以下、図1〜図18を用いて、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
最初に、図1及び図2を用いて、本実施形態による薄型認証センサの全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3と、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、被写体と同等の大きさを有し、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が離散して複数個配置されている。イメージセンサ1の詳細構成については、図6を用いて後述する。
マイクロレンズアレイ3は、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。マイクロレンズアレイ3の詳細構成については、図3及び図4を用いて後述する。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。アパーチャグリル2の詳細構成については、図5を用いて後述する。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3を保護するものである。
本実施形態では、図1の上部、図2のフィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3のひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3の微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3の微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3の被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
次に、図3〜図6を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイ3の構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの構成を示す斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの構成を示す側面図である。図5は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの説明図である。図6は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いる他のマイクロレンズアレイの説明図である。
図3に示すように、本実施形態のマイクロレンズアレイ3は、光透過性の基板300上に正方配置で、複数のレンズ301が並ぶような構成となっている。そして、図4に示すように、隣接する複数のレンズ301の間は、蒸着,スパッタリングなどにより遮光性素材302を配置して、隣接するレンズの間に入射する光を透過させない構成で迷光を発生させにくくする構造としている。
図5のマイクロレンズアレイ3を構成するレンズ301は、凸型形状が球面形状とする。ある一点(図示せず)からの光は、レンズ301へ入射し、レンズ部で屈折した光はイメージセンサ1の開口部101側で焦点を結び結像する。しかしながら、球面状をしたレンズにより焦点は、光軸近傍では開口部101上の焦点位置F1の位置で点となり結像し、光軸から離れた周辺部分では、焦点位置F2の位置で結像し、開口部101上の開口部では、面積を持った錯乱円となって結像し入射する。これら現象は球面収差であるが、錯乱円の大きさは、曲率、屈折率、焦点距離などによって大きさが変わる。このように、レンズ301の周辺に入射した光まで有効に活用するためには、イメージセンサ1の開口部101が錯乱円を包含する大きさである必要がある。
一方、撮像に不要な迷光を除去するためなどの理由でイメージセンサ1の開口部101の大きさが小さい場合、図6に示すように、マイクロレンズ3’を構成するレンズ301’の凸型形状を光軸対象などの非球面レンズを用い、光軸近傍から周辺部まで焦点位置F3で結像することができる。このよう、小面積の開口部101での入射光を有効活用した撮像が可能となる。
次に、図7を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリル2の構成について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの構成を示す斜視図である。
アパーチャグリル2は、使用光の波長帯を遮光する材質でできている基板200に、開口部201を設けた構成となっている。開口部201は、マイクロレンズアレイ3とイメージセンサ1との位置に合わせて設けられている。
この構成で、図の上部斜めから入射した光は、アパーチャグリル2の上面と開口部201の内面にて遮光される。
次に、図8を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるイメージセンサ1の構成について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるイメージセンサの構成を示す平面図である。
イメージセンサ1は、その上面に複数のひとつひとつ独立した開口部101を有している。開口部101の部分が光電変換素子の受光部を構成し、この開口部101に入射した光信号が電気信号に変換される。開口部101の周囲には、アパーチャグリル2やマイクロレンズアレイ3を積層した後、固定するための枠部102が設けられている。
ここで、枠部102の内側の大きさは、長辺の長さL1が例えば15mmであり、短辺の長さL2が例えば10mmである。また、開口部101の幅W1は例えば5μmである。開口部101は正方形状である。さらに、隣接する開口部101のピッチP1は例えば100μmである。開口部101は正方配置されているため、長辺方向も短辺方向も等しいものである。したがって、図示の例は模式的に表しているが、上述の寸法関係から理解されるように、開口部101は長辺方向に150個、短辺方向に100個形成されている。すなわち、開口部101の総数は、15万個である。各開口部101はそれぞれ受光部であるため、イメージセンサ1は、15万画素に相当する。
なお、従来のイメージセンサの場合、その大きさは、例えば、長辺が45mmで、短辺が25mmのものを用いている。その表面には、受光素子が100μmピッチで隙間なく縦横方向に配置されている。すなわち、本実施形態のイメージセンサ1のように、その上面に複数のひとつひとつ独立した開口部(受光部)101を有するものではなく、イメージセンサの表面に一面にぎっしりと受光素子が設けられている。
次に、図9を用いて、本実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系の構成を示す断面図である。なお、図1〜図8と同一符号は、同一部分を示している。
被写体側の焦点面FPL上の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報は、マイクロレンズアレイ3により集光され、光路111にて、アパーチャグリル2の開口部201を通って、イメージセンサ1の開口部101に結像する。一方、斜めに入って来た光は、光路112のような経路を通り、アパーチャグリル2にて遮光される。以上のような構成により、基板200の斜め方向から入射する不要光をカットすることができる。
ここで、イメージセンサ1の開口部101の幅W1を、前述のように5μmとし、隣接する開口部101のピッチを100μmとしたとき、マイクロレンズアレイ2を構成する単一レンズの直径R1は100μmよりわずかに小さい大きさである。マイクロレンズアレイ2を構成する単一レンズの中心から、イメージセンサ1の表面までの高さH1は2mm程度である。
従来の同軸レンズ群を構成する複数枚のレンズの内、一番直径の大きなレンズの直径をR2とするとき、この一番直径の大きなレンズは被写体側に配置されるため、このレンズから従来のイメージセンサまでの距離をH2とすると、レンズの性能が同じ場合、H2:R2=H1:R1の関係となる。
本実施形態では、マイクロレンズアレイ2を用い、マイクロレンズアレイ2を構成する単一レンズの直径R1は100μmと小さいため、上式のH1を小さくできる。H2=20mm,R2=20mmとして、R1=100μmとすると、H1は100μmとできるが、これでは、レンズとイメージセンサが近接しすぎるため、マイクロレンズアレイ2を構成する単一レンズの焦点距離を長めにして、高さH1を2mmと、製造しやすくしている。
この場合でも、複数のレンズがアレイ状に配置されたマクロレンズを用い、また、イメージセンサも全面が受光部のものでなく、受光部が互いに独立して離散的に配置されたものを用いることで、レンズからイメージセンサまでの距離を短くでき、認証センサを薄型化できるものである。
以上説明したように、本実施形態の認証センサでは、イメージセンサの開口部に対応するマイクロレンズアレイで被写体である生体の一点すなわち、焦点の様子をそれぞれの開口部へと結像させる。このようにして生体を離散的に撮像することが可能となり、薄型化できる。この際、レンズの有する収差等はレンズの大きさに対して開口部の大きさが小さくかつ、開口部ピッチが大きいために見かけ上無視できるようになる。
次に、図10を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの他の構成について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの他の構成を示す側面図である。なお、図3及び図4と同一符号は、同一部分を示している。
本例のマイクロレンズアレイ3Aは、光透過性の基板300上に正方配置で、複数のレンズ301が並ぶような構成となっている。そして、図4に示すように、隣接する複数のレンズ301の間は、蒸着,スパッタリングなどにより遮光性素材302を配置して、光を透過させない構成で迷光を発生させにくくする構造としている。
さらに、レンズ301に斜めから入射する光を遮光するため、基板300の下面に遮光材303を配置し、迷光をさらに減少させる。
次に、図11を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイのその他の構成について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイのその他の構成を示す斜視図である。なお、図3及び図4と同一符号は、同一部分を示している。
本例のマイクロレンズアレイ3Bは、光透過性の基板300上に正方配置で、複数のレンズ301Aが並ぶような構成となっている。レンズ301Aは、その光軸がレンズ配置の中心となり、隣接するレンズ同士が接する部分が界面となり、図示のように円形がカットされ四角形の形状となった形状である。この構成によって、マイクロレンズアレイ3に入射した光を効率的に集光することができる。
次に、図12及び図13を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第2の構成について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第2の構成を示す断面図である。図13は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系の第2の構成を示す断面図である。なお、図1〜図9と同一符号は、同一部分を示している。
図12に示すように、本例のアパーチャグリル2Aは、使用光の波長帯を遮光する材質でできている基板200A1に、使用光の光波長を遮光する膜でアパーチャグリル202A1を生成したものと、使用光の波長帯を遮光する材質でできている基板200A2に、使用光の光波長を遮光する膜でアパーチャグリル202A2を生成したものとを貼り合わせた構成となっている。アパーチャグリル202A1、202A2には、それぞれ、開口部201が形成されている。開口部201は、マイクロレンズアレイ3とイメージセンサ1との位置に合わせて設けられている。
なお、1枚の基板200A1の両面に、アパーチャグリル202A1とアパーチャグリル202A2を形成するようにしてもよいものである。
図13に示すように、被写体側の焦点面FPL上の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報は、マイクロレンズアレイ3により集光され、光路111にてアパーチャグリル202A1の開口部201を通ってイメージセンサ1の開口部101に結像する。一方、斜めに入って来た光は、光路112もしくは光路113のような経路を通り、アパーチャグリル202A1,202A2にて遮光される。したがって、この構成によりアパーチャグリル2Aの斜め方向から入射する不要光を除去することができる。
次に、図14及び図15を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第3の構成について説明する。
図14は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第3の構成を示す断面図である。図15は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系の第3の構成を示す断面図である。なお、図1〜図9と同一符号は、同一部分を示している。
図14に示すように、アパーチャグリル2Bは、空気などの気体に満たされた開口部201と隔壁206にて構成される。隔壁206に当たった光は表面にて反射しないよう、例えば植毛塗装のような表面処理や空気などの気体に満たされた開口部201の屈折率と近づけ吸収するような材質とする。
図15に示すように、被写体側の焦点面FPL上の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報は、マイクロレンズアレイ3により集光され、光路111にてアパーチャグリル2Bを通ってイメージセンサ1の開口部101に結像する。一方、斜めに入って来た光は、光路112のような経路を通り、アパーチャグリル2Bにて遮光される。この構成により、アパーチャグリル2で斜め方向から入射する不要光をカットすることができる。
次に、図16を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第4の構成について説明する。
図16は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第4の構成を示す断面図である。なお、図1〜図9と同一符号は、同一部分を示している。
アパーチャグリル2Cは、開口部201Cは、屈折率n1の使用波長の光を透過する材質で満たすようにする。一方、隔壁206は、屈折率n2の使用波長で光を遮光する材質とする。このとき、開口部201Cの屈折率n1と隔壁206の屈折率n2との関係がn1=n2もしくはn1≒n2としておくことで開口部201に斜めに入射した光は、屈折率n1と屈折率n2が近いため反射せず、隔壁206へと入射し、吸光される。
ここで、開口部201Cの屈折率n1と隔壁206の屈折率n2を界面でステップ状に微小変化させる方式や、開口部201Cの屈折率n1から隔壁206の屈折率n2へと連続的に変化させる方式とすることもできる。
次に、図17〜図19を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第5の構成について説明する。
図17は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第5の構成を示す斜視図である。図18は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第5の構成を示す側面図である。図19は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系の第5の構成を示す断面図である。なお、図1〜図7と同一符号は、同一部分を示している。
図17に示すように、アパーチャグリル2Dは、使用光の波長を透過する光ファイバ204を束ね、隣接するファイバ204の間を使用光波長を遮光する材質で埋めたものである。これは、光ファイバ204がそれ自身の持つ開口角で入射する光を制限することを使用したものである。
図18に示すように、光ファイバ204は、光学的指向性205を有しており、矢印の長い方が強く矢印が短くなるにしたがって弱くなる。このような特性をアパーチャグリル2Dを構成する光ファイバ204の全てに持たせる。すると指向性の強い方向の光を中心にイメージセンサ1へと導くようになる。
図19に示すように、被写体側の焦点面FPL上の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報は、マイクロレンズアレイ3により集光され、光路111にてアパーチャグリル2Dの表面に結像する。一方、斜めに入って来た光は、光路112のような経路を通り、アパーチャグリル2Dに入射する。アパーチャグリル2Dの個々の光ファイバ204は、図16のような指向性205を持っているため、光路111のような光は透過するが光路112のような光は、遮光する。この構成により、アパーチャグリル2Dの斜め方向から入射する不要光をカットすることができる。
次に、図20を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第6の構成について説明する。
図20は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサに用いるアパーチャグリルの第6の構成を示す斜視図である。なお、図1〜図9と同一符号は、同一部分を示している。
この例では、アパーチャグリル2Eは、角形の開口部201Eを備えている。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図21を用いて、本発明の第2の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3と、フィルタ4と、保護ガラス5とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3は、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3を保護するものである。
保護ガラス5は、イメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3を保護するものである。保護ガラス5は、使用光の波長帯を遮光する材質でできている。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3のひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3の微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3の微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3の被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
また、保護ガラスにより、マイクロレンズアレイ等を保護できる。
次に、図22を用いて、本発明の第3の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図22は、本発明の第2の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3と、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3は、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。本実施形態では、図2の構成と異なり、マイクロレンズアレイ3の各微小レンズが、アパーチャーグリル2の方に面している。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3を保護するものである。フィルタ4は、マイクロレンズアレイ3に接触して配置される。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3のひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3の微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3の微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3の被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図23を用いて、本発明の第4の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図23は、本発明の第4の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3と、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3は、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3の微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3を保護するものである。本実施形態では、図20の構成と異なり、フィルタ4は、マイクロレンズアレイ3と、アパーチャーグリル2の間に配置している。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3のひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3の微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3の微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3の被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図24を用いて、本発明の第5の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図24は、本発明の第5の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3Cとから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3Cは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。また、マイクロレンズアレイ3Cは、近赤外線のみを透過する材料で構成されており、図20のフィルタ4の機能も有している。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3C上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3Cのひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3Cの微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3Cの被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
また、単体としてのフィルタが不要であり、構成部品を少なくできる。
次に、図25を用いて、本発明の第6の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図25は、本発明の第6の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3Cと、保護ガラス5とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3Cは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。また、マイクロレンズアレイ3Cは、近赤外線のみを透過する材料で構成されており、図20のフィルタ4の機能も有している。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3C上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
保護ガラス5は、イメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3Cを保護するものである。保護ガラス5は、使用光の波長帯を遮光する材質でできている。
本実施形態では、図1の上部、図2のフィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3Cのひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3Cの微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3Cの微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3Cの被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
また、保護ガラスにより、マイクロレンズアレイ等を保護できる。
次に、図26を用いて、本発明の第7の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図26は、本発明の第7の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3D,3Eと、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3D,3Eは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。本実施形態では、マイクロレンズアレイ3Dの各微小レンズとマイクロレンズアレイ3Eの各微小レンズが、互いに正対するように配置されている。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3D,3E上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3D,3Eを保護するものである。フィルタ4は、マイクロレンズアレイ3Dに接触して配置される。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3D,3Eのひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3D,3Eの被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図27を用いて、本発明の第8の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図27は、本発明の第8の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3D,3Eと、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3D,3Eは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。本実施形態では、マイクロレンズアレイ3Dの各微小レンズとマイクロレンズアレイ3Eの各微小レンズが、互いに正対するように配置されている。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3D,3E上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3D,3Eを保護するものである。フィルタ4は、マイクロレンズアレイ3Eとアパーチャグリル2の間に配置される。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3D,3Eのひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3D,3Eの被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図28を用いて、本発明の第9の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図28は、本発明の第9の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3E,3Fとから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3E,3Fは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。本実施形態では、マイクロレンズアレイ3Dの各微小レンズとマイクロレンズアレイ3Eの各微小レンズが、互いに正対するように配置されている。また、マイクロレンズアレイ3Fは、近赤外線のみを透過する材料で構成されており、図20のフィルタ4の機能も有している。
アパーチャグリル2は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3E,3Fの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3E,3F上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3E,3Fの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3E,3Fを保護するものである。
本実施形態では、フィルタ4の被写体側に位置する焦点面FPL上に含まれる空間の一点(焦点位置FPO)の明るさの情報のうち、フィルタ4が透過する近赤外光のみをマイクロレンズアレイ3E,3Fのひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、アパーチャグリル2を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。すなわち、ひとつひとつのマイクロレンズアレイ3E,3Fの微小レンズとイメージセンサ1の開口部が、焦点面FPLの一点(焦点位置FPO)をサンプリングしていくような,離散的に撮像する構成である。このようにして、焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、マイクロレンズアレイ3E,3Fの微小レンズは、従来の同軸レンズ群に比べると、遙かに直径の小さいなレンズを用いることができるので、マイクロレンズアレイ3の被写体側の端面からイメージセンサ1の表面までの距離を小さくでき、さらに、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることができる。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
また、単体としてのフィルタが不要であり、構成部品を少なくできる。
次に、図29及び図30を用いて、本発明の第10の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図29は、本発明の第10の実施形態による薄型認証センサの全体構成を示す側面図である。図30は、本発明の第1の実施形態による薄型認証センサの中の単一の光学系の第10の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図29に示すように、本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、第1,第2のアパーチャグリル21,22と、マイクロレンズアレイ3D,3Eと、フィルタ4とから構成されている。
イメージセンサ1の表面には、ひとつひとつ独立した光電変換素子の開口部が複数個配置されている。
マイクロレンズアレイ3D,3Eは、正の集光力を持った微小レンズがイメージセンサ1の開口部と1対1の配置で同軸上に並んだものである。本実施形態では、マイクロレンズアレイ3Dの各微小レンズとマイクロレンズアレイ3Eの各微小レンズが、互いに正対するように配置されている。
アパーチャグリル21,22は、同軸上に並んだイメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズと対の、微小レンズ以外のマイクロレンズアレイ3D,3E上の部分を透過してイメージセンサ1の開口部に入射するような不要な光をカットするため、すなわち、イメージセンサ1の開口部とマイクロレンズアレイ3D,3Eの微小レンズを貫くそれぞれの光軸に平行な光以外をカットするためのものである。
フィルタ4は、近赤外線のみを透過し、さらにイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3D,3Eを保護するものである。フィルタ4は、マイクロレンズアレイ3Dに接触して配置される。
図30に示すように、本実施形態では、フィルタ4上の被写体側の焦点面FPL上に含まれる空間の一点の明るさの情報のうち、フィルタ4を透過する近赤外光のみを第1のアパーチャグリル21で、第1のアパーチャグリル21を透過した第1のマイクロレンズアレイ32と第2のマイクロレンズアレイ33の組のひとつひとつの微小レンズが正の集光力で集光し、第2のアパーチャグリル22を介してイメージセンサ1の開口部で焦点を合わせるような構成になっている。ひとつひとつの第1のアパーチャグリル21と第2のアパーチャグリル22の孔と第1のマイクロレンズアレイ32と第2のマイクロレンズアレイ33との微小レンズとイメージセンサ1の開口部が焦点面FPLの一点をサンプリングしていくような構成である。このようにして焦点面FPLに含まれる指の画像をイメージセンサ1によって取得できる。この構成であれば、被写体側の焦点面FPLからイメージセンサ1までの距離を小さくすることが可能である。
イメージセンサ1の構成は、図8に示した通りである。マイクロレンズアレイ3としては、図3及び図4,図10,図11に示したものを用いることができる。アパーチャグリル2としては、図7,図12〜図20に示したものを用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、レンズの被写体側端面からイメージセンサまでの距離を短くし、薄型認証センサを得ることができる。
次に、図31〜図35を用いて、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図31は、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。図32は、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。図33は、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサに用いるマイクロレンズアレイの斜視図である。図34は、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサに用いる他の構成のマイクロレンズアレイの斜視図である。図35は、本発明の第11の実施形態による薄型認証センサに用いる他の構成のマイクロレンズアレイに用いるレンズ屈折率の説明図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図31は、図1に示した薄型認証センサ10における焦点位置の配置を示している。薄型認証センサ10は、図1にて説明したように、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3と、可視光を遮光し近赤外光を透過するフィルタ4とから構成されている。
この例では、マイクロレンズアレイ3を構成する微小レンズひとつひとつの曲率が同一である。したがって、焦点位置FPOをとおる焦点面FPLは平面となる。焦点面が平面であるから厳密な意味での焦点は、指の静脈の一部にしか合わないが、イメージセンサ1側での許容錯乱円120が開口部の大きさまで許容できるため、センサ側の指の静脈の多くに焦点が合うことになる。被写体側許容錯乱円120は、等倍光学系であるため、イメージセンサ1側での許容錯乱円すなわち、イメージセンサ1の開口部大きさに内接する円と同等になり焦点位置FPOを中心とした合焦範囲121内であればボケのない画像が得られる。
それに対して、図32は、第11の実施形態における焦点位置の配置を示している。薄型認証センサ10Gは、図1にて説明したように、イメージセンサ1と、アパーチャグリル2と、マイクロレンズアレイ3Gと、可視光を遮光し近赤外光を透過するフィルタ4とから構成されている。
本実施形態では、マイクロレンズアレイ3Gを構成する微小レンズの曲率を調整し、焦点位置FPOを指の長手方向半円筒形状に配置している。この構成によれば、図31に示す実施形態と同様、イメージセンサ1側での許容錯乱円120が開口部の大きさまで許容できることと、指の静脈位置と焦点位置が近いことでさらに、指静脈撮影に好適である。
図33は、マイクロレンズ3Gの構成を示している。マイクロレンズ3Gは、図30の焦点面FPLのように、被写体である指の形状に似せて長手方向に半円筒形状にするため、基板300に形成された各レンズ301Gは、指長手方向側の列に分割され、グループ310,311,312,313,314,315,316のように、列毎でグループ分割し、それぞれのグループことで曲率を変え、グループ310と、グループ316では曲率を小さくし焦点距離を長く、中央部のグループ313では曲率を大きくし焦点距離を短くする。その間のグループは、順を追って曲率を変更することによって最終的には、図31に示すよう焦点位置FPOを得ることができ、それらを包含する面として表した焦点面FPLは、半円筒形状とすることができる。
次に、図34は、他の構成のマイクロレンズアレイ3Hを示している。マイクロレンズアレイ3Hは、レンズ中心から半径方向に連続的に屈折率を変化させた微小GRIN(Gradient Index Lenses;屈折率分布型)レンズ301Hを二次元配置したものである。マイクロレンズアレイ3Hは、図32の焦点面FPLのよう被写体である指の形状に似せて長手方向に半円筒形状にしている。そのため、マイクロレンズアレイ3Hは、指長手方向側の列に分割し、グループ320,321,322,323,324,325,326のように列毎でグループ分割し、それぞれのグループことで屈折率分布を変え、グループ320,グループ326では、屈折率分布を図35の屈折率n1のようにし焦点距離を長く、中央部では、屈折率分布を屈折率n2のようにし焦点距離を短くする。その間のグループは、順を追って曲率を変更する。以上のような構成によって最終的には図32示すよう焦点位置(焦点位置FPO)、それらを包含する面として表した焦点面FPLは、半円筒形状とすることができる。
次に、図36を用いて、本発明の第12の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図36は、本発明の第12の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図36(A)は、図32で示した実施形態に関するもので、薄型認証センサ10Gの焦点面FPLは、半円筒形状のものである。
それに対して、本実施形態では、図36(B)に示すように、薄型認証センサ10Jの焦点面FPLは、指の形状に則した半楕円形状としている。
次に、図37を用いて、本発明の第13の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図37は、本発明の第13の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図36(B)では、薄型認証センサ10Jの焦点面FPLは、指の形状に則した半楕円形状としているのに対して、本実施形態では、薄型認証センサ10Kの焦点面FPLは、半楕円形状ではなく、直線を折り曲げた形状とし、簡易化した形状で、指の形状に則したものとしている。
次に、図38を用いて、本発明の第14の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図38は、本発明の第14の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。図38(A)は斜視図であり、図38(B)は図38(A)のA−A’断面図であり、図38(C)は図38(A)のB−B’断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本例では、さらに指の形状に則し、一般的に指の根元側より先端側の方が細いという点に着目し、図38(B)に示す指の根元側である線分A−A’を含む面側の焦点面FPLの形状と、図38(C)に示す指の先端側である線分B−B’を含む面側の焦点面FPLの形状を変え、指の先端側である線分B−B’を含む面側の図38(C)側の方が焦点面FPLの曲率を大きくし、線分A−A’、線分B−B’の間は滑らかに段階的に曲率を分布させるようにする。
この例により、さらに撮像画質を向上できる。
次に、図39を用いて、本発明の第15の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図39は、本発明の第15の実施形態による薄型認証センサにおける焦点位置の配置の説明図である。図39(A)は斜視図であり、図39(B)は図39(A)のA−A’断面図であり、図39(C)は図39(A)のB−B’断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本例では、さらに指の形状に則しつつ簡略化した焦点面形状とし、一般的に指の根元側より先端側の方が細いという点に着目し、図39(B)に示す指の根元側である線分A−A’を含む面側の焦点面FPLの形状と、図39(C)に示す指の先端側である線分B−B’を含む面側の焦点面FPLの形状を変え、指の先端側である線分B−B’を含む面側の焦点面FPLの形状を小さくし、線分A−A’、線分B−B’の間は滑らかに段階的に曲率を分布させるようにする。
次に、図40を用いて、本発明の第16の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図40は、本発明の第16の実施形態による薄型認証センサの斜視図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
薄型認証センサ10Nは、図1示したようなイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3と、フィルタ4Nとから構成される。ここで、フィルタ4Nは複数のエリアからなっており、近赤外線透過フィルタ配置エリア40は、可視光など他の光は遮光する領域である。近赤外線透過フィルタ非配置エリア41は、近赤外とともに可視光を透過する領域である。この構成では、近赤外線透過フィルタ配置エリア40で、指の静脈の撮像を行ない、一方、近赤外線透過フィルタ非配置エリア41にて、指の近接検知等を行なうことができる。
なお、近赤外線透過フィルタ非配置エリア41は、近赤外と特定の可視光を透過するようなフィルタであっても良い。薄型認証センサ,イメージセンサ,アパーチャグリル,マイクロレンズアレイの構成としては、図1〜図39にて説明したような構成を取ることができる。
このようにしてさらにセキュリティ度を向上することが可能となる。
次に、図41を用いて、本発明の第17の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
図41は、本発明の第17の実施形態による薄型認証センサの斜視図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
薄型認証センサ10Pは、図1示したようなイメージセンサ1,アパーチャグリル2,マイクロレンズアレイ3,フィルタ4とから構成される。さらに、発光ダイオード42,43と、フォトダイオード44とを備えている。薄型センサ10Pは、全面にて指の静脈画像を撮影する領域で、発光ダイオード42と発光ダイオード43は、交互にもしくは両者とも同時に発光しその光をフォトダイオード44にて受光する。フォトダイオード44が受光し、光電変換した信号レベルにて指の近接検知等を行なうことができる。なお、薄型認証センサ,イメージセンサ,アパーチャグリル,マイクロレンズアレイの構成としては、図1〜図39にて説明したような構成を取ることができる。
このようにしてさらにセキュリティ度を向上することが可能となる。
次に、図42〜図44を用いて、本発明の各実施形態による薄型認証センサの製造方法について説明する。
図42,図43は、本発明の各実施形態による薄型認証センサの製造方法の原理説明図である。図44は、本発明の各実施形態による薄型認証センサの製造方法の内容を示すフローチャートである。
各実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1、アパーチャグリル2、マイクロレンズアレイ3等から構成される。マイクロレンズアレイ3には、位置合わせ用の位置合わせマークとして、第1のトンボ60,第2のトンボ61,第3のトンボ62が設けられている。アパーチャグリル2には、位置合わせ用の位置合わせマークとして、第1のトンボ60A,第2のトンボ61A,第3のトンボ62Aが設けられている。ここで、アパーチャグリル2のトンボ60A,61A,62Aと、マイクロレンズアレイ3のトンボ60,61,62とでは、光透過特性が予め異なる値となるように設定されている。なお、トンボの形状としては、図示するように、十字線形状の代わりに、アルファベットのIとLを組み合わせたIL字線形状としてもよいものである。
ここで、イメージセンサ1は、アパーチャグリル2、マイクロレンズアレイ3のトンボの位置を包含するよう受光部100が設けられており、トンボの位置を撮影することができる。
たとえば、図43において、イメージセンサ1上に予め設定したトンボ63と、アパーチャグリルのトンボ64と、マイクロレンズアレイのトンボ65とする。イメージセンサ1で撮影した画像が図43に示すように、ずれていたとする。ここで、アパーチャグリルのトンボ64は、中間的な光透過度、マイクロレンズアレイ3のトンボ64は、遮光に近い光透過度と設定しておくことでそれぞれのトンボがどれか区別して把握することができる。このようなトンボが図42の第1のトンボ60,60A、第2のトンボ61,61A、第3のトンボ62,62Aのような位置に配置されている場合、図43のような撮影画像を得ることで、それぞれのトンボの位置における回転量,ずれの量が分かる。
ここで、図44を用いて、イメージセンサ1、アパーチャグリル2、マイクロレンズアレイ3の位置合わせ方法について説明する。
最初に、イメージセンサ1で撮像し(ステップS1)、トンボ位置が全て所定位置か確認する(ステップS2)。
所定位置だったら調整終了(ステップS3)、所定位置ではなかったら、アパーチャグリル2のトンボが所定位置になっているか確認する(ステップS4)。アパーチャグリル2のトンボ位置が所定位置になっていたら、次にマイクロレンズアレイ3のトンボ位置が所定位置になっているかを確認する(ステップS5)。 所定位置の場合、調整終了(ステップS3)。
一方、ステップS04でアパーチャグリル2のトンボ位置が合っていなかったら、次にアパーチャグリル2のトンボ位置が、イメージセンサ1上の所定位置と比較して回転しているかどうかをチェックする(ステップS6)。回転していたらアパーチャグリル2のトンボ位置とイメージセンサ1上の所定位置とから回転量を算出する(ステップS7)。しかる後に回転補正用の駆動を行ない(ステップS8)、再度撮像を行なう(ステップS9)。撮像した画像は、ステップS6の判定へと移行し再度回転の状況の判定を行なう。
ステップS6にてアパーチャグリル2のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と比較して回転していないと判定されたら、アパーチャグリル2のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置とどのくらいずれているか位置ずれ量を検出する(ステップS10)。しかる後に、位置補正用の駆動を行ない(ステップS11)、再度撮像を行なう(ステップS12)。撮像した画像にて、アパーチャグリル2のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と合致しているか判定し(ステップS13)、合致していれば判定ステップS05の前へと移行し、合致していないと判定されたら再度ステップS10にて位置ずれ量の検出を行ない、以下ステップS11、ステップS12、ステップS13と同様の処理を行なう。
次に、判定ステップS5にてマイクロレンズアレイ3のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と合致していないと判定されたら、マイクロレンズアレイ3のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と比較して回転しているかどうかをチェックする(ステップS14)。回転していたらマイクロレンズアレイ3のトンボ位置とイメージセンサ1上の所定位置とから回転量を算出する(ステップS15)。しかる後に回転補正用の駆動を行ない(ステップS16)、再度撮像を行なう(ステップS17)。撮像した画像は、ステップS14の判定へと移行し再度回転の状況の判定を行なう。
ステップS14にてマイクロレンズアレイ3のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と比較して回転していないと判定されたら、マイクロレンズアレイ3のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置とどのくらいずれているか位置ずれ量を検出する(ステップS18)。しかる後に、位置補正用の駆動を行ない(ステップS19)、再度撮像を行なう(ステップS20)。撮像した画像にて、マイクロレンズアレイ3のトンボ位置がイメージセンサ1上の所定位置と比較をし(ステップS21)、合致していれば終了ステップS3の前へと移行し、合致していないと判定されたら再度ステップS18にて位置ずれ量の検出を行ない、以下ステップS18、ステップS19、ステップS20と同様の処理を行なう。
次に、図45〜図48を用いて、図19に示した実施形態におけるように、アパーチャグリル2に光ファイバを束ねたような構成となっているものを使用したとき、イメージセンサ1の開口部の大きさの制約について説明する。
図45〜図48は、図19に示した実施形態におけるイメージセンサ1の開口部の大きさの制約の説明図である。
図45は、アパーチャグリル2の構成要素である光ファイバ204とイメージセンサ1の開口部101との大きさが大略1対1のときの状態を示したものである。アパーチャグリル2の光ファイバ204は、密集して配置されているとしても、光ファイバ204の間に空隙207が生じる。空隙207は、迷光が入らないよう遮光物質にて埋めるが、この遮光物質によりイメージセンサ1に入射する光が遮光され、X方向に開口部101を移動させると被写体側の光がイメージセンサ1の開口部101に入射する。その結果、光電変換の後に出力される光出力は、図46のように大きくなったり小さくなったりを繰り返し、この関係でいわゆる「もあれ」を生じ、画像全体では、入射光は均一であっても、あたかも縞模様を撮影したような画像となる。
一方、図47に示すように、アパーチャグリル2を構成する光ファイバ204の径がイメージセンサ1の開口部101に比較して充分小さいとき、光ファイバ間の空隙207が見かけ上小さくなり、X方向に開口部101を移動させたとき、イメージセンサ1の開口部101に入射し、光電変換の後に出力される光出力は図48のように光出力の変動は小さくなる。
なお、イメージセンサ1の開口部101の大きさと比較してアパーチャグリル2を構成する光ファイバ204の直径は1/3以下であれば、いわゆる「モアレ」は、許容できる。
次に、図48以降を用いて、図1〜図47とは異なる実施形態について説明する。図48以降に示す実施形態は、図1〜図47に示す実施形態とは、次の点で異なっている。すなわち、図48以降に示す実施形態では、1)例えば、図1に示したアパーチャグリル2を用いていないものである。2)マイクロレンズアレイを構成する単光学系は、正立等倍の光学系である。3)マイクロレンズアレイを構成する単光学系の内、第1の単光学系によってイメージセンサ上に形成される被写体の像と、第1の単光学系に隣接する第2の単光学系によってイメージセンサ上に形成される被写体の像の一部が重なって形成される。
次に、図49〜図59を用いて、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。
最初に、図49及び図50を用いて、本実施形態による薄型認証センサの全体構成について説明する。
図49は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサの斜視図である。図50は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサの断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の薄型認証センサは、イメージセンサ1と、マイクロレンズアレイ3J,3Kと、フィルタ4とから構成される。すなわち、図1に示したアパーチャグリル2を用いていないものである。
焦点面FPL上の焦点位置FPOの画像情報は、フィルタ3を介してマクロレンズアレイ3J,3Kを構成する単光学系により、イメージセンサ1上に正立等倍の像を結像する。すなわち、焦点面FPLの被写体SBJの画像情報が、そのままイメージセンサ1の表面上に結像される。イメージセンサ1の表面には、光電変換を行う開口部が離散的に配置されており、空間的サンプリングが行なわれ、画像取り込みができる。
以上の構成で、焦点面FPL上の被写体SBJの持つ指紋や静脈などの生体情報を、イメージセンサ1により画像情報とすることができ、認証に用いることができる。
このとき、マクロレンズアレイ3J,3Kは、焦点面FPL上の被写体SBJの光学情報を、イメージセンサ1上に、個々の単光学系にて若干重なったタイル状に満遍なく結像させる。そのため、個々の単光学系は、受け持つ被写体、結像のサイズが小さくでき、短い物像間距離を実現できる。
また、本実施形態では、マクロレンズアレイ3J,3Kの結像を、イメージセンサ1の開口部で受光すればいいため、マクロレンズアレイ3J,3Kとイメージセンサ1の位置あわせ精度が粗くて済む。
次に、図51を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の構成について説明する。
図51は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の構成を示す断面図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
焦点面FPL上の被写体SBJの一点(焦点FPO)の光学情報は、フィルタ4を透過し、マクロレンズアレイ3J,3Kのレンズを介して、イメージセンサ1の上に、像IMGとして結像する。
イメージセンサ1の上に結像した像IMGは、イメージセンサ1の表面に設けられた開口部101によって空間的サンプリングをされ、光電変換される。光電変換結果を取り込むことによって、認証に向く画像取り込みができる。
次に、図52を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の被写体と像面上の関係について説明する。
図52は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の被写体と像面上の関係を示す平面図である。図52は、図49を上部,すなわち、被写体側から見た図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
マクロレンズアレイ3J,3Kには、複数の単光学系301が離散的に配置されている。マクロレンズアレイ3J,3Kの単光学系301以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、イメージセンサ1の上の遮光部102によりに遮光している。
被写体SBJの直径Lの範囲が、直径がlの単光学系301により、イメージセンサ1上に、像IMGを結像する。破線で示す円は、イメージサークルを示している。像IMGは、被写体SBJに対して等倍正立像である。すなわち、像IMGの大きさLは、被写体SBJの直径Lと同じ大きさである。また、像IMGの方向は、被写体SBJの方向と同じである。なお、直径Lは、直径lよりも大きいものである。
一方、イメージセンサ1の開口部101は、図示のように配置され、画像データとして取り込む。
次に、図53〜図55を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の間隔、像大きさとの関係について説明する。
図53は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。図53は、図48を上部,すなわち、被写体側から見た図である。図54及び図55は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサの単光学系における像の説明図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
図53において、マクロレンズアレイの単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、図示のようにお互いに間をあけて、隣接して周囲に配置された単光学系301a,301b,301c,301d…が90度をなす正方配置となっている。単光学系301aの直径をl、被写体SBJ2及び像IMG1の大きさをLとし、隣接する単光学系301同士の辺側距離をr1とし、対角距離をr2とする。被写体の全てを像面に結像するには、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離の関係は、次のようになる。
L ≧ r2
この条件式を満足する範囲で、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離をなしている場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
図54に示すように、被写体として、「A」という文字に対して、隣接する単光学系301a,301b,301c,301dにおけるそれぞれの被写体SBJ2a,被写体SBJ2b,被写体SBJ2c,被写体SBJ2dが、図示の関係にあるとする。
これらの被写体SBJ2a,SBJ2b,SBJ2c,SBJ2dは、単光学系301a,単光学系301b,単光学系301c,単光学系301dにより、イメージセンサ1(図示せず)上に、像IMG1a,像IMG1b,像IMG1c,像IMG1dとして結像される。
図55(A)〜(D)は、この様子を、各像IMG1a,IMG1b,IMG1c,IMG1d毎に示している。
以上のように、図55のそれぞれの像が重なり、図54の像IMG1a,像IMG1b,像IMG1c,像IMG1dからなる「A」の像がイメージセンサ1上に結像されるため、光電変換後に、被写体の信号とできる。
次に、図56を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の他の構成について説明する。
図56は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の他の構成を示す断面図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
焦点面FPL上の被写体SBJの一点(焦点FPO)の光学情報は、フィルタ4を透過し、マクロレンズアレイ3J,3Kのレンズを介して、イメージセンサ1の上に、像IMGとして結像する。
ここで、マクロレンズアレイ3Jは、マクロレンズアレイ3J1,3J2,3J3からなり、マクロレンズアレイ3Kは、マクロレンズアレイ3K1,3K2,3K3からなる。また、マクロレンズアレイ3Jと、マクロレンズアレイ3Kの間には、迷光カットと絞りのための、アパーチャグリルAPCを備えている。アパーチャグリルAPCを中心に、マクロレンズアレイ3Jとマクロレンズアレイ3Kが面対象に配置される。
なお、成例を示してあるが、アパーチャグリルを2枚や3枚としてもよく、また、レンズが対称配置でない構成でも、焦点面FPL上の被写体SBJとイメージセンサ1上の像IMGとの関係が正立像でほぼ等倍であればよいものである。
イメージセンサ1の上に結像した像IMGは、イメージセンサ1の表面に設けられた開口部101によって空間的サンプリングをされ、光電変換される。光電変換結果を取り込むことによって、認証に向く画像取り込みができる。
次に、図57を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第2の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係について説明する。
図57は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第2の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。図57は、図49を上部,すなわち、被写体側から見た図である。なお、図49,図50,図53と同一符号は、同一部分を示している。
マクロレンズアレイの単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、隣接して周囲に配置された単光学系301a,301b,301c,301d…が、互いに接しており、かつ、90度をなす正方配置となっている。図52の例では、隣接して配置された単光学系が、互いに間を開けていたのに対して、本例では、互いに接している点が相違している。
単光学系301aの直径をl、被写体SBJ2及び像IMG1の大きさをLとし、隣接する単光学系301同士の辺側距離をr1とし、対角距離をr2とする。被写体の全てを像面に結像するには、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離の関係は、次のようになる。
L ≧ r2
この条件式を満足する範囲で、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離をなしている場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
なお、図57の例で、イメージサークルの大きさLは、図53に示したイメージサークルの大きさLよりも小さくしている。これは、図57の例では、隣接する単光学系が互いに接しているため、図53のように隣接する単光学系を互いに離間させる場合に比べて、イメージサークルを小さくできるからである。
次に、図58を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第3の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係について説明する。
図58は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第3の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。図58は、図49を上部,すなわち、被写体側から見た図である。なお、図49,図50,図53と同一符号は、同一部分を示している。
マクロレンズアレイの単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、互いに間を開けているとともに、隣接して周囲に配置された単光学系301a,301b,301c,301d…を結ぶと、正三角形となり、それぞれ60度をなす、いわゆる千鳥配置のように配置されている。
単光学系301aの直径をl、被写体SBJ2及び像IMG1の大きさをLとし、隣接する単光学系301同士の辺側距離をr1とし、斜方向距離をr2とすると、
r1=r2
となる。
したがって、
L ≧ r2 = r1
の式を満足する範囲で、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離をなしている場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
次に、図59を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第4の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係について説明する。
図59は、本発明の第18の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第4の構成の単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。図59は、図49を上部,すなわち、被写体側から見た図である。なお、図49,図50,図53と同一符号は、同一部分を示している。
マクロレンズアレイの単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、互いに接しているとともに、隣接して周囲に配置された単光学系301a,301b,301c,301d…を結ぶと、正三角形となり、それぞれ60度をなす、いわゆる千鳥配置のように配置されている。
単光学系301aの直径をl、被写体SBJ2及び像IMG1の大きさをLとし、隣接する単光学系301同士の辺側距離をr1とし、斜方向距離をr2とすると、
r1=r2
となる。
したがって、
L ≧ r2 = r1
の式を満足する範囲で、隣接する単光学系301a,301b,301c,301d…の距離をなしている場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
なお、本発明おいて、正立等倍像とは、ほぼ正立等倍像を含むものである。等倍像では、被写体に対して、光学系により結像された像の倍率が、1.0倍である。それに対して、倍率については、0.95倍〜1.05倍程度の範囲であっても、実用的なものである。倍率が1.0倍から異なるに従って、結像された像の周辺部におけるボケが増加する。すなわち、隣接する単光学系により結蔵される像が重なる領域では、本来重なるべき像が僅かずつずれることになる。このずれにより、ボケが生じる。ボケの度合いは、倍率が1.0倍から外れるほど大きくなり、像の劣化をもたらす。この点、倍率が0.95倍〜1.05倍程度の範囲であれば、像の劣化の程度も少なく、実用に供せるものである。
また、フィルタ4の位置は、被写体SBJに近い側としているが、図21に示したように、マクロレンズアレイ3とイメージセンサ1の間に配置してもよいものである。また、図24に示したように、マクロレンズアレイ3の材質にフィルタ機能を有するようにしてもよいものである。
以上説明したように、本実施形態の認証センサによれば、薄型化できるものである。
次に、図60〜図62を用いて、本発明の第19の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。本実施形態による薄型認証センサの全体構成は、図49や図50に示したものと同様である。
本実施形態では、図49に示したマクロレンズアレイ3J,3Kの構成が相違するものである。ここでは、図60を用いて、本実施形態で用いるマクロレンズアレイ3Kaの構成について説明する。マクロレンズアレイ3Kaと同じ構成で、単光学系のレンズの凸面が下向きに配置されるものが、マクロレンズアレイ3Jとして用いられる。
図60は、本発明の第19の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの構成を示す斜視図である。図61は、本発明の第19の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
図60に示すように、マクロレンズアレイ3Kaは、複数の単光学系301a,301b,301c,301d…を有している。単光学系301a,301b,301c,301d…は、レンズが正方形のものである。単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、互いに間を離して配置しているとともに、かつ、90度をなす正方配置となっている。
そして、図61に示すように、単光学系301aの直径をlとし、被写体SBJと像IMGは、一辺の大きさLの正方形とする。
さらに、隣接する単光学系301の間隔は、単光学系301aの中心から隣接する単光学系301bの中心までの距離をr1とすると、被写体SBJ及び像IMGがちょうど隣接するような距離以下、すなわち、
L ≧ r1
の場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
ただし、実際の光学系においては、単光学系301の周辺部で画像劣化の可能性があるため、L>r1とすることが好ましいものである。
次に、図62を用いて、本実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第2の構成について説明する。
図62は、本発明の第19の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの第2の構成を示す斜視図である。
マクロレンズアレイ3Kbの単光学系301a,301b,301c,301d…以外の部分は、使用する波長の光がレンズ以外の部分を透過して迷光とならないよう、遮光部により遮光しているが、図示は省略している。
マクロレンズアレイを構成する単光学系301a,301b,301c,301d…は、隣接して周囲に配置された単光学系301a,301b,301c,301d…が、互いに接しており、かつ、90度をなす正方配置となっている。
以上の本実施形態の認証センサによっても、薄型化できるものである。
次に、図63及び図64を用いて、本発明の第20の実施形態による薄型認証センサの構成について説明する。本実施形態による薄型認証センサの全体構成は、図49や図50に示したものと同様である。
本実施形態では、図49に示したマクロレンズアレイ3J,3Kの構成が相違するものである。ここでは、図63を用いて、本実施形態で用いるマクロレンズアレイ3Kbの構成について説明する。マクロレンズアレイ3Kbと同じ構成で、上下逆向きに配置されるものが、マクロレンズアレイ3Jとして用いられる。
図63は、本発明の第20の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの構成を示す斜視図である。図64は、本発明の第20の実施形態による薄型認証センサに用いるマクロレンズアレイの単光学系の間隔、像大きさとの関係を示す平面図である。なお、図49,図50と同一符号は、同一部分を示している。
図63に示すように、マイクロレンズアレイ3Kcは、複数の単光学系301を有している。単光学系301は、平行平板の光学部材にイオン交換等の技術で屈折率の分布を生成し、屈折率の分布によって入射光を屈折させレンズ効果を持たせたもの(GRINレンズ)である。
図64に示すように、単光学系301a,301b,301c,301d…の直径をl、単光学系301a,301b,301c,301d…により、撮像、結像され、被写体SBJ2と像IMG1の直径をLとする。隣接する単光学系301a,301b,301c,301d同士のなす角を90度とし、正方形の頂点に単光学系301の中心の光軸がある。
このとき、
L ≧ r2
の場合、本光学系は、被写体全面の像を結像面へと投射でき、薄型光学系が実現できる。
なお、単光学系301の配置は、図62に示すような正方配置の代わりに、図57に示すような千鳥配置とすることもできる。
以上の本実施形態の認証センサによっても、薄型化できるものである。
次に、図65〜図68を用いて、図50〜図64にて説明した実施形態におけるイメージセンサ上に結像する像の明るさについて説明する。
図65〜図68は、本発明の図49以降の実施形態による薄型認証センサにおける像の明るさの説明図である。
図65において、横軸は位置を示し、位置Oが、単光学系の光学中心を示している。縦軸は、光量QLを示している。
光学中心Oの単光学系からの光量は、例えば、光量QL1のようになる。単光学系の周辺部において、光量が若干減少する。
そして、図50〜図64にて説明した実施形態では、隣接する単光学系によって形成される像が重なり合う構成となっている。そのため、光学中心Oの単光学系に隣接する第1、第2単光学系の光量は、光量QL2,QL3となり、互いの単光学系の周辺部付近において、重畳している。
図66は、図65に示した各光量QL1,QL2,QL3を合成した全体としての光量TQLを示している。各単光学系の周辺部では、中心部に比べて光量が減少するものと、隣接する単光学系の光量が重畳した結果、両者の重なり合うところで、光量が増加する。この光量の増加分を、光量ばらつきΔL1とする。
それに対して、図67は、隣接する単光学系の間隔を短くした場合を示した場合の、光量QLを示している。例えば、図65に示す例が、図53の実施形態に示した単光学系の配置とすると、図67に示す例は、図57の実施形態に示した単光学系の配置に相当する。
図68は、図67に示した各光量を合成した全体としての光量TQLを示している。各単光学系の周辺部では、中心部に比べて光量が減少するものと、隣接する単光学系の光量が重畳した結果、両者の重なり合うところで、光量が増加する。この場合の、光量ばらつきΔL2となる。
すなわち、図53の例に比べて、図57の例の場合には、光量のばらつきが少なく見え、かつ、隣接からの光により見かけ上明るくなる利点がある。
また、光量のばらつきは、撮像に好もしいものではないが、認証目的であるためオフセット値として記憶しておき、実際に得られた光量から、記憶しておいたオフセット値を差し引くことで、補正することができる。
なお、図50〜図64にて説明した実施形態においては、図49や図50に代表されるよう焦点面を平面としている。しかし、実際の被写体である指などの生体で平面で無い。そこで、マクロレンズアレイの焦点位置を被写体に近づけるよう、例えば、図36(A)に示したように、円筒の断面形状の焦点位置に、また、図36(B)に示したように、楕円の筒の断面形状の焦点位置にすることもできる。また、図37に示したように、平面の組み合わせた台形状の焦点位置にすることもできる。さらに、図38に示したように、焦点面を、指の根元側より先端側の方が細いという点に着目し、円筒の断面形状で、指の先端側の曲率を小さく、指の根元側の曲率を大きくするように、段階的に曲率を変化させてもよいものである。また、図39に示したように、断面が台形状で、段階的に曲率を変化させてもよいものである。
これにより、画像ボケを少なくし画像の鮮鋭度を上げることができる。
なお、本発明は、以下の実施の態様を含むものである。
(1)被写体と同等の大きさを有するイメージセンサと該イメージセンサの開口部と一対一の配列で微小レンズを配置したマイクロレンズアレイと該イメージセンサと該マイクロレンズアレイの間に該イメージセンサの開口部と該マイクロレンズアレイの微小レンズとの光軸に沿った光を透過するアパーチャグリルとを配置し被写体側に近赤外線を透過するフィルタを配置する構成で該マイクロレンズアレイの凸部が被写体側に向いていることを特徴とする薄型認証センサ(図1等)。
(2)(1)において、フィルタをマイクロレンズアレイとアパーチャグリルの間に配置することを特徴とする薄型認証センサ(図21)。
(3)(1)において、マイクロレンズアレイの凸部がイメージセンサ側に向いていることを特徴とする薄型認証センサ(図22)。
(4)(2)において、マイクロレンズアレイの凸部がイメージセンサ側に向いていることを特徴とする薄型認証センサ(図22)。
(5)被写体と同等の大きさを有するイメージセンサと該イメージセンサの開口部と一対一の配列で微小レンズをイメージセンサ側に凸形状で配置したマイクロレンズアレイと該イメージセンサと該マイクロレンズアレイの間に該イメージセンサの開口部と該マイクロレンズアレイの微小レンズとの光軸に沿った光を透過するアパーチャグリルとを配置する構成で該マイクロレンズアレイが近赤外線を透過し可視光を遮光する材質もしくは加工品であることを特徴とする薄型認証センサ(図24)。
(6)被写体と同等の大きさを有するイメージセンサと該イメージセンサの開口部と一対一の配列で微小レンズを被写体側に凸形状で配置した近赤外線を透過し可視光を遮光する材質もしくは加工のマイクロレンズアレイと該イメージセンサと該マイクロレンズアレイの間に該イメージセンサの開口部と該マイクロレンズアレイの微小レンズとの光軸に沿った光を透過するアパーチャグリルとを配置する構成で該マイクロレンズアレイと被写体の間に保護ガラスが配置されていることを特徴とする薄型認証センサ(図21)。
(7)被写体と同等の大きさを有するイメージセンサと該イメージセンサの開口部と一対一の配列で微小レンズを配置したマイクロレンズアレイ群と該イメージセンサと該マイクロレンズアレイの間に該イメージセンサの開口部と該マイクロレンズアレイの微小レンズとの光軸に沿った光を透過するアパーチャグリルとを配置し被写体側に近赤外線を透過するフィルタを配置する構成で該マイクロレンズアレイ群は2枚のマイクロレンズアレイで構成されていることを特徴とする薄型認証センサ(図26)。
(8)(7)において、フィルタをマイクロレンズアレイ群とアパーチャグリルの間に配置することを特徴とする薄型認証センサ(図27)。
(9)(7)において、マイクロレンズアレイ群のうち片方もしくは両方が近赤外線を透過し、可視光を遮光する材質もしくは加工をしてあることを特徴とする薄型認証センサ(図28)。
(10)(7)において、マイクロレンズアレイの微小レンズがお互いに独立した円形レンズであることを特徴とする薄型認証センサ(図3)。
(11)(10)において、マイクロレンズアレイの微小レンズの間が近赤外光を遮光する遮光材で覆っていることを特徴とする薄型認証センサ(図4)。
(12)(11)において、マイクロレンズアレイの微小レンズの間が近赤外光を遮光する遮光材がマイクロレンズアレイの基板平面、厚み方向中心で面対称で裏面側も覆っていることを特徴とする薄型認証センサ(図4)。
(13)(7)において、マイクロレンズアレイの微小レンズがお互いに接し独立した四角形レンズであることを特徴とする薄型認証センサ(図11)。
(14)(7)において、アパーチャグリルがマイクロレンズアレイのレンズ中心、イメージセンサの開口部中心と一致した中心を持つ円形孔であることを特徴とする薄型認証センサ(図7)。
(15)(7)において、アパーチャグリルがマイクロレンズアレイのレンズ中心、イメージセンサの開口部中心と一致した中心を持つ孔の空いた2枚の膜であることを特徴とする薄型認証センサ(図12)。
(16)被写体と同等の大きさを有するイメージセンサと該イメージセンサの開口部と一対一の配列で微小レンズを配置したマイクロレンズアレイ群と該イメージセンサの開口部と該マイクロレンズアレイの微小レンズとの光軸に沿った光を透過するアパーチャグリル群と被写体側に近赤外線を透過するフィルタを配置する構成で該マイクロレンズアレイ群は2枚のマイクロレンズアレイで構成され、さらに該マイクロレンズアレイ群を挟むように複数枚のアパーチャグリルが配置されていることを特徴とする薄型認証センサ(図12)。
(17)(16)において、アパーチャグリルがマイクロレンズアレイのレンズ中心及びイメージセンサの開口部中心と中心が一致した表面が吸光材でできた格子であることを特徴とする薄型認証センサ(図14)。
(18)(16)において、アパーチャグリルがマイクロレンズアレイのレンズ中心及びイメージセンサの開口部中心と中心が一致した透光材と吸光材の組み合わせでできた格子であり、該透光材と該吸光材の屈折率がほぼ一致していることを特徴とする薄型認証センサ(図16)。
(19)(16)において、アパーチャグリルが光を導光する光ファイバを束ねたもので構成し、光ファイバ同士の隙間には、吸光材を配置したことを特徴とする薄型認証センサ(図17)。
(20)(16)において、アパーチャグリルがマイクロレンズアレイのレンズ中心、イメージセンサの開口部中心と一致した中心を持つ方形孔であることを特徴とする薄型認証センサ(図19)。
(21)(21)において、薄型認証センサのマイクロレンズアレイとアパーチャグリルとイメージセンサとを位置決め用目印として見当標を用い位置決めすることを特徴とする薄型認証センサ(図8)。
(22)(20)において、薄型認証センサのマイクロレンズアレイとアパーチャグリルとイメージセンサとを位置決め用目印として十字線形状の見当標を用い位置決めすることを特徴とする薄型認証センサ(図42)。
(23)(20)において、薄型認証センサのマイクロレンズアレイとアパーチャグリルとイメージセンサとを位置決め用目印としてIL字線形状の見当標を用い位置決めすることを特徴とする薄型認証センサ。
(24)(21)において、マイクロレンズアレイとアパーチャグリルとイメージセンサの位置決めに用いる見当標は、マイクロレンズアレイとアパーチャグリルとで光の透過量が異なることを特徴とする薄型認証センサ(図43)。
(25)(21)において、マイクロレンズアレイとアパーチャグリルとイメージセンサの位置決めに関しマイクロレンズアレイとアパーチャグリルの見当標がイメージセンサの開口部の並ぶ領域にあることを特徴とする薄型認証センサ(図42)。
(26)(1)において、アパーチャグリルが光を導光する光ファイバを束ねたもので構成し、光ファイバの直径とイメージセンサ開口部の大きさの比が大略1対3以上であることを特徴とする薄型認証センサ(図47)。
(27)(26)において、薄型認証センサの被写体側焦点をイメージセンサ上から等距離位置となるようマイクロレンズアレイを構成するレンズ個々の曲率を同じとしたことを特徴とする薄型認証センサ(図31)。
(28)(27)において、マイクロレンズアレイは、個々のレンズを屈折率分布型のレンズ(GRINレンズ)で構成することを特徴とする薄型認証センサ(図34)。
(29)(26)において、薄型認証センサの被写体側焦点を生体の長手方向に半円筒形状となるようマイクロレンズアレイを構成するレンズ個々の曲率を変化させたことを特徴とする薄型認証センサ(図32)。
(30)(29)において、マイクロレンズアレイは個々のレンズを屈折率分布型のレンズ(GRINレンズ)で構成することを特徴とする薄型認証センサ(図34)。
(31)(29)において、マイクロレンズアレイは、生体長手方向の列毎に曲率が異なることを特徴とする薄型認証センサ(図34)。
(32)(29)において、焦点位置は、生体の形状に沿わせるべく、マイクロレンズアレイと垂直方向に押しつぶされた半楕円筒形状であることを特徴とする薄型認証センサ(図38)。
(33)(29)において、焦点位置は、中央部をマイクロレンズアレイと平行面とし、生体の長手方向側、縁部に向かうに従い該マイクロレンズアレイから遠方へと配置する、すなわち、逆台形形状となることを特徴とする薄型認証センサ(図39)。
(34)(29)において、焦点位置は、生体の長手方向の生体の末端方向に向かうに従い焦点面の上部方向に開いた開口を小さくすることを特徴とする薄型認証センサ(図38)。
(35)(34)において、イメージセンサの開口部の一部上に近赤外線のみを透過させるフィルタを配置していないことを特徴とする薄型認証センサ(図40)。
(36)(34)において、マイクロレンズアレイ端面に発光用のLED(発光ダイオード)と受光用のフォトトランジスタを配置したことを特徴とする薄型認証センサ(図41)。