JP5308536B2 - 送信メッセージ送信タイミング設定方法 - Google Patents
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Description
ところで、かかるCAN通信においては、通常、予め設定された複数の所定周期で、各部からの複数の送信メッセージが一斉にCANドライバへ送信され、このCANドライバを介してそれぞれ目的の部署へ送出されるようになっている。
前記送信メッセージを送信周期毎に、所定の周期グループ分け条件によって定まる送信メッセージ数を最大とする送信周期別グループに区分し、
前記区分された送信周期別グループについて任意に順を定めると共に、前記各々の送信周期別グループに包含される送信メッセージについて任意に順を定めた後、
前記区分された送信周期別グループ数に相当する送信グリットを定め、当該送信グリットに対して、送信周期別グループ順に、一つの送信メッセージを前記定められた順にしたがって一つ選択し、当該選択された送信メッセージを割り付けることを、全ての送信周期別グループの送信メッセージの割り付けが終了するまで繰り返し行うことで、複数の送信メッセージの送信タイミングの割り付けを行うよう構成されてなる送信メッセージ送信タイミング設定方法が提供される。
2…CANバス
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における送信メッセージ送信タイミング設定方法について概括的に説明する。
本発明の実施の形態における送信メッセージ送信タイミング設定方法は、例えば、車両動作制御装置に用いられるCAN(Controller Area Network)通信において各部で授受される送信メッセージの送信タイミングを、通信負荷の均等化、送信メッセージ数の極端な減少を回避を図りつつ、装置設計の段階で設定するための手法を提示するものである。
車両動作制御装置Sは、複数の電子制御ユニット(図1においては、「ECU−1」、「ECU−n」と表記)1−1〜1−nが設けられており、これらは、必要に応じて相互に送信メッセージを送受信するものとなっている。ここで、送信メッセージは、いわゆるメッセージのみならず、各種のデータなどを含むディジタル信号を意味するものとする。
各電子制御ユニット1−1〜1−nが外部へ送出する送信メッセージについては、その送信周期の設定は、特段の制約は設けられておらず、個々の電子制御ユニット1−1〜1−nで任意に定めることができるものとなっている。
本発明の実施の形態における送信メッセージ送信タイミング設定方法は、上述のような構成を有する車両動作制御装置Sの設計段階において、各電子制御ユニット1−1〜1−nが送出する送信メッセージの送信タイミングの割り付けを、通信負荷の均等化等の観点から行うものであり、そのような送信タイミングの割り付けを行うことで、従来と異なり、送信メッセージの送信タイミングを調整するための専用の回路を設ける必要のない装置の構築を可能とするものである。
まず、前提条件として、各電子制御ユニット1−1〜1−nが送出する送信メッセージについては、1つの送信メッセージの送信に要する長さ(送信時間)は、最大1ms以内との制約の下、送信周期がそれぞれ既に定められているものとする。
これらの送信メッセージは、以下、説明の便宜上、「Msg」と表記し、詳細は後述するが、以下の具体例においては、送信周期による送信メッセージの区別と、同一送信周期における送信メッセージの区分のための符号を「Msg」の後に付して、それぞれの送信メッセージを区別しており、以下列記すれば、Msg1−2、Msg1−2、Msg2−1、Msg2−2、Msg2−3、Msg3、Msg4、Msg5、Msg6、Msg7、Msg8となっている(図3参照)。
すなわち、本発明の実施の形態においては、所与の送信メッセージを、送信周期を指標として短送信周期のグループと長送信周期のグループの2つに区分している。
具体的には、本発明の実施の形態の場合、グループ分けの指標として送信周期500msを選定し、これを下回る短送信周期のグループと、500msを超える長送信周期のグループに区分したものとなっている。
また、長送信周期のグループ(以下、説明の便宜上「第2メイングループ」と称する)には、送信周期500msの送信メッセージが1個、送信周期1000msの送信メッセージが1個、送信周期1100msの送信メッセージが1個が属するものとなっている。
かかるメイングループ分けは、送信メッセージを同時に送信するいわばチャンネルの数を設定することに相当するものである(詳細は後述)。
また、メイングループ分けの指標となる送信周期は、送信メッセージの送信周期の具体的な値によって適宜設定されるべきものであり、上述の500msはあくまでも一例で、これに限定されるものではないことは勿論である。
指標となる送信周期の選定は、例えば、送信メッセージを送信周期によって2つに区分する場合、最小の送信周期と最大の送信周期の中央に基準を定めると好適である。また、3つに区分する場合には、最小の送信周期と最大の送信周期の間を3等分する位置に送信周期を定めると好適である。
すなわち、まず、第1メイングループにおける送信メッセージの送信周期は、先に述べたように、10ms、20ms、30ms、250msの4種類であるので、これらの最大公約数は、10msと求められることとなる。
一方、第2メイングループにおける送信メッセージの送信周期は、先に述べたように、500ms、1000ms、1100msの3種類であるので、これらの最大公約数は、100msと求められることとなる(以後、「最大公約数周期」と称する)。
すなわち、先の第1メイングループ、第2メイングループにおいて、送信周期別に次述するようにして送信周期別グループ分けを行う。
ここで、図3における送信メッセージの表記について説明する。
まず、先に述べたように、送信メッセージは、「Msg」と表記すると共に、送信周期別グループの区別と、送信周期別グループ内での順番を示すため、「Msg」の後に「n−m」と表記を付加し、Msgn−mの表示形式を用いて表示を行っている。
ここで、「n」は、送信周期別グループを区分するために送信周期別グループ毎に”1”から昇順に付与される数字であり、以下、説明の便宜上、「送信周期別グループ番号」と称する。
また、「m」は、同一の送信周期別グループに属する送信メッセージに対して、その区分を行うために”1”から昇順に付与される数値であり、以下、説明の便宜上、「送信メッセージ番号」と称する。
これは、送信メッセージを区分するための番号、すなわち、Msgn−mの表記における「m」についても同様である。
なお、送信メッセージMsg3〜Msg8は、それぞれ一つの送信メッセージで送信周期別グループを形成するものとなっているが、これは、先に説明した送信周期別グループ送信メッセージ数の算出式に基づく結果である。例えば、第1メイングループの送信周期10msの送信メッセージを例に採れば、送信周期別グループ送信メッセージ数は、第1メイングループの最大公約数が先に求めたように10msであるので、送信周期別グループ送信メッセージ数=送信周期÷送信周期最大公約数より10ms÷10ms=1と求められる。
すなわち、まず、各送信周期別グループの送信タイミングを、予めメイングループ毎に定められた送信グリット間隔で定めてゆく。
ここで、送信グリットの値(送信グリット値)は、メイングループ毎に、次述するように第1グリット値設定条件と第2グリット値設定条件を同時に満たす値が設定される。
まず、グリット分割最小値は、1送信メッセージの送信時間×グループ係数として設定されるものとなっている。ここで、グループ係数は、メイングループの数に相当するもので、例えば、図3の例においては、1送信メッセージの送信時間が最大1msと設定されたものとしており、また、メイングループは、既に述べたように第1メイングループと第2メイングループの2つであるので、グループ係数は2となり、グリット分割最小値は、1ms×2=2msと定められる。
なお、メイングループ分けは、必ずしも必須のものではなく、送信周期別グループ分けのみとしても良いので、その場合、グループ係数は、”1”となる。
したがって、第1メイングループにおいては、最大公約数周期10ms故、グリット分割最大値は10msとなり、第2メイングループにおいては、最大公約数周期100ms故、グリット分割最大値は100msとなる。
したがって、第1メイングループにおいては、10/送信グリット値≧5を満足する必要があることとなる。そして、この不等式を書き換えると、送信グリット値は、10/5≧送信グリット値を満足する整数値を選択する必要があることとなる。これは、丁度、第1メイングループにおける先のグリット分割最小値を満足するものとなっており、このため、図3の例においても送信グリッド値は2msに設定されたものとなっている。
図3の例においては、第2メイングループにおける送信グリッド値を20msと設定することで、第1グリット設定条件及び第2グリット設定条件の双方を満たすようにしている。なお、図3の例における第2メイングループの送信グリッド値は、100/3≧送信グリット値を満足する整数値として、25msに設定することも可能である。
まず、第1メイングループ、第2メイングループのいずれにおいても、いずれの送信周期別グループから送信タイミングを割り付けてゆくかは、基本的には自由であるが、図3の例においては、第1メイングループ、第2メイングループ共に、送信周期別グループ番号の昇順にしたがって送信グリット間隔で送信タイミングの割り付けを行っている。
また、送信周期別グループの中からいずれの送信メッセージを選択して送信タイミングの割り付けを行ってゆくかについても、基本的には自由であるが、図3の例においては、送信メッセージ番号の昇順にしたがって送信タイミングの割り付けを行っている。
したがって、Msg1−1、Msg2−1、Msg3、Msg7、Msg8の順に送信タイミングが割り付けられることとなる(図3参照)。なお、図3においては、「×」を表記して、各送信タイミングを表している。
すなわち、第2順目の割り付け同様、まず、5つ分の送信周期別グループに対する送信グリット(10ms)を確保する。そして、未だ割り付けされていない送信メッセージMsg2−3を、第3順目の2番目の送信グリットに割り付けることとなる。換言すれば、Msg1−1を基準とすると、その22ms後の位置にMsg2−3を割り付けることとなる。
第1メイングループにおいては、第3順目で全ての送信メッセージについて最初の送信タイミングの割り付けが完了することとなる。
車両動作制御装置Sが始動され、送信メッセージの送信開始に適した時期となると、第1メイングループの中からは、最初に、送信メッセージMsg1−1が送信される一方、第2メイングループの中からは、送信メッセージMsg4が送信される。
ここで、送信メッセージMsg1−1の送信と送信メッセージMsg4の送信について、無関係に、それぞれの送信元において任意に定められるものとなっている。このように、本発明の実施の形態においては、複数のメイングループを設けることは、相互に独立して送信メッセージの送信を行うことを可能としたいわば通信路、換言すれば、チャンネルを設けることに実質的に等価となる。
一方、第2メイングループにおいては、Msg4の送信後に、第1回目の送信が行われる送信メッセージのみを順に挙げれば、Msg5、Msg6となる。
なお、第1回目の送信が行われた送信メッセージは、以後、それぞれの送信周期に従って送信が行われることとなる。
Claims (5)
- 送信周期が区々に予め定められた複数の送信メッセージの送信タイミングの割り付けを行う送信メッセージ送信タイミング設定方法であって、
前記送信メッセージを送信周期毎に、所定の周期グループ分け条件によって定まる送信メッセージ数を最大とする送信周期別グループに区分し、
前記区分された送信周期別グループについて任意に順を定めると共に、前記各々の送信周期別グループに包含される送信メッセージについて任意に順を定めた後、
前記区分された送信周期別グループ数に相当する送信グリットを定め、当該送信グリットに対して、送信周期別グループ順に、一つの送信メッセージを前記定められた順にしたがって一つ選択し、当該選択された送信メッセージを割り付けることを、全ての送信周期別グループの送信メッセージの割り付けが終了するまで繰り返し行うことで、複数の送信メッセージの送信タイミングの割り付けを行うことを特徴とする送信メッセージ送信タイミング設定方法。 - 所定の周期グループ分け条件は、送信周期別グループを構成する送信メッセージの送信周期を、グループ分けの対象となる複数の送信メッセージの送信周期の最大公約数で除した値を、送信周期別グループに包含され得る最大送信メッセージ数とするものであることを特徴とする請求項1記載の送信メッセージ送信タイミング設定方法。
- 送信グリットは、第1グリット値設定条件と第2グリット値設定条件の双方を満たす値が選定され、
前記第1グリット値設定条件は、送信グリットの値がグリット分割最小値とグリット分割最大値の間に設定されることを条件とし、前記グリット分割最小値は、送信メッセージの送信時間に所定のグループ係数を乗じた乗算結果とされる一方、前記グリット分割最大値は、送信周期の最大公約数とされ、
前記第2グリット値設定条件は、送信周期の最大公約数を送信グリットで除した値が、送信周期別グループ数以上となることを特徴とする請求項2記載の送信メッセージ送信タイミング設定方法。 - 所定のグループ係数は、複数の送信メッセージを、送信周期を指標としてメイングループに区分する場合には、当該メイングループ数とする一方、メイングループに区分しない場合には、1とすることを特徴とする請求項3記載の送信メッセージ送信タイミング設定方法。
- 送信メッセージは、複数の電子制御ユニットが設けられると共に、前記複数の電子制御ユニットがCANバスを介してデータの授受が可能に構成されてなる車両動作制御装置において、前記CANバスを介して前記複数の電子制御ユニット間で授受されるものであることを特徴とする請求項4記載の送信メッセージ送信タイミング設定方法。
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