JP2017171818A - 接着剤の製造方法及び接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃糖蜜など精製後の廃棄物である糖を主成分としつつも、硬化に要する時間が短く、さらに高い物性を得ることが可能な接着剤の製造方法、及び接着剤を提供する。
【解決手段】接着剤の製造方法は、廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程と、混合液を静置してカルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程と、混合液からカルシウム塩を除去する除去工程とを含む。接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸とを含み、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が1質量部以下である。
【選択図】図6

Description

本発明は、接着剤の製造方法及び接着剤に関する。詳細には、本発明は、天然由来物質を用い、かつ、接着性などの物性に優れた接着剤、及び当該接着剤の製造方法に関する。
パーティクルボードや繊維板などの木質系ボードは、木材の製材時に生じる廃材や建築廃材から得られるパーティクル及び微細繊維を原料として製造することが可能である。そして、木質系ボードは合板と比べて材料が安価であるため、世界的に生産量が増大している。
また、木質系ボードとして、植物片を使用したボードも知られている。植物片としては、木材の他に、竹、ケナフ及び亜麻などの草本植物、並びにイネワラ、ムギワラ、油ヤシ繊維、バガス、ビートパルプなどが利用される。油ヤシ繊維は油を採取した後の繊維、バガスはサトウキビの砂糖を採取した後の絞りかす、ビートパルプはサトウダイコンの砂糖を採取した後の絞りかすである。これらの農産廃棄物などから得られるパーティクルや微細繊維を原料として、木質系ボードを製造することが可能である。
従来、木質系ボードでは、カゼインや大豆グルー、ニカワなどのバイオマス由来の接着剤が使われていた。ただ、バイオマス由来の接着剤は接着性などの物性が劣るため、近年は、ユリア樹脂やメラミン樹脂、フェノール樹脂などの石油由来の熱硬化性接着剤を用いている。しかし、熱硬化性接着剤は、ホルムアルデヒドなどの人体に有害な成分を含有している場合がある。そのため、このような熱硬化性接着剤を用いた木質系ボードを住宅の内装材として用いる場合、ホルムアルデヒドなどの有害成分がボードから揮発し、居住者の健康に悪影響を与える恐れがある。また、将来的な化石資源の枯渇に備え、非化石資源由来の天然物質を用いた接着技術が再度注目を集めつつある。
そのため、石油由来の熱硬化性接着剤を使用せず、パーティクルや微細繊維の材料自身の成分や天然由来の物質を接着成分とするボードの開発が強く望まれている。しかしながら、天然由来物質を用いた接着剤は、一般に硬化に要する時間が長く、さらに接着剤を多く添加する必要がある。
特許文献1では、廃糖蜜、粗糖、糖汁及び含蜜糖から選ばれる一種以上の糖含有物と、有機スルホン酸とを含有し、有機スルホン酸の含有率は糖分の固形分100質量部に対して2〜100質量部である接着剤が開示されている。また、当該接着剤は、さらにカルボン酸を含有してもよいことが記載されている。このような接着剤を加熱及び加圧した際には、糖分と有機スルホン酸又はカルボン酸との変性が促進され、高分子の硬化物を形成するため、優れた接着性を発揮することができる。また、当該接着剤は、砂糖を精製する際に発生し廃棄物となる廃糖蜜を用いることができるため、廃棄物を有効利用することが可能となる。
国際公開第2015/056367号
しかしながら、特許文献1の接着剤は、反応触媒である有機スルホン酸の含有量が非常に多いため、有機スルホン酸が植物片の強度を低下させ、得られる木質系ボードの物性が不十分となる可能性があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、廃糖蜜など精製後の廃棄物である糖を主成分としつつも、硬化に要する時間が短く、さらに高い物性を得ることが可能な接着剤の製造方法、及び接着剤を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る接着剤の製造方法は、廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程と、混合液を静置してカルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程と、混合液からカルシウム塩を除去する除去工程とを含む。
本発明の第二の態様に係る接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸とを含み、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が1質量部以下である。
本発明によれば、廃糖蜜を主成分としつつも、硬化に要する時間が短く、さらに高い物性を得ることが可能な接着剤を得ることができる。
廃糖蜜1〜3の成分分析の結果を示すグラフである。 実施例3〜7のパーティクルボードにおける剥離強さと吸水厚さ膨張率の測定結果を示すグラフである。 実施例3〜7のパーティクルボードにおける曲げ強さと湿潤時曲げ強さの測定結果を示すグラフである。 実施例1〜9及び比較例1〜4の剥離強さの測定結果を示すグラフである。 実施例1〜9及び比較例1〜4の吸水厚さ膨張率の測定結果を示すグラフである。 実施例1で調製した混合液を静置した結果を示す写真である。 実施例1で調製した混合液から沈殿物を単離して、顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 エネルギー分散型X線分析法により、沈殿物の元素を定性分析した結果を示すグラフである。 赤外分光法により沈殿物を分析した結果を示すグラフである。(a)は沈殿物の赤外吸収スペクトルであり、(b)硫酸カルシウムの赤外吸収スペクトルである。
以下、本実施形態に係る接着剤の製造方法、及び接着剤について詳細に説明する。
[接着剤の製造方法、及び接着剤]
廃糖蜜は、サトウキビ茎の糖汁から粗糖を製造する際や、粗糖を精製する際に発生する副産物、又はテンサイからテンサイ糖を生産する際に発生する副産物である。このような廃糖蜜は、比重の大きい粘着性のある茶褐色の液体である。
砂糖製造の副産物である廃糖蜜は、40〜60%の糖分や、カリウム、マグネシウム、ナトリウム及びカルシウム等の無機質(灰分)、各種窒素体、水分等から成り立っている。この残存糖分は、通常の方法ではこれ以上結晶化させることが困難であるため、廃糖蜜は発酵工業の原料や、家畜の飼料として利用されているが、有効利用されずに廃棄される場合も多い。かつては、日本でも多量の廃糖蜜を輸入していたが、廃液の処理が困難であるため需要は減少の一途をたどり、日本での年間使用量は最大時の1/4程度となっている。
上述のように、廃糖蜜は、土壌から吸収したカリウムやカルシウム等の無機質を多く含む。そのため、廃糖蜜を糖分とそれ以外に分けることができれば、それぞれの利用が促進されると考えられることから、浸透膜やイオン交換樹脂などで分離することが検討されている。しかし、廃糖蜜は粘性が高いため、簡単に分離することが困難であった。
ここで、本発明者は、カルシウムを除去した精製糖と多価カルボン酸とを混合した後に加熱及び加圧した場合には、混合物は硬化するが、水不溶のカルシウム塩を添加すると混合物が硬化しないことを見出した。つまり、精製糖と多価カルボン酸との混合物を加熱及び加圧した場合には、糖分と多価カルボン酸との変性が促進され、高分子の硬化物を生成する。しかしながら、精製糖と、多価カルボン酸と、水不溶の炭酸カルシウム、硫酸カルシウム又はクエン酸カルシウムとの混合物を加熱及び加圧しても硬化物が生成しなかった。このように、水不溶のカルシウム塩が存在すると、糖と酸の反応が阻害されることから、当該カルシウム塩は反応阻害物質であると考えられる。そこで、本実施形態は、反応阻害物質であるカルシウム塩を廃糖蜜から除去し、硬化性を高めることにより、廃糖蜜を接着剤として有効利用したものである。
本実施形態に係る接着剤の製造方法は、廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程と、混合液を静置してカルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程と、混合液からカルシウム塩を除去する除去工程とを含むものである。
(廃糖蜜)
本実施形態における廃糖蜜としては、上述のように、サトウキビ茎の糖汁から粗糖を製造する際や、粗糖を精製する際に発生する副産物、又はテンサイからテンサイ糖を生産する際に発生する副産物を用いることができる。具体的には、サトウキビやサトウダイコンなどの植物からスクロースが抽出され、精製されてショ糖が生産されるが、スクロースが精製されるまでの過程で結晶化されずに排出される副産物を廃糖蜜として用いることができる。
廃糖蜜は、サトウキビ及びテンサイの少なくとも一方の精糖副産物であることが好ましい。サトウキビ及びテンサイは、砂糖原料として汎用されているため、大量の廃糖蜜を容易に得ることができる。
ここで、廃糖蜜の成分指標としては、全糖分の合計含有率が用いられている。つまり、廃糖蜜の糖分は主としてスクロース、グルコース及びフルクトースなどの還元糖を含むが、これらの合計含有率が廃糖蜜の成分指標として用いられている。ただ、廃糖蜜が流通する際は、測定が簡便な固形分、つまり廃糖蜜の質量を100%とした場合、水分含有率を引いた値が多く用いられている。
廃糖蜜の固形分は特に限定されないが、廃糖蜜全体に対して、50〜80質量%であることがより好ましい。それにより、接着性の高い接着剤を容易に得ることができる。つまり、廃糖蜜の固形分の含有率が小さくなると、相対的に水分含有率が高くなり、接着剤の水分含有率が高くなる恐れがある。接着剤の水分含有率が高すぎると、加熱により硬化するときの時間がよりかかるため、経済的でなくなる恐れがある。そのため、廃糖蜜の固形分は50質量%以上が好ましい。また、廃糖蜜の固形分の含有率が大きくなると、粘度が高くなり、接着剤を形成したときの粘度も高くなる恐れがある。そのため、植物片などの小片に接着剤を分散させる場合、それらを均一に分散させる方法が限定される恐れがあり、また均一な分散も難しくなる恐れがある。そのため、廃糖蜜の固形分は80質量%以下が好ましい。
廃糖蜜は、精糖時に副産物として産出されたものが入手可能である。また、廃糖蜜として、産出された廃糖蜜を濃縮したものや、逆にこれを水で希釈したものなどもある。本実施形態の接着剤では、これら種々の廃糖蜜を使用することが可能である。すなわち、接着剤の原料となる廃糖蜜としては、精糖時の副産物として得られた廃糖蜜をそのまま用いてもよいし、この廃糖蜜を濃縮したものであってもよいし、あるいは、この廃糖蜜を水で希釈したものであってもよい。廃糖蜜は、固形分が60質量%から80質量%程度のものが流通している。そのため、固形分の含有量が上記のようになった廃糖蜜は、容易に入手することができる。
ここで、廃糖蜜中の無機質は主に、土壌中の無機質が根より吸収されて茎などに含有しているものである。無機質の含有率は、廃糖蜜により様々である。つまり、植物の種類、部位、生産国、栽培土壌のほか、精糖処理の方法などで変化する。カルシウムなどはもともと茎などに含有しているもののほか、精糖の際に結晶化のために加える石灰由来のカルシウムを含むため、精糖処理の違いにより、含有率の差が大きい。これに比べてカリウムは、土壌中のカリウムが根より吸収されて茎などに含有しているものが大半である。そして、本発明者は、カルシウム以外のカリウム、マグネシウム及びナトリウム等の無機質(灰分)が、カルボン酸及び有機スルホン酸による糖分の接着物質への変性を阻害しないことを確認している。
本実施形態における、廃糖蜜中のカルシウム含有率は、特に限定されない。後述するように、本実施形態の接着剤において、酸添加により沈殿して除去された後のカルシウム含有量は、廃糖蜜の固形分を100質量部としたとき1質量部以下であること好ましい。そのため、処理後のカルシウム含有量が1質量部以下となるような廃糖蜜を使用することが好ましい。
上述の通り、廃糖蜜は、糖分とカリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム等の無機質とを含有している。ただ、廃糖蜜を原料に糖分を非含有としたものは、既にそれは廃糖蜜でないといえる。また、廃糖蜜を原料にカルシウムを非含有としたものは、化学的処理によって作製可能であるが、処理費用がかかりすぎる。このため、本実施形態の接着剤は、糖分とカルシウムを含有する廃糖蜜を用い、それを如何に変性するかにおいて製造方法を規定したものである。
(カルボン酸)
本実施形態では、廃糖蜜に加えてカルボン酸を含有する。カルボン酸を含有することにより、廃糖蜜の糖分とカルボン酸とが反応し、高分子の硬化物を生成するため、接着性を向上させることが可能となる。また、カルボン酸を含有すると、硬化物の結合性が高まるため、耐水性を向上させることができる。
カルボン酸としては、一価カルボン酸及び多価カルボン酸の少なくとも一方を用いることができる。多価カルボン酸は、カルボキシル基(COOH)を1分子内に複数有する有機カルボン酸が好ましい。
一価のカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、乳酸、安息香酸などが挙げられる。多価カルボン酸としては、二価のカルボン酸、三価のカルボン酸、四価のカルボン酸、及び五価以上のカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。このうち、二価から四価のカルボン酸が利用しやすいため好ましい。多価カルボン酸としては、例えば、クエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸(ペンタン二酸)、グルコン酸、グルタコン酸、ペンテン二酸などが挙げられる。これらの一価のカルボン酸及び多価カルボン酸は、無水物であってもよい。これらの中でも、多価カルボン酸としては、クエン酸及びイタコン酸の少なくとも一方を含むことが好ましい。クエン酸及びイタコン酸は植物を原料として製造することができる。そして、この場合、化石資源の使用が抑制できるため、環境への負荷が小さくなり、好ましい。
多価カルボン酸は、水酸基を有するものであってもよい。その場合、接着性を高めることが可能となる。また、多価カルボン酸は、分子量が500以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましい。多価カルボン酸の分子量が小さい場合、糖に対する触媒効率を高めることができる。
(有機スルホン酸)
本実施形態に係る混合工程において、混合液にさらに有機スルホン酸を混合してもよい。有機スルホン酸を含有することにより、廃糖蜜の糖分とカルボン酸及び有機スルホン酸とが反応し、高分子の硬化物を生成するため、接着性をより向上させることが可能となる。
有機スルホン酸としては、アルキルスルホン酸及び芳香族スルホン酸の少なくとも一方を用いることができる。このうち、有機スルホン酸としては、芳香族スルホン酸が好ましく、さらにベンゼン環を有するスルホン酸が好ましい。また、有機スルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。この中でも特にp−トルエンスルホン酸は効果が高く、低分子変性物同士の反応が進行し、高分子化して接着に寄与するため、成形板の材料として適している。また、ベンゼンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸も効果が高く、低分子変性物同士の反応が進行し、高分子化して接着に寄与するため、成形板の材料として適している。よって、有機スルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタキシレンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
(接着剤の製造方法)
本実施形態に係る接着剤の製造方法は、まず、上述の廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程を経る。廃糖蜜とカルボン酸との混合方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。また、廃糖蜜とカルボン酸との混合を容易にするため、混合液に溶媒を添加してもよく、溶媒としては例えば水を用いることができる。
なお、廃糖蜜とカルボン酸との混合は、140℃以下で行うことが好ましい。140℃を超える場合には、廃糖蜜とカルボン酸との反応が進行してしまうため、後述するようにカルシウム塩を除去することが困難となる。
混合液に含まれるカルボン酸は多価カルボン酸であることが好ましい。また、多価カルボン酸はクエン酸であることが好ましい。多価カルボン酸は糖との反応性が高いため、硬化物の生成を促進することができる。
上述のように、混合液にさらに有機スルホン酸を混合してもよい。混合液に有機スルホン酸を添加することにより、加熱により廃糖蜜の糖分とカルボン酸及び有機スルホン酸とが反応し、高分子の硬化物を効率的に生成することが可能となる。
混合工程において、廃糖蜜の固形分とカルボン酸の固形分の合計量100質量部に対して、有機スルホン酸を0.01〜0.4質量部混合することが好ましい。有機スルホン酸の含有量がこの範囲内であることにより、廃糖蜜との反応を促進しつつも強酸の添加量を抑えることができるため、強酸による植物片の強度低下や、プレス機の金属腐食を抑制することが可能となる。
次に、得られた混合液を静置して、カルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程を経る。廃糖蜜とカルボン酸とを混合することにより、廃糖蜜中のカルシウムがカルボン酸と結合し、不溶性のカルシウム塩を生成する。また、混合液に有機スルホン酸が含まれている場合には、廃糖蜜中のカルシウムが有機スルホン酸と結合し、不溶性のカルシウム塩を生成する。そのため、混合液を静置することにより、カルシウム塩が成長し、カルシウム塩が除去可能な大きさとなる。なお、静置温度はカルシウム塩が生成し、成長する温度であれば特に限定されないが、例えば室温(5〜35℃)とすることができる。また、静置時間もカルシウム塩が生成し、成長する時間であれば特に限定されないが、例えば6〜24時間程度とすることができる。
そして、混合液中にカルシウム塩が生成してある程度の大きさに成長した後、混合液からカルシウム塩を除去する除去工程を経る。カルシウム塩の除去方法は特に限定されず、混合液から固体のカルシウム塩が除去できる方法であればよい。例えば、除去工程は、カルシウム塩を含む混合液を遠心分離にかけた後、上澄み液を採取する工程であってもよい。上澄み液には、カルシウムが除去された廃糖蜜と、カルボン酸と、有機スルホン酸を添加した場合には有機スルホン酸とが含まれている。そのため、上澄み液をそのまま接着剤として用いることができる。
本実施形態において、除去工程は、カルシウム塩を含む混合液を濾過する工程であってもよい。濾液には、カルシウムが除去された廃糖蜜と、カルボン酸と、有機スルホン酸を添加した場合には有機スルホン酸とが含まれている。そのため、濾液をそのまま接着剤として用いることができる。なお、濾過条件は特に限定されないが、例えば孔径が100μm程度のメッシュフィルターを用いることで、カルシウム塩を効率的に除去することができる。
このように、本実施形態の接着剤の製造方法は、廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程と、混合液を静置してカルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程と、混合液からカルシウム塩を除去する除去工程とを含む。この操作により、反応阻害物質となるカルシウム塩が除去されるため、廃糖蜜に含まれる糖成分がカルボン酸により効率的に変性し、強固な接着性を有する接着剤を得ることができる。
(接着剤)
本実施形態の接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸とを含み、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が1質量部以下である。本実施形態の接着剤では、反応阻害物質であるカルシウムの含有量が少ないため、廃糖蜜とカルボン酸との硬化反応が進行しやすくなり、接着性を高めることが可能となる。なお、接着剤において、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が0.8質量部以下であることがより好ましい。カルシウムの含有量が0.8質量部以下であることにより、反応阻害物質がさらに減少するため、接着剤の硬化性をより高めることが可能となる。
本実施形態の接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸に加え、有機スルホン酸を含有することが好ましい。廃糖蜜の糖分は、カルボン酸及び有機スルホン酸と反応し、高分子の硬化物が形成されるため、接着性をより向上させることが可能となる。
ここで、廃糖蜜中の糖とカルボン酸又は有機スルホン酸との反応機構は、次のように推測される。糖は、カルボン酸又は有機スルホン酸の存在により加水分解され、一時的に低分子化して変性した後、フラン環などを有する低分子化合物に変性する。さらに、カルボン酸又は有機スルホン酸が触媒となり、低分子化合物同士の重合反応が促進され、高分子化される。このため、高分子化された化合物が接着に寄与するものである。また、カルボン酸及び有機スルホン酸は、金属との反応性が無機酸より低いため、成形の際に金属設備などに悪影響を与え難い。さらに、糖とカルボン酸及び有機スルホン酸との反応系内には有機溶剤やホルムアルデヒドを含んでおらず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第三級アミンなどを含んでいない。そのため、有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。この作用は、糖とカルボン酸などの酸との反応によっても生じ得るが、糖と有機スルホン酸とを併用したときの方が高分子化の反応性が高い。そこで、本実施形態の接着剤は、カルボン酸に加え、有機スルホン酸を含むことが好ましい。
なお、糖は、カルボン酸の存在下でも、加水分解による低分子化とその後の高分子化の反応が生じ得る。しかしながら、糖とカルボン酸との反応においては、フルクトース残基を含む糖では反応が早いが、グルコース残基を含む糖は反応が遅い傾向にある。一方、糖とカルボン酸及び有機スルホン酸との反応においては、フルクトース残基を含まない糖でも反応が早い。そして、廃糖蜜に含まれる糖はフルクトース残基を含むスクロースが主成分であるため、カルボン酸を使用することにより、早く硬化する接着剤を得ることができる。
本実施形態の接着剤は、上述のような混合工程、カルシウム塩生成工程及びカルシウム塩生成工程を経て製造されるため、通常は液体となっている。ただ、液体状の接着剤を乾燥させて粉末状としてもよい。
ここで、接着剤を水溶液又は水分散液とする場合、水の配合量は被着材の形状や表面性状などにより適宜設定され、限定されない。水溶液又は水分散液の接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸及び有機スルホン酸との合計固形分100質量部に対して、水が15質量部以上500質量部以下で含有されることが好ましい。水の含有量が15質量部以上になると、水が過少となることがなく、混合が容易となるため、より均一な接着剤を得ることができる。接着剤をより均一にするためには、廃糖蜜と酸の合計固形分を100質量部としたときの水の含有量が25質量部以上であることがより好ましい。一方、水の含有量が500質量部以下になると、水が過多となることがなく、接着剤の接着性をより良好に発揮させることができる。接着剤の過浸透が生じ難くなるとともに、加熱硬化の際に蒸発により温度上昇が遅くなることが抑制されて、硬化性が高まるからである。その観点から、廃糖蜜と酸の合計固形分を100質量部としたときの水の含有量が400質量部以下であることがより好ましい。
接着剤は、廃糖蜜と酸が水に溶解された水溶液又は水に分散された水分散液であることが好ましい。廃糖蜜と酸は水への溶解性が高く、飽和状態以上の濃度とした場合に水分散液となる。上記の接着剤を水溶液または水分散液とすることで、被着材への塗布、散布が容易になると共に、有機溶媒を用いないことから、人体への安全性が高い。また、廃糖蜜と有機スルホン酸が相溶状態にあることで、廃糖蜜と有機スルホン酸の変性が促進され、高分子の硬化物を形成し、優れた接着性を発現することができる。
接着剤は、必須成分として廃糖蜜とカルボン酸とを含有する。また、必要に応じて、粉末化又は小片化された植物由来物を除いた他の成分を含有してもよい。植物由来物とは、草木等の木部、樹皮、種子、葉などから得られるものを意味し、市場で入手可能な植物粉末(例えば、樹皮粉末)やリサイクル材等を粉砕して得られたチップ等がある。また、接着剤は、添加物を含有していてもよい。添加物としては、例えば、安定化剤、着色剤、増粘剤、反応促進剤などが例示される。
本実施形態の接着剤は、被着材と被着材との間に存在させて加熱及び加圧することにより接着性を発現し、被着材を接着することができる。加熱及び加圧は、プレスであることが好ましい。プレスによれば、容易に接着性を発現させることができる。被着材としては、接着面を有する二つ以上の固体の部材であってもよいし、接着剤によって成形される複数の小片であってもよい。二つの固体の部材を接着させる場合、例えば、部材と部材との間に接着剤を塗布や散布などにより配置した後、部材同士を近づく方向に押圧して加熱及び加圧する。これにより、接着剤の硬化反応が進行し、部材を接着することができる。また、複数の小片を接着剤で接着して成形する場合、例えば、複数の小片を接着剤と混合した後、この混合物を成形型に配置して加熱及び加圧する。これにより、接着剤の硬化反応が進行し、小片を接着させて成形板を形成することができる。
このように、本実施形態の接着剤は、廃糖蜜とカルボン酸とを含み、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が1質量部以下である。当該接着剤では、反応阻害物質であるカルシウムの含有量が低減しているため、糖の重合反応が促進され、強固な接着成分となるため、接着性に優れた接着剤を得ることができる。また、厚さの大きい成形板を製造する場合でも硬化に要する時間が短くなるため、実用的な生産効率およびコストを達成することが可能となる。なお、接着剤は、金属の接着に用いることができ、例えばステンレスブロックを接着することができ、さらに木材の接着やガラスの接着にも用いることができる。
[成形板]
次に、本実施形態に係る成形板について詳細に説明する。本実施形態の成形板は、上述の接着剤と、当該接着剤により接着される複数の植物片とを含む。
本実施形態の成形板は、上述の接着剤が塗布又は散布された木質又は草本植物の小片などの要素片が加熱及び加圧されることによって、接着剤が硬化すると共に、この硬化により要素片が接着された木質ボードである。例えば、木材の切削から得られる挽き板、単板、木質ストランド、木質チップ、木質繊維などや植物繊維などを含めて木質要素片と呼ばれる。そして、その木質要素片を接着剤により接着したものが、集成材、合板、パーティクルボード、繊維板、中密度繊維板(MDF)などの木質ボードである。そして上記接着剤を用いると、接着剤が高分子の硬化物を形成し、優れた接着性が発現する。
成形板は、木質以外に無機質の要素片を用いてもよい。この場合、無機質ボードを得ることができる。例えば、ロックウールと熱硬化性接着剤とからロックウールボードを得ることができる。また、例えば、グラスウールと接着剤とからグラスウールボードを得ることができる。無機質の小片を固める接着剤として上記の熱硬化性接着剤を用いると、接着剤が高分子の硬化物を形成するため、優れた接着性と成形性を発現することができる。
(植物片)
植物片の原料となる植物としては、針葉樹や広葉樹などの木本植物や、一年生又は二年生草本類の植物、あるいは穀物、植物油、植物糖などを採取した後の農産廃棄物などが挙げられる。農産廃棄物としては、具体的には、ケナフ、イネ、竹、亜麻などの草本類、バガス、ビートパルプ、イネワラ、ムギワラ、油ヤシ繊維などが挙げられる。これらを用いることによって資源の有効利用を図ることができる。特に、一年生又は二年生草本類の植物や農産廃棄物などを利用すると、資源の有効利用を促進することができる。
針葉樹や広葉樹などの木本植物は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを多く含んでいる。また、草本植物は、木本植物と同じ、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主要な構成成分としている。さらに草本植物は木本植物に比べて、ヘミセルロース成分や熱水可溶成分などの低分子成分の含有率が高く、加熱加圧下で接着成分に変性する成分に富んでいるという特徴がある。そのため、成形板の材料に適している。
ヘミセルロース成分としては、具体的には、アラビノグルクルロノキシラン、グルコマンナン及びグルクルロノキシランなどを例示することができる。アラビノグルクルロノキシラン及びグルコマンナンは主に針葉樹によく含まれる成分である。グルクルロノキシラン及びグルコマンナンは主に広葉樹によく含まれる成分である。植物片にはこれらの成分あるいはこれらに類似する成分が含まれていてよい。
植物片は、植物を裁断するなどして得られたものであればよく、小片であってもよいし、繊維であってもよいし、単板であってもよいし、粉末であってもよい。植物片と接着剤とにより得られる成形板は、木質系ボードとなり得る。ここで、木質とは、木のような質感をもった成形物のことであり、木以外の植物から得られるものであっても木質系ボードに含まれる。
上述のように、植物片は、セルロース成分、ヘミセルロース成分及びリグニンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有することが好ましい。その場合、植物片由来の成分によって接着性を発現させることができるため、接着性を高めることができる。
また、植物片は、糖を含有していてもよい。植物片に糖が残存する場合、残留糖が加熱加圧下で変性し、接着成分となる。このため、草本植物がサトウキビ及びサトウダイコンの少なくとも一方である場合には、残留糖の利用が図れて物性が向上するとともに、残留糖の悪影響を抑制できるため好ましい。
植物片としては、木材を切削して得られる木質片を用いることができる。木質片は、挽き板、単板、木質ストランド、木質チップ、木質繊維などが挙げられる。木質片を接着剤により接着して成形したものは、集成材、合板、繊維板、配向性ストランドボード(OSB)、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)などの木質系ボードとなり得る。そして、本実施形態の接着剤を用いると、接着剤が高分子の硬化物を形成するため、優れた接着性と成形性を発現することができる。木材としては、特に限定されるものではないが、スギ、ヒノキ、ヒバ、マツ、ツガ、キリなどの適宜の材料であってよい。
植物片として、草本植物を用いることもできる。草本植物としては、サトウキビ及びサトウダイコンの少なくとも一方を用いることができる。これらは、残留糖の利用が図れて、物性が向上する。また、成形板においては残留する糖を少なくすることができるため、物性を向上させることができる。特に、サトウキビの搾りかすであるバガスを有効に利用することができる。
(植物片の接着機構)
植物片に含まれるヘミセルロース成分や糖、熱水可溶成分などの低分子成分は、加熱加圧下で接着成分に変性するが、カルボン酸又は有機スルホン酸などの酸の共存により反応が促進され、強固な接着成分となる。つまり、ヘミセルロース成分や糖は、酸の存在により加水分解されて一時的に低分子化した後、さらに酸が触媒となり、低分子化合物同士の重合反応が促進される。そのため、植物片にこれらの成分が含まれると接着性が高まる。また、ヘミセルロースや糖などの低分子成分が成形板中に残留すると、この成分がカビの発生を引き起こす恐れがあるが、酸の添加により、ヘミセルロースや糖などの低分子成分の成形板中の残留量を少なくすることができる。そのため、カビの発生を抑制した成形板を得ることができる。
(植物片の形状)
成形板の原料となる植物片は、粉砕処理によって、径が数百μm〜数cmの粒状のパーティクルに加工することができる。また、成形板の原料となる植物は、靭皮部や茎芯部などを解繊処理することによって、直径(繊維径)が50μm〜2mm程度で長さ(繊維長)が100μm〜20mm程度の微細繊維に加工することができる。これらのパーティクルや微細繊維を植物片(細片)として用いて、成形板を製造することができる。
(接着剤の塗布量)
本実施形態の成形板において、接着剤の塗布量は、被着材である要素片の種類、形状、表面性、ボードの厚さなどにより適宜設定され、特に限定されない。例えば、植物片(要素片)の乾燥質量100質量部に対し、接着剤の固形分量が5質量部以上30質量部以下の比率であることが好ましい。接着剤の量が少なすぎると接着力が低下する恐れがあり、接着剤の量が多すぎても接着層が多く形成されて界面接着性の低下を招く恐れがあるため、上記比率で接着剤を配合することが好ましい。接着剤の固形分量は、植物片の乾燥質量100質量部に対して8質量部以上であることがより好ましい。この場合、接着性がより高まる。接着剤の固形分量は、植物片の乾燥質量100質量部に対して25質量部以下であることがより好ましい。この場合、界面接着性の低下をより抑制することができる。
(接着剤の塗布方法)
接着剤を、植物片(要素片)の表面に分散する方法は、特に限定されない。植物片が面材の場合には、ロールや刷毛等で塗布する方法、スプレー等で接着剤を散布する方法、接着剤の粉体を散布する方法などが挙げられる。また、植物片が繊維や小片等の場合は、スプレー等で接着剤を散布する方法、接着剤の粉体を散布する方法の他に、液体の接着剤に植物片に含浸する方法などが挙げられる。
接着剤を植物片に分散させた後、接着剤中の水分を除去するために予備乾燥を施してもよい。水分を除去することにより、加熱加圧成形の時間を短縮することが可能となる。
(成形板製造時の加熱加圧条件)
成形板は、被着材である植物片と上記の接着剤とを混合し、これらの混合物を加熱加圧成形することにより製造することができる。加熱加圧成形の条件、例えば成形圧力、成形温度、成形時間などは、植物片の種類や形状、その表面状態、成形板の厚さなどにより適宜設定され得る。成形温度は140℃以上220℃以下であることが好ましい。成形温度が220℃以下では成分の劣化が進行し難いため、成形板としての物性が低下し難い。また、成形温度が140℃以上であれば、反応速度が低下し難く、硬化が充分となりやすい。成形温度は200℃以下であることがより好ましい。この場合、被着材の劣化を抑制することができる。成形温度は160℃以上であることが好ましい。この場合、反応速度がより低下し難くなり、硬化がさらに充分となりやすい。
成形圧力に関しては成形板の厚さ、比重などにより適宜設定されるが、0.5MPa以上4MPa以下であることが好ましい。成形圧力が0.5MPa以上であれば、充分に圧着することができ、成形板の強度を向上させやすい。成形圧力が4MPa以下であれば、成形圧力が大きすぎず、成形板の破壊が起こり難い。成形圧力は3MPa以下であることがより好ましい。この場合、成形板の破壊をより起こり難くすることができる。成形圧力は0.7MPa以上であることがより好ましい。この場合、接着剤と被着材とを十分に圧着することができ、成形板の強度をより高めることができる。
成形時間に関しては、例えば1分以上60分以下の範囲にすることができ、2分以上30分以下が好ましく、3分以上15分以下がより好ましい。それにより、良好な成形板を効率よく製造することができる。
なお、得られる成形板には、糖ができるだけ残存しない方が好ましい。それにより、接着性を高めるとともに、耐水性を向上させることができる。また、糖が残存しない場合には、カビの発生を抑制することができる。つまり、接着剤中の糖はカルボン酸や有機スルホン酸によって変性するが、その糖の全量が変性することが好ましい。また、植物片が糖を含む場合には、植物片中の糖も変性することが好ましい。例えば、成形板は、90℃の熱水で3時間抽出することにより得られる糖の比率が、乾燥成分中の5質量%未満であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。また、当該糖の比率が乾燥成分中の0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。なお、乾燥成分とは、成形板を105℃で加熱した際に一定重量になったときの成分、つまり恒量になったときの成分をいう。
得られる成形板には、接着剤由来のカルボン酸ができるだけ含まれていない方がよい。つまり、接着剤中のカルボン酸は糖との反応に用いられるが、そのカルボン酸の全量が反応に用いられて残存しないことが好ましい。それにより、接着性を高めるとともに、耐水性を向上させることができる。例えば、成形板は、90℃の熱水で3時間抽出することにより得られるカルボン酸の比率が、乾燥成分中の5質量%未満であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。また、当該カルボン酸の比率が乾燥成分中の0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。
(成形板の形状)
本実施形態の成形板の厚さ及び密度は特に限定されず、用途などにより適宜設定されるが、厚さが2mm以上40mm以下であることが好ましい。厚さが2mm以上であると、成形板の強度などの物性が確保されるため好ましい。厚さ40mm以下であると、加熱及び加圧することにより、実用上可能な範囲の成形時間で、成形板の中心部に接着剤が硬化する熱量が伝わるため、中心部にまで接着剤の硬化物を形成することができる。なお、密度は、日本工業規格における繊維板及びパーティクルボード、並びに日本農林規格における木質パネルに規定された密度であれば、物性が確保できるため好ましい。
(石油系熱硬化性樹脂接着剤の添加)
パーティクルボードや繊維板といった木質系ボードには接着剤として、主としてフェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂等のアミノ系樹脂やイソシアネート樹脂系接着剤が使用されることが一般的である。今回の構成においても、物性の更なる向上のため、石油系熱硬化性樹脂接着剤を添加することができる。
石油系熱硬化性樹脂接着剤の種類はフェノール樹脂接着剤、ユリア・メラミン樹脂接着剤及びイソシアネート系接着剤などが適しているが、特に限定されない。接着剤の種類、添加量は木質系ボードの用途によって選択することが好ましい。強度が必要な場合は添加量を増加させ、耐水性が求められる場合は、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂系接着剤など耐水性が高い接着剤が適している。石油系熱硬化性樹脂接着剤はその固形分が、草本植物等の植物片の繊維及び/又は小片の乾燥質量全量に対して3質量%以上30質量%以下となるように配合するのが好ましく、この場合、木質系ボードの強度を確保することができる。より好ましくは、石油系熱硬化性樹脂接着剤の固形分の配合量が植物片の乾燥質量全量に対して5質量%以上25質量%以下となるようにする。
以下、本実施形態を実施例、比較例及び参考例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用する廃糖蜜として、次のものを使用した。なお、各廃糖蜜を成分分析した結果を図1に示す。図1に示すように、廃糖蜜1〜3は含有成分が若干異なるが、糖などの炭水化物、灰分、タンパク質、脂質、水分から構成されていることが分かる。
・廃糖蜜1:三井物産株式会社製 国産品
・廃糖蜜2:三井物産株式会社製 輸入品
・廃糖蜜3:株式会社林商会製 国産品
[実施例1]
固形分が75質量部の廃糖蜜1と、25質量部のクエン酸と、1質量部のp−トルエンスルホン酸(PTSA)とを混合し、さらに固形分率が50%となるように水を添加して攪拌することにより、混合液を調製した。なお、クエン酸及びp−トルエンスルホン酸は、和光純薬工業株式会社製のものを使用した。
当該混合液を室温で一昼夜静置することにより、沈殿物の生成を確認した。そして、混合物を、孔径が100μm程度のメッシュフィルターを用いて濾過し、沈殿物を除去することにより、本例の接着剤を得た。
次に、植物片として、日本ノボパン工業株式会社のパーティクルボードで使用している細粒表層用チップを115g秤量した。なお、当該チップの含水率は3.9%であった。そして、ポリ袋中で表層用チップを分散させながら、スプレーガンを用いて接着剤を噴霧した。この際、チップの乾燥質量と接着剤の固形分質量との比が100:16.7(チップ乾燥質量:接着剤固形分質量)となるように混合した。
そして、接着剤が付着したチップを100℃の乾燥器中で3時間乾燥した。その後、内寸が200mm×200mmの枠中に、乾燥後のチップ120gを分散させることにより、マットを作製した。このマットを、温度200℃の加熱プレス装置を用いて加熱しながら圧力3MPaで3分間加圧することにより、本例のパーティクルボードを得た。なお、この際、得られるパーティクルボードの目標密度が750kg/mとなるように調整した。また、加圧する際には、4mmのディスタンスバーを挟んで厚さを規定した。
[実施例2]
p−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例3]
廃糖蜜として廃糖蜜2を使用し、さらにp−トルエンスルホン酸を混合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例4]
p−トルエンスルホン酸の混合量を0.1質量部としたこと以外は実施例3と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例5]
p−トルエンスルホン酸の混合量を0.5質量部としたこと以外は実施例3と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例6]
p−トルエンスルホン酸の混合量を1質量部としたこと以外は実施例3と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例7]
p−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は実施例3と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例8]
廃糖蜜として廃糖蜜3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[実施例9]
p−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は実施例8と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
実施例1〜9における接着剤中の廃糖蜜、クエン酸及びp−トルエンスルホン酸の混合量を表1に示す。
[比較例1]
固形分が75質量部の廃糖蜜1と、25質量部のクエン酸と、1質量部のp−トルエンスルホン酸(PTSA)とを混合し、さらに固形分率が50%となるように水を添加して攪拌することにより、混合液を調製した。なお、クエン酸及びp−トルエンスルホン酸は、和光純薬工業株式会社製のものを使用した。そして、当該混合液を静置せず、そのまま本例の接着剤とした。
次に、植物片として、実施例1と同じ細粒表層用チップを115g秤量した。そして、ポリ袋中で表層用チップを分散させながら、スプレーガンを用いて接着剤を噴霧した。この際、チップの乾燥質量と接着剤の固形分質量との比が100:16.7(チップ乾燥質量:接着剤固形分質量)となるように混合した。
そして、接着剤が付着したチップを実施例1と同様に乾燥してマットを作製した。このマットを、実施例1と同様に加熱しながら加圧することにより、本例のパーティクルボードを得た。なお、この際、得られるパーティクルボードの目標密度が750kg/mとなるように調整した。
[比較例2]
廃糖蜜として廃糖蜜2を使用し、さらにp−トルエンスルホン酸を混合しなかったこと以外は比較例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[比較例3]
p−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は比較例2と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[比較例4]
廃糖蜜として廃糖蜜3を使用し、さらにp−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
比較例1〜4における接着剤中の廃糖蜜、クエン酸及びp−トルエンスルホン酸の混合量を表2に示す。
[参考例1]
固形分が75質量部の精製糖と、25質量部のクエン酸とを混合し、さらに固形分率が50%となるように水を添加して攪拌することにより、混合液を調製した。なお、精製糖は和光純薬工業株式会社製のスクロースを使用し、クエン酸は和光純薬工業株式会社製のものを使用した。そして、当該混合液を静置せず、そのまま本例の接着剤とした。
次に、植物片として、実施例1と同じ細粒表層用チップを115g秤量した。そして、ポリ袋中で表層用チップを分散させながら、スプレーガンを用いて接着剤を噴霧した。この際、チップの乾燥質量と接着剤の固形分質量との比が100:16.7(チップ乾燥質量:接着剤固形分質量)となるように混合した。
そして、接着剤が付着したチップを実施例1と同様に乾燥してマットを作製した。このマットを、実施例1と同様に加熱しながら加圧することにより、本例のパーティクルボードを得た。なお、この際、得られるパーティクルボードの目標密度が750kg/mとなるように調整した。
[参考例2]
固形分が75質量部の精製糖と、25質量部のクエン酸と、0.1質量部のp−トルエンスルホン酸(PTSA)とを混合し、さらに固形分率が50%となるように水を添加して攪拌することにより、混合液を調製した。なお、精製糖及びクエン酸は実施例1と同じものを使用し、p−トルエンスルホン酸は和光純薬工業株式会社製のものを使用した。そして、当該混合液を静置せず、そのまま本例の接着剤とした。
得られた接着剤を用い、参考例1と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[参考例3]
p−トルエンスルホン酸の混合量を1質量部としたこと以外は参考例2と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[参考例4]
p−トルエンスルホン酸の混合量を5質量部としたこと以外は参考例2と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
[参考例5]
p−トルエンスルホン酸の混合量を10質量部としたこと以外は参考例2と同様にして、本例のパーティクルボードを得た。
参考例1〜5における接着剤中の精製糖、クエン酸及びp−トルエンスルホン酸の混合量を表3に示す。
[評価]
実施例1〜9、比較例1〜4及び参考例1〜5で得られたパーティクルボードについて、日本工業規格JIS A5908(パーティクルボード)に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、曲げ強さ、湿潤時曲げ強さ(B試験、煮沸後測定)を測定した。結果を表1〜3に合わせて示す。また、表1〜3には、湿潤時曲げ強さの値を曲げ強さの値で除した煮沸強度残存率(%)も示す。
実施例1〜9より、廃糖蜜の種類、カルボン酸及び有機スルホン酸の添加量、並びに混合液の調製からの時間が同じであれば、上記測定結果に大きな差がないことが分かる。
また、実施例3〜7より、有機スルホン酸の添加量が過剰になると、パーティクルボードの物性が低下する傾向にある。図2は、実施例3〜7のパーティクルボードにおける剥離強さと吸水厚さ膨張率の測定結果を示す。また、図3は、実施例3〜7のパーティクルボードにおける曲げ強さと湿潤時曲げ強さの測定結果を示す。図2より、有機スルホン酸の添加量が、廃糖蜜の固形分とカルボン酸の固形分の合計量に対して1質量部を超える場合には、剥離強さが低下する傾向にある。また、図3より、有機スルホン酸の添加量が、廃糖蜜の固形分とカルボン酸の固形分の合計量に対して1質量部を超える場合には、曲げ強さ及び湿潤時曲げ強さが低下する傾向にある。さらに図3より、有機スルホン酸を添加しない場合には、湿潤時曲げ強さが低下する傾向にある。そのため、廃糖蜜の固形分とカルボン酸の固形分の合計量100質量部に対して、有機スルホン酸を0.01〜0.4質量部添加することが好ましい。
実施例1〜9及び比較例1〜4より、カルシウム塩を除去することで、パーティクルボードの物性に大きな差が見られた。図4は実施例1〜9及び比較例1〜4の剥離強さの測定結果を示し、図5は実施例1〜9及び比較例1〜4の吸水厚さ膨張率の測定結果を示す。図4及び図5より、比較例1〜4と比べて実施例1〜9のパーティクルボードは、剥離強さ及び吸水厚さ膨張率で良好な結果を示していることが分かる。そして、表1及び表3より、廃糖蜜からカルシウムを除去することで、精製糖を用いた場合と同等の、安定して高い物性のパーティクルボードが得られることが分かる。
これに対し、比較例1〜4より、調製直後の接着剤を用いると、得られるパーティクルボードは総じて物性が低下し、ばらつきも大きくなった。
また、実施例1〜9、比較例1〜4及び参考例1〜5の接着剤中に含まれるカルシウムの量を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SPECTRO社製 CIROS−120)を用いて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)で測定した。そして、測定結果から、廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量(質量部)を求め、表1〜3にその割合を示した。表1〜3より、実施例1〜9のカルシウム量は0.8%以下であるが、比較例1〜4のカルシウム量は、1.1%を超えていることが分かる。
なお、参考例1〜4で調製した混合液を一昼夜静置したが、沈殿物は生成しなかった。このことから、接着剤に精製糖を用いた場合、接着剤の調製直後でも静置後でも、得られるパーティクルボードの物性に変化はない。これに対し、接着剤に廃糖蜜を用いた場合は、含有するカルシウムを除去することで、得られるパーティクルボードの物性が向上し、精製糖を用いたときと同等の物性が確保可能であることが分かる。そして、廃糖蜜の価格は精製糖の5分の1程度であるため、接着剤のコストを大幅に低減することが可能となる。
ここで、実施例1で生成した沈殿物に関し、混合液の調製直後は均質に見えるものの、時間が経過すると、図6に示すように沈殿の発生が観察された。この沈殿物を単離して顕微鏡で観察した結果を図7に示す。そして、当該沈殿物に対し、エネルギー分散型X線分析法による元素の定性分析、及び赤外吸収スペクトルの測定を行った。エネルギー分散型X線分析法による定性分析の結果を図8に示し、赤外吸収スペクトルの結果を図9(a)に示す。なお、図9(b)は、硫酸カルシウムの赤外吸収スペクトルの一例を示している。図8及び図9より、沈殿物は、カルシウムのスルホン酸塩およびクエン酸塩であることが分かった。
次に、廃糖蜜は用いていないが、実施例1〜9及び比較例1〜4で用いたクエン酸及びp−トルエンスルホン酸以外のカルボン酸及び有機スルホン酸でも高い接着性が得られることを示すために、参考例を示す。
[参考実施例1−1]
多価カルボン酸として25質量部のリンゴ酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)と、糖として75質量部のスクロース(和光純薬工業株式会社製、以下同様)とを混合して粉末の接着剤を調製した。
この接着剤をJIS A5905(繊維板)の剥離強さ試験に用いる鋼(ステンレス鋼)ブロック1つの50mm×50mm平面に、単位面積あたり132g/mで散布し、対となる鋼ブロックを上記散布面に重ねて置いた。そして、乾燥器にて200℃,60分加熱した。接着面にかかる圧力は0.0013MPaとした。
[参考実施例1−2]
多価カルボン酸として50質量部のクエン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水61質量部に溶解させ、水溶液とした。この水溶液を接着剤として、JIS A5905の剥離強さ試験に用いる鋼ブロック1つの50mm×50mm平面に単位面積あたり132g/m塗布した。なお、この塗布量は液体中の不揮発分(固形分)の質量である。この後は、参考実施例1−1と同様に2個の鋼ブロックを接着した。
[参考実施例1−3]
多価カルボン酸として25質量部のリンゴ酸と、糖として75質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水30質量部に溶解させ、水溶液とした。さらに当該水溶液に、増粘剤として26質量部の小麦粉(日清製粉株式会社製)を配合して、水分散液とした。この水分散液を接着剤とした以外は、参考実施例1−2と同様に2個の鋼ブロックを接着した。
[参考実施例1−4]
多価カルボン酸として75質量部のリンゴ酸と、糖として25質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水30質量部に溶解させ、水溶液とした。さらに当該水溶液に、増粘剤として26質量部の小麦粉(日清製粉株式会社製、以下同様)を配合して、水分散液とした。この水分散液を接着剤とした以外は、参考実施例1−2と同様に2個の鋼ブロックを接着した。
[参考比較例1−1]
多価カルボン酸を配合せずに、スクロース粉末の100質量部を接着剤とした以外は、参考実施例1−1と同様に2個の鋼ブロックを接着した。
[評価]
参考実施例1−1〜1−4及び参考比較例1−1における接着された2個の鋼ブロックについて、JIS A5905の方法に準じて剥離強さを測定した。また、25℃の水に24時間浸漬した後に接着状態を保持しているかを判定すると共に、浸漬後のサンプルを105℃で4時間乾燥した後の重量残存率を計測した。接着剤の配合、接着条件および評価結果を表4に示す。なお、表4の「接着状態」において、25℃の水に24時間浸漬した後に接着状態を保持している場合を「○」と評価し、保持できない場合を「×」と評価した。
表4に示すように、カルボン酸としてリンゴ酸を用いることで、クエン酸と同等の接着力が得られることが分かる。
[参考実施例2−1]
多価カルボン酸として50質量部のクエン酸と、糖として50質量部のマルトース(和光純薬工業株式会社製)とを混合して得た粉末を水400質量部に溶解させ、水溶液とした。この水溶液を接着剤とした。
次に、ケナフ茎の外皮部分となる靱皮から得られたケナフ繊維束を用いて作製した繊維マットを準備した。ケナフ繊維束は、平均長さが40mmで、平均径が82μmであった。また、繊維マットの単位面積あたりの質量は650g/mであった。そして、繊維マットに上記接着剤を含浸し、乾燥したときの重量比率が植物繊維マット:750、接着剤の不揮発分(固形分):250となるように調整した。
この後、接着剤を含浸した繊維マットを乾燥器にて100℃,10分乾燥した後、2枚重ねて温度200℃、圧力2MPaで10分間プレス成形し、繊維ボードを作製した。
[参考実施例2−2]
多価カルボン酸として50質量部のリンゴ酸と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水400質量部に溶解させ、水溶液とした。この液体を接着剤とした以外は、参考実施例2−1と同様に繊維ボードを作製した。
[参考実施例2−3]
多価カルボン酸として50質量部のシュウ酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水400質量部に溶解させ、水溶液とした。この液体を接着剤として用い、成形温度を180℃とした以外は、参考実施例2−1と同様に繊維ボードを作製した。
[参考実施例2−4]
多価カルボン酸として50質量部の無水マレイン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末を水400質量部に溶解させ、水溶液とした。この液体を接着剤として、成形温度を180℃とした以外は、参考実施例2−1と同様に繊維ボードを作製した。
[参考実施例2−5]
参考実施例2−4において、多価カルボン酸として分子量2000のポリマレイン酸(品名:ノンポール(登録商標)、日油株式会社製)を用いた以外は、参考実施例2−4と同様に繊維ボードを作製した。
[参考実施例2−6]
参考実施例2−4において、多価カルボン酸として分子量500000のポリアクリル酸(品名:アロン(登録商標)、東亞合成株式会社製)を用いた以外は、参考実施例2−4と同様に繊維ボードを作製した。
[参考比較例2−1]
糖として100質量部のスクロースの粉末を水400質量部に溶解させ、水溶液とした。この液体を接着剤とした以外は、参考実施例2−1と同様に繊維ボードを作製した。
[評価]
参考実施例2−1〜2−6及び参考比較例2−1で得られたボードについて、JIS A5905に準じて剥離強さ、吸水厚さ膨張率を測定した。接着剤の配合、ボード成形条件、および評価結果を表5に示す。
表4に示すように、被着材としてケナフ繊維を用いた場合でも、リンゴ酸、シュウ酸、無水マレイン酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸を用いることで、クエン酸と同等の接着力が得られることが分かる。
[参考実施例3−1]
多価カルボン酸として75質量部のリンゴ酸と、糖として25質量部のスクロースとを混合して得た粉末を接着剤として、合板を作製した。
具体的には、厚さ2.5mmのスギ単板(含水率5質量%)を使用し、接着剤はスギ単板の片面に単位面積あたり132g/m散布した。接着剤を散布したスギ単板を5枚積層し、温度200℃、圧力0.8MPaで10分間圧縮することにより、厚さ11.5mm、密度500kg/m3の合板を作製した。
[参考実施例3−2]
多価カルボン酸として50質量部のクエン酸と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末に、水30質量部と増粘剤として45質量部のポリビニルアルコール(PVA)とを加えて、水分散液とした。この水分散液を接着剤として、成形温度を180℃とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
[参考実施例3−3]
多価カルボン酸として12質量部のリンゴ酸と、糖として88質量部のスクロースとを混合して得た粉末に、水30質量部と増粘剤として26質量部のタルクとを加えて、水分散液とした。この水分散液を接着剤とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
[参考実施例3−4]
多価カルボン酸として50質量部のリンゴ酸と、糖として50質量部のスクロースとを混合して得た粉末に、水30質量部と増粘剤として26質量部の小麦粉とを加えて、水分散液とした。この水分散液を接着剤とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
[参考実施例3−5]
多価カルボン酸として25質量部の無水マレイン酸と、糖として75質量部のスクロースとを混合して得た粉末に、水30質量部と増粘剤として26質量部の小麦粉とを加えて、水分散液とした。この水分散液を接着剤とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
[参考実施例3−6]
多価カルボン酸として25質量部の無水マレイン酸と、糖として75質量部のスクロースとを混合して得た粉末に、水30質量部と増粘剤として26質量部の小麦粉とを加えて、水分散液とした。この水分散液を接着剤として、成形温度を160℃とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
[参考比較例3−1]
100質量部のスクロースを接着剤とした以外は、参考実施例3−1と同様に合板を作製した。
参考実施例3−1〜3−6及び参考比較例3−1で得られた合板について、JIS A5905に準じて剥離強さ、吸水厚さ膨張率試験を行い、剥離の有無と吸水厚さ膨張率を測定した。接着剤の配合、ボード成形条件、および結果を表6に示す。
表6に示すように、被着材としてスギ単板を用いた場合でも、リンゴ酸、無水マレイン酸を用いることで、クエン酸と同等の接着力が得られることが分かる。
[参考実施例4−1]
草本類であるサトウキビから砂糖を搾った後のバガスを長さ5cm程度に切断し、粉砕機(ハンマーミル)を用いて粉砕することによって、バガスのチップを得た。このチップの寸法は、平均長さ15mm、平均幅5mm、平均厚さ2mmであった。バガスチップを90℃の熱水で3時間抽出した場合の可溶成分比率は、バガスチップ乾燥分中の8.2質量%であった。
このバガスチップの熱水抽出液を下記条件で高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC)し、スクロースのピークの定量により、バガスチップ乾燥分中のスクロース比率(全体量に占めるスクロース成分の比率)を求めた。HPLC測定から、バガスチップのスクロース比率は、バガスチップ乾燥分中の5.1質量%であった。
HPLC条件
カラム:CAPCELL PAK NH2 UG80
(4.6mm I.d.×250mm、粒子径5μm:株式会社資生堂製)
溶離液:アセトニトリル/水=85/15
流速:2.0mL/min
温度:40℃
注入量:10μL
検出器:RI検出器
なお、適宜、標準検体(スクロース)を用いて検量線を作成した。
有機スルホン酸として、p−トルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。多価カルボン酸として、クエン酸を用いた。これらと水を混合してp−トルエンスルホン酸・クエン酸混合水溶液(PTSA−CA水溶液)を調製した。このPTSA−CA水溶液の混合比率は、質量比でp−トルエンスルホン酸:クエン酸:水=9:1:10とした。
上記のバガスチップ100質量部に対して、このPTSA−CA水溶液を、固形分添加率が10質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで15分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[参考実施例4−2]
有機スルホン酸として、p−トルエンスルホン酸を用いた。多価カルボン酸としてイタコン酸(磐田化学工業株式会社製、以下同様)を用いた。これらと水を混合してp−トルエンスルホン酸・イタコン酸混合水溶液(PTSA−IA水溶液)を調製した。このPTSA−IA水溶液の混合比率は、質量比でp−トルエンスルホン酸:イタコン酸:水=2:8:10とした。
参考実施例4−1で用いたバガスチップ100質量部に対して、このPTSA−IA水溶液を、固形分添加率が10質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後は、参考実施例4−1と同様にして、バガスチップボードを得た。
[参考実施例4−3]
参考実施例4−1とは別の時期に収穫されたバガスを粉砕し、平均長さ15mm、平均幅5mm、平均厚さ2mmのバガスチップを得た。このバガスチップの可溶成分比率は、バガスチップ乾燥分中の3.8%であった。また、HPLC測定から、バガスチップのスクロース比率は、バガスチップ乾燥分中の3.1質量%であった。
有機スルホン酸として、ベンゼンスルホン酸(BSA、和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。多価カルボン酸として、イタコン酸を用いた。これらと水を混合して、ベンゼンスルホン酸・イタコン酸混合水溶液(BSA−IA水溶液)を調製した。このBSA−IA水溶液の混合比率は、質量比でベンゼンスルホン酸:イタコン酸:水=18:2:20とした。
上記のバガスチップ100質量部に対して、このBSA−IA水溶液を、固形分添加率が20質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで7.5分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[参考実施例4−4]
質量比でp−トルエンスルホン酸:クエン酸:水=2:18:20となったp−トルエンスルホン酸・クエン酸混合水溶液(PTSA−CA水溶液)を調製した。
参考実施例4−1で用いたバガスチップ100質量部に対して、このPTSA−CA水溶液を、固形分添加率が20質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで7.5分間圧縮して成形体を形成した。
[参考実施例4−5]
有機スルホン酸として、p−トルエンスルホン酸を用いた。多価カルボン酸として、クエン酸を用いた。糖としてスクロースを用いた。これらと水を混合してp−トルエンスルホン酸・クエン酸・スクロース混合水溶液(PTSA−CA−SR水溶液)を調製した。このPTSA−CA−SR水溶液の混合比率は、質量比でp−トルエンスルホン酸:クエン酸:スクロース:水=0.2:9.9:9.9:20とした。
参考実施例4−3で用いたバガスチップ100質量部に対して、このPTSA−CA−SR水溶液を、固形分添加率が20質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで7.5分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[参考実施例4−6]
質量比でp−トルエンスルホン酸:クエン酸:スクロース:水=0.2:9.9:9.9:20となったp−トルエンスルホン酸・クエン酸・スクロース混合水溶液(PTSA−CA−SR水溶液)を調製した。
参考実施例4−3で用いたバガスチップ100質量部に対して、このPTSA−CA−SR水溶液を、固形分添加率が20質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで15分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[参考比較例4−1]
有機スルホン酸として、ベンゼンスルホン酸を用いた。多価カルボン酸は使用しなかった。ベンゼンスルホン酸と水を混合してベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。ベンゼンスルホン酸の含有量は、質量比でベンゼンスルホン酸:水=2:3とした。
参考実施例4−3で用いたバガスチップ100質量部に対して、このベンゼンスルホン酸水溶液を、固形分添加率が2質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで15分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[参考比較例4−2]
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用いた。多価カルボン酸は使用しなかった。p−トルエンスルホン酸と水を混合してp−トルエンスルホン酸水溶液を調製した。p−トルエンスルホン酸の含有量は、質量比でp−トルエンスルホン酸:水=10:15とした。
参考実施例4−1で用いたバガスチップ100質量部に対して、このp−トルエンスルホン酸水溶液を、固形分添加率が10質量部となるようにスプレーで噴霧した。その後、バガスチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら圧力2MPaで15分間圧縮して成形体を形成した。これにより、厚さ12mm、気乾密度0.6g/cmのバガスチップボードを得た。
[評価]
参考実施例4−1〜4−6及び参考比較例4−1〜4−2で得られた成形体(ボード)について、JIS A5905に準じて剥離試験(強度試験)、吸水試験(耐水性試験)を行い、剥離強さと吸水厚さ膨張率を測定した。また、耐熱水性試験として、200mm角のサンプルを80℃温水中に5分浸漬時の熱水吸水厚さ膨張率を測定した。
参考実施例4−1〜4−4は糖を添加していないが、バガスチップに含まれるスクロースにより、硬化物を形成することができる。そして、表7に示すように、有機スルホン酸としてベンゼンスルホン酸を用いることで、p−トルエンスルホン酸と同等の接着力が得られることが分かる。
以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

Claims (9)

  1. 廃糖蜜とカルボン酸とを混合し、混合液を得る混合工程と、
    前記混合液を静置してカルシウム塩を生成するカルシウム塩生成工程と、
    前記混合液から前記カルシウム塩を除去する除去工程と、
    を含む、接着剤の製造方法。
  2. 前記カルボン酸は多価カルボン酸である、請求項1に記載の接着剤の製造方法。
  3. 前記多価カルボン酸はクエン酸である、請求項2に記載の接着剤の製造方法。
  4. 前記混合工程において、前記混合液にさらに有機スルホン酸を混合する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接着剤の製造方法。
  5. 前記有機スルホン酸はp−トルエンスルホン酸を含む、請求項4に記載の接着剤の製造方法。
  6. 前記混合工程において、前記廃糖蜜の固形分と前記カルボン酸の固形分の合計量100質量部に対して、前記有機スルホン酸を0.01〜0.4質量部混合する、請求項4又は5に記載の接着剤の製造方法。
  7. 前記除去工程は、前記カルシウム塩を含む前記混合液を遠心分離にかけた後、上澄み液を採取する工程である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接着剤の製造方法。
  8. 前記除去工程は、前記カルシウム塩を含む前記混合液を濾過する工程である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接着剤の製造方法。
  9. 廃糖蜜と、
    カルボン酸と、を含み、
    前記廃糖蜜の固形分を100質量部としたときのカルシウムの含有量が1質量部以下である、接着剤。
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