JP5316040B2 - 鉛蓄電池用集電体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛または鉛合金の粉末を圧延することにより製造された粉末圧延シートから鉛蓄電池用集電体を製造する方法に関するものである。
アイドリング・ストップ方式を採用した自動車や、ハイブリットシステムを採用した自動車が実用化されている。またブレーキ・バイワイヤシステムを採用した自動車や、電気自動車の開発が進められている。これらの自動車に用いる鉛蓄電池は、高出力であることが望ましく、また大電流放電や高頻度の充電等の厳しい使用に耐える高い信頼性を有するとともに、高耐久性を有していることが望ましい。
鉛蓄電池においては、集電体に負極活物質を充填して構成した負極板と、集電体に正極活物質を充填して構成した正極板とをセパレータを介して積層して極板群を構成し、この極板群を電解液とともに電槽内のセル室に収容している。従来の鉛蓄電池では、集電体として、エキスパンド格子や鋳造格子が用いられていた。エキスパンド格子は、鋳造された鉛または鉛合金の板を圧延することにより得たシートをエキスパンド加工することにより製造される。鋳造格子は、鉛または鉛合金の溶湯を格子体鋳造用鋳型内に注入して冷却、固化することにより製造される。
鉛蓄電池の性能を向上させるためには、集電体の集電性能を向上させるとともに、耐食性を高める必要があるが、従来のエキスパンド格子や鋳造格子を用いた集電体では、集電性能や耐食性を向上させる上で限界があった。
上記の要求を満たす集電体材料として、ガスアトマイズ法により形成された鉛または鉛合金の微粉末を冷間で圧延して製造した粉末圧延シートが注目されている。粉末圧延シートは、微細な金属組織を有するため、集電体の材料として好適である。また粉末圧延シートは高い耐食性を有するため、同材料により集電体を形成することにより、従来より長寿命の鉛蓄電池を得ることが可能になる。
鉛または鉛合金の粉末圧延シートを用いて鉛蓄電池用集電体を製造する方法として、特許文献1に示されているように、圧延シートをエキスパンド加工することにより網目状の内骨部を有する集電体を製造する方法が提案されている。
特開2008−210685号公報(請求項8、段落0050及び図6)
鉛または鉛合金粉末を圧延することにより得られた粉末圧延シートは、集電体材料として優れた特性を有するが、延性が低いため、特許文献1で提案されているように、エキスパンド加工により集電体を製造しようとすると、加工の過程でシートが破断して不良品が生じる割合が高く、製品の歩留まりが悪くなるのを避けられない。
本発明の目的は、製品の歩留まりを低下させることなく、鉛または鉛合金の粉末圧延シートから鉛蓄電池用集電体を製造する方法を提案することにある。
本発明は、枠骨部と該枠骨部の内側に形成された内骨部とを有して、枠骨部の一部に外側に突出した集電用耳部が形成されている鉛蓄電池用集電体を、鉛または鉛合金の粉末を圧延して得た粉末圧延シートから製造する方法に係わるものである。
本発明においては、前記粉末圧延シートを打ち抜いて、製造しようとする集電体の枠骨部及び内骨部をそれぞれ形成するための枠骨形成部及び内骨形成部を有する予備加工品を形成する予備加工工程と、予備加工品に型鍛造(予備加工品を型内に拘束した状態で各部に力を加えて塑性変形を生じさせることにより、所定の形状に成形する加工)を施すことにより枠骨形成部及び内骨形成部をそれぞれ枠骨部及び内骨部の形に成形して予備加工品を集電体の形に成形する集電体成形工程とを行う。
上記のように、鉛または鉛合金の粉末を圧延して得た粉末圧延シートを打ち抜いて、製造しようとする集電体の枠骨部及び内骨部をそれぞれ形成するための枠骨形成部及び内骨形成部を有する予備加工品を形成した後に、該予備加工品を型鍛造して集電体を形成するようにすると、エキスパンド加工による場合のように粉末圧延シートが破断するのを防いで、集電体を歩留まりよく製造することができる。
また上記の方法によると、型鍛造により集電体の金属組織の微細度を向上させることができるため、集電体の集電性能及び機械的強度を高めることができる。
また本発明においては、上記集電体成形工程で、枠骨部成形過程と内骨部形成過程とを同時に行う。
ここで、枠骨部形成過程は、枠骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら枠骨形成部を型鍛造して、枠骨形成部を枠骨部の形に成形する過程である。
また内骨部形成過程は、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向寸法の拡大を許容しながら内骨形成部を構成している各骨部の厚み寸法を枠骨形成部の厚み寸法よりも小さくするように内骨形成部を型鍛造することにより、内骨形成部を構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部を構成している骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置させるとともに、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように、前記内骨形成部を塑性変形させて、前記内骨形成部を内骨部の形に成形する過程である。
なお本明細書においては、各骨部の、集電体の厚み方向に沿う方向を各骨部の厚み方向とし、各骨部の厚み方向及び長手方向の双方に対して直角な方向を各骨部の幅方向とする。
上記の方法によると、内骨部を構成する各骨部の厚み方向の両端が枠骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置するとともに、内骨部を構成する各骨部の幅方向の両端面が凸面をなす形状となる。内骨部を構成する各骨部をこのような形状にしておくと、集電体に活物質を充填した際に活物質中に埋設された内骨部の各骨部の凸面が活物質の脱落を妨げる作用をするため、活物質の保持性を高めることができ、活物質が集電体から早期に脱落して電池寿命が短くなるのを防ぐことができる。
本発明の好ましい態様では、枠骨部を、上下の横外骨部と左右の縦外骨部とを有して上側の横外骨部に集電用耳部が突設された略矩形状の形状とし、内骨部を、格子状または網目状の形状とする。
鉛蓄電池用集電体は、通常、上下の横外骨部と左右の縦外骨部とを有して上側の横外骨部に集電用耳部が突設された略矩形状の枠骨部と、枠骨部の内側に形成された格子状または網目状の内骨部とを備えた形状を有する。
このような形状の鉛蓄電池用集電体を、鉛または鉛合金の粉末を圧延することにより得た粉末圧延シートから製造する場合には、予備加工工程及び集電体成形工程を下記のように行うのが好ましい。
即ち、予備加工工程では、製造しようとする集電体よりも大きい厚み寸法を有する粉末圧延シートを打ち抜くことにより、枠骨部を形成するための矩形状の枠骨形成部と内骨部を形成するための格子状または網目状の内骨形成部とを備えた予備加工品を形成する。
また集電体成形工程では、上記予備加工品を型内に配置した状態で、枠骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら枠骨形成部を型鍛造して予備加工品の枠骨形成部を枠骨部の形に成形する枠骨部成形過程と、内骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら内骨形成部を構成している各骨部の厚み寸法を枠骨形成部の厚み寸法よりも小さくするように内骨形成部を型鍛造して内骨形成部を構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部の厚み方向の両端よりも内側に位置させた状態にするとともに、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように内骨形成部を構成している各骨部を塑性変形させて内骨形成部を内骨部の形に成形する内骨部成形過程とを同時に行うことにより予備加工品を集電体の形に成形する。
上記の各態様において、集電体への活物質保持性を良好にして、活物質の脱落を防止するためには、集電体成形工程で、内骨部を構成する各骨部の最終的な横断面形状を、菱形、楕円及び円の中から選択されたいずれかの形状とするように内骨部を成形するのが好ましい。
本発明によれば、鉛または鉛合金の粉末を圧延して得た粉末圧延シートを打ち抜いて、製造しようとする集電体の枠骨部及び内骨部をそれぞれ形成するための枠骨形成部及び内骨形成部を有する予備加工品を形成した後に、該予備加工品を型鍛造して集電体を形成するので、エキスパンド加工による場合のように粉末圧延シートが破断することがなく、集電体を歩留まりよく製造することができる。
また本発明によれば、型鍛造により集電体の金属組織の緻密度を向上させることができるため、集電体の集電性能及び機械的強度を高めることができる。
本発明において、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向寸法の拡大を許容しながら内骨形成部を構成している各骨部の厚み寸法を枠骨形成部の厚み寸法よりも小さくするように内骨形成部を型鍛造することにより、内骨形成部を構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部を構成している骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置させるとともに、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように内骨形成部を塑性変形させて、内骨形成部を内骨部の形に成形するようにした場合には、内骨部を構成する各骨部の厚み方向の両端が枠骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置するとともに、内骨部を構成する各骨部の幅方向の両端面が凸面をなす形状となって、集電体に活物質を充填した際に各骨部の凸面が活物質を保持する作用をするため、活物質の保持性を高めることができ、活物質が集電体から早期に脱落して電池寿命が短くなるのを防ぐことができる。
本発明の実施形態で用いる粉末圧延シートを製造する圧延装置の構成例を概略的に示した構成図である。 本発明の一実施形態において、粉末圧延シートをカットすることにより得られた矩形状の板を示した正面図である。 本発明の一実施形態において、図2に示した板を打ち抜くことにより形成した予備加工品を示した正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の一実施形態の方法により製造される集電体の形状を示した正面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 本発明の一実施形態において、予備加工品を金型の間に配置した状態を示した断面図である。 本発明の一実施形態において、上型を下型側に変位させて予備加工品を集電体の形に成形した状態を示した断面図である。 本発明の一実施形態において、上型を上方に変位させて、成形された集電体から上型を外した状態を示した断面図である。 本発明の一実施形態において製造された集電体の断面図である。 本発明の一実施形態において製造される集電体の変形例を示した断面図である。 本発明の一実施形態において製造される集電体の他の変形例を示した断面図である。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本実施形態では、鉛または鉛合金の微粉末を冷間で圧延して得た粉末圧延シートから、図5及び図6に示すような鉛蓄電池用集電体1を製造する。この集電体1は、上下の横外骨部1a,1bと左右の縦外骨部1c,1dとを有して上側の横外骨部1aに集電用耳部1eが突設された略矩形状の枠骨部1fと、枠骨部1fの内側で互いに交差した複数の縦内骨部1g及び複数の横内骨部1hを有する格子状の内骨部1iとからなっている。
集電体1に活物質を充填した後、該活物質が脱落するのを防ぐため、本実施形態で製造される集電体1においては、図6に示されているように、内骨部1iが、枠骨部1fの厚み寸法Tよりも小さい厚み寸法tを有していて、内骨部1iの厚み方向の両端1i1,1i1が、枠骨部1fの厚み方向の両端1f1,1f1よりも内側に配置されるとともに、各内骨部の幅方向の両端面が凸面をなすように、各内骨部の横断面の形状が設定されている。本実施形態では、各内骨部1g,1hの横断面の形状を、各内骨部の厚み方向の両端及び幅方向の両端にそれぞれ角部を有する菱形とすることにより、縦内骨部1gの幅方向の両端面1ga,1ga及び横内骨部1hの幅方向の両端面1ha,1haを凸面形状としている。
図1を参照すると、鉛合金の微粉末を圧延して粉末圧延シートを製造する圧延装置2の構成が概略的に示されている。同図において、3は鉛または鉛合金の微粉末Pを供給する第1のホッパ、4は第1のホッパ3の下方に配置されたベルトコンベアである。5はベルトコンベア4の出口側の端部の下方に配置された第2のホッパ、6a及び6bは第2のホッパ5の下方に配置されて第2のホッパ5から供給される粉末を圧延して粉末圧延シートSを形成する一対の圧延ローラ、7は形成された粉末圧延シートSを巻き取る巻取り機である。
図1に示された圧延装置により圧延シートを製造する際には、鉛または鉛合金の溶湯を霧状にしてガス中に噴霧することにより微粒子化するガスアトマイズ法により、鉛または鉛合金の微粉末Pを形成し、この微粉末を第1のホッパ3に供給する。この第1のホッパ内の微粉末をベルトコンベア4上に移行させて、ベルトコンベア4の上に厚さがほぼ均一な微粉末層P′を形成し、この微粉末層をベルトコンベア4により第2のホッパ5に向けて搬送する。そして、ベルトコンベア4の出口側の端部から微粉末層P′を第2のホッパ5に向けて流下させ、流下させた微粉末層を第2のホッパ5から圧延ローラ6a,6b間に供給して圧延する。このようにして微粉末を冷間で連続的に圧延することにより粉末圧延シートSを形成し、形成された圧延シートSを巻取り機7により巻き取る。本発明においては、製造しようとする集電体1よりも大きい厚み寸法を有する圧延シートSを集電体の原材料として用いる。
本実施形態に係わる鉛蓄電池用集電体の製造方法では、先ず製造しようとする集電体1よりも大きい厚み寸法を有する粉末圧延シートSをカットすることにより、図2に示すように、上下の横辺部11a′及び11b′と左右の縦辺部11c′及び11d′とを有する矩形状の板11′を形成する。次いで、この板を打ち抜くことにより、図3に示すように、上下の横外骨形成部11a,11bと、左右の縦外骨形成部11c,11dとを有して上側の横外骨形成部11aに耳部形成部11eが突設された略矩形状の枠骨形成部11fと、枠骨形成部11fの内側で交差している複数の縦内骨形成部11g及び複数の横内骨形成部11hを有する内骨形成部11iとを備えた予備加工品11を形成する予備加工工程を行う。ここで、枠骨形成部11fは最終的に集電体の枠骨部1fを形成する部分であり、内骨形成部11iは最終的に内骨部1iを形成する部分である。
図4に示されているように、予備加工品11の各部は、最終的に成形される集電体の各部よりも大きい厚み寸法を有している。
上記のように、予備加工品11を形成した後、この予備加工品を型鍛造して集電体1の形に成形する集電体成形工程を行う。この集電体成形工程では、図7に示したように、枠骨部1fを成形する型穴21aと内骨部1iを成形する型穴21bとノックアウトピン21cとを有する下型21の上に予備加工品11を保持した状態で、同じく枠骨部1fを成形する型穴22aと内骨部1iを成形する型穴22bとを有する上型22で予備成型品の各部を押して、図8に示すように、上型22を下型21に当接する位置まで変位させることにより、枠骨形成部11fを集電体の枠骨部1fの形に成形する枠骨部成形過程と、内骨形成部11iを集電体の内骨部1iの形に成形する内骨部成形過程とを同時に行わせて、予備加工品11を図5及び図6に示したような集電体1の形に成形する。
上記枠骨成形過程では、枠骨形成部11fを構成している各骨部(上下の横外骨形成部11a,11b及び左右の縦外骨形成部11c,11d)の幅寸法の拡大を許容しながら枠骨形成部11fを型鍛造して予備加工品11の枠骨形成部11fを集電体の枠骨部1fの形に成形する。
また内骨部成形過程では、内骨形成部11iを構成している縦内骨形成部11g及び横内骨形成部11hのそれぞれの幅寸法の拡大を許容しながら内骨形成部11iを型鍛造して、縦内骨形成部11g及び横内骨形成部11hの厚みを枠骨形成部11fの厚みよりも更に減少させていくことにより、内骨形成部11iを構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部11fを構成している各骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置させた状態にするとともに、縦内骨形成部11g及び横内骨形成部11hのそれぞれの幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように、縦内骨形成部11g及び横内骨形成部11hの横断面の形状を所定の形状(本実施形態では菱形)に変形させて、内骨形成部11iを集電体の内骨部1iの形に成形する。
上記のようにして集電体1を成形した後、図9に示したように上型22を上方に変位させて上型22を成形された集電体1から外し、次いでノックアウトピン21c,21cを上昇させて、図10に示すように、成形された集電体1を下型21から外す。
このようにして成形された集電体1においては、内骨部11iの厚み方向の両端1i1,1i1が、枠骨部1fの厚み方向の両端1f1,1f1よりも内側に位置した状態にある。また内骨部1iを構成する各縦内骨部1g及び横内骨部1hは、その横断面の輪郭形状が菱形を呈するように成形されるため、各縦内骨部1gの幅方向の両端面1ga,1ga及び横内骨部1hの幅方向の両端面1ha,1haは凸面形状を呈する。
上記のように、予備加工品11を型鍛造する際に、枠骨形成部11fの各骨部及び内骨形成部11iの各骨部の幅寸法の拡大を許容しながらそれぞれの厚みを減じて各骨部を塑性変形させるようにすると、粉末圧延シートを構成している金属粒子を流動させながら塑性変形させることができるため、金属粒子を覆っている酸化皮膜を破壊して金属粒子同士を強固に結合することができ、金属組織の微細度を向上させて集電体の機械的強度を高めることができる。
集電体において、内骨部を構成する各骨部の幅方向の両端面が、集電体の厚み方向と平行なフラットな面であると、集電体に活物質を充填した際に、内骨部を構成する各骨部の幅方向の両端面が活物質を保持する作用を殆どしないため、活物質が脱落し易く、電池寿命を短くするおそれがある。
これに対し、上記の実施形態のように、内骨部1iの厚み寸法tを枠骨部1fの厚み寸法Tよりも小さくして、内骨部を構成する各骨部の厚み方向の両端1i1,1i1を枠骨部1fの厚み方向の両端1f1,1f1よりも内側に位置させるとともに、内骨部を構成する各骨部の幅方向の両端面が凸面をなす形状としておくと、集電体1に活物質を充填した際に、活物質中に埋設された内骨部1iの各凸面が活物質を保持する作用をするため、活物質の保持性を高めることができ、活物質が集電体から早期に脱落して電池寿命が短くなるのを防ぐことができる。
上記の実施形態では、内骨部を構成する各骨部の横断面の形状を菱形としたが、内骨部を構成する各骨部は、その幅方向の両端面が凸面をなす形状を有していればよく、各骨部の横断面の形状は上記の例に限定されない。内骨部11iを構成する各骨部の横断面の形状は、例えば図11に示したように楕円形にしたり、図12に示すように円形にしたりすることができる。
上記の実施形態では、予備加工工程において、粉末圧延シートSを図2に示すように矩形状にカットした後に、図3に示す予備加工品11の形に打ち抜くとしたが、予備加工工程では、粉末圧延シートSを直接図3に示す予備加工品11の形に打ち抜くようにしてもよい。
上記の実施形態では、内骨部1iを格子状としたが、内骨部1iは、網目状の形状または、集電性を向上させることができる任意の異形状を有するものでもよい。
1 集電体
1a,1b 横外骨部
1c,1d 縦外骨部
1e 集電用耳部
1f 枠骨部
1g 縦内骨部
1h 横内骨部
1i 内骨部
11 予備加工品
11a,11b 横外骨形成部
11c,11d 縦外骨形成部
11e 耳部形成部
11f 枠骨形成部
11g 縦内骨形成部
11h 横内骨形成部
11i 内骨形成部
21 下型
22 上型

Claims (4)

  1. 枠骨部と該枠骨部の内側に形成された内骨部とを有して、前記枠骨部の一部に外側に突出した集電用耳部が形成されている鉛蓄電池用集電体を、鉛または鉛合金の粉末を圧延して得た粉末圧延シートから製造する鉛蓄電池用集電体の製造方法であって、
    前記粉末圧延シートを打ち抜いて、製造しようとする集電体の枠骨部及び内骨部をそれぞれ形成するための枠骨形成部及び内骨形成部を有する予備加工品を形成する予備加工工程と、
    前記枠骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら前記枠骨形成部を型鍛造して、前記枠骨形成部を枠骨部の形に成形する枠骨部成形過程と、前記内骨形成部を構成している各骨部の幅方向寸法の拡大を許容しながら前記内骨形成部を構成している各骨部の厚み寸法を枠骨形成部の厚み寸法よりも小さくしていくように前記内骨形成部を型鍛造することにより、内骨形成部を構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部を構成している骨部の厚み方向の両端よりも内側に位置させた状態にするとともに、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように、前記内骨形成部を塑性変形させて、前記内骨形成部を内骨部の形に成形する内骨部成形過程とを同時に行って、前記予備加工品に型鍛造を施すことにより前記枠骨形成部及び内骨形成部をそれぞれ前記枠骨部及び内骨部の形に成形して前記予備加工品を前記集電体の形に成形する集電体成形工程と、
    を行うことを特徴とする鉛蓄電池用集電体の製造方法。
  2. 記枠骨部は、上下の横外骨部と左右の縦外骨部とを有して上側の横外骨部に集電用耳部が突設された略矩形状の形状とし、前記内骨部は、格子状または網目状の形状とする請求項1に記載の鉛蓄電池用集電体の製造方法。
  3. 上下の横外骨部と左右の縦外骨部とを有して上側の横外骨部に集電用耳部が突設された略矩形状の枠骨部と、前記枠骨部の内側に形成された格子状または網目状の内骨部とを備えた鉛蓄電池用集電体を、鉛または鉛合金の粉末を圧延することにより得た粉末圧延シートから製造する方法であって、
    製造しようとする集電体よりも大きい厚み寸法を有する前記粉末圧延シートを打ち抜くことにより、前記枠骨部を形成するための矩形状の枠骨形成部と前記内骨部を形成するための格子状または網目状の内骨形成部とを備えた予備加工品を形成する予備加工工程と、 前記予備加工品を型内に配置した状態で、前記枠骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら前記枠骨形成部を型鍛造して前記予備加工品の枠骨形成部を枠骨部の形に成形する枠骨部成形過程と、前記内骨形成部を構成している各骨部の幅寸法の拡大を許容しながら前記内骨形成部を構成している各骨部の厚み寸法を枠骨形成部の厚み寸法よりも小さくしていくように前記内骨形成部を型鍛造して内骨形成部を構成している各骨部の厚み方向の両端を枠骨形成部の厚み方向の両端よりも内側に位置させた状態にするとともに、内骨形成部を構成している各骨部の幅方向の両端面の形状を凸面形状とするように内骨形成部を構成している各骨部を塑性変形させることにより前記内骨形成部を内骨部の形に成形する内骨部成形過程とを同時に行うことにより前記予備加工品を前記集電体の形に成形する集電体成形工程と、
    を行うことを特徴とする鉛蓄電池用集電体の製造方法。
  4. 前記集電体成形工程では、内骨部を構成する各骨部の最終的な横断面形状を、菱形、楕円及び円の中から選択されたいずれかの形状とするように内骨部を成形する請求項1,2または3に記載の鉛蓄電池用集電体の製造方法。
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