JP5311499B2 - 画像処理装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
例えば、ディスプレイ枠を小さくする工夫として、特許文献1によると、プラズマディスプレイパネルに対して、表示面側のバス電極と背面側のアドレス電極の両方を、背面に導出することでプラズマディスプレイパネルの縦方向及び横方向の非表示エリアを小さくする方法について開示されている。
特許文献5では、マルチスクリーンを構成するPDPに昇降用モータを取り付け、ディスプレイを物理的に上下方向に移動させるのと反対に映像を移動させることで、見た目の映像の高さを維持したまま、ディスプレイ間の繋ぎ目の隠れる部分を随時変更させている。
ディスプレイ枠を利用者に見えにくくする方法として開示されている特許文献2では、表示部分のみを露出させる特殊な光反射率の高い枠を各ディスプレイに予め備えなければならず、余計な部材を必要とする問題がある。さらに、光反射率の高い枠により枠周辺の映像を繰り返し表示しているため、枠部分の映像のつながりに問題がある。特許文献3では、ハーフミラーを用いて直接投射させるCRTと反射させるCRTの位置を異ならせる必要があり、システムを設置するスペースが余計に必要となる問題がある。特許文献4に開示されているシステムでは、ディスプレイ前面にレンズと投写スクリーンを必要とするため余計な部材を備える必要がある。
特許文献5では、物理的にディスプレイを上下に移動させる為の駆動装置が必要となるためシステム全体が大掛かりになり、容易にディスプレイの構成を変更することが困難になる。
(マルチタイルドスクリーンの形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図13に基づいて説明する。図1は本発明で扱われる複数のディスプレイ(表示装置)を隣接するように配置して巨大な1枚のディスプレイとしたマルチタイルドスクリーンの構成の一例である。図1に示す例では、縦と横に2台ずつで、計4台のディスプレイを並べて、マルチタイルドスクリーンを構成している。1はディスプレイ表示部を示しており、画像を表示できる表示域である。一方、2の部分は、ディスプレイの縁部に備わる枠の部分にあたり、ディスプレイ同士の繋ぎ目部分で、映像が表示されない非表示域である。ディスプレイ1枚を使う時には、非表示域が表示域の周辺部にあるため、枠の存在が気になることはない。しかしながら、マルチタイルドスクリーンでは、ディスプレイを複数台並べて表示域を構成すると、ディスプレイのつなぎ目部分にあたる非表示域が表示域内に存在することになる。
図4はディスプレイ4枚で構成されたマルチタイルドスクリーンの中央に、人物3を中心とする映像4を表示した模式図である。この場合、映像の重要部分である人物の顔が、マルチタイルドスクリーンのつなぎ目部分と重なってしまい、利用者が枠を非常に目障りと感じる可能性が高い。図5では、映像を右方向に少しずらし、人物の顔が枠にかからないように表示した例である。図4に比べ、映像6の表示位置は変わるが、重要部分5は枠に重ならなくなり、印象を向上させることができる。
図6は、本実施形態におけるマルチタイルドスクリーンシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施形態におけるマルチタイルドスクリーンシステムは、入力映像補正装置10、マルチスクリーン映像表示装置11、操作装置20、ディスプレイ21〜24を備える。操作装置20は、入力映像補正装置10を、ユーザが操作するためのキーボードなどの入力デバイスを備える。ネットワーク30など、外部より入力された映像信号を、入力映像補正装置10(画像処理装置)は取り込み、マルチタイルドスクリーンの繋ぎ目部分と映像の重要部分が重ならないように映像の表示位置を変更した後に、マルチスクリーン映像表示装置11に供給する。マルチスクリーン映像表示装置11は、ディスプレイ21〜24によるマルチタイルドスクリーンに映像を表示するために、ディスプレイ21〜24の配置に合わせて映像を分割し、映像を分割した後に、分割した映像の映像信号を対応するディスプレイ21〜24に向けて出力する。
重要位置検出部12による重要位置の検出には、さまざまな方法を用いることができる。その一例として、本実施形態では人物の顔領域を重要部分と仮定し、重要位置検出部12が、入力された映像から、画像処理によって人物の顔領域を検出し、その位置を重要な領域とする。顔領域の検出は、画像処理のテンプレートマッチングで行うことができる。テンプレートマッチングは、顔の教師画像を予め用意しておき、入力された映像と比較することで映像内の顔領域を検出することができる。
入力画像の座標(x,y)における画素値はRGB(赤、緑、青)3つの輝度値を持つが、例えば以下の(1)式により簡略された明度を示す代表値を用いて、f(x、y)を表す。
重要位置検出部12は、被探索画像である入力画像G20に対して、テンプレート画像G22との違いを基にテンプレート画像G22が存在するか存在しないかを判断しながら、x方向とy方向に1画素ずつずらして入力画像G20全体を探索することで、テンプレートマッチングを行う。入力画像の左上を原点とすると被探索範囲Iは、入力画像の幅や高さから、テンプレート画像の幅や高さを引いた以下の(2)式で与えられる。
以上によって、入力画像G20の対応する座標に、重要領域が存在するか存在しないかを示す重要領域マップを算出することができる。
続いて、図6におけるディスプレイ枠位置保持部13について説明をする。ディスプレイ枠位置保持部13は、操作装置20によって入力された、マルチタイルドスクリーンの枠にあたる非表示領域の場所を保持する。操作装置20は、図示しないキー入力装置と入力状況を表示するディスプレイを備えており、マルチタイルドスクリーンの枠位置を適切に入力することができる装置である。
ディスプレイ枠位置保持部13が保持する枠位置情報をD(m,n)とすると、枠位置情報の範囲Kは以下のようになる。
マルチタイルドスクリーンは、表示可能な領域が巨大になるため入力画像と枠位置情報の大きさに関しては以下の(6)式のような関係になる。但し、必ずしもマルチタイルドスクリーンの表示サイズが入力画像サイズよりも大きい必要はなく、入力画像サイズが大きくても同様に扱うことが可能である。
映像シフト量算出部14が、上記算出した重要領域マップmap(x,y)と枠位置情報D(m,n)を用いて、元々映像を表示する位置からのシフト量を算出する方法について説明する。図11は、シフトせずに画像をマルチタイルドスクリーンに表示した例を示す図である。図12は、画像をシフトさせてマルチタイルドスクリーンに表示した例を示す図である。シフト量は、図6の映像シフト量算出部14によって算出される。図11の画像G23の位置が、元々入力画像を表示する位置であり、この左上端P24の座標を(in_x,in_y)とする。この場合、重要画像域G25はディスプレイの繋ぎ目B26によって表示の一部が欠落している。
新たな映像の表示位置としては、重要画像領域(map(x,y)の値が「true」の領域)とディスプレイの繋ぎ目領域(D(m,n)の値が「true」の領域)の重なりが少ないほどよく、また入力画像の元の位置からのシフト量が少ないほどよい。そこで、重要画像領域と繋ぎ目領域とが重なっている部分の面積と、シフト量の大きさとに重み付けをして加えることで、このような2つの条件を反映するエネルギー関数e(shif_x,shift_y)を(8)式のように設定する。映像シフト量算出部14は、この(8)式で表されるエネルギー関数を最小にするシフト量を算出する事によって、非表示域に重要な領域が重ならないように、かつ、シフト量が大きくならないようなシフト量を算出する。
図6の映像シフト量算出部14によって算出された映像シフト量shiftは、映像位置補正部15に入力される。映像位置補正部15は、元々入力画像が表示される位置(in_x,in_y)から、映像シフト量shift分移動した位置(in_x+shift_x,in_y+shift_y)の位置に表示されるように、入力画像をシフトさせる。
映像位置補正部15において表示位置が補正された映像の信号は、マルチスクリーン映像表示装置11に入力される。マルチスクリーン映像表示装置11では、始めに映像分割部16が、入力された信号の映像を、予め設定されたマルチタイルドスクリーンの構成に合わせて分割する。このとき、分割された映像は、マルチタイルドスクリーンを構成するディスプレイ21〜24の表示域に表示する部分が抽出されたものとなっている。すなわち、マルチタイルドスクリーンの繋ぎ目部分に相当する映像は、分割された映像に含まれていない。映像表示部17は、この分割された映像各々を、ディスプレイ21〜24に出力するための映像信号を生成し、それぞれのディスプレイ21〜24に送る。ディスプレイ21〜24の各々が、マルチスクリーン映像表示装置11から受けた映像信号の映像を表示することで、1枚の巨大なディスプレイとして映像表示が行われる。
以上により、元の映像表示位置からの移動を少なく、重要部分がマルチタイルドスクリーンの繋ぎ目部分に重ならないように映像を表示するので、利用者が、ディスプレイの枠を気にせずに、マルチタイルドスクリーンを使えるようにすることができる。
以下、図面を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、重要位置の検出対象を顔領域とし、重要領域マップmap(x,y)は顔領域が存在するか存在しないかの2値の値を保持する例を示した。本実施形態では、重要位置検出部の重要位置検出方法の別の例として、情報理論の情報量を用いる。本実施形態では、重要領域マップmap(x,y)の値は多値となり、値が大きくなるほど重要度の高い領域であることを示す。
処理対象範囲については、第1の実施形態の重要位置検出部12では、テンプレート画像との重ね合わせ処理があるため画像周辺に判定結果が出せない部分があったが、本実施形態の情報量は画素単位で算出することが可能である。このため、重要位置検出部12aの処理対象範囲は以下の(9)式のようになり、図15に示す入力画像G200全体となる。
さらに画像の全画素数をTotalとしたときのi番目のビンの出現確率P(i)は、(16)式で表される。但し、ビンの出現確率をすべて加算すると、(17)式に示すように「1」となる。
映像シフト量算出部14aは、第1の実施形態における(8)式を、重要領域マップmap(x,y)の値が多値となっていることに対応させた(19)式をエネルギー関数とし、(18)式の算出結果を代入する。
本発明の第3の実施形態について説明する。上記第1の実施形態と第2の実施形態は、入力映像の中から1フレームを抽出し、フレーム毎に該フレームの重要部分がマルチタイルドスクリーンの繋ぎ目部分にかからないような映像表示方法を示した。第3の実施形態では、抽出したフレームの前フレームの映像シフト量を考慮して現フレームの映像シフト量を算出する方法について説明する。
本実施形態では、重要位置検出部12による重要位置検出方法は、第1の実施形態の顔認識による方法であるとしたが、第2の実施形態の重要位置検出部12aによる情報量による方法を用いるようにしてもよい。また、前述したように、ディスプレイ枠位置保持部13や操作装置20による枠位置の入力と位置情報の保持は第1の実施形態と同じである。
なお、(20)式において、β=0として、非表示域に映像の重要な領域が重ならないように、かつ、シフト量と、前フレームにおけるシフト量との差が大きくならないように、前記シフト量を算出するようにしてもよい。
以上、新たに導入したエネルギー関数を用いて、第1、第2の実施形態と同様に処理をすることで、前のフレームからの移動量を抑制しながら、重要部分がマルチタイルドスクリーンの繋ぎ目部分に重ならないように映像を表示させるので、利用者が、ディスプレイの枠を気にせずに、マルチタイルドスクリーンを使えるようにすることができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
11…マルチスクリーン映像表示装置
12、12a…重要位置検出部
13…ディスプレイ枠位置保持部
14、14a、14b…映像シフト量算出部
15…映像位置補正部
16…映像分割部
17…映像表示部
20…操作装置
21〜24…ディスプレイ
30…ネットワーク
40…遅延部
Claims (2)
- 隣接するように配置された複数の表示装置の配置に合わせて映像を分割し、前記分割した映像を対応する前記表示装置に表示するマルチタイルドスクリーンシステムに映像を出力する画像処理装置であって、
入力された映像から人物の顔領域を検出し、その位置を重要な領域とする重要位置検出部と、
前記映像を表示したときに、前記表示装置同士の繋ぎ目部分の非表示域に前記検出した映像の重要な領域が重ならないように、かつ、前記シフト量が所定の範囲となるように、かつ、前記シフト量と、前フレームにおけるシフト量との差を最小にするように前記入力された映像の表示位置を移動させるシフト量を算出する映像シフト量算出部と、
前記算出したシフト量に従い、前記入力された映像の表示位置を移動させて出力する映像位置補正部と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 隣接するように配置された複数の表示装置の配置に合わせて映像を分割し、前記分割した映像を対応する前記表示装置に表示するマルチタイルドスクリーンシステムに映像を出力する画像処理装置のコンピュータを、
入力された映像から重要な領域として人物の顔領域を検出し、その位置を重要な領域とする重要位置検出部、
前記映像を表示したときに、前記表示装置同士の繋ぎ目部分の非表示域に前記検出した映像の重要な領域が重ならないように、かつ、前記シフト量が所定の範囲となるように、かつ、前記シフト量と、前フレームにおけるシフト量との差を最小にするように前記入力された映像の表示位置を移動させるシフト量を算出する映像シフト量算出部、
前記算出したシフト量に従い、前記入力された映像の表示位置を移動させて出力する映像位置補正部、
として動作させるためのプログラム。
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