JP5310174B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池への需要の増加に伴い、電池の高性能化及び小型化が求められている。下記特許文献1には、サイクル特性、保存特性、安全性に優れた電池を形成するために、炭素材料を電極活物質とし、電極活物質と架橋ポリマーが有機系バインダーで結着されていることを特徴とする電極を用いることが開示されている。
特開平8−250124号公報
リチウムイオン二次電池を更に高容量化するためには、電極が備える活物質層の密度を増加させる必要がある。しかし、本発明者らは、鋭意研究の結果、活物質層の密度を上げると、電解質溶液の活物質層への浸透性が低下し、電池のレート特性が低下することを見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、レート特性を向上させることができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、集電体と、集電体上に形成された活物質層と、を有する電極と、カーボネート基を有する有機溶媒及びリチウムイオンを含む電解質溶液と、を備え、活物質層が、ポリアクリロニトリルを含む有機化合物粒子を有し、活物質層の厚さをTとするとき、前記有機化合物粒子の平均粒径がT/4以上8T/9以下である。なお、以下では、「カーボネート基を有する有機溶媒」を、場合により「カーボネート系溶媒」と記す。
上記本発明では、電解質溶液が含むカーボネート系溶媒に対する濡れ性に優れたポリアクリロニトリルを含む有機化合物粒子が活物質層に含まれるため、活物質層が有機化合物粒子を含まない従来のリチウムイオン二次電池に比べて、電解質溶液の活物質層内へ浸透が促進される。そのため、上記本発明によれば、従来のリチウムイオン二次電池に比べてレート特性が向上する。
活物質層の厚さTに対して有機化合物粒子の平均粒径が小さ過ぎる場合、又は大き過ぎる場合、レート特性の向上は困難となる。しかし、上記本発明では、活物質層の厚さTに対して有機化合物粒子の平均粒径がT/4以上8T/9以下であるため、レート特性の向上が可能となる。
上記本発明では、活物質層中の有機化合物粒子の含有率が、活物質層全体に対して5〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。有機化合物粒子の含有率が小さ過ぎる場合、レート特性を向上させる効果が小さくなる傾向がある。有機化合物粒子の含有率が大き過ぎる場合、放電容量が低下し、レート特性を向上させる効果が小さくなる傾向がある。上記本発明では、有機化合物粒子の含有率を上記の範囲内とすることにより、これらの傾向を抑制することができる。
上記本発明では、有機化合物粒子がポリアクリロニトリルを含むことによりレート特性を向上させ易くなる。
上記本発明では、有機溶媒がプロピレンカーボネート又はエチレンカーボネートのうち少なくともいずれかであることが好ましい。これによりレート特性を向上させ易くなる。
本発明によれば、レート特性を向上させることができるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池が備える発電要素の模式断面図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン二次電池の正面図である。 図2に示すリチウムイオン二次電池を図2のX−X線に沿って切断した模式断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示する比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
図1〜図3に示すように、リチウムイオン二次電池1は、互いに対向する一対の板状の電極(負極10及び正極20)と、負極10と正極20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、を備える発電要素60と、リチウムイオン及びカーボネート系溶媒を含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出される負極リード12と、正極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出される正極リード22とから構成されている。電解質溶液はケース50の内部空間に充填され、その一部は、負極活物質層18、正極活物質層28及びセパレータ40の内部に浸透している。なお、図1〜図3には、電解質溶液の図示を省略する。
負極10は、負極集電体16と、負極集電体16上に形成された負極活物質層18と、を備える。また、正極20は、正極集電体26と、正極集電体26上に形成された正極活物質層28と、を備える。セパレータ40は、負極活物質層18と正極活物質層28との間に位置している。
負極活物質層18は、負極活物質、バインダー(結着剤)及び複数の有機化合物粒子6を含む。正極活物質層28は、正極活物質及びバインダーを含む。負極活物質層18の厚さをTとするとき、有機化合物粒子6の平均粒径はT/4以上8T/9以下である。なお、複数の有機化合物粒子6は負極活物質層18中で均一に分散していることが好ましい。これにより本発明の効果が顕著になる。
有機化合物粒子6は、ポリアクリロニトリル(以下、「PAN」と記す。)又はポリアミドイミド(以下、「PAI」と記す。)のうち少なくともPANを含む。有機化合物粒子6はPAN及びPAIを共に含んでもよい。有機化合物粒子6がPANのみを含む場合、有機化合物粒子6がPAIのみを含む場合に比べて、カーボネート系溶媒を含む電解質溶液に対する有機化合物粒子6の濡れ性(化学的親和性)が向上し易く、電解質溶液が負極活物質層18へ浸透し易くなる。そのため、有機化合物粒子6がPANを含む場合、レート特性を向上させ易くなる。
電解質溶液は、カーボネート基を有する有機溶媒(カーボネート系溶媒)にリチウム塩を溶解することによって作製される。つまり、本実施形態において、電解質溶液は非水電解質溶液である。
リチウム塩を溶解するカーボネート系溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネート等の環状カーボネート、又はジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートを単独で使用してもよく、これらを混合して使用してもよい。また、電解質溶液は、本発明の効果を損なわない程度であれば、カーボネート系溶媒に加えて、ラクトン、又はカーボネートエステル以外のエステル等を更に含有していてもよい。
環状カーボネートは、プロピレンカーボネート又はエチレンカーボネートのうち少なくともいずれかであることが好ましい。プロピレンカーボネート又はエチレンカーボネートに対するPAN又はPAIの濡れ性は、プロピレンカーボネート又はエチレンカーボネートに対するポリエチレンの濡れ性より優れている。
電解質溶液に溶解するリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、電解質溶液は、高分子等を添加することによりゲル状としてもよい。
本実施形態では、電解質溶液が含むカーボネート系溶媒に対する濡れ性に優れたPANを含む有機化合物粒子6が負極活物質層18に含まれるため、負極活物質層18が有機化合物粒子6を含まない従来のリチウムイオン二次電池に比べて、電解質溶液の負極活物質層18内へ浸透が促進される。そのため、本実施形態によれば、従来のリチウムイオン二次電池に比べてレート特性が向上する。
負極活物質層18の厚さTに対して有機化合物粒子6の平均粒径が小さ過ぎる場合、電解質溶液の負極活物質層18内へ浸透が充分に促進されないため、レート特性を向上させることが困難となる。また、有機化合物粒子6の平均粒径が大き過ぎる場合、負極活物質層18の正極活物質層28側の表面に、有機化合物粒子6の一部分が突出し易くなる。有機化合物粒子6が突出した部分において負極活物質層18とセパレータ40とが密着せず、負極活物質層18と正極活物質層28との間隔が広がり、電池の内部抵抗が増加する。また、本発明者らは、負極活物質層18を巨視的に見た場合、有機化合物粒子6の平均粒径の増大に伴い、充放電に寄与しない有機化合物粒子6の偏在が顕著になることによって、負極10の充放電特性が損なわれる、と考える。その結果、有機化合物粒子6の平均粒径が大き過ぎる場合、レート特性を向上させることが困難となる。本実施形態では、負極活物質層18の厚さTに対して有機化合物粒子6の平均粒径がT/4以上8T/9以下であるため、これらの不具合を防止することができる。
負極活物質層18中の有機化合物粒子6の含有率は、活物質層全体に対して5〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。有機化合物粒子6の含有率が負極活物質層18全体に対して5質量%未満である場合、電解質溶液の負極活物質層18内へ浸透が充分に促進されないため、レート特性を向上させる効果が小さくなる傾向がある。有機化合物粒子6の含有率が負極活物質層18全体に対して30質量%より大きい場合、負極活物質層18中の負極活物質の含有率が小さくなるため、放電容量が低下し、レート特性を向上させる効果が小さくなる傾向がある。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の負極活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属又は合金、SiO(1<x≦2)、SnO(1<x≦2)等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、TiOが挙げられる。
負極活物質層18中の負極活物質の含有量は、負極活物質層18全量を基準として80〜98質量%であることが好ましく、85〜97質量%であることがより好ましい。活物質の含有量が80質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、エネルギー密度が低下する傾向があり、98質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、負極活物質層18と集電体16との接着力が不足してサイクル特性が低下する傾向がある。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素またはVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質層28中の正極活物質の含有量は、正極活物質層28全量を基準として80〜97質量%であることが好ましく、85〜96質量%であることがより好ましい。正極活物質2の含有量が80質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、エネルギー密度が低下する傾向があり、97質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、正極活物質層28と集電体26との接着力が不足してサイクル特性が低下する傾向がある。
各活物質層が含有するバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)等のフッ素樹脂・フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体又は導電性高分子等を用いればよい。
各活物質層中のバインダーの含有量は、活物質層全量を基準として2〜10質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。バインダーの含有量が2質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、塗膜強度や活物質層と集電体との密着性が低下して、サイクル特性が劣化する傾向があり、10質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、内部抵抗が増加するため電池の特性が劣化する傾向がある。
負極活物質層18又は正極活物質層28は、導電助剤を含有していることが好ましい。導電助剤としては特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック類等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
負極集電体16及び正極集電体26は、負極活物質層18及び正極活物質層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であって、負極集電体の場合はリチウムと合金を作らないもの、正極集電体の場合は腐食しないものであれば特に限定されない。例えば、負極集電体16及び正極集電体26としては、それぞれ銅、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
負極集電体16は、負極リード12の一端に電気的に接続され、図2に示すように、負極リード12の他端がケース50の外部に延びている。また、正極20の正極集電体26は、正極リード22の一端に電気的に接続され、図2に示すように、正極リード22の他端がケース50の外部に延びている。
シール部50に接触する負極リード12の部分には、負極リード12とケース50の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆され、シール部50に接触する正極リード22の部分には、正極リード22とケース50の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。また、絶縁体14、24の他の役割は、ケース50の最内層とリード12、22との密着性を向上させることである。
セパレータ40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記高分子の混合物の延伸膜又は多孔体、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
負極活物質層18又は正極活物質層28の表面のうちセパレータ40に対向する面には、1〜1000nm程度の厚さを有する絶縁層が形成されていてもよい。これにより電極間の短絡を防止できる。絶縁層を構成する物質としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化珪素(SiO、1<x≦2)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化錫(SnO、1<x≦2)が挙げられ、これらを組み合わせて用いてもよい。
ケース50は、図3に示すように、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。対向して重なるフィルムの縁部は、接着剤又はヒートシールによって封止され、シール部50Aを形成している。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは、可とう性を有するフィルムである。これらのフィルムは、可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの十分な機械的強度と軽量性とを確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、発電要素60に接触する高分子製の最内部の層と、最内部の層の発電要素と接する側の反対側に配置される金属層とを少なくとも有することが好ましい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
上述したリチウムイオン二次電池1は、例えば以下の手順で製造できる。
負極10の製造では、負極活物質、バインダー、及び複数の有機化合物粒子6を含む負極用塗料を負極集電体16に塗布し、負極活物質層18を負極集電体16上に形成する。負極活物質層18の形成では、負極用塗料中の各成分の濃度を調整したり、負極用塗料から形成した塗膜を圧延処理したりすることにより、負極活物質層18の厚さTを、有機化合物粒子6の平均粒径の9/8〜4倍に調整する。また、負極用塗料中の有機化合物粒子6の含有率は、負極活物質層18中の有機化合物粒子6の含有率が5〜30質量%となるように調整することが好ましく、10〜25質量%となるように調整することがより好ましい。正極20の製造では、正極活物質及びバインダーを含む正極用塗料を正極集電体26に塗布して、正極活物質層28を正極集電体26上に形成する。正極用塗料及び負極用塗料には、必要に応じて、導電助剤等を添加してもよい。
次に、負極10及び正極20それぞれに対して、負極リード12及び正極リード22を電気的に接続する。そして、負極10と正極20との間にセパレータ40を挟むことにより、発電要素60を形成する。このとき、負極10の負極活物質層18側の面、及び正極20の正極活物質層28側の面を、セパレータ40と接触させる。
次に、重ね合わせた第1のフィルム51及び第2のフィルム52の縁部を、接着剤又はヒートシールによって封止(シール)して、ケース50を作製する。このとき、後工程において発電要素60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部封止を行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
開口部を有した状態のケース50の内部に、負極リード12及び正極リード22が電気的に接続された発電要素60を挿入し、更に電解質溶液を注入する。続いて、負極リード12の一部、及び正極リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、ケース50の開口部を封止することにより、リチウムイオン二次電池1が完成する。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、正極活物質層28が有機化合物粒子6を含んでもよく、負極活物質層18及び正極活物質層28の両層が有機化合物粒子6を含んでもよい。いずれの場合も上記の実施形態と同様に本発明の効果を奏することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[評価用セルの作製]
実施例1では、有機化合物粒子として、ポリアクリロニトリルからなる粒子(東洋紡績(株)社製、商品名:A−20)を用いた。以下では、ポリアクリロニトリルからなる粒子を「PAN粒子」と記す。また、実施例1では、平均粒径が30μmであるPAN粒子を用いた。
複数のPAN粒子と、負極活物質である人造黒鉛と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤であるアセチレンブラックとを、N,Nジメチルアセトアミドに溶解させ、これらを混合し、攪拌して、負極用塗料を調製した。なお、負極用塗料中の有機化合物粒子(PAN粒子)の含有率は、負極用塗料から形成される負極活物質層中の有機化合物粒子の含有率が負極活物質層全体にして15質量%となるように調整した。
負極集電体であるアルミニウム箔上に負極用塗料を塗布して、負極用塗膜を負極集電体上に形成した。負極用塗膜を乾燥した後、負極用塗膜をロールプレスで圧延して、厚さTが80μmである負極活物質をアルミニウム箔上に形成して、負極を完成させた。負極活物質層中の有機化合物粒子の含有率は負極活物質層全体にして15質量%であることが確認された。
正極活物質であるLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O、導電助剤であるアセチレンブラック及びグラファイト、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)並びに溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を混合、撹拌して正極用塗料を調製した。
正極集電体であるアルミニウム箔上に正極用塗料を塗布して正極用塗膜を形成した。正極用塗膜を乾燥させた後、ロールプレスによる圧延を行った。これにより、正極活物質層と正極集電体とを備える正極を得た。
負極及び正極にそれぞれリードを電気的に接続した。次に、負極と正極を各活物質層が対向するように配置し、負極と正極の間にセパレータを挟むことにより、発電要素を得た。なお、セパレータとしては、ポリエチレン製セパレータを用いた。
電池のケース内に発電要素を挿入し、電解質溶液を注入した。正極及び負極の各リードの一部をそれぞれケース内に挿入した状態で、ケースの開口部を真空封止することにより、実施例1の評価用セル(リチウムイオン二次電池)を完成させた。なお、電解質溶液としては、20体積%のプロピレンカーボネート(PC)と10体積%のエチレンカーボネート(EC)と70体積%のジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒にLiPFを1.0Mの濃度で溶解させたものを用いた。
参考例2)
参考例2では、有機化合物粒子として、PAN粒子の代わりに、ポリアミドイミドからなる粒子(日立化成工業(株)社製、商品名:NAD−AI)を用いた。以下では、ポリアミドイミドからなる粒子を「PAI粒子」と記す。また、参考例2では、平均粒径が30μmであるPAI粒子を用いた。
以上の事項以外は、実施例1と同様の条件で、参考例2の評価用セルを作製した。
(実施例3〜11、比較例1〜4)
実施例3〜11及び比較例2〜4では、表1に示す有機化合物粒子を用い、負極活物質層中の有機化合物粒子の含有率を表1に示す値とした。比較例1では、負極活物質層に有機化合物粒子を含有させなかった。なお、表1に示す「PE粒子」とは、ポリエチレンからなる粒子を意味する。また、実施例3〜11及び比較例1〜4では、負極活物質層の厚さTを表1に示す値とした。
以上の事項以外は、実施例1と同様の条件で、実施例3〜11及び比較例1〜4の評価用セルをそれぞれ作製した。
[レート特性の評価]
放電レートを1C(25℃で定電流放電を行ったときに1時間で放電終了となる電流値)とした場合における、実施例1、参考例2、実施例3〜11及び比較例1〜4の評価用セルの放電容量(単位:mAh)をそれぞれ測定した。また、放電レートを5C(25℃で定電流放電を行ったときに0.2時間で放電終了となる電流値)とした場合における、実施例1、参考例2、実施例3〜11及び比較例1〜4の評価用セルの放電容量をそれぞれ測定した。そして、実施例1、参考例2、実施例3〜11及び比較例1〜4のレート特性(単位:%)をそれぞれ求めた。なお、レート特性とは、1Cでの放電容量を100%とした場合の5Cでの放電容量の比率である。結果を表1に示す。レート特性は大きいほど好ましい。
表1に示すように、負極活物質層が、有機化合物粒子としてPAN粒子又はPAI粒子を含み、PAN粒子又はPAI粒子の平均粒径がT/4以上8T/9以下である実施例1、参考例2及び実施例3〜11では、比較例1〜4に比べてレート特性が大きいことが確認された。
比較例1では、負極活物質層が有機化合物粒子を含まないため、全実施例及び参考例2に比べてレート特性が小さいことが確認された。比較例2では、負極活物質層が有機化合物粒子としてPE粒子のみを含むため、全実施例及び参考例2に比べてレート特性が小さいことが確認された。比較例3では、負極活物質層が有機化合物粒子としてPAN粒子を含むが、有機化合物粒子の平均粒径がT/4未満であったため、全実施例及び参考例2に比べてレート特性が小さいことが確認された。比較例4では、負極活物質層が有機化合物粒子としてPAN粒子を含むが、有機化合物粒子の平均粒径が8T/9より大きかったため、全実施例及び参考例2に比べてレート特性が小さいことが確認された。
1・・・リチウムイオン二次電池、6・・・有機化合物粒子、10・・・負極、12・・・負極リード、14・・・絶縁体、16・・・負極集電体、18・・・負極活物質層、20・・・正極、22・・・正極リード、24・・・絶縁体、26・・・正極集電体、28・・・正極活物質層、40・・・セパレータ、50・・・ケース、60・・・発電要素、T・・・活物質層の厚さ。

Claims (3)

  1. 集電体と、前記集電体上に形成された活物質層と、を有する電極と、
    カーボネート基を有する有機溶媒及びリチウムイオンを含む電解質溶液と、を備え、
    前記活物質層が、ポリアクリロニトリルを含む有機化合物粒子を有し、
    前記活物質層の厚さをTとするとき、前記有機化合物粒子の平均粒径がT/4以上8T/9以下である、
    リチウムイオン二次電池。
  2. 前記活物質層中の前記有機化合物粒子の含有率が、前記活物質層全体に対して5〜30質量%である、
    請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記有機溶媒がプロピレンカーボネート又はエチレンカーボネートのうち少なくともいずれかである、
    請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
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