JP5313942B2 - 巾木部材 - Google Patents
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Description
このような引戸の納め構造では、引戸が納められる空間側の壁面に手摺りを設けたい場合など、該壁面を有効利用することができず、このため、引戸を収納する戸袋空間を壁厚内に設けた戸袋納めを採用することが考えられる。
このような戸袋納め構造では、引戸を引き込む戸袋口の隙間等から埃等が侵入し、戸袋空間内には埃等が溜まり易い。この戸袋空間内を清掃する際には、引戸を戸枠から取り外して戸袋口から清掃具を挿入して清掃するなど、面倒な作業となり、清掃性の改善が望まれていた。
また、下記特許文献2では、開閉体が収納される戸袋に、戸袋内部と戸袋外部とを連通させて戸袋内部のごみ等を排出可能とするごみ等排出部を設けた戸袋のごみ等排出構造が提案されている。
このごみ等排出構造は、戸袋の外面下部の幅木となる立上部を有する下枠にごみ等排出部としての開口部と、該開口部を開閉するための蓋とを設けた構造とされている。また、該蓋は、該開口部に対してスライド移動またはヒンジを中心に回動させることで該開口部を開閉する構造とされている。
また、上記特許文献2に記載されたごみ等排出構造では、戸袋の外面形成部材を支持する下枠に開口部を設け、この開口部にスライド蓋や開閉蓋を設け、これら蓋によって該開口部を開閉する構造とされている。従って、これら開口部の周縁及び蓋が、戸袋の外面下部で露出し、これらが設けられていない部位との違和感が生じ、見栄えが悪いという問題があった。
また、本発明においては、前記開口部を、前記巾木受部の長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記巾木本体部を、ヒンジ部を介して前記巾木受部に対して回動自在に連結してもよい。
また、本発明においては、前記巾木受部の表面側、及び前記巾木本体部の裏面側に、互いに係合する係合部をそれぞれ設け、これらを係合させることで、前記巾木本体部が前記巾木受部に対して着脱自在に取り付けられる構造としてもよい。
図1〜図3は、第1実施形態に係る巾木部材について説明するための説明図である。
なお、以下の各実施形態では、図3(b)に示すY方向から見た状態を基準として、図3(b)において下側を手前側とし、図3(b)において上側を背面側として説明する。
また、戸袋空間を形成する各部材の表面及び裏面は、戸袋空間側の面を裏面とし、その逆を表面として説明する。
上記内壁は、図例では、床面から天井面に至るまで形成された開口6によって分断されている。
この壁材5は、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボードの表面に、壁クロスや壁紙、その他の表面化粧材等を貼着して構成されたものとしてもよい。これら壁材5,5の下端部と床面7との入隅部には、汎用の巾木8,8が該入隅部に沿って配設されている。
この巾木8は、平板状とされ、例えば、木質系材料や合成樹脂系材料、金属系材料等から帯状に比較的長尺に形成されている。また、この巾木8は、図2に示すように、表面側部位における中央部位よりもやや上方部位に、凹溝8aを長手方向に沿って有し、水平状の上面の表面側の縁部に、床面7側に向けて傾斜する傾斜面8bを長手方向に沿って有している。
上記戸先側の内壁の開口縁には、戸先側縦枠31が柱材や飼木などの枠下地に固定されて上下方向に沿って配設されている。この戸先側縦枠31には、引戸2の戸先側端部を受け入れる戸じゃくり溝が上下方向に沿って形成されている。
戸袋空間3は、柱材や胴縁等で骨組みされた壁下地としての構造体の背面に添設された上記同様の壁材5と、該構造体の手前面に添設された壁材4とによって、その厚さ方向(引戸2の厚さ方向と同方向)が区画されている。背面側の壁材5の下端部と床面7との入隅部には、上記同様の巾木8が配設されている。一方、手前側の壁材4は、背面側の壁材5と概ね同様の構成であるが、その下端部が、本実施形態に係る巾木部材1によって支持されている。つまり、戸袋空間3を区画する一方の壁材4の下端部は、床面7乃至は床下地材に当接しておらず、巾木部材1によって支持されている。
戸袋空間3の収納方向基端側(図3における右側)には、引戸2の引込口としての戸袋口を形成するように壁厚方向(見込み方向)に空隙を隔てて一対の方立部材32,32が、それぞれ上下方向に沿って配設されている。これら方立部材32,32間に形成する見込み方向の空隙は、引戸2の厚さ並びに開閉時における引戸2の表面及び背面とのクリアランス等を考慮して設定される。
図例では、戸尻側縦枠33は、見込み方向一端部(背面側端部)が、戸袋空間3を区画する背面側の壁材5の裏面に当接乃至は近接して配置され、見込み方向他端部(手前側端部)が、手前側に露出するようにして配設されている。この戸尻側縦枠33の見込み方向手前側端部の一方面に、戸袋空間3を区画する手前側の壁材4の側端面が当接して配置され、見込み方向手前側端部の他方面に、戸袋空間3に隣接する内壁を形成する上記同様の壁材5の側端面が当接して配置されている。この壁材5の下端部と床面7との入隅部には、上記同様の巾木8が配設されている。
上枠30は、図例では、横桟や飼木などの天井下地に固定されており、その下面が天井仕上げ面と略面一状となるように天井裏側に埋め込まれるようにして配設された例を示している。この上枠30には、引戸2の上端部に取り付けられたランナー部材2b,2bを、引戸2の幅方向に沿って走行可能に支持する走行案内部としての上吊レールが設けられている。
この引戸2は、図3(b)に示すように、開口6を閉塞した状態では、戸先側端部が戸先側縦枠31の戸じゃくり溝に納められ、戸尻側端部が一対の方立部材32,32の間に配置される。
本実施形態に係る巾木部材1は、図1に示すように、上記のように略閉塞された戸袋空間3を区画する手前側の壁材4の下端部4aに沿って配設される巾木受部20と、この巾木受部20の表面側を覆うように配置される巾木本体部10とを備えている。
また、本実施形態では、巾木部材1の長さ寸法は、壁材4の幅寸法と略同寸法とされており、その長手方向両側端部には、方立部材32及び戸尻側縦枠33がそれぞれ当接乃至は近接して配置される。
つまり、この巾木部材1は、戸袋空間3を区画する一方(手前側)の戸袋壁の下部を構成している。
この受部21の下部には、壁材4の厚さ方向略中心鉛直下方に位置するように配置される平板状の支持片部22が鉛直下方に向けて垂れ下るように連成されている。
この支持片部22には、壁材4の厚さ方向と同方向に沿って貫通した戸袋空間清掃用の開口部22aが設けられている。
また、支持片部22の下端部には、水平方向両側(手前側及び背面側)に向けて延出した固定片部23が当該支持片部22の長手方向の全長に亘って連成されている。この固定片部23の一方(例えば背面側の固定片部)または両方の長手方向の適所に、釘や木ねじ等の固定止具を打ち込み(または捻じ込み)、巾木受部20を、床面7乃至は床下地材に固定するようにしてもよい。
ヒンジ部24は、本実施形態では、ヒンジキャップ等に採用されるヒンジ機構を例示しており、当該巾木受部20と、巾木本体部10とを、薄板状で折り畳み変形可能とされたヒンジ部によって一体的に連結している。なお、二色成形(異材質成形)等によって、このヒンジ部24を、容易に弾性変形し得る軟質の合成樹脂からなるものとし、それ以外の部位を、比較的、剛性のある硬質の合成樹脂からなるものとしてもよい。
この巾木本体部10は、図1(a)に示すように、開口部22aを閉塞した状態において巾木受部20の表面側に添設されるようにして該表面側を覆うように配置される。一方、図1(b)に示すように、ヒンジ部24を回動支点として、下端部を手前側かつ上方側に持ち上げるようにして回動させることで、巾木受部20の表面側が露出し、この巾木受部20の開口部22aが開放される。
なお、図1(b)では、巾木本体部10が巾木受部20に対して略直交した状態となるように90度程度、図示反時計回りに回動した状態を示しているが、開口部22aを介して戸袋空間3に清掃具9の挿し込みが可能な程度、回動させるようにすればよい。
また、この巾木本体部10は、巾木受部20の開口部22aを閉塞した状態において、当該巾木本体部10の裏面14が、壁材4の表面4bと概ね同一平面状となるように配置される。図例では、巾木本体部10の裏面14が、巾木受部20の上端部に形成された凹溝状の受部21の手前片部の厚さ寸法相当分、壁材4の表面4bよりも手前側に位置した例を示している。受部21の手前片部の厚さ寸法は、数mm程度であり、このような態様も概ね同一平面状に含む。
また、巾木本体部10の厚さ寸法は、当該巾木本体部10の表面が、上記した隣接する他の壁材5の下端部に沿って配設された巾木8の表面と概ね同一平面状となるように、設定するようにしてもよい。
この巾木本体部10の係止突条15aが巾木受部20の係止突条25aに係止し、当該巾木本体部10による開口部22aの閉塞状態の維持がなされる。一方、巾木受部20の開口部22aを開放させる際には、上記のように巾木本体部10を回動させることで、巾木受部20の係合突片部25の弾性変形を伴って、これら係止部15a,25aの係止状態が解除され、開放が可能となる。
このように本実施形態に係る巾木部材1を戸袋下部に配設することで、戸袋空間3内を容易に清掃することができる。
つまり、上記したように、引戸2が建て付け施工された状態では、戸袋空間3は、略閉塞された状態であり、この戸袋空間3内を清掃する際には、引戸2を上枠30などの戸枠から取り外して戸袋口から清掃具9を挿入して清掃するなど、面倒な作業となる。
一方、本実施形態に係る巾木部材1を戸袋下部に配設することで、図1(b)及び図2に示すように、巾木本体部10を回動させ、巾木受部20の開口部22aを開放させることで、これら開口部22aを通じて、戸袋空間3内の床面などの清掃が可能となる。
さらに、この巾木受部20の表面側は、開口部22aを開閉可能なように設けられた巾木本体部10によって覆われるので、見栄えが良い。つまり、壁材4の下部に配設されて巾木として機能する巾木本体部10は、開口部22aを開閉する蓋部材、及び巾木受部20の表面を覆う覆い部材としても機能する。従って、開口部乃至はこれを開閉する蓋を違和感なく戸袋下部に設けることができ、見栄えを向上させることができる。
さらに、本実施形態では、巾木本体部10を、ヒンジ部24を介して巾木受部20に対して回動自在に連結しているので、例えば、巾木本体部10を巾木受部20から取り外す必要がある態様に比べて、簡易な操作で巾木受部20の開口部22aを開閉することができる。特に、本実施形態では、上端部を回動支点として巾木本体部10の開閉がなされる態様としているので、例えば、下端部を回動支点として開閉がなされるものと比べて、閉塞時の操作性が良い。また、例えば、長手方向一端部を回動支点として開閉がなされるものと比べて、開放時に当該巾木本体部10が家具等に干渉し難く、操作性が良い。
または、本実施形態のように、上端部を回動支点として巾木本体部の開閉がなされる場合には、当該巾木本体部の自重によって外力の作用がない限りは閉塞状態が維持されるので、このようなロック部を設けないようにしてもよい。さらには、上端部を回動支点として巾木本体部の開閉がなされる場合には、巾木本体部の開放状態を維持するロック部を更に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、他の巾木との表面形状の違和感を防止すべく、巾木本体部の開閉の際に、凹溝を手掛部として機能させた例を示しているが、このような態様に限られない。このような態様に代えて、または加えて、巾木本体部の表面側の適所に摘み部を設けたり、巾木本体部の下端部の適所に切欠を設けて、該切欠を手掛部として機能させたりするようにしてもよい。
このように、ヒンジ部を介して巾木本体部と巾木受部とを一体的に形成する必要がないヒンジ部を採用した場合には、巾木本体部と巾木受部とを別材料で形成するようにしてもよい。例えば、比較的、強度の必要な巾木受部を金属系材料で形成し、巾木本体部を木質系材料若しくは合成樹脂系材料で形成するようにしてもよい。
また、巾木本体部の表面側に、化粧樹脂シートや突板などの表面化粧材を貼着したり、または塗装等を施したりしてもよい。
また、本実施形態では、巾木受部の長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に開口部を設けた例を示しているが、長手方向に長尺の単一の開口部を設ける態様としてもよい。
さらに、図例では、巾木本体部として、中実平板状のものを例示しているが、長手方向に沿って貫通した中空を有した中空平板状のものとしてもよく、または、表面側の形状に対応させて裏面側に凹部を形成した薄板状のものとしてもよい。このような薄板状のものであっても外郭形状は平板状のものとできる。
さらにまた、本実施形態では、巾木本体部を、平板状の外郭形状とし、開口部を閉塞した状態において、その裏面が壁材の表面と概ね同一平面状となるように配置されるものを例示したが、このような態様に限られない。巾木受部の開口部を開閉可能なように設けられ、かつ該開口部を閉塞した状態において該巾木受部の表面側を概ね全体に亘って覆うように配置されるものとしてもよい。
また、戸袋空間を区画する手前側の壁材の幅方向の全体に亘って、巾木部材を配設する態様に限られない。例えば、塵埃等が溜まり易く、特に清掃し難い、戸袋空間の収納方向末端側近傍部位のみに設けたり、この末端側近傍部位と上記基端側近傍部位とに分断して複数の巾木部材を配設したりしてもよい。
さらに、本実施形態では、戸袋空間を区画する手前側の壁材の下端部に、巾木部材を配設した態様を例示しているが、戸袋空間を区画する手前側及び背面側の各壁材の下端部に、本実施形態に係る巾木部材をそれぞれ配設するようにしてもよい。この場合は、背面側の壁材の寸法を適宜寸法とすればよい。
また、図例では、戸袋空間を区画する手前側の壁材が、戸尻側縦枠によって分断されたものを例示しているが、このような態様に限られない。例えば、戸尻側縦枠を、戸袋空間内、つまり、壁厚内に配置し、その手前側に一連の壁材が設けられたものとしてもよい。この場合は、当該壁材の戸袋空間に相当する部位の下端部に、巾木部材に対応させた切欠部を設けるようにしてもよい。
図4は、第2実施形態に係る巾木部材について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、図4(c)では、上記した方立部材の図示を省略している。
巾木受部20Aの支持片部22の表面側上端部には、手前側に向けて突出し、その手前側端部を下方に向けて屈曲させたような下方屈曲形状の鉤状係合部26が当該巾木受部20Aの長手方向に沿って設けられている。
巾木受部20Aの支持片部22の表面側下端部には、鉤状係合部26に対向するように、手前側に向けて突出し、その手前側端部を上方に向けて屈曲させたような上方屈曲形状の鉤状係合部27が当該巾木受部20Aの長手方向に沿って設けられている。
これら上下の鉤状係合部26,27によって巾木受部20Aの係合部を構成している。
巾木本体部10Aの裏面側の上端部近傍部位には、巾木受部20Aの上側の鉤状係合部26に係合する上方屈曲形状の鉤状係合部16が当該巾木本体部10Aの長手方向に沿って設けられている。
巾木本体部10Aの裏面側の下端部近傍部位には、巾木受部20Aの下側の鉤状係合部27に係合する下方屈曲形状の鉤状係合部17が当該巾木本体部10Aの長手方向に沿って設けられている。
これら上下の鉤状係合部16,17によって巾木本体部10Aの係合部を構成している。
なお、これら巾木本体部10Aの鉤状係合部16及び鉤状係合部17と、巾木受部20Aの鉤状係合部26及び鉤状係合部27とを、それぞれ逆に設けるようにしてもよい。
この不陸調整部材13bは、床面7側に向けて突湾曲状に屈曲するような断面鉤状乃至は断面舌片状の形状とされた弾性片を有している。この弾性片は、例えば、比較的、軟質で弾性を有したゴムや軟質合成樹脂等のエラストマー系樹脂材料から形成されており、弾性変形を伴い、床面7に当接乃至は弾接し、床面7の不陸を吸収する。
この不陸調整部材13bは、例えば、巾木本体部10Aの下端部13Aに設けられた下方に向けて開口する凹溝13aに、板状の挿入片などを圧入することで、巾木本体部10Aの下端部13Aに取り付けるようにしてもよい。
この巾木本体部10Aを、巾木受部20Aから取り外す際には、図4(c)に示すように、互いに係合状態とされた巾木本体部10A及び巾木受部20Aの鉤状係合部に沿って長手方向にスライドさせることで、取り外すようにしてもよい。この際、巾木本体部10Aの長手方向一端部を手前側に引くようにして、当該巾木本体部10Aの弾性変形を伴って屈曲させ、スライドさせながら取り外すようにしてもよい。なお、この場合、巾木本体部10A及び巾木受部20Aの各鉤状係合部を長手方向の全長に亘って設けずに、長手方向一端部には設けないようにしてもよい。これによれば、容易に取り外すことができる。
このように巾木本体部10Aを巾木受部20Aから取り外すことで、図4(b)、(c)に示すように、巾木受部20Aの開口部22aが開放され、上記第1実施形態と同様、この開口部22aを通じて戸袋空間3内の清掃を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、巾木受部10Aの表面側、及び巾木本体部20Aの裏面側に、互いに係合する係合部をそれぞれ設け、これらを係合させることで、巾木本体部10Aが巾木受部20Aに対して着脱自在に取り付けられる構造としている。従って、巾木本体部10Aを巾木受部20Aから完全に脱離させることができ、戸袋空間3内を清掃する際に、例えば、上記第1実施形態と比べて、巾木本体部10Aが邪魔になるようなことを低減できる。このように、巾木本体部10Aを巾木受部20Aから完全に脱離させることができるので、例えば、巾木本体部10Aの清掃も容易に行うことができる。
なお、このような不陸調整部材13bを、上記第1実施形態に係る巾木部材1の巾木本体部10の下端部13に設けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、単一の巾木受部に対して単一の巾木本体部を着脱自在に取り付ける態様とした例を示しているが、単一の巾木受部に対して複数個の巾木本体部を着脱自在に取り付ける態様としてもよい。または、複数の巾木受部に対して単一の巾木本体部を着脱自在に取り付ける態様としてもよい。
図5は、第3実施形態に係る巾木部材について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態乃至は第2実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
巾木受部20Bは、図5(c)に示すように、支持片部22の開口部22a両側近傍の表面側に、手前側に向けて突出し、互いに対向する方向へ屈曲された係合部としての一対の鉤状係合部28,28を上下方向に沿って設けている。これら鉤状係合部28,28は、支持片部22の上下方向の全長に亘って設けられておらず、支持片部22の上下方向の略中央部位から下側部位に設けられている。
各巾木本体部10Bは、その裏面側に、巾木受部20Bの一対の鉤状係合部28,28に上下方向に沿ってスライド係合する係合部としての一対の鉤状係合部18,18を設けている。これら一対の鉤状係合部18,18は、巾木受部20Bの一対の鉤状係合部28,28に対応させて、当該巾木本体部10Bの上下方向の全長に亘って設けられておらず、上下方向の略中央部位から下側部位に設けられている。
また、巾木本体部10Bの上端部には、巾木受部20Bの受部21の手前片部の上面を覆う突片部19が背面側に向けて突出するようにして当該巾木本体部10Bの長手方向の全長に亘って設けられている。
なお、これら巾木本体部10Bの鉤状係合部18,18と、巾木受部20Bの鉤状係合部28,28とを、それぞれ逆に設けるようにしてもよい。
この巾木本体部10Bを、巾木受部20Bから取り外す際には、互いに係合状態とされた巾木本体部10B及び巾木受部20Bの鉤状係合部に沿って巾木本体部10Bを上方にスライドさせて係合を解除させ、手前側に移動させることで、取り外すようにしてもよい。
このように巾木本体部10Bを巾木受部20Bから取り外すことで、図5(b)、(c)に示すように、巾木受部20Bの開口部22aが開放され、上記第1実施形態と同様、この開口部22aを通じて戸袋空間3内の清掃を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、巾木本体部10B及び巾木受部20Bのそれぞれに設けられた係合部を、上下方向に沿って互いに係合するものとしているので、巾木本体部10Bの着脱時における操作性をより向上させることができる。
さらに、本実施形態では、巾木本体部10Bの裏面側上端部に、巾木受部20Bの受部21の手前片部の上面を覆う突片部19を設けているので、巾木本体部10Bを取り付けた状態では、この手前片部の上面が露出せず、見栄えを向上させることができる。
なお、この突片部19を、上記第2実施形態に係る巾木部材1Aの巾木本体部10Aの上端部に設けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態に係る巾木受部に対する巾木本体部の着脱構造(上下方向スライド着脱構造)と、上記第2実施形態において説明した着脱構造(長手方向スライド着脱構造)とを組み合わせるようにしてもよい。これにより、例えば、上下方向スライド着脱構造を採用した部位の巾木本体部を取り外し、次いで、長手方向スライド着脱構造を採用した部位の巾木本体部を取り外すことができ、容易に着脱させることができる。
また、これら磁石及び吸着部を、上記第1実施形態において説明したロック部として、上記第1実施形態に係る巾木部材に設けるようにしてもよい。
2 引戸
3 戸袋空間
4 壁材
4a 壁材の下端部
4b 壁材の表面
10,10A,10B 巾木本体部
14 巾木本体部の裏面
16,17,18 鉤状係合部(係合部)
20,20A,20B 巾木受部
21 受部
22a 開口部
24 ヒンジ部
26,27,28 鉤状係合部(係合部)
Claims (5)
- 引戸を収納する戸袋空間を区画する壁材の下端部に沿って配設され、該下端部を支持する受部を有するとともに、前記壁材の厚さ方向と同方向に沿って貫通した開口部を設けた巾木受部と、
前記開口部を開閉可能なように設けられ、かつ該開口部を閉塞した状態において該巾木受部の表面側を覆うように配置される巾木本体部とを備えていることを特徴とする巾木部材。 - 請求項1において、
前記巾木本体部は、平板状の外郭形状とされるとともに、前記開口部を閉塞した状態において、その裏面が前記壁材の表面と概ね同一平面状となるように配置されることを特徴とする巾木部材。 - 請求項1または2において、
前記開口部は、前記巾木受部の長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けられていることを特徴とする巾木部材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記巾木本体部は、ヒンジ部を介して前記巾木受部に対して回動自在に連結されていることを特徴とする巾木部材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記巾木受部の表面側、及び前記巾木本体部の裏面側には、互いに係合する係合部がそれぞれ設けられており、これらを係合させることで、前記巾木本体部が前記巾木受部に対して着脱自在に取り付けられる構造とされていることを特徴とする巾木部材。
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