JP5296511B2 - 開閉装置 - Google Patents

開閉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5296511B2
JP5296511B2 JP2008308509A JP2008308509A JP5296511B2 JP 5296511 B2 JP5296511 B2 JP 5296511B2 JP 2008308509 A JP2008308509 A JP 2008308509A JP 2008308509 A JP2008308509 A JP 2008308509A JP 5296511 B2 JP5296511 B2 JP 5296511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
string
opening
movable
tension
closing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008308509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010133116A (ja
Inventor
利幸 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bunka Shutter Co Ltd
Original Assignee
Bunka Shutter Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bunka Shutter Co Ltd filed Critical Bunka Shutter Co Ltd
Priority to JP2008308509A priority Critical patent/JP5296511B2/ja
Publication of JP2010133116A publication Critical patent/JP2010133116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5296511B2 publication Critical patent/JP5296511B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Operating, Guiding And Securing Of Roll- Type Closing Members (AREA)

Description

本発明は、閉鎖動作する開閉体がその閉鎖方向側の障害物に接触した際に、該開閉体の閉鎖動作を停止するようにした開閉装置に関し、特に防火用、防煙用などの防災シャッターとして好適な開閉装置に関するものである。
本願発明に関連する従来技術として、開閉体の閉鎖動作を障害物感知により停止する発明には、例えば特許文献1に記載された開閉装置がある。
この開閉装置では、閉鎖動作中の開閉体(シャッターカーテン2)が、その閉鎖方向側の障害物に当接した際に、該開閉体の下端の可動座板(下座板101)を障害物からの押圧力により相対的に上昇させ、その可動座板の上昇を感知部(マイクロスイッチ105)により感知し、この感知信号をコード(11a〜11c)により制御装置(8)へ送信し、該制御装置(8)からの制御信号によって開閉機(7)を制御し、開閉体(シャッターカーテン2)の閉鎖動作を停止するようにしている。
このような構造の開閉装置では、火災等に起因する停電が発生した際にも、前記開閉機(7)を制御できるように、通常はバッテリーを具備するが、常時待機させる通常の使用において性能維持のためには定期的なバッテリー交換が一般的には必要で、メンテナンス不良等に起因して前記バッテリーの電力が十分に得られない場合等には、開閉体(シャッターカーテン2)を降下させることができなかったり、降下中の開閉体を障害物感知により停止するのが遅れたり、障害物除去後に開閉体を再降下できなかったり等するおそれがある。
そこで、障害物の感知を機械的な構造によって伝達し、開閉体の閉鎖動作を停止する発明が望まれる。
しかしながら、機械的な障害物感知構造では、磨耗や損傷等の機械的劣化に起因して開閉体の閉鎖動作を制動できなくなるのを極力避けるように、工夫を要する。
特開2004−308222号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、電源不良等の影響を受け難い機械的な障害物感知構造を具備する上、その障害物感知構造の機械的劣化等に起因して開閉体の閉鎖動作を制動できなくなるのを極力避けることができる開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するための技術的手段は、スライドしながら自重閉鎖可能な開閉体本体と、該開閉体本体の下端部に接続されて該開閉体本体に相対して上方へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動するブレーキ機構と、前記可動座板の前記上方への移動によって張力を上昇するとともにその張力によって前記ブレーキ機構を制動操作する主紐状部材とを備えた開閉装置において、前記主紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構が制動操作されなかった場合に、前記可動座板の前記上方への移動によって補助紐状部材の張力を上昇するとともに該補助紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構を制動操作するようにしたことを特徴とする。
この技術的手段によれば、開閉体本体が自重閉鎖している際に、可動座板に対し障害物等が当接した場合、開閉体本体に相対する可動座板の上方への移動により、主紐状部材が張力を上昇するとともにその張力によってブレーキ機構が制動操作される。このとき、主紐状部材の張力によってブレーキ機構が制動操作されなかった場合には、可動座板の上方への移動によって補助紐状部材の張力が上昇し、該補助紐状部材の張力によってブレーキ機構が制動操作される。
更なる技術的手段では、前記主紐状部材および前記補助紐状部材の一端側をそれぞれ外周側に止着するとともに、前記主紐状部材および前記補助紐状部材によって引っ張られた際の回転力によって前記ブレーキ機構を制動操作する回転体を備えることを特徴とする。
この技術的手段によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物との当接等により可動座板が開閉体本体に相対する上方へ移動すると、主紐状部材および補助紐状部材の張力が上昇し、その張力によって前記回転体が回転し、その際の回転力によってブレーキ機構が制動操作される。また、主紐状部材が切断や緩み、外れ等に起因して張力上昇しない場合には、回転体が補助紐状部材に引っ張られて回転し、その回転力によりブレーキ機構が制動操作される。
ここで、前記回転体は単数であってもよいし複数であってもよくい。すなわち、この回転体は、例えば、前記主紐状部材と前記補助紐状部材との双方が止着された単数の回転体としてもよいし、前記主紐状部材が止着された一方の回転体と前記補助紐状部材が止着された他方の回転体とからなる二つの回転体としてもよく、特に好ましくは前者の態様とする。
また、より好ましい手段としては、前記回転体に対する前記補助紐状部材の止着箇所を、同回転体に対する前記主紐状部材の止着箇所よりも遠心方向側に配置する。
この構成によれば、前記回転体が回転した際、補助紐状部材の止着箇所が主紐状部材の止着箇所よりも遠心方向側に配置されているため、主紐状部材の引張量の方が補助紐状部材の引張量よりも少なくなる。したがって、通常時は、可動座板の上昇量が比較的少ない状態において、回転体が主紐状部材に引っ張られて回転し、ブレーキ機構を制動操作する。
また、主紐状部材が切断や緩み、外れ等に起因して張力上昇しない場合等の異常時には、回転体が補助紐状部材に引っ張られて回転し、ブレーキ機構を制動操作する。なお、この際、可動座板の上昇量は前記通常時よりも増えることになる。
更なる技術的手段では、前記開閉体本体に相対する上下方向へ所定量移動するように前記開閉体本体に支持された第一可動部材と、該第一可動部材に対してその下方側から接近離間するように前記開閉体本体に支持されるとともに前記可動座板によって上方へ押動されるように設けられた第二可動部材とを備え、前記主紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、主紐状部材が、第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれて張力上昇し、この張力によってブレーキ機構が制動操作される。
より好ましい手段としては、前記補助紐状部材は、前記主紐状部材よりも細く形成されるとともに、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設ける。
この構成によれば、通常時は、補助紐状部材よりも太い主紐状部材が、第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれて張力上昇し、この張力によってブレーキ機構が制動操作される。主紐状部材が切断した際には、補助紐状部材が第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれて張力上昇し、この張力によってブレーキ機構が制動操作される。
更なる技術的手段では、前記可動座板によって下方側から押動されることで上方へ揺動するように前記開閉体本体に支持された揺動部材を備え、上方へ揺動した際の前記揺動部材によって前記補助紐状部材を係止して、前記補助紐状部材の張力を上昇させるようにしたことを特徴とする。
この技術的手段によれば、主紐状部材が切断や緩み、外れ等に起因して張力上昇しない場合には、補助紐状部材が揺動部材に係止されて張力上昇し、その補助紐状部材の張力によりブレーキ機構が制動操作する。
更なる技術的手段では、前記開閉体本体と一体的に設けられた略凹字状のガイド係合部と、該ガイド係合部に沿って移動自在であるとともに回転自在に支持されたピニオン状回転体と、該ピニオン状回転体と噛み合い可能なラック状部材であって前記可動座板と共に上昇するように設けられたラック状部材とを備え、
前記主紐状部材は、前記ピニオン状回転体を下方から受けて前記ラック状部材から引き離すとともに前記ガイド係合部の一端側に寄せるように設けられ、前記補助紐状部材は、前記ピニオン状回転体が前記ガイド係合部の一端側から他端側へ移動した際に、この移動後のピニオン状回転体と前記ラック状部材との間に挟まれるように設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、主紐状部材に切断や緩み、外れ等が生じた際には、ピニオン状回転体が主紐状部材の支えをなくした状態となり移動し、このピニオン状回転体とラック状部材との間に補助紐状部材が挟まれ、該補助紐状部材の張力によってブレーキ機構が制動操作される。
更なる技術的手段では、一端側の掛止片部を上下方向へ回動させながら他端側の挟持片部を逆方向へ回動させるように前記開閉体本体に枢支された掛止部材を備え、前記掛止片部は、上方へ回動した際に前記紐状部材に掛止され、下方へ回動した際には前記可動座板によって受けられるように設けられ、前記挟持片部は、前記掛止片部が前記可動座板に押動されて上方へ回動した際に、下方へ回動して前記開閉体本体との間に前記補助紐状部材を挟むように設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、主紐状部材に切断や緩み、外れ等が生じた際には、掛止片部が下方へ揺動して可動座板によって受けられる。可動座板に障害物等が当接し、相対的に上昇へ移動する可動座板に押圧されて掛止片部が上方へ回動すると、挟持片部が下方へ回動して開閉体本体との間に補助紐状部材を挟み込むため、補助紐状部材の張力が上昇し、その張力によってブレーキ機構が制動操作される。
更なる技術的手段では、前記第一可動部材と前記第二可動部材は、それぞれ開閉体幅方向へわたる長尺状を呈するとともに、その同一他側が前記開閉体本体に対し枢支されることでその他端側を上下方向へ回動させるように設けられ、前記主紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられ、前記補助紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間において、前記主紐状部材が挟まれる箇所よりも回動端側の部分に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、通常時には、主紐状部材が第一可動部材と第二可動部材との間における枢支部側に挟まれて張力を上昇する。なお、この際、補助紐状部材は、第一可動部材と第二可動部材との間において主紐状部材の挟持箇所よりも回動端側に位置するため、第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれないか、あるいは、挟まれたとしても比較的弱い挟持力で挟まれることになる。
また、主紐状部材が切断や緩み、外れ等に起因して第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれなくなった場合には、補助紐状部材が第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇する。したがって、補助紐状部材の張力によってブレーキ機構が制動操作されることになる。
更なる技術的手段では、前記開閉体本体に相対する上下方向へ所定量移動するように前記開閉体本体に支持された第三可動部材と、該第三可動部材に対してその下方側から接近離間するように前記開閉体本体に支持されるとともに前記可動座板によって上方へ押動されるように設けられた第四可動部材とを備え、前記補助紐状部材は、前記第三可動部材と前記第四可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられ、前記第三可動部材と前記第四可動部材の初期間隔は、前記第一可動部材と前記第二可動部材の初期間隔よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、第三可動部材と第四可動部材との初期間隔が第一可動部材と第二可動部材との初期間隔よりも大きいため、通常時には、主紐状部材が第一可動部材と第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇し、その張力によってブレーキ機構が制動操作される。
また、主紐状部材が切断や緩み、外れ等に起因して張力上昇しなくなった場合には、補助紐状部材が第三可動部材と第四可動部材との間に挟まれて張力を上昇し、その張力によってブレーキ機構が制動操作される。
更なる技術的手段では、前記補助紐状部材は、上方へ移動した際の前記可動座板と、前記開閉体本体との間に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする。
より好ましい手段としては、前記主紐状部材と前記補助紐状部材との内の一方又は双方は、所定間隔置きに太くなった部分を有する。
なお、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
主紐状部材の切断や緩み、外れ等によりブレーキ機構が制動操作しなかった場合であっても、補助紐状部材の張力によって同ブレーキ機構を制動操作することができる。
よって、電源不良等の影響を受け難い機械的な障害物感知構造を具備する上、その障害物感知構造の機械的劣化等に起因して、開閉体の閉鎖動作を制動できないようなことを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能であり、特に好ましい態様として、火災等の非常時に自動閉鎖されて火炎や煙の蔓延を防ぐ防火シャッター装置に適用した一例について説明する。
開閉装置1は、閉鎖方向端部をスライドさせて自重閉鎖可能な開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図1の左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取装置30とを備え、閉鎖動作中の開閉体10が障害物Xに接触した場合に、座板連動機構Aの機械的な作動により、ブレーキ機構42を解除状態から制動状態にして、開閉体10の閉鎖動作を停止する。
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット11aを、上下に隣接する該スラット11a,11a間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、該開閉体本体11の閉鎖方向端部(図示例によれば下端部)に、可動座板12を接続している。
この開閉体10の他例としては、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等としてもよい。
開閉体本体11の閉鎖方向端部側には、開閉体幅方向へわたって揺動部材13が内在されている(図4参照)。
揺動部材13は、後述する可動座板12に押圧されて開閉体開放方向へ揺動し、また自重によって開閉体閉鎖方向へ揺動するように、開閉体本体11の内壁に対し支持されている(図5参照)
この揺動部材13は、開閉体幅方向のどの位置であっても可動座板12に対し当接するように、好ましくは開閉体幅方向の略全長にわたって設けられる。
この揺動部材13の揺動端側(換言すれば回動端側)には、後述する第二可動部材96に当接させるための当接部13aが設けられる。
なお、図示例によれば、揺動部材13に固定される当接部13aを第二可動部材96に当接させる構成としたが、他例としては、揺動部材13を省くとともに可動座板12の上端部に当接部13aを固定し、この当接部13aを第二可動部材96に当接させる構成や、可動座板12又は揺動部材13を第二可動部材96に直接当接させる構成等とすることも可能である。
可動座板12は、開閉体幅方向の略全長にわたる部材であり、開閉体本体11の下端部から下方へ突出している。この可動座板12は、開閉体本体11に相対して開閉体開閉方向(図1の上下方向)へ所定量だけ自在に移動する。
この可動座板12を上下方向へ移動させる構造は、例えば、開閉体本体11の下端部を下方開口の略枠状に構成し、該開閉体本体11内に対し、可動座板12の上端部を、上下方向へ所定量スライドするように係合すればよい(図5参照)。
可動座板12の材質は作動性の観点から硬質材料(例えば、金属や、硬質樹脂材等)とするのが好ましいが、当該可動座板12の一部または全体を、弾性を有する材料(例えば、ゴムや、弾性樹脂材等)から構成してもよい。
また、ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される当接対象部位P(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている。
また、巻取装置30は、下部側に開閉体10を出没させるための開口部を形成した収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸32と、該巻取軸32をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機40と、該開閉機40を制動解除操作して開閉体10を自重によって閉鎖動作させる自動閉鎖装置50とを具備している。
開閉機40は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機に、露出した操作体44を設けてなる。図2は、開閉機40の要部断面図および自動閉鎖装置50の内部構造図である。
この開閉機40は、より詳細に説明すれば、巻取軸32の動力源となるモータ部41と、該モータ部41の一端側(図示例によれば右端側)でモータ部41による回転を制動するブレーキ機構42とを、ケーシング43内に備えている。
モータ部41は、直流モータまたは交流モータであり、その回転子41aと一体の駆動軸41bの回転力を、動力伝達手段33(図1参照)を介して巻取軸32へ伝達する。
なお、他例として、自重または手動の開閉でしか用いられない場合等には、開閉機40からモータ部41を省略して、駆動軸41bの回転を制動するブレーキ機構42(および手動駆動機構)を主体とした構成としてもよい。
ブレーキ機構42は、内在する付勢部材42c(図示例によればコイルスプリング)の付勢力に抗して操作体44が一方向(図2によれば右方向)へ押動されることにより、駆動軸41bを回転不能に拘束した制動状態から、駆動軸41bを回転自在に解放した解除状態になるように構成されている。なお、図2は、制動状態を示している。
また、自動閉鎖装置50は、開閉機40に固定されたケーシング51内に、操作体44を押動した前進位置(図示例によれば図3(b)に示す位置)と元の初期状態まで後退した復帰位置(図示例によれば図3(a)に示す位置)との間で進退可能なレバー部材52と、該レバー部材52を前進方向へ付勢する付勢部材53と、後退した際の前記レバー部材52を前記復帰位置で係止するとともにその係止状態を閉鎖指令に応じて解放する係脱装置54と、前進した際のレバー部材52を手動で復帰位置まで戻す手動復帰部材55とを具備している。
レバー部材52は、ケーシング51内で前後にスライドするように支持された部材であり、その前端部をケーシング51外の操作体44の方向へ突出させている。このレバー部材52は、復帰位置にある際(図3(a)参照)に、ブレーキ機構42の操作体44との間に隙間sを有するように配置されている。前記隙間sは、前進したレバー部材52が操作体44に押されて復帰位置に戻ってしまうのを阻む。
また、このレバー部材52の後端側には、後述する手動復帰部材55及び操作用紐状部材a3が接続されている。
また、前記付勢部材53は、図示例によれば引っ張りバネであるが、レバー部材52を後方側(図3によれば左方向側)から押圧する圧縮バネに置換してもよい。
係脱装置54は、内在する付勢部材(図示せず)の付勢力によって付勢されたプランジャ54aをレバー部材52に係止させ、電磁ソレノイドの電磁力によって前記プランジャ54aを後退させて、レバー部材52に対する係止を解除する装置である。
手動復帰部材55は、レバー部材52の後端側に接続され、ケーシング51後方へ突出した部材(例えば紐状体や棒状体など)であり、前進位置にあるレバー部材52を手動で復帰位置に戻すために用いられる。
上記構成の自動閉鎖装置50によれば、図3(a)に示す初期位置(復帰位置)において電気的な閉鎖指令を受けると、係脱装置54の電磁ソレノイドが通電され、図3(b)に示すように、係脱装置54による係止状態が解除されて、レバー部材52が、付勢部材53の付勢力によって前進して操作部44を押圧操作した前進位置となる。
また、前記前進位置において手動復帰部材55が手動操作で後方(図3によれば左方向)へ引かれた場合には、レバー部材52が、係脱装置54によって係止された復帰位置(図3(a)参照)に戻る。この手動復帰部材55による復帰操作の際には、操作用紐状部材a3に弛みa31が形成されることになる。
なお、係脱装置54は、電気的な閉鎖指令により電動で解除される構成とすればよいが、他例としては、機械的な力伝達の閉鎖指令により解除される構成としてもよいし、あるいは、これら二つの構成の内の一方が選択的に用いられるようにしたり、これら二つの構成が双方とも用いられるようにしたり等することも可能である。
また、座板連動機構Aは、開閉体10の閉鎖動作中に、可動座板12の上方への移動に機械的に連動して自動閉鎖装置50のレバー部材52を後方へ引っ張り、開閉機40のブレーキ機構42を解除状態から制動状態にする。
詳細に説明すれば、座板連動機構Aは、図6〜8に示すように、開閉体幅方向へわたって設けられるとともに両端側が上方へ引かれた主紐状部材a1および補助紐状部材a2と、主紐状部材a1の一端側と補助紐状部材a2の一端側とをそれぞれ上方へ牽引する牽引装置61,62と、主紐状部材a1および補助紐状部材a2の他端側に引っ張られて一方向(図示例によれば時計方向)へ回転するように設けられた回転体70と、回転体70の外周側に一端側が止着されるとともにその他端側によってレバー部材52を復帰位置側(図6〜8の左方向側)へ引っ張るように設けられた操作用紐状部材a3と、回転体70に係合して回転体70の逆方向(図示例によれば反時計方向)への回転に抵抗を与える単数もしくは複数のダンパー手段80と、可動座板12の上方への移動により主紐状部材a1および補助紐状部材a2の張力を上昇させる張力上昇機構90とを具備している。
主紐状部材a1は、可動座板12の上方への移動によって張力を上昇するとともにその張力によってブレーキ機構42を制動操作するためのものである。
この主紐状部材a1は、本実施の形態の好ましい一例によれば、多数の金属線を寄り合わせることで外周面に凹凸を有するように構成された金属製ワイヤーである。
この主紐状部材a1は、後述する張力上昇機構90内に挿通されることで、開閉体本体11の下端側に開閉体幅方向へわたって位置する。
主紐状部材a1の一端側は、牽引装置61によって上方へ牽引されている。また、同主紐状部材a1の他端側は、弾性部材73を介して回転体70の外周側に接続されている。
補助紐状部材a2は、主紐状部材a1の張力によってブレーキ機構42が制動操作されなかった場合に、可動座板12の上方への移動によって張力を上昇するとともに該張力によってブレーキ機構42を制動操作するためのものである。
この補助紐状部材a2は、本実施の形態の好ましい一例によれば、所定間隔置きに球状部a21を有するボールチェーンである。球状部a21は、補助紐状部材a2における球状部a21以外の箇所の外径よりも大きく、且つ主紐状部材a1の太さ(外径)よりも小さい外径の球状に形成されている。
補助紐状部材a2は、前記主紐状部材a1と共に後述する張力上昇機構90内に挿通されることで、開閉体本体11の下端側に開閉体幅方向へわたって設けられる。
補助紐状部材a2の一端側は、牽引装置62によって上方へ牽引されている。また、同補助紐状部材a2の他端側は、弾性部材74を介して回転体70に止着されている。この止着箇所は、主紐状部材a1の止着箇所よりも回転体70の遠心方向側に配置される。
また、操作用紐状部材a3は、主紐状部材a1と同材質の長尺部材であり、その一端側を回転体70外周側における主紐状部材a1の止着箇所よりも回転体中心側に止着するとともに、その他端側を、自動閉鎖装置50のレバー部材52に止着している。この操作用紐状部材a3は、レバー部材52が復帰位置(図6参照)にある際に、弛みa31を有するように設けられている。
なお、主紐状部材a1、補助紐状部材a2、操作用紐状部材a3の各々は、可撓性を有する長尺状の部材であればよく、他例としては、帯状物や、鎖状物、紐等とすることも可能である。これら紐状部材a1,a2,a3は、容易に伸びたり伸び縮みしたりすることのないように構成することが好ましい。
牽引装置61,62の各々は、張力上昇機構90よりも高い(開放方向側の)不動部位(例えば収納ケース31等)に回動自在に支持された巻取体61a,62aと、該巻取体61a,62aを巻き取り方向へ付勢するゼンマイバネ(図示せず)とを具備してなる。
そして、牽引装置61は、巻取体61aの外周面に主紐状部材a1の一端側を止着している。同様に、牽引装置62は、巻取体62aの外周面に補助紐状部材a2の一端側を止着している。
前記ゼンマイバネの付勢力は、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が大幅に弛まないだけの大きさを有しつつ、後述する張力上昇機構90及び回転体70の作動を妨げないように適宜に設定されている。
牽引装置61,62の各々には、開閉体10の全開時に少なくとも開閉体10の開閉ストロークの2倍長となる主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が引き出し可能に巻かれている。
また、回転体70は、図示例によればその外周の片半部側に平歯車状の歯部70aを有するとともに、同外周における逆側の片半部側には遠心方向へ突出する凸状止着部70bを有する。
この回転体70は、張力上昇機構90よりも高い(開放方向側の)不動部位(例えば収納ケース31等)に固定された略平板状の支持ブラケット71に軸支されるとともに、回転付勢部材71bによって主紐状部材a1及び補助紐状部材a2を引っ張る方向(図示例によれば反時計方向)へ付勢されている。
支持ブラケット71には、凸状の係合部71aが固定されている。また、回転体70には、前記係合部71aに対し所定の回動範囲内で係合するように被係合部72が形成されている。
係合部71aは、図示例によれば、硬質材料からなる略円筒状のピンであり、被係合部72に挿通されている。また、被係合部72は、回転体70の回転中心を中心とした略円弧状の長孔である。
なお、他例としては被係合部72を、係合部71aに係合可能な凹部とすることも可能である。更に他例としては、係合部71aと被係合部72の凹凸関係を逆にした構成等とすることも可能である。
また、回転付勢部材71bは、回転体70の軸支部分に設けられて回転体70を逆方向(図示例によれば反時計方向)へ付勢している捻りバネである。この回転付勢部材71bの付勢力は、回転体70がダンパー手段80の抵抗力によって前記逆方向へ回動不能となることのないように、ダンパー手段80の抵抗力よりも大きく設定されている。
上記構成の係合部71a及び被係合部72によれば、回転体70の一方向(図示例によれば時計方向)への回転量を規制することで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が操作用紐状部材a3に引かれて復帰位置になるまで後退してしまうのを阻むことができる。
また、同係合部71a及び被係合部72は、回転体70の逆方向(図示例によれば反時計方向)への回転量を規制することで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置に戻された際に、回転付勢部材71bの付勢力により前記逆方向へ回転した回転体70を初期位置で停止して、第二紐状部材a2に弛みa31(図6参照)を有する状態に戻す手段としても機能する。
上記構成の回転体70には、その側面における外周側(換言すれば遠心方向側)に、弾性部材73を介して主紐状部材a1の他端側が止着される。そして、その止着箇所よりも更に遠心方向側には凸状止着部70bが設けられ、この凸状止着部70bには、弾性部材74を介して補助紐状部材a2の他端側が止着される。
弾性部材73,74は、例えばコイルスプリングであり、当該弾性部材73,74を介さない場合と比較して、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2の張力が急激に上昇するのを緩和する。また、同弾性部材73,74は、回転体70が回動して、被係合部72が係合部71aに係合した際の衝撃を緩和する。
また、各ダンパー手段80は、所謂ワンウェイタイプのロータリーダンパー装置であり、歯車である制動回転体81を回転体70に噛み合わせて、回転体70の前記逆方向(図示例によれば反時計方向)への回転に抵抗を与えるとともに、回転体70が前記一方向(図示例によれば時計方向)へ回転した際には前記抵抗を解除する。
また、張力上昇機構90は、図4に示すように、開閉体本体11に対し高さ調整可能に支持されたケース部材90a内に、開閉体幅方向へ離間して支持された二つの滑車部材91,92と、これら二つの滑車部材91,92の下部側に掛けわたされるとともに両端側がそれぞれ上方へ引かれた前記主紐状部材a1と、前記二つの滑車部材91,92の開閉体幅方向の両側に位置する二つの滑車部材93,94と、これら二つの滑車部材93,94の下部側に掛けわたされるとともに両端側がそれぞれ上方へ引かれた前記補助紐状部材a2と、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2における二つの滑車部材91,92間の部分の上方側で上下方向へ揺動するように支持された第一可動部材95と、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2における二つの滑車部材91,92間の部分の下方側で上下方向へ揺動するように支持されるとともに下方側から当接部13aによって押動されるように設けられた第二可動部材96と、第一可動部材95を下方へ付勢する第一可動部材用付勢部材97とを具備している。
補助紐状部材a2は、滑車部材91,92と滑車部材93,94を開閉体厚さ方向へ若干ずらして配置することで、主紐状部材a1の開閉体厚さ方向側に並んで配置されている。
ケース部材90aは、図4に示す一例によれば、例えば金属製、硬質樹脂製などからなり、下方を開放した略直方体箱状の部材であり、その左右両端の各々に鍔部90a1を有する。唾部90a1の下側には座金90a2が設けられ、これら鍔部90a1および座金90a2にはネジ90a3が挿通される。ネジ90a3の先端側は開閉体本体11に対し螺合接続されている。
したがって、前記構成によれば、座金90a2の枚数を変更することにより、ケース部材90aの開閉体本体11に対する高さ位置を調整して、第一可動部材95と第二可動部材96との初期間隔(換言すれば可動座板12及び揺動部材13が下がりきった状態の間隔)を調整し、これら可動部材95,96間の挟持力を調整することが可能である。
滑車部材91,92,93,94の各々は、その中心を開閉体厚さ方向へ向けた状態で、開閉体本体11に対し回動自在に支持されている。
なお、図中符号92a,92bの各々は、滑車部材92周囲における主紐状部材a1の曲がり部分に摺接して、主紐状部材a1の張力の上昇が前記曲がり部分の弛みによって阻まれるようなことを防ぐガイド部材である。
また、図中符号92cは、滑車部材92に掛け回された主紐状部材a1に近接して配設されることで、主紐状部材a1が滑車部材92から脱輪するのを防ぐガイド部材である。
ガイド部材92a,92b,92cは、図示例によれば滑車部材92のみに対して設けたが、必要に応じて、他の滑車部材91や、滑車部材93、滑車部材94に対して設けてもよい。
また、第一可動部材95と第二可動部材96の各々は、開閉体幅方向の一端側の同一の軸支部98を支点にして、他端側を上下に回動するように支持され、図示の上下方向に厚さを有するとともに開閉体厚さ方向に幅を有する長尺状の部材である。
第一可動部材95及び第二可動部材96の回動支点(軸支部98)は、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2における滑車部材92と滑車部材93の間の部分よりも上側に配置されている。
そして、これら第一可動部材95と第二可動部材96は、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2を挟んで上方へ回動することで、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2を張力上昇状態(図8に示す状態)にし、また、逆方向へ回動することで主紐状部材a1又は補助紐状部材a2を張力緩和状態(図7に示す状態)に戻す。
第一可動部材95および第二可動部材96は、金属や硬質合成樹脂等からなり、撓みがほとんど発生しない強度で製作されることが好ましい。
第一可動部材95は、前記張力上昇状態にある際に主紐状部材a1又は補助紐状部材a2に圧接される凹凸面部95aを有するとともに、該凹凸面部95aよりも回動端側に、前記張力上昇状態にある際に第二可動部材96に当接して、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2に対する両可動部材95,96の押圧力の上昇を規制する規制突部95bを有する。この規制突部95bは、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2に対し干渉しないように開閉体厚さ方向へずらして配設している。
更に、第一可動部材95は、凹凸面部95aよりも回動端側に、前記張力緩和状態にある際に凹凸面部95aよりも下方側へ突出して主紐状部材a1又は補助紐状部材a2に摺接される突部95cを有する。
そして、第一可動部材95は、その回動端側の最先端部が、開閉体本体11に固定された規制凸部91eに当接することで、下方への回動量が規制されている。
また、第二可動部材96は、前記張力上昇状態にある際に主紐状部材a1又は補助紐状部材a2に圧接される凹凸面部96aを有するとともに、該凹凸面部96aよりも回動支点側に、前記張力緩和状態にある際に凹凸面部96aよりも主紐状部材a1及び補助紐状部材a2側へ突出して主紐状部材a1及び補助紐状部材a2に摺接される突部96bを有する。
そして、第二可動部材96における凹凸面部96aよりも回動端側には、下方へ突出することで当接部13aに当接される被当接部96cを有し、更に回動端側には錘体96dを有する。被当接部96cは、図示した好ましい一例によれば、下面側に凸部を有するとともに上面側に凹部を有する形状(より具体的には略V字状)に形成される。
突部96bは、第一可動部材95と第二可動部材96とが主紐状部材a1又は補助紐状部材a2を挟持している状態(図8に示す状態)において、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2における凹凸面部96aよりも第一可動部材95の回動支点(軸支部97)側の部分に当接して、該部分が凹凸面部96aから下方へ離れるの防ぐように、その突出量が適宜に設定されている。
同様に、突部95cは、第一可動部材95と第二可動部材96が主紐状部材a1又は補助紐状部材a2を挟持している状態(図8に示す状態)において、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2における凹凸面部95aよりも回動端側の部分に当接して、該部分が凹凸面部95aから上方へ離れるのを防ぐように、その突出量が適宜に設定されている。
なお、図示例によれば単一の回転体70を用いた一例を示したが、他例としては、主紐状部材a1と補助紐状部材a2とにそれぞれ対応する二つの回転体を設けるようにしてもよい。この場合、操作用紐状部材a3を前記回転体毎に別々に設けて、これら二つの操作用紐状部材a3を途中から一本にしてレバー部材52に止着してもよいし、前記二つの操作用紐状部材a3をそれぞれレバー部材52に止着するようにしてもよい。
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
先ず、開閉体10が全開状態で静止している際には、図6に示すように、自動閉鎖装置50のレバー部材52が係脱装置54に係止された復帰位置(初期位置)になっている。
この状態では、開閉機40のブレーキ機構42は、内在する付勢部材42cの付勢力によって制動状態に維持される。
また、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2は、張力上昇機構90によって拘束されていない張力緩和状態にある。
また、回転体70は、回転付勢部材71bの付勢力によって反時計方向へ付勢されるとともに被係合部72の一端部を係合部71aに当接させて静止している。
また、操作用紐状部材a3は、弛みa31を有する状態に維持されている。
以上の状態から閉鎖指令を受けると、図7に示すように、閉鎖指令に応じて係脱装置54からレバー部材52が解放され、該レバー部材52が付勢部材53の付勢力により前進し、該レバー部材52よってブレーキ機構42の操作体44が押動される。この際、操作用紐状部材a3は、レバー部材52に引っ張られて弛みa31(図6参照)を解消する。
すなわち、初期位置から前進しようとするレバー部材52が、操作用紐状部材a3を介してダンパー手段80の抵抗を受けてしまうようなことを、弛みa31によって防ぐことができる。
そして、図7に示す状態では、操作体44の押動により、ブレーキ機構42が解除状態になるため、開閉体10が自重によって閉鎖動作(下降動作)する。この際の閉鎖速度は、図示しない調速器によって適宜に調整されるようになっている。
この自重閉鎖中、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2は、牽引装置61及び牽引装置62から繰り出されるとともに、張力上昇機構90によって拘束されていない張力緩和状態に維持される。
また、回転体70は、回転付勢部材71bの付勢力によって反時計方向へ付勢され被係合部72の一端部を係合部71aに当接させた静止状態に維持される。
また、操作用紐状部材a3は、弛みa31を解消したままの状態に維持される。
そして、前記自重閉鎖中、図8に示すように、開閉体10の下端が障害物Xに当接した場合には、開閉体10下端の可動座板12が開閉体本体11に相対する上方へ移動し、該開閉装置1に押圧されて揺動部材13が上方へ揺動し、この揺動部材13の上方への揺動に伴って第二可動部材96が上方へ回動する。
そのため、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2における二つの滑車部材91,92の間の部分が、第一可動部材95と第二可動部材96との間(詳細には両凹凸面部95a,96aの間)に挟まれる。
この際、第一可動部材95が第二可動部材96よりも太いため、通常状態では、主紐状部材a1のみが両凹凸面部95a,96a間に挟持されることになる。すなわち、主紐状部材a1のみがその線方向にロックされ、補助紐状部材a2は両可動部材95,96との接触箇所において若干抵抗を受けながらも線方向へ移動可能な状態に維持される。
よって、開閉体10の閉鎖力(自重)が主紐状部材a1に加わるとともに、両可動部材95,96により主紐状部材a1における二つの滑車部材91,92間の部分が上方へ引っ張られ、主紐状部材a1が張力上昇状態になる。
また、万が一、主紐状部材a1が切断されていた場合またはロック時に切断された場合には、この切断された主紐状部材a1が牽引装置61に牽引されて挟持箇所から除かれるため、主紐状部材a1の代わりに、補助紐状部材a2が両凹凸面部95a,96a間に挟持されることになる。したがって、補助紐状部材a2のみがその線方向にロックされ、開閉体10の閉鎖力(自重)が補助紐状部材a2に加わるとともに、両可動部材95,96により補助紐状部材a2における二つの滑車部材91,92間の部分が上方へ引っ張られ、補助紐状部材a2が張力上昇状態になる。
なお、前記張力上昇の際の衝撃は、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2と回転体70の間に介在する弾性部材73又は弾性部材74によって緩和される。したがって、前記衝撃によって、例えば回転体70における被係合部72と係合部71aとの係合箇所など(関連箇所を含む)が破損するようなことを防ぐことができる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、図8に示すように、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する。
そして、時計方向へ回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、第一可動部材95と第二可動部材96とが主紐状部材a1又は補助紐状部材a2を挟持したのみの当初段階で、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2の張力が足りない状態では、回転体70の回転が不足して開閉体10の停止にまで至らない場合もあるが、この状態から開閉体10がさらに若干閉鎖することにより、第一可動部材95および第二可動部材96が、共に上方へ回動して主紐状部材a1又は補助紐状部材a2をジグザグ折り曲げ状態で上方に引き上げ、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2の張力を更に増すことになる。
また、図8に示す状態において、仮に主紐状部材a1と補助紐状部材a2との双方がロックされてしまった場合であっても、主紐状部材a1の張力の方が補助紐状部材a2の張力よりも強く回転体70に作用することになる。すなわち、主紐状部材a1が補助紐状部材a2よりも回転体70の中心側に止着されているので、主紐状部材a1の引張り量に対する回転体70の回転量の方が、補助紐状部材a2の引張り量に対する回転体70の回転量よりも多いことによる。
したがって、本実施の形態では、特に好ましい一例として、主紐状部材a1よりも補助紐状部材a2を細く形成したが、他例としては、主紐状部材a1と補助紐状部材a2を略同一の太さにしてもよく、この場合であっても、通常時は主紐状部材a1の張力がメインとなって回転体70に作用し、また主紐状部材a1が切断した場合には補助紐状部材a2の張力が回転体70に作用することになる。
また、前記のようにして回転体70が時計方向へ回転する際、その回転量は、被係合部72と係合部71aとの当接により規制される。すなわち、回転体70は、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2の張力上昇により、所定の回転量だけ時計方向へ回転することになる。
したがって、レバー部材52が操作用紐状部材a3の引張力により復帰位置(図6に示す初期位置)まで後退してしまい、障害物Xが除去されても再度閉鎖指令がないと開閉体10の閉鎖動作が再開されないようなことを防ぐことができる。
次に、障害物Xが除去された場合には、可動座板12の相対的な下方への移動に伴い、揺動部材13も下方へ揺動し、第一可動部材95と第二可動部材96がその間を広げながら下方へ回動する。したがって、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が、図7に示す張力緩和状態に戻る。
そして、回転体70は、付勢部材53の付勢力による操作用紐状部材a3の牽引力、および回転付勢部材71bの付勢力によって、反時計方向へ回転する。この際、回転体70の回転は、ダンパー手段80による抵抗を受けて遅延する。したがって、操作用紐状部材a3も遅延してスライドし、更に操作用紐状部材a3に引っ張られていたレバー部材52も、遅延して前進を開始し、ブレーキ機構42の操作体44を押動する。
よって、障害物Xの除去後、ブレーキ機構42が数秒経過して解除状態になり、開閉体10の閉鎖動作が再開することになる。
また、開閉体10が全閉した場合には、障害物Xの当接の場合(図8参照)と略同様に、可動座板12の相対的な上昇に伴って、第二可動部材96が上方へ回動して主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態となり、回転体70が時計方向へ所定量回転し、操作用紐状部材a3に引っ張られてレバー部材52が後退し、ブレーキ機構42が内在する付勢部材42cの付勢力によって制動状態になる。
この制動状態において、例えば、手動復帰部材55が後方へ引かれることで、自動閉鎖装置50のレバー部材52が復帰位置(図6に示す位置)に係止され、更に、開閉体10が手動開放操作により全開位置に戻された場合には、可動座板12及び両可動部材95,96が下降して主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が張力緩和状態になるため、回転体70が回転付勢部材71bの付勢力によって所定量だけ反時計方向へ回転し、操作用紐状部材a3に弛みa31が形成されて、図6に示す初期状態に戻ることになる。
上記構成の開閉装置1は、主紐状部材a1の張力によってブレーキ機構42が制動操作されなかった場合に補助紐状部材a2の張力によってブレーキ機構42を制動操作するようにした一例であるが、同様の作用効果を奏する他例としては、図9以降に示す態様としてもよい。なお、以下に示す他例は、上記開閉装置1に対し一部の構成を変更したものであるため、上記開閉装置1と略同様の箇所については同一の符号を付けることで詳細な説明を省略する。
(第2の実施態様)
図9及び10に示す態様では、主紐状部材a1による張力上昇機構110と補助紐状部材a2による張力上昇機構120とを、それぞれ独立して具備している。
一方の張力上昇機構110は、図4に示す張力上昇機構90から滑車部材93,94及び補助紐状部材a2等を省いた構成とされる。
この態様において、主紐状部材a1の一端側(図9によれば左端側)は牽引装置61(図6〜8に示すものと同構成のもの)によって牽引されている。また、同主紐状部材a1の他端側(図9によれば右端側)は、回転体70(図6〜8参照)の外周側であって補助紐状部材a2の止着位置よりも中心側に止着されている。
他方の張力上昇機構120は、上方へ揺動した際の揺動部材13によって補助紐状部材a2を係止して、補助紐状部材a2の張力を上昇させるように構成される(図10参照)。
詳細に説明すれば、他方の張力上昇機構120は、図9に示すように、可動座板12に支持されて回動自在な二つの滑車部材93’,94’と、これら滑車部材93’,94’に掛け回されて上下方向へ導かれた補助紐状部材a2とを具備している。そして、この張力上昇機構120は、図10に示すように、上方へ揺動した際の揺動部材13と可動座板12内側面の凸状の受部12aとの間に補助紐状部材a2を挟むようにしている。
二つの滑車部材93’,94’は、可動座板12の端部側に、開閉体幅方向の間隔を置いて配設される。
補助紐状部材a2は、所定間隔置きに球状部a21を有するボールチェーンであり、滑車部材93’,94’に掛け回されて、一端側を上方へ向けるとともに他端側を下方へ向けている。
この補助紐状部材a2の上端部は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部位(詳細によは凸状止着部70b)に止着されている。
同補助紐状部材a2の下端部は、上下動する開閉体10に相対して不動な部位(例えば、床面や、地面、枠部材、ガイドレール20等)に止着されている。
よって、図9に示す構成によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図9及び図10(a)に示す状態)にある。
そして、前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aと間に挟まれるとともに、第二可動部材96の先端側部分によって上方へ引っ張られることで張力上昇状態となる。
万が一、主紐状部材a1が切断したり外れたり等した場合には、補助紐状部材a2が揺動部材13と可動座板12内面との間に挟まれて張力上昇状態になる。
なお、補助紐状部材a2は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、通常は主紐状部材a1よりも大きな張力を発生しないが、主紐状部材a1が張力上昇状態にならなかった場合には、補助紐状部材a2に代わって比較的大きな張力を発生する。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、図9及び10に示す好ましい一例によれば、回転体70に対する主紐状部材a1の止着位置を補助紐状部材a2よりも中心側にすることで、主紐状部材a1が優先的に張力を上昇する構成としたが、他例としては、揺動部材13と可動座板12内側面の受部12aとの間隔w1(図10(a))を、適宜に調整することによって主紐状部材a1が優先的に張力を上昇する構成としてもよい。
より詳細に説明すれば、可動座板12が上昇した際、凹凸面部95a,96a間に主紐状部材a1が挟持される前に、揺動部材13と受部12aとの間に補助紐状部材a2が挟持されることのないように、前記間隔w1を適宜に広くすればよい。この構成は、回転体70に対する主紐状部材a1の止着位置を補助紐状部材a2よりも中心側とした前記構成に代えて具備するようにしてもよいし、前記構成と併用して具備するようにしてもよい。
(第3の実施態様)
次に、図11に示す態様について説明する。
この態様では、上記開閉装置1の張力上昇機構90(図4参照)を張力上昇機構130に置換した構成とされる。
張力上昇機構130は、張力上昇機構90に対し、滑車部材93,94の位置を若干下方へずらすことで、開閉体幅方向へわたる主紐状部材a1の下方側に開閉体幅方向へわたる補助紐状部材a2が位置するようにするとともに、ガイド係合部99d、ピニオン状回転体99e、及び押さえバネ99f、ラック状部材13b等を具備している。
ガイド係合部99dは、ケース部材90aに穿設された略凹字状(U字状やV字状である場合も含む)の孔であり、その一端側(図11によれば左端側)の上端部が、主紐状部材a1における滑車部材91と滑車部材92の間の部分よりも上方側に位置するように配置される。
ガイド係合部99dの他端側(図11によれば右端側)の上端部は、前記一端部よりも下側に位置する。
ピニオン状回転体99eは、外周面をピニオン歯車状に形成した回転体であり、その軸部分をガイド係合部99dに挿通させることで、ガイド係合部99dに沿って移動自在であるとともに回動自在となるように支持される。
また、ラック状部材13bは、前記ピニオン状回転体99eと噛み合い可能なラック歯車状の部材であり、ガイド係合部99dの下方側であって、補助紐状部材a2における滑車部材93と滑車部材94の間の部分よりも下方側に配置される。そして、このラック状部材13bは、可動座板12と共に昇降するように、揺動部材13の揺動端側に固定されている。
この態様における主紐状部材a1は、ピニオン状回転体99eを下方から受けてラック状部材13bから引き離すとともに、このピニオン状回転体99eをガイド係合部99dの前記一端側(図11における左端側)の上端側に寄せる。
そして、主紐状部材a1は、二つの滑車部材91,92に掛け回されて、第一可動部材95と第二可動部材96の間に位置する。
この主紐状部材a1の一端側(図11によれば左端側)は、図6〜8に示す態様と略同様に、上方へ導かれて牽引装置61によって巻き取られる。また、同主紐状部材a1の他端側(図11によれば右端側)は、図6〜8に示す態様と略同様に回転体70の外周側であって且つ補助紐状部材a2の止着箇所よりも中心側の部分に止着される。
また、補助紐状部材a2は、主紐状部材a1の切断または緩みにより、ピニオン状回転体99eがガイド係合部99dの前記一端側から前記他端側へ移動した際に、この移動後のピニオン状回転体99eとラック状部材13bとの間に挟まれるように設けられている。
この補助紐状部材a2は、第一可動部材95及び第二可動部材96の凹凸面部95a,96a間を通らず、且つ、第二可動部材96の先端側部分の上面に近接又は接触するように設けられる。
この補助紐状部材a2の一端側(図11によれば左端側)は、図6〜8に示す態様と略同様に、上方へ導かれて牽引装置62によって巻き取られる。また、同補助紐状部材a2の他端側(図11によれば右端側)は、図6〜8に示す態様と略同様に回転体70の外周側であって且つ主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着される。
押さえバネ99fは、図示例によれば、一端側が開閉体本体11に固定された略U字状の板バネであり、その他端側部分を、ガイド係合部99dの前記他端側(図11によれば右端側)へ移動した際のピニオン状回転体99eに当接させて、該ピニオン状回転体99eを下方へ付勢するように設けられる。
この押さえバネ99fの他例としては、コイルスプリングや、ゴム等とすることも可能である。
而して、図11に示す構成によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図11(a)に示す状態)にある。
前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、上述した態様(図6〜8参照)と略同様に、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aと間に挟まれるとともに、第二可動部材96の先端側部分によって上方へ引っ張られることで張力上昇状態となる。
この際、補助紐状部材a2は、凹凸面部95a,96a間を通っていないため、これら凹凸面部95a,96a間に挟まれて張力上昇状態になることはない。しかも、補助紐状部材a2は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、第二可動部材96の先端側部分との接触により若干抵抗を受けたとしても、通常は主紐状部材a1よりも大きな張力を発生しない。
万が一、主紐状部材a1が切断したり外れたり等した場合には、ピニオン状回転体99eが主紐状部材a1に支えられなくなり下方へ移動する。更に、ピニオン状回転体99eは、補助紐状部材a2に摺接されて、ガイド係合部99dの他端側(図11の右端側)へ移動し、ガイド係合部99d他端側の上方へ曲がった部分に入り込む。この状態のピニオン状回転体99eはガイド係合部99dの前記他端側で、その上方側から押さえバネ99fによって下方へ付勢される。
したがって、補助紐状部材a2は、図11(b)に示すように、ピニオン状回転体99eと、その下方側のラック状部材13bとの間に挟持されるとともに、第二可動部材96先端側の部分によって上方へ引っ張られて張力上昇状態になる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
(第4の実施態様)
次に、図12に示す態様について説明する。
この態様では、上記開閉装置1の張力上昇機構90(図4参照)を張力上昇機構140に置換した構成とされる。
張力上昇機構140は、上述した張力上昇機構90に対し、滑車部材93,94を省き、補助紐状部材a2を上下方向へ挿通させ、該補助紐状部材a2の張力を上昇させるための掛止部材141及び係合片142を具備した構成になっている。
この態様における主紐状部材a1は、その一端側(図12によれば左端側)を、図6〜8に示す態様と略同様に、上方へ導いて牽引装置61の巻取体61aに止着している。また、同主紐状部材a1の他端側(図12によれば右端側)は、図6〜8に示す態様と略同様に、回転体70の外周側であって且つ補助紐状部材a2の止着箇所よりも中心側の部分に止着される。
この態様における補助紐状部材a2は、張力上昇機構140を構成するケース部材90aに上下方向へわたって挿通されている。
より詳細に説明すれば、ケース部材90a内の開閉体幅方向の端部側には、上下方向へわたる略平板状の係合片142が設けられ、補助紐状部材a2は、前記係合片142の表面に沿って上下方向へわたるとともに、ケース部材90aを上下に貫通している。
そして、この補助紐状部材a2の上端側は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側へ止着され、同補助紐状部材a2の下端側は、開閉体10に相対して不動な部位(例えば、床面や、地面、枠部材、ガイドレール20等)に止着されている。
また、掛止部材141は、略棒状を呈し,その一端側の掛止片部141aを上下方向へ回動させながら、他端側の挟持片部141bを逆方向へ回動させるように、ケース部材90aを介して開閉体本体11に枢支されている。
前記掛止片部141aは、掛止部材141一端側の略L字状に形成された部分である。この掛止片部141aは、通常状態において図12(a)に実線で示すように主紐状部材a1に掛けられ、補助紐状部材a2が切断した際には、図12(a)に二点鎖線で示すように下方へ回動して受部13cに当接する。受部13cは、可動座板12と共に昇降するように揺動部材13の揺動端側に固定された部材である。
なお、図示例によれば、下方へ回動した際の掛止片部141aが、受部13c及び揺動部材13を介して間接的に可動座板12に受けられるようにしているが、他例としては、掛止片部141aが可動座板12に直接受けられる構成としてもよい。
また、挟持片部141bは、枢支部を境に掛止片部141aとは逆側へ突出する凸状に形成され、通常状態において図12(a)に実線で示すように、前記枢支部よりも下方側で補助紐状部材a2から離間するように配置され、掛止部材141の下方への回動に伴って上方へ回動した際には、図12(a)に二点鎖線で示すように、前記枢支部よりも上方側で補助紐状部材a2から離間するように配置される。
更に、この挟持片部141bは、可動座板12の上昇によって掛止部材141が受部13cに押圧されて上方へ回動した際には、図12(b)に示すように、補助紐状部材a2における球状部a21,a21間に嵌り込むとともに、補助紐状部材a2を係合片142との間に挟み込むように配置される。
而して、図12に示す態様によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図12(a)に示す状態)にある。
前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、上述した態様(図6〜8参照)と略同様に、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aの間に挟まれるとともに、第二可動部材96先端側部分により上方へ引っ張られて張力上昇状態になる(図示省略)。
この際、補助紐状部材a2は、図12(a)に実線で示すように、挟持片部141bと係合片142と隙間に上下方向へ遊挿され、拘束されていない。
なお、補助紐状部材a2は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、ケース部材90aや係合片142との摩擦等により若干抵抗を受けたとしても、通常は主紐状部材a1よりも大きな張力を発生しない。
万が一、主紐状部材a1が切断したり外れたり等した場合には、掛止部材141先端側の掛止片部141aが、主紐状部材a1に受けられなくなり下方へ回動して受部13cに当接する(図12(a)の二点鎖線参照)。
この状態において、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、可動座板12の相対的な上昇に伴って、掛止部材141の掛止片部141aが受部13cにより上方へ押圧されて回動する。したがって、同掛止部材141の挟持片部141bは、図12(b)に示すように、補助紐状部材a2の球状部a21,21間に嵌り合うとともに、補助紐状部材a2を係合片142との間に挟みこむ。
よって、補助紐状部材a2が張力上昇状態となる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
(第5の実施態様)
次に、図13に示す態様について説明する。
この態様では、上記開閉装置1の張力上昇機構90(図4参照)を張力上昇機構150に置換した構成とされる。
張力上昇機構150は、上述した張力上昇機構90に対し、第一可動部材95を第一可動部材95’に置換するとともに、滑車部材93,94の配置変更により補助紐状部材a2の経路を変更した構成としている。
第一可動部材95’は、上述した第一可動部材95において、規制突部95bを挟持突部95b’に置換した構成としてある。
挟持突部95b’は、第二可動部材96上面との間に補助紐状部材a2を挟むように設けられた突起である。
挟持突部95b’下端と、初期位置にある第二可動部材96との間隔h1は、主紐状部材a1に切断や外れなどを生じた場合に、主紐状部材a1が挟まれる箇所(具体的には凹凸面部95a,96a間)よりも回動端側で、挟持突部95b’と第二可動部材96との間に補助紐状部材a2が挟み込まれるように、適宜に設定されている。
より詳細に説明すれば、前記間隔h1は、第一可動部材95’の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aとの間に主紐状部材a1が挟まれた際には、挟持突部95b’下端と第二可動部材96上面との間に補助紐状部材a2を遊挿可能であって、凹凸面部95a,96a間が主紐状部材a1を挟まずに狭まった場合には、挟持突部95b’下端と第二可動部材96上面との間に補助紐状部材a2を挟持するように、適宜に設定されている。
補助紐状部材a2を掛け回す一方の滑車部材93は、主紐状部材a1を掛け回す二つの滑車部材91,92間の外側であって、滑車部材91,92よりも下方側に配置される。
また、他方の滑車部材94は、滑車部材91,92間の内側であって、滑車部材91,92よりも上側に配置される。
更に、滑車部材93と滑車部材94は、補助紐状部材a2を主紐状部材a1に対し開閉体厚さ方向に交差させるように、開閉体厚さ方向の位置を滑車部材91,92に対しずらして配置される。すなわち、図13に示す一例によれば、滑車部材93は、開閉体厚さ方向において滑車部材91,92よりも若干手前側に配置される。そして、滑車部材94は、開閉体厚さ方向において滑車部材91,92よりも若干奥側に配置される。
前述した滑車部材93及び滑車部材94の配置により、補助紐状部材a2は、第一可動部材95の挟持突部95b’と第二可動部材96上面との間を通過するとともに、主紐状部材a1に対し開閉体厚さ方向に交差している。
そして、補助紐状部材a2の一端側は、牽引装置62の巻取体62aに止着され、同補助紐状部材a2の他端側は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着される。
而して、図13に示す態様によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図13(a)に示す状態)にある。
前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、上述した態様(図6〜8参照)と略同様に、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aの間に挟まれるとともに、第二可動部材96先端側部分により上方へ引っ張られて張力上昇状態になる(図示省略)。
前記主紐状部材a1の張力上昇状態の際、補助紐状部材a2は、第一可動部材95の挟持突部95b’と第二可動部材96上面との間に遊挿された状態を維持するため、張力上昇状態にはならない。
また、補助紐状部材a2は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、通常は主紐状部材a1よりも大きな張力を発生しない。
万が一主紐状部材a1が切断したり外れたり等し、この状態において可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aとの間に主紐状部材a1が挟まれなくなるため、第一可動部材95と第二可動部材96の間がより狭まり、図13(b)に示すように、第一可動部材95の挟持突部95b’と第二可動部材96上面との間に補助紐状部材a2が挟まれることになる。この際、補助紐状部材a2の球状部a21,a21間に挟持突部95b’が嵌り合う。よって、補助紐状部材a2は張力上昇状態になる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、図13に示す一例によれば、挟持間隔h1を適宜に確保する好ましい態様として、補助紐状部材a2の挟持箇所を第一可動部材95’の挟持突部95b’と第二可動部材96との間としたが、他例としては、挟持突部95b’を省き、第一可動部材95’と第二可動部材96との間に補助紐状部材a2を直接挟むようにすることも可能である。この場合の挟持箇所も、第一可動部材95’と第二可動部材96との間において、主紐状部材a1が挟まれる箇所よりも回動端側(図13の右端側)に配置するのが好ましい。この構成によれば、第一可動部材95’と第二可動部材96との間に主紐状部材a1が挟持された状態で、その挟持箇所よりも回動端側に、補助紐状部材a2を遊挿可能な間隔を確保することができる。
(第6の実施態様)
次に、図14に示す態様について説明する。
この態様では、上記開閉装置1の張力上昇機構90(図4参照)を、張力上昇機構160に置換した構成とされる。
張力上昇機構160は、ケース部材90a内に、主紐状部材a1を挟持する機構と、補助紐状部材a2を挟持する機構とを、開閉体幅方向に並設した構成としている。
詳細に説明すれば、ケース部材90aの開閉体幅方向の一端側(図14によれば左端側)には、上述した開閉装置1の張力上昇機構90と略同様にして、二つの滑車部材91,92と,これら滑車部材91,92間に掛け回された主紐状部材a1と、開閉体本体11に相対する上下方向へ所定量揺動するように支持された第一可動部材95と、該第一可動部材95に対しその下方側から接近離間して揺動するように支持された第二可動部材96’と、第一可動部材95を下方へ付勢する第一可動部材用付勢部材97とを具備し、第二可動部材96’が揺動部材13に固定された当接部13aによって受けられるようになっている。
また、同ケース部材90aの開閉体幅方向の他端側(図14によれば右端側)には、前記一端側の機構と略同様にして、二つの滑車部材93,94と、これら滑車部材93,94間に掛け回された補助紐状部材a2と、開閉体本体11に相対する上下方向へ所定量揺動するように支持された第三可動部材195と、該第三可動部材195に対しその下方側から接近離間して揺動するように支持された第四可動部材196と、第三可動部材195を下方へ付勢する第三可動部材用付勢部材197とを具備し、第二可動部材196が揺動部材13に固定された当接部13dによって受けられるようになっている。
第二可動部材96’は、上述した第二可動部材96に対し、その下面側にスペーサ96eを設けた構成とされる。
スペーサ96eは、第二可動部材96’において当接部13aと当接する箇所(具体的には被当接部96cの箇所)配設され、第二可動部材96’の上下方向の厚みを、後述する第四可動部材196よりも大きくしている。
第四可動部材196は、前記第二可動部材96’からスペーサ96eを省いた構成とされる。
なお、第二可動部材96’の他例としては、スペーサ96eを省くとともに、第二可動部材96’における少なくとも当接部13aに対し当接する箇所を、第四可動部材196よりも厚肉に形成するようにしてもよい。
よって、図14(a)に示すように、第一可動部材95と第二可動部材96の凹凸面部95a,96a間の挟持部分の初期間隔h2が、スペーサ96eの厚みによって、第三可動部材195と第四可動部材196の凹凸面部95a,96a間の挟持部分の初期間隔h3よりも小さくなっている。
この態様において、主紐状部材a1の一端側(図14によれば左端側の上端側)は、牽引装置61の巻取体61aに止着されている。また、同主紐状部材a1の他端側(図14によれば右端側の上端側)は、回転体70における補助紐状部材a2の止着箇所よりも中心側に止着されている。
そして、補助紐状部材a2の一端側(図14によれば左端側の上端側)は、回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側に止着される。また、同補助紐状部材a2の他端側(図14によれば右端側の上端側)は、牽引装置62の巻取体62aに止着されている。
而して、図14に示す態様によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図14(a)に示す状態)にある。
前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96’がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96’の凹凸面部96aの間に挟まれる(図14(b)参照)。そして、主紐状部材a1は、第二可動部材96’の先端側部分により上方へ引っ張られて張力上昇状態になる。
主紐状部材a1が第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96’の凹凸面部96aの間に挟まれた時点では、補助紐状部材a2は、図14(b)に示すように、第三可動部材195の凹凸面部95aと第四可動部材196の凹凸面部96aの間に挟持されないでいる。これは、第三可動部材195と第四可動部材196間の挟持部分の初期間隔h3が、第一可動部材95と第二可動部材96’間の挟持部分の初期間隔h2よりも大きいことに起因した作用である。
前記時点の後、補助紐状部材a2は、第四可動部材196の先端側によって上方へ引っ張られる(図示せず)が、回転体70に対し主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、通常では主紐状部材a1よりも張力を上昇することがない。
万が一、主紐状部材a1が切断したり外れたり等し、この状態において可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、切断された主紐状部材a1が牽引装置61に牽引されて挟持箇所から除かれ第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aとの間に挟まれなくなるため、第一可動部材95と第二可動部材96の間がより狭まるとともに、第三可動部材195と第四可動部材196の間も狭まる。したがって、第三可動部材195と第四可動部材196の間には、主紐状部材a1の代わりに補助紐状部材a2が挟まれ、この補助紐状部材a2は、第四可動部材196の先端側部分によって上方へ引っ張られて張力上昇状態(図示省略)になる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、図14に示す主紐状部材a1と補助紐状部材a2は、同太さの金属製ワイヤーとしているが、何れか一方を上述したボールチェーンや、太さの異なる金属製ワイヤーとすることも可能である。
(第7の実施態様)
次に、図15〜16に示す態様について説明する。
この態様では、上記開閉装置1の張力上昇機構90(図4参照)を、張力上昇機構170及び該張力上昇機構170と独立して作用する張力上昇機構180に置換した構成とされる。
一方の張力上昇機構170は、主紐状部材a1の張力を上昇させるための機構であって、上述した張力上昇機構110(図9参照)と略同様に、図4に示す張力上昇機構90から滑車部材93,94及び補助紐状部材a2等を省いた構成とされる。
また、他方の張力上昇機構180は、補助紐状部材a2の張力を上昇させるための機構であって、補助紐状部材a2を、上方へ移動した際の可動座板12と開閉体本体11との間に挟む構成としている。
詳細に説明すれば、張力上昇機構180は、開閉体幅方向の間隔を置いて開閉体本体11に支持された二つの滑車部材93,94と、これら滑車部材93,94間に掛け回された補助紐状部材a2と、可動座板12の上端部に固定された凹凸状部材181とを具備している。
この態様において、二つの滑車部材93,94は、補助紐状部材a2を張力上昇機構170に干渉させないように、主紐状部材a1を掛け回す滑車部材91,92よりも下方側に配置されている。
なお、図15に示す一例によれば、補助紐状部材a2を張力上昇機構170に干渉させないように、第二可動部材96よりも開閉体厚さ方向の手前側に配置している。また、図16は、張力上昇機構180の構造を明瞭に示すために、張力上昇機構170及び滑車部材93,94等の構成を省略している。
また、この態様における主紐状部材a1は、その一端側(図15によれば左端側)が牽引装置61の巻取体61aに止着され、他端側(図15によれば右端側)が回転体70における補助紐状部材a2の止着箇所よりも中心側に止着される。
また、この態様における補助紐状部材a2は、その一端側(図15によれば左端側)が牽引装置62の巻取体62aに止着され、他端側(図15によれば右端側)が回転体70における主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側に止着される。
また、凹凸状部材181は、上面に凹部と凸部を交互に多数配設した略ラック状の部材であり、可動座板12の上端部に開閉体幅方向の略全長にわたって固定されている。
この凹凸状部材181は、可動座板12と共に開閉体本体11に相対して上昇した際、補助紐状部材a2に当接し、補助紐状部材a2を開閉体本体11内の受部11bとの間に挟む(図16参照)。
前記受部11bは、開閉体本体11下端側の断面枠状の部分の内側面に、開閉体幅方向へわたる突起状に設けられる。この受部11bと可動座板12の上端部とが上下に対向する関係にあり、これらの間に補助紐状部材a2が配置されている。
凹凸状部材181上端面と開閉体本体11内の受部11bとの初期間隔h4(図16参照)は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aとの間に主紐状部材a1が挟まれた状態で、凹凸状部材181上端面と受部11bとの間に補助紐状部材a2を遊挿し、また、主紐状部材a1が切断や外れ等により凹凸面部95a,96a間がより狭まった際には凹凸状部材181上端面と受部11bとの間に補助紐状部材a2を挟み込むように、適宜に設定されている。
而して、図15及び16に示す態様によれば、閉鎖指令に応じて自動閉鎖装置50が作動しブレーキ機構42が解放された状態では、開閉体10が自重により閉鎖動作する。この自重閉鎖動作中、障害物に当接しない状態では、主紐状部材a1及び補助紐状部材a2が双方とも張力緩和状態(図15(a)に示す状態)にある。
前記自重閉鎖動作中、可動座板12の下端が障害物に当接した場合には、可動座板12及び揺動部材13の相対的な上方への移動により、第一可動部材95及び第二可動部材96がそれらの間を狭めながら上方へ揺動する。したがって、主紐状部材a1は、第一可動部材95の凹凸面部95aと第二可動部材96の凹凸面部96aの間に挟まれ、更に第二可動部材96の先端側部分により上方へ引っ張られて張力上昇状態になる(図示省略)。
この際、補助紐状部材a2は、凹凸状部材181と開閉体本体11内の受部11bとの間に遊挿され、挟持されない。この状態において、補助紐状部材a2は、回転体70に対し主紐状部材a1の止着箇所よりも遠心方向側の部分に止着されているため、開閉体本体11内面等との摩擦により若干抵抗を受けたとしても、通常では主紐状部材a1よりも張力を上昇することがない。
また、万が一、主紐状部材a1が切断や外れ等を生じ、この状態において可動座板12の下端が障害物Xに当接した場合には、切断された主紐状部材a1が牽引装置61に牽引され挟持箇所から除かれるため、図15(b)及び図16(b)に示すように、可動座板12上端の凹凸状部材181と開閉体本体11内の受部11bとの間には、主紐状部材a1の代わりに補助紐状部材a2が挟まれて、この補助紐状部材a2が張力上昇状態になる。
前記のようにして主紐状部材a1又は補助紐状部材a2が張力上昇状態になると、上述した開閉装置1と同様に、主紐状部材a1又は補助紐状部材a2によって回転体70の外周側が引っ張られ、回転体70が時計方向へ回転する(図8参照)。そして、回転する回転体70によって操作用紐状部材a3が引っ張られ、更に、操作用紐状部材a3によって自動閉鎖装置50のレバー部材52が後方(図8の左方向)へ引っ張られる。
したがって、ブレーキ機構42の操作体44が前記後方へ揺動し、ブレーキ機構42が内部の駆動軸41bを拘束した制動状態になり、駆動軸41bに連動する巻取軸32の繰り出し方向の回転が停止し、開閉体10の閉鎖動作(下降動作)も停止する。
なお、図15及び図16に示す態様によれば、可動座板12上端の凹凸状部材181と開閉体本体11内の受部11bとの間で補助紐状部材a2を挟むようにしているが、他例としては、凹凸状部材181を省き、可動座板12上端と開閉体本体11内の受部11bとの間に直接補助紐状部材a2を挟むようにしてもよい。
本発明に係わる開閉装置の一例を示す正面図である。 同開閉装置に用いられる開閉機及び自動閉鎖装置の一例を示す構造図である。 ブレーキ機構及び自動閉鎖装置の作動状態を示す模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置の作動によりブレーキ機構が解放操作された状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が制動操作された状態を示す。 同開閉装置における張力上昇機構の一例を正面側から示す構造図である。 同開閉装置における開閉体の下端側部分を示す縦断面図であり、(a)は可動座板が障害物に当接する前の状態を示し、(b)は可動座板が障害物に当接して相対的に上昇した状態を示す。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力緩和状態にあり、自動閉鎖装置のレバー部材が復帰位置に維持された状態を示す。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力緩和状態にあり、自動閉鎖装置のレバー部材が前進位置になった状態を示す。 座板連動機構の全体構造図であり、張力上昇機構が張力上昇状態になり、自動閉鎖装置のレバー部材が後方へ戻された状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図である。 同張力上昇機構の要部縦断面図であり、(a)は補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図であり、(a)は主紐状部材及び補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図であり、(a)は主紐状部材及び補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図であり、(a)は主紐状部材及び補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図であり、(a)は主紐状部材及び補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は主紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 張力上昇機構の他例を正面側から示す構造図であり、(a)は主紐状部材及び補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。 同張力上昇機構の要部縦断面図であり、(a)は補助紐状部材の張力が上昇する前の状態を示し、(b)は補助紐状部材の張力を上昇させた状態を示す。
符号の説明
1:開閉装置 10:開閉体
11:開閉体本体 12:可動座板
13:揺動部材 13d:当接部
30:巻取装置 40:開閉機
42:ブレーキ機構 50:自動閉鎖装置
61,62:牽引装置 70:回転体
90:張力上昇機構 99e:ピニオン状回転体
99d:ガイド係合部 95:第一可動部材
96:第二可動部材 141:掛止部材
141a:掛止片部 141b:挟持片部
195:第三可動部材 196:第四可動部材
a1:主紐状部材 a2:補助紐状部材
a21:球状部 a3:操作用紐状部材

Claims (9)

  1. スライドしながら自重閉鎖可能な開閉体本体と、該開閉体本体の下端部に接続されて該開閉体本体に相対して上方へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動するブレーキ機構と、前記可動座板の前記上方への移動によって張力を上昇するとともにその張力によって前記ブレーキ機構を制動操作する主紐状部材とを備えた開閉装置において、
    前記主紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構が制動操作されなかった場合に、前記可動座板の前記上方への移動によって補助紐状部材の張力を上昇するとともに該補助紐状部材の張力によって前記ブレーキ機構を制動操作するようにしたことを特徴とする開閉装置。
  2. 前記主紐状部材および前記補助紐状部材の一端側をそれぞれ外周側に止着するとともに、前記主紐状部材および前記補助紐状部材によって引っ張られた際の回転力によって前記ブレーキ機構を制動操作する回転体を備えたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 前記開閉体本体に相対する上下方向へ所定量移動するように前記開閉体本体に支持された第一可動部材と、該第一可動部材に対してその下方側から接近離間するように前記開閉体本体に支持されるとともに前記可動座板によって上方へ押動されるように設けられた第二可動部材とを備え、
    前記主紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
  4. 前記可動座板によって下方側から押動されることで上方へ揺動するように前記開閉体本体に支持された揺動部材を備え、
    上方へ揺動した際の前記揺動部材によって前記補助紐状部材を係止して、前記補助紐状部材の張力を上昇させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
  5. 前記開閉体本体と一体的に設けられた略凹字状のガイド係合部と、該ガイド係合部に沿って移動自在であるとともに回転自在に支持されたピニオン状回転体と、該ピニオン状回転体と噛み合い可能なラック状部材であって前記可動座板と共に上昇するように設けられたラック状部材とを備え、
    前記主紐状部材は、前記ピニオン状回転体を下方から受けて前記ラック状部材から引き離すとともに前記ガイド係合部の一端側に寄せるように設けられ、
    前記補助紐状部材は、前記ピニオン状回転体が前記ガイド係合部の一端側から他端側へ移動した際に、この移動後のピニオン状回転体と前記ラック状部材との間に挟まれるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
  6. 一端側の掛止片部を上下方向へ回動させながら他端側の挟持片部を逆方向へ回動させるように前記開閉体本体に枢支された掛止部材を備え、
    前記掛止片部は、上方へ回動した際に前記紐状部材に掛止され、下方へ回動した際には前記可動座板によって受けられるように設けられ、
    前記挟持片部は、前記掛止片部が前記可動座板に押動されて上方へ回動した際に、下方へ回動して前記開閉体本体との間に前記補助紐状部材を挟むように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
  7. 前記第一可動部材と前記第二可動部材は、それぞれ開閉体幅方向へわたる長尺状を呈するとともに、その同一他側が前記開閉体本体に対し枢支されることでその他端側を上下方向へ回動させるように設けられ、
    前記主紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられ、
    前記補助紐状部材は、前記第一可動部材と前記第二可動部材との間において、前記主紐状部材が挟まれる箇所よりも回動端側の部分に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
  8. 前記開閉体本体に相対する上下方向へ所定量移動するように前記開閉体本体に支持された第三可動部材と、該第三可動部材に対してその下方側から接近離間するように前記開閉体本体に支持されるとともに前記可動座板によって上方へ押動されるように設けられた第四可動部材とを備え、
    前記補助紐状部材は、前記第三可動部材と前記第四可動部材との間に挟まれて張力を上昇するように設けられ、
    前記第三可動部材と前記第四可動部材の初期間隔は、前記第一可動部材と前記第二可動部材の初期間隔よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
  9. 前記補助紐状部材は、上方へ移動した際の前記可動座板と、前記開閉体本体との間に挟まれて張力を上昇するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
JP2008308509A 2008-12-03 2008-12-03 開閉装置 Active JP5296511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308509A JP5296511B2 (ja) 2008-12-03 2008-12-03 開閉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308509A JP5296511B2 (ja) 2008-12-03 2008-12-03 開閉装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010133116A JP2010133116A (ja) 2010-06-17
JP5296511B2 true JP5296511B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=42344648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008308509A Active JP5296511B2 (ja) 2008-12-03 2008-12-03 開閉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5296511B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5815960B2 (ja) * 2011-02-28 2015-11-17 文化シヤッター株式会社 開閉装置
JP5902787B2 (ja) * 2014-10-23 2016-04-13 文化シヤッター株式会社 開閉装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5301797B2 (ja) * 2007-02-15 2013-09-25 文化シヤッター株式会社 開閉装置の障害物感知構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010133116A (ja) 2010-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6346924B2 (ja) シャッター装置の障害物感知構造
JP6045658B2 (ja) 開閉装置
JP5296511B2 (ja) 開閉装置
JP5318494B2 (ja) 開閉装置
JP6037631B2 (ja) 開閉装置及び該開閉装置を備えた開閉装置設置構造
JP5787119B2 (ja) 開閉装置
JP5318491B2 (ja) 開閉装置
JP5318497B2 (ja) 開閉装置
JP5318493B2 (ja) 開閉装置
JP5318492B2 (ja) 開閉装置
JP5827041B2 (ja) 開閉装置の開閉体停止装置
JP5318496B2 (ja) 開閉装置
JP6159772B2 (ja) 開閉装置
JP5689928B2 (ja) 開閉装置
JP5318495B2 (ja) 開閉装置
JP5639694B2 (ja) 開閉装置
JP5830595B2 (ja) 開閉装置
JP5829068B2 (ja) 開閉装置の開閉体停止装置
JP5815960B2 (ja) 開閉装置
JP5864953B2 (ja) 開閉装置の開閉体停止装置
JP6159773B2 (ja) 開閉装置の開閉体停止装置
JP2014031656A (ja) 開閉装置
JP2015038310A (ja) 開閉装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5296511

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250