JP5312660B1 - 非接触データ通信における広告表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ICカードや携帯電話等による非接触データ通信におけるデータ読取り部に効果的な宣伝広告機能を持たせた広告表示装置を提供する。
【解決手段】広告表示装置は、ICカード40や携帯電話等による非接触データ通信において使用されるものであり、ICカード40をかざす部分であるリーダライタ30を備えたデータ読み取り部20と該データ読み取り部20の上面に設置した広告表示部10とから構成されている。かかる広告表示装置によれば、使用者にごく短時間だけ広告表示部10を視認させるだけで、一般的な広告よりも高い訴求効果を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】広告表示装置は、ICカード40や携帯電話等による非接触データ通信において使用されるものであり、ICカード40をかざす部分であるリーダライタ30を備えたデータ読み取り部20と該データ読み取り部20の上面に設置した広告表示部10とから構成されている。かかる広告表示装置によれば、使用者にごく短時間だけ広告表示部10を視認させるだけで、一般的な広告よりも高い訴求効果を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子マネーの分野であるICカードまたは携帯電話等を使用した非接触データ通信において、ICカードまたは携帯電話等に搭載されたICチップに記録されたデータを読み取るためのデータ読み取り部の上面に広告媒体を備えた広告表示装置に関する。
近年、データの記録や演算をするために集積回路を組み込んだICカードが普及している。ICカード内にRAMやROM、EEPROMといった半導体メモリを組み込むことにより、従来の磁気ストライプカードと比べて数千倍の情報量を有するようになっている。
ICカードの情報の読み書き方式には接触型と非接触型がある。接触型とは、カード端末機の読み取り部分であるリーダライタ端子と接触するモジュール端子を持つタイプでカードと端子が直接接触して通信を行うものである。確実な通信を行える接触型は主に、より堅牢なセキュリティが求められる決済や認証の分野で使われている。
一方の非接触型とは、カード内部にICチップとアンテナの役目を果たすコイルが内蔵されており、端末の読み取り部分であるリーダライタから発生している磁界にカードをかざすと無線通信でデータのやりとりができるものである。鉄道改札通過時や普段の買い物の支払い時等、より利便性を求められる分野で活用されている。読み取り部分であるリーダライタの通信距離に応じて「密着型(〜2mm)」、「近接型(〜10mm)」、「近傍型(〜70mm)」、「遠隔型(70mm〜)」の4種類に区別されている。
上記のごとく非接触型ICカードは、カードをかざす相手側としてのリーダライタといわれるデータ読み取り部分があって始めて作動するようになっている。リーダライタからの電磁波を受け取ることにより、ICカードへの電源供給が可能となり、データの読み書きを行うことができるようになる。鉄道改札通過時であれば、ICカードや携帯電話をタッチする改札が、買い物時の支払いであればレジ脇に置いてあるICカードや携帯電話をかざす端末がこれにあたる。
データ読み取り部は、通常は文字通りICカードまたは携帯電話等に内蔵されたICチップに記録されたデータを読み取るための機能しか有していないのであるが、出願人は、ICカードをかざす部位であるデータ読み取り部において広告表示ができるようになれば好ましいと考え、鋭意研究を重ねた結果、データ読み取り部の上面が広告表示部として機能する広告表示装置を開発した。
ICカードをかざすデータ読み取り部は、通常は文字通りICカードまたは携帯電話等に内蔵されたICチップに記録されたデータを読み取るための機能しか有していないため、そもそもこの部位が有効に活用されていないという問題があった。出願人は、利用者がデータ読み取り部にICカードや携帯電話等をかざす、または当てるという行為は、必ずデータ読み取り部を目視しながらICカードや携帯電話等を持った手を添えることになり、この行為は、まさに確実に安全を確保するために行う指差確認作業そのものであることに着目した。
通常の思考であれば、ICカードや携帯電話をかざす部位は、ICカードや携帯電話の陰になってしまうため隠れてしまい、この部位に宣伝広告を表示するという発想には到達し難いものである。しかしながら、利用者がデータ読み取り部にICカードや携帯電話等をかざす、または当てるという行為は、いわゆる指差確認作業であり、利用者は必ずその部位を目視することになる。
利用者は、ICカードや携帯電話をデータ読み取り部にかざす直前には必ずデータ読み取り部を目視しており、ICカードや携帯電話をかざした部位から離す場合であっても、瞬間的には、かかる部位を無意識であったとしても目視した状態で、ICカードや携帯電話をかざした部位から離すことになる。以上のことより出願人は、ICカードや携帯電話をかざした部位に表示された広告は、たとえ短時間であったとしても、その訴求効果が通常の広告よりも高いと考えた。
利用者が、日常繰り返し目にするようなメッセージは無意識に人間の脳の中にインプットされ、利用者が実際に脳にインプットされたメッセージが記載された商品を見た際、広告等のメッセージに関連する企業や製品に対する安心感を定着させることで、好ましいブランドイメージの普及を促進し、購買意欲が向上することが心理学で証明されている。
さらに言えば、広告等に使用される動画は、視聴者にとって長くないほうが好ましい。視聴者は大して関心のない動画が3秒以上続くと不快な思いをすることが解っている。このため広告制作者はいかに3秒を超えた動画を視聴者が関心を持って見てもらえるかということを念頭に置き、視聴者の興味を引くようなコンテンツを、時間をかけ、さらにコストをかける等、相当の創意工夫をしつつ制作しなければならない。
出願人はコストをかけることなく、しかも大して創意工夫を必要としない短いメッセージを繰り返し表示することで、より高い宣伝効果が得られることに着目したのである。すなわち、出願人は長時間の動画を見せるため努力するよりも、短いメッセージを繰り返し見せることによる宣伝広告の方が合理的であると考えた。
従来において、表示部側からICカード等のメモリと通信を行うことができるリーダライタを設けることによって、表示部に表示されるコンテンツデータと関連あるデータのやり取りをメモリとの間で容易に行う技術があった(特開2007−4490)。しかしながら、表示部近傍にメモリの支持部を設けて、メモリとの間でデータのやり取りを行う表示端末装置であり(特許文献1 段落0009参照)、ICカードをかざす部分とは重ならないような異なる部位に表示部を備えているものである。
上記課題を解決するために本発明は、ICチップを搭載したICカードや携帯電話による非接触データ通信における広告表示装置であって、前記ICカードや携帯電話がかざされる側であるデータ読み取り部の上面に重なって広告表示部が設置されており、かつ、上面側から見た場合、前記広告表示部が前記データ読み取り部の内側にあることを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置であることを発明の要旨とした。
上記課題を解決するために本発明は、広告表示部には、液晶ディスプレイを設置したことを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置であることを発明の要旨とした。
上記課題を解決するために本発明は、広告表示部には、立体的ディスプレイを設置したことを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置であることを発明の要旨とした。
上記課題を解決するために本発明は、前記広告表示部は、可撓性のあるフィルム液晶であることを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置であることを発明の要旨とした。
上記課題を解決するために本発明は、広告表示部は、裏面に粘着層を有する紙もしくはプラスチックフィルムを設置したことを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置であることを発明の要旨とした。
本発明により、データ読み取り部は、文字通りICカードまたは携帯電話等に搭載されたICチップに記録されたデータを読み取るための機能しか有していなかったが、データ読み取り部の上面に広告表示部を設置することで広告宣伝媒体として機能するようになった。
ICカードや携帯電話をかざすデータ読み取り部は、これまで有効に活用されていないという根本的な問題があったが、出願人は、利用者がICカードや携帯電話をかざす行為がデータ読み取り部を目視する指差確認作業そのものであることに着目し、この部位に宣伝広告を表示することにより、従来の広告よりも訴求効果が高い広告を流すことができるようになった。
すなわち、普段の買い物等の日常生活の中で、短時間であっても折に触れて繰り返し視認するような広告が、人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲が向上するような効果的な宣伝広告を表示することができるようになった。
データ読み取り部のICカードや携帯電話等をかざす部位は、ICカードや携帯電話等によって隠れてしまうので視認はできないと思われ、通常の思考では宣伝効果がない部位であると考えがちである。しかしながら、出願人は、短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲が向上することが心理学で証明されていることに着目し、この部位には無限の可能性があることを見出すことにより本発明に係る非接触データ通信における広告表示装置を開発することができたのである。
本発明について、図1と図2を参照しつつ説明する。本発明の実施形態としてはICカードをデータ読み取り部20にかざす態様と携帯電話をデータ読み取り部20にかざす態様とが考えられるが、本明細書においては、主にICカードによる実施形態について説明する。
図1は本発明による非接触データ通信における広告表示装置の概念図である。本発明に係る広告表示装置は、ICカード40をかざす部分であるリーダライタ30を備えたデータ読み取り部20と該データ読み取り部20の上面に設置した広告表示部10とからなっている(なお、図1においては、ICカード40については、長手方向に沿った断面が示されている)。広告表示部10は液晶ディスプレイに画像(動画を含む)を表示することによる宣伝広告の他、裏面に粘着剤が塗布された紙やプラスチックフィルム(いわゆるシールやステッカー)をデータ読み取り部20の上面に貼り付けることにより広告表示部10を設置した形態の宣伝広告等も含まれるがこれらに限定されることはない。
データ読み取り部20にはリーダライタ30の他、広告表示部10に広告宣伝等を流すために必要な光源、駆動回路、電源回路等(いずれも特に図示しない)も備えている。尚、液晶ディスプレイ等を使用した広告表示部10についての詳細な作動機構については、ごく一般的な事項であり、しかも本発明の要旨ではないため本明細書においては記載を省略する。
図2はICカード40とリーダライタ30との通信方式を説明した図である。リーダライタ30に備えられたアンテナ60から発信した電磁波(通常は13.56MHzの搬送周波数)をICカード40に内蔵されたアンテナ50が受け取ることにより、ICカード40側は電磁誘導により電力を取得し、ICカード40に搭載されたICチップを起動させデータのやり取りを行うものである。
リーダライタ30とICカード40は電磁誘導による結合を介して情報伝送するため,リーダライタ30の設置環境が不適切な場合には磁界が弱められることがある。磁界が弱められると、ICカード40との必要な通信距離が得られない、場合によってはICカード40を認識しないという問題を生じることがある。
従って、リーダライタ30から発する磁界が弱められないように、設置環境に留意する必要がある。リーダライタ30から発生される磁界が弱められる具体的な原因としては、リーダライタ30のアンテナ60面と平行な広い金属面の影響が考えられる。リーダライタ30のアンテナ60面と平行な広い金属面が近くにあると、リーダライタ30の発する磁界により、リーダライタ30のアンテナ面60と平行な広い金属面に誘導電流が流れ、この誘導電流によって発生する磁界がリーダライタ30の発する磁界を打ち消し、結果的にリーダライタ30の発する磁界を弱めてしまう場合がある。
本発明においては、広告表示部10の液晶ディスプレイの表示に不可欠な電極(液晶ディスプレイによく使用される透明電極等)による影響が考えられるが、 リーダライタ30に備えられたアンテナ面との距離をできるだけ離すようにリーダライタ30を設置したり、適切なサイズのシート状磁性体70を液晶ディスプレイの電極の背面(リ−ダライタ30側)に設置したりすることにより,液晶ディスプレイに内蔵された透明電極の影響を完全になくすことができる。
特にシート状磁性体70は、リーダライタ30から発信された電磁波のうち、液晶ディスプレイに内蔵された電極に作用し、ICカード40とリーダライタ30との通信に悪影響を与える電磁波のみを選択的にシート状磁性体70の中に吸収するので、液晶ディスプレイに内蔵された電極に誘導電流が流れることはない。つまり、シート状磁性体70が液晶ディスプレイに内蔵された電極に作用し悪影響を与える電磁波だけを吸収することによって、液晶ディスプレイに内蔵された電極によるICカード40とリーダライタ30との情報伝送への影響をなくすことができる。
尚、シート磁性体70は磁性パウダーとポリマーを混合して製造される。本発明のような非接触データ通信における広告表示装置での実施においては、シート磁性体70は、周波数13.56MHzの電磁波を吸収する必要があり、この周波数の電磁波を吸収するように材料設計をする必要がある。シート磁性体70材料の周波数ごとの電波吸収特性によれば、シート磁性体70の透磁率(30〜70:13.56MHzにて測定)、表面抵抗及びシート磁性体70の厚さ(0.05〜0.3mm)のシート磁性体70が周波数13.56MHzの電磁波を吸収することが確認されている。
さらに本発明では、液晶ディスプレイに内蔵された電極の影響を軽減させるために広告表示部10の面積は図2に示すように、ICカード内蔵アンテナ50が形成する面積よりも小さくなっており、データ読み取り部20に備わったリーダライタ30から発生する電磁波が、ICカード40に内蔵されたアンテナ50との交信を阻害しないように工夫されている。
利用者が、企業名やブランド名とともに「カードを当てて下さい」等と表示された液晶ディスプレイの初期画面の上からICカード40をデータ読み取り部20にかざすと、リーダライタ30のアンテナ60から発生した電磁波による電磁誘導によりICカード40内のアンテナ50を介して電力が発生する。その電力によりICカード40内のCPUが起動し、ICカード40とデータ読み取り部20のリーダライタ30との間でデータのやり取りがなされる。このデータのやり取りがなされると同時に、データ読み取り部20から広告表示部10の電源回路に信号が送られ、さらに駆動回路および光源も作動し、テータ読み取り部20の上面に設置された広告表示部10に宣伝広告が流れるようになっている。
図3を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。図3はコンビニエンスストア等に設置されたセルフレジにおける実施例である。図3(a)はセルフレジの全体斜視図であり、図3(b)は図3(a)の破線部分の拡大図である。利用者はお金を支払う代わりにICカード40をデータ読み取り部20にかざす。利用者にとっては財布からお金をいちいち用意しなくて済むので、精算処理の合理化、省略化が実現できるものである。
利用者がICカード40をデータ読み取り部20にかざすと、電磁誘導によりICカード40内のアンテナ50を介して電力が発生する。発生した電力によりICカード40内のCPUが起動し、ICカード40とデータ読み取り部20のリーダライタ30との間でデータのやり取りがなされる。データのやり取りがなされると同時に、データ読み取り部20から広告表示部10を作動するための電源回路に信号が送られ、さらに駆動回路および光源も作動し広告表示部10に宣伝広告が表示されるようになっている。
通常の思考であれば、データ読み取り部20にICカードをかざすと、データ読み取り部20はICカード40や携帯電話の陰になってしまうので、この部位に宣伝広告を流すということは考えにくいものである。しかしながら、利用者がデータ読み取り部にICカード40や携帯電話等をかざす、または当てるという行為は指差確認作業であり、利用者は必ずその部位を目視することになる。
利用者はICカード40や携帯電話をかざした部位を、ICカードや携帯電話をデータ読み取り部にかざす直前には必ず目視しており、ICカードや携帯電話をかざした部位から離す場合であっても、瞬間的には、かかる部位を無意識的に目視した状態で、ICカードや携帯電話をかざした部位から離すことになる。この短時間の間に宣伝広告を流すことにより、たとえ短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかける。人間の脳に無意識に働きかけることにより、購買意欲が向上することが心理学で証明されており、一般的な広告よりも訴求効果が高い広告を流すことができる。
図4には本発明に係る広告表示部10に表示された広告の例が示されている。利用者が、液晶ディスプレイの初期画面として企業名やブランド名とともに「カードを当てて下さい」と表示された部位の上からICカード40をかざすと、ICカード40とデータ読み取り部20のリーダライタ30との間でデータのやり取りがなされ、このデータのやり取りがなされると同時に、データ読み取り部20から広告表示部10の電源回路に信号が送られ、さらに駆動回路および光源も作動し、テータ読み取り部20の上面に設置された広告表示部10に図4の下図のような炭酸飲料の栓が抜け、美味しそうな泡が噴き出る動画による広告が表示される。短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲を向上させることが出来る。
図5には本発明に係る広告表示部10に表示された立体ディスプレイ(いわゆるマスコット人形)による広告例が示されている。図5のように広告表示部10にキャラクターグッズ等のいわゆるマスコット人形を陳列することで、利用者が有名キャラクターの仲間になったような気分を味わえるという効果がある。人間には、良い気分を何度でも味わいたいという欲求が存在するため、特に子供はその傾向が強く、利用者は、再度この店で買い物をしたくなると思われるため宣伝広告効果が期待できる。図5のような広告は、特にキャラクターグッズの宣伝や関連映画の広告に有効であると考えられる。
図6には本発明に係る広告表示部10に表示された三次元の立体ディスプレイ(いわゆるマスコット人形)と液晶ディスプレイによる二次元広告を組み合わせた広告例が示されている。図6のように釣り人が、魚が泳いでいる池に釣竿を垂れているような広告を表示することも可能である。このように三次元の立体と二次元の映像を組み合わせることにより、さらに効果的な広告を表示することが出来る。画面にメーカー名を入れることにより、短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲を向上させることが出来る。
図7にはフィルム液晶を利用して広告表示部10に表示された広告例が示されている。図7のように、データ読み取り部20の上面にフィルム液晶による広告表示部10を設置することで、傾斜のある坂道に見立てた曲面をドラム缶が転がり続けているような広告を表示することも可能である。従来のような二次元的な画像に囚われず、フィルム液晶の可撓性を利用することでありとあらゆる曲面を利用した広告が可能になる。従って、バラエティーに富んだ立体的な表示をすることができるため、従来よりも効果のある広告を表示することが可能である。画面にメーカー名を入れることにより、短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲を向上させることが出来る。
これまでにいわゆる動画を含む画像による宣伝広告について説明してきたが、広告表示部10として、液晶ディスプレイの代わりに図8や図9のようにメーカー名やブランド名等が記載されたシールやステッカーをデータ読み取り部20の上面に貼り付ける構成による表示形態であっても、液晶ディスプレイによる宣伝効果と同様な宣伝効果が得られる。
図9にはICカード40による鉄道改札通過時の改札口における自動車の広告例が示されている。現状のような駅構内に掲載された広告では、人の集まりやすい駅中心部分とそれ以外の場所(例えばホームの端)、また上り線下り線などの場所によって人の流れにムラがあるため広告の効果には場所による差異が発生すると考えられる。
一方、本発明に係る広告表示装置では、ICカード40を利用し乗降車する利用者は全員が必ず改札口を通過する。すなわち駅構内への出入りの際には必ず改札口のデータ読み取り部20を目視しながらICカード40をかざすことになる。従って、データ読み取り部20は、最も多くの利用者に目視されるポイントであり、データ読み取り部20の上面に設置された広告表示部10に表示された広告の効果には上記のような差異は発生しないものと考えられる。
図9にあるように、広告例として駅の改札口に設置されている自動改札機のデータ読み取り部20の上面に設置された広告表示部10に、自動車メーカー名や車種名などの短い単語(一瞬の通過の間に読み取れるような単語)と、ICカード40をかざす位置である中心部に「カードをあてて下さい」というICカード40をかざす位置を特定するための表示の代わりに車種のシルエットをシールやステッカー等を貼ることにより表示することでさらに有効的な広告を行うことができる。
通常であれば、利用者の便宜のため「カードを当てて下さい」等といったICカード40をかざす位置を特定するための表示があるのだが、ICカード40を改札時にかざすことは既に社会的に普及しており、「カードを当てて下さい」等といったICカード40をかざす位置を特定するための表示がなくても、利用者が戸惑う等の問題はないと考える。
改札口を通過した利用者は、電車待ち時間中であればプラットホームで、さらに電車内で、改札通過時に表示された車種のシルエットや車種名について気になった場合であっても、今日の情報通信事情を鑑みれば、携帯モバイル端末等を利用し即座に検索することができ、ホームページ等からさらに詳細な商品情報を入手することが可能である。
従って、現在の広告においては、従来のような大量の情報は必要ではなく、車種名や商品名の様な短いキーワード(検索ワード)をできるだけ多くの人にスピーディーに伝えることが有効であると思われる。駅改札以外であっても、オフィスビル等のセキュリティゲートにおいて、上述した事と同様な効果が得られるものと考えられる。
本発明に係るシールやステッカーは広告等を印刷するベースフィルム(PET等の合成樹脂製のフィルム等)と粘着層との積層体となっている。シートやステッカーの大きさは、縦方向の長さと横方向の長さが、共に60mm〜120mmとし、さらに、ベースフィルムの厚みは5〜20μm程度であることが望ましい。加えて、シートやステッカーは、縦方向の長さを20mm〜60mmとし、横方向の長さを20mm〜40mmとすることによって、ICカード40よりも一回り小さくするとより好ましい。ベースフィルムに透明な素材を使用し、かつ、広告用の文字のみを印刷することにより、カードをタッチさせる場所をシールやステッカーの上から認識できるようにすることもできる。ベースフィルム上に印刷された広告を、ICカード40等との接触による摩耗等から保護するために、ベースフィルムの上面にポリエステル系樹脂等の合成樹脂製の印刷保護層(3〜10μm)をさらに設けることもできる。
時代の変化が速い昨今において、広告についても同じ内容の広告を長年にわたって掲載しておくことはなく、通常は3ヶ月程度で別の内容の広告を掲載することになる。広告表示部10として、液晶ディスプレイの代わりに図8や図9のようにメーカー名やブランド名等が記載されたシールやステッカーをデータ読み取り部20の上面に貼り付ける構成による表示形態であっても同様に別の広告を表示するために頻繁にシールやステッカーを貼りかえることになる。
かかる場合にシールやステッカーには、常温では接着力があり、加熱するだけで簡単に剥がすことができるように、熱剥離接着剤からなる粘着層を設けたシールやステッカーを使用することが出来る。熱剥離接着剤からなる粘着層を設けたシールやステッカーは、常温では通常のシールやステッカーと同じように接着し、剥がしたい時にはシールやステッカーを加熱するだけで簡単にはがすことができるため広告の貼り換え作業に手間がかからないのみならず、被接着物にダメージを与えることがない。
シールやステッカーを容易に剥がせるようにするために、熱剥離接着剤からなる粘着層を設ける以外にも、ベースフィルムの一部(例えばコーナー際等)に粘着層を設けないようにすることもできるし、被接着部に粘着層が接触しない部分が形成されるように、例えば0.3mm〜0.7mm程度の凹凸状に形成することで接着面積を減少させることによりシールやステッカーを剥がしやすくすることもできる。
図10は食堂のオートレジにおける実施例である。図10(a)は食堂のオートレジの全体斜視図であり、図10(b)は図3(a)の破線部分の拡大図である。コンビニエンスストア等に設置されたセルフレジ以外にも、本発明は食堂の自動精算システムにおいても実施することができる。レジ係が居なくてもシステムがICタグによりメニューを読み取るので、無人化、キャッシュレス化に寄与することができるものである。すなわち、精算処理の合理化、省略化が実現できるシステムである。
食堂の自動精算システムにおいて表示する広告は、食後であることを鑑みて、ガムやフリスクあるいはコーヒー等のような食後に利用者が欲しいと思われる嗜好品等の広告にするとより広告効果が高くなると考えられる。尚、食堂のオートレジにおける実施例においてもコンビニエンスストアのセルフレジと同様に、図4〜図9に示すような広告を表示することが出来る。
さらに本発明は、ジュース等の自動販売機にも適用することが出来る。近年、ICカード40で支払いが可能なジュースの自動販売機をよく見かけるようになったが、ICカード40をかざす部位に広告を表示することができる。この部位にメーカー名を入れることにより、短時間であっても繰り返し視認する広告が人間の脳に無意識に働きかけることにより、人間の脳の中にインプットされ、購買意欲を向上させることが出来る。
本発明は、ICカードや携帯電話による非接触データ通信を利用した自動精算時における広告表示装置であって、セルフレジ等のICカードや携帯電話等を利用した自動精算システム等に関する分野で利用することができる。
10・・広告表示部
20・・データ読み取り部
30・・リーダライタ
40・・ICカード
50・・ICカード内蔵アンテナ
60・・アンテナ(リーダライタ側)
70・・シート磁性体
20・・データ読み取り部
30・・リーダライタ
40・・ICカード
50・・ICカード内蔵アンテナ
60・・アンテナ(リーダライタ側)
70・・シート磁性体
Claims (5)
- ICチップを搭載したICカードや携帯電話による非接触データ通信における広告表示装置であって、
前記ICカードや携帯電話がかざされる側であるデータ読み取り部の上面に重なって広告表示部が設置されており、かつ、上面側から見た場合、前記広告表示部が前記データ読み取り部の内側にあることを特徴とする非接触データ通信における広告表示装置。 - 前記広告表示部には、液晶ディスプレイを設置したことを特徴とした請求項1に記載の非接触データ通信における広告表示装置。
- 前記広告表示部には、立体的ディスプレイを設置したことを特徴とした請求項1または請求項2に記載の非接触データ通信における広告表示装置。
- 前記広告表示部は、可撓性のあるフィルム液晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非接触データ通信における広告表示装置。
- 前記広告表示部は、裏面に粘着層を有する紙もしくはプラスチックフィルムを設置したことを特徴とする請求項1に記載の非接触データ通信における広告表示装置。
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