JP5318497B2 - 開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、閉鎖動作する開閉体がその閉鎖方向側の障害物に接触した際に、該開閉体の閉鎖動作を停止するようにした開閉装置に関し、特に防火用、防煙用などの防災シャッターとして好適な開閉装置に関するものである。
本願発明に関連する従来技術として、開閉体の閉鎖動作中を障害物感知により停止する発明には、例えば特許文献1に記載された開閉装置がある。
この開閉装置では、閉鎖動作中の開閉体(シャッターカーテン2)が、その閉鎖方向側の障害物に当接した際に、該開閉体の下端の可動座板(下座板101)を障害物からの押圧力により相対的に上昇させ、その可動座板の上昇を感知部(マイクロスイッチ105)により感知し、この感知信号をコード(11a〜11c)により制御装置(8)へ送信し、該制御装置(8)からの制御信号によって開閉機(7)を制御し、開閉体(シャッターカーテン2)の閉鎖動作を停止するようにしている。
このような構造の開閉装置では、火災等に起因する停電が発生した際にも、前記開閉機(7)を制御できるように、通常はバッテリーを具備するが、常時待機させる通常の使用において性能維持のためには定期的なバッテリー交換が一般的には必要で、メンテナンス不良等に起因して前記バッテリーの電力が十分に得られない場合等には、開閉体(シャッターカーテン2)を降下させることができなかったり、降下中の開閉体を障害物感知により停止するのが遅れたり、障害物除去後に開閉体を再降下できなかったり等するおそれがある。
そこで、障害物の感知を機械的な構造によって伝達し、開閉体の閉鎖動作を停止する発明が望まれる。
しかしながら、機械的な障害物感知構造では、閉鎖指令に応じて開閉体の自動閉鎖を開始する自動閉鎖装置(例えば特許文献2参照)や、該自動閉鎖装置によって操作されるブレーキ機構(例えば特許文献3参照)等と連携するために引張力や摩擦力等の機械的な力を受けるため、耐久性を良好に維持する工夫を要する。
特開2004−308222号公報 特開2003−120155号公報 実開平01−118084号公報
本発明の課題とする処は、電源不良等の影響を受け難い機械的な障害物感知構造を有する上、障害物感知構造の耐久性が良好な開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するための技術的手段は、スライドしながら自重閉鎖可能な開閉体本体と、該開閉体本体の下端部に接続されて該開閉体本体に相対して上方へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動したり該制動状態を解除したりするブレーキ機構と、前記可動座板の上方への移動に連動して前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする座板連動機構とを備えた開閉装置であって、前記座板連動機構は、前記可動座板の前記上方への移動により紐状部材の張力を上昇させる張力上昇機構を備え、前記紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態に操作するように構成され、前記張力上昇機構は、開閉体幅方向へ離間するように前記開閉体本体に支持された二つの滑車部材と、これら二つの滑車部材の下部側に掛けわたされるとともに両端側がそれぞれ上方へ引かれた前記紐状部材と、前記紐状部材における前記二つの滑車部材間の上方側で前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように前記開閉体本体に支持された第一可動部材と、前記紐状部材における前記二つの滑車部材間の下方側で前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように前記開閉体本体に支持されるとともに下方側から前記可動座板によって押動されるように設けられた第二可動部材と、前記第一可動部材を下方へ付勢する第一可動部材用付勢部材とを具備し、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の上方への移動に伴って前記紐状部材を前記両可動部材間に挟んで前記上方へ引っ張った張力上昇状態になり、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の下方への移動に伴って前記両可動部材間を広げて前記紐状部材の張力を緩めた張力緩和状態になるように構成され、前記第一可動部材と前記第二可動部材の内の一方の可動部材には、前記張力上昇状態にある際に他方の可動部材に当接して、前記紐状部材に対する前記両可動部材の押圧力を軽減する規制突部が設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、張力上昇状態にある際には、一方の可動部材側の規制突部が他方の可動部材に当接して、紐状部材に対する両可動部材間の挟持力の上昇が制限される。よって、可動部材の紐状部材への噛み込み過ぎや、紐状部材の磨耗等を防ぐことができる。
更なる技術的手段では、前記第一可動部材と前記第二可動部材は、開閉体幅方向の一端側を支点にして上下に回動することで、前記張力上昇状態と前記張力緩和状態になるように構成されている。
この技術的手段によれば、第一可動部材と第二可動部材を上下に移動させる構造を、作動性の良好な具体的態様とすることができる。
更なる技術的手段では、前記第一可動部材と前記第二可動部材の一方又は双方は、前記張力上昇状態にある際に前記紐状部材に圧接される凹凸面部を有するとともに、該凹凸面部よりも回動端側に前記規制突部を配置していることを特徴とする。
この技術的手段によれば、張力上昇状態にある際に、一方の可動部材側の規制突部を凹凸面部よりも回動端側で他方の可動部材に当接させることで、凹凸面部と紐状部材の間の押圧力を適宜に効果的に制限して、紐状部材の磨耗や損傷等を防ぐことができる。
更なる技術的手段では、前記第一可動部材と前記第二可動部材は、同一の軸支部を支点にして回動することを特徴とする。
この技術的手段によれば、第一可動部材と第二可動部材との間の擦れ量を比較的小さくすることができ、ひいては、紐状部材の磨耗を軽減することができる。
更なる技術的手段では、前記第二可動部材には、その回動端側に錘体が設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、例えば第二可動部材が紐状部材に噛み込んでしまった場合でも、その第二可動部材を錘体の重量によって紐状部材から引き離すことができる。
更なる技術的手段では、前記紐状部材の一端側を上方へ牽引する牽引装置を具備し、前記張力上昇状態にある際の前記紐状部材の他端側により前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態に操作するようにしたことを特徴とする。
この技術的手段によれば、紐状部材は、その一端側が牽引装置により牽引され、他端側によってブレーキ機構を解除状態から制動状態に操作する。よって、張力上昇機構による紐状部材の張力上昇動作および張力緩和動作を良好に行うことができる。
更なる技術的手段では、閉鎖指令に応じて前記ブレーキ機構を制動状態から解除状態にする自動閉鎖装置を備えた開閉装置であって、前記ブレーキ機構は、付勢部材の付勢力に抗して操作体が押動されることにより制動状態から解除状態になるように構成され、前記自動閉鎖装置は、前記操作体を押動した前進位置と元の状態まで後退した復帰位置との間で進退可能なレバー部材と、該レバー部材を前進方向へ付勢する付勢部材と、後退した際の前記レバー部材を前記復帰位置で係止するとともにその係止状態を閉鎖指令に応じて解放する係脱装置とを具備してなり、前記座板連動機構は、前記紐状部材を第一紐状部材とし、該第一紐状部材に引っ張られて一方向へ回転するように設けられた回転体と、前記回転体の外周側に一端側が止着されるとともにその他端側によって前記レバー部材を復帰位置側へ引っ張るように設けられた第二紐状部材とを具備したことを特徴とする。
この技術的手段によれば、座板連動機構を、作動性の良好な具体的態様とすることができる。
なお、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、上記開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、該開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
張力上昇状態にある際には、一方の可動部材側の規制突部が他方の可動部材に当接して、紐状部材に対する両可動部材間の挟持力が軽減される。そのため、障害物感知動作が繰り返されることにより紐状部材が磨耗や損傷等するのを防ぐことができる。
よって、電源不良等の影響を受け難い機械的な障害物感知構造を有する上、障害物感知構造の耐久性を良好にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能であり、特に好ましい態様として、火災等の非常時に自動閉鎖されて火炎や煙の蔓延を防ぐ防火シャッター装置に適用した一例について説明する。
開閉装置1は、閉鎖方向端部をスライドさせて自重閉鎖可能な開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図1の左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取装置30とを備え、閉鎖動作中の開閉体10が障害物Xに接触した場合に、座板連動機構Aの機械的な作動により、ブレーキ機構42を解除状態から制動状態にして、開閉体10の閉鎖動作を停止する。
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット11aを、上下に隣接する該スラット11a,11a間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、該開閉体本体11の閉鎖方向端部(図示例によれば下端部)に対し、可動座板12を接続している。
この開閉体10の他例としては、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等としてもよい。
可動座板12は、開閉体幅方向の略全長にわたる部材であり、開閉体本体11の下端部から下方へ突出している。この可動座板12は、開閉体本体11に相対して開閉体開閉方向(図1の上下方向)へ所定量だけ自在に移動する。
この可動座板12を上下方向へ移動させる構造は、例えば、可動座板12の上端部を、開閉体本体11の下端部に対し、上下方向へ所定量スライドするように係合すればよい。
そして、この可動座板12と一体的に上下動するように、座板連動機構Aを作動させるための当接部12a(図5参照)が設けられる。この当接部12aは、例えば、可動座板12の上端部に固定するようにしてもよいし、可動座板12と一体的に揺動するように開閉体本体11に軸支された揺動部材(図示せず)に固定するようにしてもよい。
この可動座板12の材質は作動性の観点から硬質材料(例えば、金属や、硬質樹脂材等)とするのが好ましいが、当該可動座板12の一部または全体を、弾性を有する材料(例えば、ゴムや、弾性樹脂材等)から構成してもよい。
また、ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される当接対象部位p(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている。
また、巻取装置30は、下部側に開閉体10を出没させるための開口部を形成した収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸32と、該巻取軸32をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機40と、該開閉機40を制動解除操作して開閉体10を自重によって閉鎖動作させる自動閉鎖装置50とを具備している。
開閉機40は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機に、露出した操作体44を設けてなる。図2は、開閉機40の要部および自動閉鎖装置50の内部構造図であり、開閉機40を断面図で示している。
この開閉機40は、より詳細に説明すれば、巻取軸32の動力源となるモータ部41と、該モータ部41の一端側(図示例によれば右端側)でモータ部41による回転を制動するブレーキ機構42とを、ケーシング43内に備えている。
モータ部41は、直流モータまたは交流モータであり、その回転子41aと一体の駆動軸41bの回転力を、動力伝達手段33(図1参照)を介して巻取軸32へ伝達する。
なお、他例として、自重または手動の開閉でしか用いられない場合等には、開閉機40は、モータ部41を省略して、駆動軸41bの回転を制動するブレーキ機構42(および手動駆動機構)を主体とした構成としてもよい。
また、ブレーキ機構42は、内在する付勢部材42c(図示例によればコイルスプリング)の付勢力に抗して操作体44が一方向(図2によれば右方向)へ押動されることにより、駆動軸41bを回転不能に拘束した制動状態から、駆動軸41bを回転自在に解放した解除状態になるように構成されている。なお、図2は、制動状態を示している。
また、自動閉鎖装置50は、開閉機40に固定されたケーシング51内に、操作体44を押動した前進位置(図示例によれば図3(b)に示す位置)と元の初期状態まで後退した復帰位置(図示例によれば図3(a)に示す位置)との間で進退可能なレバー部材52と、該レバー部材52を前進方向へ付勢する付勢部材53と、後退した際の前記レバー部材52を前記復帰位置で係止するとともにその係止状態を閉鎖指令に応じて解放する係脱装置54と、前進した際のレバー部材52を手動で復帰位置まで戻す手動復帰部材55とを具備してなり、レバー部材52の前端側を操作体44の方向へ突出させている。
レバー部材52は、ケーシング51内で前後にスライドするように支持された部材であり、その前端部をケーシング51外へ突出させている。このレバー部材52は、復帰位置にある際(図3(a)参照)に、ブレーキ機構42の操作体44との間に隙間sを有するように配置されている。前記隙間sは、後に詳述するように、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置になるまで後退するのを阻むように作用する。
また、このレバー部材52の後端側には、後述する手動復帰部材55及び第二紐状部材a2が接続されている。
また、前記付勢部材53は、図示例によれば引っ張りバネであるが、レバー部材52を後方側(図2の左方向側)から押圧する圧縮バネに置換してもよい。
係脱装置54は、内在する付勢部材(図示せず)の付勢力によって付勢されたプランジャ54aをレバー部材52に係止させ、電磁ソレノイドの電磁力によって前記プランジャ54aを後退させて、レバー部材52に対する係止を解除する装置である。
手動復帰部材55は、レバー部材52の後端側に接続され、ケーシング51後方へ突出した部材(例えば紐状体や棒状体など)であり、前進位置にあるレバー部材52を手動で復帰位置に戻すために用いられる。
上記構成の自動閉鎖装置50によれば、図3(a)に示す初期位置(復帰位置)において閉鎖指令を受けると、図3(b)に示すように、係脱装置54による係止状態が解除されて、レバー部材52が、付勢部材53の付勢力によって前進して操作部44を押圧操作した前進位置となる。
また、前記前進位置において手動復帰部材55が手動操作で後方(図3によれば左方向)へ引かれた場合には、レバー部材52が、係脱装置54によって係止された復帰位置(図3(a)参照)に戻る。この手動復帰部材55による復帰操作の際には、第二紐状部材a2に弛みa21が形成されることになり(図6参照)、回転体70の規制や回転の遅延等の影響を受けない。
なお、係脱装置54は、電気的な閉鎖指令により電動で解除される構成とすればよいが、他例としては、機械的な力伝達の閉鎖指令により解除される構成としてもよいし、あるいは、これら二つの構成の内の一方が選択的に用いられるようにしたり、これら二つの構成が双方とも用いられるようにしたり等することも可能である。
また、座板連動機構Aは、開閉体10の閉鎖動作中に、可動座板12の上方への移動に機械的に連動して自動閉鎖装置50のレバー部材52を後方へ引っ張り、開閉機40のブレーキ機構42を解除状態から制動状態にする(図6〜8参照)。
詳細に説明すれば、座板連動機構Aは、開閉体幅方向へわたって設けられるとともに両端側が上方へ引かれた第一紐状部材a1と、第一紐状部材a1の一端側を上方へ牽引する牽引装置60と、第一紐状部材a1の他端側に引っ張られて一方向(図示例によれば反時計方向)へ回転するように設けられた回転体70と、回転体70の外周側に一端側が止着されるとともにその他端側によってレバー部材52を復帰位置側(図6の左方向側)へ引っ張るように設けられた第二紐状部材a2と、回転体70に係合して回転体70の逆方向(図示例によれば時計方向)への回転に抵抗を与えるダンパー手段80と、可動座板12の上方への移動により第一紐状部材a1の張力を上昇させる張力上昇機構90とを具備している。
第一紐状部材a1は、本実施の形態の好ましい一例によれば、多数の金属線を寄り合わせることで外周面に凹凸を有するように構成された金属製ワイヤーである。この第一紐状部材a1は、可撓性を有する長尺状の部材であればよく、他例としては、帯状物や、鎖状物、紐等とすることも可能である。この第一紐状部材a1は、容易に伸びたり伸び縮みしたりすることのないように構成することが好ましい。
この第一紐状部材a1は、後述する張力上昇機構90内に挿通されることで、開閉体本体11の下端側に開閉体幅方向へわたって位置する。
第一紐状部材a1の一端側は、牽引装置60によって上方へ牽引されている。また、同第一紐状部材a1の他端側は、弾性部材73を介して回転体70の外周側に接続されている。
牽引装置60は、例えば収納ケース31等開閉体10全開時の張力上昇機構90よりも高い(開放方向側の)不動部位に回動自在に支持された巻取体61と、該巻取体61を巻き取り方向へ付勢するゼンマイバネ(図示せず)とを具備し、前記巻取体61の外周面に第一紐状部材a1の前記一端側を止着している。前記ゼンマイバネの付勢力は、第一紐状部材a1が大幅に弛まないだけの大きさを有しつつ、後述する張力上昇機構90及び回転体70の作動を妨げないように適宜に設定されている。
この牽引装置60には、開閉体10の全開時に少なくとも開閉体10の開閉ストロークの2倍長の第一紐状部材a1が引き出し可能に巻かれている。
また、回転体70は、図示例によれば平歯車状の部材であり、例えば収納ケース31等開閉体10全開時の張力上昇機構90よりも高い(開放方向側の)不動部位に固定された略平板状の支持ブラケット71に軸支されるとともに、回転付勢部材71bによって第一紐状部材a1を引っ張る方向(図示例によれば時計方向)へ付勢されている。
支持ブラケット71には、凸状の係合部71aが固定されている。また、回転体70には、前記係合部71aに対し所定の回動範囲内で係合するように被係合部72が形成されている。
係合部71aは、図示例によれば、硬質材料からなる略円筒状のピンである。また、被係合部72は、回転体70の回転中心を中心とした略円弧状の長孔であり、係合部71aを挿通している。
なお、他例としては被係合部72を、係合部71aに係合可能な凹部とすることも可能である。更に他例としては、係合部71aと被係合部72の凹凸関係を逆にした構成等とすることも可能である。
被係合部72の長さSw(図4参照)は、自動閉鎖装置50におけるレバー部材52の復帰位置から前進位置までのストロークSj(図3(b)参照)分に相当する回転体70の被係合部72の半径位置における動作量として必要な分よりも小さく設定されている。この設定は、自動閉鎖装置50のレバー部材52が前進位置(図3(b)に示す位置)から復帰位置(図3(a)に示す位置)に自動復帰してしまうのを阻むのに好ましい設定である。
また、回転付勢部材71bは、回転体70の軸支部分に設けられて回転体70を逆方向(図示例によれば時計方向)へ付勢している捻りバネである。この回転付勢部材71bの付勢力は、回転体70がダンパー手段80の抵抗力によって前記逆方向へ回動不能となることのないように、ダンパー手段80の抵抗力よりも大きく設定されている。
なお、第一紐状部材a1が後述する張力上昇機構90の解除動作により張力上昇状態から張力緩和状態になる際に、回転体70が前記逆方向へ回転する時間は、回転付勢部材71bの付勢力とダンパー手段80の抵抗力を適宜に調整することにより、2〜8秒の範囲内とするのが好ましく、更に好ましくは3〜4秒の範囲内とされる。
上記構成の係合部71a及び被係合部72は、回転体70の一方向(図示例によれば反時計方向)への回転量を規制することで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置になるまで第二紐状部材a2に引かれて後退するのを阻む自動復帰防止手段として機能する。
また、同係合部71a及び被係合部72は、回転体70の逆方向(図示例によれば時計方向)への回転量を規制することで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置に戻された際に、回転付勢部材71bの付勢力により逆方向へ回転した回転体70を初期位置で停止して、第二紐状部材a2に弛みa21を有する状態に戻す手段としても機能する。
上記構成の回転体70には、その側面における外周側に、弾性部材73を介して第一紐状部材a1の他端側が接続される。弾性部材73は、例えばコイルスプリングであり、当該弾性部材73を介さない場合と比較して、第一紐状部材a1の張力が急激に上昇するのを緩和する。また、同弾性部材73は、回転体70が回動し、被係合部72が係合部71aに係合した際の衝撃を緩和する。
また、回転体70の側面における第一紐状部材a1の止着箇所よりも回転体中心側には、第二紐状部材a2の一端側が止着されている。
この第二紐状部材a2は、第一紐状部材a1と同材質の長尺状部材である。この第二紐状部材a2は、弛みa21を有する状態で、その他端側を、復帰位置のレバー部材52に接続している。
弛みa21は、図示例によれば、その機能を明瞭に表現するために、第二紐状部材a2における自動閉鎖装置50側に部分的に有するとともに、その弛み量を大きめに表現しているが、実際には、第紐状部材aの全長にわたるとともに図示よりも小さな弛みである。なお、他例としては、弛みa21を図示のように第二紐状部材a2の一部分に設けるようにしてもよい。
この弛みa21は、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置から前進位置まで移動した際に略解消されるように適宜に調整されている。
この弛みa21によれば、自動閉鎖装置50のレバー部材52が、復帰位置から前進する際に、第二紐状部材a2が回転体70を回動させず、すなわちダンパー手段80による抵抗を受けないようにすることができる。
また、ダンパー手段80は、所謂ワンウェイタイプのロータリーダンパー装置であり、歯車である制動回転体81を回転体70に噛み合わせて、回転体70の前記逆方向(図示例によれば時計方向)への回転に抵抗を与えるとともに、回転体70が前記一方向(図示例によれば反時計方向)へ回転した際には前記抵抗を解除する。
回転体70に対する第一紐状部材a1と第二紐状部材a2の止着箇所について詳細に説明すれば、図4に示すように、第一紐状部材a1の引張力をF、第二紐状部材a2の引張力をf、第一紐状部材a1の止着箇所の半径をR、第二紐状部材a2の止着箇所の半径をrとした場合に、F=(r/R)×fの数式が成り立つようになっている。そして、第一紐状部材a1の動作量と第二紐状部材a2の動作量との比率は、前記半径rと前記半径Rの比率に等しくなる。
したがって、例えば、第一紐状部材a1の引張力Fを軽減したい場合には、半径R及び/又は半径rを調整すればよいことになる。
また、例えば、第二紐状部材a2の引張力fの方向を変える場合等には、第二紐状部材a2の止着箇所を、半径rの任意の点に置き換えることが可能である。
また、張力上昇機構90は、図5に示すように、開閉体本体11に対し高さ調整可能に支持された例えば金属製、硬質樹脂製などのケース部材91内に、開閉体幅方向へ離間して支持された二つの滑車部材92,93と、これら二つの滑車部材92,93の下部側に掛けわたされるとともに両端側がそれぞれ上方へ引かれた前記第一紐状部材a1と、第一紐状部材a1における二つの滑車部材92,93間の部分の上方側で上下方向へ揺動するように支持された第一可動部材94と、第一紐状部材a1における二つの滑車部材92,93間の部分の下方側で上下方向へ揺動するように支持されるとともに下方側から可動座板12によって押動されるように設けられた第二可動部材95と、第一可動部材94を下方へ付勢する第一可動部材用付勢部材96とを具備している。
そして、この張力上昇機構90は、可動座板12の上方への移動に伴って第一紐状部材a1を両可動部材94,95間に挟んで且つ上方へ引っ張った張力上昇状態(図8に示す状態)になり、可動座板12の下方への移動に伴う両可動部材94,95の逆方向へ移動により第一紐状部材a1の張力を緩めた張力緩和状態(図6及び図7に示す状態)になる。
ケース部材91は、図示例によれば、下方を開放した略直方体箱状の部材であり、その左右両端の各々に鍔部91aを有する。部91aの下側には座金91bが設けられ、これら鍔部91aおよび座金91bにはネジ91cが挿通される。ネジ91cの先端側は開閉体本体11に対し螺合接続されている。
したがって、前記構成によれば、座金91bの枚数を変更することにより、ケース部91の開閉体本体11に対する高さ位置を調整し、更には第一可動部材94と第二可動部材95との初期状態(可動座板12が下がりきった状態)の間隔の挟持力を調整することが可能である。
すなわち、例えば、座金91bの枚数を増加すれば、ケース部材91の位置が高くなるとともに、第二可動部材95が相対的に下方へ移動するため、第一可動部材94と第二可動部材95との間が広がり、ひいては、第一紐状部材a1の磨耗を低減することができる。
逆に、座金91bの枚数を減少すれば、ケース部材91の位置が低くなるとともに、第二可動部材95が相対的に上方へ移動するため、第一可動部材94と第二可動部材95との間が狭まる。よって、これらを調整することにより、初期段階から両可動部材94,95が第一紐状部材a1を挟持してしまうようなことを防いだり、第一紐状部材a1が両可動部材94,95によって十分に挟持されるまでの可動座板12の必要ストロークを良好に設定したり等することができ、ひいては、座板連動機構Aの作動性を良好にすることができる。
すなわち、例えば、ケース部材91の位置を低くすれば、可動座板12の上昇量が比較的小さい場合でも、第一紐状部材a1が両可動部材94,95によって十分に挟持されることになる。
ケース部材91の手前側面部(図示せず)には、両可動部材94,95における第一紐状部材a1を挟む箇所を露出するように窓部91dが設けられている。
この窓部91dは、図示例によれば矩形状の切欠きであり、両可動部材94,95における後述する凹凸面部94a,95aの間を開閉体厚さ方向側から目視できるように配置してある。すなわち、ケース部材91の高さ調整により、凹凸面部94a,95a間が調整される際、窓部91dを介して凹凸面部94a,95a間にスキマゲージが挿入されるようになっている。なお、前記窓部91dの他例としては貫通孔であってもよい。
また、通常使用時には窓部91dをシール貼り付け等によって塞いで、窓部91d内への埃等の異物の侵入を阻むようにしてもよい。
また、滑車部材92,93の各々は、その中心を開閉体厚さ方向へ向けた状態で、ケース部材91内に回動自在に支持されている。
一方の滑車部材93の周囲近傍における第一紐状部材a1の曲がり部分の内側には、第一紐状部材a1に摺接するように複数(図示例によれば二つ)のガイド部材93a.93bが設けられている。
ガイド部材93a,93bの各々は、滑車部材93よりも外径の小さい硬質の略円筒ピン状の部材である。
これら二つのガイド部材93a,93bは、滑車部材93の両側に配置されている。より詳細に説明すれば、一方のガイド部材93aは、滑車部材93の斜め下方側に配置されて、第一紐状部材a1を略水平方向へ案内している。また、他方のガイド部材93bは、ガイド部材93aよりも若干小さい外径に形成されるとともに、滑車部材93の斜め上方側に配置されて、第一紐状部材a1を上方へ案内している。
そして、ガイド部材93a,93bは、滑車部材93周囲における第一紐状部材a1の曲がり部分に摺接し、第一紐状部材a1の張力の上昇が前記曲がり部分の弛みによって阻まれるようなことを防ぐ。
すなわち、仮にガイド部材93a,93bを具備しない構成によれば、前記曲がり部分の弛みによって、張力緩和状態から張力上昇状態になった際の第一紐状部材a1の引張量が少なくなり、座板連動機構Aの作動性を損ねてしまうおそれがある。しかしながら、本実施の形態の好ましい一例では、ガイド部材93a,93bによって前記張力上昇状態になった際の第一紐状部材a1の引張量を比較的大きく確保することができ、ひいては、座板連動機構Aの作動性を良好にすることができる。
なお、前記構造に付加する構成として、第一紐状部材a1が滑車部材92,93から外れるのを防ぐ任意の外れ防止手段を設けるようにしてもよい。
また、第一可動部材94と第二可動部材95の各々は、開閉体幅方向の一端側の同一の軸支部97を支点にして、他端側を上下に回動するように設けれ、図示上下方向に厚さを有するとともに開閉体厚さ方向に幅を有する略棒状の部材である。これら第一可動部材94および第二可動部材95は、開閉体厚さ方向において、第一紐状部材a1と略同じ位置に配置される。
第一可動部材94の回動支点(軸支部97)と第二可動部材95の回動支点(軸支部97)は、第一紐状部材a1における滑車部材92と滑車部材93の間の部分よりも上側に配置されている。
そして、これら第一可動部材94と第二可動部材95は、第一紐状部材a1を挟んで上方へ回動することで、第一紐状部材a1を張力上昇状態(図8に示す状態)にし、また、逆方向へ回動することで第一紐状部材a1を張力緩和状態(図7に示す状態)に戻す。
第一可動部材94および第二可動部材95は、金属や硬質合成樹脂等からなり、撓みがほとんど発生しない強度で製作されることが好ましい。
なお、第一可動部材94と第二可動部材95は、異なる軸支部(図示せず)を支点にして上下に回動する構成とすることも可能であるが、この場合には、これら第一可動部材94と第二可動部材95が共に回動した際に、これら第一可動部材94と第二可動部材95との間の擦れ量が比較的大きくなり、これら第一可動部材94と第二可動部材95間に挟まれる第一紐状部材a1の磨耗も大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態の好ましい一例では、第一可動部材94と第二可動部材95が同一の軸支部97を支点にして回動する構成とすることで、第一可動部材94と第二可動部材95が共に回動した際に、これら第一可動部材94と第二可動部材95との間の擦れ量が比較的小さくなるようにし、これら第一可動部材94と第二可動部材95間に挟まれる第一紐状部材a1の磨耗を軽減している。
第一可動部材94は、前記張力上昇状態にある際に第一紐状部材a1に圧接される凹凸面部94aを有するとともに、該凹凸面部94aよりも回動端側に、前記張力上昇状態にある際に第二可動部材95に当接して、第一紐状部材a1に対する両可動部材94,95の押圧力の上昇を規制する規制突部94bを、第一紐状部材a1に対し開閉体厚さ方向へずらして配設している。
更に、第一可動部材94は、凹凸面部94aよりも回動端側に、前記張力緩和状態にある際に凹凸面部94aよりも第一紐状部材a1側へ突出して第一紐状部材a1に摺接される突部94cを有する。
そして、第一可動部材94は、その回動端側の最先端部が、ケース部材91に固定された規制凸部91eに当接することで、下方への回動量が規制されている。
また、第二可動部材95は、前記張力上昇状態にある際に第一紐状部材a1に圧接される凹凸面部95aを有するとともに、該凹凸面部95aよりも回動支点側に、前記張力緩和状態にある際に凹凸面部95aよりも第一紐状部材a1側へ突出して第一紐状部材a1に摺接される突部95bを有する。
そして、第二可動部材95は、凹凸面部95aよりも回動端側には、下方へ突出することで当接部12aに当接される被当接部95cを有し、更に回動端側には錘体95dを有する。被当接部95cは、図示した好ましい一例によれば、下面側に凸部を有するとともに上面側に凹部を有する形状(より具体的には略V字状)に形成される。
規制凸部91eと、第一可動部材94の先端部と、被当接部95cとの位置関係について詳述すれば、以下のようになっている。
すなわち、第一可動部材94が上方へ動作していない状態(図5に示す状態)では、規制凸部91eと第一可動部材94先端部との位置が対応し(詳細には規制凸部91eと第一可動部材94先端部とが当接した状態になり)、第二可動部材95が上方へ動作した状態(図8に示す状態)では、規制凸部91eと被当接部95cとの位置が対応する(詳細には規制凸部91eと被当接部95cとの間に第一紐状部材a1が挟まれた状態になる)ように、規制凸部91eと第一可動部材94の先端部と被当接部95cは設けられている。
また、規制凸部91eは、第一可動部材94と第二可動部材95とが第一紐状部材a1を挟持し所定量を超えて上方へ動作した場合に、第一紐状部材a1を被当接部95cに沿わせて屈曲させながら案内して(図8参照)、さらに第一紐状部材a1の張力を上昇させるように、且つ、第二可動部材95の上方への動作を規制するストッパとして作用するように、適宜位置に配置される。
また、突部95bは、第一可動部材94と第二可動部材95とが第一紐状部材a1を挟持している状態(図8に示す状態)において、第一紐状部材a1における凹凸面部94aよりも第一可動部材94の回動支点(軸支部97)側の部分に当接して、該部分が凹凸面部94aの凹凸面から下方へ離れるのを防ぐように、その突出量が適宜に設定されている。
同様に、突部94cは、第一可動部材94と第二可動部材95とが第一紐状部材a1を挟持している状態(図8に示す状態)において、第一紐状部材a1における凹凸面部95aよりも回動端側の部分に当接して、該部分が凹凸面部95aの凹凸面から上方へ離れるのを防ぐように、その突出量が適宜に設定されている。
したがって、第一紐状部材a1は、図8において、凹凸面部94aの左側で凹凸面部94aの凹凸面よりも上方に位置し、凹凸面部95aの右側で凹凸面部95aの凹凸面よりも下方に位置するため、凹凸面部94aと凹凸面部95aとによって安定して挟持されることになる。
なお、第一可動部材94と第二可動部材95が第一紐状部材a1を挟持して回動した際の回動量が比較的大きい場合には、前述したように突部95b,94cの作用に頼ることなく、滑車部材92と滑車部材93の間において、第一紐状部材a1の回動支点側(図示の左側)の部分が第一可動部材94側に寄り、且つ同第一紐状部材a1の回動端側(図示の右側)の部分が第二可動部材95側に寄るため、第一紐状部材a1が凹凸面部94aと凹凸面部95aとによって安定して挟持されることになる。
よって、上記構成によれば、第一可動部材94および第二可動部材95の回動量に多少ばらつきがある場合でも、常に、第一紐状部材a1を凹凸面部94aと凹凸面部95aとによって安定的に挟持することができる。
凹凸面部94a,95aの各々は、その表面が断面鋸刃状に形成されており、第一紐状部材a1が回転体70側へ移動する際の摩擦抵抗を大きくするように、上下対称に配設されている(図5参照)。
図9に示すように、凹凸面部94a(95a)表面の凹凸m1の延設方向(図示によれば傾斜する実線の方向)は、第一紐状部材a1外周面の凹凸Mの延設方向と略同角度に傾斜し、且つ凹凸m1と凹凸Mの双方のピッチが略同等になるようにするのが好ましい。この構成によれば、凹凸面部94a(95a)の表面と、第一紐状部材a1の外周面とが嵌り合い易くなるため、これらの間の摩擦抵抗を比較的大きくすることができる。
また、更に好ましい態様としては、図10に示すように、凹凸面部94a(95a)の表面に、第一紐状部材a1外周面の凹凸Mに対し延設方向及びピッチが略一致する凹凸m1と、該凹凸m1に対し延設方向が直交し且つピッチが略一致する凹凸m2とを設けるようにする。この構成によれば、凹凸面部94a(95a)表面の凹凸の方向と、第一紐状部材a1外周の凹凸の方向との位置合わせが容易になり、生産性が良好である。
突部94c,95bの各々は、第一紐状部材a1との摩擦抵抗を極力小さくした状態で第一紐状部材a1に接触するように、その突端側が滑らかな断面略山形状に形成されている。
これら突部94c,95bは、第一紐状部材a1が張力緩和状態(図5〜7に示す状態)にある際に、凹凸面部94a,95aが第一紐状部材a1に摺接して、第一紐状部材a1が磨耗してしまうようなことを防いでいる。
規制突部94bは、前記張力上昇状態(図8に示す状態)において、第二可動部材95の回動端側に当接するとともに、第一紐状部材a1に対し非接触となるように配設され、図示例によれば、第一可動部材94の開閉体厚さ方向の縁から下方へ突出している(図5参照)。
この規制突部94bは、第一紐状部材a1が張力上昇状態にある際に、第二可動部材95に当接することで、第一紐状部材a1を挟む凹凸面部94a,95a間の挟持力が強くなりすぎるのを防ぎ、ひいては、第一紐状部材a1の磨耗の進行や、凹凸面部94a,95の第一紐状部材a1への噛み込み過ぎ等を防ぐ。
錘体95dは、第二可動部材95の回動端側を下方へ付勢する部材であり、凹凸面部95aが第一紐状部材a1に食い込んで第二可動部材95が下方へ回動しなくなるのを防いでいる。この錘体95dは、重量調整可能となるように、例えば、第二可動部材95の長手方向へ移動可能となるように設けてもよい。また、他例としては、この錘体95dに置換して、第二可動部材95を下方へ付勢するバネを設けるようにしてもよい。
また、第一可動部材用付勢部材96は、第一可動部材94の上方側に配設された捻りバネであり、一端側をケース部材91に当接するとともに他端側を第一可動部材94に当接させることで、第一可動部材94の回動端側を下方へ付勢している(図5参照)。
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
先ず、開閉体10が全開状態で静止している際には、図6に示すように、自動閉鎖装置50のレバー部材52が係脱装置54に係止された復帰位置(初期位置)になっている。
この状態では、開閉機40のブレーキ機構42は、内在する付勢部材42cの付勢力によって制動状態に維持される。
また、第一紐状部材a1は、張力上昇機構90によって拘束されていない張力緩和状態にある。
また、回転体70は、回転付勢部材71bの付勢力によって時計方向へ付勢されるとともに被係合部72の一端部を係合部71aに当接させて静止している。
また、第二紐状部材a2は、弛みa21を有する状態に維持されている。
以上の状態から閉鎖指令を受けると、図7に示すように、自動閉鎖装置50が作動して、閉鎖指令に応じて係脱装置54から解放されたレバー部材52が付勢部材53の付勢力により前進し、該レバー部材52よってブレーキ機構42の操作体44が押動される。この際、第二紐状部材a2は、レバー部材52に引っ張られて弛みa21(図6参照)を解消した状態になる。
すなわち、初期位置から前進しようとするレバー部材52が、第二紐状部材a2を介してダンパー手段80の抵抗を受けてしまうようなことを、弛みa21によって防ぐことができる。
そして、図7に示す状態では、操作体44の押動により、ブレーキ機構42が解除状態になるため、開閉体10が自重によって閉鎖動作(下降動作)する。この際の閉鎖速度は、図示しない調速器によって適宜に調整されるようになっている。
この自重閉鎖中、第一紐状部材a1は、牽引装置60から繰り出されるとともに、張力上昇機構90によって拘束されていない張力緩和状態に維持される。
また、回転体70は、回転付勢部材71bの付勢力によって時計方向へ付勢され被係合部72の一端部を係合部71aに当接させた静止状態に維持される。
また、第二紐状部材a2は、弛みa21を解消したままの状態に維持されている。
そして、前記自重閉鎖中、図8に示すように、開閉体10の下端が障害物Xに当接した場合には、開閉体10下端の可動座板12が開閉体本体11に相対する上方へ移動し、この可動座板12の上方への移動に伴って第二可動部材95も上方へ回動する。
そのため、第一紐状部材a1における二つの滑車部材92,93の間の部分が、第一可動部材94と第二可動部材95との間(詳細には両凹凸面部94a,95aの間)に挟まれ、第一紐状部材a1が第一可動部材94,第二可動部材95に対してその線方向にロックされ、また開閉体10の閉鎖力(自重)が第一紐状部材a1に吊支状態で掛かるとともに、第一可動部材94と第二可動部材95により第一紐状部材a1における二つの滑車部材92,93間の部分が上方へ引っ張られ、第一紐状部材a1が張力上昇状態になる。
なお、この張力上昇の際の衝撃は、第一紐状部材a1と回転体70の間に介在する弾性部材73によって緩和される。したがって、前記衝撃によって、例えば回転体70における被係合部72と係合部71aとの係合箇所など(関連箇所を含む)が破損するようなことを防ぐことができる。
前記のようにして第一紐状部材a1が張力上昇状態になると、図8に示すように、第一紐状部材a1によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が反時計方向へ回転する。そして、反時計方向へ回転する回転体70によって第二紐状部材a2が引っ張られ、更に、第二紐状部材a2によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、第一可動部材94と第二可動部材95とが第一紐状部材a1を挟持したのみの当初段階で、第一紐状部材a1の張力が足りない状態では、回転体70の回転が不足して開閉体10の停止にまで至らないが、この状態から開閉体10がさらに若干閉鎖することにより、第一可動部材94および第二可動部材95が、共に上方へ回動して第一紐状部材a1をジグザグ折り曲げ状態で上方に引き上げ、第一紐状部材a1の張力を更に増すことになる。
前記のようにして回転体70が反時計方向へ回転する際、その回転量は、被係合部72と係合部71aとの当接により規制される。すなわち、回転体70は、第一紐状部材a1の張力上昇により、所定の回転量だけ反時計方向へ回転することになる。
したがって、レバー部材52が第二紐状部材a2の引張力により復帰位置(図6に示す初期位置)まで後退してしまい、障害物Xが除去されても再度閉鎖指令がないと開閉体10の閉鎖動作が再開されないようなことを防ぐことができる。
次に、障害物Xが除去された場合には、可動座板12が下方へ下がり、第一可動部材94と第二可動部材95がその間を広げながら下方へ回動する。したがって、第一紐状部材a1が、図7に示す張力緩和状態に戻る。
そして、第一紐状部材a1が張力緩和状態になると、回転体70は、付勢部材53の付勢力による第二紐状部材a2の牽引力、および回転付勢部材71bの付勢力によって、時計方向へ回転する。この際、回転体70の回転は、ダンパー手段80による抵抗を受けて遅延する。したがって、第二紐状部材a2も遅延してスライドし、更に第二紐状部材a2に引っ張られていたレバー部材52も、遅延して前進を開始し、ブレーキ機構42の操作体44を押動する。
よって、障害物Xの除去後、ブレーキ機構42が数秒経過して解除状態になり、開閉体10の閉鎖動作が再開することになる。
また、開閉体10が全閉した場合には、障害物Xの当接の場合(図8参照)と同様に、可動座板12の相対的な上昇に伴って第二可動部材95が上方へ回動して第一紐状部材a1が張力上昇状態となり、回転体70が時計方向へ所定量回転し、第二紐状部材a2に引っ張られてレバー部材52が後退し、ブレーキ機構42が内在する付勢部材42cの付勢力によって制動状態になる。
この制動状態において、例えば、手動復帰部材55が後方へ引かれることで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置(図6に示す位置)に係止され、更に、開閉体10が手動開放操作により全開位置に戻された場合には、可動座板12及び両可動部材94,95が下降して第一紐状部材a1が張力緩和状態になるため、回転体70が回転付勢部材71bの付勢力によって所定量だけ時計方向へ回転し、第二紐状部材a2に弛みa21が形成されて、図6に示す初期状態に戻ることになる。すなわち、レバー部材52が復帰位置で係止されて付勢部材53の付勢力が得られない場合でも、回転付勢部材71bの付勢力によって回転体70を時計方向へ回転させることができる。
なお、レバー部材52が復帰位置まで後退するのを防ぐ手段(自動復帰防止手段)は、本実施の形態の好ましい一例によれば、回転体70の反時計方向への回転量を規制する構成に加えて、制動状態のブレーキ機構42の操作体44と復帰位置のレバー部材52との間に隙間sを設けることによって構成される。
すなわち、仮に前記隙間sを有さない構成によれば、図13(a)〜(c)に示すように、ブレーキ機構42が解除状態(図13(b)参照)から制動状態になる際に、レバー部材52が操作体44によって後方(図示例によれば左方向)へ押圧されて復帰位置(図13(c)の位置)に戻ってしまうおそれがある。
しかしながら、本実施の形態では、図3(a)に示すように、隙間sを設けているため、レバー部材52が操作体44によって後方(図示例によれば左方向)へ押圧されて復帰位置に戻ってしまうようなことを防ぐことができる。
なお、他例としては、回転体70の反時計方向への回転量を規制する構成と、制動状態のブレーキ機構42の操作体44と復帰位置のレバー部材52との間に隙間sを設ける構成との内、何れか一方の構成を省くようにしてもよい。
また、回転体70及びダンパー手段80は、図11に示す回転体70’及び複数(図示例によれば二つ)のダンパー手段80’,80’に置換することが可能である。
回転体70’は、外周の一部の範囲に扇形に突出してダンパー手段80の制動回転体81に係合可能な係合突部71’を有する。前記係合突部71’は、図示例によれば、回転体70’の外周の一部の範囲に形成された歯車の歯である。回転体70’は、係合部71a及び被係合部72によって規制される回動範囲において、前記係合突部71’を二つのダンパー手段80’に噛み合わせるようにしている。
二つのダンパー手段80’,80’の各々は、上述したダンパー手段80と同様のワンウェイタイプのロータリーダンパー装置であり、複数配設されることで、回転体70’へ与える抵抗力を大きく確保している。
また、第二紐状部材a2は、回転体70’の側部において、第一紐状部材a1の止着箇所よりも回転体70’中心側に止着され、略水平方向へ導かれている。
而して、図11に示す構成によれば、回転体70’外周の一部分のみに歯71’を設けるようにしたので、回転体70’の歯71’以外の部分の外径を小さくすることができる。しかも、ダンパー手段80’は、複数用いるようにしているため、その各々は比較的小型のもので済む。ひいては、回転体70’が他の部材に干渉するのを防ぐとともに、回転体70’及びダンパー手段80’の設置スペースを小さくすることができる。
また、上記実施の形態によれば、レバー部材52が復帰位置から前進する際にはダンパー手段80による抵抗を受けないようにする手段として第二紐状部材a2に弛みa21を設けたが、同様の作用を奏する他例としては、図12に示す構成としてもよい。
図12に示す構成では、上述した図11に示す回転体70’と同様に外周形状の異なる回転体70”を用いている。回転体70”は、略扇形に突出してダンパー手段80の制動回転体81に係合可能な係合突部71”を有する。
この係合突部71”は、レバー部材52の復帰位置からの前進に伴って回転体70”が前記逆方向(図12によれば時計方向)へ回転した際にダンパー手段80の制動回転体81から外れ、レバー部材52の前進位置からの後退に伴って回転体70”が前記一方向(図12によれば反時計方向)へ回転した際にダンパー手段80の制動回転体81に係合するように、周方向の範囲が設定されている。
なお、回転付勢部材71bの付勢力は、図12(a)の状態から時計回りに回転体70”が回転したときには作用せず、図12(a)の状態から反時計回りに回転体70”が回転した時にのみ働くようになっている。
而して、図12に示す構成によれば、レバー部材52が係脱装置54に係止された初期位置(復帰位置)から前進する際には、図12(a)(b)に示すように、回転体70”外周の係合突部71”が、ダンパー手段80の制動回転体81に係合しない。そのため、レバー部材52は、ダンパー手段80による抵抗を受けることなくスムーズに前進し操作体44を押動する。よって、ほとんど遅延することなくブレーキ機構42が制動状態から解除状態になり、開閉体10が閉鎖動作を開始する。
すなわち、第二紐状部材a2の弛みa21の撓み量が、仮に自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置から前進位置まで移動する量に対して不足していた場合であっても、その不足を若干量まで許容でき、ひいては、閉鎖指令による開閉体10の閉鎖動作の開始が遅延するのを防ぐことができる。
また、障害物感知によりレバー部材52が前進位置から後退する際には、図12(b)(c)に示すように、回転体70”外周の係合突部71”が、ダンパー手段80の制動回転体81に係合する。この際、ワンウェイダンパー装置であるダンパー手段80が抵抗を発生しない方向へ制動回転体81を回転する。そのため、ブレーキ機構42の作動及び開閉体10の閉鎖動作の停止が遅延するのを防ぐことができる。
そして、障害物が除去された場合には、レバー部材52が図12(c)に示す位置から図12(b)に示す位置まで前進するが、この際には、回転体70”の係合突部71”がダンパー手段80の制動回転体81から抵抗を受けるため、レバー部材52の前進が遅延することになる。よって、障害物除去後、開閉体10の閉鎖動作の再開を遅延させることができる。
また、上記実施の形態において、牽引装置60は、第一紐状部材a1を適宜な付勢力により牽引する機構であればよく、例えば、錘体の重量によって第一紐状部材a1を牽引するようにした機構や、コイルバネの付勢力によって第一紐状部材a1を牽引するようにした機構に置換することが可能である。
また、上記実施の形態において、ケース部材91を高さ調整する手段は、図示例に限定されるものではなく、例えば、ケース部材91と開閉体本体11との内の一方に固定されたボルトをその他方に挿通し、このボルトにダブルナットを螺合させてケース部材91の高さ位置を固定するようにした態様や、ケース部材91を開閉体本体11に対し上下方向へスライド可能に係合するとともに任意の高さ位置で係止可能にした態様等とすることも可能である。
また、上記実施の形態によれば、ダンパー手段80(又は80’)として一般的なロータリーダンパー装置を用いたが、他例としては、ダンパー手段80(又は80’)としてトルクリミッタや電動モータを用いるようにしてもよい。
前記電動モータとしては直流モータを用いるのが好ましく、その端子間に抵抗器を電気的に接続し、出力軸を回転体70(又は70’,70”)に噛み合わせる。この構成によれば、前記電動モータが発電機として作用し、前記出力軸によって回転体70に回転抵抗を与えることができる。更に好ましい態様として、前記抵抗器を可変抵抗とし、その抵抗の調整によって回転抵抗を調整するようにしてもよい。
また、図示例のように、開閉機40にモータ部41を具備した態様においては、回転体70,70’,70”の一方向(図示例によれば反時計方向)への回転を接触スイッチ等の感知手段による感知して、回転体70,70’,70”が逆方向へ回転して元の位置に戻るまでの間、開閉機40への開閉両方の駆動電力、または閉鎖のみの駆動電力を、遮断するようにしてもよい。この際には、同時に制動解除のための電力供給も遮断する。
また、自動閉鎖装置50は、上記実施の形態で示した作動原理を備えていれば、図示例のものに限定されるものでなく、他の態様のものであってもよい。自動閉鎖装置の他例としては、復帰動作を電動で行えるようにした態様や、開閉機40に内蔵された態様等とすることが可能である。
また、上記実施の形態によれば、可動座板12によって障害物Xを接触感知しその感知状態を機械的な機構によって伝達する構成としたが、更に、他の方式の障害物感知手段(例えば、可動座板12の上昇を開閉体10内の感知スイッチにより感知しその感知信号を電気的に伝達するようにした手段、可動座板12の上昇をガイドレール内のテープスイッチにより感知しその感知信号を電気的に伝達するようにした手段、光電センサ等により障害物を非接触感知する手段等)を併用することも可能である。
また、上記実施の形態によれば障害物Xに可動座板12が当接してから開閉体10が停止するまでのタイムラグ間に開閉体10は若干閉鎖し得るが、可動座板12の可動可能ストロークは、前記タイムラグ間の開閉体10の閉鎖距離よりも長くすることが好ましい。この構成によれば、開閉体10が障害物Xの当接した場合に、障害物Xに対し開閉体本体11の重量が加わるのを防ぐことができる。
また、図示例の開閉装置1は開閉体10を上方側の巻取軸32によって巻き取ったり繰り出したりする態様としたが、他例としては、開閉体10を巻き取ることなく上方へ収納したり上方から繰り出したりする態様とすることも可能である。
また、上記実施の形態によれば開閉体10の一例として複数のスラットを連設してなるシャッターカーテンを示したが、この開閉体10の他例としては、複数のパイプを開閉方向へ連設してなる態様や、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等とすることが可能である。
なお、上記実施の形態において、可動座板12、第一可動部材94、第二可動部材95の上方や下方への動作は、開閉体本体11に相対する上方や下方への動作を意味する。
本発明に係わる開閉装置の一例を示す正面図である。 同開閉装置に用いられる開閉機及び自動閉鎖装置の一例を示す構造図である。 ブレーキ機構及び自動閉鎖装置の作動状態を示す模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置の作動によりブレーキ機構が解放操作された状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が制動操作された状態を示す。 回転体及び自動閉鎖装置の拡大正面図である。 張力上昇機構の内部構造図である。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力緩和状態にあり、自動閉鎖装置のレバー部材が復帰位置に維持された状態を示す。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力緩和状態にあり、自動閉鎖装置のレバー部材が前進位置になった状態を示す。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力上昇状態になり、自動閉鎖装置のレバー部材が後方へ戻された状態を示す。 凹凸面部及び紐状部材の一例を示す平面図である。 凹凸面部及び紐状部材の他例を示す平面図である。 回転体及びダンパー手段の他例を示す拡大正面図である。 座板連動機構の他例について作動状態を示す要部模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置の作動によりブレーキ機構が解放操作された状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が制動操作された状態を示す。 レバー部材と操作体との間に隙間を設けないようにした一例につて、作動状態を説明する要部模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置の作動によりブレーキ機構が解放操作された状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が自動復帰した状態を示す。
符号の説明
1:開閉装置、10:開閉体、11:開閉体本体、12:可動座板、40:開閉機、42:ブレーキ機構、42c:付勢部材、44:操作体、50:自動閉鎖装置、52:レバー部材、53:付勢部材、54:係脱装置、60:牽引装置、70:回転体、71a:係合部、72:被係合部、73:弾性部材、80:ダンパー手段、81:制動回転体、90:張力上昇機構、91:ケース部材、92,93:滑車部材、93a,93b:ガイド部材、94:第一可動部材、94a:凹凸面部、94b:規制突部、94c:突部、95:第二可動部材、95a:凹凸面部、95b:突部、95d:錘体、96:第一可動部材用付勢部材、A:座板連動機構、a1:第一紐状部材、a2:第二紐状部材、a21:弛み、X:障害物

Claims (7)

  1. スライドしながら自重閉鎖可能な開閉体本体と、該開閉体本体の下端部に接続されて該開閉体本体に相対して上方へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動したり該制動状態を解除したりするブレーキ機構と、前記可動座板の前記上方への移動に連動して前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする座板連動機構とを備えた開閉装置であって、
    前記座板連動機構は、前記可動座板の前記上方への移動により紐状部材の張力を上昇させる張力上昇機構を備え、前記紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態に操作するように構成され、
    前記張力上昇機構は、開閉体幅方向へ離間するように前記開閉体本体に支持された二つの滑車部材と、これら二つの滑車部材の下部側に掛けわたされるとともに両端側がそれぞれ上方へ引かれた前記紐状部材と、前記紐状部材における前記二つの滑車部材間の上方側で前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように前記開閉体本体に支持された第一可動部材と、前記紐状部材における前記二つの滑車部材間の下方側で前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように前記開閉体本体に支持されるとともに下方側から前記可動座板によって押動されるように設けられた第二可動部材と、前記第一可動部材を下方へ付勢する第一可動部材用付勢部材とを具備し、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の上方への移動に伴って前記紐状部材を前記両可動部材間に挟んで前記上方へ引っ張った張力上昇状態になり、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の下方への移動に伴って前記両可動部材間を広げて前記紐状部材の張力を緩めた張力緩和状態になるように構成され、
    前記第一可動部材と前記第二可動部材の内の一方の可動部材には、前記張力上昇状態にある際に他方の可動部材に当接して、前記紐状部材に対する前記両可動部材の押圧力を軽減する規制突部が設けられていることを特徴とする開閉装置。
  2. 前記第一可動部材と前記第二可動部材は、開閉体幅方向の一端側を支点にして上下に回動することで、前記張力上昇状態と前記張力緩和状態になるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 前記第一可動部材と前記第二可動部材の一方又は双方は、前記張力上昇状態にある際に前記紐状部材に圧接される凹凸面部を有するとともに、該凹凸面部よりも回動端側に前記規制突部を配置していることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
  4. 前記第一可動部材と前記第二可動部材は、同一の軸支部を支点にして回動することを特徴とする請求項2又は3記載の開閉装置。
  5. 前記第二可動部材には、その回動端側に錘体が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の開閉装置。
  6. 前記紐状部材の一端側を上方へ牽引する牽引装置を具備し、前記張力上昇状態にある際の前記紐状部材の他端側により前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態に操作するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置。
  7. 閉鎖指令に応じて前記ブレーキ機構を制動状態から解除状態にする自動閉鎖装置を備えた開閉装置であって、
    前記ブレーキ機構は、付勢部材の付勢力に抗して操作体が押動されることにより制動状態から解除状態になるように構成され、
    前記自動閉鎖装置は、前記操作体を押動した前進位置と元の状態まで後退した復帰位置との間で進退可能なレバー部材と、該レバー部材を前進方向へ付勢する付勢部材と、後退した際の前記レバー部材を前記復帰位置で係止するとともにその係止状態を閉鎖指令に応じて解放する係脱装置とを具備してなり、
    前記座板連動機構は、前記紐状部材を第一紐状部材とし、該第一紐状部材に引っ張られて一方向へ回転するように設けられた回転体と、前記回転体の外周側に一端側が止着されるとともにその他端側によって前記レバー部材を復帰位置側へ引っ張るように設けられた第二紐状部材とを具備したことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の開閉装置。
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