JP5322141B2 - 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 - Google Patents
5’領域ディファレンシャルディスプレー法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5322141B2 JP5322141B2 JP2007015676A JP2007015676A JP5322141B2 JP 5322141 B2 JP5322141 B2 JP 5322141B2 JP 2007015676 A JP2007015676 A JP 2007015676A JP 2007015676 A JP2007015676 A JP 2007015676A JP 5322141 B2 JP5322141 B2 JP 5322141B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- primer
- differential display
- display method
- pcr
- base sequence
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
係るディファレンシャルディスプレー法は、多数の試料をゲル上で同時に比較できる;検出感度が高い;必要なmRNA量が少ないなどの利点を有しており、新規遺伝子の検出、外的要因による遺伝子発現の変化などの研究に広く利用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような問題点から、本発明者は、主に翻訳領域を含んだ5’領域を表示できるディファレンシャルディスプレー法について種々検討したところ、mRNAから逆転写酵素反応により生成したcDNAの3’末端にアンカーオリゴマーを付加することにより、上記の問題が解消し得ることを見出して本発明を完成した。
本発明は係る知見に基づくものであり、mRNAの5’領域(翻訳領域)の表示が可能であるディファレンシャルディスプレー法を提供するものである。
(1)RNAから逆転写反応により生成したcDNA(以下、第1鎖cDNAという)の3’末端に、既知の塩基配列からなるアンカーオリゴマー(以下、AOという)を結合させる工程;
(2)上記アンカーオリゴマーが結合したcDNAを鋳型として、AOに相補的配列(以下、cAOという)を有するプライマー(以下、cAOプライマーという)又は当該cAOプライマーの5’末端に塩基配列が付加したプライマーを用いてPCRを行って2本鎖DNAを調製する工程;
(3)上記2本鎖DNA、cAOプライマー又は当該cAOプライマーの5’末端に付加した塩基配列(以下、付加塩基配列という)からなるプライマー、及び任意プライマーを用いてPCRを行って増幅させる工程;及び
(4)PCR産物をゲル電気泳動で展開する工程;
からなる5’領域ディファレンシャルディスプレー法であり、RNAとしてはmRNAが好適に使用される。また、アンカーオリゴマーとしては、オリゴdAが好適に使用される。
従って、本発明の方法によれば、従来のディファレンシャルディスプレー法では得られなかったような生物学的情報が高精度で得ることができるという格別な効果を奏する。
この工程において、第1鎖cDNAは、従来のディファレンシャルディスプレー法と同様にして調製される。より具体的には、試験対象である生体組織・臓器などの細胞から、グアニジン・チオシアネート法、AGPC法などの常法に準じて全RNA(又はmRNA)を抽出する。抽出したmRNAを鋳型として、従来のディファレンシャルディスプレー法と同様に、オリゴdTX(Xは前記と同じ)、オリゴdTVX(VはG、A、Cが混合されていることを意味し、Xは前記と同じ)などの慣用のアンカープライマー、基質(dNTPs)及び逆転写酵素(例えば、Super script II、MMLV (Moloney Murine Leukemia Virus) reverse transcriptaseなど)を用いて、逆転写反応を行い、ついでアルカリ分解法などの常法に準じてRNAを分解することにより、第1鎖cDNAを調製することができる。なお、上記の試薬などに関しては、ディファレンシャルディスプレー法キットが既に市販されており、その試薬を使用し、マニュアルに準じて行うことができる。
また、上記のアンカープライマーを使用した場合には、mRNAの3’末端のポリAから逆転写された第1鎖cDNAが生成するが、上記のアンカープライマーに代えてランダムプライマーを使用することにより、mRNAの3’末端以外の個所からの逆転写を開始することができ、このような態様も本願発明に包含される。ランダムプライマーは既に市販されており、係る市販ランダムプライマーを使用することができる。
上記第1鎖cDNAとAOの結合は、常法に準じて、予め調製された塩基配列からなるAOを、T4RNAリガーゼを用いたライゲーションにより行うことができる。また、第1鎖の3’末端に、オリゴdNを付加させる場合も常法に準じて行うことができ、例えば、オリゴdAを付加させる場合には、dATPの存在下、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって第1鎖の3’末端にdAテールを付加することができる。
上記のPCRは常法に準じて行うことができ、反応時間・反応温度は適宜調整することができ、Taq DNAポリメラーゼも慣用の市販酵素(例えば、Gene Taq、TaKaRa Taqなど)を使用することができる。
上記のPCRは常法に準じて行うことができ、反応時間、反応温度、サイクル数などは適宜調整することができ、Taq DNAポリメラーゼも慣用の酵素を使用することができる。
上記の付加塩基配列からなるプライマーとしては、5〜30塩基数、好ましくは10〜20塩基数のプライマーが使用される。
ゲル電気泳動のゲルとしては、寒天ゲル、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲルなどの慣用のゲルを使用すればよい。またゲル電気泳動は常法に準じて行うことができ、泳動終了後、慣用の染色剤によりDNAを染色してバンドを検出する。
上記のゲル電気泳動に際して、使用するゲルに核酸染色剤を添加しておいてもよく、係る核酸染色剤を使用することにより、DNA断片を簡便に検出することができる。当該核酸染色剤としては、例えば、SYBR Gold(商品名)などの蛍光染色剤が挙げられる。
なお、前記のAO、cAOプライマー、任意プライマーなどを標識化しておいてもよく、係る標識としては、例えば、蛍光標識(例えば、FITCなど)、放射性標識(例えば、32Pなど)などが挙げられるが、簡便性の観点から蛍光標識が好ましい。
検出された遺伝子は、バンドを切り出し、常法に準じてサブクローニング、塩基配列の解析を行うことにより、塩基配列を決定することができる。
水迷路学習したマウスとコントロールマウスにおける脳の遺伝子発現状態の変化
4時間の水迷路学習したマウスとコントロールマウスにおける脳の海馬の遺伝子発現を比較した。水迷路学習したマウスの調製は前掲の非特許文献2に記載の方法に準じて行った。
まず、水迷路学習したマウス(以下、Wという)とコントロールマウス(以下、Cという)の脳の海馬からAGPC法で全RNAをそれぞれ抽出し精製した。
上記で採取されたRNA、アンカープライマー(GT15V)、基質(4xdNTPs)及び転写酵素(Super script II)を用いて42℃、50分間反応させ、一本鎖cDNA(第1鎖cDNA)を作製する。アルカリ分解法を用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した後、スピンカラムを用いて、脱塩と未反応のアンカープライマー及びRNA分解物を除去した。
AOが結合した一本鎖cDNA、cAOプライマーとして配列番号2で示される塩基配列からなるプライマー、基質(4xdNTPs)、Taq DNAポリメラーゼ(Gene Taq)を用いて、一回目のPCR(94℃1分、50℃3分、72℃1分)を行い、2本鎖DNAを調製した。続いて、任意プライマーとしてB13、B14、B16(それぞれ配列番号3〜5)を加えて、二回目のPCR(94℃18秒、45℃2分、72℃1分を40回)を行った。
配列番号1:5'agcatcgagtcggccttgttggcctactgg3’
配列番号2:5'caaggccgactcgatgct3'
配列番号3:5'ttcccccgca3' (B13)
配列番号4:5'tccgctctgg3' (B14)
配列番号5:5'tttgcccgga3' (B16)
マウス海馬の発達段階固有の遺伝子発現
生後1週令と4週令のマウスの海馬から全RNAを抽出し、さらにmRNAを精製した。
各mRNA、ランダムプライマー(タカラバイオ社製)、基質4xdNTPsと逆転写酵素(Super script II)を用いて、25℃で10分間、そして42℃で50分間反応させ、第1鎖cDNAを作製した。リボヌクレアーゼ Hを用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した。スピンカラムを用いて、酵素、未反応のプライマー、基質、RNA分解物を除去した。
次いで、dATP、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって37℃、15分間反応させ、第1鎖cDNAの3’末端にdAテールを付加し、80℃、3分間加熱してTdTを失活させた。
dAテールを結合した第1鎖cDNA、配列番号6で示される塩基配列付加オリゴdTプライマー、配列番号7で示される当該付加塩基配列からなるプライマー、4xdNTPs、Taq DNAポリメラーゼを用いて、一回目のPCR(94℃1分、45℃3分、72℃1分)を行い、二本鎖cDNAを作製した。配列番号8で示される任意プライマーB10又は配列番号9で示される任意プライマーB17を加えて、PCR( 94℃18秒、45℃2分、72℃1分を40回)を行った。
配列番号7:5'gactcgattcgacatcg3’
配列番号8:5'ctgctgggac3’ (B10)
配列番号9:5'agggaacgag3’ (B17)
図2に示されるように、経時的にバンドの変化が認められた。
マウス脳の各部位固有の遺伝子発現
マウスの大脳、小脳、海馬のそれぞれから全RNAを抽出した。各mRNA、GT15Xプライマー、基質4xdNTPsと逆転写酵素(Super script II)を用いて、42℃で50分間反応させ、第1鎖cDNAを作製した。リボヌクレアーゼ Hを用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した。スピンカラムを用いて、酵素、未反応のプライマー、基質、RNA分解物を除去した。
次いで、dATP、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって37℃、15分間反応させ、第1鎖の3’末端にdAテールを付加した。80℃、3分間加熱してTdTを失活させた。
dAテールを結合した第1鎖cDNA、4xdNTPs、前記配列番号6で示される塩基配列からなるプライマー、Taq DNAポリメラーゼを用いて、一回目のPCR(94℃1分、40℃/45℃3分、72℃1分)を行い、二本鎖DNAを作製した。前記配列番号8で示される塩基配列からなる任意プライマー(B10)と前記配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーを加えて、PCR(94℃18秒、40℃/45℃2分、72℃1分を35回)を行った。
なお、上記の方法においては、第1鎖cDNAの5’末端にオリゴdTが結合しているので、それから得られる2本鎖DNAの一方のDNAの3’末端にはオリゴdAが付加していることになる。従って、上記の2本鎖DNAからのPCRにおいては、当該3’末端のdAからの増幅も合わせて起り、その結果、当初mRNAの3’末端をも調べることができる。
図3に示されるように、脳の部位によりバンドの変化が認められた。
Claims (2)
- ディファレンシャルディスプレー法において、
(1)RNAから逆転写反応により生成したcDNAの3’末端に、既知の塩基配列からなるアンカーオリゴマー(オリゴdAを除く)を結合させる工程;
(2)上記アンカーオリゴマーが結合したcDNAを鋳型として、アンカーオリゴマーに相補的配列を有するプライマーを用いてPCRを行って2本鎖DNAを調製する工程;
(3)上記2本鎖DNA、アンカーオリゴマーに相補的配列を有するプライマー及び任意プライマーを用いてPCRを行って増幅させる工程;及び
(4)PCR産物をゲル電気泳動で展開する工程;
からなることを特徴とする5’領域ディファレンシャルディスプレー法。 - RNAがmRNAである請求項1記載の5’領域ディファレンシャルディスプレー法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007015676A JP5322141B2 (ja) | 2006-01-25 | 2007-01-25 | 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006016353 | 2006-01-25 | ||
JP2006016353 | 2006-01-25 | ||
JP2007015676A JP5322141B2 (ja) | 2006-01-25 | 2007-01-25 | 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007289149A JP2007289149A (ja) | 2007-11-08 |
JP5322141B2 true JP5322141B2 (ja) | 2013-10-23 |
Family
ID=38760390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007015676A Expired - Fee Related JP5322141B2 (ja) | 2006-01-25 | 2007-01-25 | 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5322141B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104024433A (zh) * | 2011-10-31 | 2014-09-03 | 爱科来株式会社 | 基因丰度的测定方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030219739A1 (en) * | 2001-01-30 | 2003-11-27 | Glass David J. | Novel nucleic acid and polypeptide molecules |
-
2007
- 2007-01-25 JP JP2007015676A patent/JP5322141B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104024433A (zh) * | 2011-10-31 | 2014-09-03 | 爱科来株式会社 | 基因丰度的测定方法 |
CN104024433B (zh) * | 2011-10-31 | 2016-11-16 | 爱科来株式会社 | 基因丰度的测定方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007289149A (ja) | 2007-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7570651B2 (ja) | 混合物中の核酸を配列決定する方法およびそれに関する組成物 | |
CN110036117B (zh) | 通过多联短dna片段增加单分子测序的处理量的方法 | |
Zhang et al. | Lighting up single-nucleotide variation in situ in single cells and tissues | |
JP5526326B2 (ja) | 核酸配列増幅方法 | |
US20100035249A1 (en) | Rna sequencing and analysis using solid support | |
EP3532635B1 (en) | Barcoded circular library construction for identification of chimeric products | |
JP7026248B2 (ja) | 二本鎖dnaを増幅するための方法およびキット | |
CN111154845B (zh) | 借助于茎环反向多核苷酸的直接rna纳米孔测序 | |
WO2015058052A1 (en) | Spatial and cellular mapping of biomolecules in situ by high-throughput sequencing | |
JP4644685B2 (ja) | 塩基配列タグの調製方法 | |
JP7539770B2 (ja) | ゲノム再編成検出のための配列決定方法 | |
JP2008502367A (ja) | オリゴヌクレオチドの高速生成 | |
JP3910015B2 (ja) | cDNAの合成方法 | |
CN116406428A (zh) | 用于使用酶促核酸延伸进行原位单细胞分析的组合物和方法 | |
US20210017580A1 (en) | Small rna detection method based on small rna primed xenosensor module amplification | |
CN116848263A (zh) | 用于分析物检测的方法和组合物 | |
US20140336058A1 (en) | Method and kit for characterizing rna in a composition | |
JP5322141B2 (ja) | 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 | |
US20210115435A1 (en) | Error-proof nucleic acid library construction method | |
JP2007515938A (ja) | スタッガード(staggered)ライゲーションを使用して核酸配列を増幅する方法 | |
US9150906B2 (en) | Determination of variants produced upon replication or transcription of nucleic acid sequences | |
WO2009079733A1 (en) | Determination of variants produced upon replication or transcription of nucleic acid sequences | |
JP2005318884A (ja) | 核酸の増幅方法 | |
Fortner et al. | Multiplexed spatial transcriptomics methods and the application of expansion microscopy | |
WO2024229044A1 (en) | Methods for ligation-free chromatin conformation capture with high throughput sequencing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
AA64 | Notification of invalidation of claim of internal priority (with term) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764 Effective date: 20070209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070206 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100119 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20100120 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20100120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130329 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130528 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130701 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130710 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |