JP5311052B2 - コネクタ装置 - Google Patents

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Description

本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)等の配線板部材が差し込まれるハウジングを有し、そのハウジング内に配線板部材に設けられた接続端子部に押圧接触するコンタクトを備えたコネクタ装置に関する。
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板等の配線板部材は、種々の電気部品が取り付けられる主印刷配線基板への取付けが、当該主印刷配線基板に電気的接続がなされて固着されたコネクタ装置が用いられて行われることが多いものとされる。このような配線板部材の主印刷配線基板への取付けにあたって用いられるコネクタ装置は、配線板部材に設けられた接続端子部に接触する導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板部材に設けられた接続端子部を主印刷配線基板に設けられた印刷配線部に電気的に接続する。
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板部材の主印刷配線基板への取付けに用いられるコネクタ装置は、配線板部材が差し込まれる差込み部が設けられた絶縁ハウジングを有したものとされる。そして、その絶縁ハウジング内に配列配置されて設けられ、配線板部材が差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれるとき、その配線板部材に設けられた複数の接続端子部に夫々対応するものとなる複数のコンタクトと、絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、複数のコンタクトの夫々に係合して、回動せしめられるとき複数のコンタクトの夫々における作動部を変位させ、それにより複数のコンタクトを複数の接続端子部に夫々押圧接触させるアクチュエータとが備えられる。
複数のコンタクトの各々は、導電性の弾性材料で形成され、絶縁ハウジングに固定される部分である固定部と、連結部により固定部に連結されて変位可能とされた部分である可動部と、を有するものとされる。そして、固定部は、主印刷配線基板に設けられた印刷配線部等の配線部に電気的に接続され、また、可動部は、配線板部材に設けられた接続端子部に押圧接触する接触部が設けられたもとで、アクチュエータによって変位せしめられる。
このようなコネクタ装置にあっては、絶縁ハウジングに差込み部を通じて配線板部材が差し込まれたもとで、アクチュエータが所定の方向に回動せしめられると、アクチュエータが、複数のコンタクトの夫々における可動部を変位させて、当該可動部の接触部に配線板部材に設けられた複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせる。また、複数のコンタクトの各々における可動部の接触部が配線板部材に設けられた複数の接続端子部のうちの対応するものに押圧接触する状態をとるもとで、アクチュエータが上述の所定の方向とは逆の方向に回動せしめられると、アクチュエータが、複数のコンタクトの夫々における可動部を変位させて、当該可動部の接触部を配線板部材に設けられた複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放する(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示されるコネクタ装置にあっては、複数のコンタクト(端子)の夫々が、全体がエ字状の板状体とされている。斯かるエ字状の板状体における、連結部によって相互連結された一対のビーム部のうちの一方が固定部とされ、他方が可動部とされる。配線板部材が差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれるときには、配線板部材における複数の接続端子部が設けられた部分が、複数のコンタクトの夫々における固定部と可動部との間に配される。そして、回動可能とされたアクチュエータを回動させて、複数のコンタクトの夫々における可動部を変位させ、当該可動部の接触部に配線板部材に設けられた複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせる際には、複数のコンタクトの夫々において、可動部の接触部が、固定部とで配線板部材における複数の接続端子部が設けられた部分を挟持するようにして、複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとるものとされる。
このようなコネクタ装置において、配線板部材が差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれ、絶縁ハウジング内に配された複数のコンタクトが配線板部材の複数の接続端子部に対する押圧接触状態をとるときには、配線板部材が絶縁ハウジングから抜け出してしまうことなく、絶縁ハウジングに差し込まれた状態を安定に維持することが要される。そのため、特許文献1に示されるコネクタ装置と略同様な構成をとるもとで、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段を備えたコネクタ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2に示されるコネクタ装置にあっては、複数のコンタクトの夫々と同様に構成されて、コンタクトにおける可動部の接触部に対応する部分が係合部として機能するものとされたロック部材(コンタクト状ロック部材)が設けられている。このコンタクト状ロック部材は、複数のコンタクトとともに配列配置されて、スライダー(アクチュエータ)の回動押圧部に係合する状態におかれる。そして、コンタクト状ロック部材における係合部が設けられた可動部は、アクチュエータの回動に伴って変位し、配線板部材が絶縁ハウジングに差込み部を通じて差し込まれたとき、係合部を当該配線板部材に設けられた係止部に係合させて、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する。
また、特許文献1に示されるコネクタ装置に備えられるコンタクト及びアクチュエータとは異なる構成を有したコンタクト(端子)及びアクチュエータ(回動部材)を有した構成をとるもとで、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段を備えたコネクタ装置も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3に示されるコネクタ装置にあっては、配線板部材(フレキシブル基板)が差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれて、コンタクトである端子がフレキシブル基板に配された接続端子部(導体)に対する押圧接触状態におかれるときには、回動部材が絶縁ハウジングに差し込まれたフレキシブル基板の補強板に覆い被さる方向に回動される。そして、回動部材がフレキシブル基板の補強板に覆い被さったとき、その回動部材に設けられた係合部(凸部)が絶縁ハウジングに差し込まれたフレキシブル基板の補強板に設けられた係止部(穴)に係合して、フレキシブル基板の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する。
特開2002−270290号公報(段落0020〜0023、図6,図7) 特開2004−221067号公報(段落0016〜0018、図2〜4,図7) 特開2006−147407号公報(段落0025〜0039、図2〜5)
上述のような配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段を備えた従来のコネクタ装置であって、当該手段が、配線板部材が絶縁ハウジングに差し込まれたもとでの、配線板部材に設けられた係止部とそれに係合するコンタクト状ロック部材とによって構成されるものにあっては、絶縁ハウジングに配線板部材が差し込まれて、コンタクト状ロック部材が配線板部材に設けられた係止部に係合した状態にあるもとで、配線板部材にそれを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力、即ち、配線板部材の抜脱方向の外力が作用すると、その外力が、配線板部材に設けられた係止部を介してコンタクト状ロック部材に伝達される。コンタクト状ロック部材は、全体がエ字状の板状体とされた各コンタクトと同様に構成されたものとされていて、配線板部材の抜脱方向の力についての耐性は比較的小である。それゆえ、配線板部材を通じてコンタクト状ロック部材に伝えられる配線板部材の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合には、コンタクト状ロック部材が、塑性変形を生じて、配線板部材に設けられた係止部に対する係合を解除してしまう虞がある。従って、配線板部材に設けられた係止部とそれに係合するコンタクト状ロック部材とによる配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱防止には、確実性に欠けることになるという問題がある。
このような問題については、例えば、コンタクト状ロック部材を形成する板状体の厚みを増大させる等の策を施してコンタクト状ロック部材を塑性変形を生じ難いものとすることにより回避することが考えられ得るが、斯かる際には、コンタクト状ロック部材の特殊化や大型化がもたらされ、それに伴って、コネクタ装置の構成の複雑化や全体の大型化がまねかれることになり、コネクタ装置に対する構成の簡単化,小型・薄型化等の要望に応えられないことになってしまう。
また、上述の配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段を備えた従来のコネクタ装置であって、当該手段が、回動部材が絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材を成すフレキシブル基板の補強板に覆い被さる状態をとるもとでの、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴とそれに係合する回動部材に設けられた凸部とによって構成されるものにあっては、フレキシブル基板が絶縁ハウジングに差し込まれて、回動部材に設けられた凸部がフレキシブル基板の補強板に設けられた穴に係合する状態をとるとき、その穴に係合した凸部は、回動部材についての仮想回転中心軸の位置からフレキシブル基板の絶縁ハウジングからの抜脱方向に離隔した位置におかれる。
そのため、絶縁ハウジングにフレキシブル基板が差し込まれて、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴に回動部材に設けられた凸部が係合した状態にあるもとで、フレキシブル基板にそれを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力、即ち、フレキシブル基板の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴を介して回動部材に設けられた凸部に伝えられると、当該外力は、凸部を介して回動部材に、フレキシブル基板の補強板から離隔させる方向に、仮想回転中心軸の周りを回動させる作用を及ぼす。それゆえ、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴を介して回動部材に設けられた凸部に伝えられるフレキシブル基板の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合には、回動部材の仮想回転中心軸の周りの回動量も比較的大とされ、回動部材がフレキシブル基板の補強板から離隔して、回動部材に設けられた凸部がフレキシブル基板の補強板に設けられた穴に対する係合を解除してしまう虞がある。従って、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴とそれに係合する回動部材に設けられた凸部とによるフレキシブル基板の絶縁ハウジングからの抜脱防止には、確実性に欠けることになるという問題がある。
また、上述のような、回動部材が絶縁ハウジングに差し込まれたフレキシブル基板の補強板に覆い被さる状態をとるもとでの、フレキシブル基板の補強板に設けられた穴とそれに係合する回動部材に設けられた凸部とによって構成される、フレキシブル基板の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段は、コンタクトである端子がフレキシブル基板に配された接続端子部に対する押圧接触状態におかれるとき、アクチュエータ(回動部材)が、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に覆い被さる方向ではなく、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の接続端子部が配された部分から遠ざかる方向に回動せしめられるコネクタ装置には、適用することができないという不都合を伴っている。
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、例えば、フレキシブル印刷配線基板等とされる配線板部材の主印刷配線基板への取付けに用いられる、配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、絶縁ハウジングに対して回動可能に配されて第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、複数のコンタクトに係合して、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、第1の静止位置から、絶縁ハウジング内に差し込まれた配線板部材の接続端子部が配された部分から遠ざかる方向に回動して、第2の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々を配線板部材に配された接続端子部に対する押圧接触状態をとらせるアクチュエータと、を備えたコネクタ装置であって、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を確実に防止することができるものを提供する。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項までのいずれかに記載された発明(以下、本願の第1の発明という。)に係るコネクタ装置は、第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたとき、差し込まれた配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、絶縁ハウジングの第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、複数のコンタクトに係合して、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々に複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々を複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、を備えて成り、絶縁ハウジングが、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に、その配線板部材の先端部分が絶縁ハウジングを貫通して絶縁ハウジングの第2の端縁部の外方に露出する状態をとらせ、アクチュエータの、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に備えられた係止部に係合して、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられことを特徴とするものとされる。
また、本願の特許請求の範囲における請求項6から請求項8までのいずれかに記載された発明(以下、本願の第2の発明という。)に係るコネクタ装置は、第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたとき、差し込まれた配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、絶縁ハウジングの第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、複数のコンタクトに係合して、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々に複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々を複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、を備えて成り、アクチュエータの、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材が備える係止部に係合して、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられ、その係合部が配線板部材に備えられた係止部に係合するとき、当該係合部が、絶縁ハウジングにおける配線板部材差込み部が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部にも係合することを特徴とするものとされる。
さらに、本願の特許請求の範囲における請求項9及び請求項10のいずれかに記載された発明(以下、本願の第3の発明という。)に係るコネクタ装置は、第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたとき、差し込まれた配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、絶縁ハウジングの第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、複数のコンタクトに係合して、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々に複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するとき、複数のコンタクトの夫々を複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、を備えて成り、アクチュエータの、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材が備える係止部に係合して、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられ、その係合部が突起部とされるとともに配線板部材に備えられた係止部が透孔部とされ、アクチュエータにおける突起部の近傍に凸部が設けられて、突起部が透孔部に係合するとき、アクチュエータに設けられた凸部が、配線板部材における突起部が設けられた部分を押圧して、突起部を絶縁ハウジングにおける配線板部材差込み部が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部に係合させることを特徴とするものとされる。
上述のように構成される本願の第1の発明に係るコネクタ装置においては、絶縁ハウジングが、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に、その配線板部材の先端部分が絶縁ハウジングを貫通して絶縁ハウジングの第2の端縁部の外方に露出する状態をとらせるもとで、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行し、また、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するアクチュエータが、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、例えば、突起部とされる係合部が設けられたものとされる。そして、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、アクチュエータが第2の静止位置におかれるとき、アクチュエータに設けられた係合部が、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部に係合して、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する。
また、本願の第2の発明に係るコネクタ装置においては、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行し、また、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するアクチュエータが、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、例えば、突起部とされる係合部が設けられたものとされ、その係合部が、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に備えられた係止部に係合するとき、絶縁ハウジングにおける配線板部材差込み部が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部にも係合する。それにより、係合部が係止部に係合した状態がより安定に維持されるとともに、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材にそれを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力が作用するとき、その外力が、係止部及び係合部を介して絶縁ハウジングの第2の端縁部に伝達されて、絶縁ハウジングにより吸収されることになり、外力に対する耐性の向上が図られる。
さらに、本願の第3の発明に係るコネクタ装置においては、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して第1の静止位置から第2の静止位置に移行し、また、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジングの第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して第2の静止位置から第1の静止位置に移行するアクチュエータが、第2の静止位置をとるとき仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、係合部を成す突起部が設けられたものとされ、その突起部が、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に備えられた係止部を成す透孔部に係合するとき、アクチュエータにおける突起部の近傍に設けられた凸部が配線板部材における透孔部が設けられた部分を押圧して、透孔部を絶縁ハウジングにおける配線板部材差込み部が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部に係合させる。それにより、突起部透孔部に係合した状態がより安定に維持されるとともに、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材にそれを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力が作用するとき、その外力が、透孔部を介して絶縁ハウジングの第2の端縁部に伝達されて、絶縁ハウジングにより吸収されることになり、外力に対する耐性の向上が図られる。
上述のようにして、本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置においては、アクチュエータが第2の静止位置におかれて、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に設けられた係止部に係合したアクチュエータにおける係合部は、アクチュエータについての仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置、即ち、仮想回転中心軸の位置を挟んで配線板部材の接続端子部が配された部分とは反対側の位置におかれることになる。
斯かるもとで、本願の第3の発明に係るコネクタ装置においては、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段が、配線板部材に設けられた係止部を成す透孔部とそれに係合すべくアクチュエータに設けられた係合部を成す突起部とによって構成されている。
そして、本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置にあっては、配線板部材が配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジング内に差し込まれたとき、差し込まれた配線板部材に配された複数の接続端子部が、複数のコンタクトに夫々対応する位置に配される。このようなもとで、アクチュエータが第1の静止位置から第2の静止位置へと移行せしめられるべく回動操作されると、第1の静止位置から第2の静止位置へと移行するアクチュエータが、複数のコンタクトの夫々に絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材における複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせる。
また、その後、アクチュエータが第2の静止位置から第1の静止位置へと移行せしめられるべく回動操作されると、第2の静止位置から第1の静止位置へと移行するアクチュエータが、複数のコンタクトの夫々を絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材における複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放する。
このような本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置は、例えば、電子機器の主配線基板に固定され、複数のコンタクトが主配線基板に配された回路端子部に電気的に接続される。そして、斯かるもとで、上述のように、配線板部材が本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置における絶縁ハウジングに配線板部材差込み部を通じて差し込まれ、アクチュエータが第1の静止位置から第2の静止位置へと移行せしめられるべく回動操作されて、絶縁ハウジング内に配列配置された複数のコンタクトの夫々が、絶縁ハウジング内に差し込まれた配線板部材における複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとるものとされることにより、配線板部材が、本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置を介して、主配線基板に電気的に連結されて取り付けられることになる。
本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置においては、配線板部材に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部とそれに係合すべくアクチュエータに設けられた、例えば、突起部とされる係合部とによって、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を防止する手段が構成されており、アクチュエータが第2の静止位置におかれるとき、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に設けられた係止部に係合するアクチュエータにおける係合部が、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する役割を果たす。
そして、例えば、本願の第1の発明に係るコネクタ装置の場合のように、絶縁ハウジングが、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に、その配線板部材の先端部分が絶縁ハウジングを貫通して絶縁ハウジングの第2の端縁部の外方に露出する状態をとらせるもとで、アクチュエータが第2の静止位置におかれて、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に設けられた係止部に係合したアクチュエータにおける係合部は、アクチュエータについての仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置、即ち、仮想回転中心軸の位置を挟んで配線板部材の接続端子部が配された部分とは反対側の位置におかれることになる。そのため、絶縁ハウジングに配線板部材差込み部を通じて配線板部材が差し込まれて、配線板部材に設けられた係止部にアクチュエータに設けられた係合部が係合した状態にあるもとで、配線板部材にそれを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力、即ち、配線板部材の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、配線板部材に設けられた係止部を介してアクチュエータに設けられた係合部に伝えられるとき、当該外力は、係合部を介してアクチュエータに、配線板部材に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする力を作用させる。それゆえ、配線板部材に設けられた係止部を介してアクチュエータに設けられた係合部に伝えられる配線板部材の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合にも、アクチュエータに配線板部材に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、アクチュエータに設けられた係合部の配線板部材に設けられた係止部に対する係合が強められて、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱の阻止が強固に行われる。従って、配線板部材に設けられた係止部とそれに係合するアクチュエータに設けられた係合部とによって、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱防止が確実に行われることになる。
特に、本願の第2及び第3の発明の夫々に係るコネクタ装置においては、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に作用する、それを絶縁ハウジングから抜脱させる方向の外力に対する耐性の向上が図られて、配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱防止がより一層確実に行われることになる。
そして、本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置は、上述のような絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱の確実な防止を、配線板部材に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部に係合する、例えば、突起部とされる係合部を、アクチュエータにおける仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジングの第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置に設けることにより果たすことができるので、構成を比較的簡単にすることができ、かつ、全体の小型・薄型化を図ることができる。
即ち、本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置によれば、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、配線板部材差込み部を通じて絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を確実に防止することができるのである。
本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例をそれに差し込まれる配線 板部材とされるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す斜視図である。 本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例をそれに差し込まれる配線 板部材とされるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す平面図である。 図2における III−III 線断面を示す断面図である。 図2におけるIV−IV線断面を示す断面図である。 本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す斜視図である。 本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれてアクチュエータが回動せしめられた状態を示す一部切除斜視図である。 本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれてアクチュエータが回動せしめられた状態を示す断面図である。 本願の第2の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す斜視図である。 本願の第2の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれてアクチュエータが回動せしめられた状態を示す一部切除斜視図である。 本願の第3の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す斜視図である。 本願の第3の発明に係るコネクタ装置の例に配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板が差し込まれてアクチュエータが回動せしめられた状態を示す一部切除斜視図である。
本願の第1〜第3の発明の夫々を実施するための形態は、以下に述べられる本願第1〜第3の発明の夫々についての実施例をもって説明される。
図1(斜視図)及び図2(平面図)は、本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例を、それに差し込まれる配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す。
図1及び図2において、本願の第1の発明に係るコネクタ装置の例を成すコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング11を備えている。コネクタ装置10が実際の使用に供されるときには、絶縁ハウジング11を含むコネクタ装置10の全体が、例えば、電子機器の主配線基板(図示が省略されている。)に固定される。
絶縁ハウジング11には、その第1の端縁部に配線板部材差込み部12が設けられている。この絶縁ハウジング11には、例えば、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が、配線板部材を成すものとして、配線板部材差込み部12を通じて、その内部に差し込まれる。
配線板部材差込み部12を通じて絶縁ハウジング11内に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板13の一端部には、各々が短冊形を成すものとされた導電性材料で成る複数の接続端子部14が、配列配置されて設けられている。これらの複数の接続端子部14の夫々は、図示が省略された、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた印刷配線部に連結されている。
また、フレキシブル印刷配線基板13の一端部における、配列配置された複数の接続端子部14を挟んで対向する一対の側端部分が、複数の接続端子部14の外方に突出していて、フレキシブル印刷配線基板13の先端部分15及び16を形成している。そして、先端部分15及び16には、矩形状の透孔部とされた係止部17及び18が夫々設けられている。これらの係止部17及び18の夫々は、矩形状の透孔部とされるものに限られることなく、係止機能を果たす種々の形態をとることができる。
コネクタ装置10の絶縁ハウジング11内には、複数のコンタクト20が、絶縁ハウジング11の長手方向に沿って配列配置されている。これらの配列配置された複数のコンタクト20は、各々が、絶縁ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板13の一端部の差込み及び抜出し方向に沿う方向に伸びるものとされ、端部が絶縁ハウジング11の第1の端縁部に対向する第2の端縁部に達するものとされている。そして、複数のコンタクト20は、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が配線板部材差込み部12を通じて絶縁ハウジング11内に差し込まれるとき、差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部に配列配置された複数の接続端子部14に夫々対応する位置をとるものとされる。
複数のコンタクト20の夫々は、図2における III−III 線断面をあらわす図3に示されるように、弾性を有した導電性材料で形成されて、全体的にエ字状とされた板状体を成すものとされている。そして、斯かる複数のコンタクト20の夫々は、絶縁ハウジング11に固定される固定ビーム部21と、絶縁ハウジング11内において変位可能とされた可動ビーム部22と、固定ビーム部21と可動ビーム部22とを連結して可動ビーム部22を支える連結支柱部23とを有している。
コンタクト20の固定ビーム部21は、その一端部21aが、配線板部材差込み部12に臨む位置に配され、また、その他端部21b(絶縁ハウジング11の第1の端縁部に対向する第2の端縁部に達する端部)が、その一部が絶縁ハウジング11に噛み合うとともに、連結端子部を形成しているものとされる。この固定ビーム部21の端部21bが形成する連結端子部は、例えば、コネクタ装置10が固定された主配線基板に設けられた配線部に連結される。
コンタクト20の可動ビーム部22は、その一端部22aが、絶縁ハウジング11内に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における接続端子部14に押圧接触する接触部を形成し、また、その他端部22bが、後述されるアクチュエータ30に設けられたカム部31からの押圧力を受ける受圧部を形成するものとされている。可動ビーム部22の端部22aが形成する接触部は、固定ビーム部21の端部21aに対向するものとして配線板部材差込み部12に臨む位置に配され、また、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部は、固定ビーム部21の端部21bに対向する位置に配される。
コンタクト20の連結支柱部23は、可動ビーム部22における端部22aが形成する接触部と端部22bが形成する受圧部との間の部分を固定ビーム部21の端部21aと端部21bとの間の部分に連結して、可動ビーム部22を支えている。そして、連結支柱部23における固定ビーム部21の端部21aが形成する接触部側(可動ビーム部22の端部22a側)の側縁部23aが、部分的に固定ビーム部21に対して実質的に直立しているとともに、連結支柱部23における可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部側(固定ビーム部21の端部21b側)の側縁部23bが、部分的に連結支柱部23の固定ビーム部21との接続部分から連結支柱部23の可動ビーム部22との接続部分に向かって傾斜している。
このような連結支柱部23は、可動ビーム部22を安定に支持するに十分な剛性を備えたものとされていて、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部が後述されるアクチュエータ30に設けられたカム部31からの押圧力を受けるとき、あるいは、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部が後述されるアクチュエータ30に設けられたカム部31からの押圧力を受けなくなるとき、可動ビーム部22が、コンタクト20における連結支柱部23の可動ビーム部22との接続部分を支点として、揺動変位するものとされる。
また、コネクタ装置10は、絶縁ハウジング11に対して回動可能とされたアクチュエータ30を備えている。アクチュエータ30は、絶縁ハウジング11内における複数のコンタクト20の配列方向に沿って伸びる細長い形状をしていて、その長手方向を絶縁ハウジング11の長手方向と同方向としており、複数のコンタクト20の配列方向に伸びる仮想回転中心軸33(図2,図3)を伴っている。そして、アクチュエータ30は、図1〜図3に示されるような、絶縁ハウジング11に対して起き上がった位置となる第1の静止位置と、後述される図6及び図7に示されるような、絶縁ハウジング11に対して伏した位置となる第2の静止位置とを選択的にとり、アクチュエータ30に回動操作が加えられるとき、仮想回転中心軸33の周りを、絶縁ハウジング11の配線板部材差込み部12が設けられた第1の端縁部から第1の端縁部に対向する第2の端縁部に向かう方向に回動して、第1の静止位置から第2の静止位置に移行し、あるいは、仮想回転中心軸33の周りを、絶縁ハウジング11の第2の端縁部から第1の端縁部に向かう方向に回動して、第2の静止位置から第1の静止位置に移行する。
アクチュエータ30には、図3及び図2におけるIV−IV線断面をあらわす図4に示されるような、複数のコンタクト20に夫々係合する複数のカム部31が設けられている。複数のカム部31の各々は、複数のコンタクト20のうちの対応するものにおける固定ビーム部21の端部21bと可動ビーム部22の端部22bとに挟まれていて、アクチュエータ30の回動に伴って、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部に固定ビーム部21の端部21bから離隔する方向の変位を生じさせる押圧力を作用させる状態と、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部に斯かる押圧力を作用させない状態とをとる。
このように、アクチュエータ30が備える複数のカム部31は、複数のコンタクト20に夫々対応しており、複数のコンタクト20が絶縁ハウジング11の長手方向に沿って配列配置されていることにより、複数のカム部31も、アクチュエータ30にその長手方向に沿って配列配置されて設けられていることになる。
また、アクチュエータ30には、それにおける複数のコンタクト20の配列方向において複数のコンタクト20を挟む一対の側端部34及び35に、配線板部材差込み部12を通じて絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17及び18に夫々係合するための、突起部とされた係合部36及び37が夫々設けられている。これらの係合部36及び37の各々は、突起部とされるものに限られることなく、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17あるいは係止部18との係合機能を果たす種々の形態をとることができる。
アクチュエータ30に設けられた係合部36及び37の夫々は、図3及び図4に示されるようにアクチュエータ30が第1の静止位置をとるとき、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より図3及び図4における上方となる位置におかれる部分に、絶縁ハウジング11の配線板部材差込み部12が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部の外方に向かう状態をもって設けられている。このようにして係合部36及び37が設けられたアクチュエータ30の部分は、アクチュエータ30が、図3及び図4に示される第1の静止位置から仮想回転中心軸33の周りを絶縁ハウジング11の第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して、図6及び図7に示される第2の静止位置をとるときには、仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれる部分となる。
このようなもとで、図1〜図4に示されるように、アクチュエータ30が第1の静止位置をとる状態にあるとき、図5に示されるように、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が絶縁ハウジング11に配線板部材差込み部12を通じて差し込まれる。その際、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部は、複数のコンタクト20の夫々における固定ビーム部21と可動ビーム部22との間の位置に配される。また、絶縁ハウジング11は、配線板部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に、それにおける一対の先端部分15及び16が絶縁ハウジング11を貫通して、絶縁ハウジング11の配線板部材差込み部12が設けられた第1の端縁部に対向する第2の端縁部の外方に露出する状態をとらせる。それにより、フレキシブル印刷配線基板13における一対の先端部分15及び16に夫々設けられた係止部17及び18が、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれることになる。
このようにして、絶縁ハウジング11に配線板部材差込み部12を通じて差し込まれるフレキシブル印刷配線基板13の先端部分15及び16が、絶縁ハウジング11を貫通して、絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方に露出する状態をとるようにされることにより、絶縁ハウジング11にフレキシブル印刷配線基板13が適正に差し込まれた状態を容易かつ確実に確認することができる。
続いて、第1の静止位置をとるアクチュエータ30が、回動操作により、図5に示される第1の静止位置から図6及び図7に示される第2の静止位置に移行すべく、仮想回転中心軸33の周りを絶縁ハウジング11の第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動せしめられると、そのアクチュエータ30の第1の静止位置から第2の静止位置に移行する回動に伴って、アクチュエータ30に設けられた複数のカム部31の夫々が、複数のコンタクト20のうちの対応するものの可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部に、それを固定ビーム部21の端部21bから離隔する方向に変位させる押圧力を作用させる。それにより、複数のカム部31の夫々は、可動ビーム部22を連結支柱部23の可動ビーム部22との接続部分を支点として揺動変位させ、可動ビーム部22の端部22aが形成する接触部を、固定ビーム部21の端部21aに近接する方向に変位させて、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに押圧接触させる。
これよりして、アクチュエータ30は、第1の静止位置から第2の静止位置に移行するとき、可動ビーム部22の端部22bが形成する受圧部に押圧力を作用させて、可動ビーム部22についての連結支柱部23の可動ビーム部22との接続部分を支点とする揺動変位を生じさせ、可動ビーム部22の端部22aが形成する接触部を絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに押圧接触させることになる。それにより、複数のコンタクト20の夫々が絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとるものとされる。その結果、フレキシブル印刷配線基板13が、コネクタ装置10を介して、コネクタ装置10が固定された主配線基板に電気的に連結されて取り付けられることになる。
また、このとき、第1の静止位置から仮想回転中心軸33の周りを絶縁ハウジング11の第1の端縁部から第2の端縁部に向かう方向に回動して図6及び図7に示されるように第2の静止位置をとるものとされたアクチュエータ30は、それに設けられた係合部36及び37を、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における一対の先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合させる。図6には、アクチュエータ30に設けられた係合部36がフレキシブル印刷配線基板13における先端部分15に設けられた係止部17に係合した状態が示されており、また、図7には、アクチュエータ30に設けられた係合部37がフレキシブル印刷配線基板13における先端部分16に設けられた係止部18に係合するとともに、アクチュエータ30に設けられた係合部36がフレキシブル印刷配線基板13における先端部分15に設けられた係止部17に係合した状態が示されている。
このとき、係合部36及びそれが係合した係止部17は、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれ、また、係合部37及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれる。
さらに、絶縁ハウジング11は、図6及び図7において下方に配される底面部が、図示が省略された、例えば、電子機器の主配線基板上に配されて、その主配線基板に固定されるが、上述のようにして、アクチュエータ30に設けられた係合部36及び37が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合した状態におかれるときには、図3,図4及び図7に示されるアクチュエータ30の仮想回転中心軸33と係合部36及び37の各々との位置関係から明らかなように、係合部36及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれ、また、係合部37及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれる。
このようにして、アクチュエータ30に設けられた係合部36及び37は、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合し、それにより絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱を阻止する役割を果たす。
その際、上述のように、係合部36及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれ、また、係合部37及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄りとなる位置又は絶縁ハウジング11の第2の端縁部の外方となる位置におかれることにより、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング11から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング11の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、絶縁ハウジング11に設けられた係止部17及び18を介してアクチュエータ30に設けられた係合部36及び37に伝えられるとき、当該外力は、係合部36及び37を介してアクチュエータ30に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸33の周りを回動させようとする力を作用させる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部36及び37に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合にも、アクチュエータ30に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸33の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部36及び37の係止部17及び18に対する係合が強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱の阻止が強固に行われる。従って、係止部17及び18とそれらに夫々係合する係合部36及び37とによって、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱防止が確実に行われることになる。
さらに、前述のように、係合部36及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11が固定される主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれ、また、係合部37及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ30の仮想回転中心軸33の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれることによっても、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング11から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング11の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、絶縁ハウジング11に設けられた係止部17及18を介してアクチュエータ30に設けられた係合部36及び37に伝えられるとき、当該外力が、係合部36及び37を介してアクチュエータ30に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸33の周りを回動させようとする力を作用させる状態が得られる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部36及び37に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合には、アクチュエータ30に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸33の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部36及び37の係止部17及び18に対する係合がより一層強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱の阻止がより一層強固に行われる。その結果、係止部17及び18とそれらに夫々係合する係合部36及び37とによる、絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱防止が、さらに確実に行われることになる。
しかも、上述のような絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱の確実な防止が、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部17及び18に夫々係合する、例えば、突起部とされる係合部36及び37を、アクチュエータ30における仮想回転中心軸33の位置より絶縁ハウジング11の第2の端縁部寄り又は第2の端縁部の外方側となる位置に設けることにより果たされるので、全体の構成が比較的簡単なものとされ、かつ、全体の小型・薄型化を図ることが可能とされる。
即ち、コネクタ装置10によれば、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、配線板部材差込み部12を通じて絶縁ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング11からの抜脱を確実に防止することができることになる。
図8及び図9は、本願の第2の発明に係るコネクタ装置の例を、それに差し込まれた配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す。
図8及び図9において、本願の第2の発明に係るコネクタ装置の例を成すコネクタ装置40は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング41を備えている。コネクタ装置40も、実際の使用に供されるときには、絶縁ハウジング41を含むコネクタ装置40の全体が、例えば、電子機器の主配線基板(図示が省略されている。)に固定される。
絶縁ハウジング41には、その第1の端縁部42に配線板部材差込み部43が設けられている。この絶縁ハウジング41には、例えば、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が、配線板部材を成すものとして、配線板部材差込み部43を通じて、その内部に差し込まれる。
フレキシブル印刷配線基板13は、図1,図2及び図5等に示される前述のフレキシブル印刷配線基板13と同じものである。従って、フレキシブル印刷配線基板13にあっては、配列配置された複数の接続端子部14が設けられており、また、複数の接続端子部14を挟んで対向する一対の側端部分が先端部分15及び16を形成していて、先端部分15及び16には係止部17及び18が夫々設けられている。フレキシブル印刷配線基板13についての他の重複説明は省略される。
コネクタ装置40の絶縁ハウジング41内には、各々が図3及び図5等に示される前述のコンタクト20と同様に形成された複数のコンタクト45が、絶縁ハウジング41の長手方向に沿って配列配置されている。これらの配列配置された複数のコンタクト45は、各々が、絶縁ハウジング41に対するフレキシブル印刷配線基板13の一端部の差込み及び抜出し方向に沿う方向に伸びるものとされ、端部が絶縁ハウジング41の第1の端縁部42に対向する第2の端縁部44に達するものとされている。これらの複数のコンタクト45は、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41内に差し込まれるとき、差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部に配列配置された複数の接続端子部14に夫々対応する位置をとるものとされる。
複数のコンタクト45の夫々は、図3に示されるコンタクト20と同様に形成されたものとされ、各部の構成,役割及び作用は、コンタクト20のそれらと同様であるので、それらについての詳細説明は省略される。
また、コネクタ装置40は、絶縁ハウジング41に対して回動可能とされたアクチュエータ50を備えている。アクチュエータ50は、絶縁ハウジング41内における複数のコンタクト45の配列方向に沿って伸びる細長い形状をしていて、その長手方向を絶縁ハウジング41の長手方向と同方向としている。このアクチュエータ50は、図2及び図3に示されるコネクタ装置10におけるアクチュエータ30の場合と同様に、アクチュエータ30が伴う仮想回転中心軸33に相当する、複数のコンタクト45の配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴っている。
そして、アクチュエータ50は、図8に示されるような、絶縁ハウジング41に対して起き上がった位置となる第1の静止位置と、図9に示されるような、絶縁ハウジング41に対して伏した位置となる第2の静止位置とを選択的にとり、アクチュエータ50に回動操作が加えられるとき、仮想回転中心軸の周りを、絶縁ハウジング41の配線板部材差込み部43が設けられた第1の端縁部42から第1の端縁部42に対向する第2の端縁部44に向かう方向に回動して、第1の静止位置から第2の静止位置に移行し、あるいは、仮想回転中心軸の周りを、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44から第1の端縁部42に向かう方向に回動して、第2の静止位置から第1の静止位置に移行する。
アクチュエータ50には、図3及び図4に示されるコネクタ装置10におけるアクチュエータ30の場合と同様に、アクチュエータ30に設けられている複数のカム部31に相当する複数のカム部が設けられている。これらの複数のカム部は、複数のコンタクト45に夫々対応していて、複数のコンタクト45が絶縁ハウジング41の長手方向に沿って配列配置されていることにより、アクチュエータ50にその長手方向に沿って配列配置されて設けられており、各々の役割及び作用は、前述のアクチュエータ30に設けられている複数のカム部31の夫々の役割及び作用と同様である。
また、アクチュエータ50には、それにおける複数のコンタクト45の配列方向において複数のコンタクト45を挟む一対の側端部54及び55に、配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17及び18に夫々係合するための、突起部とされた係合部56及び57が夫々設けられている。そして、図8に示される係合部56にフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17を挟んで対向する位置において、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に隆起部46が設けられており、また、図8に示される係合部57にフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部18を挟んで対向する位置において、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に隆起部47が設けられている。
アクチュエータ50に設けられた係合部56及び57の夫々は、図8に示されるようにアクチュエータ50が第1の静止位置をとるとき、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より図8における上方となる位置におかれる部分に、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方に向かう状態をもって設けられている。このようにして係合部56及び57が設けられたアクチュエータ50の部分は、アクチュエータ50が、図8に示される第1の静止位置から、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジング41の第1の端縁部42から第2の端縁部44に向かう方向に回動して、図8に示される第2の静止位置をとるときには、仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれる部分となる。
このようなもとで、図8に示されるように、アクチュエータ50が第1の静止位置をとる状態にあるとき、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が絶縁ハウジング41に配線板部材差込み部43を通じて差し込まれる。その際、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部は、複数のコンタクト45の夫々における固定ビーム部と可動ビーム部との間の位置に配される。また、絶縁ハウジング41は、配線板部材差込み部43を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に、それにおける一対の先端部分15及び16が絶縁ハウジング41を貫通して、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方に露出する状態をとらせる。それにより、フレキシブル印刷配線基板13における一対の先端部分15及び16に夫々設けられた係止部17及び18が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれることになる。
続いて、第1の静止位置をとるアクチュエータ50が、回動操作により、図8に示される第1の静止位置から図9に示される第2の静止位置に移行すべく、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジング41の第1の端縁部42から第2の端縁部44に向かう方向に回動せしめられると、そのアクチュエータ50の第1の静止位置から第2の静止位置に移行する回動に伴って、アクチュエータ50に設けられた複数のカム部の夫々が、複数のコンタクト45のうちの対応するものの可動ビーム部の一端部が形成する受圧部に、それを固定ビーム部の一端部から離隔する方向に変位させる押圧力を作用させる。それにより、複数のコンタクト45の夫々は、可動ビーム部を連結支柱部の可動ビーム部との接続部分を支点として揺動変位させ、可動ビーム部の他端部が形成する接触部を、固定ビーム部の他端部に近接する方向に変位させて、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに押圧接触させる。
これよりして、アクチュエータ50は、第1の静止位置から第2の静止位置に移行するとき、可動ビーム部の一端部が形成する受圧部に押圧力を作用させて、可動ビーム部についての連結支柱部の可動ビーム部との接続部分を支点とする揺動変位を生じさせ、可動ビーム部の他端部が形成する接触部を絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに押圧接触させることになる。それにより、複数のコンタクト45の夫々が絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとるものとされる。その結果、フレキシブル印刷配線基板13が、コネクタ装置50を介して、コネクタ装置50が固定された主配線基板に電気的に連結されて取り付けられることになる。
また、このとき、第1の静止位置から仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジング41の第1の端縁部42から第2の端縁部44に向かう方向に回動して図9に示されるように第2の静止位置をとるものとされたアクチュエータ50は、それに設けられた係合部56及び57を、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における一対の先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合させる。斯かる係合部56の係止部17との係合及び係合部57の係止部18との係合は、係合部56及び57が係止部17及び18を夫々貫通することにより行われる。
その際、係止部17に係合した係合部56は、さらに、その先端部56aをもって、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合する。斯かる係合部56の先端部56aの絶縁ハウジング41の第2の端縁部44との係合は、係合部56の先端部56aを絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部46に当接させることにより行われる。また、係止部18に係合した係合部57は、さらに、その先端部57aをもって、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合する。斯かる係合部57の先端部57aの絶縁ハウジング41の第2の端縁部44との係合は、係合部57の先端部57aを絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部47に当接させることにより行われる。
図9には、アクチュエータ50に設けられた係合部56が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15に設けられた係止部17に係合し、さらに、その先端部56aを、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部46に当接させた状態が示されている。アクチュエータ50に設けられた係合部57も、図示されていないが、係合部56と同様にして、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分16に設けられた係止部18に係合し、さらに、その先端部57aを、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部47に当接させる。
このとき、係合部56及びそれが係合した係止部17は、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれ、また、係合部57及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれる。
さらに、絶縁ハウジング41は、図9に示されるコネクタ装置40の下方に配される底面部が、図示が省略された、例えば、電子機器の主配線基板上に配されて、その主配線基板に固定されるが、上述のようにして、アクチュエータ50に設けられた係合部56及び57が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合した状態におかれるときには、係合部56及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング41の底面部側)の位置におかれ、また、係合部57及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれる。
このようにして、アクチュエータ50に設けられた係合部56及び57は、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合するとともに、夫々の先端部56a及び57aをもって、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合し、それにより絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱を阻止する役割を果たす。
その際、上述のように、係合部56及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれ、また、係合部57及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれることにより、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、係止部17及び18を介して係合部56及び57に伝えられるとき、当該外力は、係合部56及び57を介してアクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする力を作用させる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部56及び57に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合にも、アクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部56及び57の係止部17及び18に対する係合が強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止が強固に行われる。
さらに、アクチュエータ50に設けられた係合部56及び57が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合するだけでなく、夫々の先端部56a及び57aをもって、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44にも係合することにより、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用するとき、その外力が、係止部17及び係合部56を介して、さらには、係止部18及び係合部57を介して、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に伝達され、絶縁ハウジング41により吸収されることになる。それゆえ、係合部56及び57が設けられたアクチュエータ50についての、外力に対する耐性の向上が図られ、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止がより一層強固に行われる。
従って、係止部17及び18とそれらに夫々係合する係合部56及び57とによって、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱防止が確実に行われることになる。
さらに、前述のように、係合部56及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41が固定される主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれ、また、係合部57及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれることによっても、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、絶縁ハウジング41に設けられた係止部17及18を介してアクチュエータ50に設けられた係合部56及び57に伝えられるとき、当該外力が、係合部56及び57を介してアクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする力を作用させる状態が得られる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部56及び57に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合には、アクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部56及び57の係止部17及び18に対する係合がより一層強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止が更に強固に行われる。その結果、係止部17及び18とそれらに夫々係合する係合部56及び57とによる、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱防止が、さらに確実に行われることになる。
しかも、上述のような絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の確実な防止が、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部17及び18に夫々係合する、例えば、突起部とされる係合部56及び57を、アクチュエータ50における仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄り又は第2の端縁部44の外方側となる位置に設けることにより果たされるので、全体の構成が比較的簡単なものとされ、かつ、全体の小型・薄型化を図ることが可能とされる。
即ち、コネクタ装置40によっても、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱を確実に防止することができることになる。
図10及び図11は、本願の第3の発明に係るコネクタ装置の例を、それに差し込まれた配線板部材とされるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す。
図10及び図11には、本願の第3の発明に係るコネクタ装置の例を成すコネクタ装置60が示されている。このコネクタ装置60は、上述の図8及び図9に示される本願の第2の発明に係るコネクタ装置の例を成すコネクタ装置40と同様に構成された部分を多々有していて、図10及び図11においては、本願の第2の発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置40と同様に構成された部分が、図8及び図9と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。本願の第3の発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置60における、本願の第2の発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置40との相違点は、アクチュエータ50における一対の側端部54及び55の夫々における構成にある。
図10及び図11において、コネクタ装置60が備える絶縁ハウジング41には、その第1の端縁部42に設けられた配線板部材差込み部43を通じて、例えば、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が、配線板部材を成すものとして、その内部に差し込まれる。フレキシブル印刷配線基板13は、図1,図2及び図5等に示される前述のフレキシブル印刷配線基板13と同じものである。
また、コネクタ装置60が備えるアクチュエータ50には、それにおける複数のコンタクト45の配列方向において複数のコンタクト45を挟む一対の側端部54及び55のうちの側端部54に、配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17に係合するための突起部とされた係合部61と、その近傍に配された凸部63とが設けられており、また、一対の側端部54及び55のうちの側端部55に、配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部18に係合するための突起部とされた係合部62と、その近傍に配された凸部64とが設けられている。そして、図10に示される係合部61にフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部17を挟んで対向する位置において、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に隆起部46が設けられており、また、図10に示される係合部62にフレキシブル印刷配線基板13に設けられた係止部18を挟んで対向する位置において、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に隆起部47が設けられている。その他の構成は、前述の図8及び図9に示されるコネクタ装置40と同様である。
このようなもとで、図10に示されるように、アクチュエータ50が第1の静止位置をとる状態にあるとき、フレキシブル印刷配線基板13の一端部が絶縁ハウジング41に配線板部材差込み部43を通じて差し込まれる。続いて、第1の静止位置をとるアクチュエータ50が、回動操作により、図10に示される第1の静止位置から図11に示される第2の静止位置に移行すべく、仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジング41の第1の端縁部42から第2の端縁部44に向かう方向に回動せしめられると、それに伴って、絶縁ハウジング41内において配列配置された複数のコンタクト45の夫々に、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の一端部における複数の接続端子部14のうちの対応するものに押圧接触する状態をとらせる。それにより、フレキシブル印刷配線基板13が、コネクタ装置60を介して、コネクタ装置60が固定された主配線基板に電気的に連結されて取り付けられることになる。
また、このとき、第1の静止位置から仮想回転中心軸の周りを絶縁ハウジング41の第1の端縁部42から第2の端縁部44に向かう方向に回動して図11に示されるように第2の静止位置をとるものとされたアクチュエータ50は、それに設けられた係合部61及び62を、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における一対の先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合させる。また、それとともに、アクチュエータ50は、それに設けられた凸部63及び64によって、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の先端部分15における係止部17が形成された部分及び先端部分16における係止部18が形成された部分を夫々押圧する。
フレキシブル印刷配線基板13の先端部分15における係止部17が形成された部分を押圧する凸部63は、フレキシブル印刷配線基板13の先端部分15を、図11に示されるように、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の下方側へと押し下げそれに撓み変形を生じさせて、係止部17を絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合させ、同様に、フレキシブル印刷配線基板13の先端部分16における係止部18が形成された部分を押圧する凸部64は、フレキシブル印刷配線基板13の先端部分16を絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の下方側へと押し下げそれに撓み変形を生じさせて、係止部18を絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合させる。
斯かる際における係合部61の係止部17との係合及び係合部62の係止部18との係合は、係合部61及び62が係止部17及び18に夫々挿入されることにより行われる。さらに、係止部17の絶縁ハウジング41の第2の端縁部44との係合は、係止部17の一部が絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部46に当接せしめられることにより行われ、また、係止部18の絶縁ハウジング41の第2の端縁部44との係合は、係止部18の一部が絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部47に当接せしめられることにより行われる。
図11には、アクチュエータ50に設けられた係合部61が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15に設けられた係止部17に係合し、さらに、係止部17の一部が、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部46に当接せしめられた状態が示されている。アクチュエータ50に設けられた係合部62及びフレキシブル印刷配線基板13における先端部分16に設けられた係止部18も、図示されていないが、係合部61及び係止部17と同様にして、係合部62が係止部18に係合し、さらに、係止部18の一部が絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に設けられた隆起部47に当接せしめられる。
このとき、係合部61及びそれが係合した係止部17は、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれ、また、係合部62及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれる。
さらに、絶縁ハウジング41は、図11に示されるコネクタ装置60の下方に配される底面部が、図示が省略された、例えば、電子機器の主配線基板上に配されて、その主配線基板に固定されるが、上述のようにして、アクチュエータ50に設けられた係合部61及び62が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合した状態におかれるときには、係合部61及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング41の底面部側)の位置におかれ、また、係合部62及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング11の底面部側)の位置におかれる。
このようにして、アクチュエータ50に設けられた係合部61及び62が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18に夫々係合するとともに、アクチュエータ50に設けられた凸部63及び64が、係止部17及び18を絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合させ、それにより、係合部61及び62及び凸部63及び64が、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱を阻止する役割を果たす。
その際、上述のように、係合部61及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれ、また、係合部62及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄りとなる位置又は絶縁ハウジング41の第2の端縁部44の外方となる位置におかれることにより、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、係止部17及び18を介して係合部61及び62に伝えられるとき、当該外力は、係合部61及び62を介してアクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする力を作用させる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部61及び62に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合にも、アクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部61及び62の係止部17及び18に対する係合が強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止が強固に行われる。
さらに、アクチュエータ50に設けられた凸部63及び64が、フレキシブル印刷配線基板13における先端部分15及び16に設けられた係止部17及び18の夫々を絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に係合させることにより、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用するとき、その外力が、係止部17及び18を介して、絶縁ハウジング41の第2の端縁部44に伝達され、絶縁ハウジング41により吸収されることになる。それゆえ、係合部61及び62及び凸部63及び64が設けられたアクチュエータ50についての、外力に対する耐性の向上が図られ、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止がより一層強固に行われる。
従って、係止部17及び18, それらに夫々係合する係合部61及び62、及び、係合部61及び62の近傍に夫々配された凸部63及び64によって、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱防止が確実に行われることになる。
さらに、前述のように、係合部61及びそれが係合した係止部17が、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41が固定される主配線基板側(絶縁ハウジング41の底面部側)の位置におかれ、また、係合部62及びそれが係合した係止部18も、アクチュエータ50の仮想回転中心軸の位置より主配線基板側(絶縁ハウジング41の底面部側)の位置におかれることによっても、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13にそれを絶縁ハウジング41から抜脱させる方向の外力、即ち、絶縁ハウジング41の抜脱方向の外力が作用し、その外力が、絶縁ハウジング41に設けられた係止部17及18を介してアクチュエータ50に設けられた係合部61及び62に伝えられるとき、当該外力が、係合部61及び62を介してアクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする力を作用させる状態が得られる。
それゆえ、係止部17及び18を介して係合部61及び62に伝えられるフレキシブル印刷配線基板13の抜脱方向の外力が比較的大とされる場合には、アクチュエータ50に、それをフレキシブル印刷配線基板13に向かう方向に仮想回転中心軸の周りを回動させようとする比較的大なる力が作用して、係合部61及び62の係止部17及び18に対する係合がより一層強められて、フレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の阻止が更に強固に行われる。その結果、係止部17及び18とそれらに夫々係合する係合部61及び62とによる、絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱防止が、さらに確実に行われることになる。
しかも、上述のような絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱の確実な防止が、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた、例えば、透孔部とされる係止部17及び18に夫々係合する、例えば、突起部とされる係合部61及び62、さらには、係合部61及び62の近傍に配される凸部63及び64を、アクチュエータ50における仮想回転中心軸の位置より絶縁ハウジング41の第2の端縁部44寄り又は第2の端縁部44の外方側となる位置に設けることにより果たされるので、全体の構成が比較的簡単なものとされ、かつ、全体の小型・薄型化を図ることが可能とされる。
即ち、コネクタ装置60によっても、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、配線板部材差込み部43を通じて絶縁ハウジング41に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13の絶縁ハウジング41からの抜脱を確実に防止することができることになる。
以上のような本願の第1〜第3の発明の夫々に係るコネクタ装置は、フレキシブル印刷配線基板等の配線板部材の電子機器の主配線基板等への取付けに用いられる、配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に配された複数のコンタクトと、回動操作されて複数のコンタクトに係合するアクチュエータとを備えたコネクタ装置であって、比較的簡単で小型・薄型化に適した構成をもって、絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材の絶縁ハウジングからの抜脱を確実に防止することができるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
10,40,60・・・コネクタ装置, 11,41・・・絶縁ハウジング, 12,43・・・配線板部材差込み部, 13・・・フレキシブル印刷配線基板, 14・・・接続端子部, 15,16・・・先端部分, 17,18・・・係止部, 20,45・・・コンタクト, 21・・・固定ビーム部, 22・・・可動ビーム部, 23・・・連結支柱部, 30,50・・・アクチュエータ, 31・・・カム部, 33・・・仮想回転中心軸, 34,35・・・側端部, 36,37,56,57,61,62・・・係合部, 42・・・(絶縁ハウジング41の)第1の端縁部, 44・・・(絶縁ハウジング41の)第2の端縁部, 46,47・・・隆起部, 63,64・・・凸部

Claims (10)

  1. 第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、
    該絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれとき、差し込まれた上記配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、
    上記絶縁ハウジングの上記第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において上記複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って上記絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、上記複数のコンタクトに係合して、上記配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、上記第1の端縁部から上記第2の端縁部に向かう方向に回動して上記第1の静止位置から上記第2の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々に上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、上記第2の端縁部から上記第1の端縁部に向かう方向に回動して上記第2の静止位置から上記第1の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々を上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、
    を備えて成り、
    上記絶縁ハウジングが、上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に、該配線板部材の先端部分が上記絶縁ハウジングを貫通して該絶縁ハウジングの上記第2の端縁部の外方に露出する状態をとらせ、
    上記アクチュエータの、上記第2の静止位置をとるとき上記仮想回転中心軸の位置より上記第2の端縁部寄り又は上記第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材が備える係止部に係合して、該配線板部材の上記絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられことを特徴とするコネクタ装置。
  2. 上記係合部が、上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材における上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部の外方に露出する先端部分に設けられた係止部に係合することを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
  3. 上記係合部が、上記アクチュエータにおける上記複数のコンタクトの配列方向において該複数のコンタクトを挟む一対の側端部のうちの少なくとも一方に設けられることを特徴とする請求項記載のコネクタ装置。
  4. 上記係合部が、上記アクチュエータにおける上記複数のコンタクトの配列方向において該複数のコンタクトを挟む一対の側端部の夫々に設けられることを特徴とする請求項記載のコネクタ装置。
  5. 上記絶縁ハウジングが基板に取り付けられて固定され、上記アクチュエータが上記第2の静止位置をとって上記係合部が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材に設けられた係止部に係合するとき、上記係合部及び該係合部が係合した上記係止部が、上記仮想回転中心軸の位置より上記基板側の位置におかれることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
  6. 第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、
    該絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれたとき、差し込まれた上記配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、
    上記絶縁ハウジングの上記第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において上記複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って上記絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、上記複数のコンタクトに係合して、上記配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、上記第1の端縁部から上記第2の端縁部に向かう方向に回動して上記第1の静止位置から上記第2の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々に上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、上記第2の端縁部から上記第1の端縁部に向かう方向に回動して上記第2の静止位置から上記第1の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々を上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、
    を備えて成り、
    上記アクチュエータの、上記第2の静止位置をとるとき上記仮想回転中心軸の位置より上記第2の端縁部寄り又は上記第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材が備える係止部に係合して、該配線板部材の上記絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられ、
    該係合部が、上記係止部に係合するとき、上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部にも係合することを特徴とするコネクタ装置。
  7. 上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部に、上記係合部が係合する隆起部が設けられることを特徴とする請求項記載のコネクタ装置。
  8. 上記係合部が突起部とされるとともに上記係止部が透孔部とされ、上記突起部が上記透孔部を貫通して該透孔部に係合するとともに、上記突起部の先端が上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部に係合することを特徴とする請求項記載のコネクタ装置。
  9. 第1の端縁部に配線板部材差込み部が設けられた絶縁ハウジングと、
    該絶縁ハウジング内に配列配置され、配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれたとき、差し込まれた上記配線板部材に配列配置された複数の接続端子部に夫々対応する位置をとるものとされる複数のコンタクトと、
    上記絶縁ハウジングの上記第1の端縁部に対向する第2の端縁部側において上記複数のコンタクトの配列方向に伸びる仮想回転中心軸を伴って上記絶縁ハウジングに対して回動可能に設けられ、第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとり、上記複数のコンタクトに係合して、上記配線板部材が上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれたもとで、上記第1の端縁部から上記第2の端縁部に向かう方向に回動して上記第1の静止位置から上記第2の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々に上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態をとらせ、上記第2の端縁部から上記第1の端縁部に向かう方向に回動して上記第2の静止位置から上記第1の静止位置に移行するとき、上記複数のコンタクトの夫々を上記複数の接続端子部のうちの対応するものに対する押圧接触状態から解放するアクチュエータと、
    を備えて成り、
    上記アクチュエータの、上記第2の静止位置をとるとき上記仮想回転中心軸の位置より上記第2の端縁部寄り又は上記第2の端縁部の外方側となる位置におかれる部分に、上記配線板部材差込み部を通じて上記絶縁ハウジングに差し込まれた配線板部材が備える係止部に係合して、該配線板部材の上記絶縁ハウジングからの抜脱を阻止する係合部が設けられ、
    該係合部が突起部とされるとともに上記係止部が透孔部とされ、
    上記アクチュエータにおける上記突起部の近傍に凸部が設けられて、上記突起部が上記透孔部に係合するとき、上記凸部が上記配線板部材における上記透孔部が設けられた部分を押圧して上記透孔部を上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部に係合させることを特徴とするコネクタ装置。
  10. 上記絶縁ハウジングの上記第2の端縁部に、上記配線板部材における上記透孔部が係合する隆起部が設けられることを特徴とする請求項記載のコネクタ装置。
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