〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、笑顔度が笑顔度判定閾値(以下単に「閾値」と称する。)を上回った場合に撮影をする撮影制御であって、笑顔度と閾値との関係を制御し、瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくする。そこで、この実施の形態では、被写体又はその画像から一定の時間間隔で検出した笑顔度を平滑化し、平滑化された笑顔度が閾値を上回った場合に撮影する構成である。平滑化された笑顔度が閾値を超えるまでの時間だけ、撮影タイミングをシフトさせることで、瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくでき、画像歪みによる誤撮影を防止し、笑顔度による撮影精度が高められる。
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係る撮影制御部を示す図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この撮影制御部2Aは、撮影装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、画像歪みによる笑顔度の揺らぎを笑顔度の平滑化によって防止ないし緩和させる機能部であり、例えば、コンピュータ処理によって実現することができる。この撮影制御部2Aでは、画像取得部4と、笑顔度推定部6と、笑顔度平滑部8と、笑顔度記憶部10と、忘却係数設定部12と、笑顔度判定部14と、笑顔度判定閾値設定部16と、撮影機能部18と、画像記録部20とが備えられている。
画像取得部4は、被写体の画像を取得する手段の一例であって、所定の時間間隔例えば、100〔mS〕単位で画像を取得する。この画像取得部4で取得された各画像は、笑顔度を判定するための画像であり、笑顔度推定部6に提供される。
この笑顔度推定部6は、画像から笑顔度を推定する笑顔度推定手段の一例であって、画像から笑顔度を推定し、推定された笑顔度を抽出する。この笑顔度推定部6は、所定の時間間隔で取得された各画像について、その笑顔度を推定し、抽出する。この笑顔度は、一時的に保持される。
笑顔度平滑部8は、笑顔度の平滑化手段であって、笑顔度推定部6から提供された笑顔度(最新の笑顔度)を、該笑顔度と、笑顔度記憶部10にある従前の笑顔度(平滑化されている笑顔度)とを用いて平滑化する。この平滑化処理には、忘却係数設定部12にある忘却係数が用いられる。この忘却係数は、現在の笑顔度と、笑顔度記憶部10にある従前の笑顔度との加算割合に反映させている。即ち、平滑化処理は、現在時点の笑顔度と、現在時点の直前までの平滑化された笑顔度とを用いた平均化のための処理である。
そこで、所定の時間(既述の100〔mS〕)毎に笑顔度推定部6から読み出された笑顔度をS NOW、忘却係数をCOEF(=0〜1)、平滑化された笑顔度(平滑化笑顔度)をS SMOOTHとすると、平滑化笑顔度S SMOOTHは、
S SMOOTH=S SMOOTH*COEF
+S NOW*(1.0−COEF)
・・・(1)
で求められる。この場合、COEF=0.8とすれば、式(1) は、
S SMOOTH=S SMOOTH×0.8+S NOW×0.2
となる。COEF=0.8とした平滑化では、現時点の笑顔度S NOWと、平滑化笑顔度S SMOOTHとの加算割合(加算比率)が、S NOW:20〔%〕であるのに対し、S SMOOTH:80〔%〕となり、平滑化笑顔度S SMOOTHが現時点の笑顔度S NOWより大きく反映される。
この平滑化笑顔度S SMOOTHは、笑顔度判定部14に提供される。笑顔度判定部14は、平滑化笑顔度S SMOOTHの笑顔度判定手段であって、この笑顔度判定では、撮影を許可すべき笑顔度に到達しているか否かを判定する。この笑顔度判定には、笑顔度判定閾値設定部16に設定された閾値が用いられ、平滑化笑顔度S SMOOTHが閾値を上回っているか否かの判定が行われる。この判定結果は、撮影機能部18に提供される。
撮影機能部18は、笑顔度の判定結果に基づき、撮影を許可する手段であって、平滑化笑顔度S SMOOTHが閾値を上回っている場合に撮影する。この撮影によって得られた画像は、画像記録部20に格納され、記録される。この画像記録部20に記録される画像は、撮像部24(図2)から現時点で取得された画像であるが、平滑化笑顔度S SMOOTHが閾値を上回った時点の画像取得部4の画像であってもよい。
このような撮影制御は、所定の時間毎に取り込まれた画像から検出された笑顔度を、その時点の笑顔度と平滑化笑顔度とを用いて平滑化することにより、平滑化笑顔度が閾値を超えるまで、平滑化処理が繰り返し実行される。この結果、撮像開始時点から平滑化笑顔度が閾値を超えるまで、撮影タイミングがシフトするので、画像歪みによる誤撮影を防止でき、笑顔度撮影の撮影精度が高められる。
次に、この撮影制御部2Aを搭載する携帯電話機について、図2を参照する。図2は、携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。図2に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この携帯電話機22Aは、撮影装置、撮影制御方法、撮影制御プログラム又は携帯端末装置の一例であって、既述の撮影制御部2Aが搭載される。この携帯電話機22Aでは、撮像部24と、入力操作部26と、CPU(Central Processing Unit )28と、メモリ30Aと、表示部32と、タイマー部34と、電話機能部36とが備えられている。
撮像部24は、被写体から画像を生成させる撮像手段の一例であって、レンズ38と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )撮像素子40と、画像処理部42とを備える。レンズ38は、光学系の一例であって、被写体を表す像をCMOS撮像素子40の撮像面に合焦させる。CMOS撮像素子40は、撮像センサの一例であって、この実施の形態では、CMOSセンサを構成している。このCMOS撮像素子40を用いた撮像部24では、画素毎に露出タイミングが異なるローリングシャッターが用いられ、常時、開状態である。そして、CMOS撮像素子40で得られた画像情報は、画像処理部42に提供される。この画像処理部42は、画像情報から画像を生成させる手段の一例であって、笑顔度を判定するための既述の画像、笑顔度判定後の撮影のための画像が取得される。
入力操作部26は、起動、情報入力、情報選択等を行うための手段である。この入力操作部26には例えば、電源投入キー、通常撮影のシャッターキー、笑顔度撮影モードの選択キー、画像取込みの可否の決定キー、記号入力キー等が備えられる。
CPU28は、メモリ30Aに格納されているOS(Operating System)やアプリケーションプログラムを実行するとともに、既述の撮影制御プログラムを実行する。既述の撮影制御部2Aは、このCPU28及びRAM66(図4)等によって実現される。
メモリ30Aは、既述のOSやアプリケーションプログラムの他、画像データ等の記憶や記録に用いられる。
表示部32は、画像等の表示手段であって例えば、LCD(Liquid Crystal Display)表示器で構成され、メニュー表示、撮影画像の表示等に用いられる。
タイマー部34は、計時手段の一例であって、笑顔度の判定に用いられる画像の取得タイミング例えば、100〔mS〕の時間の生成、後述の加速度センサ98(図11)の検出タイミングの生成等に用いられる。
電話機能部36は、アンテナ44を備え、CPU28の制御により、基地局を媒介として相手装置との呼制御、音声による電話通信、パケットデータ等のデータ通信を無線により行う。
次に、CMOS撮像素子40について、図3を参照する。図3は、公知のCMOSセンサの一例を示す図である。
このCMOSセンサ46は、既述のCMOS撮像素子40として用いられる公知のセンサである。このCMOSセンサ46には、1つの水平信号線48に対して複数の垂直信号線501、502・・・50nが備えられている。各垂直信号線501、502・・・50nには、画素P11、P12・・・P1n、P21、P22・・・P2n、P31、P32・・・P3n・・・毎にフォトダイオード52、増幅器54、画素選択スイッチ56が備えられている。フォトダイオード52は、画素P11〜P3n内の受光部であって、受光した光を電荷に変換して蓄積する。
各蓄積電荷は電圧に変換され、その電圧は増幅器54で増幅される。画素P11、P12・・・P1nの画素選択スイッチ56が閉じられると、増幅器54で増幅された電圧が画素情報として垂直信号線501、502・・・50nに出力される。即ち、ライン露光順次読み出しが行われる。
各電圧は、各垂直信号線501、502・・・50n毎に設置された列回路(CDS回路)581、582・・・58nに保持される。この保持電圧は列選択スイッチ601、602・・・60nの導通により、水平信号線48に出力される。
このようにライン毎の露光が行われるCMOSセンサ46では、露光タイミングや電荷読出しに時間的ずれが生じ、これが画像歪みを生じさせる場合がある。斯かるCMOSセンサ46が携帯電話機22Aに搭載され、携帯電話機22Aの移動が画像歪みを生じさせることになる。これは、常時開状態で画像が取り込まれ、画素毎に露出タイミングが異なることによる。既述の撮影制御を用いれば、撮影画像に歪みが生じても、その影響を回避ないし軽減でき、笑顔度判定が正確に行われ、撮影精度が高められる。
次に、メモリ30Aについて、図4を参照する。図4は、メモリを示す図である。図4に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図4において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
このメモリ30Aは、プログラム記憶部62と、データ記憶部64と、RAM(Random-Access Memory)66とを備える。プログラム記憶部62には、既述のOS、撮影制御プログラム等のアプリケーションプログラムが格納される。データ記憶部64は、画像保持部68と、忘却係数テーブル70と、笑顔度判定閾値テーブル72と、笑顔度記憶部74と、画像記録部76とを備える。
画像保持部68は、笑顔度を判定するための画像を保持する手段であって、所定の時間毎に取り込まれる画像が格納される。忘却係数テーブル70は、既述の忘却係数設定部12(図1)に対応し、笑顔度の平滑化処理に用いる平滑化係数である忘却係数が格納される。笑顔度判定閾値テーブル72は、笑顔度を判定する基準としての笑顔度判定閾値が格納される。笑顔度記憶部74は、笑顔度を記憶する手段であって、演算結果である既述の平滑化笑顔度が格納される。画像記録部76は、撮影画像を記録する手段であって、笑顔度撮影モードでは、閾値を超えた際の撮影画像が格納される。
次に、携帯電話機について、図5及び図6を参照する。図5及び図6は、携帯電話機を示す図である。図5及び図6に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図5及び図6において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
この携帯電話機22では、第1の筐体部78と、第2の筐体部80とをヒンジ部82で開閉可能に連結したものである。筐体部78には図5に示すように、入力操作部26、マイクロフォン84等が設置されている。入力操作部26には決定キー86、文字入力キー88等が設置されている。
筐体部80の上面側には表示部32の表示画面90が設置されているとともに、レシーバ92が設置され、その背面側には、図6に示すように、撮像部24のレンズ38が配置されている。
次に、撮影制御の処理手順について、図7を参照する。図7は、撮影制御の処理手順を示すフローチャートである。図7に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、既述の笑顔度を平滑化して閾値と対比する処理を含んでいる。
そこで、この処理手順では、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS11)、各画像から笑顔度を推定し、笑顔度を得る(ステップS12)。この笑顔度から笑顔度を平滑化する(ステップS13)。この平滑化処理は既述の通りである。
平滑化された笑顔度と、閾値とを比較し(ステップS14)、この比較処理は平滑化処理と連動して継続的に行い(ステップS14のNO)、平滑化笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS14のYES)、撮影に移行する(ステップS15)。この撮影は、既述の通り、平滑化笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Aの画像記録部76に格納する。
次に、この撮影制御の平滑化処理について、図8及び図9を参照する。図8は、平滑化笑顔度の算出例である笑顔度算出テーブルを示す図、図9は、笑顔度の取得、平滑化笑顔度の推移及び撮影タイミングを示す図である。
笑顔度算出テーブル93は、図8に示すように、規定の時間例えば、100〔mS〕毎に取得した画像、画像から推定される笑顔度S NOW、式(1) から求めた各時点の平滑化笑顔度S SMOOTHである。平滑化笑顔度S SMOOTHは、式(1) から求められ、以下の通りである。
a) 時刻100〔mS〕の時点:
S SMOOTH=0×0.8+80×0.2=16
b) 時刻200〔mS〕の時点:
S SMOOTH=16×0.8+80×0.2=28.8
c) 時刻300〔mS〕の時点:
S SMOOTH=28.8×0.8+80×0.2=39.04
d) 時刻400〔mS〕の時点:
S SMOOTH=39.04×0.8+80×0.2=47.2
e) 時刻500〔mS〕の時点:
S SMOOTH=47.2×0.8+80×0.2=53.8
f) 時刻600〔mS〕の時点:
S SMOOTH=53.8×0.8+80×0.2=59.04
g) 時刻700〔mS〕の時点:
S SMOOTH=59.04×0.8+80×0.2=63.232
各時点の笑顔度と、平滑化笑顔度とを時間の推移で表すと、図9に示すように、平滑化笑顔度が時間の経過とともに段階的に上昇する。図9において、各棒グラフの全長部分がS NOW、そのグレー部分がS SMOOTHである。この場合、閾値を50とすると、画像取得開始時点t1(時刻100〔mS〕)から段階的に上昇し、時刻500〔mS〕の時点で平滑化笑顔度が閾値を超え、この時点が撮影開始時点t2となる。画像取得開始時点t1と撮影開始時点t2との間には、t2=t1+400〔mS〕となっている。即ち、閾値を50とし、笑顔度が80である場合、忘却係数を0.8とした場合には、画像取得開始時点t1から撮影開始時点t2の間のタイムラグをt12とすると、t12=400〔mS〕だけ撮影タイミングが遅延することとなる。
最初に笑顔度80が推定されると、その時点で閾値50を超え、従来ではこの時点で撮影が行われていたのに対し、笑顔度の平滑化処理により、閾値50を超えるまで時間400〔mS〕だけ撮影タイミングのシフトが行われている。
このような撮影タイミングのシフト、平滑化処理による撮影タイミングの制御により、撮影タイミングの生成までの間に生じた画像歪みによる影響、即ち、瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくできる。換言すれば、画像歪みによる誤撮影を防止し、笑顔度による撮影精度が高められる。
撮像素子にCMOSセンサを使用し、フォーカルプレーンシャッターを用いた場合には、CMOSセンサによる画素毎に露光タイミングが異なることによる画像歪みによる誤撮影は笑顔度の上記平滑化処理による撮影タイミングのシフトによって回避できる。
また、撮像素子にCCDセンサやメカシャッターを用いた場合、撮影環境が暗く、露光時間が長くなる場合の画像歪みによる影響も回避することができ、笑顔度撮像による撮影精度を高めることができる。
携帯電話機22等の携帯端末装置では、ファインダ画面の表示を行うため、連続する画面表示を行うが、このようなメカシャッターを使用できない、即ち、常時開状態で画像表示が行う場合にも、画像歪みによる誤撮影を防止できる。
そして、カメラ付きの携帯電話機22等の携帯端末装置では、発熱や消費電力を抑制するために読出し速度を早めることが難しく、画像歪みを生じることが予想されるが、そのような場合にも画像歪みによる笑顔度撮影の撮影精度を高めることができる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、携帯電話機(例えば、筐体)の動きを検出し、その動きに応じて笑顔度の閾値を変更し、即ち、その笑顔度の閾値を高くし、瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくし、笑顔度撮影の撮影精度を高めている。
この第2の実施の形態について、図10、図11、図12、図13及び図14を参照する。図10は、第2の実施の形態に係る撮影制御部を示す図、図11は、第2の実施の形態に係る携帯電話機のハードウェア構成を示す図、図12は、加速度センサの出力を示す図、図13は、加速度センサ出力と閾値との関係を表す加速度センサ出力・閾値テーブルを示す図、図14は、メモリの構成を示す図である。図10、図11、図12、図13及び図14に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図10、図11において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態の撮影制御部2Bでは、図10に示すように、第1の実施の形態の撮影制御部2A(図1)から笑顔度平滑部8、笑顔度記憶部10及び忘却係数設定部12を除き、これらに代えて加速度取得部94と、笑顔度判定閾値算出部96とを付加し、その他の構成は第1の実施の形態(図1)と同様である。この実施の形態においても、携帯電話機22(図5、図6)が用いられる。
そこで、加速度取得部94は、携帯電話機22の動きを検出する動き検出手段の一例であって、その動きを表す加速度を取得している。また、笑顔度判定閾値算出部96は、動きに応じた閾値を算出する手段の一例であって、この実施の形態では、加速度に応じた閾値を算出している。そこで、この撮影制御部2Bでは、図11に示すように、加速度センサ98が備えられ、携帯電話機22B(図11)が構成されている。
この携帯電話機22Bは、図11に示すように、加速度センサ98が搭載され、この加速度センサ98には携帯電話機22の筐体78、80(図5、図6)の動きが加速度として検出される。その出力は、図12に示すように、その動きを反映して時間とともに変化する値を呈する。この場合、重力の影響は公知の手法により加速度出力から重力分を除去すればよい。
この加速度センサ98の出力(絶対値)に対応する閾値を設定した加速度センサ出力・閾値テーブル100(図13)を創設する。加速度センサ出力・閾値テーブル100は、図13に示すように、加速度センサ出力(絶対値)と閾値とが関係付けられ、加速度センサ出力に一定の幅を持たせ、その段階的な大きさに対応する閾値が設定されている。従って、加速度センサ出力からその値に対応した閾値が加速度センサ出力・閾値テーブル100から算出される。この加速度センサ出力・閾値テーブル100は、図14に示すように、メモリ30Bのデータ記憶部64に設定すればよい。
次に、この撮影制御の処理手順について、図15を参照する。図15は、撮影制御の処理手順を示すフローチャートである。図15に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS21)、各画像から笑顔度を推定する(ステップS22)。また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS23)、この加速度から閾値を求める(ステップS24)。即ち、既述の加速度センサ出力・閾値テーブル100を用いることにより、検出された加速度(絶対値)を当てはめ、その加速度に対応する閾値が求められる。
そこで、求めた閾値と、笑顔度とを比較し(ステップS25)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS25のNO)、笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS25のYES)、撮影に移行する(ステップS26)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Bの画像記録部76(図14)に格納する。
この第2の実施の形態では、加速度センサ98等を用いて携帯電話機22Bの動きを検出し、その動きが大きい場合には笑顔度を判定する閾値を大きくするので、閾値を笑顔度が超えるまで、撮影タイミングがシフトされる。
このように加速度センサ出力(絶対値)と閾値とを関係付けることで、フォーカルプレーンシャッター等を搭載した場合に画像歪みによって生じる笑顔度が高くなることを抑制でき、画像歪みによる誤撮影を防止でき、笑顔度撮影の撮影精度を高めることができる。
なお、この実施の形態では、携帯電話機22の動き検出手段として加速度センサ98を用いて加速度を検出したが、動き検出手段としては、角度センサ、方位センサ等を使用し、その検出出力を動き情報に用いることにより、閾値を変更する構成としてもよい。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、第2の実施の形態において、携帯電話機22Bの動きが等速直線運動である場合には動き検出に基づき閾値を大きくすることにより、瞬間的な笑顔度の変動を小さくし、笑顔度撮影の撮影精度を高めている。
この第3の実施の形態について、図16、図17、図18及び図19を参照する。図16は、第3の実施の形態に係る撮影制御部を示す図、図17は、加速度センサの出力を示す図、図18は、積分値・閾値テーブルを示す図、図19は、メモリの構成を示す図である。図16、図17、図18及び図19に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図16、図19において、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態の撮影制御部2Cでは、図16に示すように、第2の実施の形態の撮影制御部2B(図10)と同様に、加速度取得部94と、笑顔度判定閾値算出部96とを備えるとともに、これら加速度取得部94と、笑顔度判定閾値算出部96との間に加速度積分部104を備える構成であり、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。これらの構成はCPU28(図2)とメモリ30C(図19)のRAM66等を含む。この実施の形態においても、携帯電話機22(図5、図6)が用いられる。
そこで、加速度積分部104では、加速度取得部94で取得した加速度を積分し、この積分値が笑顔度判定閾値算出部96に提供される。この笑顔度判定閾値算出部96は、動きに応じた閾値を算出する手段の一例であって、この実施の形態では、加速度の積分値に応じた閾値を算出している。そこで、この撮影制御部2Cでは、第2の実施の形態(図11)と同様に加速度センサ98が備えられる。
そして、携帯電話機22B(図11)に搭載された加速度センサ98には携帯電話機22Bの動きが加速度として検出される。その出力は、図12に示すように、その動きを反映して時間とともに変化する加速度値を表す。この場合、重力の影響は公知の手法により加速度出力から重力分を除去すればよい。
加速度積分部104の積分処理では、図17に示すように、加速度センサ出力を一定時間に分割し、各時点ti(i=1,2・・・n)の加速度値をAi(i=1,2・・・n)とすると、これらを逐次各値を加算すればよく、その加算値が加速度センサ出力の積分値(絶対値)となる。
そこで、この加速度センサ98の出力の積分値(絶対値)に対応する閾値を設定した積分値・閾値テーブル106(図18)を創設する。積分値・閾値テーブル106は、図18に示すように、積分値(絶対値)と閾値とが関係付けられ、その積分値に一定の幅を持たせ、その段階的な大きさに対応する閾値が設定されている。従って、積分値からその値に対応した閾値が積分値・閾値テーブル106から算出される。この積分値・閾値テーブル106は、図19に示すように、メモリ30Cのデータ記憶部64に設定すればよい。
次に、この場合の撮影制御の処理手順について、図20を参照する。図20は、撮影制御の処理手順を示すフローチャートである。図20に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS31)、各画像から笑顔度を推定する(ステップS32)。また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS33)、この加速度を逐次積分して積分値を算出し、この積分値から閾値を求める(ステップS34)。即ち、既述の積分値・閾値テーブル106を用いることにより、検出された積分値(絶対値)を当てはめ、その積分値に対応する閾値が求められる。
そこで、求めた閾値と、笑顔度とを比較し(ステップS35)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS35のNO)、笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS35のYES)、撮影に移行する(ステップS36)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Cの画像記録部76(図19)に格納する。
このような加速度センサ98の出力値を積分し、その積分値に対応して閾値を変更し、その閾値と笑顔度とを対比することができる。即ち、加速度センサ98の出力の積分値が小の場合には閾値が小、その積分値が大の場合には閾値が大となるので、等速直線運動等で加速度センサ出力が小さくなるという不都合を補完できる。この結果、等速直線運動によって瞬間的な加速度の変化が検出できない場合にも、その動きを監視でき、笑顔度撮影の撮影精度を高めることができる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、複数人の撮影の場合に顔毎に笑顔度を求めて笑顔度を判定する際の撮影タイミングの遅延を回避するため、顔の数に応じて笑顔度の平滑化の度合いを制御している。
この第4の実施の形態について、図21、図22及び図23を参照する。図21は、第4の実施の形態に係る撮影制御部を示す図、図22は、顔数・忘却係数テーブルを示す図、図23は、メモリの構成を示す図である。図21、図22及び図23に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図21、図23において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
複数人で撮影を行う際に、各人の顔毎に笑顔度を求め、全ての顔の笑顔度が閾値を超えた場合に撮影すれば、全員が笑顔になった場合に撮影でき、記念写真等の撮影に適している。しかし、全員が笑顔になるまで撮影が待機状態となるため、複数の顔に対して笑顔度判定をすれば、顔の数に比例して笑顔度判定に要する時間が増大することになる。例えば、100〔mS〕毎の画像取得及び笑顔度判定の処理では、顔の数が2になれば、200〔mS〕毎、顔の数が3になれば、300〔mS〕毎の処理となり、顔の数に比例して処理時間が増大する。
これに対し、第4の実施の形態では、顔の数に応じて第1の実施の形態における笑顔度の平滑化の度合いを調整している。この撮影制御部2Dでは、図21に示すように、顔数算出部108を備え、この顔数算出部108は、画像中の顔の数を算出する手段の一例であって、この実施の形態では、画像取得部4で取得された画像から被写体における顔の数を算出する。その算出結果を忘却係数設定部12に提供する。この忘却係数設定部12では、その算出結果即ち、顔の数に応じた忘却係数を設定し、笑顔度平滑部8に提供する。この場合、笑顔度平滑部8は、忘却係数を用いて笑顔度を平滑化する平滑化手段の一例であって、この実施の形態では、顔の数に応じて設定された忘却係数を用いて笑顔度を平滑化する。
そこで、この顔数算出部108で得られる顔の数と、忘却係数とを関係付けた顔数・忘却係数テーブル110(図22)を創設する。顔数・忘却係数テーブル110は、図22に示すように、顔の数と忘却係数とが関係付けられ、この場合、顔の数1〜4について、忘却係数を段階的に低下させ、顔の数が5を超える場合には、忘却係数=0に設定している。従って、顔の数に対応した忘却係数が顔数・忘却係数テーブル110から算出される。この顔数・忘却係数テーブル110は、図23に示すように、メモリ30Dのデータ記憶部64に設定すればよい。
次に、この場合の撮影制御の処理手順について、図24を参照する。図24は、撮影制御の処理手順を示すフローチャートである。図24に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS41)、その画像から顔の数を求める(ステップS42)。また、顔の数に応じた忘却係数を設定する(ステップS43)。この忘却係数は、顔数・忘却係数テーブル110から算出される。
また、取得した画像から笑顔度を推定し(ステップS44)、その笑顔度を既述の忘却係数を用いて平滑化し(ステップS45)、この平滑化処理は顔の数分だけ繰り返す(ステップS44、S45)。
そして、顔の数の全てを平滑化した笑顔度と閾値とを比較し(ステップS46)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS46のNO)、笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS46のYES)、撮影に移行する(ステップS47)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Dの画像記録部76(図23)に格納する。
このように忘却係数を顔の数に応じて調整すれば、顔の数に拘らず、被写体が笑顔になってから撮影が行われるまでのタイムラグを同じにすることができる。即ち、顔の数が増えるにつれて忘却係数が小さくなるので、笑顔度の平滑化の効果が小さく、生の笑顔度出力に近い値が使用されることになる。また、顔の数が増加するにつれ、全ての顔に対し、画像歪みによって笑顔度が高くなる可能性も低下する。このため、画像歪みによる誤撮影の回避とともに、タイムラグが顔の数によって増大する不都合を回避でき、顔の数が増加しても、笑顔度に応じた撮影を迅速に行える。
〔第5の実施の形態〕
この第5の実施の形態は、第2の実施の形態(図10、図11)に第1の実施の形態(図1、図2)の笑顔度の平滑化処理を併用したものであって、この実施の形態に係る撮影制御部2Eでは、図25に示すように、笑顔度推定部6と笑顔度判定部14との間に笑顔度平滑部8を設置し、この笑顔度平滑部8に忘却係数設定部12から忘却係数を提供し、笑顔度記憶部10に平滑化された笑顔度を記憶する構成としてもよい。
この撮影制御について、その処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、図26に示すように、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS51)、各画像から笑顔度を推定する(ステップS52)。また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS53)、この加速度から閾値を求める(ステップS54)。
また、画像から推定された笑顔度を平滑化する(ステップS55)。この平滑化処理は第1の実施の形態に示した通りである。
そこで、求めた平滑化笑顔度と、閾値とを比較し(ステップS56)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS56のNO)、平滑化笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS56のYES)、撮影に移行する(ステップS57)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Bの画像記録部76(図14)に格納する。
この実施の形態では閾値と比較する笑顔度に第1の実施の形態と同様に平滑化笑顔度が用いられている。斯かる構成とすれば、平滑化処理による瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくできることに加え、携帯電話機22の動きに応じて閾値を大きくできるので、携帯電話機22の動きによる画像の揺らぎによる誤撮影を防止できる。
〔第6の実施の形態〕
この第6の実施の形態は、第3の実施の形態(図16)に第1の実施の形態(図1、図2)の笑顔度の平滑化処理を併用したものであって、この実施の形態に係る撮影制御部2Fでは、図27に示すように、笑顔度推定部6と笑顔度判定部14との間に笑顔度平滑部8を設置し、この笑顔度平滑部8に忘却係数設定部12から忘却係数を提供し、笑顔度記憶部10に平滑化された笑顔度を記憶する構成としてもよい。
この撮影制御について、その処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、図28に示すように、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS61)、各画像から笑顔度を推定する(ステップS62)。また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS63)、この加速度の積分値を算出し、その積分値から閾値を求める(ステップS64)。
また、画像から推定された笑顔度を平滑化する(ステップS65)。この平滑化処理は第1の実施の形態に示した通りである。
そこで、求めた平滑化笑顔度と、閾値とを比較し(ステップS66)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS66のNO)、平滑化笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS66のYES)、撮影に移行する(ステップS67)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Cの画像記録部76(図19)に格納する。
この実施の形態では閾値と比較する笑顔度に第1の実施の形態と同様に平滑化笑顔度が用いられている。斯かる構成とすれば、平滑化処理による瞬間的な笑顔度の変動の影響を小さくできることに加え、携帯電話機22の動きに応じて閾値を大きくできるので、携帯電話機22の動きによる画像の揺らぎによる誤撮影を防止できる。
〔第7の実施の形態〕
この第7の実施の形態は、第5の実施の形態(図25)において、加速度取得部94の出力によって忘却係数を調整する構成としたものである。この実施の形態に係る撮影制御部2Gでは、図29に示すように、加速度取得部94で取得された加速度を忘却係数設定部12に提供する。忘却係数設定部12では、その加速度に応じた忘却係数を設定する。笑顔度平滑部8では、加速度によって調整された忘却係数により、第1の実施の形態で示した通り、笑顔度の平滑化が行われる。
そこで、加速度取得部94で取得された加速度センサ出力(絶対値)と、忘却係数とを関係付けた加速度センサ出力・忘却係数テーブル112(図30)を創設する。この加速度センサ出力・忘却係数テーブル112は、図30に示すように、加速度センサ出力(絶対値)と忘却係数とが関係付けられ、この場合、加速度センサ出力の値に段階的に幅を持たせ、その値に対して忘却係数を段階的に増加させている。従って、忘却係数は加速度センサ出力に対応した加速度センサ出力・忘却係数テーブル112から算出される。この加速度センサ出力・忘却係数テーブル112は、図31に示すように、メモリ30Eのデータ記憶部64に設定すればよい。
この撮影制御部2Gを用いた処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、図32に示すように、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS71)、各画像から笑顔度を推定する(ステップS72)。また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS73)、この加速度から忘却係数を求め、その忘却係数を設定する(ステップS74)。この忘却係数の算出では、加速度センサ出力・忘却係数テーブル112を用いることにより、検出された加速度センサ出力(絶対値)を当てはめ、その加速度センサ出力(絶対値)に対応する忘却係数が求められる。
この忘却係数を用いて笑顔度の平滑化を行い(ステップS75)、その平滑化笑顔度と閾値とを比較し(ステップS76)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS76のNO)、平滑化笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS76のYES)、撮影に移行する(ステップS77)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Eの画像記録部76に格納する。
このような加速度センサ98の出力によって忘却係数を変更し、動きが大きい場合には忘却係数が大きくなるので、このように加速度センサ出力(絶対値)と忘却係数とを関係付けることで、フォーカルプレーンシャッター等を搭載した場合に画像歪みによって生じる笑顔度が高くなることを抑制でき、画像歪みによる誤撮影を防止でき、笑顔撮影の撮影精度を高めることができる。
〔第8の実施の形態〕
この第8の実施の形態は、第6の実施の形態において、加速度取得部94の出力を積分する加速度積分部104で得られる積分値によって忘却係数を調整する構成としたものである。この実施の形態に係る撮影制御部2Hでは、図33に示すように、加速度取得部94で取得された加速度が加速度積分部104で積分され、この積分値が忘却係数設定部12に提供される。忘却係数設定部12では、その加速度の積分値に応じた忘却係数を算出し、設定する。笑顔度平滑部8では、加速度の積分値によって調整された忘却係数により、第1の実施の形態で示した通り、笑顔度の平滑化が行われる。
そこで、加速度取得部94で取得された加速度センサ出力の積分値(絶対値)と、忘却係数とを関係付けた積分値・忘却係数テーブル114(図34)を創設する。この積分値・忘却係数テーブル114は、図34に示すように、積分値(絶対値)と忘却係数とが関係付けられ、この場合、積分値に段階的に幅を持たせ、その値に対して忘却係数を段階的に増加させている。従って、忘却係数は加速度センサ出力の積分値に対応した積分値・忘却係数テーブル114から算出される。この積分値・忘却係数テーブル114は、図35に示すように、メモリ30Fのデータ記憶部64に設定すればよい。
この撮影制御部2Hを用いた処理手順は、撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例であって、この処理手順では、図36に示すように、撮像部24の画像処理部42から画像を所定の時間毎に取得し(ステップS81)、取得した画像から笑顔度を推定する(ステップS82)。
また、加速度センサ98から加速度を取得し(ステップS83)、この加速度を積分し、その積分値(絶対値)から忘却係数を求める(ステップS84)。この忘却係数の算出は、既述の積分値・忘却係数テーブル114を用いることにより、検出された加速度センサ出力の積分値(絶対値)を当てはめ、その積分値に対応する忘却係数が求められる。
そして、笑顔度を既述の忘却係数を用いて平滑化し(ステップS85)、平滑化した笑顔度と閾値とを比較し(ステップS86)、この比較処理は画像の取得タイミングに連動して継続的に行い(ステップS86のNO)、笑顔度が閾値を超えた場合(ステップS86のYES)、撮影に移行する(ステップS87)。この撮影は、既述の通り、笑顔度が閾値を超えた時点で、撮像部24に得られる画像を撮影し、メモリ30Fの画像記録部76に格納する。
このような加速度センサ98の出力値を積分し、その積分値に対応して忘却係数を変更し、その忘却係数を用いる平滑化処理により平滑化した笑顔度と閾値とを対比することができる。即ち、加速度センサ98の出力の積分値が小の場合には忘却係数が小、その積分値が大の場合には忘却係数が大となるので、等速直線運動等で加速度センサ出力が小さくなるという不都合を補完できる。この結果、等速直線運動によって瞬間的な加速度の変化が検出できない場合にも、その動きを監視でき、笑顔度撮影の撮影精度を高めることができる。
〔第9の実施の形態〕
既述の第4の実施の形態(図21)では、顔数算出部108で算出された顔の数に応じて忘却係数を変更したが、この第9の実施の形態では、検出された顔の数に応じて閾値を変更する構成である。そこで、この撮影制御部2Iでは、図37に示すように、顔数算出部108で算出された顔の数を笑顔度判定閾値設定部16に提供しており、笑顔度判定閾値設定部16では、顔の数に応じた閾値を設定している。
斯かる構成によっても、顔の数に応じて閾値を低下させれば、顔の数だけ笑顔度の判定を行う撮影タイミングの遅延を防止し、撮影タイミングを迅速化できる。
〔他の実施の形態〕
上記実施の形態では、撮影装置、撮影制御方法、撮影制御プログラム又は携帯端末装置の一例として撮影制御部2A〜2Iや携帯電話機22、22A、22Bを例示したが、撮影装置、撮影制御方法、撮影制御プログラム又は携帯端末装置は、携帯電話機だけでなく、カメラ120(図38)、撮影機能を備える携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)122(図39)、パーソナルコンピュータ(PC)124(図40)に適用してもよい。図38、図39及び図40において、上記実施の形態と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
そこで、カメラ120、PDA122又はPC124において、笑顔度に応じて撮影する撮影制御部を上記実施の形態のように構成すれば、上記実施の形態と同様の効果がカメラ120、PDA122又はPC124においても得られる。カメラ120には、図38に示すように、撮影を開始するシャッターボタン186が設置され、このシャッターボタン186は、既述の決定キー86(図5)に相当する。
次に、以上述べた実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1) 画像から推定された笑顔度に応じて撮影する撮影装置であって、
前記笑顔度を平滑化する平滑化手段を備え、該平滑化手段で得られた平滑化笑顔度が閾値を超えた場合に撮影することを特徴とする撮影装置。
(付記2) 画像から推定された笑顔度に応じて撮影する撮影装置であって、
前記撮影装置の筐体の動きを検出する動き検出手段を備え、該動き検出手段の検出出力によって閾値を変更し、該閾値を前記笑顔度が超えた場合に撮影することを特徴とする撮影装置。
(付記3) 前記画像に含まれる顔の数に応じて、前記笑顔度の平滑化の度合い又は前記閾値を変更することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
(付記4) 前記撮影装置の筐体の動きを検出する動き検出手段を備え、該動き検出手段の検出出力によって前記閾値を変更することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
(付記5) 前記撮影装置の筐体の動きを検出する動き検出手段を備え、該動き検出手段の検出出力によって前記笑顔度の平滑化の度合いを変更することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
(付記6) 前記平滑化手段は、
前記画像から推定された現時点の笑顔度を、該笑顔度と、該笑顔度の推定前の笑顔度又は前記平滑化笑顔度とを用いて平滑化することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
(付記7) 前記平滑化笑顔度は、
忘却係数を反映させた加算比率により、登録されている平滑化出力と、前記画像から推定された現時点の笑顔度とを加算した値であることを特徴とする付記1記載の撮影装置。
(付記8) 画像から推定された笑顔度に応じて撮影する撮影制御方法であって、
前記笑顔度を平滑化するステップと、
前記笑顔度の平滑化により得られた平滑化笑顔度が閾値を超えた場合に撮影するステップと、
を含むことを特徴とする撮影制御方法。
(付記9) 画像から推定された笑顔度が閾値を超えた場合に撮影する撮影制御方法であって、
撮影装置の筐体の動きを検出するステップと、
該検出出力によって前記閾値を変更するステップと、
変更された閾値を笑顔度が超えた場合に撮影するステップと、
を含むことを特徴とする撮影制御方法。
(付記10) 画像から推定された笑顔度に応じて撮影する撮影制御プログラムであって、
前記笑顔度を平滑化する機能と、
平滑化された笑顔度が閾値を超えた場合に撮影する機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする撮影制御プログラム。
(付記11) 画像から推定された笑顔度が閾値を超えた場合に撮影する撮影制御プログラムであって、
撮影装置の筐体の動きを検出する機能と、
該検出出力によって前記閾値を変更する機能と、
変更された閾値を笑顔度が超えた場合に撮影する機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする撮影制御プログラム。
(付記12) 画像から推定された笑顔度に応じて撮影する撮影機能を備える携帯端末装置であって、
前記笑顔度を平滑化する平滑化手段を備え、該平滑化手段で得られた平滑化笑顔度が閾値を超えた場合に撮影することを特徴とする携帯端末装置。
(付記13) 画像から推定された笑顔度が閾値を超えた場合に撮影する撮影機能を備える携帯端末装置であって、
前記撮影装置の筐体の動きを検出する動き検出手段を備え、該動き検出手段の検出出力によって前記閾値を変更し、該閾値を前記笑顔度が超えた場合に撮影することを特徴とする携帯端末装置。
(付記14) 前記画像に含まれる顔の数に応じて、前記笑顔度の平滑化の度合い又は前記閾値を変更することを特徴とする付記12記載の携帯端末装置。
(付記15) 前記撮影装置の筐体の動きを検出する動き検出手段を備え、該動き検出手段の検出出力によって前記笑顔度の平滑化の度合い又は前記閾値を変更することを特徴とする付記12記載の携帯端末装置。
(付記16) 前記平滑化手段は、前記画像から推定された現時点の笑顔度を、該笑顔度と、該笑顔度の推定前の笑顔度又は前記平滑笑顔度とを用いて平滑化することを特徴とする付記12記載の携帯端末装置。
(付記17) 前記平滑化笑顔度は、
忘却係数を反映させた加算比率により、登録されている平滑化出力と、前記画像から推定された現時点の笑顔度とを加算した値であることを特徴とする付記12記載の携帯端末装置。
以上説明したように、撮影装置、撮影制御方法、撮影制御プログラム又は携帯端末装置の好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。