JP5317322B2 - 電気化学キャパシタ及びその製造方法。 - Google Patents

電気化学キャパシタ及びその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学キャパシタ及びその製造方法に関する。
近年、環境問題に対する取り組みが重要となってきており、より環境への負担が軽く効率のよい電源が求められてきている。この要望に寄与すると期待される一つの技術として、電気化学キャパシタがある。電気化学キャパシタとは、電気化学的な作用を用いて電荷を蓄積、出力するためのデバイスであり、代表的なものとして電気二重層キャパシタ、さらに最近新たに提案されてきているものとしてレドックスキャパシタがある。
電気二重層キャパシタとは、一対の電極とこの一対の電極の間に配置される電解液とを有し、電解液と電極の界面において生じるイオンの吸着(非ファラデー反応)により形成される電気二重層を利用して電荷を蓄積することのできるキャパシタであり、非常に大きな比表面積を有する炭素材料等を電極として用いることで大容量化が可能であり、大きく期待されている。
一方、レドックスキャパシタとは、活物質の複数の連続的なレドックス(酸化還元)反応により発現する疑似容量を利用して電荷を蓄積することのできるキャパシタであり、上記の電気二重層キャパシタよりも大容量で、かつ、電池よりも瞬時充放電特性に優れているといった利点があり、より期待されてきている。
なお、レドックスキャパシタに関する公知の技術として、例えば下記非特許文献1乃至3に記載がある。まず、下記非特許文献1には、p−ドープ型であるポリピロール膜を両極に用いた対称型の電気化学キャパシタについての技術が開示されている。また、下記非特許文献2には、異なる2種類のp−ドープ型であるポリピロール膜とポリチオフェン膜を用いた非対称型の電気化学キャパシタについての技術が開示されている。また、下記非特許文献3には正極、負極にn−ドープ型、p−ドープ型のポリチオフェン誘導体膜をそれぞれ用いた非対称型の電気化学キャパシタについての技術が開示されている。
K.Naoi,Y.Oura,M.Maeda and S.Nakamura、J.Electrochem.Soc.、142巻、417頁、1995年 S.A.Hashmi, H.M.Upahyaya、Solid State Ionics、152−153巻、883頁、2002年 C.Arbizzani,M.Mastragostiono,L.Meneghello、Electrochimica Acta、41巻、21頁、1996年
確かに、上記に列記した公知の技術は新たな電気化学キャパシタの提案として有用である。しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術では、作動電圧が低く、得られるエネルギー密度が低くなってしまうという課題がある。エネルギー密度を高くしようとするためには膜厚を増大させる必要があるが、厚い膜では酸化還元(レドックス)反応の律速段階であるイオン拡散性が減少し、高エネルギーが得られないという問題がある。
また、上記非特許文献2の技術では、作動電圧及びエネルギーにおいて上記非特許文献1の技術よりも向上しているが、p−ドープ型同士の組み合わせであるため、作動電圧の拡大、従ってエネルギー密度の向上にも限界があり、エネルギー密度向上にはやはり上記のイオン拡散性の問題が課題として残されている。
また、上記非特許文献3の技術では、上記非特許文献1,2に記載の技術と比べて作動電圧及びエネルギーにおいて有利であるが、作動電圧における範囲内で、レドックス反応が起こらず電流の流れない電位範囲が存在するため、レドックス反応に伴う一定の電荷を放電したのち、急激に電圧が降下するといった不連続な放電挙動を示してしまうといった課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、より安定的な挙動を示し、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、電極上にコバルトナノ構造物を設けたところ、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタを提供することができる点に想到し、本発明を完成させるに至った。また、これに加え、貴金属層又はカーボン層を介して導電性ポリマー層で覆うこと、このコバルトナノ構造物を酸化させること、このコバルトナノ構造物を酸化させ、しかる後にこの酸化したコバルトナノ構造物を導電性ポリマー層で覆うこと、の少なくともいずれかを行うことが好ましいことにも想到した。
即ち、本発明の一手段に係るキャパシタは、対向する一対の電極と、一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物と、一対の電極の間に充填される電解液と、を有する。
なお、本手段において、限定されるわけではないが、更に、コバルトナノ構造物を覆う貴金属層又はカーボン層、貴金属層又はカーボン層を覆う導電性ポリマー層、を有することは好ましい。
また、本手段において、限定されるわけではないが、コバルトナノ構造物を覆う導電性ポリマー層と、を有することは好ましい。
また、本発明の他の一手段に係るキャパシタは、対向する一対の電極と、一対の電極の少なくとも一方に形成される酸化コバルトナノ構造物と、一対の電極の間に充填される電解液と、を有する。
なお、本手段において、限定されるわけではないが、前記酸化コバルトナノ構造物を覆う貴金属層又はカーボン層と、貴金属層又はカーボン層を覆う導電性ポリマー層と、を有することは好ましい。
また、本手段において、限定されるわけではないが、酸化コバルトナノ構造物を覆う導電性ポリマー層、を有することは好ましい。
また、本発明の他の一手段に係るキャパシタの製造方法は、電極上にコバルトナノ構造物を形成する。
なお、本手段において、限定されるわけではないが、更に、コバルトナノ構造物を貴金属層又はカーボン層で覆い、貴金属層又はカーボン層を導電性ポリマーで覆うことは好ましい。
また、本手段において、限定されるわけではないが、コバルトナノ構造物を酸化することもできる。
また、本手段において、限定されるわけではないが、コバルトナノ構造物を酸化し、酸化されたコバルトナノ構造物を貴金属層又はカーボン層で覆い、更に、貴金属層を導電性ポリマーで覆うことも好ましい。
また、本手段において、限定されるわけではないが、コバルトナノ構造物を酸化し、コバルトナノ構造物を導電性ポリマーで覆うことも好ましい。
以上、本発明によると、より安定的な挙動を示し、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタとなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例にのみ限定されるものではない。
(実施形態1)
図1に、本実施形態に係る電気化学キャパシタ11は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物3と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。
本実施形態に係る一対の電極2a、2bは、導電性を有し、電解液を保持する機能を有するものであり、材質としては限定されるわけではないが、導電性の板や絶縁性の板の上に導電性の膜を配置したものを例示することができる。導電性の板の例としては、例えば金属板、カーボン板を例示することができ、絶縁性の板の上に導電性の膜を配置したものとしては、ガラス、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等の絶縁性の板の上に、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ATO(アルミニウムドープ酸化スズ)、GTO(ガリウムドープ酸化スズ)等の導電性の膜を配置したものを例示することができる。なお、生産性、機械的強度、価格、軽量性の観点からは、金属板又はITOであることが好ましい。
また一対の電極2a、2bの間の距離は、充放電反応が可能である限りにおいて限定されるわけではないが、10μm以上5cm以下であることが好ましく、100μm以上1cm以下であることがより好ましい。10μm以上とすることで充放電の電気化学反応を生じさせるための電気二重層の十分な成長を行わせることができ、5cm以下とすることで軽量・コンパクト化が可能となる。
本実施形態に係るコバルトナノ構造物3は、実電極面積を拡大することができるよう形成されるものである。コバルトナノ構造物としては、電極面積を拡大できる限りにおいて限定されるわけではないが、コバルトナノワイヤー、コバルトナノデンドライト、ポーラスコバルト、コバルトナノ・マイクロビーズ等を例示することができ、より大きな実表面積を形成できる観点からはコバルトナノワイヤーであることがより好ましい。コバルトナノ構造物の形成される量としては、十分な実表面積が得られる限りにおいて限定されず、例えば10μg/cm以上1g/cm以下であること好ましく、より好ましくは50μg/cm以上500mg/cm以下である。
また、本実施形態に係るコバルトナノ構造物は、一方の電極にのみ形成されていてもよいが、両方の電極上に形成されていることがより好ましい。
また本実施形態に係る電解液は、イオン伝導による電流が流れる媒体であって、限定されるわけではないが、少なくとも溶媒と支持電解質から成る液体電解質、ゲル電解質又は固体電解質である。
本実施形態に係る電解液における溶媒としては、支持電解質を保持し、かつイオンに解離することができるものであり、この限りにおいて限定されるわけではないが、例えば水、有機溶媒、ゲル状物質、固体電解質を例示することができ、作動電圧の拡大、従ってエネルギー密度の向上の観点からはアセトニトリル、プロピレンカーボネート、N―メチルピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機溶媒であることがより好ましい。
また本実施形態に係る電解液における支持電解質は、媒体中でイオンに解離しイオン伝導を発現することができるものであり、この限り限定されるわけではないが、例えば溶媒として水を用いた場合、LiCl、LiBr、LiSO、LiOH、LiClO、NaCl、NaBr、NaSO、NaOH、NaClO、KCl、KBr、KSO、KOH、KClO、(CNOHを挙げることができ、溶媒として有機溶媒を用いた場合、(CNClO、(CNBF、(CNPF、(CNClO、(CNBF、(CNPF、LiClO、NaClO、KClO、(CNOHを挙げることができる。コバルトナノワイヤーあるいは酸化コバルトナノワイヤーと水系の溶媒を組み合わせたキャパシタを形成する場合、コバルト及び酸化コバルトの化学的安定性の観点からはLiOH、NaOH、KOH、(CNOH及び(CNOHであることが好ましい。支持電解質の含まれる量としては、上記機能を奏することができる限りにおいて限定されるわけではないが、溶媒の重量を100重量部とした場合に、0.01重量部以上300重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以上40重量部以下であることがより好ましい。0.01重量部以上とすることで充放電電気化学反応における電気二重層の形成を十分に行うことが可能となり、300重量部以下とすることで電解液中におけるイオンの移動をスムースに行うことができ、充放電に必要となる時間を短縮することが可能となる。
そして、本実施形態に係る電気化学キャパシタは、外部の駆動装置と接続され、一対の電圧を印加されて電荷を蓄積すると共に、短絡することで蓄積電荷を放出することができる。印加する電圧としては、充電が可能であり、材料の分解電圧を越えない限りにおいて限定されるわけではないが、電極間の電界にして0.05V/cm以上10000V/cm以下であることが好ましく、より好ましくは10V/cm以上1000V/cm以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、電極上にコバルトナノ構造体を配置することで、電極の実表面積が拡大し、かつコバルトナノ構造物表面は可逆的な電気化学的酸化反応(充電)及び還元反応(放電)を受けるために、より安定的な充放電特性を発現する、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタとなる。本実施形態に係る電気化学キャパシタは、コバルトナノ構造物表面で生じる可逆的な電気化学酸化還元反応を利用するので、レドックスキャパシタに分類される。
次に、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について説明する。図2に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物を形成する工程S1を有する。
電極上にコバルトナノ構造物を形成する工程は、これに限定されるわけではないが、コバルト錯体及び支持電解質を溶解した水溶液に電極を浸し、電解還元反応を起こすことによって行うことができる。コバルト錯体の例としては、電極上にコバルトナノ構造物を形成できる限りにおいて限定されるわけではないが、例えばヘキサアンミンコバルト(III)塩化物([Co(NH]Cl)、ペンタアンミンコバルト(III)塩化物([Co(NHCl]Cl)、塩化コバルト(CoCl)、硫酸コバルト(CoSO)、硝酸コバルト(Co(NO)の少なくともいずれかを用いることが好適である。また支持電解質は、コバルト金属の電解析出を妨げない限りにおいて限定されるわけではないが、例えばLiCl、LiBr、LiSO、LiOH、LiClO、NaCl、NaBr、NaSO、NaOH、NaClO、KCl、KBr、KSO、KOH、KClO、(CNOH及びそれらの水和物を挙げることができ、大きな実表面積を有するコバルトナノ構造物を形成する観点からは硫酸リチウム一水和物であることがより好ましい。
水溶液に含まれるコバルト錯体の量としては、上記工程を行うことができる限りにおいて限定されるわけではないが、水100重量部に対して、0.001重量部以上50重量部以下であることが好ましく、0.02重量部以上10重量部以下であることがより好ましい。0.001重量部以上とすることでナノ構造体形成による電極実表面積拡大が可能となり、50重量部以下とすることでナノ構造体の密集による実表面積低下を抑制することが可能となる。
また水溶液に含まれる支持電解質の量としても、上記工程を行うことができる限りにおいて限定されるわけではないが、水の重量を100重量部とした場合に、0.01重量部以上300重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以上40重量部以下であることがより好ましい。0.01重量部以上とすることで充放電電気化学反応における電気二重層の形成を十分に行うことが可能となり、300重量部以下とすることで電解液中におけるイオンの移動をスムースに行うことができ、ナノ構造形成に必要となる時間を短縮することが可能となる。
本実施形態に係る電解還元は、電極上にコバルトナノ構造物を形成することができる限りにおいて限定されるわけではないが、一定電位の電位を印加する定電位電解還元であることは好ましい。また、電解還元は、2枚の電極のみを利用する2電極式セルを用いた電解によっても参照電極を用いた3電極式セルを用いた電解還元によっても実施できるが、電極の電位を正確に規定するためには3電極式セルを用いた場合の方が好ましく、大量生産による製品化という観点からは2電極式セルであることが好ましい。なお、3電極式セルを用いた場合において参照電極としては、汎用される参照電極であれば用いることができ、例えば、飽和カロメル電極(SCE)、銀/塩化銀電極、標準水素電極(SHE)などが好適に使用される。またこの際における電位としては、例えば参照電極にSCEを用いた場合には、電極に−0.5V〜−2V vs.SCEの電位を印加することが好ましく、より好ましくは−0.8V〜−1.5V vs.SCEの電位範囲である。なお電解還元を行う時間としても、限定されるわけではないが、上記の望ましい電解の範囲下で0.1秒以上10時間以下行うことが好ましく、より好ましくは1秒以上1時間以下である。またこの温度としても、限定されるわけではないが、―10℃以上100℃以下の範囲であることが好ましく、0℃以上40℃以下であることがより好ましい。
また、本実施形態では、更に、他の電極を準備し、このコバルトナノ構造体が形成された電極と対向して配置させると共に電解液をこの間に充填させる。一対の電極の間に電解液を充填させる方法としては、周知の方法を採用でき限定されるわけではないが、例えば一対の電極の間に表面張力を用いて電解液を注入する方法を採用することもできるし、電解質を含んだ多孔質の絶縁性のスペーサを間に配置することもできる。
以上、本実施形態により高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態2)
図3に、本実施形態に係るキャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ12は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物3と、コバルトナノ構造物3を覆うよう配置される貴金属層5と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、コバルトナノ構造物3、電解液4については実施形態1と同様であるため説明は省略する。
本実施形態に係る貴金属層5の材質としては、化学的及び電気化学的に安定である限りにおいて限定されるわけではないが、金、白金、パラジウム、カーボン並びにそれらのうち複数を含む合金を例示することができ、コストの観点からはカーボンであることは好ましい。
貴金属層5が形成される量としては、コバルトナノ構造物間の間隙を埋めコバルトナノ構造物を埋没させてしまうほどの大量でない限りにおいて限定されるわけではないが、例えば量として10―7g/cm以上10−1g/cm以下であることが好ましく、10−6g/cm以上10−2g/cm以下であることがより好ましい。10―7g/cm以上とすることで菜の構造物全面を被覆することができ、10−1g/cm以下とすることでナノ構造物を金属層に埋没させることなく被覆することができる。
そして、本実施形態に係る電気化学キャパシタは、外部の駆動装置と接続され、一対の電圧を印加されて電荷を蓄積すると共に、短絡することでこの電荷を放出することができる。これらについては上記実施形態1と同様である。
ここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの動作について、推測の域を出ない部分もあるが説明する。まず、電気化学キャパシタに電荷を蓄積しようとする場合、外部の駆動電源に接続し、電圧を印加する。正電位を印加したキャパシタ電極側には正の電荷が蓄積し、これと接する電解液側には負イオンが対峙する構造を取る。すなわち、貴金属層5と電解液界面において電気二重層が形成され、電荷が蓄積される。一方、もう一方の負電位を印加キャパシタ電極側には負の電荷が蓄積し、これと接する電解液側には正イオンが対峙する構造を取る。以上の反応により一方の貴金属層表面には正電荷が蓄積され、もう一方の貴金属層表面には負電荷が蓄積されるという充電のプロセスが進行する。本実施形態の電気化学キャパシタは電気二重層を利用して電荷を蓄えるので、電気二重層キャパシタに分類される。しかる後に、外部電源との接続を断ち切り、一対のキャパシタ電極を短絡すると、正の電荷が蓄積されたキャパシタ電極から負の電荷が蓄積されたキャパシタ電極に向かって電流が流れる。外部回路の途中に何らかのデバイスを接続すれば、デバイスが作動することになる。本実施形態に係る電気化学キャパシタでは、コバルトナノ構造物が形成する大きな表面積のために充放電に利用される電荷量が大きくなり、結果として充放電容量の大きな電気化学キャパシタを形成することができる。
以上、本実施形態に係る電気化学キャパシタは、電極上にコバルトナノ構造体を配置し、その上に貴金属層を設けることで、実質的な電極面積を拡大することができ、より多くの電荷量を蓄積・放電することができるため、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタとすることができる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図4に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物に貴金属層5を形成する工程S2、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、は実施形態1と同様であるためこの説明は省略する。
コバルトナノ構造物に貴金属層5を形成する工程S2としては、達成できる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば蒸着、塗布、電解あるいは無電解メッキ、スパッタリングを例示することができ、均一にコバルトナノ構造物を被覆するという観点からは蒸着あるいはスパッタリング法が好ましい。
以上、本実施形態により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態3)
図5に、本実施形態に係るキャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ13は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物3と、コバルトナノ構造物3を覆うよう配置される貴金属層5と、更に貴金属層を覆うよう配置される導電性ポリマー層6と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、コバルトナノ構造物3、電解液4については実施形態1と同様であり、貴金属層5については実施形態2と同様であるため説明は省略する。
また本実施形態に係る導電性ポリマー6は、電気化学的に可逆な酸化還元反応(あるいはドーピング・脱ドーピング反応)を示すポリマー材料であって、材質としては限定されるわけではないが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリインドール及びそれらの誘導体を挙げることができ、製膜の簡便性、電気化学的あるいは化学的安定性、酸化還元の可逆性などの観点からはポリピロール及びその誘導体であることがより好ましい。また本実施形態に係る導電性ポリマーの膜の厚さとしては、コバルトナノ構造物の間隙を埋め、実効的な表面積を著しく低減してしまわない限りにおいて限定されるわけではないが、1nm以上10μm以下であることが好ましく、10nm以上1μm以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、外部の駆動装置と接続され、一対の電圧を印加されて電荷を蓄積すると共に、短絡することでこの電荷を放出することができる。これらについては上記実施形態1と同様である。
ここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの動作について、推測の域を出ない部分もあるが説明する。まず、電気化学キャパシタに電荷を蓄積しようとする場合、外部の駆動電源に接続し、電圧を印加する。正電位を印加したキャパシタ電極側の導電性ポリマーは酸化され、導電性ポリマー内部には正の電荷が蓄積し、この電荷を補償するように電解液中の負イオンが導電性ポリマーに侵入する(ドーピングという)。一方、もう一方の負電位を印加したキャパシタ電極側では、ポリピロール膜が還元され、ポリマー膜中に存在していた正の電荷が中和される。そして、その正電荷とバランスを取るために膜内に存在した負イオンは膜から放出される(脱ドーピングという)。以上の反応により一方の導電性ポリマー中には電荷が蓄積され、もう一方のポリマーからは電荷が消失するという充電のプロセスが進行する。本実施形態の電気化学キャパシタは導電性ポリマーの酸化還元反応(レドックス反応)を利用して電荷を蓄えるので、レドックスキャパシタに分類される。しかる後に、外部電源との接続を断ち切り、一対のキャパシタ電極を短絡すると、正の電荷が蓄積されたキャパシタ電極から正の電荷のないキャパシタ電極に向かって電流が流れる。外部回路の途中に何らかのデバイスを接続すれば、デバイスが作動することになる。本実施形態に係る電気化学キャパシタでは、コバルトナノ構造物が形成する大きな表面積のためにそれを被覆する導電性ポリマー層の実効的な面積も大きくなるので充放電に利用される電荷量が大きくなり、結果として充放電容量の大きな電気化学キャパシタを形成することができる。
以上、本実施形態に係る電気化学キャパシタは、電極上にコバルトナノ構造体を配置し、その上に貴金属層及び導電性ポリマー層を設けることで、実効的な表面積が増大し、また、導電性ポリマーのバルクの酸化還元反応を利用できるため、より安定的な挙動を示し、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタとすることができる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図6に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物に貴金属層5を形成する工程S2、貴金属層5を覆う導電性ポリマーを形成する工程S3と、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1は実施形態1と同様であり、コバルトナノ構造物に貴金属層5を形成する工程S2は実施形態2と同様であるためこの説明は省略する。
貴金属層5を覆う導電性ポリマー6を形成する工程S3としては、限定されるわけではないが、支持電解質及び導電性ポリマー前駆体であるモノマーを含有する電解液に酸化コバルトナノ構造物が形成された電極を浸し、電解重合すること、溶媒に溶解あるいは分散された導電性ポリマー溶液を塗布すること、コバルトナノ構造物3の上に酸化剤を塗布し、しかる後にモノマーを導入して、コバルトナノ構造物3の上で化学重合を行うこと、導電性ポリマーを真空蒸着し、コバルトナノ構造物3の上に堆積すること等を挙げることができる。
電解重合をおこなう場合において使用する電解液の溶媒としては、上記支持電解質及び導電性モノマーを保持できる限りにおいて限定されるわけではないが水、有機溶媒であることが好ましく、モノマーを十分に溶解させる観点からは有機溶媒であることがより好ましい。なお有機溶媒の場合、特に限定されるわけではないが、例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、γ―ブチロラクトンを好適に採用することができる。
またここで支持電解質とは、溶媒に可溶であり、溶媒中で電離する限りにおいて限定されるわけではないが、有機溶媒で使用する場合には、陽イオンとして、テトラアルキルアンモニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、陰イオンとしては、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオンを含む電解質を挙げることができ、溶解性の観点から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオンのテトラアルキルアンモニウム塩がより好ましい。水を溶媒とする場合には、例えばLiCl、LiBr、LiSO、LiOH、LiClO、NaCl、NaBr、NaSO、NaOH、NaClO、KCl、KBr、KSO、KOH、KClO、(CNOH及びそれらの水和物を挙げることができる。また電解液に添加する支持電解質の量としては、上記機能を達成できる限りにおいて限定されるわけではないが、電解液100重量部に対して0.01重量部以上300重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以上40重量部であることがより好ましい。
またここで用いられる導電性ポリマー前駆体となるモノマーとしては、電解重合により導電性ポリマーとなるものであればよく、限定されるわけではないが、例えばポリピロールを形成するためにはピロールであることが好ましく、ポリアニリンである場合はアニリン、ポリアセンの場合はアセン、ポリチオフェンの場合はチオフェンあるいはチオフェンオリゴマーであることは好ましい態様である。
電解重合における電位の値としては、上記のとおり導電性ポリマーを形成することができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば参照電極にSCEを用いた場合には、電極に0V〜5V vs.SCEの電位を印加することが好ましく、より好ましくは0.5V〜2V vs.SCEの電位範囲である。また電解重合の温度としては、限定されるわけではないが、−10℃以上100℃以下であることが好ましく、0℃以上40℃以下であることがより好ましい。また電解重合の時間としては、限定されるわけではないが、上記好ましい電圧範囲であれば1秒以上10時間以下であることが好ましく、より好ましくは2秒以上1時間以下である。
以上、本実施形態により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態4)
図7に、本実施形態に係るキャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ14は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物3と、コバルトナノ構造物3を覆うよう配置される導電性ポリマー層6’と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、コバルトナノ構造物3、電解液4については実施形態1と同様であるため説明は省略する。また、導電性ポリマー層6’については、実施形態3における導電性ポリマー6とほぼ同様であるため構成についての説明は省略する。
ここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの動作について、推測の域を出ない部分もあるが説明する。まず、電気化学キャパシタに電荷を蓄積しようとする場合、外部の駆動電源に接続し、電圧を印加する。正電位を印加したキャパシタ電極側の導電性ポリマーは酸化され、導電性ポリマー内部には正の電荷が蓄積し、この電荷を補償するように電解液中の負イオンが導電性ポリマーに侵入する(ドーピングという)。一方、もう一方の負電位を印加したキャパシタ電極側では、ポリピロール膜が還元され、ポリマー膜中に存在していた正の電荷が中和される。そして、その正電荷とバランスを取るために膜内に存在した負イオンは膜から放出される(脱ドーピングという)。以上の反応により一方の導電性ポリマー中には電荷が蓄積され、もう一方のポリマーからは電荷が消失するという充電のプロセスが進行する。本実施形態の電気化学キャパシタは導電性ポリマーの酸化還元反応(レドックス反応)を利用して電荷を蓄えるので、レドックスキャパシタに分類される。しかる後に、外部電源との接続を断ち切り、一対のキャパシタ電極を短絡すると、正の電荷が蓄積されたキャパシタ電極から正の電荷のないキャパシタ電極に向かって電流が流れる。外部回路の途中に何らかのデバイスを接続すれば、デバイスが作動することになる。本実施形態に係る電気化学キャパシタでは、コバルトナノ構造物が形成する大きな表面積のためにそれを被覆する導電性ポリマー層の実効的な面積も大きくなるので充放電に利用される電荷量が大きくなり、結果として充放電容量の大きな電気化学キャパシタを形成することができる。
以上、本実施形態に係る電気化学キャパシタは、電極上にコバルトナノ構造体を配置し、その上に貴金属層及び導電性ポリマー層を設けることで、実効的な表面積が増大し、また、導電性ポリマーのバルクの酸化還元反応を利用できるため、より安定的な挙動を示し、より高エネルギーかつ高出力の電気化学キャパシタとすることができる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図8に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物に導電性ポリマー6’を形成する工程S3’、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1は実施形態1と同様であるためこの説明は省略する。ただし、コバルトナノ構造物に導電性ポリマー6’を形成する工程S3’については注意しなければならない。塗布法、化学重合法及び真空蒸着法を用いる限りにおいては実施形態3とほぼ同様であるが、電解重合法を用いる場合、電解重合の間にコバルトナノ構造物が破壊されるおそれがあるので、その破壊電位よりもより低い電解重合電位を持つモノマーを原料として導電性ポリマーの重合を行うことが極めて好ましい。
以上、本実施形態により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態5)
図9に、本実施形態に係る電気化学キャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ15は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成される酸化コバルトナノ構造物7と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、電解液4については実施形態1と同様であるため説明は省略する。
本実施形態に係る酸化コバルトナノ構造物は、コバルトナノ構造物を酸化させたものである。本実施形態に係る酸化コバルトナノ構造物は、酸化コバルトナノワイヤー、酸化コバルトナノデンドライト、ポーラス酸化コバルト、酸化コバルトナノ・マイクロビーズ等を例示することができ、より大きな実表面積を形成できるという観点からは酸化コバルトナノワイヤーであることがより好ましい。なお酸化コバルトナノワイヤーの場合、特に四三酸化コバルトナノワイヤーであることは繰り返し酸化還元特性に優れるという観点からより好ましい。酸化コバルトナノ構造物の形成される量としては、十分な実表面積が得られる限りにおいて限定されず、例えば14μg/cm以上2g/cm以下であること好ましく、より好ましくは70μg/cm以上700mg/cm以下である。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、酸化コバルトナノ構造物とすることで、実施形態1における酸化されていないコバルトナノ構造物に対し、機械的強度に優れるといった効果を有し、機械的耐久性のより高い電気化学キャパシタとなる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図10に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1等は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
コバルトナノ構造物を酸化する工程S4は、限定されるわけではないが、例えば熱酸化、陽極酸化であることが好ましい。ここで熱酸化とは、高温の炉において酸素ガスやスチーム雰囲気中で金属と酸素を化学反応させ、酸化膜を成長させる手法をいう。熱酸化において好ましい温度範囲としては、採用するコバルトナノ構造物の形態によって適宜調整可能であるが、50℃以上1000℃以下であることが好ましく、より好ましくは100℃以上700℃以下である。またコバルトナノワイヤーを採用する場合、400℃以上800℃以下であることが好ましく、400℃以上600℃以下であることがより好ましい。コバルトナノワイヤーの場合、400℃以上とすることで十分に酸化コバルトナノワイヤーとすることが可能となり、コバルトナノデンドライトの場合、300℃以上とすることで十分に酸化コバルトナノデンドライトとすることができる。またコバルトナノワイヤーの場合600℃以下とすることで工業上、基板として多用される透明導電性ガラス基板を用いることが可能となり、コバルトナノデンドライトの場合も600℃以下とすることで透明導電性ガラス基板を用いることが可能となる。
以上、本実施形態により、より機械的強度に優れた電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態6)
図11に、本実施形態に係る電気化学キャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ16は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成される酸化コバルトナノ構造物7と、酸化コバルトナノ構造物7を覆うように配置される貴金属層5と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、電解液4については実施形態1と同様であり、貴金属層5の構成については実施形態2と同様であり、酸化コバルトナノ構造物7については実施形態5と同様であり、説明は省略する。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、酸化コバルトナノ構造物とし、その上にさらに貴金属層を配置することで、機械的強度に優れ、かつ大きな実表面積を有する電気二重層キャパシタとなる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図12に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4、酸化コバルトナノ構造物7を覆う貴金属層5を形成する工程S5、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1は実施形態1と、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4は実施形態5と同様であるため説明は省略する。酸化コバルトナノ構造物7を覆う貴金属層5を形成する工程S5は、実施形態2におけるコバルトナノ構造物5を形成する工程S2と下地となる材料が異なるだけでほぼ同じである。
以上、本実施形態により、機械的強度に優れ、かつ大きな実表面積を有する電気二重層キャパシタを提供することができる。
(実施形態7)
図13に、本実施形態に係る電気化学キャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ17は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成される酸化コバルトナノ構造物7と、酸化コバルトナノ構造物7を覆うように配置される貴金属層5と、貴金属層5を覆うように配置される導電性ポリマー層6と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、電解液4については実施形態1と同様であり、貴金属層5の構成については実施形態6と、導電性ポリマー7の構成については実施形態3と同様であり、酸化コバルトナノ構造物7については実施形態5と同様であり、説明は省略する。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、酸化コバルトナノ構造物とし、その上にさらに貴金属層、更には導電性ポリマー層を設けることで、実施形態5における酸化コバルトナノ構造物が形成されたに電気キャパシタに比べ、更に導電性ポリマーの持つ大きな蓄電・放電特性を利用できるといった効果を有し、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタとなる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図14に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4、酸化コバルトナノ構造物7を覆う貴金属層5を形成する工程S5、貴金属層5を覆う導電性ポリマーを形成する工程S3、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1は実施形態1と、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4は実施形態5と同様であるため説明は省略する。
以上、本実施形態により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施形態8)
図15に、本実施形態に係る電気化学キャパシタの断面概略図を示す。本実施形態に係る電気化学キャパシタ18は、対向する一対の電極2a、2bと、一対の電極の少なくとも一方に形成される酸化コバルトナノ構造物7と、酸化コバルトナノ構造物7を覆うように配置される導電性ポリマー層6と、一対の電極の間に充填される電解液4と、を有することを特徴の一つとする。以下、本実施形態に係る電気化学キャパシタについて説明するが、対向する一対の電極2a、2b、電解液4については実施形態1と同様であり、導電性ポリマー層6の構成については実施形態2と同様であり、酸化コバルトナノ構造物7については実施形態3と同様であり、説明は省略する。
本実施形態に係る電気化学キャパシタは、酸化コバルトナノ構造物とし、その上に導電性ポリマー層を配置することで、実施形態5における酸化コバルトナノ構造物が形成されたに電気キャパシタに比べ、更に導電性ポリマーの持つ大きな蓄電・放電特性を利用できるといった効果を有し、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタとなる。
またここで、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法について図面を用いて説明する。図16に本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造工程の概略を示す。本図で示すとおり、本実施形態に係る電気化学キャパシタの製造方法は、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1、コバルトナノ構造物を酸化する工程S4、酸化コバルトナノ構造物7を覆う導電性ポリマーを形成する工程S6、を有する。なお本実施形態において、一対の電極の少なくとも一方の電極上にコバルトナノ構造物3を形成する工程S1は実施形態1と、コバルトナノ構造物を酸化する工程は実施形態5と、同様であるため説明は省略する。
酸化コバルトナノ構造物7を覆う導電性ポリマー6を形成する工程S6は、実施形態3におけるコバルトナノ構造物3を覆う貴金属層5の表面に導電性ポリマー6を形成する工程S2と下地となる材料が異なるだけでほぼ同じである。なお、酸化コバルトは導電性ポリマーを電解重合法で形成する場合にも破壊を受けないので、実施例4で述べたようなモノマーの制限はない。
以上、本実施形態により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
以下、上記実施形態において説明した電気化学キャパシタ電極について、実際に作成し、その効果を確認した。以下に説明する。
(実施例1)
本実施例では、上記実施形態1に係る電気化学キャパシタ電極を実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。
まず基板として、10mm×25mmのガラス基板を用い、この基板の前面にITOを0.2μmの厚さで形成した(以下ITOが形成されたガラス基板を「ITOガラス基板」という。)。
次に、電解還元反応を行った。電解還元反応は、本図で示すとおり、ITOガラス基板電極と白金板とSCE(飽和カロメル参照電極)とを有する電解用ガラスセルにおいて、主室に水20ml、コバルト錯体(ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物([Co(NH]Cl))0.10g、支持電解質として硫酸リチウムの一水和物を0.26g入れ、18℃においてITO電極に−1.03V vs.SCEの電位を10分間印加した。この結果、コバルトナノワイヤーが191μg/cm析出した。このコバルトナノワイヤーの顕微鏡写真を図17に示す。
次に、上記のコバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質である水酸化リチウムを0.048g溶解した水20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を評価した。電気的特性は、定電流充放電特性測定で評価した。なお定電流充放電特性測定は、電気化学キャパシタのITO、白金板、及びSCEをそれぞれ外部電源(ALS Japan社製モデル750A)の動作極端子、対向極端子、及び参照極端子に接続し、典型的には0.5mA/cmの一定電流を流したときの電位を測定することで評価した。この結果を図18に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは、静電容量310F/g、エネルギー密度43kJ/kg、パワー密度3300W/kg、作動電圧0.5Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例2)
本実施例では、上記実施形態2に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお、基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、199μg/cmであった。
次に、真空蒸着法(真空度5×10−3パスカルの条件下)で、このコバルトナノワイヤーを覆う貴金属層を作成した。貴金属としては金を用いた。真空蒸着機チャンバー内部に設置してある水晶振動子膜厚モニターセンサーにより、コバルトナノワイヤーを覆う金は40nmの厚さで積層していることを確認した。この顕微鏡写真を図19に示す。
次に、上記のコバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質である水酸化リチウムを0.048g溶解した水20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を上記実施例1と同様な方法により評価した。この結果を図20に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは、静電容量110F/g、エネルギー密度14kJ/kg、パワー密度1900W/kg、作動電圧0.43Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例3)
本実施例では、上記実施形態3に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお、基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、188μg/cmであった。
次に、実施例2と同様の方法で、このコバルトナノワイヤーを覆う貴金属層を作成した。貴金属としては金を用いた。この結果、コバルトナノワイヤーを覆う金は40nmの厚さで積層していることを確認した。
そしてさらに、上記実施例1で示した装置と同じ装置を用い、形成した金層の上に更に導電性ポリマーを形成した。なおこの場合において用いた電解液は、アセトニトリル
20mlに支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム塩(TBAP)を0.683g、導電性ポリマー前駆体モノマーとしてピロールを0.0134g入れ、電解重合することにより行った。電解重合の条件としては、室温下で基板電極であるITOガラス電極に参照電極であるSCEに対して1.15Vの電位を印加し、600mC/cmの電気量を通電した。この結果、導電性ポリマーが0.40mg/cm析出していることを確認した。この顕微鏡写真を図21に示す。
次に、上記のポリピロールと金で被覆されたコバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質であるTBAPを3.42g溶解したアセトニトリル
20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を上記実施例1と同様な方法により評価した。この結果を図22に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは、静電容量197F/g、エネルギー密度428kJ/kg、パワー密度8000W/kg、作動電圧1.6Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例4)
本実施例では、上記実施形態4に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお、基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、201μg/cmであった。
次に、電解重合法によりポリピロール膜を形成しようとしたが、アセトニトリル中でピロールの重合電位である1.15V vs.SCEに設定したところ、ピロールの重合とともにコバルトナノワイヤー構造が破壊される反応が生じ、ナノワイヤーをポリピロール薄膜で被覆することはできなかった。そこで、導電性ポリマーとしてアルドリッチジャパン(株)社製の導電性ポリマー分散液であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ブロック−ポリエチレングリコール溶液(ニトロメタン中に1重量%分散された溶液)を用い、コバルトナノワイヤー上に塗布することによって、コバルトナノワイヤー表面をポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ブロック−ポリエチレングリコールで被覆した。塗布は、塗布法の一手法であるディップコーティング法で行い、塗布・乾燥の工程を5回繰り返すことで300nmの厚みを有するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ブロック−ポリエチレングリコール被覆膜を得た。この顕微鏡写真を図23に示す。
次に、上記のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ブロック−ポリエチレングリコールで被覆されたコバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質であるTBAPを3.42g溶解したアセトニトリル
20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を上記実施例1と同様な方法により評価した。この結果を図24に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは静電容量142F/g、エネルギー密度349kJ/kg、パワー密度8000W/kg、作動電圧1.6Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例5)
本実施例では、上記実施形態5に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお本実施例では基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、198μg/cmであった。
次に、析出させたコバルトナノワイヤーを高温炉に入れ、600℃、大気雰囲気中で1時間熱酸化させることで、コバルトナノワイヤーを酸化させた。この結果、コバルトナノワイヤーは、四三酸化コバルトナノワイヤーに変化していることが確認できた。この場合におけるX線回折測定の結果を図25に示す。
次に、上記の酸化コバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質である水酸化リチウムを0.048g溶解した水20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を評価した。電気的特性は、上記実施形態1と同様の方法により行った。この結果を図26に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは、静電容量10F/g、エネルギー密度4kJ/kg、作動電圧1.0Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例6)
本実施例では、上記実施形態6に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお本実施例では基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。またコバルトナノワイヤーの酸化については実施例3と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、193μg/cmであり、酸化の結果、上記コバルトナノワイヤーは十分四三酸化コバルトナノワイヤーに変わっていた。
また本実施例において、酸化ナノコバルトワイヤーを覆う貴金属層の形成は、対象が酸化コバルトナノワイヤーに変わった以外は上記実施例2と同じ方法、同じ条件で行った。この結果、金層が40nmの厚さで積層していることを確認した。この試料表面の顕微鏡写真を図27に示す。
次に、上記の酸化コバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質である水酸化リチウムを0.048g溶解した水20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を評価した。電気的特性は、上記実施例1と同様の方法により行った。この結果を図28に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは静電容量37F/g、エネルギー密度6kJ/kg、作動電圧0.43Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例7)
本実施例では、上記実施形態7に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお本実施例では基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。またコバルトナノワイヤーの酸化については実施例3と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、189μg/cmであり、酸化の結果、上記コバルトナノワイヤーは十分四三酸化コバルトナノワイヤーに変わっていた。
また本実施例において、酸化ナノコバルトワイヤーを覆う貴金属層の形成は、対象が酸化コバルトナノワイヤーに変わった以外は上記実施例2と同じ方法、同じ条件で行った。この結果、金層が40nmの厚さで積層していることを確認した。
次に、貴金属層を覆うポリマー層の形成を実施例2と同様の方法で行った。この結果、ポリピロールが0.40mg/cm析出していることを確認した。この試料表面の顕微鏡写真を図29に示す。
次に、上記のポリピロールと金で被覆された酸化コバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質であるTBAPを3.42g溶解したアセトニトリル
20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を評価した。電気的特性は、上記実施例1と同様の方法により行った。この結果を図30に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは静電容量187F/g、エネルギー密度426kJ/kg、パワー密度8600W/kg、作動電圧1.6Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
(実施例8)
本実施例では、上記実施形態8に係る電気化学キャパシタを実際に作成することによりその効果を確認した。以下説明する。なお本実施例では基板は実施例1と同じものを使用し、コバルトナノワイヤーの作成においても実施例1と同様の方法、条件で行った。またコバルトナノワイヤーの酸化については実施例3と同様の方法、条件で行った。なお本実施例において析出したコバルトナノワイヤーは、194μg/cmであり、酸化の結果、上記コバルトナノワイヤーは十分に四三酸化コバルトナノワイヤーに変わっていた。
次に、下地層を貴金属層の代わりに酸化コバルトナノワイヤーとして実施例2と同様の方法、条件により導電性ポリマーを形成した。この結果、酸化コバルトナノワイヤーの上に0.40mg/cmのポリピロールが形成されていることを確認した。この試料表面の顕微鏡写真を図31に示す。
次に、上記のポリピロールで被覆された酸化コバルトナノワイヤーが形成されたITOガラス基板電極を、支持電解質であるTBAPを3.42g溶解したアセトニトリル
20mlに浸漬し、電気化学キャパシタ特性測定系を形成した。
次に、本実施例における電気化学キャパシタの電気的特性を評価した。電気的特性は、実施例1と同様の方法で評価した。この結果を図32に示す。
本図で示すように、本実施例に係る電気化学キャパシタは静電容量138F/g、エネルギー密度110kJ/kg、パワー密度2200W/kg、作動電圧1.0Vであった。
以上、本実施例により、より高エネルギー、高出力の電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することができることを確認した。
本発明は、以上の通り、電気化学キャパシタとしてバッテリーなどの製品に応用が可能であり産業上の利用可能性がある。
実施形態1に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態1に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態2に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態2に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態3に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態3に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態4に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態4に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態5に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態5に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態6に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態6に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態7に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態7に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施形態7に係る電気化学キャパシタの断面外略図である。 実施形態7に係る電気キャパシタの製造工程の概略を示す図である。 実施例1において得たコバルトナノワイヤーの顕微鏡写真を示す図である。 実施例1に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例2において得たコバルトナノワイヤーの顕微鏡写真を示す図である。 実施例2に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例3において得たコバルトナノワイヤーの顕微鏡写真を示す図である。 実施例3に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例4において得たコバルトナノワイヤーの顕微鏡写真を示す図である。 実施例4に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例5において得たX線回折測定結果を示す図である。 実施例5に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例6において得た試料表面の顕微鏡写真を示す図である。 実施例6に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例7において得た試料表面の顕微鏡写真を示す図である。 実施例7に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。 実施例8において得た試料表面の顕微鏡写真を示す図である。 実施例8に係る電気化学キャパシタの電気的特性を示す図である。

Claims (10)

  1. 対向する一対の電極と、
    前記一対の電極の少なくとも一方に形成されるコバルトナノ構造物と、
    前記一対の電極の間に充填される電解質水溶液と、を有するキャパシタ。
  2. 前記コバルトナノ構造物を覆う貴金属層又はカーボン層と、を有する請求項1記載のキャパシタ。
  3. 前記コバルトナノ構造物は、コバルトナノワイヤーを含む請求項1記載のキャパシタ。
  4. 前記貴金属層は、金、白金、パラジウム及びそれらの合金の少なくともいずれかを含む請求項に記載のキャパシタ。
  5. 前記電解液は、溶媒と、支持電解質と、を含む請求項に記載のキャパシタ。
  6. 前記電極は、基板と、前記基板上に形成される導電膜と、を有する請求項に記載のキャパシタ。
  7. 電極上にコバルトナノ構造物を形成するキャパシタの製造方法。
  8. 前記コバルトナノ構造物を貴金属層又はカーボン層で覆う請求項に記載のキャパシタの製造方法。
  9. 前記コバルトナノ構造物は、コバルトナノワイヤーを含む請求項に記載のキャパシタの製造方法。
  10. 前記貴金属層は、金、白金、パラジウム及びそれらの合金の少なくともいずれかを含む請求項に記載のキャパシタの製造方法。
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