JP5321061B2 - 不飽和複素環誘導体 - Google Patents

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Description

プリン環系化合物は学問的および工業的研究者によりある程度まで詳しく研究されており、各種用途に向けた多様な誘導体の製造および評価につながっている。本発明は新たな種類のプリン誘導体ならびにがん、骨疾患、代謝異常、炎症性疾患その他の疾患の治療におけるその使用に関する。
1.本発明の化合物の一般的説明
本発明の化合物は、広範囲の有用な生物学的及び薬理学的活性を有し、とりわけ1種または2種以上の他の治療に対して抵抗性又は不応答性の疾患を含む、代謝異常、骨疾患(例、骨粗鬆症、ページェット病等)、炎症(リウマチ様関節炎、とりわけ炎症性疾患を含む)、又はがん(充実性腫瘍及び白血病、特にSrcもしくはkdrのような1種もしくは2種以上のキナーゼ、又はAblのようなキナーゼの調節障害が媒介するもの)の治療のための薬剤組成物並びに治療方法に使用することができる。包含されるのは、下記の式Iで示される化合物である。
Figure 0005321061
式中、
・Rはいつも、ハロゲン、−R、−OR、−SR、−NR、−CONR、又は−NRCO(VR)であり、ここでVは−O−、−S−、−NR−、又は共有結合であり;
・Rはいつも、−Mであり、ここで各Mは独立して置換又は非置換のメチレン基であり;kは0〜4の整数であり;Rはハロゲン、−CN、−R、−OR、−S(O)R、−S(O)−NRR'、−NRR'、−NR(CO)VR、−CO(VR)、又は下に規定するリン含有部分Jであり、nは0、1又は2であり;
・Rはいつも、−R、−CONR、−NHCOR、−NHCO(OR)、又は−NHCONRであり;
・R及びRはいつも、独立して、水素又は脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール基を意味するか、或いはNRがN含有複素環式もしくはヘテロアリール環又は環系を構成し;
・Qは−C≡C−又は−CR=CR'−(シスもしくはトランス配置のいずれか)であり;
・環Aはアリール、ヘテロアリール、又は複素環式環または環系であり;
・(R)は1または2以上の任意置換基(Ra1、Ra2、Ra3、など)を表し(後で規定するように、アリール、ヘテロアリール又は複素環式環系に対して可能)、ここでmは0からその環系に許される置換基の数までの整数、多くの場合は0〜4の整数であり;そして
・上付き英数文字が付されていないR(又はR'、R”等)はいつも、独立して、水素又は脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール基であり;そして
・Jは、式−PO(VR)、−P(VR)又は−PO(VR)(GR)で示されるP含有基であり、ここでGはO、S、NR又は(M)であり、Mはいつも独立して置換もしくは非置換のメチレン基であり;xは1〜6の整数であり、そしてRは−PO(VR)、−SO(VR)又は−C(O)(VR)であり;ただし、Pに直接結合しているR基はどれもHではない(例、−PRは−PHとはなりえない)。
上記式中、前記各基において、各脂肪族又はヘテロ脂肪族基は分岐又は非分岐の環式又は非環式の置換又は非置換のものでよく、1又は2以上の不飽和結合を含んでいてもよく;各アリール及びヘテロアリール基は置換又は非置換でよく、複素環又はヘテロアリール基は、1つの炭素(もしくは場合によって2以上の炭素)又は複素環もしくはヘテロアリール環のヘテロ原子を介して隣接部分に共有結合していてもよい。
各記号の上記定義は、以下に詳述かつ例示され、特に記載しない限り、この定義はその記号が以下に出てくる場合にもすべて当てはまる。
2.特徴的な種類の化合物及びそれらの用途、一般説明
本発明において使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、すぐ上の1において述べた一般式IにおいてRがHである化合物を含み、これは次式(式中、変更可能な<記号で示される>基の意味は上記に定義した通りである)で示されるビニル及びアセチレン化合物を包含する。
Figure 0005321061
この種の化合物としては、すぐ上の式のいずれかにおいて環Aが下記タイプのいずれかである化合物が例示される。
Figure 0005321061
式中、Ra1、Ra2及びRa3はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、低級アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル等)、ハロアルキル、トリハロアルキル(例、トリクロロメチル、トリフルオロメチル等)、アルコキシ(CHO−、CHCHO−、CHOCHO−等)、−S(O)R、−S(O)NRR'、−NRR'、−NR(CO)VR、−CO(VR)、又はJといった、アリール、ヘテロアリール又は複素環基上に許される置換基から選ばれ;EはO、S又はNRである。
このような化合物の例は、環Aが次式で示されるものである。
Figure 0005321061
特に興味ある別の種類の化合物は、上の1において記載した一般式Iにおいて、Rが−CONR、−NHCOR又は−NHCONRである化合物である。上述したように、R及びRは、それぞれが水素又は脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール基を意味するか、或いはNRがN含有複素環式もしくはヘテロアリール環又は環系である。
この種の化合物の下位種では、RはHである。
興味ある別の下位種では、Rが、置換又は非置換のアリール、ヘテロアリール又は複素環基であって、1又は2以上の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール又はヘテロアリール置換基を任意に有していてもよく、そのそれぞれは、ハロゲン、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール又は下に述べるような他の許される置換基をさらに有していてもよい。
従って、この種の化合物は、Rが置換又は非置換のアミド又は尿素結合を介して「環A」に結合している「環B」を与える化合物を包含する。この種の化合物はとりわけ、次のIII式で示される化合物を包含する。
Figure 0005321061
式中、
−X−Y−は、−CONR−、−NHCO−、又は−NHCONR−であり;環Bは、アリール又はヘテロアリール環上に許される置換基から選ばれた1又は2以上の任意置換基Rb1、Rb2、Rb3等を有していてもよい、置換又は非置換のアリール、ヘテロアリール又は複素環基であり;残りの記号の意味は既に定義した通りである。
環系Bの例としては、アリール、ヘテロアリール、及び複素環基であって、ハロゲン、トリハロアルキル又は置換もしくは非置換アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基といったこのような環系に許される1又は2以上の任意置換基を有していてもよい基が挙げられ、環系Bの一部を例示すれば下に示したような環系である。
Figure 0005321061
この種の化合物の具体例を例示すると、次式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005321061
式中、変更可能な基の意味は上に定義した通りであり、「環A」−X−Y−「環B」部分のいくつかの代表例が上に示されている。
この種の化合物はまた、Rが−CONR又は−NHCONRであり、ここでNRは、下記の式IVに示されるようにN含有複素環又はヘテロアリール環系Cである化合物を包含する。
Figure 0005321061
この化合物は、アリール又はヘテロアリール環に許される置換基から選ばれた1又は2以上の任意置換基Rc1、Rc2、Rc3等を有していてもよく、残りの記号の意味は既に定義した通りである。この化合物は次式により例示される。
Figure 0005321061
興味ある化合物としては、とりわけ、RがHである前記種類、下位種及び一般式の化合物が挙げられる。RがHである一般式III及びIVの化合物が特に興味ある化合物である。
やはり興味があるのは、Rがハロゲン、特にFである前記種類、下位種及び一般式の化合物である。
やはり興味があるのは、とりわけRがHである場合を含む、RがRである前記種類、下位種及び一般式の化合物である。
やはり興味があるのは、とりわけRがHである場合を含む、RがORである前記種類、下位種及び一般式の化合物である。
やはり興味があるのは、とりわけRがHである場合を含む、Rが−NRR'である前記種類、下位種及び一般式の化合物である。
やはり特に興味があるのは、これら5種類(すなわち、RがH;Rがハロゲン;RがR;RがOR;又はRがNRR')のそれぞれの化合物、並びにその他の種類、下位種及び一般式の化合物において、RがR(特にH)、ハロゲン(特にF)、−NRR'(特に、−NHR、ここでRは3〜7員炭素環の環状脂肪族基のような環式基又は対応する非環式基を包含する脂肪族又はヘテロ脂肪族基であり、いずれも場合も置換又は非置換でよい)である化合物である。Rが−NHRである化合物の制限しない例を次に示す。
Figure 0005321061
やはり興味があるのは、下に例示するような、RがH、F又は−NHRであり、Rが置換又は非置換でよいアリール又はヘテロアリール基である対応する化合物である。
Figure 0005321061
以上の全ての種類において、Qはアセチレン部分、−−であるか、或いは置換又は非置換のビニル部分、−CR=CR'−(これはシス又はトランス配置であるか、或いはシス/トランス混合物であってもよい)のいずれかである。
一般式VI(c)の化合物の代表例としては、とりわけ、次式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005321061
式中、例えば、Ra'は−PO(Me)、−SOR(例、−SOMe)、又は−SONRである。置換基R及びRを有するフェニル環の制限しない1例は1,5−ジメチルフェニルである。別の場合には、RはHであるか、又はR及び(R)(並びにR)は、これらの変更可能な基の候補置換基の全範囲から選ばれる。
特に興味ある本発明の化合物としては、下記の1又は2以上の特徴を有するものが挙げられる:
・分子量が質量単位で1000未満、好ましくは800未満、より好ましくは650未満(溶媒和もしくは共結晶化種の重量、塩の場合の対イオンの重量、又はプロドラッグもしくは他の薬剤に許容される誘導体を形成するために付加される部分の重量を含まない)、或いは
・野生型もしくは変異型(特に臨床に関連する変異型)キナーゼ、特にSrc、Yes、Lyn、又はLckのようなSrc族キナーゼ;VEGF−R1(Flt−1)、VEGF−R2(kdr)又はVEGF−R3のようなVEGF−R;PDGF−R;Ablキナーゼ又は興味ある他のキナーゼに対する阻害活性が、(任意の科学的に許容されるキナーゼ阻害検定を用いて測定した)IC50値で、1μM以下であり、IC50値は好ましくは500nM又はそれより良好、最適には250nM又はそれより良好;或いは
・ある特定のキナーゼに対する阻害活性のIC50値が、興味ある他のキナーゼに対するそのIC50値より少なくとも100倍は低い;或いは
・Src及びkdrの両方に対する阻害活性のIC50値がそれぞれに対して1μM又はそれより良好;或いは
・科学的に許容されるがん細胞異種移植片モデルを用いたin vitro又は動物試験において維持されたがん細胞系に対する細胞毒性又は増殖阻害効果(特に好ましいのは、培養K562細胞の増殖を、比較試験により測定して、グリーベック(Gleevec)と少なくとも同等の高さの効力で、好ましくはグリーベックの少なくとも2倍の効力で、より好ましくはグリーベックの少なくとも10倍の効力で阻害する本発明の化合物である);或いは、
・Qがトランス配置のビニル基である構造;或いは
・RがH又はハロゲンであり、RがB又はC環を含んでいる構造。
ここに開示した少なくとも1種の化合物又はその薬剤に許容される誘導体と、少なくとも1種の薬剤に許容される賦形剤又は添加剤とを含有する組成物もまた提供される。このような組成物は、がんの増殖、発生及び/又は転移を阻害するために、そして広義には、本発明の化合物により阻害される1種または2種以上のキナーゼが媒介する疾患又は望ましくない症状(状態)の治療及び予防のために、それを必要とする個体に対して投与することができる。「がん」は、充実性腫瘍(例、特に乳がん、大腸がん、膵臓がん、CNS及び頭部及び頸部がん)並びに各種形態の白血病を含み、グリーベック又は他のキナーゼ阻害剤による治療に対して耐性のがんをはじめとする、他の治療に対して耐性の白血病及び他のがんを含む。
本発明のがん治療方法は、レシピエントにおける充実性腫瘍又は白血病のような他の形態のがんを含むがんの増殖、発生又は広がりの阻害、遅速化又は逆転のために、それを必要とするヒト又は動物に治療有効量の本発明の化合物を投与する(単独療法として、或いは1種または2種以上の他の抗がん剤、1種または2種以上の副作用改善剤、放射線等と組み合わせて)ことを含む。このような投与は、ここに開示した化合物の1種又はその薬剤に許容される誘導体により阻害される1種または2種以上のキナーゼが媒介する疾患の治療又は予防方法となる。本発明の化合物の「投与」は、ここに説明するように任意の適当な処方組成物又は投与経路を用いて、ここに記載した種類の化合物又はそのプロドラッグもしくは他の薬剤に許容される誘導体をレシピエントに送り込むことを包含する。典型的には、本化合物は週に1回以上、例えば、毎日、隔日、週に5回などの頻度で、投与される。現在興味あるのは経口及び静脈内投与である。
ここで用いた「薬剤に許容される誘導体」とは、かかる化合物の任意の薬剤に許容される塩、エステル、又はかかるエステルの塩、或いは任意の他の付加生成物又は誘導体であって、患者に投与されると、ここに記載された化合物、又はその代謝産物若しくは残基(MW>300)を供給(直接的又は間接的に)することができるものを意味する。従って、薬剤に許容される誘導体は、とりわけプロドラッグを包含する。プロドラッグとは、in vivoで除去され易い追加部分を含んだ目的化合物の誘導体であって、この除去により薬理学的活性種である親分子を生ずる、通常は薬理学的活性が著しく低い誘導体のことである。プロドラッグの1例は、in vivoで開裂して対象の化合物を生ずるエステルである。多様な化合物のプロドラッグ、並びに親化合物を誘導体化してプロドラッグを作成するための材料及び方法は公知であり、本発明に適用されうる。
親化合物の特に好ましい誘導体及びプロドラッグは、親化合物に比べて、哺乳動物に投与した時の化合物の生物学的利用能を増大させる(例、経口投与後の血液中への吸収の増大により)又は対象となる生物学的部位(例、脳又はリンパ系)への送り込みを増大させる誘導体及びプロドラッグである。好ましいプロドラッグとしては、親化合物に比べて水溶性又は腸管膜を通る能動輸送が増大している本発明の化合物の誘導体が挙げられる。
本発明の1つの重要な側面は、本発明の化合物を含有する治療有効量の組成物を、治療を必要とする個体に投与することからなる、該個体におけるがんの治療方法である。こうして治療しうる各種のがんが本明細書の他の個所にも記載されているが、とりわけ、グリーベック、イレッサ、タルセバ又は本明細書に記載した他の薬剤のいずれかといった別の抗がん剤に対して耐性であるか耐性になってしまったがんが挙げられる。治療は1種または2種以上の他のがん治療法と併用して実施してもよい。他の治療法としては、手術、放射線治療(例、ガンマ線、中性子線放射線治療、電子線放射線治療、陽子線治療、小線源治療、及び全身放射性同位元素治療等)、内分泌療法、生体応答調節剤(例、インターフェロン、インターロイキン、及びいくつもないが腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法、低温療法、副作用軽減剤(例、制吐剤)、並びに他のがん化学療法薬が挙げられる。他の薬剤は、本発明の化合物で使用するのと同じ又は異なる処方組成物、投与経路及び投与計画を用いて投与されうる。
このような他の薬剤としては、それらに制限されないが、下記の1種または2種以上が挙げられる:抗がん性アルキル化又はインターカレーティング(挿入)剤(例、メクロレサミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、及びイフォスファミド);代謝拮抗剤(例、メトトレキセート);プリン拮抗剤又はピリミジン拮抗剤(例、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、及びゲムシタビン);紡錘体毒(例、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン及びパクリタキセル);ポドフィロトキシン(例、エトポシド、イリノテカン、トポテカン);抗生物質(例、ドキソルビシン、ブレオマイシン及びミトマイシン);ニトロソウレア(例、カルムスチン、ロモスチン);無機イオン(例、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンもしくはオキシプラチン);酵素(例、アスパラギナーゼ);ホルモン(例、タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド及びメゲストロール);mTOR阻害剤(例、シロリムス(ラパマイシン)、テムシロリムス(CCI779)、エベロリムス(RAD001)、AP23573又はPCT/US03/03030又は米国特許出願10/357152等に開示の他の化合物);プロテアソーム阻害剤(例えば、ベルケイド、他のプロテアソーム阻害剤(例、WO 02/096933を参照)又は他のNF−kB阻害剤(例、lkK阻害剤を含む)):他のキナーゼ阻害剤(例、下記キナーゼの阻害剤:Src、BRC/Abl、kdr、flt3、オーロラ2、グリコーゲン合成キナーゼ3(GSK−3),EGF−Rキナーゼ(例、イレッサ、タルセバ等)、VEGF−Rキナーゼ、PDGF−Rキナーゼ等);がんに関係する受容体又はホルモンに対する抗体、可溶性受容体又は他の受容体拮抗剤(EGFR、ErbB2、VEGFR、PDGFR、及びIGF−Rなどの受容体を含む;並びにヘルセプチン、アバスチン、エルビタクス等の薬剤);など。最新のがん治療のより包括的な説明については http://www.nci.nih.gov/を、FDA認可腫瘍薬のリストは http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htm 及び The Merck Manual, 第17版, 1999年を参照(その全内容をここに参考文献として援用する)。
他の治療剤の例は本明細書のいずれかに記載されているが、とりわけ、ザイロプリム、アレムツズマブ、アルトレタミン、アミフォスチン、ナストロゾール、前立腺特異的膜抗原の抗体(MLN−591、MLN591RL及びMLN2704など)、三酸化ヒ素、ベキサロテン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、グリアデル・ウェーハ、セレコキシブ、クロラムブシル、シスプラチン−エピネフリン・ゲル、クラドリビン、シタラビンリポゾマール、ダウノルビシンリポゾマール、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エリオットB液、エピルビシン、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フルダラビン、5−FU、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツヅマブ−オゾガミシン、酢酸ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イダマイシン、イフォスファミド、イマチニブ・メシレート、イリノテカン(もしくはMLN576(XR11576)のような抗体をはじめとする他のトポイソメラーゼ阻害剤)、レトロゾール、ロイコボリン、ロイコボリン・レバミゾール、リポゾマールダウノルビシン、メルファラン、L−PAM、メンサ、メトトレキセート、メトクスサレン、ミトマイシンC、ミトキサントロン、MLN518もしくはMLN608(もしくはflt−3受容体チロシンキナーゼの他の阻害剤、PDFG−R又はcキット)、イトキサントロン、パクリタキセル、ペガデマーゼ、ペントスタチン、プロフィマーナトリウム、リツキシマブ(リツキサン<登録商標>)、タルク、タモキシフェン、テモゾラミド、テニポシド、VM−26,トポテカン、トレミフェン、2C4(もしくはHER2媒介シグナル化を妨げる他の抗体)、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ビノレルビン、又はパミドロネート、ゾレドロネート又は他のビスホスホネートが挙げられる。
本発明はさらに、式I、II(a)〜II(c)、III、III(a)〜III(f)、IV、V(a)〜V(d)、又はVI(a)〜VI(d)のいずれかの化合物、或いは本発明の他の任意の化合物の製造も包含する。本発明はさらに、がん(原発性又は転移性の白血病及び充実性腫瘍を含み、本明細書のいずれかに記載されたようながんを含み、かつ1又は2以上の他の治療法に対して耐性又は抵抗性のがんを含む)の急性又は慢性治療用の医薬の製造における本発明の化合物又は薬剤に許容されるその誘導体の使用も包含する。本発明の化合物は抗がん薬の製造に有用である。本発明の化合物はまた、Src、kdr、abl等の1種または2種以上のキナーゼの阻害を介して疾患(異常)を緩和又は予防するための医薬の製造にも有用である。
本発明の化合物により治療しうる他の疾患としては、代謝異常、炎症性疾患及び骨粗鬆症その他の骨疾患が挙げられる。そのような場合、本発明の化合物を単独治療として使用してもよく、或いはその疾患の別の薬剤、例えば、骨粗鬆症その他の骨関連疾患の場合にはビスホスホネートと併用して投与してもよい。
本発明はさらに、とりわけ好ましくは治療有効量の本発明の化合物(上述した種類もしくは下位種の任意の化合物を含み、上記一般式の任意の化合物を含む)を、少なくとも1種の薬剤に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて含有する組成物をさらに包含する。
本発明の化合物はまた各種のキナーゼ、それに制限されないが特にkdr及びSrc族キナーゼの特性決定を行うための、並びに生物学的及び病理学的現象におけるかかるキナーゼの役割を研究するための、かかるキナーゼにより媒介される細胞内情報伝達経路を研究するための、新規キナーゼ阻害剤の比較評価のための、そして細胞系及び動物モデルにおける各種がんの研究のための標準物質及び試薬としても有用である。
3.定義
本書を読むにあたって、特に指示がない限り、下記の情報及び定義があてはまる。また、特に指示がない限り、2つ出てくる記号が互いに同じでも異なっていてもよいことを単に示すためにスラッシュ又はダッシュ(')記号を使用する(例、R、R'、R”及びV、V'、V”)ことによって読者が時に気づかされるように、何回か出てくる官能基はすべて独立して選ばれる。
ここで(即ち、本明細書において)使用した用語「脂肪族」は、飽和と不飽和(ただし、非芳香族)の両方の直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、環式又は多環式の炭化水素部分を包含し、場合により1又は2以上の官能基で置換されていてもよい。特に指定しない限り、アルキル、他の脂肪族、アルコキシ及びアシル基は、好ましくは1〜8個(すなわち、「C1〜C8」)、多くの場合は1〜6個(すなわち、「C1〜C6」)の連続脂肪族炭素原子を含有する。従って、脂肪族基の例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル基などが挙げられ、やはりこれらの基も1又は2以上の置換基を有していてもよい。
従って、「脂肪族」なる用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニル基を包含する意味である。
ここで用いた用語「アルキル」は、直鎖、分岐鎖及び環式アルキル基のどれをも包含する。「アルケニル」、「アルキニル」等の他の一般用語(総称名)にも同じことが当てはまる。
さらに、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの基は置換されていても、非置換でもよい。
「アルキル」は、通常炭素数1〜8、好ましくは1〜6の基を意味する。例えば、「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシルなどを意味しうる。置換アルキル基の例示としては、それらに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、置換ベンジル、フェネチル、置換フェネチル等が挙げられる。
「アルケニル」なる用語は、通常は炭素数2〜8、多くは炭素数2〜6の基を意味する。例えば、「アルケニル」は、プロプ−2−エニル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、2−メチルプロプ−2−エニル、ヘキス−2−エニル、ヘキス−5−エニル、2,3−ジメチルブト−2−エニルなどを意味しうる。「アルキニル」なる用語も、通常は炭素数2〜8、好ましくは2〜6の基を意味し、これらに限られないが、プロプ−2−イニル、ブト−2−イニル、ブト−3−イニル、ペント−2−イニル、3−メチルペント−4−イニル、ヘキス−2−イニル、ヘキス−5−イニル等が挙げられる。
ここで用いた用語「シクロアルキル」は、具体的には、単環、二環又は多環(環状)構造部の炭素数が3〜12、好ましくは3〜10の基を意味する。シクロアルキルの例としては、これらに限られないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルなどが挙げられ、他の脂肪族もしくはヘテロ脂肪族又は複素環式基の場合と同様に、場合により置換されていてもよい。
ここで用いた用語「ヘテロ脂肪族」は、1又は2以上の炭素原子の代わりに酸素、イオウ、窒素、リン又はケイ素原子を含有する脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は分岐、非分岐及又は環式のものでよく、CHOCHCHO−のような非環式基、並びにモルホリノ、ピロリジニル等の複素環式基を包含する。
ここで用いた用語「複素環」、「ヘテロサイクリル」又は「複素環式」は、1個以上、好ましくは1〜4個の環炭素原子がN、O、又はSのようなヘテロ原子によりそれぞれ置換されている、環原子数が5〜14、好ましくは5〜10の非芳香族環系を意味する。複素環(基)の制限しない例としては、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、(1−置換)−2−オキソ−ベンズイミダゾール−3−イル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモロホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4-チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル及びベンゾチアニルが挙げられる。ここに用いた用語「複素環」又は「複素環式」基にやはり包含されるのは、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロキノリニルのように、非芳香族ヘテロ原子含有環が1又は2以上の芳香族又は非芳香族環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置が非芳香族ヘテロ原子含有環上にある基である。「複素環」、「ヘテロサイクリル」又は「複素環式」基は、飽和と部分的に飽和のいずれであろうと、場合により置換されていてもよい環も意味する。
「アリール」なる用語は、単独で使用されるか、或いは「アラルキル」、「アラルコキシ」、又は「アリールオキシアルキル」のように、より大きな基の部分として使用されるが、いずれもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル及び2−アントラシルのように、6〜14の環原子を有する芳香族環基を意味する。「アリール」環は1又は2以上の置換基を含有しうる。「アリール」なる用語は「アリール環」なる用語と互換可能に使用されうる。「アリール」はまた、芳香族環が1又は2以上の環に縮合している縮合多環芳香族環系も包含する。有用なアリール環基の制限しない例としては、フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、トリアルコキシフェニル、アルキレンジオキシフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、フェナントロなど、並びに1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル及び2−アントラシルが挙げられる。ここで用いた用語「アリール」の範囲内にやはり包含されるのは、インダニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロナフチルのように、芳香族環が1又は2以上の非芳香族環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置が芳香族環上にあるものである。
ここで用いた用語「ヘテロアリール」は、5〜14の環原子を有する安定な複素環式及び多複素環式芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は置換又は非置換でよく、また1又は2以上の環を含みうる。可能な置換基としては、とりわけ、前述した置換基のいずれかが挙げられる。代表的なヘテロアリール環の例としては、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、イソチアゾリル、フラザニル、イソオキサゾリル、チアゾリル等の5員単環基;ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル等の6員単環基;並びにベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチエニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、テトラヒドロキノリン、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの多環複素環基が挙げられる(例えば、Katritzky 複素環化学ハンドブック (Handbook of Heterocyclic Chemistry)を参照)。
ヘテロアリール環のさらなる具体例としては、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、5−テトラゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、2−チエニル、3−チエニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、アクリジニル又はベンゾイソオキサゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基はさらに、ヘテロ芳香族環が1又は2以上の芳香族又は非芳香族環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置がヘテロ芳香族環上にある基も包含する。例としては、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、及びピリド[3,4−d]ピリミジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」なる用語はまた、場合により置換されている基も意味する。「ヘテロアリール」なる用語は、「ヘテロアリール環」又は「ヘテロ芳香族」なる用語と互換可能に使用されうる。
アリール基(アラルキル、アラルコキシ、又はアリールオキシアルキル基などのアリール部位も包含する)或いはヘテロアリール基(ヘテロアラルキル又はヘテロアリールアルコキシ部分ン土のヘテロアリール部位も包含する)は1又は2以上の置換基を含んでいてもよい。アリール又はヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の適当な置換基の例としては、ハロゲン、−CN、−R、−OR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJが挙げられ、ここで、Vはいつも、−O−、−S−、−NR−、又は化学結合であり;従って、−VRは−R、−OR、−SR、及び−NRR'を包含し、−(CO)VRは、−C(=O)R、−C(=O)OR、及び−C(=O)NRR'を包含する。別の置換基としては、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR(式中、kは0〜4の整数であり、従って、Mは単結合もしくは炭素数1〜4の脂肪族基である)、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'、及び−NRSONR'R”が挙げられる。
さらに例示すると、Vが−NRである置換基は、従って、とりわけ、−NRC(=O)R'、−NRC(=O)NR'、−NRC(=O)OR'、及び−NRC(=NH)NR'を包含する。R置換基はそれ自体が置換されていても、非置換であってもよいことに留意されたい(例、R基の制限しない例示としては、クロロメチルもしくはトリクロロメチルのようなハロアルキル及びトリハロアルキル基;メトキシエチルのようなアルコキシアルキル;モノ、ジ及びトリアルコキシフェニル;メチレンジオキシフェニルもしくはエチレンジオキシフェニル;ハロフェニル;並びにアルキルアミノが挙げられる)。別の例を例示すると、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、保護されたOH(アシルオキシなど)、フェニル、置換フェニル、−O−フェニル、−O−置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、−O−フェネチル(すなわち、−OCHCH)、−O−置換フェネチル、−C(O)CHC(O)R、−COR、−C(=O)R(すなわち、Rが脂肪族であればアシル、Rがアリールであればアロイル、Rがヘテロアリールであればヘテロアロイル)、−C(=O)NRR'、−OC(=O)NRR'、−C(=NH)NRR'、及び−OC(=NH)NRR'が挙げられる。
置換基のさらなる例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、及びハロアルキル基が挙げられる。
脂肪族、ヘテロ脂肪族又は非芳香族複素環式基も、従って1又は2以上の置換基を含有しうる。かかる基の適当な置換基の例としては、アリール又はヘテロアリール基の炭素原子に対する置換基として上に列挙したものが挙げられ、それに加えて、飽和炭素原子に対しては下記の置換基も挙げられる:=O、=S、=NR、=NNRR'、=NNHC(O)R、=NNHCOR、又は=NNHSOR。脂肪族、ヘテロ脂肪族又は複素環基上の置換基の代表例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、又はハロアルキル基が挙げられる。
芳香族環又は非芳香族複素環の窒素上における置換基の例としては、−R、−NRR'、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NRR'、−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−CN、−NRSOR'及び−NRSONR'R”が挙げられる。
脂肪族基又はフェニル環上の置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、又はハロアルキル基が挙げられる。
本発明は、安定又は化学的に可能な化合物を生ずる置換基及び変更可能基の組み合わせだけを包含する。安定な化合物又は化学的に可能な化合物とは、その合成及び検出を可能にするのに十分な安定性を有するものである。本発明の好ましい化合物は、湿気又は他の化学的に反応性の条件の不存在下で40℃以下の温度で少なくとも1週間保管された時に実質的に変質を生じないだけの十分な安定性を有する。
本発明の一部の化合物は互変異性体の形態で存在しうる。本発明は、特に指定しない限り、それらの化合物のそのような互変異性体の全てを包含する。
特に説明しない限り、ここに示した構造は、その構造の全ての立体化学的形態、すなわち、各不斉中心に対してR配置とS配置の両方、を包含するものである。従って、本発明の化合物の単独の立体化学異性体並びにエナンチオマー(鏡像異性体)混合物及びジアステレオマー混合物が本発明の範囲内である。すなわち、本発明は、他の異性体を実質的に含まないそれぞれのジアステレオマー又はエナンチオマー(モル基準で90%超、好ましくは95%超が他の立体異性体を含まない)、並びにこのような異性体の混合物を包含する。
常法に従ったラセミ混合物の分割により、例えば、ジアステレオ異性体塩の生成により、光学活性の酸もしくは塩基での処理により、特定の光学異性体を得ることができる。適当な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、及びショウノウスルホン酸であり、次いで結晶化(晶析)によりジアステレオ異性体の混合物を分離した後、これらの塩から光学活性の塩基を遊離させる。光学異性体の別の分離方法は、エナンチオマーの分離を最大にするように最適に選択されたキラルクロマトグラフィーカラムを使用する方法である。さらに別の方法は、本発明の化合物を活性化形態の光学的に純粋な酸又は光学的に純粋なイソシアネートと反応させることにより共有ジアステレオ異性体分子を合成する方法である。合成されたジアステレオ異性体は、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化又は昇華のような常套手段により分離した後、加水分解してエナンチオマーとして純粋な化合物を遊離させることができる。
本発明の光学活性な化合物は、活性な出発物質を使用することにより得ることもできる。これらの異性体は遊離酸、遊離塩基、エステル又は塩の形態をとりうる。
本発明の化合物は、放射化標識(放射性同位体標識)された形態でも存在しうる。すなわち、該化合物は、自然界に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を持つ1又は2以上の原子を含有していてもよい。水素、炭素、リン、フッ素及び塩素の放射性同位体としては、それぞれ3H,14C,32P,35S,43F,及び36Clが挙げられる。このような放射性同位体及び/又は他の原子の他の放射性同位体を含有する本発明の化合物も本発明の範囲内である。トリチウム化、すなわち、3Hと、炭素14、すなわち、14Cが、製造及び検出が容易であることから特に好ましい放射性同位体である。
本発明の放射化標識化合物は一般に当業者に周知の方法により製造することができる。好都合には、このような放射化標識化合物は、非放射化標識試薬に代えて、容易に入手可能な放射化標識試薬を使用することを除いて、ここに開示した合成手順を実施することにより製造することができる。
4.合成の概括
当業者は、R、R及び−Q(環A)(R)m(R)置換基の各種の選択枝を含む化合物を含んだ本発明の化合物の合成に対して有用な合成戦略、保護基及び他の材料並びに方法の指針について、後述の実施例に含まれる情報と組み合わせて採用されうる、プリン化学についての確立した文献を持っている。次の特許文献及びそこに引用されている文献は特に興味を引くかもしれない:米国特許第5,365,886;5,434,150;5,565,566;5,869,468;6,057,305;5,444,068;5,635,525;5,866,702;5,962,479;6,057,326;5,994,361;6,110,923;6,028,076;6,084,095;及び6,107,300;WO 01/44259, 00/43394, 90/09178, 00/44750, 97/49689, 95/35297, 95/19774, 97/35539, 97/16452, 00/49018, 97/20842, 98/16528, 99/07705, 99/62908及び00/55161;並びにEP 155911, 478292, 531597, 853084, 454427, 778277, 773023,及び882727。
以下に反応式で示す手法を含む各種の合成手法を用いてここ(本明細書)に記載した化合物を製造することができる。当業者であれば、これらの手法に保護基を使用してもよいことは理解しよう。「保護基」は、多官能性の化合物において、潜在的に反応性の部位(例、アミン、ヒドロキシ、チオール、アルデヒド等)での化学反応を一時的に阻止して、反応が別の部位で選択的に行われることができるようにするのに使用される部分(基)である。好適態様においては、保護基は、計画した反応に適した保護置換基を生ずるように良好な収率で選択的に反応する。保護基は、好ましくは存在する他の官能基を過度に攻撃しない無毒で容易に入手できる試薬によって良好な収率で選択的に除去可能なものがよい。保護基は、好ましくは容易に分離可能な誘導体を(より好ましくは新たな立体異性中心を発生させずに)形成し、そして保護基は、好ましくは反応の別の部位の複雑化を避けるために追加の官能基を最小限しか有していない。
多様な保護基、並びにそれらを配置及び除去するための戦略、試薬及び条件は、本技術分野において知られている。例えば、T.W. Greene及びP.G. Wuts編、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第3版, John Wiley & Sons, New York, 1999を参照。ここに記載した化合物を製造するのに有用な保護基の方法論(保護及び脱保護の材料、方法及び戦略)及び他の合成化学変換については、R. Larock「有機変換総論(Comprehensive Organic Transformations)」 VCH Publishers (1989); T.W. Greene及びP.G.M. Wuts編、「有機合成における保護基」第3版, John Wiley & Sons (1999); L. Fieser and M. Fieser「フィーザー及びフィーザーの有機合成試薬(Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis)」John Wiley & Sons (1994); 及びL. Paquette編「有機合成試薬辞典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)」John Wiley & Sons (1995)を参照。これらの文献の全内容をここに参考文献として援用する。
また、所望の同位体、例えば、水素の代わりに重水素(ジューテリウム)が富化された試薬を選択して、そのような同位体を含有する本発明の化合物を作成することもできる。1又は2以上の位置において水素の代わりに重水素を含有するか、或いはC,N,P,及びOの各種同位体を含有する化合物も本発明に包含され、例えば、その化合物の代謝及び/又は組織分布を研究するため、或いは代謝速度もしくは経路又は生物学的機能の他の側面を変化させるために使用できる。
ヘック(Heck)反応及びホーナー(Horner)反応にそれぞれ基づくいくつかの総合的合成手法の例を次に例示する。
反応式I:
Figure 0005321061
反応式II:
Figure 0005321061
反応式III:
Figure 0005321061
反応式IV:
Figure 0005321061
アセチレン化合物はJ. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1994, 1089に記載された手法を用いて合成してもよい。
Figure 0005321061
試薬及び代表的な中間体の調製のためのいくつかの合成経路の例を下に示す。
Figure 0005321061
上に示したような合成手法を後述する実施例、ここに提供される別の情報及び従来の慣用の方法及び材料と組み合わせることにより、当業者はここに開示した全ての範囲の化合物を合成することができる筈である。
5.用途、処方、投与
医薬用途;適応症:
本発明は、キナーゼが関与している可能性のある疾患、かかる疾患の徴候、又はキナーゼが媒介する他の生理学的事象の作用を治療又は変調させるのに有益な生物学的性質を有する化合物を提供する。例えば、本発明の多くの化合物は、Src及びablのチロシンキナーゼ活性、とりわけ、がんの成長(増殖)、発生及び/又は転移を媒介すると考えられているチロシンキナーゼを阻害することが示された。本発明の多くの化合物はまた、とりわけK−562白血病細胞を含むがん細胞系に抗する強力なin vitro活性を有することが認められた。観察された効力は、K562細胞による慣用の増殖抑制検定において、グリーベックより10倍も強力であった。
従って、このような化合物はがんの治療に有益であって、がんとしては、原発性と転移性の両方のがんを含み、充実性がん並びにリンパ腫及び白血病(CML、AML及びALLを含む)を含み、かつグリーベック、タルセバもしくはイレッサのようなキナーゼ阻害剤の投与をはじめとする他の治療法を包含する他の治療法に対して耐性のがんを含む。
このようながんとしては、とりわけ、胸部(乳がん)、子宮頚部、結腸及び直腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、頭部及び頚部、胃腸間質のがん、並びにメラノーマ、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、胃がん、及び白血病(例、骨髄性、リンパ性、骨髄球性及びリンパ芽球性白血病)が挙げられ、これらは、とりわけグリーベック、タルセバもしくはイレッサを含む1又は2以上の他の治療法に耐性である場合を含む。
各種抗がん剤への耐性は、タンパク質の薬剤結合性、リン酸結合性、タンパク質結合性、自己調節又は他の特性の変質に関係する、がんのメディエーターまたはエフェクターにおける1又は2以上の突然変異(例、Src又はAblのようなキナーゼの突然変異)から生ずることがある。例えば、慢性骨髄性白血病(CML)に関係するキナーゼであるBCR−Ablの場合、グリーベックに対する耐性は、とりわけキナーゼ活性サイトでの薬剤占有の立体障害、リン酸結合Pループの変形性の変質、活性サイトを包囲する活性化ループのコンフォメーションへの影響などを含む多様な機能上の結果につながる多様なBCL/Abl突然変異にマッピングされた。
薬剤耐性に関係するBcr/Ablのこのような突然変異の代表例については、例えば、Shah et al, 2002, Cancer Cell 2, 117-125、及びAzam et al, 2003, Cell 112, 831-843並びにそこに引用されている文献を参照。BCR/Ablに関する追加の背景情報、そのCMLにおける機序的役割及び薬剤耐性付与メカニズム並びに突然変異については下記の文献も参照。
Kurzrock et al, フィラデルフィア染色体陽性白血病:基本メカニズムから分子治療まで (Philadelphia chromosome-positive leukemias: from basic mechanisms to molecular therapeutics), Ann Intern Med. 2003-05-03; 138(10): 819-30;
O'Dwyer et al., メシル酸イマチニブにより誘発される主な細胞遺伝的反応における慢性骨髄性白血病患者のフィラデルフィア染色体陰性異常クローンの証明 (Demonstration of Philadelphia chromosome negative abnormal clones in patients with chronic myelogenous leukemia during major cytogenetic responses iNCIuded by imatinib mesylate), Leukemia, 2003-03; 17(3): 481-7;
Hochhaus et al., イマチニブ(STI571)治療に対する耐性の分子及び染色体でのメカニズム (Molecular and chromosomal mechanisms of resistance to imatinib (STI571) therapy), Leukemia, 2002-11; 16(11):2190-6;
O'Dwyer et al., 促進期CMLにおけるメシル酸イマニチブ(STI571)反応に及ぼすクローン発生の影響 (The impact of clonal evolution on response to imatinib mesylate (STI571) in accelerated phase CML), Blood 2002-09-01; 100(5): 1628-33;
Braziel et al., メシル酸イマニチブ治療慢性骨髄性白血病患者における血液病理学的及び細胞遺伝学的知見: 14ヶ月の経験 (Hematopathologic and cytogenetic findings in iminitib mesylate-treated chronic myelogenousleukemica patients: 14 months' experience), Blood, 2002-07-15; 100(2): 435-41;
Corbin et al., STI571によるABlキナーゼ阻害の特異性の構造に基づく解析 (Analysis of the structural basis of specificity of inhibition of the Abl kinase by STI571) J Biol Chem, 2002-08-30; 277(35): 32214-9;
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また、本発明の化合物は、単独療法と併用(組み合わせ)療法のいずれでも、具体的にはグリーベックその他のキナーゼ阻害剤をはじめとする他の抗がん剤に全体的又は部分的に耐性の白血病その他のがん、及び具体的には、それらに限られないが前述した刊行物のいずれかに記載されているものを含む、キナーゼドメインの内部又は外部でBCR/Ablに1又は2以上の突然変異がある白血病をとりわけ含む、1又は2以上の他の抗がん剤に耐性のある白血病その他のがんに有用であると考えられる。とりわけ、薬剤結合クレフト(cleft)、リン酸結合Pループ、活性化ループ、キナーゼβ−3シートの保存VAVK、小Nローブの触媒α−1ヘリックス、大Cローブ内の長いα−3ヘリックス、及び活性化ループの下流のCローブ内領域における突然変異を含む、BCR/Ablのそのような突然変異の例については、特に前記Azam et alの文献とそこに引用されている文献を参照。
製薬学的手法:
本発明の方法は、必要とする個体に治療有効量の本発明の化合物を投与することからなる。
「治療有効量」とは、がん細胞の成長(増殖)又は広がり、腫瘍の大きさ又は数、或いはがんのレベル、ステージ、進行又は重症度に関する他の尺度の検出可能な消滅又は抑制(阻害)に有効な量である。厳密な必要量は、個体の種、年齢、及び全身状態、病状の重症度、抗がん剤の種類、その投与方式、他の療法との併用治療などに応じて、個体ごとに変動しよう。
本化合物又は本化合物を含有する組成物は、腫瘍又は他の形態のがんの成長を消滅又は抑制するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与しうる。
本発明の抗がん剤化合物は、好ましくは投与の容易さと投与量の均一さのために単位剤形の形態で処方される。ここで用いた「単位剤形」とは、治療される患者に適した抗がん剤の物理的に分かれている単位を意味する。普通そうであるように、本発明の化合物及び組成物の総日用量は、健全な医学的判断への通常の信頼性を用いて主治医により決定されよう。任意の個々の患者又は生体に対する具体的な治療有効投与量レベルは、治療される疾患の種類;その疾患の重症度;採用された具体的化合物の効力;採用された具体的組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態、性別及び食事;投与の経路及び計画;その化合物の代謝及び/又は排泄速度;治療期間;本発明の化合物の投与と組み合わせて又は同時に使用される薬剤;並びに医学分野で周知の同様な因子を包含する多様な因子に応じて変動しよう。
また、所望の投薬量で適当な薬剤に許容される担体を用いて処方された後、本発明の組成物を、経口、直腸、非経口、槽内(くも膜下槽内)、鞘膜内もしくは膣内、腹腔内、局所(経皮パッチ、散剤、軟膏、もしくは滴剤など)、舌下、バッカル、口もしくは鼻スプレイ剤、その他の経路でヒトその他の動物に投与することができる。
本化合物の有効全身用量は典型的には患者体重1kg当たり0.01〜500 mg、好ましくは0.1〜125 mg/kg、場合によっては1〜25 mg/kgの範囲内であり、それを1回又は多数回で投与する。一般に、本化合物はそのような治療を必要とする患者に一人あたり約50〜2000 mgの日用量範囲内で投与されうる。投与は1日に1回又は複数回、1週間(又は他のいくらかの複数日間隔)ごと、或いは間欠的投与計画でよい。例えば、本化合物の投与を、1週間基準(例、月曜ごと)で1日に1回又は複数回、期限を定めずに、又はある一定の週数(例、4〜10週)にわたって行ってもよい。別の方法として、その化合物を、一定の日数(例、2〜10日)にわたって毎日投与した後、一定の日数(例、1〜30日)はその投与を行わず、このサイクルを、期限を定めずに、又は所定の反復数だけ(例、4〜10サイクル)反復するのでもよい。1例として、本発明の化合物を5日間毎日投与した後、9日間中止し、次いでさらに5日間毎日投与した後、9日間中止するというサイクルで、このサイクルを、期限を定めずに、又は合計4〜10回繰り返すのでもよい。
ある特定の障害又は症状の治療又は予防に有効な化合物の量は、投薬量に影響する周知の因子に部分的には依存しよう。また、最適の投与量範囲を確定するのを助けるために、in vitro又はin vivo検定を場合により採用してもよい。有効用量の大まかな目安を、in vitro又は動物モデル試験システムから得られた用量−反応曲線から外挿してもよい。正確な投与量レベルは主治医又は他の健康管理提供者により決定されるべきであり、投与経路、並びに個体の年齢、体重、性別及び全身健康状態;疾患の性質、重症度及び臨床段階;併用療法の使用の有無;並びに患者の細胞の遺伝子工学の性質及び程度を含む周知の因子に応じて変動しよう。
特定の疾病状態又は障害の治療又は阻害のために投与する場合、本発明の化合物の有効投与量は、利用する化合物の種類、投与方式、治療する症状の種類とその重症度、並びに治療される個体に関係する各種の物理的もしくは身体的因子に依存して変動することがある。多くの場合、本化合物を約0.01 mg/kg〜500 mg/kg、好ましくは0.1〜125 mg/kg、そしてより好ましくは1〜25 mg/kgの日用量で投与すると満足すべき結果を得ることができよう。決定される日用量は投与経路により変動することが予測される。例えば、非経口投与量は経口投与量水準のほぼ10〜20%の水準となることが多い。
本発明の化合物を併用投与計画の一部として使用する場合、併用される各成分の投与量が所望の治療期間中それぞれ投与される。併用される複数成分を、両成分を含んだ一体化した単一の剤形で、又は別々の剤形単位として、同時に投与してもよく、或いは併用される複数成分を治療期間中の異なる時点で投与することもでき、また一方の成分を他方の成分のための予備治療として投与してもよい。
本化合物に関して:
本発明の化合物は、治療のために遊離形態で存在することができ、或いは、適当であれば、薬剤に許容される塩又は他の誘導体として存在することもできる。ここで用いた用語「薬剤に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒト及び下等動物の組織との接触に使用するのに適していて、妥当な便益/危険比と釣り合っている塩を意味する。アミン、カルボン酸、リン酸エステルもしくは塩、並びに他の種類の化合物の薬剤に許容される塩は本技術分野において周知である。例えば、S.M. Berge et alは、ここに参考文献として援用する J. Pharmaceutical Science, 66: 1-19 (1977)において、薬剤に許容される塩について詳述している。塩は、本発明の化合物の単離及び精製中にその場で調製するか、又は遊離塩基もしくは遊離酸形態の本発明の化合物をそれぞれ適当な酸もしくは塩基と反応させることにより別に調製することができる。
薬剤に許容される無毒な酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸のような無機酸又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸のような有機酸との反応により形成された、或いはイオン交換のような本技術分野で使用されている他の方法を用いて形成された、アミノ基の塩である。他の薬剤に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオネート(lactobionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモイン酸塩(パモエート)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩が挙げられる。さらなる薬剤に許容される塩としては、適当であれば、ハロゲンイオン、水酸イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、及びアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを用いて形成された、無毒なアンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオンの塩が挙げられる。
また、ここで用いた用語「薬剤に許容されるエステル」は、好ましくはin vivoで加水分解し、ヒトの体内で容易に分解して親化合物又はその塩を遊離させるものを含むエステルを意味する。適当なエステル基として、例えば、薬剤に許容されるに脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸から誘導されたものが挙げられる。ここで、各アルキル又はアルケニル部分は遊離には炭素数6以下のものである。具体的なエステルの例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸及びエチルコハク酸のエステルが挙げられる。もちろん、エステルは本発明の化合物のヒドロキシル基又はカルボン酸基から形成することができる。
さらに、ここで用いた用語「薬剤に許容されるプロドラッグ」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒト及び下等動物の組織との接触に使用するのに適していて、妥当な便益/危険比と釣り合っており、その意図した用途に有用な本発明の化合物のプロドラッグ、並びに可能であれば両性イオン形態の本発明の化合物を意味する。「プロドラッグ」とは、in vivoで、例えば、血中での加水分解により、上式の親化合物を生ずるように変換される化合物を意味する。例えば、T. Higuchi and V. Stella, 新規薬剤供給システムとしてのプロドラッグ(Pro-drugs as Novel Delivery Systems), A.C.S Symposium Series, Vol. 14及びEdward B. Roche編、薬剤設計における生可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design), アメリカ製薬協会(American Pharmaceutical Association)及びPergamon Press, 1987 (両者をここに参考文献として援用する)を参照。
組成物:
本発明により、本書に記載した化合物(又はそのプロドラッグ、薬剤に許容される塩もしくは他の薬剤に許容されるに誘導体)のいずれかに記載の1種と、1種または2種以上の薬剤に許容される担体又は賦形剤とを含有する組成物が提供される。これらの組成物は場合により1種または2種以上の追加の治療剤をさらに含有していてもよい。或いは、本発明の化合物を、1種または2種以上の他の治療計画(例、グリーベック又は他のキナーゼ阻害剤、インターフェロン、骨髄移植、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート、サリドマイド、がんワクチン、ホルモン療法、抗体、放射線など)の投与又は適用と組み合わせて、必要な患者に投与してもよい。例えば、本発明の化合物との共同投与又は薬剤組成物中の共通含有のための別の治療剤は、別の1種または2種以上の抗がん剤でもよい。
ここに記載したように、本発明の組成物は、本発明の化合物を薬剤に許容される担体と一緒に含有する。ここで用いた「担体」は、所望の具体的な剤形に適していれば、溶媒、希釈剤、もしくは他のビヒクルもしくは賦形剤、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑剤などの全てを包含する。Remington's Pharmaceutical Science、第15版、E.W. Martin (Mack Publishing Co., ペンシルバニア州イーストン、1975)は、薬剤組成物の処方に使用される各種担体と、その製造のための公知技法とを開示している。従来の担体媒体が本発明の化合物と不適合である、例えば、何らかの望ましくない生物学的作用を生ずる、或いは薬剤組成物の何らかの他の成分と有害な相互作用を起こすといった場合を除いて、どの担体の使用も本発明の範囲内であるとされる。薬剤に許容される担体として使用しうる材料の例をいくつか挙げると、それらに限られないが、乳糖、ブドウ糖及び蔗糖のような糖;コーンスターチ及び馬鈴薯デンプンのようなデンプン;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及び酢酸セルロースのようなセルロース及びその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオ脂及び座剤ワックスのような賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;プロピレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸:発熱物質を含有しない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;及びリン酸緩衝液;並びに他の無毒で適合性の滑剤(ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなど)がある。また、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味剤、香味料及び芳香剤、保存剤、及び酸化防止剤も組成物中に存在させることができる。
処方(組成物):
本発明は、本発明の活性な化合物を、1種または2種以上の薬剤に許容される担体及び/又は希釈剤及び/又は佐剤(アジュバント)(これらをここでは「担体」材料と総称する)並びに所望により他の活性な成分と一緒に含有する種類の組成物もまた包含する。本発明の活性な化合物は、任意に適当な経路により、好ましくはそのような経路に適合した薬剤組成物の形態で、かつ目的とする治療に有効な用量で投与されうる。本発明の化合物及び組成物は、例えば、経口、粘膜、局所、直腸、吸入スプレーのような肺、又は血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、胸骨内、及び輸注法を含む非経口の経路で、慣用の薬剤に許容される担体、佐剤及び賦形剤を含有する投与量単位の製剤(処方組成物)として投与されうる。
本発明の薬剤として活性な(有効な)化合物は、ヒト及び他の哺乳動物を含む患者に投与するための医薬物を製造するための慣用の調剤又は製剤方法に従って処理することができる。
経口投与用としては、薬剤組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液剤又は液剤の形態でよい。薬剤組成物は特定量の有効成分を含有する投与量単位(dosage unit)の形態で調製することが好ましい。
このような投与量単位の例は錠剤又はカプセルである。例えば、それらは約1〜2000 mg、好ましくは約1〜500 mg、より 普通には約5〜200 mgの量の有効成分を含有しうる。ヒト又は他の哺乳動物の適当な日用量は患者の状態及び他の因子に応じて変動しうるが、前述の通り、通常の方法を用いて決定されうる。
本発明の化合物及び/又は組成物によりある疾患症状を治療するための化合物の投与量及び投与計画は、その個体の年齢、体重、性別及び医学的状態、疾患の種類、疾患の重症度、投与の経路と頻度、並びに採用する化合物の種類を含む多様な因子に応じて変動する。従って、投与計画は広範囲に変動しうるが、標準的な方法を用いて日常的に決定することができる。典型的な日用量は、体重1kg当たり化合物0.01〜500 mgの範囲内、好ましくは0.1〜125 mg/kg体重、場合によっては1〜25 mg/kg体重である。既に述べたように、日用量は1回の投与で投薬されることができ、或いは2、3、4又はそれ以上の回数に分けることもできる。
治療目的のために、本発明の活性な化合物を、指示された投与経路に適した1種または2種以上の佐剤、賦形剤又は担体と普通のやり方で組み合わせる。経口投与されるなら、本化合物を乳糖、蔗糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム塩及びカルシウム塩、ゼラチン、アカシア(アラビア)ゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及び/又はポリビニルアルコールと混合した後、慣用の投与のために錠剤への打錠又はカプセル封入することができる。かかるカプセル又は錠剤は、活性化合物のヒドロキシプロピル−1−メチルセルロース中の分散において提供されうるような、制御放出(徐放)製剤を含有しうる。
皮膚症状の場合、本発明の化合物の局所製剤を患部に1日に2〜4回塗布することが好ましいかもしれない。
局所投与に適した製剤としては、皮膚を通した浸透に適した液体又は半液体製剤(例、擦剤[リニメント]、ローション、軟膏、クリーム、又はペースト)並びに眼、耳もしくは鼻への投与に適した滴剤が挙げられる。本発明の化合物の有効成分の適当な局所用量は0.1〜150 mgで、日に1〜4回、好ましくは1又は2回投与される。局所投与のためには、有効成分は製剤 (処方組成物) の0.0001〜10%w/w、例えば、1〜2重量%の含有量でよい。含有量は製剤の10%w/wといった高さとすることもできるが、好ましくは5%w/w以下であり、より好ましくは0.1〜1%である。
軟膏として処方する場合、有効成分をパラフィン系又は水混和性のいずれかの軟膏基剤と共に使用してもよい。あるいは、有効成分を水中油型クリーム基剤と共にクリームとして処方してもよい。所望により、クリーム基剤の水性相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物のような多価アルコールを30%w/w以上含有していてもよい。局所用処方組成物は、望ましくは皮膚又は他の患部を通る有効成分の吸収又は浸透を高める化合物を含有していてもよい。このような皮膚浸透向上剤としてはジメチルスルホキシド及び関連類似物が挙げられる。
本発明の化合物は経皮器具により投与することもできる。好ましくは、貯槽/多孔質膜型又は固体マトリックス型のいずれかのパッチを用いて経皮投与が達成されよう。いずれの場合も、活性剤は、貯槽又はマイクロカプセルから膜を介して、レシピエントの皮膚又は粘膜に接触している活性剤透過性の粘着剤へと連続的に送り込まれる。活性剤が皮膚から吸収される場合には、制御かつ予定された流量の活性剤がレシピエントに投与される。マイクロカプセルの場合は、カプセル化(封入)剤が膜としても機能しうる。
本発明のエマルジョンの油相は公知の成分から公知の方法で構成されうる。
この相は単に乳化剤から構成してもよいが、少なくとも1種の乳化剤と脂肪もしくは油又は脂肪と油の両方との混合物から構成してもよい。好ましくは、親水性乳化剤を、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含有させる。油と脂肪の両方を含有させることも好ましい。また、安定剤が共存又は共存していない乳化剤がいわゆる乳化ワックスを構成し、このワックスが油及び脂肪と一緒に、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を構成することも好ましい。本発明の処方組成物に使用するのに適した乳化剤及び乳化安定剤としては、Tween 60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、二ステアリン酸グリセリルの単独使用、又はワックスとの併用、或いは他の本技術分野で周知の材料が挙げられる。
薬用エマルジョン製剤に使用される可能性のある大部分の油中における本活性化合物の溶解度は非常に低いので、製剤のための適当な油又は脂肪の選択は所望の美容上の特性を達成することに基づく。すなわち、クリームは、油ぎっておらず、しみができず、洗い落とすことが可能なものとすべきであり、かつチューブ又は他の容器からの漏れを避けるのに適した稠度(コンシステンシー)を有したものであることが好ましい。ジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ヤシ油脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル又は分岐鎖エステルの混合物のような直鎖又は分岐鎖の一塩基性又は二塩基性アルキルエステルを使用してもよい。これらは必要な特性に応じて単独で、又は組み合わせて使用することができる。
或いは、白色軟質パラフィン(ワセリン)及び/又は流動パラフィンもしくは他の鉱油のような高融点脂質を使用することができる。
眼への局所投与に適した製剤は、有効成分を適当な担体、特に有効成分のための水性溶媒に溶解又は懸濁させた点眼剤も包含する。
本有効成分は、かかる製剤中に0.5〜20%w/w、有利には0.5〜10%、特に約1.5%の濃度で存在することが好ましい。
非経口投与用の処方は、水性又は非水の等張滅菌注射用溶液剤又は懸濁液剤の形態でよい。これらの溶液剤又は懸濁液剤は、滅菌粉末又は顆粒から、経口投与用の処方での使用に対して上述した1種又は2種以上の担体又は希釈剤を用いて、或いは他の適当な分散若しくは湿潤剤並びに懸濁剤を用いて調製することができる。本化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントゴム及び/又は各種緩衝液に溶解させてもよい。
他の佐剤及び投与方式も製薬技術分野で広くよく知られている。本有効成分は、食塩水、デキストロース、又は水をはじめとする適当な担体を用いた組成物、或いはシクロデキストリン(例、Captisol)、共溶媒可溶化(例、プロピレングリコール)、又はミセル可溶化(例、Tween 80)を用いた組成物として注射により投与してもよい。
滅菌注射製剤は、無毒な非経口投与に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射溶液剤又は懸濁液剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液剤であってもよい。使用しうる許容できるビヒクル及び溶媒としては、水、リンゲル液、及び等張食塩水がある。また、滅菌固定油も溶媒又は懸濁用媒質として便利に使用される。この目的には、合成モノ又はジグリセリドをはじめとする任意の銘柄の固定油を使用しうる。また、オレイン酸のような脂肪酸も注射液の製剤に有用である。
肺投与のために、本薬剤組成物はエアゾール(剤)の形態で、又は乾燥粉末エアゾールを入れた吸入器により投与してもよい。
薬剤の直腸投与のための座剤は、常温では固体であるが、直腸温度では液体となり、したがって直腸内で融解して薬剤を放出する、カカオバター及びポリエチレングリコール類のような適当な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することにより調製することができる。
本薬剤組成物は、滅菌のような慣用の製剤操作に付してもよく、及び/又は保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの慣用の佐剤を含有していてもよい。錠剤及び丸剤は腸溶被覆を用いて製剤化することもできる。かかる組成物は、湿潤剤、甘味剤、香味剤、及び香料のような佐剤を含有していてもよい。
本発明のある種の薬剤組成物は、ここに記載した一般式の化合物又はその薬剤に許容される塩;キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体等)、免疫抑制剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、及び抗血管過剰増殖化合物から選択された追加の薬剤;並びに薬剤に許容される任意の担体、佐剤又はビヒクルを含有する。
本発明の別の薬剤組成物は、ここ(本書)に記載した一般式の化合物又はその薬剤に許容される塩;並びに薬剤に許容される担体、佐剤若もしくはビヒクルを含有する。かかる組成物は、場合により、キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体等)、免疫抑制剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、又は抗血管過剰増殖化合物を包含する1種又は2種以上の追加の治療剤を含有しうる。
「薬剤に許容される担体又は佐剤」とは、本発明の化合物と一緒に患者に投与することができ、かつ本発明の化合物の薬理学的活性を損なうことがなく、またその化合物の治療有効量を供給するのに十分な量で投与された時に無毒である担体又は佐剤を意味する。
本発明の薬剤組成物に使用しうる薬剤に許容される担体、佐剤及びビヒクルとしては、これらに限られないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d−アトコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートのような自己乳化性薬剤供給系(SEDDS)、Tween類その他の高分子薬剤供給マトリックスのような製剤に使用される界面活性剤、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸塩のような緩衝性物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物油脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩のような塩もしくは電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、並びに羊毛脂などが挙げられる。α−、β−、及びγ−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン類、並びに2−及び3−ヒドロキシプロピルシクロデキストリンをはじめとするヒドロキシアルキルシクロデキストリンのようなその化学変性誘導体、或いは他の可溶化誘導体も、ここに記載した一般式の化合物の供給を高めるのに使用するのが有利であることがある。
本発明の薬剤組成物は、それらに限られないが、カプセル剤、錠剤、エマルジョン及び水性懸濁液、分散液並びに溶液を含む任意の経口に許容される剤形で経口投与することができる。経口用の錠剤の場合、一般に使用される担体としては、乳糖及びコーンスターチがある。ステアリン酸マグネシウムのような滑剤も典型的には添加される。カプセル形態での経口投与に対しては、有用な希釈剤としては、乳糖及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液及び/又はエマルジョンを経口投与する場合には、有効成分を乳化剤及び/又は懸濁液剤と組み合わせて油相中に懸濁液又は溶解させてもよい。
所望により、ある種の甘味剤及び/又は香味剤及び/又は着色剤を添加してもよい。
本発明の薬剤組成物はリポソーム又はマイクロカプセル化技術を利用した処方も包含しうる。その各種の例が本技術分野で知られている。
本発明の薬剤組成物は、鼻用エアゾール又は吸入により投与してもよい。かかる組成物は薬剤組成物の分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適当な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の可溶化もしくは分散剤(その例も本技術分野では周知である)を用いて、食塩水中の溶液剤として調製してもよい。
併用 (組み合わせ)
本発明の化合物は唯一の有効薬剤成分として投与することもできるが、本発明の1種又は2種以上の他の化合物或いは1種又は2種以上の他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。組み合わせ(併用剤)として投与する場合、治療剤は、同時に又は異なる時点で逐次的に投与される別個の組成物として処方することができ、或いは治療剤を単一の組成物として投与することもできる。
本発明の化合物を別の薬剤と一緒に使用する場合について述べる「併用治療」又は「組み合わせ治療」とは、実質的に同時となるやり方で各薬剤を共投与する場合と、逐次的なやり方で各薬剤を投与する場合の両方を意味し、いずれの場合も薬剤の組み合わせの有益な効果を与える投薬法による。共投与は、例えば、これらの有効薬剤の比率が固定された単一の錠剤、カプセル、注射又は他の剤形での同時供給、並びにそれぞれ各薬剤の別々の複数の剤形の同時供給、をとりわけ包含する。
従って、本発明の化合物の投与は、放射線治療又は細胞増殖抑制剤、細胞毒性剤、他の抗がん剤、並びにがんの症状若しくは任意の薬剤の副作用を改善する他の薬剤といったがんの予防又は治療において当業者に公知の追加の治療と併用してもよい。
固定された用量として処方する場合、このような併用製品は本発明の化合物を許容された投与量範囲内で使用する。本発明の化合物はまた、併用処方が不適当であれば、他の抗がん剤又は細胞毒性剤と逐次的に投与してもよい。本発明は投与順序については制限されず、本発明の化合物は他の抗がん剤又は細胞毒性剤の前に、同時に、又は後に投与することができる。
現在、原発性腫瘍の標準的な治療は、適切であれば外科的切除と、その後の放射線又は、典型的には静脈内(IV)により投与される化学療法のいずれかである。典型的な化学療法計画は、DNAアルキル化剤、DNAインターカレート剤、CDK阻害剤、又は微小管毒剤からなる。化学療法の使用用量は最大耐量(許容用量)よりわずかに少ない量であるので、用量制限毒性の症状として、典型的には悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少などが挙げられる。
併用薬剤化学療法によるがん治療に対して選択されうる、市販品、臨床評価中及び臨床前開発中の利用可能な抗腫瘍薬は多数にのぼる。このような抗腫瘍薬には、いくつかの主要カテゴリーがある。即ち、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫剤、インターフェロン型薬剤、並びにその他薬剤のカテゴリーである。
本発明の化合物と併用(組み合わせ使用)されうる第1の種類の抗腫瘍薬は、代謝拮抗型/チミジレート・シンターゼ阻害剤抗腫瘍薬を包含する。適当な代謝拮抗抗腫瘍薬としては、これらに制限されないが、下記よりなる群から選ぶことができる:5-FUフィブリノーゲン、アカンサス葉酸(acanthifolic acid)、アミノチアジアゾール、ブレキナー・ナトリウム、カルモフール、チバ・ガイギーCGP-30694、シクロペンチル・シトシン、リン酸シタラビンステアレート、シタラビン共役物、リリー(Lilly) DATHF、メレル・ダウDDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、吉富DMDC、ドキシフルリジン、ウェルカムEHNA、メルク社EX-015、ファザラビン、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、N-(21-フラニジル)フルオロウラシル、第一製薬FO-152、イソプロピルピロリジン、リリーLY-188011、リリーLY-264618、メトベンザプリム、メトトレキセート、ウェルカムMZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC-127716、NCI NSC-264880、NCI NSC-39661、NCI NSC612567、ワーナー・ランバートPALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、プリカマイシン、Asahi Chemical PL-AC、武田TAC788、チオグアニン、チアゾフリン、エルバモントTIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬UFT、及びウリシチン。
本発明の化合物と併用しうる第2の種類の抗腫瘍薬はアルキル化剤型抗腫瘍薬からなる。適当なアルキル化剤型抗腫瘍薬は、これらに制限されないが、下記よりなる群から選ぶことができる:シオノギ254-S、アルドホスファミド・アナログ、アルトレタミン、アナキシロン、ベーリンガー・マンハイムBBR-2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永CA-102、カルボプラチン、カルムスチン、キノイン-139、キノイン-153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、アメリカン・シアナミドCL-286558、サノフィCY-233、サイプラテート、デグサD384、住友DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、二白金サイトスタチン、エルバ・ジスタマイシン誘導体、中外DWA-2114R、ITI E09、エルムスチン、エルバモントFCE-24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、フォテムスチン、ウニメドG M、キノインGYKI-17230、ヘプスルファム、イフォスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マフォスファミド、ミトラクトルフ、日本化薬NK-121、NCI NSC-264395、NCI NSC-342215、オキサリプラチン、アップジョンPCNU、プレドニムスチン、プロターPTT-119、ラニムスチン、セムスチン、スミスクラインSK&F-101772、ヤクルト本社SN-22、スピロムスチン、田辺製薬TSA-077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチン及びトリメラモール。
本発明の化合物と併用しうる第3の種類の抗腫瘍薬は抗生物質型抗腫瘍薬からなる。適当な抗生物質型抗腫瘍薬は、これらに制限されないが、下記よりなる群から選ぶことができる:大鵬4181-A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、エルバモントADR-456、アエロプリシニン誘導体、味の素AN II、味の素AN3、日本曹達アニソマイシン類、アントラサイクリン、アジノマイシンA、ビスカベリン、ブリストル・マイヤーズBL-6859、ブリストル・マイヤーズBMY-25067、ブリストル・マイヤーズBNY-25551、ブリストル・マイヤーズBNY-26605、ブリストル・マイヤーズBNY-27557、ブリストル・マイヤーズBMY-28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン-1、大鵬C-1027、カリケマイシン、クロモキシマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和発酵DC-102、協和発酵DC-79、協和発酵DC-88A、協和発酵DC89-Al、協和発酵DV92-B、ジトリサルビシンB、シオノギDOB-41、ドキソルビシン、ドキソルビシン-フィブリノーゲン、エルサミシン-A、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラミシン-Al、エスペラミシン-Alb、エルバモントFCE21954、藤沢FK-973、フォストリエシン、藤沢FR-900482、グリドバクチン、グレガチン-A、グリンカマイシン、ヘルビマイシン、イダルビシン、イルジン類、カズサマイシン、ケサリロージン類、協和発酵KM-5539、キリンビールKRN-8602、協和発酵KT-5432、協和発酵KT-5549、協和発酵KT-6149、アメリカン・シアナミドLL-D49194、明治製菓ME2303、メノガリル、ミトマイシン、ミトキサントロン、スミスクラインM-TAG、ネオエナクチン、日本化薬NK-313、日本化薬NKT-01、SRIインターナショナルNSC-357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン、ピリンダマイシンA、トビシRA-1、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノミシン、シウェンマイシン、住友SM5887、雪印SN-706、雪印SN-07、ソランギシン-A、スパルソマイシン、エスエス製薬SS-21021、エスエス製薬SS-7313B、エスエス製薬SS-9816B、ステフィマイシンB、大鵬4181-2、タリソマイシン、武田TAN-868A、テルペンテシン、トラジン、トリクロザリンA、アップジョンU-73975、協和発酵UCN-10028A、藤沢WF-3405、吉富Y-25024及びゾルビシン。
本発明の化合物と併用しうる第4の種類の抗腫瘍薬は、チューブリン相互作用剤、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、及びホルモン剤を含む雑多な群の抗腫瘍薬からなる。これらは、それに限られないが、下記よりなる群から選ぶことができる:α-カロテン、α-ジフルオロメチルアルギニン、アシトレチン、ビオテックAD-5、杏林AHC-52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アムサクリン、アンギオスタット、アンキノマイシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2-1F、ヘンケルAPD、グリシン酸アフィジコリン、アスパラギナーゼ、アバロール、バッカリン、バトラシリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、イプセン・ボーフールBIM-23015、ビスアントレン、ブリストル・マイヤーズBNY-40481、ベスター・ボロン-10、ブロモフォスファミド、ウェルカムBW-502、ウェルカムBW-773、カラセミド、カルメチゾール塩酸塩、味の素CDAF、クロルスルファキノキサロン、ケメスCHX-2053、メメックスCHX-100、ワーナー・ランバートCI-921、ワーナー・ランバートCI-937、ワーナー・ランバートCI-941、ワーナー・ランバートCI-958、クランフェヌール、クラビリデノン、ICN化合物1259、ICN化合物4711、コントラカン、ヤクルト本社CPT-11、クリスナトール、クラデルム、シトチャラシンB、シタラビン、シトシチン、メルズD-609、マレイン酸DABIS、ダカルバジン、ダテリプチニウム、ジデニン-B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマDM-341、東洋ファルマDM-75、第一製薬DN-9693、ドセタキセル、エリプラビン、酢酸エリプチニウム、津村EPMTC、エポチロン類、エルゴタミン、エトポシド、エトレチネート、フェンレチニド、藤沢FR-57704t、硝酸ガリウム、ゲンカダフニン、中外GLA-43、グラクソGR-63178、グリフォランNMF5N、ヘキサデシルホスホコリン、グリーン・クロスHO-221、ホモハリントニン、ヒドロキシ尿素、BTG ICRF-187、イルモフォシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚JI-36、ラモットK-477、大塚K-76COONa、呉羽化学K-AM、MECT社KI-8110、アメリカン・シアナミドL-623、ロイコレグリン、ロニダミン、ルンドベックLU 1121、リリーLY-186641、NCI (US) MAP、マリシン、メレル・ダウMDL-27048、メドコMEDR-340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、モレキュラー・ジェネティックスMGI136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドン、モピダモール、モトレチニド、全薬工業MST-16、N-(レチノイル)アミノ酸、日清製粉N-021、N-アシル化デヒドロアラニン類、ナファザトロム、大正NCU-190、ノコダゾール誘導体、ノルモサング、NCI NSC-145813、NCI NSC-361456、NCI NSC-604782、NCI NSC-95580、オクレオチド、小野ONO-112、オキザノシン、アクゾOrg-10175、パクリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、ワーナー・ランバートPD-111707、ワーナー・ランバートPD-115934、ワーナー・ランバートPD-131141、ピエール・ファーブルPE-1001、ICRTペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレイン酸、エファモル・ポルフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、インビトロン・プロテアーゼ・ネキシンI、トジシRA-700、ラゾキサン、札幌ビールRBS、レストリクチン-P、レテリプチン、レチノイン酸、ローヌ・プーランRP-49532、ローヌ・プーランRP-56976、スミスクラインSK&F-104864、住友SM-108、クラレSMANCS、シーファームSP10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、ユニメド、エスエス製薬SS-554、ストリポルジノン、スチポルジオン、サントリーSUN 0237、サントリーSUN 2071、スーパーオキシド・ディスムターゼ、富山T-506、富山T-680、タキソール、帝人TEI-0303、テニポシド、タリブラスチン、イーストマン・コダックTJB-29、トコトリエノール、トポテカン、トポスチン、帝人TT82、協和発酵UCN-01、協和発酵UCN-1028、ウクライン、イーストマン・コダックUSB-006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネストラミド、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウイザノリド並びに山ノ内YM。
或いは、本化合物は他の抗腫瘍薬との共治療に使用してもよい。そのような抗腫瘍薬の例としては、下記を挙げることができる:アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ANCER)、アンセスチン、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM 002 (ノベロス)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリックス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビン・オクホスフェート、DA 3030 (Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキン・ディフィトックス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HIT ジクロフェナック、インターフェロンα、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エポエチンβ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エキシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、フォルメスタン、フォテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフール配合剤、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児性αフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、イミキモド、インターフェロンα、天然インターフェロンα、インターフェロンα-2、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-NI、インターフェロンα-n3、インターフェロンα-con1、天然インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ、天然インターフェロンγ-1a、インターフェロンγ-1b、インターロイキン-1β、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC 9018 (ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球αインターフェロン、ロイプロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、不適合二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球産生刺激性タンパク質、NSC 631570、オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンα-2b、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニル、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンα-2a、ポルフィマー・ナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリカーゼ、レニウム(Re 186)エチドロナート、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153 Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タゾロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンα、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキセート、トリプトレリン、天然腫瘍壊死因子α、ウベニメクス、膀胱がんワクチン、丸山ワクチン、メラノーマ溶解産物ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチン・スティマラマー(stimalamer)、又はゾレドロン酸;アバラリックス、AE 941 (エテルナ)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2 (ゲンタ)、APC 8015 (デンドレオン)、セツキシマブ、デシタビン、デキサミノグルテチミド、ジアジコン(diaziquone)、EL 532 (エラン)、EM 800 (アンドルシェルシュ)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニデル、フィルグラスチム SDO1 (アムジェン)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17免疫原、HLA-17遺伝子治療 (ビカル)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、二塩酸ヒスタミン、イブリツモマブ・チウキセタン、イロマスタット、IM 862 (サイトラン)、インターロイキン・イプロキシフェン、LDI 200 (ミルクハウス)、レリジスチム、リンツズマブ、CA 125 MAb (バイオミラ)、がんMAb (日本薬品開発)、HER-2及びFc MAb (メダレックス)、イディオタイプ105AD7 MAb (CRCテクノロジーズ)、イディオタイプCEA MAb (トリレックス)、LYMヨウ素131 MAb (テクニクローン)、多形上皮ムチン−イットリム90 MAb (アンチゾーマ)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX 6 (ガルデルマ)、ネララビン、ノラトレキセド、P 30タンパク質、ペグビゾマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903 (シャイア)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルフォシック・アシッド、SRL 172 (SRファルマ)、SU 5416 (スジェン)、SU 6668 (スジェン)、TA 077 (田辺)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポイエチン、錫エチル・エチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン (バイオミラ)、メラノーマ・ワクチン (ニューヨーク大学)、メラノーマ・ワクチン (スローン・ケッタリング研究所)、メラノーマ腫瘍溶解物(oncolysate)ワクチン (ニューヨーク医大)、ウイルス性メラノーマ細胞溶解物ワクチン (王立ニューキャッスル病院)、又はバルスポダール。
治療キット
別の態様では、本発明は、本発明に係る方法を便利かつ効果的に実施するためのキットに関する。一般に、薬剤パック又はキットは、本発明の薬剤組成物の1又は2以上の成分を満たした1又は2以上の容器を含んでいる。このようなキットは、特に錠剤又はカプセルのような固体経口剤形の供給に適している。この種のキットは好ましくは複数の単位剤形を含んでいて、それらの剤形の意図する使用順序に向けられたカードを含んでいてもよい。所望により、その剤形を投与することができる治療スケジュールの日にちを指定する、例えば、数字、字、もしくは他のマークの形態、又はカレンダーページの記憶援助具を提供することができる。或いは、何らかの剤形を毎日とるキットを提供するために、プラシーボ剤形又はカルシウム食事サプリメントを、本発明の置換プリン剤形に類似又は異なる形態でキットに含めることができる。場合によりかかる容器に組み合わせることができるのは、医薬品の製造、使用又は販売を規制する監督官庁により規定された形態の注意書きであり、この注意書きはヒト用医薬品の製造、使用又は販売官庁による認可事項を反映する。
以下の代表的な実施例は、本発明各種態様及びその均等態様の実施に適用することができる重要な追加情報、例示及び指針を含んでいる。これらの実施例は本発明の例示を助けることを意図したものであり、その範囲を制限することを意図しておらず、そのように解すべきものでもない。実際、ここに示しかつ説明した態様に加えて、本発明の各種変更及びその多くのさらなる実施態様が、以下の実施例並びに本書に引用した科学文献及び特許文献への言及を含む本書の検討により当業者には明らかとなろう。現状技術の例示を助けるために、明細書中で引用した文献の内容をここに参考として援用する。また、本発明の目的にとって、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 第75版、内表紙に掲げられたCAS版の元素周期表に従って同定される。さらに、有機化学の原則並びに具体的な官能基若しくは部分及び反応性は、「Organic Chemistry」Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999及び「Organic Chemistry」Morrison & Boyd (第3版)に説明されており、この両方の全内容をここに参考のために援用する。
実施例1:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
A) N-メチル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
6-クロロ-9-ビニルプリン (JOC 1968, 33, 1341) (0.54 g, 3 mmol)をTHF (5 mL)中のメチルアミン (約15 mmol、THF中2.0M)に添加し、混合物を室温で5時間撹拌した。水を加えて、析出した白色沈殿 (メチルアミン塩酸塩)を溶解させた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/塩化メチレン)にかけると、目的物が得られた。
B) N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
THF (20 mL)中の3-ヨード-4-メチルアニリン (1.22 g, 5.25 mmol)、3-(トリフルオロメチル)安息香酸 (0.95 g, 5 mmol)、HOBt (0.68 g, 5 mmol)、及びEDCl (1.05 g, 5.5 mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (3:1 ヘキサン/酢酸エチル)にかけると、目的物が得られた。
C) (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
圧力チューブに、N-メチル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン (0.088 g, 0.5 mmol)、N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (0.20 g, 0.5 mmol)、酢酸パラジウム (0.05当量)、トリ-(o-トリル)ホスフィン (0.1当量)、及びDMF (2 mL)を装入した。得られた溶液を10分間のN2バブリングにより脱気した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.19 g, 1.5 mmol)を添加し、この溶液を110℃で15時間撹拌した。水を添加し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/塩化メチレン)にかけると、目的物が得られた: MS [M+H]+ 453; m.p. 201℃。
実施例2:N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)エチル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (0.10 g)のMeOH溶液に、触媒量の炭素担持10%パラジウムを添加した。得られた混合物を50 psiのH2下で48時間水素化すると、この時点でHPLCが水素化の完了を示した。触媒を濾別し、濾液をロータリーエバポレータで濃縮し、さらに減圧乾燥すると、目的物が得られた。
実施例3:(E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
A) N-(4-ジメチルホスホリル)フェニル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
6-クロロ-9-ビニルプリン (0.18 g, 1 mmol)、4-ジメチルホスフィニルアニリン (0.17 g, 1 mmol)、及びピリジン塩酸塩 (0.11 g, 1 mmol)の混合物を2-エトキシエタノール (2 mL)中に溶解した。得られた溶液をマイクロ波照射下で160℃に10分間加熱した。この混合物をロータリーエバポレータで濃縮乾固した。EtOAc及びNaHCO3水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶離剤:10%メタノール/塩化メチレン)にかけると、目的物が得られた。
B) (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
N-(4-ジメチルホスホリル)フェニル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとN-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドとを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 591; m.p. 230〜234℃。
実施例4:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
A) N-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
6-クロロ-9-ビニルプリン (0.54 g, 3 mmol)をTHF (10 mL)中でシクロプロピルアミン (1.71 g, 30 mmol)と混合し、混合物を室温で5時間撹拌した。水を加えて、析出した白色沈殿 (シクロプロピルアミン塩酸塩)を溶解させた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、目的物を得た。
B) 3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン
圧力チューブ中の3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)アニリン (4.80 g, 20 mmol)、4-メチルイミダゾール (1.97 g, 24 mmol)、炭酸カリウム (3.04 g, 22 mmol)、 CuI (0.57 g, 3 mmol)、及び8-ヒドロキシキノリン (0.44g, 3 mmol)の乾燥DMSO (20 mL)中懸濁液を、この懸濁液に撹拌しながらN2を10分間バブリングすることにより脱気した。チューブを密封した。混合物を120℃ (油浴温度) で15時間加熱した。この混合物を45〜50℃に冷却し、14%アンモニア水 (20 mL)を加えた。混合物をこの温度に1時間保持した。室温に冷却後、水と酢酸エチルとを加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を短いシリカゲルカラムに通して、緑青色のCu塩の大部分を除去した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した。得られた粗生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶させると、純淡黄色の針状結晶が得られた。母液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラム (5%メタノール/塩化メチレン) で精製すると、淡黄色針状結晶としてさらに目的物が得られた。
C) 3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル安息香酸 (2.62 g, 10 mmol)をSOCl2(10 mL)中で1時間還流させた。揮発成分をロータリーエバポレータにより除去し、残渣をベンゼン (10 mL)に溶解し、ロータリーエバポレータで濃縮乾固し、さらに減圧乾燥した。生成したアシル塩化物を3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン (2.46 g, 10.2 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (1.56 g, 12 mmol)、及び触媒量のDMAPのTHF (20 mL)中の溶液に添加した。室温で2時間撹拌した後、反応を水で終息させた。EtOAcを加え、分液した。合わせた有機層を濃縮乾固し、精製せずに次工程に使用した。
D) (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 559; m.p. 225〜227℃。
実施例5:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 479; m.p. 201℃。
実施例6:(E)-1-(3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素
A) 1-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素
3-ヨード-4-メチルアニリン (1.17 g, 5 mmol)と3-(トリフルオロメチル)-フェニルイソシアネート (1.03 g, 5.5 mmol)との混合物を室温で4時間撹拌した。濾過 (酢酸エチルで洗浄)により目的が得られた。
B) (E)-1-(3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素
1-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素とN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 494; m.p. 160〜162℃。
実施例7:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
A) 3-ヨード-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、2-アミノ-4-(トリフルオロメチル)ピリジンを使用して、実施例4Cと同様にして標題化合物を作製した。このアシル化反応はかなりの量のビスアシル化生成物を生じた。それはTLCで極性がやや低く、4N NaOH水溶液により50℃で30分間処理すると目的とするモノアシル化生成物に転化されたので、その後は実施例4と同様に後処理を行った。
B) (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 480; m.p. 232℃。
実施例8:(E)-3-(2-(6-(アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
A) 9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
6-クロロ-9-ビニルプリン (0.48 g, 3 mmol)を飽和アンモニア/メタノール (20 mL)に添加し、混合物を50℃に15時間加熱した。水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/塩化メチレン)にかけると、目的物が得られた。
B) (E)-3-(2-(6-(アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドと9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した: MS [M+H]+ 519; m.p. 258℃。
実施例9:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-3-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
A) (E)-N-3-(2-(6-クロロ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
標題化合物を、6-クロロ-9-ビニルプリンとN-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドとを用いて実施例1Cと同様にして作製した。
B) (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-3-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
(E)-N-3-(2-(6-クロロ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (0.046 g, 0.10 mmol)、3-アミノピリジン (0.022 g, 0.22 mmol)、Pd2(dba)3(5モル%)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル (7.5モル%)及びK3PO4をDME中で混合した。この混合物をN2下で15時間還流加熱し、室温に冷却し、Na2CO3水溶液とEtAOcとの間で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した後、RP HPLC (アクリロニトリル/水/0.1%TFA)で精製した。MS [M+H]+ 515。
実施例10:(E)-9-(2-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
A) 2-クロロ-3-ヨード-4-メチルピリジン
濃塩酸 (8.8 mL)中の2-クロロ-3-アミノ-4-メチルピリジン (2.0 g, 14.6 mmol)を0℃に冷却した。水 (17.6 mL)中の亜硝酸ナトリウム (1.03 g, 15.02 mmol)の溶液を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。この混合物を0℃で水 (17.6 mL)中のKI (3.2 g, 18.9 mmol)の溶液に滴下した。反応混合物を室温まで昇温させた。この混合物をこの温度で12時間撹拌した。混合物をエーテル (3×150 mL)で抽出した。合わせた抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥し (Na2SO4)、減圧濃縮した。ヘキサン/酢酸エチルから再結晶させ、次工程にそのまま使用した。
B) (E)-9-(2-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
DMF (5 mL)中のN-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン (実施例3、1 mmol)、2-クロロ-3-ヨード-4-メチルピリジン化合物 (1.3 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (3 mmol)、酢酸パラジウム (0.05 mmol)、及びトリ-o-トリルホスフィン (0.1 mmol)をアルゴンで10〜15分間十分にパージし、密封した後、出発物質が完全に消失するまで120℃で18時間加熱した。反応混合物をセライトに通した後、メタノール30%を含有するジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧濃縮した。残渣を、バイオタアージ-S (Biotage-S)カラムクロマトグラフィーにより、1/1ヘキサン-酢酸エチル、酢酸エチル、及び1〜10%メタノール含有酢酸エチルを用いて精製した。MS [M+H]+ 439。
実施例11:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+418。
実施例12:(E)-9-(2-クロロ-6-メチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+438。
実施例13:(E)-9-(2-クロロ-6-フルオロスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+442。
実施例14:(E)-9-(2-メチル-6-エチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+432。
実施例15:(E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+419。
実施例16:(E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+419。
実施例17:(E)-9-(2-(1H-インドール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+429。
実施例18:(E)-4-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)インドリン-2-オン
実施例10と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+445。
実施例19:(E)-9-(2-(1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
A. 4-ブロモ-1H-インダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル
THF (15 mL)中の4-ブロモインダゾール (1.2 g, 5.6 mmol)の溶液にDMAP (0.068 g, 0.56 mmol)と次にBOC-無水物 (1.8 g, 8.4 mmol)とを添加し、この混合物を室温で5時間撹拌した。THFを蒸発させ、残渣をジクロロメタン (3×75 mL)で抽出し、これを硫酸水素カリウム水溶液 (10%) (10 mL×2)、次に水 (10 mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、ガム状物を得た。これをバイオタージ-Sシリカゲルカラムにより、ヘキサン/酢酸エチル(80〜100%)を用いて精製して、無色泡状物を得た。
B. 4-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-1H-インダゾール-1-カルボン酸(E)-tert-ブチル
標題化合物を実施例10Bと同様にして作製した。
C. (E)-9-(2-(1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例20:(E)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン
A. 2,6-ジメチル-3-ニトロブロモベンゼン
酢酸 (167 mL)中の2,6-ジメチルブロモベンゼン (27.9 g, 150 mmol)の溶液に発煙硝酸 (83.3 mL) (>90%)を添加し、氷浴 (氷点より高温)中で冷却した。混合物を室温まで昇温させた後、80℃で2時間加熱した。(HPLCで出発物質を示さなかった)。反応混合物を冷却し、撹拌しながら氷浴に投入した。析出した黄色い固体を濾別し、氷水で洗浄し、乾燥して、黄色固体28.7 gを得た。これを次工程でそのまま使用した。
B. 2,6-ジメチル-3-アミノブロモベンゼン
2,6-ジメチル-3-ニトロブロモベンゼン (5.7 g, 0.025 mol)を酢酸 (60 mL)及びエタノール (60 mL)に溶解した。これに、鉄粉 (5.6 g, 0.01 mol)を少しずつ加え、添加終了後、液を窒素下に2〜3時間還流加熱した。追加の鉄粉2.8 gを加え、さらに2時間の再還流を行った。この混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣を炭酸ナトリウム水溶液で中和し、沸騰酢酸エチル (50 mLずつ)で反復抽出した (×3)。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを濃縮して、褐色固体を得た。この固体を4%酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体を得た。
C. 5-メチル-4-ブロモインダゾール
2,6-ジメチル-3-アミノブロモベンゼン (2.4 g, 0.12 mol)及びHBF4-水 (40重量%、35 mL, 0.27 mol)からなる0℃のスラリーに、亜硝酸ナトリウム (0.91 g, 0.013 mol)の水溶液を滴下した。この混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、析出した固体を濾別し、冷水とエーテルとで洗浄し、デシケータで1時間20分乾燥した。酢酸カリウム (91.6 g, 0.17 mol)及び18-c-6クラウンエーテル (0.11 g, 0.00042 mol)をクロロホルム (エタノール不含有)中に懸濁させ、撹拌した。これに上記のジアゾニウム塩を室温で一度に添加した。オレンジ色の懸濁液の褐色への変色が起こった。室温で1時間撹拌した後、固体を濾別した。濾液を水洗し、乾燥し (硫酸ナトリウム)、減圧濃縮して、標題化合物白色固体として得た。
D. 5-メチル-4-ブロモ-N-1-tert-ブトキシカルボニルインダゾール
THF (15 mL)中の5-メチル-4-ブロモインダゾール (1.2 g, 5.6 mmol)の溶液に、DMAP (0.068 g, 0.56 mmol)と次にBOC-無水物 (1.83 g, 8.37 mmol)とを添加し、室温で5時間撹拌した。THFを蒸発させ、残渣をジクロロメタン (3×50 mL)で抽出し、これを硫酸水素カリウム水溶液 (10%) (10 mL×2)、次に水 (10 mL)で順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、ガム状物を得た。これをバイオタージ-Sシリカゲルカラムにより、80〜100%ヘキサン/酢酸エチルを用いて精製した。
E. 4-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-5-メチル-1H-インダゾール-1-カルボン酸(E)-tert-ブチル
標題化合物を実施例10Bと同様にして作製した。
F. (E)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例21:(E)-N-4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン
A. 6-メチル-2-N,N-ジメチルアミノメチル-3-ニトロブロモベンゼン
無水DMF (120 mL)中の2,6-ジメチル-3-ニトロブロモベンゼン (20 g, 87 mmol)の溶液に室温でtert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン (16 g, 91 mmol)を添加した。反応混合物を、出発物質がすべて消失するまで窒素下120〜125℃で5時間加熱した。そのあと、これを室温に冷却し、水に投入し、ジクロロメタン (100 ml×3)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせて乾燥し (硫酸ナトリウム)、濾過し、濾液を濃縮して、褐色油状物を得た。これをさらに精製せずに次工程に使用した。
B. 5-メチル-4-ブロモインドール
実施例21Aからの粗生成物を酢酸/水 (250 mL, 4/1)に溶解し、0℃に冷却し、少しずつ添加した亜鉛末 (5.7 g, 87 mmol)で処理した。添加終了後、反応混合物を110℃に4時間加熱した。亜鉛をセライトのパッドを通して除去し、濾液をジクロロメタン (100 mL×3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、10%酢酸エチル/メタノールを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。
C. (E)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン
標題化合物を実施例10Bと同様にして作製した。MS [M+H]+445。
実施例22:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
A) N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-ヨード-9-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン
カリウムtert-ブトキシド (0.19 g, 1.65 mmol)を窒素下で無水THF 4.5 mLに懸濁させ、氷−塩浴中で−10℃に冷却した。この懸濁液に4-(ジプロピルホスホリル)ベンゼンアミン (0.12 g, 0.55 mmol)を添加し、混合物を−10℃で30分間撹拌した。この反応混合物に、次いで、6-クロロ-2-ヨード-9-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-9H-プリン (Tetrahedron 2002, 58, 7911-7923) (0.18 mg, 0.5 mmol)を加え、混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、0.1N HCl (約500 mL)を添加して反応を停止させた。混合物をロータリーエバポレータで濃縮した。残渣を酢酸エチル (10 mL)と水 (4 mL)との間にで分配し、有機層を分液して、0.1N HCl (4×4 mL)、飽和NaHCO3 (4 mL)、食塩水 (4 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。シリカゲルでのフラッシュ・カラムクロマトグラフィー (7.5% MeOH/DCM)により最終生成物を得た。
B) N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン
オーブン乾燥した10 mLの丸底フラスコに、2.88 mLのリーケ亜鉛(Rieke Zinc) (Zn 0.14 g, 2.2 mmol, 5 g/100 mL THF)を12ゲージの針を用いてアルゴン下に移した。次いで、ヨウ化イソプロピル (200 μL, 2 mmol)を注射器から添加した。溶液は温かくなった。フラスコの中身を室温で3時間撹拌した。別のフラスコ (25 mL)内で、N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-ヨード-9-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン (0.28 g, 0.5 mmol)とPdCl2(PPh3)2 (0.035 g, 0.05 mmol)を4.0 mLの乾燥DMF中に溶解した。この反応系に上記の亜鉛試薬を注射器から移して添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物にEtOAc 20 mL/水20 mLを添加し、この混合物をセライトを通して濾過し、1%MeOH/EtOAc (30 mL)で洗浄した。有機層を分離し、水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。最終生成物をシリカゲル (4〜7.5% MeOH/DCM)により精製した。
C) N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン (0.23 g)を、50%/50% TFA/DCM (6 mL)に添加し、得られた溶液を室温で15分間撹拌した。HPLCは反応の終了を示した。溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残渣を30 mLの酢酸エチルに溶解し、得られた有機溶液を5%NaHCO3 (10 mL)、食塩水 (10 mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。シリカゲルでのフラッシュ・カラムクロマトグラフィー (10% MeOH/DCM)により最終生成物を得た。
D) 4-メチルベンゼンスルホン酸(ジプロピルホスホリル)メチル
0℃の無水エーテル (200 mL)中のジプロピル・ヒドロキシメチルホスフィンオキシド (US 5,272,128を参照) (16.4 g, 0.1 mol)に、p-トルエンスルホニルクロリド (19.1 g, 0.1 mol)及びトリエチルアミン (27.8 mL, 0.2 mol)を添加した。反応液を室温で一晩撹拌した。このエーテル溶液をデカンテーションし、沈殿を濾過用漏斗内で約1 Lのエーテルを用いて、HPLCが生成物を検出しなくなるまで洗浄した。合わせたエーテル層を濃縮した。粗生成物を8%MeOH/DCMを用いたシリカゲル・クロマトグラフィーにより精製した。
E) 9-((ジプロピルホスホリル)メチル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
80 mLのCEMマイクロ波スケールアップ・チューブ(CEM microwave scaleup tube)内で、20 mLの無水DMF中の実施例1Eの化合物 (1.0 g, 2.6 mmol)を溶解した。NaH (鉱油中60%分散液、0.13 g, 3.12 mmol)を少しずつ加えた。反応液を室温で20分間撹拌した。その後、4-メチルベンゼンスルホン酸(ジプロピルホスホリル)メチル (0.91 g, 2.86 mmol)を添加した。反応液をマイクロ波にかけた (120℃/10分間)。この反応混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機層をNa2SO4で乾燥した。生成物をシリカゲルでのフラッシュ・カラムクロマトグラフィー (10% MeOH/DCM)で精製した。
F) (E又はZ)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
9-((ジプロピルホスホリル)メチル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン (0.15 g, 0.28 mmol)を、10 mL CEMマイクロ波チューブ内で乾燥DMF (1 mL)に溶解した。NaH (鉱油中60%分散液、0.033 g, 0.79 mmol)を添加し、泡立ちがなくなるまで室温で10分間撹拌した。その後、2,6-ジメチルベンズアルデヒド (0.10 g, 0.972 mmol)を添加し、反応液をマイクロ波で加熱した (120℃/20分間)。この反応液をEtOAc/水(10 mL/10 mL)間で分配し、有機層を分離し、乾燥した (Na2SO4)。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー (5% MeOH/DCM)で最初にE-異性体 (24 mg)が、次にZ-異性体 (8 mg)が得られた。MS [M+H]+ 516。
実施例23:(E)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-スチリル-9H-プリン-6-アミン
実施例22と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+488。
実施例24:N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-(2-メチルプロプ-1-エニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例22と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+440。
実施例25:9-(シクロヘキシリデンメチル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
実施例22と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+480。
実施例26:(E)-9-(2-シクロプロピルビニル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン
実施例22と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+452。
実施例27:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-モルホリノ-9H-プリン-6-アミン
A) 2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
密封チューブに、2,6-ジクロロ-9-ビニルプリン (0.43 g, 2 mmol)、4-アミノフェニル-ジメチルホスフィンオキシド (0.37 g, 2.2 mmol)を添加し、固体分をアルゴン下に約15 mLの無水EtOH中に溶解した。その後、DIEA (1.0 mL, 6 mmol)を添加した。反応液を、出発物質の2,6-ジクロロ-9-ビニルプリンが消失してしまうまで105℃で3晩加熱した。ロータリーエバポレータにより揮発分を除去し、残渣をEtOAc/水の間で分配した。有機層を水でもう一度洗浄し、Na2SO4で乾燥した。最終生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (4〜8%MeOH/DCM)で精製した。
B) (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
オーブン乾燥した50 mLの丸底フラスコに、2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン (0.32 g, 0.93 mmol)、Pd(OAc)2 (10 mg, 0.05 mmol)、トリ-o-トリルホスフィン (30 mg, 0.1 mmol)、2-ヨード-m-キシレン (0.39 g, 1.67 mmol)を加えた。混合物にアルゴンを流した後、これを約10 mLの無水DMFに溶解した。DIEA (0.39 g, 2.79 mmol)を次いで注射器から添加した。反応液を110℃で一晩撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、十分な約5%のMeOH/EtOAcで洗浄し、合わせた有機層を水で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥した。最終生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (4〜8%MeOH/DCM)で精製した。
C) N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-フルオロ-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
実施例27Aと同様にして標題化合物を作製した。
D) (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン
実施例27Bと同様にして標題化合物を作製した。
E) (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-モルホリノ-9H-プリン-6-アミン
10 mLのCEMマイクロ波チューブ内で、2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン (0.05 g, 0.11 mmol)をn-BuOH/DMSO (1.0 mL/0.2 mL)中に溶解し、モルホリン (95 μL, 1.1 mmol)及びDIEA (96 μL, 0.55 mmol)を添加した。反応液をマイクロ波で加熱した (120℃、10分間)。ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、残渣をEtOAc/水の間で分配し、有機層を分離し、Na2SO4で乾燥した。生成物をISCOコンビフラッシュ (combiFlash) (12 g シリカゲルカラム、5%MeOH/DCM)で精製して、目的化合物を得た。MS [M+H]+ 559。
実施例28:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+433。
実施例29:(E)-2-(4-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタノール
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例30:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2,N2-ジメチル-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例31:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピロリジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例32:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例33:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-エチル-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例34:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-(2-メトキシエチル)-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。
実施例35:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(4-アミノシクロヘキシル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+530。
実施例36:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピペラジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+502。
実施例37:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-シクロプロピル-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+473。
実施例38:(R,E)-2-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イルアミノ)-3-メチルブタン-1-オール
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+575。
実施例39:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(4-(アミノメチル)ピペリジン-1-イル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例27と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+586。
実施例40:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン
10 mLのCEMマイクロ波チューブ内で、イミダゾール (0.16 g, 2.36 mmol)をDMF (1.0 mL)に溶解し、これにNaH (0.09 g, 鉱油中60%分散液)を添加した。内容物を室温で、泡立ちが認められなくなるまで (約10分間)撹拌した。その後、(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン (0.12 g, 0.236 mmol)を添加した。反応液をマイクロ波で加熱した (120℃、10分間)。ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、残渣をEtOAc/水の間で分配し、有機層を分離し、Na2SO4で乾燥した。生成物をISCOコンビフラッシュ (12 g シリカゲルカラム、5%MeOH/DCM)で精製した。MS [M+H]+ 484。
実施例41:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+498。
実施例42:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-メトキシ-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+448。
実施例43:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+505。
実施例44:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(2-メトキシエトキシ)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+498。
実施例45:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+518。
実施例46:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+504。
実施例47:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(シクロペンチルオキシ)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。
実施例48:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+531。
実施例49:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン
実施例40と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+511。
実施例50:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルチオ)-9H-プリン-6-アミン
10 mLのCEMマイクロ波チューブ内で、(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-クロロ-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン (0.20 g, 0.442 mmol)をNaSMe (0.31 g, 4.42 mmol)と一緒に、2 mLの乾燥DMFに溶解した。内容物をマイクロ波で加熱した(120℃、10分間)。反応液を常法に従って処理し、生成物をISCOコンビフラッシュ (12 g SiO2カラム、5%MeOH/DCM)で精製した。MS [M+H]+ 464。
実施例51:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルスルホニル)-9H-プリン-6-アミン
10 mLのCEMマイクロ波チューブ内で、(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルチオ)-9H-プリン-6-アミン (0.11 g, 0.226 mmol)を1 mLのDCMに溶解し,MCPBA (0.11 g, 純度72%, 0.452 mmol)を添加した。反応液マイクロ波で加熱した(60℃、5分間)。溶媒を除去し、生成物をISCOコンビフラッシュ (12 g SiO2カラム、7%MeOH/DCM)で精製した。MS [M+H]+ 496。
実施例52:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-イソプロピル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
A) 6-クロロ-2-ヨード-9-ビニル-9H-プリン
250 mLの圧力チューブ内で、Hg(OAc)2 (2.52 g, 7.88 mmol)を酢酸ビニル (73 mL, 788 mmol)中に懸濁させた。この懸濁液にH2SO4/EtOAc (1.5 mL/1.5 mL)を添加した。透明な溶液が生成した。2-ヨード-6-クロロ-9H-プリン (22.1 g, 78.8 mmol)を添加した。再び懸濁液が生成した。これを脱気し、45〜50℃で一晩撹拌した。暗色溶液が生じた。この混合物をセライトを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。有機層を飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム (1〜5%MeOH/DCM)で精製した。
B) N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-ヨード-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
表題化合物を実施例22Aと同様にして作製した。
C) N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン
乾燥アルゴン雰囲気中で、リーケ亜鉛/THF懸濁液 (5 g/100 mL) (2.54 mL, 2.0 mmol)を、12ゲージの針を取り付けた注射器を用いて丸底フラスコに移した。次いで、ヨウ化イソプロピル (0.18 mL, 1.82 mmol)を添加し、直ちに撹拌を開始した。内容物は温かくなり、撹拌を室温で4〜5時間続けた。10 mLのCEMマイクロ波チューブ内で、N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-ヨード-9-ビニル-9H-プリン-6-アミン (0.20 g, 0.46 mmol)、PdCl2(PPh3)2 (19 mg, 0.027 mmol)を1 mLの乾燥DMF中に溶解した。上記のイソプロピル亜鉛ヨウ化物/THF溶液をこのマイクロ波注射に注射器を用いて移した。反応液をマイクロ波で加熱した (60℃、5分間)。反応混合物を、セライトを通して濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を濃縮し、ISCOコンビフラッシュカラム (SiO2, 12 g)で精製した。
D) (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-イソプロピル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
表題化合物を実施例27Bと同様にして作製した。MS [M+H]+460。
実施例53:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-sec-ブチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+474。
実施例54:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロヘキシル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+500。
実施例55:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロペンチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+486。
実施例56:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-イソブチル-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+474。
実施例57:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+488。
実施例58:(E)-3-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)プロパンニトリル
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+471。
実施例59:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(5-クロロチオフェン-2-イル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+535。
実施例60:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(チオフェン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+500。
実施例61:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(5-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+509。
実施例62:(E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン
実施例52と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+509。
実施例63:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
N-(2-N,N-ジメチルアミノエチル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 510。
実施例64:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
N-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 479。
実施例65:(E)-3-(2-(6-(フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
N-フェニル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 595。
実施例66:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
4-アミノピリジンを用いて、実施例9と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 515。
実施例67:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-2-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
2-アミノピリジンを用いて、実施例9と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 515。
実施例68:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
N-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 524。
実施例69:(E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドとN-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 591。
実施例70:(E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミドとN-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 570。
実施例71:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリミジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
4-アミノピリミジンを用いて、実施例9と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 517。
実施例72:(E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(1-メチルピペリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
1-メチルピペリジン-4-アミンを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 536。
実施例73:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 458。
実施例74:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール-5-イル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 471。
実施例75:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-tert-ブチルピラゾール-5-イル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 457。
実施例76:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルフェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-tert-ブチルフェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 467。
実施例77:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 514。
実施例78:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 497。
実施例79:(E)-3-(2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミドと9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 440。
実施例80:(E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)ニコチンアミド
N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとN-(3-ヨード-4-メチルフェニル)ニコチンアミドとを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 524。
実施例81:(E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキサミド
N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとN-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-5-シクロプロピル-3-カルボキサミドとを用いて、実施例1と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 554。
実施例82:(E)-N-(3-(2-(6-(4-シアノフェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
4-アミノベンゾニトリルを用いて、実施例9と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 540。
実施例83:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-イソプロピルフェニル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(3-イソプロピルフェニル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 453。
実施例84:(E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-メチルピリジン-2-イル)ベンズアミド
3-ヨード-4-メチル-N-(4-メチルピリジン-2-イル)ベンズアミドとN-シクロプロピル-9-ビニル-9H-プリン-6-アミンとを用いて、実施例4と同様にして標題化合物を作製した。MS [M+H]+ 426。
実施例85:化合物の生物学的評価
本発明の化合物は、それらの生物学的活性を測定するために多様な検定(アッセイ)により評価することができる。例えば、本発明の化合物を、対象となる各種プロテインキナーゼを阻害するその能力について試験することができる。本化合物はまた、対象となる腫瘍細胞に対するその細胞毒性及び増殖阻害効果について評価することもできる。例えば、WO 03/000188,115〜136頁(その全内容をここに参考として援用)を参照。
キナーゼ阻害
より具体的には、本書に記載した化合物は次のようにしてキナーゼ阻害活性についてスクリーニングされる。下記のプロトコルに用いるのに適したキナーゼとしては、それらに制限されないが、Abl, Lck, Lyn, Src, Fyn, Syk, Zap-70, ltk, Tec, Btk, EGFR, ErbB2, Kdr, Flt1, Flt-3, Tek, c-Met, InsR及びAKTが挙げられる。
キナーゼは、グルタチオンS-トランスフェラーゼ (GST)に融合されたキナーゼドメイン又は全長構築物として、あるいはE. coli又はバクロウイルス−High Five発現系のいずれかにおけるポリヒスチジン・タグ融合タンパク質として発現される。それらは、既に文献に述べられているように (Lehr et al., 1996; Gish et al., 1995)、アフィニティークロマトグラフィーにより均質近くまで精製される。場合により、キナーゼは活性測定の前に精製又は不完全精製された調節ポリペプチドと共発現又は混合される。
キナーゼ活性及び阻害は、確立されたプロトコル (例、Braunwarlder et al., 1996)により測定される。略述すると、微量定量(マイクロタイター)プレートの生理活性表面に結合された合成基質poly(Glu, Tyr) 4:1又はpoly(Arg, Ser) 3:1へのATPからの33PO4の移動を酵素活性の指標とする。インキュベーション期間の後、まずプレートを0.5%リン酸で洗浄し、液体シンチラントを添加した後、液体シンチレーション検出器で計数することによって、移動したリン酸基の量を測定する。プレートに結合された基質上に取り込まれた33Pの量の50%減少を生ずる化合物の濃度によってIC50を求める。
チロシン、セリン、スレオニン又はヒスチジンを単独で、或いはこれらどうし又は他のアミノ酸との混合物として含有する、溶液状又は固定 (即ち、固相) のペプチド又はポリペプチド基質へのリン酸基の移動を利用する他の方法も有用である。
例えば、ペプチド又はポリペプチドへのリン酸基の移動は、シンチレーション・プロキシミティー、蛍光偏光、及び均質時間分解蛍光を用いて検出することもできる。或いは、キナーゼ活性の測定を、抗体又はポリペプチドを試薬として用いてリン酸化標的ポリペプチドを検出する抗体型の方法によって行うこともできる。
そのような検定方法のさらなる背景情報は、例えば、Braunwalder et al., 1996, Anal. Biochem. 234(1): 23; Cleveland et al., 1990, Anal. Biochem. 190(2): 249; Gish et al., (1995) Protein Eng.8(6): 609; Kolb et al., (1998) Drug Discov. Toda V. 3: 333; Lehr et al., (1996) Gene 169(2): 27527-87; Seethala et al., (1998) Anal. Biochem. 255(2): 257; Wu et al., (2000)を参照。
Srcキナーゼに対する本発明の化合物についてのIC50値は、数ナノモルないし1ナノモル未満 (即ち、1 nMより小)の範囲内であることが認められた。
細胞系検定
本発明の或る種の化合物はまた、腫瘍又は他のがん細胞系に対する細胞毒性又は増殖阻害効果があることが実証されたので、がん及び他の細胞増殖型の疾患の治療に有用である可能性がある。化合物は、当業者には周知のin vivo又はin vitro検定を用いて抗腫瘍活性について検定される。一般に、抗がん薬候補を見つけるための化合物の初期スクリーニングは細胞検定により行われる。このような細胞系検定において抗増殖活性を有すると認められた化合物は、次いで、抗腫瘍活性と毒性に対して完全生体を使ってその後の検定を受けることができる。一般に、細胞系スクリーニングは、完全生体使う検定に比べてより迅速かつ低コストで行うことができる。本発明の目的にとって、「抗腫瘍」活性と「抗がん」活性の用語は互換可能に使用される。
抗増殖活性を測定するための細胞系の方法は周知であり、本発明の化合物の相対的な特性決定に使用することができる。一般に、細胞増殖及び細胞生存性検定は、細胞が代謝活性である時に検出可能な信号を与えるように設計される。化合物は、化合物への細胞の露出後の細胞の代謝活性の何らかの認められる低下を測定することによって抗増殖活性について試験することができる。よく使用される方法としては、例えば、膜一体性 (細胞生存性の指標として)の測定 (例、トリパン青の排除を使用)、又はDNA合成の測定 (例、BrdU若しくは3H-チミジンの取り込みの測定により)が挙げられる。
一部の細胞増殖検定法は、細胞増殖中に検出可能な化合物に転化される試薬を使用する。特に好ましい化合物はテトラゾリウム塩であり、制限されないが、MTT (3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド; Sigma-Aldrich, セントルイス、ミズーリ)、MTS (3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)、XTT (2,3-ビス(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム-5-カルボキシアニリド)、INT、NBT、及びNTV (Bernas et al., Biochem. Biophys. Acta 1451(1):73-81, 1999)を挙げることができる。テトラゾリウム塩を利用した好ましい検定は、分光法により容易に検出される青色のホルマザン誘導体へのテトラゾリウム塩の酵素転化の生成物を検出することにより細胞増殖を検出する (Mosman, J. Immunol. Methods. 65:55-63, 1983)。
一般に、細胞増殖の好ましい検定法は、試験すべき化合物を含有し、及び含有しない所望の増殖培地中で細胞をインキュベーションすることを含む。各種の原核細胞及び真核細胞に対する増殖条件が当業者には周知である (Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Wiley and Sons, 1999; Bonifacino et al., Current Protocols in Cell Biology, Wiley and Sons, 1999, 両方を参考としてここに援用)。細胞増殖を検出するには、インキュベーションした培養細胞にテトラゾリウム塩を添加して、活性細胞による検出可能な生成物への酵素転化を生じさせる。細胞を処理し、細胞の光学密度をホルマザン誘導体の量を測定することによって求める。また、試薬とプロトコル (試験説明書)が入っている市販キットが、例えば、Promega社 (マジソン、ウィスコンシン)、Sigma-Aldrich (セントルイス、ミズーリ)、及びTrevigen (ゲイザーズバーグ、メリーランド)から入手可能である。
多様な細胞型を用いて化合物を抗増殖活性についてスクリーニングすることができる。そのようなものとして、とりわけ下記の細胞系を挙げることができる:COLO 205 (大腸がん)、DLD-1 (大腸がん)、HCT-15 (大腸がん)、HT29 (大腸がん)、HEP G2 (肝細胞がん、ヘパトーマ)、K562 (白血病)、A549 (肺)、NCI-H249 (肺)、MCF7 (乳)、MDA-MB-231 (乳)、SAOS-2 (骨肉腫)、OVCAR-3 (卵巣)、PANC-1 (膵臓)、DU-145 (前立腺)、PC-3 (前立腺)、ACHN (直腸)、CAK-1 (直腸)、MG-63 (肉腫)。
細胞系は好ましくは哺乳動物のものであるが、酵母のような下級真核細胞も化合物のスクリーニングのために使用することができる。好ましい哺乳動物細胞系は、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、サル、ハムスター、及びモルモットに由来するものである。これらの生体に由来する細胞系は十分に研究され、特性決定されているからである。しかし、他の細胞もまた使用しうる。
適当な哺乳動物細胞系は腫瘍に由来することが多い。例えば、下記の腫瘍細胞型が細胞培養のための細胞供給源となりうる:メラノーマ (黒色腫)、骨髄性白血病、肺がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肝臓がん、前立腺がん、膵臓がん及び精巣がん、心筋細胞、上皮細胞、リンパ球 (T-細胞及びB細胞)、肥満細胞、好酸球、血管内膜細胞、肝(実質)細胞、単核白血球を含む白血球、造血、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓、及び筋細胞の幹細胞のような幹細胞 (分化及び脱分化の因子に対するスクリーニングに使用)、破骨細胞、軟骨細胞及び他の結合組織細胞、表皮細胞(ケラチノサイト)、メラノサイト (メラニン形成細胞)、肝細胞、腎細胞、並びに脂肪細胞。研究者によって広く使用されてきた哺乳動物細胞系の制限しない例としては、HeLa、NIH/3T3、HT1080、CHO、COS-1、293T、WI-38及びCV1/EBNA-1が挙げられる。
代謝活性のある細胞を検出するためにリポーター遺伝子に異存する別の細胞検定も使用しうる。リポーター遺伝子発現系の制限しない例としては、緑色蛍光タンパク質 (GFP)、及びルシフェラーゼがある。潜在的抗腫瘍薬のスクリーニングのためのGFPの使用例として、Sandman et al (Chem. Biol. 6: 541-51; 参考としてここに援用)は、GFPの誘導性変異体を含有するHeLa細胞を用いて、GFPの発現を阻害し、従って、細胞増殖を阻害る化合物を検出した。
このような細胞検定によって抗細胞増殖活性を有すると同定された化合物は、その後、完全生体において抗腫瘍活性について試験される。好ましくは、生体は哺乳動物である。がん研究のための十分に特性決定された哺乳動物系としては、ラット及びマウスのような齧歯動物が挙げられる。典型的には、対象となる腫瘍を、拒絶反応の可能性を低減させるためにその腫瘍に対して免疫学的応答を引き起こす能力を低減させたマウスに移植する。このようなマウスとしては、例えば、ヌードマウス (無胸腺)及びSCID (重症複合型免疫不全)マウスがある。腫瘍遺伝子含有マウスのような他の形質転換 (トランスジェニック)マウスを本検定に使用してもよい (例えば、USP 4,736,868及びUSP 5,175,383を参照)。抗腫瘍薬試験に対する齧歯動物モデルの使用についての概説及び解説は、Kerbel (Cancer Metastasis Rev. 17: 301-304, 1898-99)を参照。
一般に、対象となる腫瘍は試験動物の好ましくは皮下に移植される。腫瘍を含有させた生体を候補の抗腫瘍化合物の各種用量で処置する。腫瘍の大きさを定期的に測定して、腫瘍に対する試験化合物の効果を求める。一部の腫瘍型は、皮下位置以外の位置 (例、腹腔内位置)に移植され、生存日数が終点として測定される。一般的なスクリーニングにより検定されるパラメータとしては、腫瘍モデルの種類、各種の腫瘍及び薬剤経路、並びに投与の量とスケジュールが挙げられる。抗腫瘍化合物の検出におけるマウスの使用の概説については、Corbett et al., (Invest New Drugs, 15:207-218, 1997; ここに参考として援用)を参照。
実施例86:薬剤組成物
下記に例示する本発明の化合物の代表的な製剤剤形 (本発明の化合物の有効成分を単に「化合物」という)が、ヒトにおける治療及び予防用に提供される。
(a) 錠剤1 mg/錠
化合物 100
乳糖 (欧州薬局方) 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
コーンスターチペースト (5% w/v ヘ゜ースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0。
(b) 錠剤2 mg/錠
化合物 50
乳糖 (欧州薬局方) 223.75
クロスカルメロースナトリウム 6.0
コーンスターチ 15.0
ポリビニルピロリドン (5% w/v ヘ゜ースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0。
(c) 錠剤3 mg/錠
化合物 1.0
乳糖 (欧州薬局方) 93.25
クロスカルメロースナトリウム 4.0
コーンスターチペースト (5% w/v ヘ゜ースト) 0.75
ステアリン酸マグネシウム 1.0〜76。
(d) カプセル剤 mg/カプセル
化合物 10
乳糖 (欧州薬局方) 488.5
マグネシウム 1.5。
(e) 注射液1 (50 mg/mL)
化合物 5.0% w/v
1M 水酸化ナトリウム溶液 15.0% w/v
0.1M 塩酸 (pH 7.6に調整する量)
ポリエチレングリコール400 4.5% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
(f) 注射液2 (10 mg/mL)
化合物 1.0% w/v
リン酸ナトリウムリBP 3.6% w/v
0.1M 水酸化ナトリウム溶液 15.0% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
(g) 注射液3 (1 mg/mL、pH 6に緩衝)
化合物 0.1% w/v
リン酸ナトリウムリBP 2.26% w/v
クエン酸 0.38% w/v
ポリエチレングリコール400 3.5% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
(h) エアゾール1 mg/mL
化合物 10.0
ソルビタントリオレエート 13.5
トリクロロフルオロメタン 910.0
ジクロロジフルオロメタン 490.0。
(i) エアゾール2 mg/mL
化合物 0.2
ソルビタントリオレエート 0.27
トリクロロフルオロメタン 70.0
ジクロロジフルオロメタン 280.0
ジクロロテトラフルオロエタン 1094.0。
(j) エアゾール3 mg/mL
化合物 2.5
ソルビタントリオレエート 3.38
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6。
(k) エアゾール4 mg/mL
化合物 2.5
大豆レクチン 2.7
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6。
(l) 軟膏 mL
化合物 40 mg
エタノール 300 μL
水 300 μL
1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン 50 μL
プロピレングリコールを加えて 1 mL。
(注)上記の処方組成物は製薬技術分野で周知の慣用手法を用いて製剤化される。錠剤(a)〜(c)は、例えば、セルロースアセテートフタレートによる被覆錠剤としたい場合には、慣用手段により腸溶性被覆を施してもよい。エアゾール処方組成物(h)〜(k)は、標準的な計量投与エアゾール・ディスペンサーと組み合わせて使用することができ、懸濁剤のソルビタントリオレエート及び大豆レシチンは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリソルベート80、ポリグリセロールオレエート、又はオレイン酸などの別の懸濁剤で置換してもよい。

Claims (42)

  1. 下記一般式で示される化合物:
    Figure 0005321061
    式中、
    ・Rはいつも、ハロゲン、−R、−OR、−SR、−NR、−CONR、又は−NRCO(VR)であり、ここでVは−O−、−S−、−NR−、又は共有結合であり;
    ・Rはいつも、−Mであり、ここで各Mは独立して置換又は非置換のメチレン基であり;kは0〜4の整数であり;Rはハロゲン、−CN、−R、−OR、−S(O)R、−S(O)NRR'、−NRR'、−NR(CO)VR、−CO(VR)、又はJであり、nは0、1又は2であり;
    ・Rはいつも、−R、−CONR、−NHCOR、−NHCO(OR)、又は−NHCONRであり;
    ・R及びRはいつも、独立して、水素又は脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール基を意味するか、或いはNRがN含有複素環式もしくはヘテロアリール環又は環系を構成し;
    ・Qは−C≡C−又は−CR=CR'−であり、ここで二重結合はシスもしくはトランス配置のいずれでもよく;
    ・環Aはアリール、ヘテロアリール、又は複素環式環系であり;
    ・(R)は1または2以上の任意置換基を意味し、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5は、ハロゲン、−CN、−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJ、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'、及び−NRSONR'R”よりなる群から選ばれ、ここで、V、V'及びV”は独立して−O−、−S−、−NR−、又は共有結合であり;nは0、1又は2であり;そしてmは0〜5の整数であり;
    ・R、R'、及びR”はいつも、独立して、水素又は脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリール部分であり;そして
    ・Jは、式−PO(VR)、−P(VR)又は−PO(VR)(GR)で示されるP含有基であり、ここでGはO、S、NR又は(M)であり、Mはいつも独立して置換もしくは非置換のメチレン基であり;xは1〜6の整数であり、そしてRは−PO(VR)、−SO(VR)又は−C(O)(VR)であり;ただし、Pに直接結合しているR基はどれもHではなく;
    ・前記の各基において、各脂肪族又はヘテロ脂肪族基は分岐鎖又は非分岐鎖の環式又は非環式のものでよく、1又は2以上の不飽和結合を含有していてもよく、またハロゲン、−CN、−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJ、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'及び−NRSONR'R”、=O、=S、=NR、=NNRR'、=NNHC(O)R、=NNHCOR及び=NNHSORから選ばれた基で置換されているか、又は非置換でよく、各複素環式基は環原子数が5〜14の非芳香族環系の基であって、その環原子のうち1〜4原子がCの代わりにN,O又はSであり、また各ヘテロアリール基は環原子数が5〜14の芳香族環系の基であって、その環原子のうちの1〜4原子がCの代わりにN,O又はSであるものであり、そして
    ・前記の各基において、各アリール、ヘテロアリール及び複素環式基は、炭素又は複素環もしくはヘテロアリール環のヘテロ原子を介して隣接部分に共有結合していてもよく、またハロゲン、−CN、−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJ、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'及び−NRSONR'R”から選ばれた基で置換されているか、非置換でよく、
    ・ただし前記一般式Iで示される化合物が次式で示されるいずれかの化合物である場合を除く。
    Figure 0005321061
  2. がHである、請求項1に記載の化合物。
  3. Figure 0005321061
    が下記構造式で示されるいずれか(式中、EはO、S又はNRであり、Rは水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール又はヘテロアリール基である)である、請求項2に記載の化合物。
    Figure 0005321061
  4. Figure 0005321061
    が下記構造式で示されるいずれか(式中、Rは水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール又はヘテロアリール基である)である、請求項2に記載の化合物。
    Figure 0005321061
  5. が−CONR、−NHCOR又は−NHCONRである請求項1に記載の化合物。
  6. がHである請求項5に記載の化合物。
  7. が、アリール、ヘテロアリール又は複素環基から選ばれた環Bであり、ここでアリール、ヘテロアリール又は複素環基は、ハロゲン、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール及びヘテロアリール基から選ばれた1又は2以上の置換基を含有していてもよい、請求項5に記載の化合物。
  8. 次式で示される請求項7に記載の化合物。
    Figure 0005321061
    式中、環A及びBは独立して、アリール環、ヘテロアリール環及び複素環から選ばれ;
    −X−Y−は、−CONR−、−NHCO−、又は−NHCONR−であり;そしてRb1、Rb2及びRb3は、ハロゲン、−CN、−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJ、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'、及び−NRSONR'R”よりなる群から選ばれ、ここで、V、V'及びV”は独立して−O−、−S−、−NR−、又は共有結合であり;Mは置換又は非置換のメチレン基であり;kは0〜4の整数であり;nは0、1又は2であり;mは0〜5の整数であり;そしてRは水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール又はヘテロアリール基である。
  9. Figure 0005321061
    が下記構造式で示されるいずれかを表す、請求項8に記載の化合物。
    Figure 0005321061
  10. 下記構造式のいずれかで示される、請求項8に記載の化合物。
    Figure 0005321061
  11. が−CONR又は−NHCONRであり、ここでNRは、下記の式IVに示されるようにN含有複素環又はヘテロアリール環系Cである、請求項5に記載の化合物。
    Figure 0005321061
    式中、環Cは、ハロゲン、−CN、−R、−OR、−SR、−S(O)R、−SONRR'、−NRR'、−(CO)VR、−O(CO)VR、−NR(CO)VR、−S(CO)VR、又は−VJ、−V−C(=NR)NR'R”、−COCOR、−COMCOR、−V−P(=O)(V'R)(V”R')、−NO、−NRSOR'、及び−NRSONR'R”よりなる群から選ばれた1又は2以上の任意置換基、Rc1、Rc2及びRc3を有していてもよく、ここで、V、V'及びV”は独立して−O−、−S−、−NR−、又は共有結合であり;Mは置換又は非置換のメチレン基であり;kは0〜4の整数であり;nは0、1又は2であり;mは0〜5の整数であり;Rは水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール又はヘテロアリール基であり;Wは−CO−又は−NHCO−である。
  12. 下記構造式のいずれかを有する、請求項11に記載の化合物。
    Figure 0005321061
  13. がHである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  14. が−Rである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  15. が−ORである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  16. が−NRR'である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  17. が環式と非環式とを含む脂肪族基又はヘテロ脂肪族基であり、いずれの基も置換又は非置換の基でよい、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  18. が置換又は非置換の3〜7員炭素環の環状脂肪族基である、請求項17に記載の化合物。
  19. が置換又は非置換でよいアリール又はヘテロアリール基である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  20. Qが−C≡C−である、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
  21. Qが−CR=CR'−である、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
  22. 腫瘍増殖及び/又は腫瘍転移を抑制するための請求項1〜21のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  23. 白血病の治療及び予防のための請求項1〜21のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  24. 請求項1〜21のいずれかに記載の化合物により阻害されるキナーゼが媒介する疾患又は望ましくない症状を治療及び予防するための請求項1〜21のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  25. 下記よりなる群から選ばれた化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)エチル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-1-(3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-3-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-9-(2-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-クロロ-6-メチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-クロロ-6-フルオロスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-メチル-6-エチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-(1H-インドール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-4-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)インドリン-2-オン;
    (E)-9-(2-(1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-スチリル-9H-プリン-6-アミン;
    N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-(2-メチルプロプ-1-エニル)-9H-プリン-6-アミン
    9-(シクロヘキシリデンメチル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-シクロプロピルビニル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-モルホリノ-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-2-(4-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタノール;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2,N2-ジメチル-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピロリジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-エチル-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-(2-メトキシエチル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(4-アミノシクロヘキシル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピペラジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-シクロプロピル-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (R,E)-2-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イルアミノ)-3-メチルブタン-1-オール;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(4-(アミノメチル)ピペリジン-1-イル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-メトキシ-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(2-メトキシエトキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(シクロペンチルオキシ)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルチオ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルスルホニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-イソプロピル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-sec-ブチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロヘキシル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロペンチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-イソブチル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-3-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)プロパンニトリル;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(5-クロロチオフェン-2-イル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(チオフェン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(5-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-2-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリミジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(1-メチルピペリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)ニコチンアミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-シアノフェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-イソプロピルフェニル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-メチルピリジン-2-イル)ベンズアミド。
  26. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    N-(4-メチル-3-(2-(6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)エチル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド。
  27. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-1-(3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-3-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;及び
    (E)-9-(2-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン。
  28. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-クロロ-6-メチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-クロロ-6-フルオロスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-メチル-6-エチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン。
  29. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2-メチル-6-アミノスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2-(1H-インドール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-4-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)インドリン-2-オン;
    (E)-9-(2-(1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン。
  30. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9-(2-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ビニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-スチリル-9H-プリン-6-アミン;
    N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9-(2-メチルプロプ-1-エニル)-9H-プリン-6-アミン
    9-(シクロヘキシリデンメチル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン。
  31. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2-シクロプロピルビニル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-2-イソプロピル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-モルホリノ-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-2-(4-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタノール;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2,N2-ジメチル-9H-プリン-2,6-ジアミン。
  32. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピロリジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-エチル-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-N2-(2-メトキシエチル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-(4-アミノシクロヘキシル)-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン。
  33. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピペラジン-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N2-シクロプロピル-N6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-2,6-ジアミン;
    (R,E)-2-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イルアミノ)-3-メチルブタン-1-オール;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(4-(アミノメチル)ピペリジン-1-イル)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン。
  34. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-メトキシ-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-N-(4-(ジプロピルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(2-メトキシエトキシ)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン。
  35. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(シクロペンチルオキシ)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(1-メチルピペリジン-4-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシ)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルチオ)-9H-プリン-6-アミン。
  36. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(メチルスルホニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-イソプロピル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-sec-ブチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロヘキシル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-シクロペンチル-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン。
  37. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-イソブチル-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-3-(9-(2,6-ジメチルスチリル)-6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-2-イル)プロパンニトリル;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-2-(5-クロロチオフェン-2-イル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-9H-プリン-6-アミン;及び
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(チオフェン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン。
  38. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(5-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-9-(2,6-ジメチルスチリル)-N-(4-(ジメチルホスホリル)フェニル)-2-(4-メチルピリジン-2-イル)-9H-プリン-6-アミン;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド。
  39. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリジン-2-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド。
  40. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(ピリミジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-N-(4-メチル-3-(2-(6-(1-メチルピペリジン-4-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルピラゾール-5-イル)ベンズアミド。
  41. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-tert-ブチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;及び
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)ニコチンアミド。
  42. 下記よりなる群から選ばれた請求項25記載の化合物又はその薬剤に許容される塩:
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-(ジメチルホスホリル)フェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
    (E)-N-(3-(2-(6-(4-シアノフェニルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(3-イソプロピルフェニル)ベンズアミド;及び
    (E)-3-(2-(6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)ビニル)-4-メチル-N-(4-メチルピリジン-2-イル)ベンズアミド。
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