が必要であった。
3.問題点の解決
以上に説明したとおり、自動車用バッテリーは、使用状況によりその電圧と電流が異なるから、定格電圧以下の複数電圧ポイントにおける、定格電流を超えた全電流領域において、上記「絶縁抵抗」と「消弧性能」の両特性を確保しなければならならず、しかもヒューズの全体容積が大きくならないようにしなければならないという問題がある。
これに対し、特許文献1、2に記載の従来ヒューズでは、上記問題に十分対処できるものではなかった。
特開平10−340664号公報(請求項1、図1) 特開平10−125212号公報(請求項1、図1)
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、消弧材として硅砂成分にゼオライト成分を適量混合したものを用いることにより、車載用ヒューズに必要な「135%遮断後の絶縁不良の防止」と、「2000A遮断時のアーク漏れ防止」の両特性が同時に得られ、しかもヒューズの全体容積がコンパクトな車載用ヒューズを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る車載用ヒューズは、中央部付近に溶断部を有するヒューズエレメントと、前記溶断部を包囲するケーシングと、該ケーシングの内部に消弧材が充填されて成る車載用ヒューズであって、前記消弧材は、硅砂成分と、ゼオライト成分とから成り、前記ゼオライト成分を消弧材全体重量の3〜5重量%の範囲内で混合したものであることを特徴とする。
請求項2に係る車載用ヒューズは、請求項1に記載の車載用ヒューズにおいて、前記ケーシングは、ガラス管と、該ガラス管の両端部を、該ガラス管内部に装着された前記ヒューズエレメントの端部と導通状態で閉塞する一対のキャップ体と、該一対のキャップ体のそれぞれから延びるベース板とからなることを特徴とする。
請求項3に係る車載用ヒューズは、請求項1または請求項2に記載の車載用ヒューズにおいて、自動車用バッテリーの回路保護として使用されることを特徴とする。
請求項1記載の車載用ヒューズによれば、中央部付近に溶断部を有するヒューズエレメントと、前記溶断部を包囲するケーシングと、該ケーシングの内部に消弧材が充填されて成る車載用ヒューズであって、前記消弧材は、硅砂成分とゼオライト成分とから成り、前記ゼオライト成分を消弧材全体重量の3〜5重量%の範囲内で混合したものであるので、車載用ヒューズに必要な「135%遮断後の絶縁不良の防止」と、「2000A遮断時のアーク漏れ防止」の両特性を同時に得ることができる。
叉、消弧材を100重量%濃度の硅砂成分に頼らず、これにゼオライト成分を適量混合するから、ヒューズの全体容積も抑制することができるという効果をも奏する。
請求項2記載の車載用ヒューズによれば、請求項1に記載の車載用ヒューズにおいて、前記ケーシングを、ガラス管と、該ガラス管の両端部をガラス管内部に装着された前記ヒューズエレメントの端部と導通状態で閉塞する一対のキャップ体と、該一対のキャップ体のそれぞれから延びるベース板とで構成したので、請求項1に記載の車載用ヒューズの効果に加え、実用的で全体容積がより一層コンパクトな車載用ヒューズが得られる。
請求項3記載の車載用ヒューズによれば、請求項1叉は請求項2に記載の車載用ヒューズにおいて、自動車用バッテリーの回路保護として使用されることを特徴とするので、請求項1叉請求項2記載の車載用ヒューズの効果に加え、「135%遮断後絶縁不良」と、「2000A遮断時アーク漏れ」の両問題を一挙に解決した実用的な自動車用バッテリーの回路保護が可能になる。
本発明に係る車載用ヒューズの一例の一部破断部を有する全体斜視図で、このうち図1(a)は、ケーシングがガラス管タイプのものの全体斜視図、図1(b)は、図1(a)のヒューズのキャップ部分の縦断面図である。 本発明に係る車載用ヒューズの別の例で、ケーシングが二つ割タイプのものの全体斜視図である。 図3(a)は、図1及び図2の車載用ヒューズに用いられている消弧材の成分と、その粒度分布表、図3(b)は、そのうちのゼオライト成分の成分分布表である。 図4(a)は、図1の車載用ヒューズに用いられている消弧材の成分割合と、135%遮断後の絶縁不良及び2000A遮断時アーク漏れとの関係を示す表、図4(b)は、消弧材成分の混合率と、不良率との関係を示すグラフである。 図1の車載用ヒューズに印加される種々の電圧と、定格電流に対する割合との関係を示す表である。
1 ヒューズエレメント
2 溶断部
2a 切り欠き
2b 小孔
3 ケーシング(ガラス管)
4 キャップ
5 ベース板
5a ブラケット
5b 取付孔
6 エレメント両端部
7 消弧材
7a 硅砂
7b ゼオライト
10、20 車載用ヒューズ(本発明)
以下、本発明に係る車載用ヒューズの実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態1
図1(a)は、本発明の車載ヒューズ10の一例であり、ケーシング3がガラス管タイプのものの全体斜視図、図1(b)は、図1(a)のヒューズ10のキャップ4部分の縦断面図である。
図1(a)において、本発明の車載用ヒューズ10は、ヒューズエレメント1と、ヒューズエレメント1の溶断部2を包囲するガラス管製のケーシング3と、ケーシング3の両側に装着された金属製のキャップ体4と、ケーシング3の内部に充填された消弧材7とから成り、これらが一体に構成されたものである。
ここで、ヒューズエレメント1は、その材質が銅製のもので、中央部付近に溶断部2を有し、その両端部6(図1(b)参照)は、ケーシング3の両端部に装着されたキャップ体4と半田付け8により電気的に導通状態にされている。また、溶断部1は、当該部分に所定の過電流が流れたときに所定時間内で溶断するように、エレメント1の長手方向と直交する方向に切り欠き2aや、複数の小孔2bが設けられている。
図1(b)に示すように、それぞれのキャップ体4は、ケーシング3の両端部を閉塞しており、その下方にはブラケット5aを経て、他の機器への取付孔5bを有するベース板5が延びている。
以上のように本実施形態では、ヒューズ形式としてケーシング3がガラス管タイプのものを示したが、図のタイプのものに限定されない。
例えば図2に示した車載用ヒューズ20のように、中央部付近に溶断部11aを、両端部に取付部11bを有する銅製ヒューズエレメント11に対し、ケーシング12が例えば合成樹脂等の絶縁材質のもので構成されるとともに、ヒューズエレメント11位置を合わせ面として、下部ケーシング12aと、上部ケーシング12bとで二つ割りにしたもので包囲し、消弧材7を充填後、キャップ体13で閉塞したタイプのものを用いても良い。
ヒューズ形式として、いずれのタイプのものを用いるかは、その用途、定格電圧、定格電流、定格遮断電流等により適宜選択されるべきものであるからである。
ところで、前述したように、本発明の車載用ヒューズ10の構造的特徴は、その消弧材7にある。
図1(b)において、本発明の車載用ヒューズ10の消弧材7は、硅砂7aと、ゼオライト7bの2成分からなり、ゼオライト7b成分を消弧材全体重量の3〜5重量%の範囲内で混合したものである。
すなわち、本発明者らは、鋭意検討した結果、消弧材として硅砂7aを主成分とするものの、これに微量のゼオライト7bを混合すると、前述した絶縁抵抗と消弧性能の両特性に優れた車載用ヒューズが得られることを見出したのである。
以下、その理由を図3〜図5を用いて説明する。
<硅砂7aに対するゼオライト7b成分の混合割合とその効果との関係>
まず、発明者らは、硅砂7aに対するゼオライト7b成分の混合割合と、その効果(135%遮断後の絶縁状態と、2000A遮断時のアーク漏れ状態)に与える影響を調べるために、硅砂7aに対するゼオライト7b成分の混合割合が0、3、5、7、10、25、50、100重量%とした各種消弧材7を充填した8種類のヒューズを試作し、それぞれのヒューズに通電試験を行なった。
そして、その効果として、上記「135%遮断後の絶縁状態」と、「2000A遮断時のアーク漏れ状態」との関係を調べてみた。
なお、試験条件は、次のとおりである。
<試験条件>
(1)ヒューズエレメント1の材質:銅
(2)定格電流:40A
(3)定格電圧:450VDC
(4)定格遮断容量(電流):2000A
(5)消弧材7の硅砂7a成分:
純度の高いSiOを用い、その粒度分布は図3(a)のとおりである。すなわち、粒度は、212μm以下のもので、その92.04Wt%は、粒度が150〜212μmのものである。
(6)消弧材7のゼオライト7b成分:
図3(b)の成分分布のものを用いた。その粒度分布は図3(a)のとおりである。すなわち、主成分の硅砂7a(SiO)成分を70.4Wt%含み、これにAl、CaO、Fe等を適量含んでいるものである。
(7)効果の判定方法:
「135%遮断後絶縁不良」は、市販の絶縁抵抗計で測定し、「2000A遮断時アーク漏れ」は発明者の目視によった。
<試験結果>
以上の試験結果を図4(a)に示す。
すなわち、図4(a)は、縦軸に硅砂7aとゼオライト7bの混合割合を、横軸にその効果である「135%遮断後絶縁不良」と、「2000A遮断時アーク漏れ」を取り、表中で両者の関係を示した。
なお、この表中で、「135%遮断後絶縁不良」の縦欄における「OK」とは、定格電流が135%の比較的電流下での遮断は、遮断時間も長いにもかかわらず、溶断後の溶断部に「絶縁不良」がない状態をいう。ここでの「絶縁」は、本発明においては前述した1MΩ程度の抵抗が得られれば十分であるため、当該値を基準にしている。また、本欄における「NG」とは、上記「絶縁」がない状態をいう。
また、「2000A遮断時アーク漏れ」の縦欄における「OK」とは、定格電流遥かに超えた2000Aもの高電流領域下での遮断時に「アーク漏れ」が発生しない状態をいい、本欄における「NG」とは、2000A遮断時において「アーク漏れ」が有ることをいう。
試験の結果、この図4(a)の最下行のデータが示しているように、消弧材7として硅砂100重量%のものを用いた場合は、2000A通電時のアーク漏れは発生しなかったものの(OK)、定格電流に対し、135%通電した溶断後の絶縁抵抗不良は20%の割合で発生した(NG)。
そこで、この表の最下行から2、3行目に示したように、硅砂7a成分にゼオライト7a成分を3重量%、及び5重量%混合した消弧材7を充填したヒューズにより通電試験をしてみたところ、2000A通電時の遮断性能を維持した状態で(OK)、135%通電後も規定の絶縁抵抗を得ることができた(OK)。
次に、表の最下行から4行目に示したように、ゼオライト7bの混合率を7重量%に増加してみたところ、2000A通電時にアーク漏れが発生した(NG)。
以下、ゼオライト7bの混合率を、10、25、50、100重量%まで順次増加した場合の「135%遮断後絶縁不良」と、「2000A遮断時アーク漏れ」の結果は表が示すとおりである。すなわち、今度は135%遮断後の絶縁不良については問題なかったが(OK)、2000A遮断時にアーク漏れが発生した(NG)。
結局、この図4(a)より、本発明の目的である「135%遮断後の絶縁不良防止」と、「2000A遮断時のアーク漏れ防止」の両問題を同時に解決し得る車載用ヒューズの消弧材の条件としては、硅砂7a成分にゼオライト7b成分を消弧材全体重量の3〜5重量%の範囲内で混合したものが必要であることが分かった。
本発明の車載用ヒューズ10に充填される消弧材7においては、粒度が硅砂よりも比較的大きなゼオライト7b成分を硅砂7a成分に適量混合したので、ヒューズエレメント1の溶断部2で発生したカーボン(不図示)をゼオライト7b成分に存在する無数の微細孔(不図示)が吸着し、その結果、所定の消弧後の絶縁抵抗が得られたものと考えられる。
このように、消弧材7の好ましい硅砂7aとゼオライト7bの成分比は分かったのであるが、今度は両成分と、「ヒューズ不良率」との関係を示したのが、図4(b)である。
すなわち、図4(b)は、横軸に硅砂7a成分とゼオライト7b成分の混合割合(Wt%)を、横軸にヒューズ10の「不良率(%)」を取り、表中で両者の関係を示したものである。
なお、この表では、硅砂7aに対するゼオライト7b成分の混合割合が4重量%とした消弧材7のものも追加し、合計9種類のヒューズについて実験を行なった。また、この表中で、「不良率(%)」とは、絶縁不良、アーク漏れの何れかが発生したヒューズをもって不良品と判断し、それぞれの種類のヒューズ数10個に対する不良品の発生率(%)をいう。
結局、この図4(b)より、硅砂7aに対するゼオライト7b成分の混合割合が3重量%未満になると、「絶縁不良」による不良率が次第に高くなり、一方、ゼオライト7b成分が5重量%を超えるようになると、今度は具体的な割合は不明であるが「アーク漏れ」が高くなる傾向があることが分かった。
次に、本発明の車載用ヒューズ10に対し、14Vから450Vまで合計7種類の直流電圧を印加しつつ、上記定格電流に対する135%から2000%までの合計6種類の割合の電流を流したときの結果を示したのが、図5である。
この表中で「○」印は、「絶縁不良」、「アーク漏れ」共に問題ないことを示し、「(○)」印は、試験機の能力で試験はできないが、過去の知見で問題ないことを示している。
この表が示すように、主として自動車用バッテリーの回路保護に供される本発明の車載用ヒューズ10は、定格電圧の450V(DC)以下の複数電圧ポイントにおいて過電流が流れても、「絶縁不良」、「アーク漏れ」共に問題がないことが分かる。
以上より、本発明の車載用ヒューズ10、20によれば、その消弧材7に硅砂7aを主成分とし、これにゼオライト7b成分を3〜5重量%の範囲内で混合したものを用いれば、上述したヒューズ溶断後の「135%遮断後絶縁不良」と、「2000A遮断時アーク漏れ」の問題を同時、かつ一挙に解決できることが分かった。
また、消弧材7として硅砂7aが100重量%濃度のものに頼らず、これにゼオライト7b成分を適量混合したから、ヒューズ全体の容積も抑制することができるという効果をも合わせて有する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはいうまでもない。
本発明の車載用ヒューズは、主として自動車用途のものとして説明したが、自動車用途以外の例えば、舶用エンジンなど、自動車用バッテリーが動力源として搭載される機器類の回路保護用ヒューズとしても好ましく適用することができる。

Claims (3)

  1. 中央部付近に溶断部を有するヒューズエレメントと、前記溶断部を包囲するケーシングと、該ケーシングの内部に消弧材が充填されて成る車載用ヒューズであって、
    前記消弧材は、硅砂成分と、ゼオライト成分とから成り、前記ゼオライト成分を消弧材全体重量の3〜5重量%の範囲内で混合したものであることを特徴とする車載用ヒューズ。
  2. 前記ケーシングは、
    ガラス管と、
    該ガラス管の両端部を、該ガラス管内部に装着された前記ヒューズエレメントの端部と導通状態で閉塞する一対のキャップ体と、
    該一対のキャップ体のそれぞれから延びるベース板とからなることを特徴とする請求項1に記載の車載用ヒューズ。
  3. 自動車用バッテリーの回路保護として使用されることを特徴とする請求項1叉は請求項2に記載の車載用ヒューズ。
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