JP5322141B2 - 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 - Google Patents

5’領域ディファレンシャルディスプレー法 Download PDF

Info

Publication number
JP5322141B2
JP5322141B2 JP2007015676A JP2007015676A JP5322141B2 JP 5322141 B2 JP5322141 B2 JP 5322141B2 JP 2007015676 A JP2007015676 A JP 2007015676A JP 2007015676 A JP2007015676 A JP 2007015676A JP 5322141 B2 JP5322141 B2 JP 5322141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer
differential display
display method
pcr
base sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007015676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007289149A (ja
Inventor
親房 別所
Original Assignee
親房 別所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 親房 別所 filed Critical 親房 別所
Priority to JP2007015676A priority Critical patent/JP5322141B2/ja
Publication of JP2007289149A publication Critical patent/JP2007289149A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5322141B2 publication Critical patent/JP5322141B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明はディファレンシャルディスプレーに関する。より詳細には、擬陽性バンドが少なく、特にmRNAの5’領域(翻訳領域)ないし5’領域〜3’領域の広範囲の表示が可能であるディファレンシャルディスプレー法に関する。
従来から、特異的発現バターンや発現量の差を指標とするDNAクローニング法は分子生物学の研究で汎用されている手法である。ディファレンシャルディスプレー法とは、組織特異的な発現パターンを示す又は転写量に差のある遺伝子群を、PCRを用いてクローニングする方法の一種である。より具体的には、比較する2種類以上の細胞からmRNAを抽出し、これらのmRNAのポリ(A)鎖の部分でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(アンカープライマー)と逆転写酵素を用いてcDNAに変換する。なお、アンカープライマーは、通常のオリゴdTプライマーではなく、その3’末端に余分な塩基を付加したプライマー、即ちオリゴdTX(XはG、A又はC)が使用される。次いで、前記のアンカープライマーと任意の塩基配列を持つオリゴヌクレオチド群をプライマーとしてPCRを行い、アンカープライマーと任意の塩基配列を持つプライマーで挟まれた複数のcDNA断片を同時に増幅し、反応産物をゲル電気泳動で展開して、特異的泳動パターン又は強度に変化のあるバンドを検出することからなる(例えば、非特許文献1及び2参照)。
係るディファレンシャルディスプレー法は、多数の試料をゲル上で同時に比較できる;検出感度が高い;必要なmRNA量が少ないなどの利点を有しており、新規遺伝子の検出、外的要因による遺伝子発現の変化などの研究に広く利用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
遺伝子工学キーワードブック改訂第2版「ディファレンシャルディスプレイ」の項(緒方ら著、羊土社発行) S. Cavallaro et.al. (1997) vol.94,pp.9669-9673. Proc. Natl. Acad.Sci. USA 特開平9−224671号公報 特開2001−292799公報
上述のように、従来のディファレンシャルディスプレー法は遺伝子分析の方法として極めて有用であるが、得られるDNA断片はmRNAの3’末端非翻訳領域が主体であり、当該領域は基本的に生物学的情報に乏しいという原理的な問題がある。また、感度が高いため、擬陽性バンドが出やすいという欠点がある。
このような問題点から、本発明者は、主に翻訳領域を含んだ5’領域を表示できるディファレンシャルディスプレー法について種々検討したところ、mRNAから逆転写酵素反応により生成したcDNAの3’末端にアンカーオリゴマーを付加することにより、上記の問題が解消し得ることを見出して本発明を完成した。
本発明は係る知見に基づくものであり、mRNAの5’領域(翻訳領域)の表示が可能であるディファレンシャルディスプレー法を提供するものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、ディファレンシャルディスプレー法において、
(1)RNAから逆転写反応により生成したcDNA(以下、第1鎖cDNAという)の3’末端に、既知の塩基配列からなるアンカーオリゴマー(以下、AOという)を結合させる工程;
(2)上記アンカーオリゴマーが結合したcDNAを鋳型として、AOに相補的配列(以下、cAOという)を有するプライマー(以下、cAOプライマーという)又は当該cAOプライマーの5’末端に塩基配列が付加したプライマーを用いてPCRを行って2本鎖DNAを調製する工程;
(3)上記2本鎖DNA、cAOプライマー又は当該cAOプライマーの5’末端に付加した塩基配列(以下、付加塩基配列という)からなるプライマー、及び任意プライマーを用いてPCRを行って増幅させる工程;及び
(4)PCR産物をゲル電気泳動で展開する工程;
からなる5’領域ディファレンシャルディスプレー法であり、RNAとしてはmRNAが好適に使用される。また、アンカーオリゴマーとしては、オリゴdAが好適に使用される。
本発明の5’領域ディファレンシャルディスプレー法においては、第1鎖cDNAの3’末端にAOを結合させており、cAOプライマーなどのプライマーを用いることにより、第1鎖cDNAの3’末端(即ち、mRNAの5’末端側)の配列ないし第1鎖cDNAの3’末端〜5’末端を効果的に増幅させることが可能となり、多くの生物学的情報を取得することができる。また、当該AOを用いることにより、第1鎖cDNAの3’末端側からの伸展はcAOプライマーなどのプライマーから開始されるので、擬陽性バンドの出現を減少させることができる。
従って、本発明の方法によれば、従来のディファレンシャルディスプレー法では得られなかったような生物学的情報が高精度で得ることができるという格別な効果を奏する。
前記の工程からなる本発明において、第1工程は、RNAから逆転写反応により生成したcDNA(第1鎖cDNA)の3’末端に、既知の塩基配列からなるAOを結合させる工程である。
この工程において、第1鎖cDNAは、従来のディファレンシャルディスプレー法と同様にして調製される。より具体的には、試験対象である生体組織・臓器などの細胞から、グアニジン・チオシアネート法、AGPC法などの常法に準じて全RNA(又はmRNA)を抽出する。抽出したmRNAを鋳型として、従来のディファレンシャルディスプレー法と同様に、オリゴdTX(Xは前記と同じ)、オリゴdTVX(VはG、A、Cが混合されていることを意味し、Xは前記と同じ)などの慣用のアンカープライマー、基質(dNTPs)及び逆転写酵素(例えば、Super script II、MMLV (Moloney Murine Leukemia Virus) reverse transcriptaseなど)を用いて、逆転写反応を行い、ついでアルカリ分解法などの常法に準じてRNAを分解することにより、第1鎖cDNAを調製することができる。なお、上記の試薬などに関しては、ディファレンシャルディスプレー法キットが既に市販されており、その試薬を使用し、マニュアルに準じて行うことができる。
また、上記のアンカープライマーを使用した場合には、mRNAの3’末端のポリAから逆転写された第1鎖cDNAが生成するが、上記のアンカープライマーに代えてランダムプライマーを使用することにより、mRNAの3’末端以外の個所からの逆転写を開始することができ、このような態様も本願発明に包含される。ランダムプライマーは既に市販されており、係る市販ランダムプライマーを使用することができる。
上記で調製された第1鎖cDNAは、その3’末端にAOを結合させる。AOの塩基配列は特に限定されず、配列が分かっている限り任意である。例えば、予め設計された塩基配列のDNAであってもよく、同じ塩基が順次結合したオリゴdN(Nは、A、T、C又はG)などであってもよい。当該オリゴdNとしては、オリゴdAが好ましい。即ち、後記の工程で、cAOプライマーが使用されるが、AOがオリゴdAであると、cAOプライマーとしてオリゴdTプライマーが使用され、オリゴdTプライマーは既に種々市販されているので、市販品を使用できるという利点がある。
AOの塩基数は特に限定されないが、通常10〜50塩基数、好ましくは20〜40塩基数、より好ましくは30塩基数からなる配列が使用される。
上記第1鎖cDNAとAOの結合は、常法に準じて、予め調製された塩基配列からなるAOを、T4RNAリガーゼを用いたライゲーションにより行うことができる。また、第1鎖の3’末端に、オリゴdNを付加させる場合も常法に準じて行うことができ、例えば、オリゴdAを付加させる場合には、dATPの存在下、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって第1鎖の3’末端にdAテールを付加することができる。
本発明の第2工程は、上記で調製されたAOの結合した第1鎖cDNAを鋳型として、cAOプライマー又は当該cAOプライマーの5’末端に付加塩基配列を有するプライマー、基質及びTaq DNAポリメラーゼを用いてPCRを行い、2本鎖DNAを調製する工程である。上記のプライマーのcAO部分は、AOの全領域に相補的な配列であってもよく、またAOの一部に相補的な配列であってもよい。
上記のPCRは常法に準じて行うことができ、反応時間・反応温度は適宜調整することができ、Taq DNAポリメラーゼも慣用の市販酵素(例えば、Gene Taq、TaKaRa Taqなど)を使用することができる。
本発明の第3工程は、上記で調製された2本鎖DNAを鋳型として、cAOプライマー又は付加塩基配列からなるプライマー、任意プライマー、基質及びTaq DNAポリメラーゼを用いてPCRを行い、DNAを増幅させる工程である。任意プライマーとしては、5〜30塩基数、好ましくは10〜20塩基数のプライマーが使用される。
上記のPCRは常法に準じて行うことができ、反応時間、反応温度、サイクル数などは適宜調整することができ、Taq DNAポリメラーゼも慣用の酵素を使用することができる。
なお、上記の付加塩基配列からなるプライマーを使用した場合について説明する。上記第2工程で、cAOプライマーの5’末端に付加塩基配列を有するプライマーを使用して2本鎖DNAを調製すると、その一方のDNAは5’末端に付加塩基配列及びcAOプライマーが付加したDNAとなる。このDNAにハイブリダイズした任意プライマーからのDNAの伸長は、cAOプライマーを超えて付加配列塩基で終了する。即ち、3’末端に付加塩基配列と相補的配列を有するDNAが生成することになる。従って、それ以後、付加塩基配列からなるプライマーと任意プライマーでPCRが進行することになる。
上記の付加塩基配列からなるプライマーとしては、5〜30塩基数、好ましくは10〜20塩基数のプライマーが使用される。
上記のPCRで産生したPCR産物は、cAOプライマー又は付加塩基配列からなるプライマーと、使用された任意プライマーとで挟まれたDNA断片の混合物である。本発明の第4工程は、このPCR産物をゲル電気泳動に付して展開する工程である。
ゲル電気泳動のゲルとしては、寒天ゲル、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲルなどの慣用のゲルを使用すればよい。またゲル電気泳動は常法に準じて行うことができ、泳動終了後、慣用の染色剤によりDNAを染色してバンドを検出する。
上記のゲル電気泳動に際して、使用するゲルに核酸染色剤を添加しておいてもよく、係る核酸染色剤を使用することにより、DNA断片を簡便に検出することができる。当該核酸染色剤としては、例えば、SYBR Gold(商品名)などの蛍光染色剤が挙げられる。
なお、前記のAO、cAOプライマー、任意プライマーなどを標識化しておいてもよく、係る標識としては、例えば、蛍光標識(例えば、FITCなど)、放射性標識(例えば、32Pなど)などが挙げられるが、簡便性の観点から蛍光標識が好ましい。
ゲル電気泳動で展開されたDNA断片は、蛍光写真などで撮影して、フィンガープリンティング化する。そして、2種以上の試験細胞からのフィンガープリンティングを比較することにより、組織特異的な発現パターンを示す又は転写量に差のある遺伝子群を検出することができる。
検出された遺伝子は、バンドを切り出し、常法に準じてサブクローニング、塩基配列の解析を行うことにより、塩基配列を決定することができる。
本発明の5’領域ディファレンシャルディスプレー法は、特異的発現バターンや発現量の差を指標とするDNAクローニングとして分子生物学の研究などで有用であり、例えば外的要因(例えば、薬物や化学物質によるストレス、反復学習などによる脳の刺激、疾病など)を受けている生体の遺伝子発現状態を、外的要因を受けていない生体の遺伝子発現状態と比較することにより、外的要因により発現する遺伝子を同定することができる。
以下、比較例及び実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
水迷路学習したマウスとコントロールマウスにおける脳の遺伝子発現状態の変化
4時間の水迷路学習したマウスとコントロールマウスにおける脳の海馬の遺伝子発現を比較した。水迷路学習したマウスの調製は前掲の非特許文献2に記載の方法に準じて行った。
まず、水迷路学習したマウス(以下、Wという)とコントロールマウス(以下、Cという)の脳の海馬からAGPC法で全RNAをそれぞれ抽出し精製した。
上記で採取されたRNA、アンカープライマー(GT15V)、基質(4xdNTPs)及び転写酵素(Super script II)を用いて42℃、50分間反応させ、一本鎖cDNA(第1鎖cDNA)を作製する。アルカリ分解法を用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した後、スピンカラムを用いて、脱塩と未反応のアンカープライマー及びRNA分解物を除去した。
精製した一本鎖cDNAの3’末端に、配列番号1で示される塩基配列からなるAOをT4 RNA ligaseを用いて、15℃で一夜反応させ結合した。反応終了後、スピンカラムを用いて、未反応AOを除去した。
AOが結合した一本鎖cDNA、cAOプライマーとして配列番号2で示される塩基配列からなるプライマー、基質(4xdNTPs)、Taq DNAポリメラーゼ(Gene Taq)を用いて、一回目のPCR(94℃1分、50℃3分、72℃1分)を行い、2本鎖DNAを調製した。続いて、任意プライマーとしてB13、B14、B16(それぞれ配列番号3〜5)を加えて、二回目のPCR(94℃18秒、45℃2分、72℃1分を40回)を行った。
配列番号1:5'agcatcgagtcggccttgttggcctactgg3’
配列番号2:5'caaggccgactcgatgct3'
配列番号3:5'ttcccccgca3' (B13)
配列番号4:5'tccgctctgg3' (B14)
配列番号5:5'tttgcccgga3' (B16)
上記のPCR産物を、10000倍希釈したSYBR Goldを添加した2% 寒天ゲルのウエルに入れて、130 V、30Aで3時間電気泳動した。紫外線ランプ(300nm)下で蛍光写真を撮影した。その結果を図1に示す。
図1に示されるように、B13のWにおいて、約350 bpのDNAバンドが新たに現れ、B14のWにおいて、約400 bpと500 bpのDNAバンドが新たに現れ、B16のWにおいて、約650 bpのDNAバンドが新たに現れることが判明した。
実施例2
マウス海馬の発達段階固有の遺伝子発現
生後1週令と4週令のマウスの海馬から全RNAを抽出し、さらにmRNAを精製した。
各mRNA、ランダムプライマー(タカラバイオ社製)、基質4xdNTPsと逆転写酵素(Super script II)を用いて、25℃で10分間、そして42℃で50分間反応させ、第1鎖cDNAを作製した。リボヌクレアーゼ Hを用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した。スピンカラムを用いて、酵素、未反応のプライマー、基質、RNA分解物を除去した。
次いで、dATP、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって37℃、15分間反応させ、第1鎖cDNAの3’末端にdAテールを付加し、80℃、3分間加熱してTdTを失活させた。
dAテールを結合した第1鎖cDNA、配列番号6で示される塩基配列付加オリゴdTプライマー、配列番号7で示される当該付加塩基配列からなるプライマー、4xdNTPs、Taq DNAポリメラーゼを用いて、一回目のPCR(94℃1分、45℃3分、72℃1分)を行い、二本鎖cDNAを作製した。配列番号8で示される任意プライマーB10又は配列番号9で示される任意プライマーB17を加えて、PCR( 94℃18秒、45℃2分、72℃1分を40回)を行った。
配列番号6:5'gactcgattcgacatcga(t)153'
配列番号7:5'gactcgattcgacatcg3’
配列番号8:5'ctgctgggac3’ (B10)
配列番号9:5'agggaacgag3’ (B17)
上記のPCR産物を、10000倍希釈したSYBR Goldを添加した2% 寒天ゲルのウエルに入れて、130 V、30Aで3時間電気泳動した。紫外線ランプ(300nm)下で蛍光写真を撮影した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、経時的にバンドの変化が認められた。
なお、配列番号6及び7で示されるプライマーに代えて、GT15X(X=A,C,G)を用いても同様にPCRを行うことができた。
実施例3
マウス脳の各部位固有の遺伝子発現
マウスの大脳、小脳、海馬のそれぞれから全RNAを抽出した。各mRNA、GT15Xプライマー、基質4xdNTPsと逆転写酵素(Super script II)を用いて、42℃で50分間反応させ、第1鎖cDNAを作製した。リボヌクレアーゼ Hを用いて、cDNAとハイブリッド形成しているmRNAを分解した。スピンカラムを用いて、酵素、未反応のプライマー、基質、RNA分解物を除去した。
次いで、dATP、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって37℃、15分間反応させ、第1鎖の3’末端にdAテールを付加した。80℃、3分間加熱してTdTを失活させた。
dAテールを結合した第1鎖cDNA、4xdNTPs、前記配列番号6で示される塩基配列からなるプライマー、Taq DNAポリメラーゼを用いて、一回目のPCR(94℃1分、40℃/45℃3分、72℃1分)を行い、二本鎖DNAを作製した。前記配列番号8で示される塩基配列からなる任意プライマー(B10)と前記配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーを加えて、PCR(94℃18秒、40℃/45℃2分、72℃1分を35回)を行った。
なお、上記の方法においては、第1鎖cDNAの5’末端にオリゴdTが結合しているので、それから得られる2本鎖DNAの一方のDNAの3’末端にはオリゴdAが付加していることになる。従って、上記の2本鎖DNAからのPCRにおいては、当該3’末端のdAからの増幅も合わせて起り、その結果、当初mRNAの3’末端をも調べることができる。
上記のPCR産物を、10000倍希釈したSYBR Goldを添加した2% 寒天ゲルのウエルに入れて、130 V、30Aで3時間電気泳動した。紫外線ランプ(300nm)下で蛍光写真を撮影した。その結果を図3に示す。
図3に示されるように、脳の部位によりバンドの変化が認められた。
なお、配列番号6及び7で示されるプライマーに代えて、GT15X(X=A,C,G)を用いても同様にPCRを行うことができた。
水迷路学習したマウス(W)及びコンロールマウス(C)の海馬のmRNAについて、本発明の5’領域ディファレンシャルディスプレーを行った結果を示す電気泳動写真である。なお、図中、MWはDNAサイズマーカー、B13、B14及びB16はそれぞれ配列番号3〜5に示される任意プライマーである。 マウス海馬の発達段階固有の遺伝子発現について、本発明の5’領域ディファレンシャルディスプレーを行った結果を示す電気泳動写真である。なお、図中、MはDNAサイズマーカー、B10及びB17はそれぞれ配列番号8及び9に示される任意プライマーである。 マウス脳の各部位固有の遺伝子発現について、本発明の5’領域ディファレンシャルディスプレーを行った結果を示す電気泳動写真である。なお、図中、MはDNAサイズマーカー、B10は配列番号8に示される任意プライマーである。

Claims (2)

  1. ディファレンシャルディスプレー法において、
    (1)RNAから逆転写反応により生成したcDNAの3’末端に、既知の塩基配列からなるアンカーオリゴマー(オリゴdAを除く)を結合させる工程;
    (2)上記アンカーオリゴマーが結合したcDNAを鋳型として、アンカーオリゴマーに相補的配列を有するプライマーを用いてPCRを行って2本鎖DNAを調製する工程;
    (3)上記2本鎖DNA、アンカーオリゴマーに相補的配列を有するプライマー及び任意プライマーを用いてPCRを行って増幅させる工程;及び
    (4)PCR産物をゲル電気泳動で展開する工程;
    からなることを特徴とする5’領域ディファレンシャルディスプレー法。
  2. RNAがmRNAである請求項1記載の5’領域ディファレンシャルディスプレー法。
JP2007015676A 2006-01-25 2007-01-25 5’領域ディファレンシャルディスプレー法 Expired - Fee Related JP5322141B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007015676A JP5322141B2 (ja) 2006-01-25 2007-01-25 5’領域ディファレンシャルディスプレー法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006016353 2006-01-25
JP2006016353 2006-01-25
JP2007015676A JP5322141B2 (ja) 2006-01-25 2007-01-25 5’領域ディファレンシャルディスプレー法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007289149A JP2007289149A (ja) 2007-11-08
JP5322141B2 true JP5322141B2 (ja) 2013-10-23

Family

ID=38760390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007015676A Expired - Fee Related JP5322141B2 (ja) 2006-01-25 2007-01-25 5’領域ディファレンシャルディスプレー法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5322141B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104024433A (zh) * 2011-10-31 2014-09-03 爱科来株式会社 基因丰度的测定方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030219739A1 (en) * 2001-01-30 2003-11-27 Glass David J. Novel nucleic acid and polypeptide molecules

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104024433A (zh) * 2011-10-31 2014-09-03 爱科来株式会社 基因丰度的测定方法
CN104024433B (zh) * 2011-10-31 2016-11-16 爱科来株式会社 基因丰度的测定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007289149A (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7570651B2 (ja) 混合物中の核酸を配列決定する方法およびそれに関する組成物
CN110036117B (zh) 通过多联短dna片段增加单分子测序的处理量的方法
Zhang et al. Lighting up single-nucleotide variation in situ in single cells and tissues
JP5526326B2 (ja) 核酸配列増幅方法
US20100035249A1 (en) Rna sequencing and analysis using solid support
EP3532635B1 (en) Barcoded circular library construction for identification of chimeric products
JP7026248B2 (ja) 二本鎖dnaを増幅するための方法およびキット
CN111154845B (zh) 借助于茎环反向多核苷酸的直接rna纳米孔测序
WO2015058052A1 (en) Spatial and cellular mapping of biomolecules in situ by high-throughput sequencing
JP4644685B2 (ja) 塩基配列タグの調製方法
JP7539770B2 (ja) ゲノム再編成検出のための配列決定方法
JP2008502367A (ja) オリゴヌクレオチドの高速生成
JP3910015B2 (ja) cDNAの合成方法
CN116406428A (zh) 用于使用酶促核酸延伸进行原位单细胞分析的组合物和方法
US20210017580A1 (en) Small rna detection method based on small rna primed xenosensor module amplification
CN116848263A (zh) 用于分析物检测的方法和组合物
US20140336058A1 (en) Method and kit for characterizing rna in a composition
JP5322141B2 (ja) 5’領域ディファレンシャルディスプレー法
US20210115435A1 (en) Error-proof nucleic acid library construction method
JP2007515938A (ja) スタッガード(staggered)ライゲーションを使用して核酸配列を増幅する方法
US9150906B2 (en) Determination of variants produced upon replication or transcription of nucleic acid sequences
WO2009079733A1 (en) Determination of variants produced upon replication or transcription of nucleic acid sequences
JP2005318884A (ja) 核酸の増幅方法
Fortner et al. Multiplexed spatial transcriptomics methods and the application of expansion microscopy
WO2024229044A1 (en) Methods for ligation-free chromatin conformation capture with high throughput sequencing

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20070209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100119

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130701

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees