JP5320986B2 - 光透過調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧を印加することにより光透過率が変化する光透過調整装置に関する。
例えば特許文献1に示す光透過調整装置は、主として、対向する一対の透明電極板と、透明電極板間に充填された透光性の溶媒と、溶媒中に含まれる電界配列粒子とから構成される。
光透過調整装置において、一対の透明電極板間に電圧を印加しない状態では、電界配列粒子が、透明電極板間に不規則(均一)に分散しているため、透明電極板間は不透明である(透明電極板間の光透過率が小さい)。
また、光透過調整装置において、一対の透明電極板間に電圧を印加すると、誘電分極した複数の電界配列粒子が、不規則(均一)に分散した状態から、電界方向に略直線上に配列し、粒子の鎖状体を形成する(この現象を、以下、電界配列効果と記す)。また、各鎖状体は互いに間隔をおいて形成される。すなわち、透明電極板間において、電界方向に電界配列粒子が存在しない隙間(透光性の溶媒のみが存在する領域)が多数形成される。その結果、電界方向においては、透明電極板間が透明になる(透明電極板間の光透過率が大きくなる)。
上記の原理を基づき、従来の光透過調整装置においては、透明電極板間の光透過率が小さい状態と、大きい状態との2つの状態を繰り返し再現することができる。
このような従来の光透過調整装置においては、消費電力の点で問題があった。そこで、特許文献2に示す光透過調整装置が本出願人により開発されている。この光透過調整装置によれば、低消費電力で電界配列粒子を電界配列することが可能になる。
しかしながら、先に提案した光透過調整装置では、電界配列粒子を分散させる分散溶媒として、トルエンまたはベンゼンを主として用いており、耐久性の点で課題があることが判明した。
特開平9−230803号公報 特開2008−107740号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、透明および非透明のコントラストに優れ、しかも低消費電力で、且つ耐久性に優れた光透過調整装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る光透過調整装置は、
少なくとも一方が透明な対向する一対の電極板を有し、
前記一対の電極板の間に、複数の電界配列粒子が分散された分散液が配置され、
前記分散液が、
20°Cにおける蒸気圧が0.2〜1.0kPaの範囲内にある芳香族化合物と、
ナフタレン系化合物と、を有する。
本発明に係る光透過調整装置では、前記分散液が、20°Cにおける蒸気圧が0.2〜1.0kPaの範囲内にある芳香族化合物と、ナフタレン系化合物と、を有し、それらの相乗効果により、長時間経過後でも、透明・非透明のコントラストが低下せず、耐久性が向上する。しかも消費電力を低減することができる。
好ましくは、香族化合物が、キシレン、1−3−5トリメチルベンゼン、スチレンのいずれか一つ以上を含む。好ましくは、前記キシレンが、20°Cにおける蒸気圧が0.7〜1.0kPaの範囲内にあるキシレンである。このようなキシレンとしては、特に限定されず、蒸気圧が0.7kPaのo-キシレン(1−2ジメチルベンゼン)、蒸気圧が0.8kPaのm-キシレン(1−3ジメチルベンゼン)、蒸気圧が0.9kPaのp-キシレン(1−4ジメチルベンゼン)などが例示される。一般的なキシレンは、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンの混合体である。なお、1−3−5トリメチルベンゼンの20°Cにおける蒸気圧は約0.25kPaであり、スチレンの20°Cにおける蒸気圧は約0.6kPaである。
好ましくは、前記ナフタレン系化合物が、ジイソプロピルナフタレンである。ジイソプロピルナフタレンの20°Cにおける蒸気圧は約6.52×10−2Paである。
好ましくは、前記分散液が界面活性剤をさらに有する。好ましくは、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤である。界面活性剤を含ませることで、電界配列粒子の分散性が向上し、透明・非透明のコントラストが向上すると共に、繰り返し性も向上する。
好ましくは、前記分散液が、
前記ナフタレン化合物を60〜72重量%と、
前記芳香族化合物を16〜40重量%と、
前記電界配列粒子を0.2〜10重量%と、
界面活性剤を0.05〜4.5重量%とを含む。
これらの組成範囲とすることで、長時間経過後でも、透明・非透明のコントラストが低下せず、耐久性が向上し、しかも消費電力を低減することができる光透過調整装置を得ることができる。
好ましくは、前記分散液は、溶解しているアクリル樹脂を含む。分散液にアクリル樹脂を溶解させることによって、アクリル樹脂を溶解させない場合に比べて、電界配列粒子が電界配列する傾向が強まる。その結果、いったん透過応答電圧を透明電極板間に印加した後に、透明電極板間に電圧を印加しなくとも、電界配列効果(電極間の光透過率が大きい状態)を維持できると考えられる。そのため、電界配列効果を維持するために要する消費電力を減少させることができる。
また、分散液にアクリル樹脂を溶解させることによって、電界配列粒子の凝集、沈降を防止することができ、電界配列効果をより確実に維持できる。すなわち、電界配列効果のメモリ機能を、少ない消費電力で実現することができる。
好ましくは、前記一対の電極板の間に電圧を印加した状態において、前記複数の電界配列粒子が、電界方向に沿って配列する。特に好ましくは、前記電界配列粒子が、酸化チタン粒子またはチタン酸バリウム粒子を含む。このような粒子であれば、所定の電界中において、誘電分極し、電界方向に沿って配列することができる。
なお、本発明において、電界配列粒子とは、所定の電界中において、誘電分極し、電界方向に沿って配列する粒子(鎖状体を形成する粒子)を意味する。一方、従来の電気泳動粒子は、電圧印加によって電極板側へ引き寄せられ、互いに凝集する性質を有する。この点において、本願発明に係る電界配列粒子は、従来の電気泳動粒子とは異なる粒子である。
本発明の光透過調整装置は、前記一対の電極板の間に電圧を印加し、かつ、前記電圧を自在に変化させることができる電圧印加手段を有してもよい。電圧印加手段で電極板間に応答電圧を印加することによって、電界配列粒子を、不規則(均一)に分散した状態から電界配列させることができる。
また、電圧印加手段で電極板間に印加する電圧を連続的に変化させることによって、電極板間の光透過率を連続的に変化させることができる。さらには、電極板間に所定の電圧を印加し、電極板間の光透過率を、光透過率の最小値から最大値までの中間にある任意の値に設定した後に、電極板間に電圧を印加しない場合であっても、光透過率を任意の値に維持できる。
本発明の光透過調整装置は、少なくとも前記一対の電極板の間に振動を加えることができる振動手段を有してもよい。電界配列した状態にある電界配列粒子に対して、振動手段で振動を加えることによって、電界配列粒子を、電極板間に不規則(均一)に分散させることができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1Aおよび図1Bは本発明の実施形態に係る光透過調整装置の要部断面図、
図2Aおよび図2Bは電界配列粒子が電界配列している状態を示す概略図、
図3は図1Aおよび図1Bに示す光透過調整装置の要部断面図である。
光透過調整装置の全体構成
まず、本発明の実施形態に係る光透過調整装置の全体構成について説明する。図1Aに示すように、光透過調整装置2は、対向する一対の透明電極板(第1電極板4Aおよび第2電極板4B)を有する。透明電極板である第1電極板4Aは、透明なガラス板12Aと、その表面に形成された透明電極膜14Aとから構成される。同様に、第2電極板4Bは、透明な基板12Bと、透明電極膜14Bとから構成される。
また、光透過調整装置2は、電圧印加手段(図示省略)を有する。透明電極膜14Aおよび14Bは、それぞれ電圧印加手段の正極端子および負極端子(図示省略)のいずれかに電気的に接続されており、透明電極膜14A(第1電極板4A)と透明電極膜14B(第2電極板4B)との間に電圧を可変的に印加することができる。なお、電圧印加手段の電源としては、直流電源および交流電源のいずれを用いてもよい。
基板12Aまたは12Bの内面に、透明電極膜14Aまたは14Bを、直接に蒸着などの方法により形成しても良いが、図3に示すように、透明電極膜14Aまたは14Bが形成された透明な絶縁フィルム32を、透明な接着層30により基板12Aまたは12Bの内面に接着しても良い。
絶縁フィルム32としては、特に限定されないが、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられる。絶縁フィルム32に対して、ITO膜などで構成される透明電極膜14Aまたは14Bが、たとえば蒸着などの方法で性膜される。接着層30としては、特に限定されないが、たとえば両面粘着テープなどが用いられる。
透明な基板14Aまたは14Bとしては、特に限定されないが、ガラス板あるいは合成樹脂板などの比較的に剛性がある透明基板でも良いし、可撓性がある透明基板であっても良い。ガラス板としては、特に限定されないが、たとえばソーダライムガラス板が用いられ、合成樹脂板としては、たとえばアクリル板が用いられる。
基板14Aまたは14Bの厚みは、特に限定されないが、たとえば0.5〜50mmが好ましく、基板の表面の表面粗さは、0.01〜0.10μmが好ましい。また、基板14Aまたは14Bへの貼り合わせ後の透明電極膜14Aまたは14Bの表面の表面粗さは、好ましくは、0.01〜0.20μm、さらに好ましくは0.01〜0.15μmである。表面粗さは、たとえばJIS B0601により定義される。表面粗さが大きすぎると、透明性に悪影響を与えるおそれがある。表面粗さの下限は、たとえばコストなどの観点で決定される。
絶縁フィルム32の厚みは、特に限定されないが、好ましくは50〜500μmであり、接着層30の厚みは、特に限定されないが、好ましくは25〜200μmである。基板12Aまたは12B、接着層30、絶縁フィルム32および透明電極膜14Aまたは14Bの厚みが厚過ぎると、透明性が低下する傾向にあり、薄すぎると、それぞれの機能が低下する傾向にある。
図1Aおよび図1Bに示すように、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間には、スペーサ11が接合される。スペーサ11は、特に限定されないが、好ましくは貫通孔11aが形成されたPETフィルムで構成される。スペーサ11は、たとえば接着剤により、第1電極板4Aおよび第2電極板4Bの内面に接合され、貫通孔11aの内部が密封される。
スペーサ11に用いられる接着剤としては、たとえばシリコン系接着剤が用いられる。第1電極板4Aおよび第2電極板4Bの内面にスペーサ11を接合した後に、その外周を、シールドテープで覆っても良い。その場合には、スペーサ11における貫通孔11aの内部の密封性を向上させることができる。
スペーサ11の厚みT1は、特に限定されないが、好ましくは10〜100μmである。スペーサ11の厚みT1が薄すぎると、透明・非透明のコントラストを出しにくくなる。また、スペーサ11の厚みT1が厚くなるほど、透明時の光透過率が低下する傾向にある。
第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間に接合されたスペーサ11の貫通孔11a内には、電界配列粒子が分散された分散液18が封入される。分散液18は、芳香族化合物と、ナフタレン系化合物とを少なくとも含んでいる。芳香族化合物としては、20°Cにおける蒸気圧が0.2〜1.0kPaの範囲内にあるものが好ましい。
好ましくは、香族化合物が、キシレン、1−3−5トリメチルベンゼン、スチレンのいずれか一つ以上を含む。好ましくは、前記キシレンが、20°Cにおける蒸気圧が0.7〜1.0kPaの範囲内にあるキシレンである。このようなキシレンとしては、特に限定されず、蒸気圧が0.7kPaのo-キシレン(1−2ジメチルベンゼン)、蒸気圧が0.8kPaのm-キシレン(1−3ジメチルベンゼン)、蒸気圧が0.9kPaのp-キシレン(1−4ジメチルベンゼン)などが例示される。一般的なキシレンは、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンの混合体である。なお、1−3−5トリメチルベンゼンの20°Cにおける蒸気圧は約0.25kPaであり、スチレンの20°Cにおける蒸気圧は約0.6kPaである。
好ましくは、前記ナフタレン系化合物が、ジイソプロピルナフタレンである。ジイソプロピルナフタレンの20°Cにおける蒸気圧は約6.52×10−2Paである。ジイソプロピルナフタレンなどのナフタレン系化合物を、キシレンなどの香族化合物と共に、散液18に含ませることで、透明・非透明のコントラストの劣化を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
好ましくは、分散液18が界面活性剤をさらに有する。界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であることが好ましい。アニオン系界面活性剤としては、エーテル系界面活性剤、エーテルリン酸系界面活性剤、あるいはこれらの混合が用いられる。
分散液18は、好ましくは
ナフタレン化合物を60〜72重量%と、
芳香族化合物を16〜40重量%と、
電界配列粒子を0.2〜10重量%と、
界面活性剤を0.05〜4.5重量%と、を含む。
これらの組成範囲とすることで、長時間経過後でも、透明・非透明のコントラストが低下せず、耐久性が向上し、しかも消費電力を低減することができる光透過調整装置2を得ることができる。
電界配列粒子16は、好ましくは酸化チタン粒子またはチタン酸バリウム粒子、特に好ましくは酸化チタン粒子で構成される。電界配列粒子16の粒径は、特に限定されないが、好ましくは1〜100nmであり、電界配列粒子16は球形であることが好ましい。このような電界配列粒子16は、たとえばプラズマ法で形成される。
電界配列効果
以下では、図1Aおよび図1Bを用いて、光透過調整装置における電界配列効果について説明する。
図1Aに示す光透過調整装置2においては、第1電極板4Aおよび第2電極板4Bの間に電圧が印加されてないため、電界配列粒子16が、第1電極板4Aおよび第2電極板4Bの間において均一に分散する。その結果、透明電極板間が不透明な状態にある。
一方、図1Bに示す光透過調整装置2においては、第1電極板4Aおよび第2電極板4Bの間に透過応答電圧を印加しているため、複数の電界配列粒子16が、電界方向Eに沿って、略直線上に配列し、鎖状体20を形成する。すなわち、電界配列粒子16が電界配列する。また、各鎖状体20は互いに間隔をおいて形成される。すなわち、透明電極板間において、電界方向Eに電界配列粒子16が存在しない隙間22が多数形成される。その結果、電界方向Eにおいては、透明電極板間が透明になる。
次に、図2A、図2Bを用いて、電界配列粒子16の電界配列と、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間の印加電圧(透過応答電圧)の関係について説明する。
図2Aでは、図2Bの場合に比べて、印加電圧が低い。すなわち、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における電界Eが小さい。この場合において、電界配列粒子16は電界配列するが、印加電圧が高い場合(図2Bの場合)に比べて、各電界配列粒子16の分極率が小さく、電界配列粒子16の配列が不規則となる。また、電界配列によって形成される鎖状体20aと界面活性剤の中心部24との距離dが、印加電圧が高い場合に比べて小さい。また、余分な電界配列粒子16が、界面活性剤の中心部24と鎖状体20aとの間に存在してしまう。
以上のことから、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における電界Eが小さい場合(図2A)、透明電極板間の光透過率は小さくなる。
一方、図2Bでは、図2Aの場合に比べて、印加電圧が高い。すなわち、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における電界Eが大きい。この場合においても、電界配列粒子16は電界配列するが、印加電圧が低い場合(図2Aの場合)に比べて、電界配列粒子16の分極率が高く、電界配列粒子16の配列が規則的である。すなわち、電界配列粒子16は略直線状に配列した鎖状体20bを形成する。また、電界配列によって形成される鎖状体20bと界面活性剤の中心部24との距離dが、印加電圧が低い場合に比べて大きい。さらに、ほとんどの電界配列粒子16が電界配列するため、界面活性剤中心部24と鎖状体20bとの間に存在する余分な電界配列粒子16の数が少なくなる。
以上のことから、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における電界Eが大きい場合(図2B)、透明電極板間の光透過率は大きくなる。なお、図2Bに示すように、透明電極板間の光透過率が略最大となる場合の印加電圧(透過応答電圧)の高さは、特に限定されないが、好ましくは、25〜250V(電界に換算すると0.25〜2.5kV/mm)程度である。
上述のように、本実施形態においては、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における印加電圧(電界E)を連続的に調整することによって、透明電極板間の光透過率を自在に、かつ連続的に制御することができる。換言すれば、印加電圧(電界E)を調整することによって、図1Aに示す状態(光透過率が小さい状態)、図2Aに示す状態(光透過率が中程度の状態)、および図1Bおよび図2Bに示す状態(光透過率が大きい状態)を連続的に再現することができる。
電界配列効果のメモリ機能
好ましくは、分散液18は、溶解しているアクリル樹脂を含む。電界配列粒子16および分散液18の総重量に対して、アクリル樹脂の重量比率が、好ましくは、0.02〜12.0重量%、より好ましくは0.12〜10.8重量%である。
アクリル樹脂の比率を0.02重量%以上とすることによって、電圧印加を止めても、電界配列効果を維持し続けることができる。すなわち、電界配列硬化のメモリ機能を持たせることが可能になる。また、アクリル樹脂の比率を12.0重量%以下とすることによって、透過応答電圧の印加時に、電界配列粒子を充分に電界配列させることができる。
次に、図1Aおよび図1Bを用いて、光透過調整装置2における電界配列効果のメモリ機能について説明する。
本実施形態に係る光透過調整装置2においては、分散液18にアクリル樹脂を溶解させることによって、分散液18の極性が微妙に変化し、アクリル樹脂を溶解させない場合に比べて、電界配列粒子16が電界配列する傾向が強まる。その結果、一度透過応答電圧を透明電極板間に印加した後に、透明電極板間に電圧を印加しなくとも、図1Bに示すように、電界配列粒子16が電界配列した状態(電界配列効果)を維持できる。そのため、電界配列効果(電極間の光透過率が大きい状態)を維持するために要する消費電力を減少させることができる。
また、分散液18にアクリル樹脂を溶解させることによって、電界配列粒子16の凝集、沈降を防止することができ、電界配列効果(図1B)を、より確実に維持できる。
すなわち、本実施形態に係る光透過調整装置2では、電界配列効果のメモリ機能を、従来より小さい消費電力で実現することができる。
いったん透過応答電圧を透明電極板間に印加した後に、電界配列粒子16の凝集、沈降を防止し、メモリ機能を維持するために要する待機電圧(メモリ機能維持電圧)の高さは、特に限定されないが、好ましくは、0〜30V(電界に換算すると0〜0.3KV/mm)程度である。
なお、本実施形態においては、上述のように、第1電極板4Aと第2電極板4Bとの間における印加電圧(電界E)を連続的に調整することによって、透明電極板間の光透過率を自在に、かつ連続的に制御することができる。また、本実施形態においては、任意の電圧Emを透明電極板間に印加し、光透過率を、最大値と最小値との間である中程度の値(図2Aに対応する光透過率)に設定した後、透明電極板間に電圧を印加しなくとも、光透過率が中程度である状態を維持できる。また、電圧Emを透明電極板間に印加し、光透過率を中程度の値に設定した後、Em以下の低電圧を透明電極板間に印加し続けることによって、電界配列粒子16の凝集、沈降を防止することができ、光透過率が中程度である状態を、より確実に維持できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明の光透過調整装置は、
前記一対の電極板の間に位置し、透光性被膜からなるカプセルと、
前記一対の電極板の間において前記カプセル間の隙間に充填される透光性の電極間樹脂と、を有し、
前記カプセルの内部に、前記電界配列粒子が分散された前記分散液が封入してあっても良い。
電界配列粒子および分散液をカプセルで内包することによって、光透過調整装置を薄型化でき、また、光透過調整装置に可撓性を付与することができる。好ましくは、前記電極間樹脂の比誘電率が、前記分散液の比誘電率より大きい。
電極間樹脂の比誘電率を、カプセル内の分散液の比誘電率より大きくすることによって、カプセル内の電界配列粒子を電界配列させるために必要な印加電圧(透過応答電圧)を低くすることができる。
前記電極板は、可撓性を有するフィルムと、透明電極膜と、を有してもよい。電極板が、可撓性のフィルムを有することによって、電極板および光透過調整装置も可撓性を有する。光透過調整装置が可撓性を有することによって、光透過調整装置を様々な形状に加工しやすくなる。その結果、光透過装置を様々な用途に応用することができる。
また、上述した実施形態において、光透過調整装置2は、少なくとも一対の透明電極板(第1電極板4Aおよび第2電極板4B)の間に振動を加えることができる振動手段(図示省略)を有してもよい。
電界配列した状態にある電界配列粒子16(図1B)に対して、振動手段で振動を加えることによって、電界配列粒子16を、図1Aに示すように電極板間に不規則(均一)に分散させることができる。具体的な振動手段としては、特に限定されないが、例えば、圧電素子等が用いられる。すなわち、本実施形態に係る光透過調整装置2においては、振動手段によって、電界配列効果のメモリ機能を、自在に解除することができる。
振動手段によってメモリ機能を解除する際に、電極板間に常に所定の電圧が印加され続けている場合は、一時的に不規則(均一)に分散した電界配列粒子16(図1A)を、再度電界配列させることができる(図1B)。また、電極板間に電圧が印加されていない場合は、メモリ機能は解除されたままの状態(図1A)である。
さらに、本実施形態に係る光透過調整装置2を用いて、表示装置を形成することもできる。たとえば図1Aおよび図1Bに示す装置2を、単一の表示セルとして、平面方向に複数配置すれば、表示の対象となる文字、画像等を表示することができる表示装置としても用いることができる。
たとえば図1Aおよび図1Bに示す装置2を、単一の表示セルとして、平面方向に複数配置する際には、電極板4Aおよび4Bは、平面方向に連続させ、スペーサ11に、表示セルに対応して複数の貫通孔11aを形成し、各貫通孔に分散液18を封入すればよい。ただし、透明電極14Aまたは14Bは、各表示セル毎に、分離して電圧の印加が可能なパターンに形成することが好ましい。
たとえば表示装置として用いる場合には、必ずしも両方の基板12Aおよび12Bを透明にすることなく、一方のみを透明にしても良い。光を透過させるのではなく、光を反射させて表示を行う反射型表示装置などとして用いることができる。
また、光透過調整装置2の用途としては、特に限定されず、たとえば栽培や培養過程での光量調節装置、建物の窓における光量調整装置、乗り物の光量調節装置などとしても使用することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1Aおよび図1Bに示す光透過調整装置2を作製した。基板12Aおよび12Bとしては、厚さ3mmのA4サイズのソーダライムガラス基板を用いた。また、透明導電膜14Aまたは14B付の絶縁フィルム32としては、厚み0.125mmの片面導電性透明PETフィルムを用いた。さらに、接着層30としては、厚み0.1mmの透明両面テープを用いた。
また、スペーサ11としては、貫通孔11aが形成してある0.027mmのPETフィルムを用いた。貫通孔には、電界配列粒子16が分散された分散液18を注入した。電界配列粒子16としては、プラズマ法により得られる粒径が1〜100nmの球形の酸化チタン粒子を用いた。分散液18としては、キシレン、ジイソプロピルナフタレン、界面活性剤および酸化チタンが、表1〜表4に示す重量比で含まれている試料1〜28を用いた。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤を用いた。試料1〜28が封入してある光透過調整装置2を、それぞれ準備した。なお、試料5と試料10と試料18とは、同じ組成である。
各試料1〜28がそれぞれ封入してある光透過調整装置2を、それぞれ初期段階で、通電前(0V)と、透明電極膜14A,14B間に通電(AC100V)した状態で、透過率を測定した。透過率は、吸光光度計により560nmスペクトルで測定した。その後に、これらの試料1〜28が封入してある光透過調整装置2について、50時間無電界の状態で、放置後に、再度、同様にして、通電前(0V)と、通電(AC100V)した状態で、透過率を測定した。これらの結果を表5に示す。
表5において、×印は、初期段階に、通電前と後で、透過率の変化がなかった(応答無し/通電しても透明にならない)ため、試験を行わなかったことを示す。通電前に透過率が低くて、通電後には透過率が高くなることで、非透明・透明のコントラストが向上し、光透過調整装置としての機能が確保される。50時間無電界放置後でも、その非透明・透明のコントラストが変わらないことで、耐久性が向上していることが確認できる。
表1および表5に示すように、ジイソプロピルナフタレンは、60〜72重量%で分散液18に含ませることで、初期段階および50時間経過後にも、透過率のコントラストが確保され、耐久性に優れていることが確認された。
また、表2および表5に示すように、キシレンは、16〜40重量%で分散液18に含ませることで、初期段階および50時間経過後にも、透過率のコントラストが確保され、耐久性に優れていることが確認された。
さらに、表3および表5に示すように、酸化チタンは、0.2〜10重量%で分散液18に含ませることで、初期段階および50時間経過後にも、透過率のコントラストが確保され、耐久性に優れていることが確認された。
さらにまた、表4および表5に示すように、界面活性剤は、0.05〜4.5重量%で分散液18に含ませることで、初期段階および50時間経過後にも、透過率のコントラストが確保され、耐久性に優れていることが確認された。
実施例2
酸化チタン16を含む分散液18の全体を100重量%とした場合に、アクリル樹脂を表6に示す重量%で含ませた以外は、実施例1の試料19と同様して、試料29〜35を準備し、光透過調整装置2を製造し、実施例1と同様にして、それぞれ初期段階で、通電前(0V)と、通電(AC100V)した状態で、透過率を測定した。さらに、AC100Vの通電を止めた後で、引き続き、AC4Vを24時間継続して印加し、その24時間経過後に、AC4V印加した状態で、透過率を測定した。結果を表7に示す。
24時間経過後でも、100V通電後の高い透過率とほとんど変わらなければ、透明状態を維持したことになり、メモリ機能を有することになる。表7において、×印は、初期段階に、通電前と後で、透過率の変化がなかった(応答無し/通電しても透明にならない)ため、試験を行わなかったことを示す。
表6および表7に示す結果から、メモリ機能を発揮させるためには、アクリル樹脂を分散液18中に、0.02〜12.0重量%で含ませることがよいことが確認できた。
実施例3
実施例1および2において、キシレンの代わりに、1−3−5トリメチルベンゼンまたはスチレンを用いた場合でも、同様な結果が得られることが確認できた。
実施例4
粒径が10〜50nmのチタン酸バリウムを、酸化チタンの代わりに用いた場合でも、同様な結果が得られることが確認できた。
比較例1
実施例1における試料5において、キシレンの代わりに、20°Cにおける蒸気圧が2.9kPaのトルエン、または蒸気圧が10kPaのベンゼンを用いた以外は、実施例1の試料5と同様にして、試料36および37を作成し、初期時および500時間経過後の透過率を求めた結果を表8に示す。表8に示すように、トルエンまたはベンゼンでは、初期段階では透明・非透明のコントラストが取れて応答性に優れるが、500時間経過後では、実施例1の優位性が確認され、耐久性に優れていることが確認された。なお、表8に示すように、ベンゼンでは蒸気圧が高いために、500時間無電界放置後の試験では、室内放置にもかかわらず、電極内の溶媒質の蒸発を防止できないために評価ができなかった(「×」印で示す)。
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図1Aは本発明の実施形態に係る光透過調整装置の要部断面図である。 図1Bは電圧を印加した状態の図1Aに示す光透過調整装置の要部断面図である。 図2Aは電界配列粒子が電界配列している状態を示す概略図である。 図2Bは電界配列粒子がさらに強く電界配列している状態を示す概略図である。 図3は図1Aおよび図1Bに示す光透過調整装置の要部断面図である。
符号の説明
2… 光透過調整装置
4A… 第1電極板(透明電極板)
4B… 第2電極板(透明電極板)
12A,12B… 基板
14A,14B… 透明電極膜
16… 電界配列粒子
18… 分散液

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する一対の電極板を有し、
    前記一対の電極板の間に、複数の電界配列粒子が分散された分散液が配置され、
    前記分散液が、
    20°Cにおける蒸気圧が0.7〜1.0kPaの範囲内にあるキシレンと、
    ジイソプロピルナフタレンと、
    界面活性剤と
    を有し、
    前記ジイソプロピルナフタレンを60〜72重量%と、
    前記キシレンを16〜40重量%と、
    前記電界配列粒子を0.2〜10重量%と、
    前記界面活性剤を0.05〜4.5重量%とを含む光透過調整装置。
  2. 記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤である請求項に記載の光透過調整装置。
  3. 前記電界配列粒子が、酸化チタン粒子またはチタン酸バリウム粒子を含む請求項1または2に記載の光透過調整装置。
  4. 前記一対の電極板の間に電圧を印加した状態において、前記複数の電界配列粒子が、電界方向に沿って配列することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光透過調整装置。
  5. 前記分散液が、溶解しているアクリル樹脂を含む請求項1〜のいずれかに記載の光透過調整装置。
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