JP5315082B2 - 成型体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は植物片又は植物粉が相互に固着されてなる成型体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、植物片又は植物粉の少なくとも一部として埋没木材を使用した成型体及びその製造方法に関する。
排出される建築用廃木材の再利用法として、又、間伐材及び製材時の端材等の有効利用法として、それらを粉砕して成型体とする方法が周知であるが、当該産業分野においては、建築用廃木材や端材等の量が増加するにつれ、成型に際して使用される合成接着剤の総量も大きくなっている。ところが、近年、地球環境に対する合成化学物質による汚染が問題となっていることもあり、合成接着剤の含有される成型体は、この環境保護の観点から、廃材となった際の更なる再利用が困難であり、棄却の際も、有害物質が出ないようにするために余分なコストがかかるようになっているという問題がある。
一方、尿素及びホルムアルデヒド樹脂を原料とするユリア樹脂、メラミン及びホルムアルデヒド樹脂を原料とするメラミン樹脂、フェノール及びホルムアルデヒド樹脂を原料とするフェノール樹脂等の合成接着剤には、成型体を住宅の内部に使用した場合に、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドを放散するために、健康障害上の問題点もあった。
そこで、合成接着剤を用いない、天然の素材のみにより原料を接着した成型体の研究が種々行われてきた。その結果、草本類、樹皮或いは竹等にはある程度の自己接着性が見出されたものの、木本類ではその自己接着性のみにより木質部分を成型し、接着剤を使用した場合と同等の成型体を製造することは困難であった。そのため、糖、デンプン又はこれらの混合物を結合用物質として、リグノセルロース物質の表面を該結合物質で予め被覆する処理を行った後に成型する蒸気接着方法及びその装置が開発された(特許文献1)。しかしながら、この方法においては、合成接着剤は使用しないものの、上記結合用物質を水溶液にして用いる場合は、リグノセルロース物質の表面を結合剤で被覆するために、炉内での高温乾燥という前処理を必要とし、又、リグノセルロース物質と上記結合用物質を直接混合する場合は、特定の密閉プレス内で生蒸気を作用させることが必要であり、共に簡便とは言い難い方法であるという難点があった。更に、接着剤又は結合剤を全く使用しない成型体の製造方法も開発されたが(特許文献2乃至4)、いずれも熱圧締の前にリグノセルロース材料の水蒸気処理を必要とする方法であった。
特公平3−31565号公報 特開昭60−206604号公報 特開平6−126715号公報 特開2001−1318号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、合成接着剤や合成結合剤を実質的に使用せず、植物片又は植物粉が相互に固着されてなり、しかも実用的な物性を備えた成型体及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、埋没木材が優れた自己接着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]植物片又は植物粉が相互に固着されてなる成型体であって、該植物片又は植物粉が、その少なくとも一部として、埋没木材由来の植物片又は植物粉を含有すると共に、前記植物片又は植物粉が、主として、高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣含有される成分により固着されていることを特徴とする成型体。
[2]埋没木材が、炭素同位体年代測定による埋没年代において、200〜50,000yBPのものである[1]に記載の成型体。
[3]埋没木材の樹種がスギである[1]又は[2]に記載の成型体。
[]植物片又は植物粉を相互に固着することによる成型体の製造方法であって、該植物片又は植物粉の少なくとも一部として、埋没木材由来の植物片又は植物粉を含有させると共に、当該植物片又は植物粉を、主として、高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣含有される成分により、加熱加圧成形によって固着することを特徴とする成型体の製造方法。
[]埋没木材が、炭素同位体年代測定による埋没年代において、200〜50,000yBPのものである[]に記載の成型体の製造方法。
[]埋没木材の樹種がスギである[]又は[]に記載の成型体の製造方法。
[]高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣よりなることを特徴とする植物片又は植物粉用接着剤。
本発明によれば、埋没木材の自己接着性を活かして植物片又は植物粉を相互に固着した成型体及びその製造方法を提供することができ、環境汚染が抑制され、有害物質を放散しない安全な成型体を安価に製造することができる。
実施例1乃至3及び比較例1乃至4の成型体のはく離強さを示すグラフである。 実施例1乃至3及び比較例1乃至4の成型体の吸水厚さ膨張率を示すグラフである。 実施例4乃至6の成型体のはく離強さを示すグラフである。 実施例4乃至6の成型体の吸水厚さ膨張率を示すグラフである。 実施例4乃至6の成型体の曲げ強さを示すグラフである。 実施例7乃至10及び比較例5、6の成型体のはく離強さを示すグラフである。 実施例7乃至10及び比較例5、6の成型体の吸水厚さ膨張率を示すグラフである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、植物片又は植物粉が相互に固着されてなる成型体であって、この植物片又は植物粉のための植物としては、その種類は限定されず、即ち、草本類、木本類及び竹のいずれでもよく、又、それらの混合物でもよい。資源的に余剰で大量に調達することができるものとしては、例えば、木本類では間伐材、抜根、大鋸屑、端材、建築解体材、シイタケの廃ホダ木を、又、草本類ではケナフ、ヤシガラ、サトウキビバガス、麦藁、稲藁、籾殻等の農業廃棄物及び非木質系繊維素材等を挙げることができる。尚、この植物は生木でも古材等でもよい。
植物片又は植物粉の具体的な形状としては、特に制限はなく、例えばチップ状、フレーク状、繊維状及び粉末状が挙げられ、これらは、従来よりいわゆるパーティクルボードを製造する際に使用されていたチップ状、フレーク状、繊維状及び粉末状の原料と同等のサイズのものとして使用することができる。
本発明では、上記植物片又は植物粉の少なくとも一部として、埋没木材由来の植物片又は植物粉を含有するのであるが、この埋没木材は、一般に埋れ木とよばれているものであり、樹木が土中又は水中に埋没した後、長期間腐朽せずに形状を保持しているものである。
該埋没木材は、木質部が炭化又は珪化していなければよく、その樹種は特に限定されず、例えばスギ、ヒノキ、トウヒ、アカエゾマツ、カラマツ属及びナンヨウスギ等の針葉樹並びにケヤキ、コナラ、クリ及びクスノキ等の広葉樹の埋没木材が挙げられ、針葉樹においては好ましくはスギの埋没木材が挙げられる。
尚、上記埋没木材の中でもスギが、古くから銘木市場で神代杉として流通しており、材料が豊富であり、又、完新世において日本列島ではスギが繁茂していたことが知られており、近年、道路工事や土地整備の際に各地でスギの埋没木材が掘り出されているため、今後も入手が容易と考えられる点、及び、スギの埋没木材は独特の芳香を有し、抗菌性、抗ダニ性、抗蟻性等の生物活性も有することが知られているため、成型体にそれらの機能を付加することができるという点からは好ましい。
埋没木材の埋没年数は特に限定はされないが、好ましくは炭素同位体年代測定法による年代値200〜50,000yBPのものを用いる。ここでyBPとは1950年を基準として遡る年数を示す。又、埋没木材は、加熱して灰分とした場合、鉄及び/又はイオウを含んでいる。
このような埋没木材は希少価値があり一般に高価であるが、安価に入手できる建築解体材、発掘されたものの傷みがひどくて木工用としては使用することができないもの、加工時の端材、大鋸屑、精油抽出残渣等も使用することができる。又、埋没木材由来の植物片又は植物粉の具体的な形状も、特に制限はなく、例えばチップ状、フレーク状、繊維状及び粉末状が挙げられ、これらは、従来よりいわゆるパーティクルボードを製造する際に使用されていたチップ状、フレーク状、繊維状及び粉末状の原料と同等のサイズのものとして使用することができる。
本発明の発明者らの研究によれば、埋没木材は自己接着性が優れているため、埋没木材由来の植物片又は植物粉を単独で用いて成型してもよいが、他の埋没木材或いは上記に説明した植物片又は植物粉と混合して用いることもできる。混合比率は、成型体の用途及び混合される他の素材によっても異なるが、好ましくは埋没木材としての比率が10%以上となるようにする。尚、埋没木材としての比率が10%未満の場合は得られる成型体が、例えば強度及び耐水性に劣るものとなってしまう。
複数種類の上記植物片又は植物粉を混合する場合のための方法には制限がなく、公知の方法を支障なく採用することができる。
次いで、得られた混合物を、例えば熱圧締法を採用して加熱加圧成型することにより、前記植物片又は植物粉が、主として、埋没木材に由来する成分により固着され、本発明の成型体とすることができる。
尚、埋没木材においては、セルロース、ヘミセルロースやリグニン等からなるリグノセルロースが埋没中に化学変化し、熱圧締による接着性の向上に寄与している可能性が高いと考えることができる。従って、本発明における上記埋没木材に由来する成分は、リグノセルロースであり、このリグノセルロースは、セルロース、ヘミセルロースやリグニン等、及び、それらからの化学変化物を包含した概念である。
又、上記「主として、埋没木材に含有される成分により固着され」は、前記植物片又は植物粉が埋没木材のみである場合、及び、埋没木材以外の植物片又は植物粉も併用するが、この植物片又は植物粉が接着性を有していない場合は、当該植物片又は植物粉が埋没木材に含有される成分により固着され、又、埋没木材と併用する植物片又は植物粉が接着性を有している場合は、当該植物片又は植物粉が、併用した植物片又は植物粉の接着性(但し、この接着性のみでは不十分である。)及び埋没木材に含有される成分により固着されることを意味している。
本発明において、加熱加圧成型は、一般的に採用されている温度条件及び圧締条件で行われ、即ち、温度は通常180〜250℃であり、圧力は、3〜20MPaであるが、成型体の用途によって適宜選択され、熱圧締時間も温度及び圧力との関連で好適な範囲とすることができる。
本発明の成型体の形状としては、用途に応じて所望のものとすることができ、比重に応じて内装材、家具、建具、畳床、断熱材等に適用することができる。又、食器、玩具等の小物として成型することもできる。尚、スギやヒノキの埋没木材については、芳香性や抗菌性、抗蟻性等の生物活性を有することが知られており、用途によりそれらの特性を活かした成型体とすることもできる。
本発明の成型体の物理特性としては、はく離強さ、吸水厚さ膨張率及び曲げ強さがJIS規格を満足する程度に高いということを挙げることができる。
尚、本発明では接着剤の使用は必要ないが、植物片又は植物粉の総量に対して5重量%以下であれば接着剤や硬化剤を添加してもよい。尚、すでに説明をしたように、大量の接着剤や硬化剤の使用は作業効率や地球環境的な面から好ましくない。又、必要であれば予め熱水処理した埋没木材を使用することもできる。
上記熱水処理は、常圧下において埋没木材を熱水中に浸漬し、又は、熱水と共に加熱処理した後、熱水浸出分を分離除去することをいい、熱水処理後の残渣として得られる固形分を、成型体の材料として用いる。この熱水処理には、熱水蒸留による精油抽出処理も含まれ、その場合は、精油採取後に蒸留釜の水層を除去し残渣を成型体の材料として用いる。
尚、一般に成型体製造時の水蒸気処理は、多糖類、リグニン、ヘミセルロース等を変性・分解することを目的に高温高圧下で行われ、その過程で生ずる変性・分解物を除去することなく成型体に利用するものである。従って、本発明における熱水処理の残渣は、従来の水蒸気処理を伴う成型体原料とは明確に異なるものである。
次に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の実施例においては、原料の植物片又は植物粉を、内寸300mm角の木製フォーミング枠内に散布してマットフォーミングし、5mmのスペーサーを用い、予め所定の温度に加熱しておいた電熱ヒーター付油圧プレスにより、圧力5MPaで加熱圧締し、成型体を得た。成型する試料の量は、寸法300mm×300mm×5mm、目標密度を0.8g/cmとして計算した。成型体のはく離強さ、吸水厚さ膨張率及び曲げ強さは、JIS A 5908に準拠して測定した。
実施例の試料としては、炭素同位体年代測定による年代値が約3,000yBPであるスギ埋れ木(以下、埋れ木と略記する。)の木粉及び大鋸屑を用いた。この埋れ木の灰分をSEM−EDXAにより元素分析した結果、鉄と少量のイオウが検出された。木粉は、ウイレー粉砕機により処理して、穴径2mmを通過したものを使用した。
実施例1乃至3
含水率11.2%の埋れ木木粉を用い、成型条件を180℃で10分間(実施例1)及び200℃で20分間(実施例2)として、それぞれ成型体を得た。得られた成型体のはく離強さを図1に、吸水厚さ膨張率を図2に示す。又、埋れ木木粉を熱水蒸留し、精油を抽出した後の残渣を用い、成型条件を200℃で20分間(実施例3)として成型体を得た。得られた抽出残渣の成型体のはく離強さを図1に、吸水厚さ膨張率を図2に示す。
比較例1乃至4
実施例1乃至3における埋れ木木粉の代わりに、含水率11.3%のスギ生木(以下生木と略記する。)の木粉(比較例1)、約50年前に建築された家屋の解体材である含水率11.4%のスギ古材(以下古材と略記する。)の木粉(比較例2)及び生木の木粉を熱水蒸留し、精油を抽出した後の残渣(比較例3)を用い、200℃で20分間圧締し、成型体を得た。又、生木の木粉を180℃で10分間圧締し、成型体を得た(比較例4)。それぞれの成型体のはく離強さを図1に、吸水厚さ膨張率を図2に示す。
実施例4乃至6
更に、表1に示す3種類の粒度分布の異なる埋木の大鋸屑を試料とし、200℃で20
分間圧締し、粒度の違いによる物性を検討した。得られた大鋸屑の成型体のはく離強さを図3に、吸水厚さ膨張率を図4に、曲げ強度を図5に示す。尚、含水率は大鋸屑小:13.7%、大鋸屑中:14.7%、大鋸屑大:15.5%であった。
実施例7〜10
更に又、埋れ木大鋸屑の接着剤としての働きを検討するために、含水率を14.3%(実施例7)、28.9%(実施例8)、53.5%(実施例9)と変化させたクヌギ(シイタケの廃ホダ木)の木粉に、埋れ木:クヌギの重量比が1:3となるように埋れ木大鋸屑小を混合し、それぞれ200℃で20分間圧締した。スギ、クロマツ、アカマツ等を含む含水率18.4%の混合針葉樹の大鋸屑も同様に大鋸屑小と混合して、200℃で20分間圧締した(実施例10)。得られたそれぞれの混合成型体についてはく離強さを図6に、吸水厚さ膨張率を図7に示す。尚、図6及び図7中のクヌギA、クヌギB及びクヌギCはそれぞれ含水率が14.3%、28.9%及び53.5%のものである。
比較例5、6
又、埋れ木大鋸屑と生木の混合成型体の効果を比較するために含水率28.9%のクヌギ生木の木粉(比較例5)並びに混合針葉樹の大鋸屑(比較例6)をそれぞれ単独で用い、200℃で20分間圧締して、成型体を得た。それぞれの成型体のはく離強さを図6に吸水厚さ膨張率を図7に示す。
図1及び図2に示すように、埋れ木木粉を用いた実施例1及び実施例2の成型体は、成型条件の相違とは無関係に、同じ樹種の生木を用いた比較例1及び比較例4の成型体とは比較できないほどの優れたはく離強さ及び吸水厚さ膨張率を示した。一方、古材の木粉を用いた比較例2の成型体は、同一条件下において、はく離強さは生木の木粉を用いた比較例1の成型体と同等に低く、吸水厚さ膨張率は生木よりは少ないものの埋れ木よりはるかに大きく、従って、埋れ木木粉を用いた実施例1及び実施例2の成型体は、はく離強さも吸水厚さ膨張率も古材より顕著に優れていることが明らかになった。
又、埋れ木木粉の熱水蒸留による精油抽出残渣を用いた実施例3の成型体は、埋れ木を使用した成型体より更に低い吸水厚さ膨張率を示し、優れた耐水性を有することがわかった。一方、生木の木粉を熱水蒸留し、精油を抽出した後の残渣を用いた比較例3の成型体は、生木を使用した成型体に比較してはく離強さは向上したものの、吸水厚さ膨張率は47%まで増加し、実用に耐える耐水性を有する成型体は得られなかった。
更に、図3及び図4に示すように、埋れ木木粉を用いた実施例4乃至6の成型体においては、粒度による性能の変化はあまりないことがわかった。従って、埋れ木は、粒度に限定されることなく広範囲の木粉を原料として、高性能の成型体を作成できることが明らかになった。
又、図5に示すように、埋れ木木粉を用いた実施例4乃至6の成型体においては、優れた曲げ強度を示すことがわかった。
因みに、接着剤を用いたパーティクルボードについてはJIS A 5908に規定があり、その内の「8タイプ」という種類については、曲げ強さ8.0 N/mm(MPa)以上、吸水厚さ膨張率12%以下、はく離強さ0.15 N/mm(MPa)以上となっているところ、実施例4乃至6の成型体は、図3乃至5に明らかなように、接着剤を用いたパーティクルボードについてのJIS規格であるはく離強さ、吸水暑さ膨張率及び曲げ強さを、接着剤を使用すること無しに満足し得ることがわかる。JIS規格には他にホルムアルデヒド放散量等の項目があるが、本発明の成型体は接着剤を用いていないので、むしろ吸収するのではないかと思われる。
更に又、図6及び図7に示すように、生木に埋れ木を混合することにより、成型体のはく離強さと吸水厚さ膨張率は生木自体のおよそ倍以上となり、埋れ木は生木に対して良好な接着剤としての働きをすることも明らかになった。この接着剤の接着性は、生木の接着力を、埋れ木に由来する成分により増強することにより発揮されるものである。

Claims (7)

  1. 植物片又は植物粉が相互に固着されてなる成型体であって、該植物片又は植物粉が、その少なくとも一部として、埋没木材由来の植物片又は植物粉を含有すると共に、前記植物片又は植物粉が、主として、高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣含有される成分により固着されていることを特徴とする成型体。
  2. 埋没木材が、炭素同位体年代測定による埋没年代において、200〜50,000yBPのものである請求項1に記載の成型体。
  3. 埋没木材の樹種がスギである請求項1又は2に記載の成型体。
  4. 植物片又は植物粉を相互に固着することによる成型体の製造方法であって、該植物片又は植物粉の少なくとも一部として、埋没木材由来の植物片又は植物粉を含有させると共に、当該植物片又は植物粉を、主として、高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣含有される成分により、加熱加圧成形によって固着することを特徴とする成型体の製造方法。
  5. 埋没木材が、炭素同位体年代測定による埋没年代において、200〜50,000yBPのものである請求項に記載の成型体の製造方法。
  6. 埋没木材の樹種がスギである請求項4又は5のいずれかに記載の成型体の製造方法。
  7. 高温・高圧水蒸気処理されない前記埋没木材或いは当該埋没木材を常圧下で熱水処理して熱水可溶分が除去された後の残渣よりなることを特徴とする植物片又は植物粉用接着剤。
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