JP5315407B2 - ねじ - Google Patents

Description

本発明は、ねじに関し、特に、応力検出構造を有するねじに関する。

ねじは、２つのワークを分離させないように一体に締め付けることに用いられる汎用ツールである。ねじの選別は、精密科学技術分野において、極めて重要である。例としては、飛行機や列車の二つの外板の間で、ねじによる締付固定を要する箇所がよくあり、この場合、どのようなねじを選別してどのぐらいの応力を受けさせるかは、設計者の能力を十分に試すことになる。

特開平６−２２１３１５号公報 米国特許第４８２３６０６号明細書

しかしながら、最初の設計時、テストに合格したにもかかわらず、その後の使用において、例えば、部材の劣化による錆びや金属の疲労等、客観条件が変化した後、安全に適用可能であることは保証できない。
そのため、前記問題を解決するように、本発明は、応力検出構造を有するねじを提供する。

本発明の一態様の応力検出構造を有するねじは、ねじ本体と、同軸ねじ部材と、応力検出部材と、を備える。ねじ本体は、軸心に中空ねじ穴を有する。同軸ねじ部材は、ねじ本体と同軸になるように、中空ねじ穴に締め付けられて固定されることに用いられる。同軸ねじ部材は、円筒部と、２つのねじ締付部と、を含む。２つのねじ締付部は、中空ねじ穴に締め付けられるように中空ねじ穴と噛み合ってねじ本体に加えられた応力を受けるように、円筒部の両端にあり、その１つは、溝を有する。応力検出部材は、円筒部に設けられ、ねじ本体が受けた応力を検出し、その応力の信号を溝に配置される信号線で伝送する。
また、ねじ本体は、頭部と、ねじ部と、を有する。溝を有するねじ締付部は、内側縁で頭部の底端に位置合わせされ、溝を有さないねじ締付部は、外側縁でねじ部の底端に位置合わせされる。

また、他の態様によると、応力検出構造を有するねじは、円筒部の表面が凹んだ部分が、応力検出部材を搭載する搭載場所として形成されている。また、溝を有するねじ締付部は、頂面が凹んで、深さがねじ締付部の厚さの半分以下である内六角駆動溝を形成する。

これによって、本発明による応力検出構造を有するねじは、ねじによる結合を要する２つのワークの間の各種の応力状態を効果的に検出し、ひいては監視することが可能となる。

本発明の一実施形態によるねじの構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるねじの断面図である。 本発明の一実施形態による同軸ねじ部材の構造を示す模式図である。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
（一実施形態）
本発明の一実施形態による応力検出構造を有するねじの構造を示す模式図である図１と図１の断面図である図２をともに参照する。
図１において、ねじ１００は、ねじ本体１１０と、同軸ねじ部材１２０と、応力検出部材１３０と、を備える。ねじ本体１１０の外観としては、例えば、図１に示した六角ねじのような各種の従来のねじであってよい。応力検出部材１３０は、市販されている各種のひずみゲージであってよい。ねじ本体１１０の軸心は、中空ねじ穴１１１を有する。同軸ねじ部材１２０は、ねじ本体１１０と同軸になるように、中空ねじ穴１１１に締め付けられて固定することに用いられる。同軸ねじ部材１２０は、円筒部１２１と、２つのねじ締付部１２２と、を含む。２つのねじ締付部１２２は、中空ねじ穴１１１に締め付けられるように、中空ねじ穴１１１と噛み合ってねじ本体１１０に加えられた応力を受けるように、円筒部１２１の両端にある。つまり、ねじ本体１１０が使用されて、ねじり力、剪断応力又は２つのワークの相互引張による作用力等のような応力を受ける場合、２つのねじ締付部１２２は、この応力を円筒部１２１に加える。この場合、応力検出部材１３０は、円筒部１２１にあるため、ねじ本体１１０に加えられた上記のような応力を間接的に検出可能となる。

図１に示した同軸ねじ部材１２０の構造を示す模式図である図３を更に参照する。
図３において、２つのねじ締付部１２２の一方は、溝１２３を有する。円筒部１２１における応力検出部材１３０は、受けた応力の信号を溝１２３に配置される信号線１３１で伝送することができる。また、応力検出部材１３０を搭載するように、円筒部１２１の表面を凹ませて搭載場所１２４を形成してもよい。なお、図３を例として、２つのねじ締付部１２２のうち、溝１２３を有するのは、一般的に、ねじ本体１１０の頂面に近い方である。溝１２３を有するねじ締付部１２２の頂面は、例えば、ソケットスパナで駆動できるように、外六角駆動ブロックを有したり、六角スパナで駆動できるように、図３に示すように凹んで内六角駆動溝１２５を形成したりするように、多角形の凸部又は凹部を有するように設計してもよい。ねじ本体１１０の応力を伝達するねじ締付部１２２の物理性質に影響しないように、内六角駆動溝１２５の深さは、内六角駆動溝１２５が形成されるねじ締付部１２２の厚さの半分以下であることが好ましいことに留意するべきである。

同様に、同軸ねじ部材１２０がねじ本体１１０における応力をより指標的に反映可能となるように、同軸ねじ部材１２０が中空ねじ穴１１１に締め込まれる位置を、深く考慮する必要もある。図２を例として、ねじ本体１１０は、頭部１１２と、ねじ部１１３と、を有し、２つのねじ締付部１２２のうち、溝１２３を有するもの、即ち、頭部１１２に近いねじ締付部１２２は、内側縁で頭部１１２の底端に位置合わせされる。また、２つのねじ締付部１２２のうち、溝１２３を有さないねじ締付部１２２は、外側縁でねじ部１１３の底端に位置合わせされる。これによって、ねじ本体１１０の受けた応力は、その具体的な位置を問わず、２つのねじ締付部１２２を介して円筒部１２１に指標的に伝送可能となる。

具体的な応用において、２枚の鋼板の間に元々１５本の大きいねじを締め付ける必要がある場合を例とすると、１６のねじロック位置の設計に変更して、本実施形態によるねじ１００をその１つに締め付けてよいし、あるいは１５のねじロック位置の設計を維持して、元のねじの１つの代わりに本実施形態によるねじ１００を利用してもよいことに留意すべきである。これによって、動的状況において、応力検出部材１３０によってねじの動作状態を具体的に監視する効果を達成することができる。

一方、特許文献１と比べて、本実施形態によるねじ１００は、ねじ本体１１０および同軸ねじ部材１２０が、同心軸にあり、構造における質量偏心による負の効果はない。なお、特許文献２と比べて、本実施形態によるねじ１００は、同軸ねじ部材１２０における２つのねじ締付部１２２のうち、溝を有さないものが、ねじ本体１１０に深く突っ込んでいる。つまり、ねじによって２つのワークが結合された後、２つのワークの間に水平変位する応力を受けると、特許文献２による構造は、この応力を検出することができないのに対し、本実施形態によるねじ１００は、ねじ本体１１０の各部の受けた、剪断応力と、遠心力とを含む各種の応力を忠実に現すことができる。

本発明を実施形態により前述の通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない限り、多様な変更や修正を加えることができる。従って、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。

１００・・・ねじ
１１０・・・ねじ本体
１１１・・・中空ねじ穴
１１２・・・頭部
１１３・・・ねじ部
１２０・・・同軸ねじ部材
１２１・・・円筒部
１２２・・・ねじ締付部
１２３・・・溝
１２４・・・搭載場所
１２５・・・内六角駆動溝
１３０・・・応力検出部材
１３１・・・信号線

Claims (4)

1. 応力検出構造を有するねじであって、
   軸心に中空ねじ穴を有するねじ本体と、
   円筒部、および、前記中空ねじ穴に締め付けられるように前記中空ねじ穴と噛み合って前記ねじ本体に加えられた応力を受けるように前記円筒部の両端にあり、一方に溝を有する２つのねじ締付部を有し、前記ねじ本体と同軸になるように、前記中空ねじ穴にねじ締め付けられて固定されることに用いられる同軸ねじ部材と、
   前記円筒部に設けられ、前記ねじ本体が受けた応力を検出し、当該応力の信号を前記溝に配置される信号線で伝送する応力検出部材と、
   を備え、
   前記ねじ本体は、頭部、および、ねじ部を有し、
   前記溝を有する前記ねじ締付部は、内側縁で前記頭部の底端に位置合わせされ、
   前記溝を有さない前記ねじ締付部は、外側縁で前記ねじ部の底端に位置合わせされることを特徴とするねじ。
2. 前記円筒部は、当該円筒部の表面が凹んだ部分が、前記応力検出部材を搭載する搭載場所として形成されることを特徴とする請求項１に記載のねじ。
3. 前記溝を有する前記ねじ締付部の頂面には、内六角駆動溝が凹んで形成されることを特徴とする請求項１に記載のねじ。
4. 前記内六角駆動溝の深さは、当該内六角駆動溝が位置する前記ねじ締付部の厚さの半分以下であることを特徴とする請求項３に記載のねじ。

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