JP5322099B2 - 角度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、精密工学分野において測定対象物の微小角度変位量計測等に用いる角度センサに関する。
光てこを用いた角度検出法の一種であるオートコリメーション法は、測定対象である鏡面体と、光源、レンズ、位置検出素子の組み合わせからなる。鏡面体の角度変化に伴って反射光のレンズ焦点面上におけるスポットの位置が変化するため、そのスポットの移動量を位置検出素子で検出する事により角度変化が測定できる。この検出法は、その光学系の単純さ故に角度計測において有用な検出方法である(例えば、特許文献1参照)。この検出法において、位置検出素子に分割型フォトダイオードを用いる事で、高感度な角度センサが開発されている。このタイプの角度センサの場合、分割型のフォトダイオードには通常数μm〜数十μmの隙間が存在しているため、焦点面上のスポットサイズがこの隙間のサイズよりも大きい必要がある。
一方、分割型のフォトダイオードを用いた場合には、レンズ焦点面上のスポットサイズが小さい方が、より高感度な角度計測が可能である事が分かっている(例えば、特許文献1参照)。このため、高感度角度センサを構成するにあたり、光スポットの強度分布の最も強い中心部分が分割型フォトダイオード隙間に埋もれてしまう事によるS/Nの低下が起こり、検出感度とのトレードオフが問題となっている。
従来、光検出素子として用いられていた分割型のフォトダイオードは、M×N(Mは1以上の自然数で、Nは2以上の自然数である)のフォトダイオードを光検出素子として有し、そのため、隣り合ったフォトダイオードの間に数μm〜数十μmの隙間(不感帯)が存在している。このような検出素子は、隣り合ったフォトダイオード同士の出力の作動により、スポットの位置を検出するため非常に高感度な検出が可能である。また、全受光素子の出力の合計で各受光素子の出力差を除算する事により、常に全体の出力値に対する受光素子間の出力変化が観察できるため、光量の変化と隙間による影響とを補正する事が可能である。このタイプのフォトダイオードを角度検出に用いた場合には、スポットの大きさと角度検出感度との関係が反比例する事が分かっている。スポットサイズは小さいほどに角度検出感度が向上するため、より微小角度を高感度に検出可能である事がわかる。
しかし、スポットサイズが隙間のサイズに比べて同程度の大きさになった場合、スポット強度が最も強い中心部分が隙間に入射してしまうため、S/Nの低下が起こる。また、スポットサイズが隙間のサイズよりも小さい場合、位置の検出自体が不可能となる。このため、スポットの位置を正しく検出するためには、スポットサイズは隙間のサイズよりも大きい必要があり、これが角度センサの検出感度の向上を妨げていた。
また、上記検出原理を用いる事で、3軸方向の角度センサを構成可能である。測定対象物として、上記鏡面体の替わりに一次元回折格子を光路中に設置する。回折光の反射成分は、一次元回折格子のローリング方向の回転に従って回転するため、この光の回転変位を検出する事でローリングの検出が可能となる。ローリング角度検出において、一次元回折格子からの回折光反射成分のうち、1次光の光路は他の高次光に比べて回折角度の拡がりが最も小さいものである。従って、この1次光を検出する光検出素子を上記検出方法に従って配置する事によりローリング角度変位を検出するようにすれば、光検出素子を狭い領域に配置する事が可能になり、3軸角度センサの小型化が可能である。この場合、ピッチング及びヨーイングの角度変位は、回折光反射成分のうち0次光成分を用い、上記2軸角度センサの検出方法に従って光検出素子を配置する事により検出する手法が小型化の点で望ましい。また、+1次光と−1次光の変位量の差動を取る事によって、角度測定の精度を向上させる事ができる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前述の3軸角度センサにおいても、スポットサイズが隙間のサイズに比べて同程度以下の大きさになった場合、S/Nの低下および位置の検出自体が不可能となる問題がある。
特開2003−156319号公報 特開2007−218842号公報
本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、X軸、Y軸及びZ軸回りの微小角度変位量の測定が可能な多自由度軸角度センサを提供する事を目的としている。
本発明によれば、検出対象面の微小角度変化を検出するセンサにおいて、前記検出対象面に鏡面体が設けられ、前記鏡面体に光ビームを投光するための光源を設け、前記光源からの光ビームによる前記鏡面体からの反射光の光路中に光ビーム分割用光学素子並びに対物レンズを設け、前記鏡面体からの反射光の光軸からの移動量に応じた光強度の変化を、前記対物レンズの焦点付近に配置された複数の光検出素子により検出する事で角度を検出する角度センサであって、前記光検出素子は、1対の非分割型の単素子PD(フォトダイオード)を有し、一方の単素子PDは、その受光面の一部に光スポットが入射するように、前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの一方の光ビームにより定義される光軸からPD受光面の長さ以下のオフセット量を与えて配置され、前記鏡面体の所定の軸回りの回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられており、他方の単素子PDは、位置の変化による光強度変化量の検出用として光スポットの大きさよりも十分に大きな素子サイズを有し、前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの他方の光ビームにより規定される光軸に沿って配置され、光強度変化の正規化のための光量モニタリング用として設けられていることを、特徴とする角度センサが得られる。
また、本発明によれば、前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの一方の光ビームを、さらに2つの光ビームに分割するハーフビームスプリッタを有し、前記一方の単素子PDは2つから成り、そのうちの1つの単素子PDは、その受光面の一部に、前記ハーフビームスプリッタで分割された一方の光ビームによる光スポットが入射し、前記鏡面体のヨーイング方向の回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられ、その光スポットの強度変化を検出する事により、ヨーイングの角度検出が可能であり、残りの1つの単素子PDは、その受光面の一部に、前記ハーフビームスプリッタで分割された他方の光ビームによる光スポットが入射し、前記鏡面体のピッチング方向の回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられ、その光スポットの強度変化を検出する事により、ピッチングの角度検出が可能であることを、特徴とする角度センサが得られる。
また、本発明によれば、前記検出対象面に前記鏡面体の替わりに1次元回折格子が設けられ、前記1次元回折格子に光ビームを投光するための光源を設け、前記光源から投光された光ビームによる回折光反射成分のうち、0次光並びに1次光を角度検出に用い、前記1次元回折格子からの回折光反射光の光路中に複数の光検出素子である単素子PDを配置する事で、ローリングを含めた3軸角度が検出可能である事を、特徴とする角度センサが得られる。

更に、本発明によれば、前記1次元回折格子からの回折光反射成分の1次光を検出する前記光検出素子により、ローリング角度変位を検出するようにしたことを、特徴とする角度センサが得られる。
本発明では、まず、検出対象に設けられた鏡面体に光源から光ビームを投光する。この鏡面体からの反射光が光検出素子である単素子PDの一部に入射するように単素子PDを配置する。そして、検出対象がY軸、Z軸回りに変位すると鏡面体からの反射光がその変位に応じて変化する。従って、この単素子PD上の光スポットの位置が変化する事により、単素子PD上に入射している光スポットの面積が変化する。この入射光スポットの面積変化に比例する単素子PDからの出力の変化量を検出する事により、角度の検出が可能である。
一方のスポットの半分以上が単素子PDの一部に入射するように配置した場合、多分割型のフォトダイオードを用いる場合に比較して、隙間サイズが原理的に関係なくなるために、例えば回折限界まで絞った非常に小さなスポットを用いた高感度角度検出が可能となる。また、スポットの強度分布の最も強い中心部分の大部分を利用する事ができるため、S/Nも向上する事が期待される。
また、この検出原理を用いて多自由度の角度検出を行う事も可能である。上記検出原理は基本的に一軸の角度検出を行うものであるため、鏡面体により反射した光を2つに分割し、一方でピッチング方向、他方でヨーイング方向を検出するようにそれぞれ上記原理を適用する事により、2軸角度検出を行う角度センサを構成可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図である。
図1において、1は検出対象であり、その表面は鏡面1aである。また、図1は、1軸方向の角度検出(ヨーイング方向)について示している。
まず、レーザ光源2からP偏光方向に調整されたレーザ光11が、X軸方向に沿って出力される。このレーザ光11は、コリメートレンズ5によってコリメートされた平行入射光11となる。ついで、アパーチャ6によって適当な大きさのコリメート光に調整された後、1/4波長板付PBS(偏光ビームスプリッタ)7を通り円偏光に変換され、検出対称面1aに入射する。鏡面形状の検出対称面1aにより反射された反射コリメート光12は、再び1/4波長板付PBS7の1/4波長板を通る事により偏光方向がS偏光方向に変換されるため、1/4波長板付PBS7の偏光ビームスプリッタの境界面上で図中Y軸方向へと光路が曲げられる。さらに、このコリメート光は、ハーフビームスプリッタ8aによってその強度が50%になるように2つの光に分割される。分割された光のうち、X軸に沿う方向の光12aは、対物レンズ4aを通り、光路中に設置された光検出素子である単素子PD3aに入射し、光スポット3asとなる。単素子PD3aは、レーザ光源2の光強度のモニタリング用に使用される。また、Y軸に沿う方向の光12bは、対物レンズ4bを通り、次いで光路中に設置された単素子PD3bに入射し、光スポット3bsを形成する。単素子PD3bは、図1中の光軸9bからΔxだけ離れた軸と中心軸10aが一致するように設置されている。単素子PD3aおよび3bは、それぞれ対物レンズ4a並びに4bの焦点面上13a、13bに配置されている。
図2は、図1に示す単素子PD3a並びに3bの検出面におけるスポットの状態を説明するための説明図である。図2において、図1と同じ構成要素には同一符号を付している。図2(a)において、光スポット3asは単素子PD3aの検出面に形成されるスポットを表し、3aは単素子PD3aの受光素子を表す。図2(a)に示されているように、光スポット3asに対して受光素子3aは十分に大きな面積を持っている。また、同様に図2(b)において、光スポット3bsは単素子PD3bの検出面に形成されるスポットを表し、3bは単素子PD3bの受光素子を表している。また、図2中のV1、V2、H1、H2はそれぞれ受光面上における垂直軸、水平軸を表している。
次に、このような構成の1軸角度センサに関し、その角度検出原理を図1乃至図3を用いて説明する。図1において、検出対象1がヨーイング方向(Z軸回り)にΔθZ回転したとすると、その反射光12は光軸9cに対して傾き、単素子PD3a並びに3bの検出面における光スポット3as、3bsは、図2に示すように、それぞれH軸方向に移動する。ここで、図3に示すように、光軸9bに対する反射光12bの傾き角度が2ΔθZであり、H2軸方向に移動する距離がΔdHであったとすれば、これらの間には式(1)のような関係が成立する。
ここで、対物レンズ4bの焦点距離をfとする。この式(1)から焦点面上の光スポット3bsの移動距離ΔdHを検出する事により、検出対象1の角度変化ΔθZを検出可能である。従って、対物レンズ4bの焦点面上13bに位置検出素子を配置する事で、検出対象1の傾きの角度ΔθZを検出する事ができる。
対物レンズ4bの焦点面上13bに位置検出素子を配置する代わりに、図1、図2(b)に示したように、単素子PD3bの中心軸10aを光軸9bに対してΔxだけずらして配置する事により、焦点面上13bにおける光スポット3bsの移動に伴って単素子PD3bにかかる光スポット3bsの面積は変化するため、単素子PD3bからの出力値αが変化する。従って、この出力値を検出する事によって、位置検出素子を用いた場合と同様に角度を求める事が可能である。また、図1、図2(a)に示したように焦点面上13aのスポットサイズ並びに光スポット3asの移動距離ΔdHに比べて十分大きな受光面3aをもつ単素子PD3aをその中心軸と光軸9aとが一致するように配置する事によって、検出対象1の角度変化に依らず常に一定のPD出力βを得る事ができる。以上2つのPD出力α、βを用いて、角度センサの出力値Hy_outは、以下の式(2)のように正規化して表せる。
式(2)から、レーザ光源2の強度変化に依らず、安定した角度の検出が可能となる。
図4は、本発明の第2の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図であり、ピッチング、ヨーイングの2軸回りの角度を同時に検出する事ができる2軸角度センサを表す。
図4において、説明を簡略化するために、図1と同じ要素に関しては同様の記号を用いている。1は検出対象であり、その表面の状態は鏡面1aである。また、図4は、図1と同様にヨーイング方向の角度検出について示している。
まず、レーザ光源2から出力されたビームがコリメート光11となり、検出対象1の表面に入射する。検出対象面1aからの反射光12は、ハーフビームスプリッタ8aによってその強度が50%になるように2つのビームに分割される。このうち、X軸に沿う方向の光12aは、図1と同様に光量モニタリング用単素子PD3aに入射する。また、Y軸に沿う方向の光12bは、さらにハーフビームスプリッタ8bを通る事により、2つのビーム12c、12dに分割される。このうちY軸に沿う方向の光12dは、対物レンズ4bを通り、次いで光路中に設置された単素子PD3bに入射し、光スポット3bsを形成する。単素子PD3bは、図1同様に、光軸9bからΔxだけ離れた軸10aと中心軸が一致するように設置されており、スポット3bsの強度変化を検出する事により、ヨーイング角度変位を検出可能である。また、X軸に沿う方向の光12cは、ピッチング角度の検出用であり、対物レンズ4cを通り、次いで光路中に設置された単素子PD3cに入射し、光スポット3csを形成する。なお、単素子PD3cは、光軸9dよりZ軸方向にΔzだけ離れた軸10bとその中心軸が一致するように設置されているため、ヨーイング方向の検出の場合と同様に、光スポット3csの強度変化を単素子PD3cにより検出する事で、角度を測定可能である。なお、単素子PD3a、3b、3cは、それぞれ対物レンズ4a、4b、4cの焦点面上13a、13b、13cに配置されている。
図5は、図4に係る角度検出原理を説明するための図であり、ヨーイング方向の角度検出の様子を表している。図1の1軸角度検出の場合と同様に、検出対象1がヨーイング方向(Z軸回り)にΔθZ回転した場合、図5(a)に示すように、単素子PD3bの素子上に形成された光スポット3bsが、検出対象1の変位に伴ってH2方向に移動する事で、単素子PD3bの出力信号αが変化するため、式(1)からヨーイング方向の角度検出ができる。この際、図5(b)に示したように、単素子PD3cの素子上に形成された光スポット3csがH3方向へと移動するが、この光スポットの移動における単素子PD3cからの出力信号γの変化はないため、単素子PD3cはヨーイング方向検出には関与しない。一方、検出対象1がピッチング方向(Y軸回り)にΔθY回転した場合、光スポット3bs、3csがそれぞれV2、V3方向へと移動するため、この場合には単素子PD3bからの出力信号αは変化せず、単素子PD3cからの出力信号γのみが変化する。
ヨーイング、ピッチングそれぞれの角度変位が起こった場合でも、図2(a)に示されているように、単素子PD3aからの出力信号βは一定であるため、2つのPD出力β、γを用いて、ピッチング方向の角度センサの出力値Vp_outは、以下の式(3)のように正規化して表せる。
以上の式(2)、(3)を用いる事により、2軸の角度変位を独立に検出できる角度センサを構成可能である。
図6は、本発明の第3の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図であり、ピッチング、ヨーイング、ローリングの3軸回りの角度を同時に検出可能である。
図6において説明を簡略化するために、図1並びに図4と同じ要素に関しては同様の記号を用いており、15aで表わされる2軸角度(ピッチング、ヨーイング)検出領域は、図4に示した2軸角度センサと全く同じ構成となっている。
1は検出対象であり、その表面には1次元回折格子1bが形成されている。1次元回折格子1bは、図6中のZ軸方向に伸びる格子パターンがY軸方向に多数並んだ構成である。1次元回折格子1bには、レーザ光源2からP偏光方向に調整されて出力されコリメートされた平行入射光11が、1/4波長板付PBS7を介して円偏光状態に変換され、X軸方向から入力される構成となっている。コリメート光11が1次元回折格子1bに入射すると、1次元回折格子1bからは回折光反射成分の0次光14a、回折光反射成分の+1次光14b、−1次光14cおよび他の高次の回折光反射成分が反射される。回折光反射成分の0次光14aは、再び1/4波長板付PBS7を通る事でその偏光方向がS偏光方向に変換され、1/4波長板付PBS7の偏光ビームスプリッタの端面で反射し、2軸角度検出領域15aへと入力され、図4に示したように、ピッチング並びにヨーイング方向の角度を同時に検出可能となる。
また、回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cは、それぞれ対物レンズ4d並びに4eを通過した後、単素子PD3d並びに3eに入射する。ここで、単素子PD3dおよび3eの検出面は、それぞれ対応する対物レンズ4d並びに4eの焦点面13dおよび13e上に配置されており、回折光反射成分の+1次光14b、−1次光14cがこの検出面にて光スポット3ds並びに3esを形成する。また、単素子PD3dおよび3eは光軸9e並びに9fからそれぞれZ軸方向にΔzだけ平行で、かつY軸方向に距離Δy1離れた軸10c並びに10dにその中心軸が一致する。このときの距離Δy1は、1次元回折格子1bの格子周期p、レーザ光源2の発振波長λ、対物レンズ4d並びに4eの焦点距離をfとして、回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cの回折角Δθa=λ/pを式(1)に代入する事で、以下の式(4)のように表せる。
ここで、1次元回折格子1bがX軸回りに微小角度変位すると、回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cの反射方向が変位し、単素子PD3d並びに3eの検出面に形成された回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cのスポット位置が移動する。この場合、ピッチング、ヨーイング方向の角度変化がないため、回折光反射成分の0次光14aによって形成される光スポット3bs並びに3csのスポット位置は変化しないため、光スポット3ds並びに3esの強度変化を検出する事により、ローリング方向の角度のみを検出する事ができる。
従って、回折光反射成分の0次光14aを用いたピッチング、ヨーイングの2軸角度検出領域15aと、回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cのスポット位置変位を計測する事によって得られるローリング角度検出領域15bとの組み合わせにより、ヨーイング、ピッチング、ローリング方向の角度を各々独立にかつ同時に測定する事ができる。
図7は、図6に係る角度検出原理を説明するための図であり、図6のローリング角度検出領域15bの光学系におけるローリング方向の角度検出の様子を表している。1次元回折格子1bがローリング方向にΔθx回転した場合、図7に示すように、単素子PD3dおよび3eの素子上に形成された、回折光反射成分の+1次光14b並びに−1次光14cの光スポット3ds並びに3esが、0次光14aの光スポット3asまたは3bsまたは3csを回転中心としてV4軸の方向へと移動する。このため、単素子PD3d並びに3eの出力信号χが変化するため、単素子PD3aからの出力信号βを用いてローリング方向の出力Vr_outを次の式(5)のように表せる。
ローリングとピッチングとが同時に起こった場合においても、式(5)によりローリング角度のみを検出可能である。1次元回折格子1bがピッチング方向にΔθ回転しかつローリング方向にΔθx回転した場合、単素子PD3d並びに3eの出力信号にはピッチング角度変位によるスポット変位に加え、ローリング角度変位によるスポット変位が含まれているため、それぞれ(γ+χ)、(γ-χ)と表す事ができる。これらのPD出力値を式(5)に代入すると次の(6)式が得られる。
即ち、式(5)と全く同じ結果が得られる。また、1次元回折格子1bがヨーイング方向に変位した場合においては、スポットはH4方向に変位するため、スポットの移動によるPD出力の変化は起こらない。以上から、図6に示された15bの領域の光学系は、ピッチング、ヨーイングの影響を受けずにローリング角度を検出する事ができる。
図8に、本発明の第1の実施の形態の角度センサのヨーイング方向角度検出結果を示す。この際に使用したレーザ光源2は、発振波長λが683nmであり、コリメート光の直径D0はおよそ2mmである。また、検出対象1aとして平面ミラーを用いている。また、対物レンズ4a並びに4bの焦点距離fは、25.4mmとなっている。検出対象1aがヨーイング方向に傾斜すると、それに応じて対物レンズ4a並びに4bの焦点面上に形成されたスポットが変位するため、このうち光スポット3bsの変位に応じて生じる単素子PD3bの出力変化並びに3aの出力を用いる事で、角度変位に応じたセンサ出力を得る事ができる。図8は、ヨーイング方向に回転する事のできる自動ステージに検出対象1を固定し、ステージを微小にヨーイング方向に動かしながら周波数4Hz間隔でサンプリングしたもののグラフである。なお、自動ステージのヨーイング方向の角度は校正済みであるため、角度センサの出力の校正は自動ステージの角度を用いる。また、この時のコリメート光の出力は、約437μWに設定されている。グラフ横軸が自動ステージの傾きに伴う検出対象1の角度、縦軸が角度センサに固定されている単素子PD3a並びに3bからの出力を表しており、それぞれの出力は図8中の16a並びに16bに示されている。なお、図8中の出力値の添え字a並びにbは、対応するPDからの出力である事を表している。このグラフから、単素子PD3aからの出力は、検出対象1の角度変化に依らずほぼ一定である事が確認できる。
図9は、図8と同様に、本発明の第1の実施の形態の角度センサのヨーイング方向角度検出結果を示すものであり、コリメート光の強度を283μW〜592μWまで、16μW刻みで変化させた場合の角度センサの単素子PD3aからの出力16a〜20a、並びに単素子PD3bからの出力16b〜20bについて示している。その他の実験の条件は、図8の場合と同様である。図9に示されているように、単素子PD3a並びに3bからの出力値は、コリメート光の強度の値に比例して変化する。このため、角度検出結果がコリメート光の強度に依存してしまう。そのため、本発明の角度センサでは、式(2)を用いて角度検出結果を正規化している。図10は、角度センサの単素子PD3aからの出力16a〜20a並びに単素子PD3bからの出力16b〜20bに、式(2)を適用して角度測定結果を正規化したグラフを示す。図10中には、それぞれ正規化した出力を16c〜20cで示しており、すべての出力はコリメート光の出力値に依らずほぼ重なっている事が分かる。また、検出対象1の角度と正規化後のセンサ出力16c〜20cとの関係は、直線近似でき、センサ出力に対する角度を同定する事が可能である。
本発明の角度センサによれば,従来分割型の位置検出素子を用いた場合に潜在的に問題であった、センサ感度の向上に伴い素子間の隙間のサイズとスポットサイズとが同程度になる事により、スポットの強度分布の中でも最もエネルギーの集中する中心部分を測定に用いる事ができない事に起因するS/Nの低下を解決する事ができ、かつ素子間の隙間サイズに無関係にスポットサイズを選定する事が可能であるため、従来の分割型PDを用いた場合の角度センサよりも高感度な角度センサを構成できる可能性がある。また、簡便な光学系でありながら、最大で3軸回りの角度変化を一括で測定できるために、精密ステージの運動により生じる軸回りの微小な角度変化を検出でき、超精密加工機や半導体製造装置の加工精度向上に大きく貢献できる。
本発明の第1の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図である。 図1に示す角度センサの各単素子PDの検出面におけるスポットの状態を示す正面図である。 図1に示す角度センサのヨーイングの角度検出原理を示す側面図である。 本発明の第2の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図である。 図4に示す角度センサの各単素子PDによる角度検出原理を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態の角度センサの基本構成を示す全体構成図である。 図6に示す角度センサの各単素子PDによる角度検出原理を示す正面図である。 図1に示す角度センサの、入射光の強度を約437μWに設定したときのヨーイング方向角度検出結果を示すグラフである。 図1に示す角度センサの、入射光の強度を変化させたときのヨーイング方向角度検出結果を示すグラフである。 図9のグラフを、式(2)を用いて正規化したときのグラフである。
符号の説明
1 検出対象
1a 鏡面
1b 1次元回折格子
2 レーザ光源
3a、3b、3c、3d、3e 単素子PD
4a、4b、4c、4d、4e 対物レンズ(Objective Lens)
5 コリメートレンズ(Collimate Lens)
6 アパーチャ
7 1/4波長板付PBS
8a、8b ハーフビームスプリッタ
9a、9b、9c、9d、9e、9f 光軸(中心)
10a、10b、10c、10d (単素子PDの)中心軸
11 (平行入射)光
12、12a、12b (反射)光
13a、13b、13c、13d、13e 焦点面(上)
14a 回折光反射成分の0次光
14b 回折光反射成分の+1次光
14c 回折光反射成分の−1次光
15a 2軸角度(ピッチング、ヨーイング)検出領域
15b ローリング角度検出領域

Claims (4)

  1. 検出対象面の微小角度変化を検出するセンサにおいて、前記検出対象面に鏡面体が設けられ、前記鏡面体に光ビームを投光するための光源を設け、前記光源からの光ビームによる前記鏡面体からの反射光の光路中に光ビーム分割用光学素子並びに対物レンズを設け、前記鏡面体からの反射光の光軸からの移動量に応じた光強度の変化を、前記対物レンズの焦点付近に配置された複数の光検出素子により検出する事で角度を検出する角度センサであって、
    前記光検出素子は、1対の非分割型の単素子PD(フォトダイオード)を有し、一方の単素子PDは、その受光面の一部に光スポットが入射するように、前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの一方の光ビームにより定義される光軸からPD受光面の長さ以下のオフセット量を与えて配置され、前記鏡面体の所定の軸回りの回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられており、他方の単素子PDは、位置の変化による光強度変化量の検出用として光スポットの大きさよりも十分に大きな素子サイズを有し、前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの他方の光ビームにより規定される光軸に沿って配置され、光強度変化の正規化のための光量モニタリング用として設けられていることを、
    特徴とする角度センサ。
  2. 前記光ビーム分割用光学素子により分けられた前記光源からの一方の光ビームを、さらに2つの光ビームに分割するハーフビームスプリッタを有し、
    前記一方の単素子PDは2つから成り、そのうちの1つの単素子PDは、その受光面の一部に、前記ハーフビームスプリッタで分割された一方の光ビームによる光スポットが入射し、前記鏡面体のヨーイング方向の回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられ、その光スポットの強度変化を検出する事により、ヨーイングの角度検出が可能であり、残りの1つの単素子PDは、その受光面の一部に、前記ハーフビームスプリッタで分割された他方の光ビームによる光スポットが入射し、前記鏡面体のピッチング方向の回転に伴って、その受光面に入射する前記光スポットの面積が変化するよう設けられ、その光スポットの強度変化を検出する事により、ピッチングの角度検出が可能であることを、
    特徴とする請求項1記載の角度センサ。
  3. 前記検出対象面に前記鏡面体の替わりに1次元回折格子が設けられ、前記1次元回折格子に光ビームを投光するための光源を設け、前記光源から投光された光ビームによる回折光反射成分のうち、0次光並びに1次光を角度検出に用い、前記1次元回折格子からの回折光反射光の光路中に複数の光検出素子である単素子PDを配置する事で、ローリングを含めた3軸角度が検出可能である事を、特徴とする請求項1または2記載の角度センサ。
  4. 前記1次元回折格子からの回折光反射成分の1次光を検出する前記光検出素子により、ローリング角度変位を検出するようにしたことを、特徴とする請求項3記載の角度センサ。
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