JP5321166B2 - 焦点位置制御方法及び焦点位置制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、集光スポットを高速に走査しながら走査方向と直交する方向にステージを往復移動して二次元の領域を観測する外観検査方式における焦点位置制御方法及び焦点位置制御装置に関する。
光を用いた像観察において、その分解能εは光の波長λと対物レンズの開口数NA(NUMERICAL APERTURE)によって、「ε=k1×λ/NA」で表され(k1は光源の条件などで決まる定数)、微細なものを解像するためには短波長化と高NA化が必要とされる。走査型光学顕微鏡の場合も同様であり、分解能を決定する集光スポット径を小さくするためには短波長化と高NA化が必要である。
高NA化した場合、焦点深度が浅くなり、像の劣化(ボケ)を防ぐために高い精度の焦点位置制御が必要となる。半導体フォトマスク(レチクル)や微細な構造物を検査対象とする装置においても同様であり、表面構造の微細化に伴い分解能を向上した装置は、焦点深度が数百nmと非常に小さい。
特に、レチクル検査装置の場合は、レチクルの回路パターン形成面への異物付着防止のために保護膜であるペリクルが貼り付けられる場合もあり、非接触で焦点合わせを行わなければならない。しかも、高いスループットを確保するためにリアルタイムで焦点位置を制御していく必要がある。これらの理由によって、多くの装置は光をレチクルに照射してその反射光の状態を利用して焦点合わせを行う光学式のオートフォーカスシステムが採用されている。
この種のオートフォーカスに関する技術としては、特許文献1及び2に示されるものが知られている。
特許文献1に示される光ディスク装置では、フォーカス位置制御に対する複数プリピット信号を基に多項式近似等の演算処理後に2つの最大値を与えるフォーカス位置制御の中間に設定することで最適フォーカス位置制御を実施する。また、2つのプリピット信号がほぼ等しくなるようにトラック位置制御を行なった後に、フォーカス方向の光スポット位置制御毎に加算し、該加算結果に対して多項式近似等の演算を施した演算結果が最大となるフォーカス方向の光スポット位置制御を実施することによって情報の信頼性を確保する性能を引き出すようにしたものである。
また、特許文献2に示される共焦点型顕微鏡の合焦装置では、非共焦点光学系にて得られた試料像から合焦させたい位置と試料の光軸方向の移動範囲の1回ごとの移動量を設定し、次に、共焦点光学系に切換えて、予め設定された1回の移動量に応じた移動ごとの試料像について位置に対応する画像データをラインメモリに記憶し、この記憶された画像データから演算回路により最大輝度に対応する合焦位置を演算するものである。
特開2003−257054号公報 特開平10−142516号公報
ところで、光学式のオートフォーカスシステムは、対象のパターンからの回折散乱光がノイズとなってフォーカス誤差が生じる問題を抱えている。また、レチクル検査装置の場合には、レチクルのパターン線幅が0.5μm以下となる微細パターンによって、光回折・散乱がノイズとなって焦点深度を超える大きなフォーカス誤差が発生し、その結果、正確な焦点を検出することが困難となり、検査が実行不能となるケースがある。これは検査装置のみならず、露光装置などオートフォーカスに光学式のリアルタイム高速応答を必要とする装置では皆同じ問題を抱えていた。中にはオートフォーカスシステムを多数配置して誤差を平均化する方法を取る装置も提供されているが、装置全体が大型・複雑・高価格化する原因となっていた。こうした背景の中、パターン回折光によるフォーカス誤差を小さく抑える方法および装置が望まれている。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、次のことを目的とする。
(1)回析光によって発生するフォーカス誤差を抑止し、焦点を正確に合わせる。
(2)小型、簡素、低価格な構成で焦点を正確に合わせる。
(3)微細構造の欠陥をより確実に検出する。
上記課題を解決するために本発明では以下のように構成する。
すなわち、本発明では、複数の検査領域が相関性をもって隣接する検査対象物に用いられ、前記検査対象物からの反射光を利用して焦点位置を検出し、該検出結果に基づき焦点位置制御を行う焦点位置制御方法であって、前記複数の検査領域のうち一の検査領域について検出された焦点位置情報群に多項式近似の演算処理を行い、その演算処理結果を基に、前記一の検査領域に隣接する検査領域についての焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うことを特徴とする。
また、本発明では、複数の検査領域が相関性をもって隣接する検査対象物に用いられ、前記検査対象物からの反射光を利用して焦点位置を検出し、該検出結果に基づき焦点位置制御を行うえ前記複数の検査領域のうち一の検査領域について検出された焦点位置情報群に多項式近似の演算処理を行い、その演算処理結果を基に、前記一の検査領域に隣接する検査領域についての焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うオートフォーカス制御部を具備することを特徴とする。
本発明によれば、直前に位置する検査領域の焦点位置情報群について多項式近似の演算処理をし、その演算結果を基にして、次の検査領域の焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うことで、回析光によって発生するフォーカス誤差を抑止し、焦点を正確に合わせることができる。これにより、焦点を正確に合わせてレチクルの微細な欠陥を検出することができる。また、簡易な走査方式であるので、小型化、簡素化、低価格化に貢献することができる。
本発明に係わる焦点位置制御装置の概略構成図である。 4分割センサで検知される反射光を示す図であって、(a)はデフォーカスアウト、(b)はジャストフォーカス、(c)はデフォーカスインを示している。 フォーカス信号Fと対物レンズの移動方向を示すグラフである。 焦点位置制御装置に発生した回析光を示す概略構成図である。 4分割センサに回析光が入った状態を示す図であって、(a)はデフォーカスアウト、(b)はジャストフォーカス、(c)はデフォーカスインを示している。 回析光によってフォーカス信号Fの値が変化した状態を示すグラフである。 検査対象物を走査する複数のストリームを示す図である。 図7に示されるストリームのフォーカス高さを示すグラフである。 フォーカス誤差を発生させる微細パターンを有する検査対象物を走査したときの複数のストリームを示す図である。 図9に示されるストリームのフォーカス高さを示すグラフである。 オートフォーカス処理の工程を示すフローチャートである。 図11のフローチャートに基づくフォーカス高さ制御処理を示すグラフである。 近似制御によってフォーカス誤差が緩和されたことを示すグラフである。
図1〜図13を参照して本発明の一実施形態に係わる焦点位置制御方法及び該方法が適用された焦点位置制御装置100について説明する。
まず、図1に符号1で示すものは波長266nmの遠紫外レーザ光線を発する光源であり、光源1から発せられた光ビーム2は、反射光分離用のビームスプリッター3を透過して、対物レンズ4に入射する。
ビームスプリッター3は偏光を利用したものでも良いし、ハーフミラーなどでもよい。対物レンズ4は、例えばNA(開口数)0.8以上の大きな開口を有し、例えば、回路基板上のレチクル等の検査対象物5上にφ0.3〜0.4μmの微小な集光スポットを形成する。また、このビームスプリッター3では、再び対物レンズ4を経由した検査対象物5からの反射光(符号6で示す)を、先の光ビーム2と分離する。分離された反射光6は、1方向に集光性を持つシリンドリカルレンズ7で4分割センサ8上に集光される。
前記シリンドリカルレンズ7と4分割センサ8とを含むオートフォーカス光学系は、非点収差法が採用された焦点位置検出手段20を構築している。
また、前記対物レンズ4は、検査対象物5に対して焦点合わせをするために、図示するような(+)又は(−)に図中上下方向に微小に移動させる、例えばピエゾ素子等からなる駆動素子4Aを有するものであって、後述する駆動電圧13により駆動が行われる。
また、4分割センサ8は、図2に示すように、全体として円形なす検出面が4つに分割された受光部(A1、A2、B1、B2)により、反射光6を受光するものであって、4分割センサ8の各受光部で検出した光強度を示す4つの光強度検出信号9は、オートフォーカス制御部10へ入力される。
オートフォーカス制御部10では、入力された光強度検出信号9に対して所定の演算式(後述する)に基づく演算を行ってフォーカス信号Fを獲得し、このフォーカス信号Fを基にして、対物レンズ4を位置決めして焦点位置を定めるための制御信号11を、対物レンズ制御部12に対して出力する。
対物レンズ制御部12は、オートフォーカス制御部10からの制御信号11に基づき、対物レンズ4の駆動素子4Aを、(+)又は(−)に方向に微小に移動させる駆動電圧13を出力する。
また、焦点位置制御装置100には、光源1から出力される光ビーム2をX及びY方向に走査するためのステージが設けられているが、図面上では省略されている。
次に、図2〜図13を参照して、焦点位置制御装置100におけるオートフォーカスの基本動作について説明する。
まず、対物レンズ4が(+)又は(−)に上下動して焦点がずれると4分割センサ8の受光部(A1、A2、B1、B2)では、反射光6のビーム形状(符号6´で示す)が、図2(a)〜図2(c)で示すように変化する。すなわち、図2(b)で示すような、焦点が合ったジャストフォーカスの状態から、図2(a)で示すような、ジャストフォーカスより小さい範囲にビームが形成されるデフォーカスアウト、また、図2(c)で示すような、ジャストフォーカスより大きい範囲にビームが形成されるデフォーカスイン、となるようにビーム形状6´が変化する。
このとき、図2(a)又は(c)に示すように、ビーム形状6´が変化(ビーム形状が楕円形状に変化)した場合には、先のオートフォーカス制御部10が、受光部(A1、A2、B1、B2)から出力される検出信号に基づき、対物レンズ4を(+)又は(−)に移動させることで、該ビーム形状6´を、焦点が合っている図2(b)に示す真円状になるように、フィードバック制御を行う。
そして、ここで図2の4分割センサ8の受光部(A1、A2、B1、B2)からは、各受光部の光強度(FA1、FA2、FB1、FB2)を示す光強度検出信号9が出力され、該光強度検出信号9が入力されたオートフォーカス制御部10では、「F=(FA1+FA2)−(FB1+FB2)」の演算を行い、焦点制御データとなるフォーカス信号Fを得る。
図3は、対物レンズ4の(+)又は(−)の上下動と、フォーカス信号Fとの関係を表した図である。このフォーカス信号Fを用いてオートフォーカス制御部10では、以下のような制御を行う。
(1)F<0である場合:対物レンズ4を下側に移動させる(図1の(−)方向に移動させる)
(2)F=0である場合:何もしない
(3)F>0である場合:対物レンズ4を上側に移動させる(図1の(+)方向に移動させる)
すなわち、図2(a)の状態では「F>0」となるため対物レンズ4を上げて「F=0」(図2(b)の状態)にする。一方、図2(c)の状態では「F<0」となるため対物レンズ4を下げて「F=0」にする。この制御を予め設定したフィードバック周期で繰返し、常に焦点が合った状態で、光ビーム2による走査を行う。
そして、このような焦点位置制御装置100におけるオートフォーカス処理では、これまでは、図4〜図10に示すようなフィードバック制御を実施しているが、本願発明では、これを図11〜図13に示すように改善するものである。
まず、図4〜図10に基づき、これまでの一般的なフィードバック制御について説明すると、一般的なフィードバック制御では、焦点がずれたら合わせるという、焦点合わせ対象箇所のみのフィードバック制御を行っていた。
ここで、これまでの一般的なフィードバック制御において、レチクル等の検査対象物5に大きな角度で回折光を発生させる微細パターンがある場合について考えると、まず、図4に太線で示すように、フォーカス誤差となる微細パターンによってメイン反射光6の光軸から大きく外れた回折光30が発生して、4分割センサ8の受光部(A1、A2、B1、B2)に入射したとする。
このときの4分割センサ8上の様子を示したものが図5(a)〜(c)であり、回折光30のビーム(符号30´で示す)は、4分割センサ8に偏って入射する。ここでは受光部B2の出力が、他の受光部A1、A2、B1より大きくなり、その結果、先の演算式に基づき、図6に実線で示すようにフォーカス信号Fが平行移動することになる。
その結果、本来のジャストフォーカスである位置(図6に点線で示す)から「F=0」となるポイントがずれてフォーカス誤差が発生する(本例では(−)方向へずれた場合を示している)。フォーカス誤差を発生させる微細パターンには様々な形状が存在するため回折光の発生の仕方も多種多様であり、パターン回折光によるフォーカス誤差を軽減することが望まれている。
次に、検査対象物5を検査する際の走査順序について説明する。図7のY方向にストリーム幅分(符号40)の光走査を繰返しながら、X方向右側(符号XRで示す)へステージ移動して2次元の領域を光走査して撮像する。第1ストリーム(1st)が終わると、X方向と直交するY方向へステップ移動して、第2ストリーム(2st)となる。第2ストリーム(2st)は、第1ストリーム(1st)とは逆方向のX方向左側(符号XLで示す)へ走査する。
以降、図7に、第3ストリーム(3st)、第4ストリーム(4st)、第5ストリーム(5st)、第6ストリーム(6st)で示すように蛇行しながら走査を繰返し、これら第1〜第6ストリームからなる検査領域(走査帯)によってレチクルの全ての領域を検査する。
ここで、検査対象物5の検査エリアは100mm×100mm程度であり、検査領域である第1〜第6ストリーム(1st〜6st)のそれぞれのY方向の幅は、50μm前後に設定されている。また、互いに隣接する第1〜第6ストリームは若干の重なりを持つように走査する。
なお、本実施例で述べるストリームとは、光ビーム2による光走査、及び光走査を行う一定幅を持った検査領域を指す。
図8は、図7の蛇行を繰り返した場合の第1〜第6ストリームの焦点制御の状態を示したグラフであって、横軸が図7のX方向に該当し、また、縦軸は焦点位置を示すフォーカス高さ(H)であるが、グラフのX方向右側(符号XRで示す)への緩やかな曲線は、検査対象物5であるレチクルのたわみを強調して表している。このとき、図8に示すように、Y軸に沿う上部では右端が高く、Y軸に沿ってレチクルの下部に進むにつれて右端が低くなるような、うねった状態を示している。
そして、オートフォーカスシステムは、このような検査対象物5であるレチクルのたわみにリアルタイムで追従して検査を進めなければならないが、ここで、図9の符号50で示す箇所に、大きなフォーカス誤差を発生する微細なパターンが存在したとすると、図8で示した第1〜第6ストリームのそれぞれの焦点制御の状態は、図10のようになる。つまり、回折光によるフォーカス誤差によって、符号50´で示すような部分的なフォーカスずれが発生する。
そこで、本発明においては、第1〜第6ストリームのY方向の幅は50μm前後であり、上下に隣接する2つの第1〜第6ストリーム間では焦点位置に相関があり、ほぼ同じであることを利用して、図11〜図13で示すように制御を、以下のように行うものである。
例えば、図12のように蛇行しながら検査対象範囲の画像を採取していく過程において、第1ストリームと、折り返した直下の第2ストリームとの間隔は50μm程度であり、焦点位置(高さ)がほぼ同じで相関があることを利用する。以降も同様に、第2ストリームと第3ストリームとの相関関係、第3ストリームと第4ストリームとの相関関係、第4ストリームと第5ストリームとの相関関係、第5ストリームと第6ストリームとの相関関係をそれぞれ利用する。
具体的には、検査を行うそれぞれの第1〜第6ストリームでは、直前真上のストリームの焦点位置情報を記憶しておき、そのデータ群を多項式で近似する。この多項式近似の演算処理によって通常より飛び跳ねた状態の微細パターンフォーカス誤差成分を抑制する。そして、それぞれのストリームにおいて直前真上のストリームの演算処理結果を基準とし、現在の位置におけるフォーカス信号によって上下方向のどちらに焦点を制御すべきかを判定してフォーカス追従を行う(第1ストリームについては後述する)。このとき、必要以上に焦点を移動しないように制限すれば焦点深度を超えることはなくなる。この制御方法によって、スループットを確保した状態で精度良く焦点位置を制御することが可能となる。
なお、このような制御は、オートフォーカス制御部10にて実行する。また、該オートフォーカス制御部10では、一定の周期でフィードバック制御を行うものであり、また、検査領域のサイズが決まれば、該ストリームのY方向の幅及び該ストリームの重なり幅から自動的に、ストリーム数が決定される。
以下、具体的なオートフォーカス処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
(工程1)
本検査を行う第1ストリームの前において、検査を行わない第0ストリームであるダミーストリーム(0st)を実行するために、ステージ送り逆方向(符号XLで示されるX方向左側)に移動させ、従来動作と同様、対物レンズ4を通過する光ビーム2の焦点を合わせるための焦点位置情報群となるフォーカス高さ(H)制御信号(図12(a)に符号60で示す)を記憶する。
なお、この工程1は、近似用データの採取のためだけに実行される。また、このダミーストリームは、第1ストリームと同じ経路、又近似した位置にある経路(つまり、第1ストリームと相関性を有する経路)である。
(工程2)
上記工程1でのダミーストリーム完了後、ステージを折り返してY方向にステップ送りする際に、工程1で記憶したフォーカス高さ(H)制御信号について、多項式近似の演算処理を行いその結果(図12(b)に符号61で示す)を保存する。
そして、このようなダミーストリームを実行した後は、第1〜6ストリームでの走査を実行するために、ステージを走査開始時の初期位置に復帰させる。
(工程3)
次に、上記工程2で保存した多項式近似の演算処理の結果に基づき、次の第1ストリームでの走査を行うとともに、この走査に基づき、焦点位置検出手段20にて非点収差法により得られたフォーカス信号Fの正負判定を行い、焦点深度から外れない範囲の極微少量のみ対物レンズ4を駆動する。
ここは、工程2で算出した演算処理結果に基づきそのままに制御を行うと、Y方向へステップ移動を繰り返しレチクルのたわみかたが変化した場合などに、追従できなくなるため、該演算処理結果に対して更にフォーカス信号Fの判定を行い微少量フォーカス追従させる必要がある。
(工程4)
工程3での第1ストリームの走査時に、焦点位置情報となる該第1ストリームのフォーカス高さ(H)制御信号(図12(a)に符号62で示す)を記憶する。
(工程5)
工程4にて第1ストリーム走査を完了した後、記憶した焦点位置情報群を、同様に多項式近似の演算処理をしてその結果を保存する。なお、このような多項式近似の演算処理は、スループットを低下させないように、次のストリームに移行する際のステージ折り返しステップ移動時に行われる。
(工程6)
最終列の第6ストリームまで走査が完了したか否かを判断し、YESの場合に本フローチャートを終了し、NOの場合に先の工程3に戻る。
そして、本例の場合、上記工程5で保存した第1ストリームについての多項式近似の演算処理の結果に基づき、工程3と同様、次の第2ストリームでの走査を行うとともに、この走査に基づき、フォーカス信号Fの正負判定を行い、焦点深度から外れない範囲の極微少量のみ対物レンズ4を駆動する。以降、順次、第3〜第6ストリームについて、最後の第6ストリームまで、工程3〜工程6に示される処理を同様にして繰り返し行う。
そして、以上のような工程で示される処理を行うことで、図12に示すように微細パターン誤差の部分は近似の演算処理によって小さくなる方向へ抑制される。図13は、その効果を示す実験結果である。点線(符号70で示す)が微細パターンによる誤差を含む制御状態を示し、近似制御によって実線(符号71で示す)のように誤差が緩和されていることが分かる。
なお、上記工程で使用される多項式近似の次数は2次多項式か3次多項式が良い。4次多項式以上の場合はエラー部分も再現してしまい効果が薄れる可能性が高くなる。
以上詳細に説明したように本実施形態に示される焦点位置制御装置100では、直前に位置するストリーム(0st、1st〜5st)の焦点位置情報群を多項式近似の演算処理を行い、その演算処理結果を基にして、次のストリーム(1st〜6st)の焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うことで、微細なフォーカス誤差を緩和することができ、従来問題となっていた焦点深度を超える微細パターン回折光起因のフォーカス誤差は、焦点深度内に抑制することができ、精度の高い検査が可能となる。従って、被検査物であるレチクルに製造上の部分的な欠陥があったとしても、この欠陥を、より確実に検出することができる。
また、上記の焦点位置制御装置100は、簡易な走査方式であるので、小型化、簡素化、低価格化にも貢献でき、また、多項式近似演算処理を、第1〜6ストリームのステージ折り返し時などの焦点制御不要時に行うことにより、全体の制御時間の短縮を図ることができる。
また、焦点位置制御装置100では、制御方式のみの変更で微細なフォーカス誤差を緩和することができるので、改造資材の準備は最小に抑えることも可能となる。
なお、本実施形態に示す焦点位置制御では、多項式近似による制御を行う前に採取するデータ採取用のダミーストリームによって得られるデータは誤差を多く含むため第1〜6ストリームの最初に、その誤差を引きずる傾向がある。このため、検査実施前のダミーストリームをひとつのストリームのみにせず第1〜6ストリームの複数ストリームをダミーストリームとして誤差成分が緩和されるまで検査を待機状態にする方式も有効である。この場合は、ダミーストリームでデータ採取後、第1〜6ストリームは近似制御するが検査はまだ開始しない、すなわち、検査開始ストリーム上のストリームを複数回往復することにより、誤差成分が緩和されるのを待ってから検査を開始しても良い。
また、上記焦点位置制御装置100では、上述した工程3において、フォーカス信号Fの正負判定を行い、焦点深度から外れない範囲の極微少量のみ対物レンズ4を駆動するようにしたが、焦点深度から外れないようにする該対物レンズ4の動作範囲((+)〜(−)の移動可能範囲)は、適宜設定により定めるようにすると良い。
また、焦点位置制御装置100では、多項式近似演算処理を、第1〜6ストリームのステージ折り返し時などの焦点制御不要時に行うようにしたが、これに限定されず、ステージ折り返しが完了した時点で行うようにしても良く、演算処理のタイミングは特に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は微細構造を持つマスク原盤、特に液晶、半導体集積回路等の回路を転写する際に用いられるレチクルの異物や製造上の欠陥を検査するための装置に関するものである。その他に、微細な構造を有するMEMS部品、電子デバイス等の光学検査へも応用できる。
5…検査対象物
6…反射光
8…分割センサ
9…光強度検出信号
10…オートフォーカス制御部
100…焦点位置制御装置
H…フォーカス高さ

Claims (12)

  1. 複数の検査領域が相関性をもって隣接する検査対象物に用いられ、前記検査対象物からの反射光を利用して焦点位置を検出し、該検出結果に基づき焦点位置制御を行う焦点位置制御方法であって、
    前記複数の検査領域のうち一の検査領域について検出された焦点位置情報群に多項式近似の演算処理を行い、その演算処理結果を基に、前記一の検査領域に隣接する検査領域についての焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うことを特徴とする焦点位置制御方法。
  2. 前記複数の検査領域は、前記検査対象物に対して一方向に走査を行った後に、該一方向に直交する方向へステップ移動して前記一方向の逆方向へ走査を行う蛇行状走査における各走査帯であることを特徴とする請求項1に記載の焦点位置制御方法。
  3. 前記多項式近似の演算処理結果を、光学式非点収差法によって得られた合焦位置を示すフォーカス信号と比較して、対物レンズの焦点深度を超えない範囲で、該演算処理結果を基準とした焦点制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点位置制御方法。
  4. 多項式近似の多項式次数を焦点検出対象物に応じて変更して最適な近似制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御方法。
  5. 前記多項式近似演算処理を、焦点制御不要時に行うことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御方法。
  6. 前記検査領域での焦点位置制御の前に、前記複数の検査領域ではない領域であって最初に焦点位置制御を実行する検査領域に近似した領域を走査して、該走査により得られた初期基準データ多項式近似の演算処理し、該多項式近似の演算処理結果を基にして、前記検査領域の最初の焦点位置制御を実行することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御方法。
  7. 複数の検査領域が相関性をもって隣接する検査対象物に用いられ、前記検査対象物からの反射光を利用して焦点位置を検出し、該検出結果に基づき焦点位置制御を行う焦点位置制御装置であって、
    前記複数の検査領域のうち一の検査領域について検出された焦点位置情報群に多項式近似の演算処理を行い、その演算処理結果を基に、前記一の検査領域に隣接する検査領域についての焦点位置制御を焦点深度の範囲内で行うオートフォーカス制御部を具備することを特徴とする焦点位置制御装置。
  8. 前記複数の検査領域は、前記検査対象物に対して一方向に走査を行った後に、該一方向に直交する方向へステップ移動して前記一方向の逆方向へ走査を行う蛇行状走査における各走査帯であることを特徴とする請求項7に記載の焦点位置制御装置。
  9. 前記オートフォーカス制御部は、前記多項式近似の演算処理結果を、光学式非点収差法によって得られた合焦位置を示すフォーカス信号と比較して、対物レンズの焦点深度を超えない範囲で、近似の演算処理結果を基準とした焦点制御を行うことを特徴とする請求項7又は8のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御装置。
  10. 前記オートフォーカス制御部は、多項式近似の多項式次数を焦点検出対象物に応じて変更して最適な近似制御を行うことを特徴とする請求項7〜9のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御装置。
  11. 前記オートフォーカス制御部は、前記多項式近似演算処理を、焦点制御不要時に行うことを特徴とする請求項7〜10のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御装置。
  12. 前記オートフォーカス制御部は、前記検査領域での焦点位置制御の前に、前記複数の検査領域ではない領域であって最初に焦点位置制御を実行する検査領域に近似した領域を走査して、該走査により得られた初期基準データ多項式近似の演算処理し、この処理結果を基に、前記検査領域の最初の焦点位置制御を実行することを特徴とする請求項7〜11のうちいずれか1項に記載の焦点位置制御装置。
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