JP5319228B2 - 捩り振動低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、捩り振動低減装置に関し、入力部材と出力部材との軸方向間にスペーサ部材を介在させたものである。
自動車には自動変速機を用いるものがあり、該自動変速機にエンジンのトルク変動に起因した捩り振動が伝達されるのを防止するため、捩り振動低減装置が用いられる。
従来の捩り振動低減装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。エンジンのクランクシャフトに入力部材13の内周部がボルトを介して結合され、該入力部材13と該入力部材13に外周部が連結された補助部材49との軸方向間に回転自在に出力部材21が設けられ、該出力部材21の内周部がトランスミッションの入力軸に結合され、入力部材13と出力部材21とが圧縮ばね59により円周方向に連結されている。上記の基本構成に対し、入力部材13と補助部材49との軸方向間に隙間なく出力部材21を保持するためにベアリング19と皿ばね53とを設けて入力部材13に対する出力部材21の軸方向の規制を行っている。
独国特許出願公開第19820503号明細書
ところが、特許文献1に記載の捩り振動低減装置は、皿ばね53の付勢力が軸方向に作用することから、長期の使用によりベアリング19が摩耗して遊びが生じたり、圧縮ばね59を受けるばね受け部が変形して捩り性能が安定しなかったりする。
また、入力部材13と出力部材21との軸心近くに介在するベアリング31を介して、入力部材13と出力部材21とが直接にセンタリングされているので、クランクシャフト1とトランスミッションの入力軸83との間にミスアライメントがあっても、該ミスアライメントをこれらを繋ぐ捩り振動低減装置の部分で吸収できなかつたり、FIG3のように捩り振動低減装置の全ての構成部品が出力側のトランスミッションの入力軸83にセンタリングされてしまっており、ドライブプレート11に取り付けられるリングギヤやエンジン回転をモニタするセンシングプレートなどが、入力側のクランクシャフト1に正確にセンタリングできないという課題がある。
そこで本発明は、上記の課題を解決した捩り振動低減装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、を備え、前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の軸方向間に配置された中央板により構成されている捩り振動低減装置において、前記中央板と前記夫々の側板との軸方向間に円環状のスペーサ部材を介在させ、夫々のスペーサ部材を前記中央板の両側に装着してあり、前記夫々のスペーサ部材には、一方の側面から突出する係合突起と係合孔とが、夫々のスペーサ部材を重ね合わせた状態ではいずれか一方側の係合突起が他方側の係合孔と対向するように円周方向に沿って配置され、前記係合突起が前記中央板に形成された貫通孔に挿通されて前記係合孔に係合されていることを特徴とする。この場合において、請求項23に記載のように、前記夫々のスペーサ部材が共に同一形状の部品として形成されていることが望ましい。
この発明によれば、一対の入力部材と該一対の入力部材の軸方向間に挟まれた出力部材との間に夫々スペーサ部材が介在するので、入力部材と出力部材との接触が防止され、接触による音の発生と摩耗とが抑制される。
また、中央板を挟むようにして一対のスペーサ部材を配置し、一対のスペーサ部材のいずれか一方から突出する係合突起が他方の係合孔と対向するように一対のスペーサ部材を円周方向で相対的に位置決めし、夫々のスペーサ部材の係合突起を中央板に形成された貫通孔に挿通させ、該係合突起を他方の係合孔に嵌め込むことにより、中央板の両側に一対のスペーサ部材が装着される。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、前記側板には前記側板の軸心を中心とする円弧面が形成される一方、前記側板側には円筒部が突出形成され、該円筒部には半径方向へ突出して前記円弧面に当接する当接部が、円周方向へ間欠的に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、入力部材と出力部材との軸心が僅かにズレていた場合、側板の円弧面に当接するスペーサ部材の当接部が変形することにより、入力部材と出力部材との組み付けが可能となり、その後の時間の経過によって当接部の変形した部分が摩耗し、ミスアライメントが吸収される。スペーサ部材は、軸方向については比較的長い時間に亘ってスペーサとしての機能を果たす一方、半径方向については比較的短い時間で所望の摩耗を得ることができるという、相反する機能を単一の部品で果たすことができる。
請求項4に係る発明は、クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、を備え、前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の軸方向間に配置された中央板により構成されている捩り振動低減装置において、前記中央板と前記夫々の側板との軸方向間に、複数の円弧状のスペーサ片を円周方向に沿って隙間を持たせながら所定の間隔で並べて介在させ、前記中央板をはさんでその両側に複数のスペーサ片を円周方向の同じ位置にそれぞれに装着してあり、前記夫々のスペーサ片には、一方の側面から突出する係合突起と係合孔とが、前記中央板をはさんで夫々のスペーサ片を重ね合わせた状態ではいずれか一方側の係合突起が他方側の係合孔と対向するように円周方向に沿って配置され、前記係合突起が前記中央板に形成された貫通孔に挿通されて前記係合孔に係合されていることを特徴とする。この場合において、請求項5に記載のように、前記夫々のスペーサ片が共に同一形状の部品として形成されていることが望ましい。
この発明によれば、円周方向で複数のスペーサ片が中央板の円周方向に沿って所定の間隔で並んでいるので、スペーサ片の材料が節約され、捩り振動低減装置の製造コストが抑制される。また、円環状のスペーサ部材の場合は大きいので加工の精度が悪くなるが、分割して小さなスペーサ片にしたので、加工精度が向上する。
請求項1に係る捩り振動低減装置によれば、スペーサ部材は皿ばねのように軸方向へ押圧力を付与する機能はないので、スペーサ部材が入力部材や出力部材と軸方向で強く擦れて早期に磨耗することはなく、長期間に亘ってスペーサとしての役割を果たすことができる。
また、スペーサ部材は中央板を挟んだ両側に設けられるので、周方向での両者の位置合わせが容易であり組み立て作業が容易となるほか、共に同一のスペーサ部材を用いれば、煩雑さが解消され製造コストが抑制される。更に、中央板を挟んだ状態で一対のスペーサ部材が設けられ一対のスペーサ部材どうしが係合するので、一旦一対のスペーサ部材を中央板に結合すると、これらを一体に扱うことができる。
請求項3に係る捩り振動低減装置によれば、中央板に装着されたスペーサ部材の当接部が、側板の円弧面に当接するので、出力部材に対して入力部材がセンタリングされる。そして、軸心がズレていた場合は当接部が変形して組み込まれ、その後は変形した部分が摩耗し、ミスアライメントが吸収される。
請求項4に係る捩り振動低減装置によれば、中央板の円周方向に沿って複数のスペーサ片を隙間を持たせながら所定の間隔で装着するので、スペーサ片の材料が節約され、捩り振動低減装置の製造コストが抑制される。また、円環状のスペーサ部材の場合は大きいので加工の精度が悪くなるが、小さなスペーサ片にしたので、加工精度が向上する。
以下、本発明による捩り振動低減装置の実施の形態を説明する。
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1について説明する。
(構成)
図1(b)に示すように、エンジンのクランクシャフト1にドライブプレート2が補強板3を介してクランクボルト4により結合されている。該ドライブプレート2は、図示しないピンを介してクランクシャフト1の端面にセンタリングされている。該ドライブプレート2の外周部には、エンジンの始動の際に図示しないセルモータにより回転駆動されるリングギヤ5が溶接固定されている。ドライブプレート2がクランクシャフト1にセンタリングされているので、リングギヤ5は正確に機能を果たすことができる。リングギヤ5に代えて、エンジン回転をセンシングするため円周方向に凹凸を形成したセンシング部材が取り付けられる場合もある。
このドライブプレート2には入力部材を構成する一対の側板としてのリテーナプレート6a,6bが連結されている。即ち、ドライブプレート2の左面にはドライブプレートボルト7を介してリング状の慣性マス8が結合され、該慣性マス8にはその左方に配置されたリテーナプレート6a,6bの外周部が、前記ドライブプレートボルト7よりも内側に配置されたリベット9を介して結合されている。リテーナプレート6a,6bの軸方向間には中央板としての単一の出力プレート10が設けられている。該出力プレート10は図4のように構成されており、該出力プレート10の中央に間欠的にスプライン歯を有するセンター孔10aが形成され、該センター孔10aに出力ハブ11の外周部を圧入することにより、該センター孔10aの外周部を削って塑性変形させた状態で組み付けられている。このため、両者は回転方向に強固に結合されている。出力ハブ11の内周面にはスプライン歯11aが形成され、図示しないトランスミッションの入力軸がスプライン結合される。
一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とを円周方向に連結するため、弾性部材としてのばね12,13が設けられている。ばね12,13はいずれも入れ子ばねによって構成されており、ばね12は同じ長さで外径寸法の異なるばね12a,12bにより構成され、ばね13は長さも外径寸法も異なるばね13a,13bにより構成されている。ばね12,13は円周方向へ交互に配置されており、回転バランスが保持できるようになっている。
ばね12,13をリテーナプレート6a,6bの軸方向間に保持するため、リテーナプレート6a,6bには相互に対向する窓6c,6dが円周方向に沿って複数形成され、窓6cの内周側と外周側とに、ばね12,13を半径方向に規制する規制部6e,6fが形成される一方、窓6dの内周側と外周側とには規制部6g,6hが形成されている。また、ばね12,13を単一の出力プレート10上に保持するため、図4に示すように出力プレート10の前記窓6c,6dと対応する位置に、スリット10bが円周方向に沿って複数形成されている。ばね12,13は出力プレート10のスリット10bの内部に嵌まり込んで、リテーナプレート6a,6bの窓6c,6dと対応する位置に保持されている。図1(a)の右半分は一方のリテーナプレート6aが存在する図であり、図1(a)の左半分は一方のリテーナプレート6aを除去して示す図である。出力プレート10の円周方向におけるスリット10bとスリット10bとの間がばね受け部10eとなり、リテーナプレート6a,6bの円周方向における窓6c,6dと窓6c,6dとの間がいずれもばね受け部6iとなる。
図4に示すように出力プレート10の前記スリット10bの内周側には、長孔状の4つの逃げ孔10cが略等間隔に形成されている。この逃げ孔10cは、この実施の形態1では利用されておらず、後述する実施の形態2において利用されている。
前記のように構成されており、相対的に回転する一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸方向間には、円環状のスペーサ部材15が夫々介在しており、夫々のスペーサ部材15は出力プレート10に装着されている。スペーサ部材15としては、軸方向のスペーサとして長期間機能させるため、軟質材料の樹脂からなり比較的摩耗耐力のある材料としての例えば66ナイロン(登録商標)が使用される。夫々のスペーサ部材15として同一部品が用いられているので、一方のスペーサ部材15について、図3に基づいて説明する。
スペーサ部材15には円周方向に沿って一方の側面から突出する係合突起15fと係合孔15gとが、夫々のスペーサ部材15を重ね合わせた状態ではいずれか一方側の係合突起15fが他方側の係合孔15gと対向するように形成されている。即ち、図3(a)に示す中心線16に対して左右の対称な位置に係合突起15fと係合孔15gとが位置するように、係合突起15fが90度毎に等間隔に形成され、係合孔15gが90度毎に等間隔に形成されている。そして、図3に示すように、隣り合う係合突起15fと係合孔15gとの間隔は、ピッチPに設定されている。このような配置で係合突起15fと係合孔15gとを形成すると、夫々のスペーサ部材15を中心線16が一致するように重ね合わせたときに、一方のスペーサ部材15の係合突起15fと他方の係合孔15gとが対向することになる。
前記係合突起15fには、その軸心を通るスリット15hが形成されている。そして、係合突起15fの先端部には、他方のスペーサ部材15に形成された係合孔15gから係合突起15fが抜けないようにするための抜け止め部15iが形成されている。
図4に示すように出力プレート10には係合突起15fを挿通するための貫通孔10dが形成されている。即ち、出力プレート10の前記逃げ孔10cと前記逃げ孔10cとの間には、隣り合う係合突起15fと係合孔15gとの間隔と同じピッチPの間隔で、2つの貫通孔10dが形成されている。これらの貫通孔10dに係合突起15fが挿通され、出力プレート10の両側にスペーサ部材15が夫々装着されている。
前記一対のリテーナプレート6a,6bには、図1(a)の右上に示すように、リテーナプレート6a,6bの軸心を中心とする円弧面としての内周面6mが形成され、該内周面6mに当接する当接部15bがスペーサ部材15に形成されている。即ち、図3に示すように、スペーサ部材15の前記係合突起15fとは反対側の面であるリテーナプレート6a,6b側の面の内周側には、円弧に沿って軸方向へ突出する円筒部15cが形成され、該円筒部15cから半径方向外周側へ向って突出させて前記内周面6mに当接する当接部15bが円周方向へ間欠的に形成されている。スペーサ部材15には薄肉のフランジ部15dが円周方向に沿って形成されている。該フランジ部15dは、図2に示すように出力プレート10とリテーナプレート6a,6bとの軸方向間に挿入され、両者が直接に擦れるのを防止している。つまり、フランジ部15dは軸方向スペーサとして機能し、円筒部15c,当接部15bは半径方向スペーサとして機能する。
スペーサ部材15は出力プレート10に取り付けられており、スペーサ部材15の当接部15bがリテーナプレート6a,6bの内周面6mに接触して両者間のセンタリングが行われる。スペーサ部材15の摩耗速度を検討するには、当接部15bがリテーナプレート6a,6bの内周面6mと摺動して摩耗する点に着目すればよい。つまり、摩耗速度を早めたければ、当接部15bの摺動面の面積を小さくすればよく、摩耗速度を遅くしたければ、摺動面の面積を大きくすればよい。スペーサ部材15は軸方向の部材間(図3(b)にxで示す)ではフランジ部15dの全面でリテーナプレート6a,6bの装置内側の側面と接触するようになっているので、フランジ部15dのリテーナプレート6a,6bの装置内側の側面と接触する面積を大きくするのは容易であり、そのために摺動面圧は低く、長い時間スペーサとしての機能を果たすことができる。一方、径方向の部材間(図3(a)にyで示す)については、周方向に当接部15bが点在する構成にしたので、比較的短い時間で所望の摩耗を得ることができる。当接部15bの周方向の幅Wは略一定なので、面圧が一定であり摩耗速度も一定となる。当接部15bの周方向の幅を一定にした場合は、所定の摩耗を所望する時間内に確実に実現することができる。
一対の前記スペーサ部材15を介在させて一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とを組み付け、該一対のリテーナプレート6a,6bにリベット9を介して慣性マス8を取り付けることにより捩り振動低減装置を完成させる。次に、出力ハブ11のスプライン歯11aに図示しないトランスミッションの入力軸をスプライン結合する一方、ドライブプレート2をクランクボルト4によりクランクシャフト1に固定する。最後に該ドライブプレート2にドライブプレートボルト7を介して前記慣性マス8を結合する。このとき、慣性マス8とドライブプレート2との間に軸心のズレがあった場合には、前記スペーサ部材15を変形させて一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸心をずらすことにより、慣性マス8とドライブプレート2との組み付けが可能になる。
車両の運転中は、捩り振動低減装置の一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とが相対的に回転する。このため、出力プレート10の両側に結合されたスペーサ部材15の当接部15bにリテーナプレート6a,6bの内周面6mが摺動する。当接部15bの摺動面積が小さいので、比較的短時間のうちにスペーサ部材15の当接部15bが半径方向に摩耗する。一方、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸方向間にはフランジ部15dが存在するが、フランジ部15dと一対のリテーナプレート6a,6bとの摺動面積は大きいのでフランジ部15dの摩耗は殆どない。
この発明によれば、一対のリテーナプレート6a,6bと該一対のリテーナプレート6a,6bの軸方向間に挟まれた出力プレート10との間に夫々スペーサ部材15が介在するので、リテーナプレート6a,6bと出力プレート10との接触が防止され、接触による音の発生と摩耗とが抑制される。そして、スペーサ部材15は皿ばねのように軸方向へ押圧力を付与する機能はないので、スペーサ部材15が一対のリテーナプレート6a,6bや出力プレート10と軸方向で強く擦れて早期に磨耗することはなく、長期間に亘ってスペーサとしての役割を果たすことができる。
この発明によれば、中央板を挟むようにして一対のスペーサ部材15を配置し、一対のスペーサ部材15のいずれか一方から突出する係合突起15fが他方の係合孔15gと対向するように一対のスペーサ部材15を円周方向で相対的に位置決めし、夫々のスペーサ部材15の係合突起15fを中央板に形成された貫通孔10dに挿通させ、該係合突起15fを他方の係合孔15gに嵌め込むことにより、中央板の両側に一対のスペーサ部材15が装着される。そして、スペーサ部材15は中央板を挟んだ両側に同一のものが設けられるので、周方向での両者の位置あわせが容易であり組み立て作業が容易である。また、同一のスペーサ部材15を用いるので、煩雑さが解消され製造コストが抑制される。更に、中央板を挟んだ状態で一対のスペーサ部材15が設けられ一対のスペーサ部材15どうしが係合するので、いったん一対のスペーサ部材15を中央板に結合すると、これらを一体に扱うことができる。
この発明によれば、リテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸心が僅かにズレていた場合、リテーナプレート6a,6bの円弧面6mに当接するスペーサ部材15の当接部15bが変形することにより、リテーナプレート6a,6bと出力プレート10との組み付けが可能となり、その後の時間の経過によって当接部15bの変形した部分が摩耗し、ミスアライメントが吸収される。スペーサ部材15は、軸方向については比較的長い時間に亘ってスペーサとしての機能を果たす一方、半径方向については比較的短い時間で所望の摩耗を得ることができるという、相反する機能を単一の部品で果たすことができる。そして、出力プレート10に装着されたスペーサ部材15の当接部15bが、リテーナプレート6a,6bの円弧面6mに当接するので、出力プレート10に対してリテーナプレート6a,6bがセンタリングされる。そして、軸心がズレていた場合は当接部15bが変形して組み込まれ、その後は変形した部分が摩耗する。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2は実施の形態1の一部を変更したものなので、同一部分の説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
この実施の形態は、図5,6に示すように、先の実施の形態における円環状のスペーサ部材を実質的に円周方向分割して複数のスペーサ片15Pとしたものと理解することができ、これらの複数のスペーサ片15Pを出力プレート10の両側の面に所定の隙間を持たせながら所定の間隔でそれぞれに間欠的に配置し、当該出力プレート10を挟んでその両側のスペーサ片15P同士が円周方向で同じ位置となるように結合したものである。先の実施の形態におけるスペーサ部材を外周側に配置する場合は分割してもスペーサの摺動面積として十分な大きさが取れるので、全周に環状に繋がっている必要性も低くなることから、分割することも可能であり、分割すると材料の節約効果が大きい。
図6に示すように、スペーサ片15Pの円周方向の中央部である中心線16に対してP/2だけ右側へオフセットした位置に係合突起15fが形成され、左側へP/2だけオフセットした位置に係合孔15gが形成されている。そして、図5に示すように、一対のスペーサ片15Pが両側から該出力プレート10を挟むようにして装着されている。そして、出力プレート10の一方側に配置された一方のスペーサ片15Pの係合突起15fが、他方側に配置された他方のスペーサ片15Pの係合孔15gに嵌め込まれている。
この場合、スペーサ片15Pが配置される位置である軸心から一定の距離の円周上にスペーサ片15Pの存在しない部分ができる。このため、この位置に図4の出力プレート10の前記逃げ孔10cを利用して、リテーナプレート6a,6bの半径方向内側が開くのを規制するための結合手段が設けられている。
該結合手段の構成を以下に説明する。リテーナプレート6a,6bにおける前記内周面6mには、90度毎に中心方向へ向う幅狭の突起部6j,6kが形成され、突起部6jは突起部6kに接近させるために軸方向へ屈曲され、突起部6j,6kがリベット14を介して結合されている。これにより、ばね12,13が重かったり、エンジンの最大回転数が高かったり、リテーナプレート6a,6bの強度が不足していたりした場合に、遠心力によってリテーナプレート6a,6bの半径方向内側が開くのが規制される。
この発明によれば、出力プレート10の円周方向に沿って複数のスペーサ片15Pを所定の間隔で間欠的に装着するので、スペーサ片15Pの材料が節約され、捩り振動低減装置の製造コストが抑制される。また、円環状のスペーサ部材15の場合は大きいので加工の精度が悪くなるが、分割して小さなスペーサ片15Pにしたので、加工精度が向上する。
なお、実施の形態1,2では、入力部材が一対の側板を連結して構成され、出力部材が単一の中央板により構成されているが、逆の構成にしても良い。この場合は、スペーサ部材15またはスペーサ片15Pを入力側部材の両側に設けることになる。また、スペーサ部材15またはスペーサ片15Pとして同一のものを用いたが、異なる形状のものを用いても良い。更に、側板に円弧面を形成する一方、側板には円筒部と当接部とを設けたが、これらの要素を採用しない構成であってもよい。また更に、スペーサ部材15またはスペーサ片15Pの材質として66ナイロン(登録商標)を用いたが、スペーサ部材15またはスペーサ片15Pの材質としてはその他の樹脂を用いてもよく、更には金属粉や練り物を型に入れて成形して得られたものを用いてもよい。このほか、スペーサ部材15またはスペーサ片15Pとして金属材料を用いる場合は、図3,図6における当接部15bを変形し易い形状にして用いることもできる。例えば、当接部15bを構成する部品として、薄板を波型に形成したり薄板を円弧状に形成したりして変形しやすい形状にした部品を設け、該部品を当接部15bが形成されていない金属製のスペーサ部材15またはスペーサ片15Pに結合することもできる。
捩り振動低減装置に係り、(a)は一部除去して示す正面図、(b)は(a)のA−O−A矢視図(実施の形態1)。 図1(b)の要部の拡大図(実施の形態1)。 スペーサ部材に係り、(a)は正面図、(b)は(a)のB−O−B矢視図(実施の形態1)。 出力プレートに係り、(a)は正面図、(b)は(a)のC−O−C矢視図(実施の形態1)。 捩り振動低減装置に係り、(a)は一部除去して示す正面図、(b)は(a)のD−O−D矢視図(実施の形態2)。 スペーサに係り、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図(実施の形態2)。
符号の説明
1…クランクシャフト
6a,6b…リテーナプレート(入力部材,側板)
6m…内周面(円弧面)
10…出力プレート(出力部材,中央板)
10e…貫通孔
12,13…ばね(弾性部材)
15…スペーサ部材
15b…当接部
15c…円筒部
15d…フランジ部
15f…係合突起
15g…係合孔
15P…スペーサ片

Claims (5)

  1. クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、を備え、
    前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の軸方向間に配置された中央板により構成されている捩り振動低減装置において、
    前記中央板と前記夫々の側板との軸方向間に円環状のスペーサ部材を介在させ、夫々のスペーサ部材を前記中央板の両側に装着してあり、
    前記夫々のスペーサ部材には、一方の側面から突出する係合突起と係合孔とが、夫々のスペーサ部材を重ね合わせた状態ではいずれか一方側の係合突起が他方側の係合孔と対向するように円周方向に沿って配置され、前記係合突起が前記中央板に形成された貫通孔に挿通されて前記係合孔に係合されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  2. 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
    前記夫々のスペーサ部材が共に同一形状の部品として形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  3. 請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記側板には前記側板の軸心を中心とする円弧面が形成される一方、前記側板側には円筒部が突出形成され、該円筒部には半径方向へ突出して前記円弧面に当接する当接部が、円周方向へ間欠的に形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  4. クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、を備え、
    前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の軸方向間に配置された中央板により構成されている捩り振動低減装置において、
    前記中央板と前記夫々の側板との軸方向間に、複数の円弧状のスペーサ片を円周方向に沿って隙間を持たせながら所定の間隔で並べて介在させ、前記中央板をはさんでその両側に複数のスペーサ片を円周方向の同じ位置にそれぞれに装着してあり、
    前記夫々のスペーサ片には、一方の側面から突出する係合突起と係合孔とが、前記中央板をはさんで夫々のスペーサ片を重ね合わせた状態ではいずれか一方側の係合突起が他方側の係合孔と対向するように円周方向に沿って配置され、前記係合突起が前記中央板に形成された貫通孔に挿通されて前記係合孔に係合されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  5. 請求項4に記載の捩り振動低減装置において、
    前記夫々のスペーサ片が共に同一形状の部品として形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
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