JP5308452B2 - 妊娠支援方法、システム及びキット - Google Patents

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Description

本発明は、血液、尿、唾液、等々の生体試料に含まれる、核酸、タンパク質、微生物などの生体物質を分析対象とする分析システムおよび方法に関する。特に、女性の妊娠支援のための排卵時刻推定を目的とする、尿中に含まれる黄体化ホルモンを分析対象とするモニタ方法、モニタシステム及び検査キットに関する。
少子化は最も重要な国家課題のひとつである。2005年の日本の合計特殊出生率は1.26(出生数106万人)と戦後最低を記録し、人口減少社会に突入した。主な原因として、女性の社会進出、経済的自立を背景とする未婚化、晩婚化、晩産化が挙げられる。一方、これらは女性個人にとっても切実な課題である。本人の社会的および経済的な問題だけでなく、望んでも妊娠出来ないと言う不妊の問題が大きい。非特許文献1によれば、子供ができる年代(生殖年齢)の夫婦の約10%、140万組の夫婦が子供を持たず、この内の半数の70万組の夫婦が不妊を心配している(国立社会保障・人口問題研究所 出生動向基本調査)。これに対して、実際に不妊治療を受けている夫婦は30万組に過ぎず(厚生労働省推計)、その半数の15万組の夫婦が子供を授かっている(日経メディカル推計)。不妊治療を受けない理由は、「病院で治療してまで子供を持ちたいと思わない」、「不妊治療はお金がかかる」「子供を持つことに対して夫婦間で気持ちが一致しない」、「どの病院を受診したら良いか分からない」等、様々である。働く女性にとっては、仕事と治療の両立が困難であり、これらの二者択一を迫られる等、事情はさらに深刻である(非特許文献2)。
不妊治療には主に、(1)タイミング療法、(2)ホルモン療法、(3)人工授精、(4)体外受精があり、一般にこの順番でステップアップしながら行われる。例えば、最初の3ヶ月間は(1)を実施し、この段階で妊娠に至らなければ、次の3ヶ月間は(1)を併用しながら(2)を実施する等である。(1)〜(3)は一般不妊治療、(4)は高度不妊治療とも呼ばれる。非特許文献1および不妊治療を実施する各病院のホームページによれば、妊娠がどのステップで成功したかの統計的な割合は、(1)が14%、(2)が33%、(3)が19%、(4)が34%程度である。
仮に、(1)を病院に通院せずに、同等のレベルを自宅で簡単に実施できるようになれば、不妊を心配しながら不妊治療を受けていない40万組の夫婦は、上記の精神的・経済的・物理的な障壁が低くなるため(1)に取り組み易くなり、救われる可能性が生じる。40万組の夫婦すべてが(1)に取り組めば、新たに40万組×50%×14%=3万組の夫婦が妊娠に至ると期待される。この数は統計上そのまま出生数の増加分につながる。また、それでも妊娠に至らない残りの37万組の夫婦は早期に問題認識ができるため、病院に通って(2)以降の不妊治療を受ける動機付けがなされ、結果として早期に妊娠に至ると期待される。
(1)タイミング療法とは、排卵日の前後が最も妊娠しやすい時期であることを踏まえて、排卵日を推定し、それに合わせてセックスのタイミングを合わせる方法である。排卵日の推定には、(A)基礎体温計測、(B)尿中LH簡易検査、(C)卵胞サイズ計測の3つの方法が良く知られている。
(A)は古くより知られ、最も普及している方法であり、婦人用電子体温計を用いて行う。女性は、月経が始まると低温期が続き、排卵日を境にして低温期から高温期に移行し、次の月経の直前で低温期に戻る変化幅0.3〜0.5℃の基礎体温サイクルを繰り返す。基礎体温の上昇が排卵日を過ぎてから生じるため、基礎体温上昇を待ってタイミングを合わせたのでは手遅れである。このため、個人の基礎体温サイクルを数回学習し、それに基づいて排卵日を推定する。しかし、体温計測そのものが不安定であることに加えて、体調等によって排卵日が前後するため、排卵日推定に±3日程度の誤差を生じると言われている。
(B)は、簡易検査デバイスであるイムノクロマト法を用いて、下垂体から分泌される黄体化ホルモン(Luteinizing Hormone, LH)を尿中で捕らえる方法である。LHの放出は一気に生じるためLHサージと呼ばれ、その濃度の時間変化は血液や尿中で半値幅が24時間程度、底辺幅が48時間程度の山型プロファイルを示す。LHサージにより排卵が促され、LHサージ開始から36時間程度、LHサージピークから12時間程度で排卵が生じることが知られている。ここで、LHサージピークは山型プロファイルの頂点、LHサージは山型プロファイルそのものを指すことにする。排卵想定日の数日前より24時間程度の間隔で時間離散的に尿中LH検査を繰り返し、得られた信号を元に排卵日を推定する。イムノクロマト法の原理は以下の通りである。ハンディーサイズの短冊形状の検査デバイスの容器の内部に収納されたニトロセルロース等の浸透膜に、検査対象となる抗原(本検査の場合はLH)に対する1次抗体(固定化抗体)をあらかじめ所定位置に固定化し、抗原を含む血清や尿等の検体と、酵素を標識した抗原に対する2次抗体(酵素標識抗体)を含む溶液を毛細管現象を利用して浸透膜に浸透させると、先の所定位置において固定化抗体−抗原−酵素標識抗体のサンドイッチ複合体が形成される。ここで酵素基質を浸透膜に浸透させると、所定位置において酵素反応に基づいて呈色反応が生じる。呈色反応は抗原の検出下限濃度を境に無(陰性)から有(陽性)に遷移する。この呈色の有無を容器の窓を通して外部から目視により識別することにより、抗原の有無を検査する。本法は定量性を持たない定性計測であるが、一連の処理が簡単で5−30分程度で終了する上、特別な装置を必要としないため、LHに限らず様々な検査対象の簡易検査法として普及している。
(C)は経膣超音波診断により卵胞を直接観察する方法である。卵胞サイズは排卵日前日に18〜23 mm、排卵直前に21〜27 mmになることが知られている。病院における(1)タイミング療法では、(B)と(C)を併用するのが信頼性が高く、一般的になっている。しかし、現在の技術では(C)を病院以外で行うことは困難であるため、家庭で簡便に実施できるタイミング療法としては(B)が中心となる。この目的で、LH簡易検査キットは医療用だけでなく、一般用として薬局で販売されている。
血清中および尿中のLH濃度の時間変化と排卵時刻の関係、およびその関係を利用した排卵日推定についての知見が様々な文献で報告されている。非特許文献3では、多数の女性被験者を対象に血清中LH検査および卵胞超音波検査を実施することにより、LH検査による排卵日推定を試みている。他の多くの文献は24時間間隔で同検査を行っているのに対して、非特許文献3は4時間間隔で同検査を行っているため、最も時間精度が高い文献のひとつである。また、LH検査はラジオイムノアッセイによる高精度定量計測である。これらより、本文献は最も高精度な知見を提供していると考えられる。血清中のLH濃度時間変化はおおよそ、ベースライン20 mIU/ml、ピークの高さ200 mIU/ml、標準偏差14時間程度のガウス曲線のプロファイルとなり、LHサージ開始時刻から27時間20分後、およびLHサージピーク時刻から10時間後に排卵が生じるとの結論が得られている。ここでLHサージ開始時刻は血清中LH濃度が閾値60 mIU/mlを超える時刻と定義されている。これらの知見を元にLH検査結果から排卵日推定を行うことができる。
非特許文献4では、尿中LH検査による排卵日推定を試みている。血清中と尿中のLH濃度の時間変化は、ベースラインやピーク高さは異なるがプロファイルはほぼ相似形状となり、タイムラグは数時間程度になると考えられている。非特許文献4では、このタイムラグは2時間程度と報告されている。また、LH濃度の時間変化プロファイルは、検体の種類だけでなく、検体前処理法、LH濃度の定量計測法、検体採取対象の母集団の違い等によっても変化すると考えられる。
LH簡易検査キットを用いた排卵日推定の有効性についての知見も様々な文献で報告されている。非特許文献5では、市販キットOvuquick(Quidel社)を用いて26人の女性被験者を対象に尿中LH検査を実施したところ、全件陽性検出された。この内、排卵時刻に先行する0-24時間の範囲で陽性検出されたのが19件(73%)、0-48時間で陽性検出されたのが24件(92%)となり、LH簡易検査キットが排卵日推定に有効であることを示されている。
非特許文献6では、5種類の市販キットClearPlan Easy One-Step(Unipath Diagnostics社)、OvuKit Self-Test(Quidel社)、OvuQuick Self-Test(Quidel社)、Sure Step Ovulation Predicator(Applied Biotech社)、EZ-LH One Step Ovulation Kit(Norwell Technologies社)による尿中LH検査と、高精度定量計測であるラジオイムノアッセイを11人の女性被験者を対象に比較している。LHサージピーク濃度は13.5〜73.0 mIU/mlの範囲でばらつき、8例でピーク時刻から24時間以内に排卵が生じ、2例でピーク時刻から24〜48時間で排卵が生じた。これに対して各キットの陽性検出下限濃度は25.5〜48.7 mIU/mlの範囲でばらつき、最も高感度なキットClearPlan Easy One-Stepは6例、最も低感度なキットEZ-LH One Step Ovulation Kitは3例を陽性検出した。また、各キットで陽性と陰性の間にボーダーとなる濃度範囲が認められた。
特許文献1では、エストロゲン、プロゲステロン、またはLH、等の月経関連ホルモンを24時間間隔で定量測定し、濃度定量値があらかじめ設定された濃度閾値を超えたことを確認した時点で、排卵期、排卵日、月経開始日、出産予定日、等を推定する方法を提案している。LH検査の場合、LH濃度定量値があらかじめ設定された濃度閾値を超えたことを確認した時点で、もしくは濃度プロファイルのピークを過ぎたことを確認した時点で、それぞれの時点の時刻にあらかじめ設定された時間幅を加えた時刻の日を排卵日として推定する。
また、特許文献2では、エストロゲン、およびプロゲステロンを24時間間隔で定量測定し、各濃度定量値とその変化率に対してあらかじめ設定された基準に基づいて点数を与え、各累積点数があらかじめ設定された累積点数閾値を超えたことを確認した時点で、それぞれの時点の日を妊娠可能期間の開始日および終了日として推定する方法を提案している。さらに、特許文献3には、陽性または陰性定量計測する簡易定量検査キットが提案されている。また、非特許文献7によれば、エストラジオールの濃度変化プロファイルのピークはLHサージのピークよりも24時間程度前に存在し、エストラジオールの濃度変化プロファイルのピーク時刻から34時間程度後に排卵が生じることが知られている。
特開2003-290230号公報 特表平9-506713号公報 特開2007-333695号公報
不妊治療ワークブック(日経メディカル)10〜11、64頁 不妊治療との両立に悩む(日本経済新聞(夕刊)2007年11月28日) Garcia JE, Jones GS, Wright GL Jr. Prediction of the time of ovulation. Fertil Steril. 1981 Sep;36(3):308-15. Singh M, Saxena BB, Rathnam P. Clinical validation of enzymeimmunoassay of human luteinizing hormone (hLH) in the detection of the preovulatory luteinizing hormone (LH) surge in urine. Fertil Steril. 1984 Feb;41(2):210-7. Miller PB, Soules MR. The usefulness of a urinary LH kit for ovulation prediction during menstrual cycles of normal women. Obstet Gynecol. 1996 Jan;87(1):13-7. Ghazeeri GS, Vongprachanh P, Kutteh WH. The predictive value of five different urinary LH kits in detecting the LH surge in regularly menstruating women. Int J Fertil Womens Med. 2000 Sep-Oct;45(5):321-6. Pauerstein CJ, Eddy CA, Croxatto HD, Hess R, Siler-Khodr TM, Croxatto HB. Temporal relationships of estrogen, progesterone, and luteinizing hormone levels to ovulation in women and infrahuman primates. Am J Obstet Gynecol. 1978 Apr 15;130(8):876-86.
少子化問題の最も基本的な解決策のひとつは、妊娠を望む夫婦に少しでも早期かつ確実に妊娠をもたらすことである。病院に通わずに自宅で簡単にできるタイミング療法は、尿中LH簡易検査による方法が利用されているが、不妊を心配しているが病院への通院に至っていない40万組の夫婦を始め、より広い層へ普及させることが重要である。そのためには、病院に通院しなければできない卵胞サイズ計測を行わずとも、自宅で簡単にできるタイミング療法として、早期かつ高精度な排卵時刻推定を実現することが有効である。しかしながら、尿中LH簡易検査を含めて、LH濃度の時間変化と排卵時刻の関係に基づいて排卵時刻推定を従来技術の範囲内で行う場合、(1)一連の検体採取の時間間隔が粗いこと、すなわち検体採取時刻とLHサージのタイミングがずれること、(2)LH検査に定量性がないことにより、排卵時刻の推定実施が遅くなったり、推定排卵時刻の精度が低くなったりする。
LHサージの時間幅(半値幅24時間程度)と比較して十分短い時間間隔、例えば4時間以下の時間間隔でLH検査を繰り返すためには、病院に入院でもしない限り不可能である。日常生活の中でLH検査を繰り返すのであれば24時間以上の時間間隔が許容であり、実際多くの市販LH簡易検査キットでは24時間程度の時間間隔、例えば毎朝起床後の最初の尿を用いることを推奨している。そこで以下ではLH検査の時間間隔を24時間に設定する。あらかじめ得られている知見として、LHサージ開始時刻と排卵時刻の間隔をΔtso、LHサージピーク時刻と排卵時刻の間隔をΔtpoとする。時刻の単位は、特に断りのない限り時間(hours)とし、小数点以下を四捨五入して表す。また、LH濃度の単位は、特に断りのない限りmIU/mlとし、小数点以下を四捨五入して表す。
まず、LH検査に定量性がある場合を考える。特許文献1が対応している。特許文献2の場合は単純な濃度閾値ではなく、累積点数閾値を用いているが、閾値超過時刻において、閾値超過時刻を基準とする推定を行っているため、本質的に同じ性能である。LH簡易検査キットを用いずに高精度定量計測装置を自宅に置いてLH検査を行う。これには、装置コストを要する、自宅に装置を設置するスペースを要する、装置を操作する手間を要する、等の課題を伴う。検体採取時刻t=t1, t2, t3,・・・に対するLH濃度の定量値C(t)が増加から減少に転ずることを認めた時点であるLHサージピーク超過時刻tn(nは1, 2, 3,・・・のいずれか)は、実際のLHサージピーク時刻tpよりも後であるが(tp≦tn)、この時点でLHサージピーク超過時刻tnを推定LHサージピーク時刻tepとすることにより(tep=tn)、LHサージピーク時刻に基づいて推定排卵時刻teo=tep+Δtpoを導出可能になる。ここで、最初の検体採取時刻をt1=0とし、以降t2=24, t3=48,・・・とする。排卵時刻推定を行う時刻tnは実際の排卵時刻toの直前になったり(tn〜to)、排卵時刻toを過ぎてしまうことがあるため(to≦tn)、この方法は早期の排卵時刻推定には不向きである。
同様に、LH濃度の定量値C(t)(t=t1(=0), t2(=24), t3(=48),・・・)が適当な濃度閾値Ctを超えた時点のLH濃度閾値超過時刻tm(mは1, 2, 3,・・・のいずれか)は、実際のLH濃度閾値時刻ttよりも後になる(tt≦tm)。この時点でLH濃度閾値超過時刻tmを推定LHサージピーク時刻tepとすることにより(tep=tm)、LHサージピーク時刻に基づいて推定排卵時刻teo=tep+Δtpoを導出可能になる。ここで、濃度閾値をLHサージ開始を示す濃度閾値Csに設定すると(Ct=Cs)、LHサージ開始超過時刻tmは、実際のLHサージ開始時刻tsよりも後になる(ts≦tm)。この時点でLH濃度閾値超過時刻tmを推定LHサージ開始時刻tesとすることにより(tes=tm)、LHサージ開始時刻に基づいて推定排卵時刻teo=tes+Δtsoを導出可能になる。検体採取時刻とLHサージのタイミングにより、LH濃度閾値超過時刻tmはtt≦tm≦tt+24およびts≦tm≦ts+24の範囲でばらつき得るため、tepおよびtes、およびそれらに基づくteoはいずれも少なくとも24時間のばらつきを有する。つまり、日単位よりも粗い分解能での排卵時刻推定になる。これはLHサージのプロファイルを考慮せずに、LHサージの有無を定量的に判断しているに過ぎないために生じている。tepやtesを表記しない場合であっても、tnやtmを基準に排卵時刻推定を行う場合も同等の性能となる。
次に、LH検査に定量性がない場合を考える。LH簡易検査キットを用いて定性計測を行う場合である。この場合、上記の定量性がある場合の課題に加えて、以下の課題が新たに生じる。LH簡易検査キットは検出下限濃度CdがLHサージ開始を示す濃度閾値Csと一致するとき最適感度となり(Cd=Cs)、LHサージ開始時刻に基づいた排卵時刻推定は、LH検査に定量性がある上記の場合と同等性能になる。しかしながら、LH簡易検査キットの検出下限濃度Cdを一定値に固定することは技術的に困難であり、同じ製品であっても個体差によるばらつきを持つ。しかも、LH濃度時間変化プロファイルは個人や母集団によって異なるため、Csも変動する。つまり、LH簡易検査キットが低感度でCd>Csとなったり、高感度でCd<Csとなる場合がほとんどである。LH簡易検査キットが低感度になると、LHサージ開始を認識できる時刻tm(最初に陽性検出を得る時刻)はLH検査に定量性がある場合よりさらに遅くなる上、検体採取時刻とLHサージのタイミングのずれによってLHサージピークを陽性検出できない機会が増える。さらに低感度になり、検出下限濃度CdがLHサージピーク濃度Cpを上回ると(Cd>Cp)、LHサージピークを全く陽性検出できなくなるため、排卵時刻推定不能となる。一方、LH簡易検査キットが高感度になると、LHサージ開始前のベースラインの段階でLHサージ開始と認識してしまう機会が増え(tm<ts)、根拠のない排卵時刻推定になり、精度が低下する。
本発明は、上記各課題を解決し、LHサージピーク時刻および排卵時刻の早期かつ高精度な推定を実現する、妊娠支援のためのモニタ方法、モニタシステム及び検査キットを提供することを主たる目的とする。
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。すなわち、本発明は、妊娠可能状態をモニタする方法であって、生体サンプルを検出デバイスに接触させ、前記生体サンプル中のホルモン濃度を検出してメモリに記憶する工程と、前記生体サンプルの採取時刻を前記メモリに記憶する工程と、採取された前記生体サンプルの測定対象ホルモン濃度が、前記メモリに予め記憶されたホルモン濃度の閾値を超えたことを検出し、メモリに記憶され設定された前記ホルモン濃度の濃度時間変化プロファイル関数を抽出して、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取時刻に対しフィッティングする工程と、フィッティングすることにより得られたフィッティング関数から、ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻を推定する工程と、前記推定された時刻と、前記メモリに予め記憶された排卵時刻までの時間間隔とから、排卵時刻を算出して出力する工程とを有することを特徴とする。
本発明により、LH検査による早期かつ高精度な排卵時刻推定が可能になるため、病院に通わずに自宅で簡単にできる高信頼なタイミング療法が可能となる。これにより、自然な妊娠を望む多数の夫婦、中でも不妊を心配しながら病院に通うことに抵抗を感じている多数の夫婦が本法を利用し、結果として多数の夫婦が早期に妊娠に至り、出生数が向上することが期待される。また、本発明を利用してもなかなか妊娠に至らない夫婦については、何らかの不妊治療が必要である可能性に早期に気付かせ、病院への通院を促すことにより、結果として早期に妊娠に至り、出生数が向上することが期待される。つまり、本発明は、妊娠を望む多くの夫婦を救い、少子化問題のひとつの解決策を提供することが期待される。
本発明の実施例1における、非特許文献3における標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 図1において、LH濃度の平均±標準偏差で囲まれる領域を示す図。 表2の#1の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#2の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#3の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#4の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#5の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#6の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#7の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#8の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#9の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 表2の#10の標準時刻とLH濃度の関係を示す図。 図1から本法1により導出される近似LH濃度時間変化プロファイルを示す図。 表2の#7に関して、本法1による近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果を示す図。 図1から本法2により導出される近似LH濃度時間変化プロファイルを示す図。 表2の#7に関して、本法2による近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果を示す図。 本発明の実施例1における、本法1,2と従来法のLHサージピーク時刻推定の性能比較を示す図。 本発明の実施例2における、非特許文献4の標準時刻とLH濃度の関係から本法1により導出される近似LH濃度時間変化プロファイルを示す図。 実施例2における、近似LH濃度時間変化プロファイルの改新または改良によるLHサージピーク時刻推定の性能向上を示す図。 本発明の実施例3における、簡易定量検査キットおよびシステムの模式図。 実施例3における、光センサチップを用いた場合の模式図。 実施例3における、検査デバイスの構成と化学反応の模式図。 図21の方法によるhCGの検量線取得結果を示す図。 実施例3における、検査デバイスおよび外部計測装置の構成と化学反応の模式図。 本発明の実施例4における、LH定量結果、LHサージピーク時刻推定結果、排卵時刻推定結果を表示する図。 本発明の実施例4における、妊娠可能期間、避妊可能期間の推定結果を表示する図。 本発明の排卵時推定処理の一例を示すフローチャート。
本発明のモニタ方法、モニタシステム及び検査キットによれば、病院に通わずに自宅で簡単にできるタイミング療法として、定量性のあるLH検査を行う。LH検査の時間間隔は任意であるが、代表的な実施例として24時間の場合について説明する。本発明によれば、検出デバイス等で検出したLH濃度の定量値C(t)(t=t1(=0), t2(=24), t3(=48),・・・)を入力とし、計算装置及びメモリに記憶された情報を用いて、独自のアルゴリズムにより算出した推定LHサージ開始時刻tes、推定LHサージピーク時刻tep、推定排卵時刻teoの少なくともひとつを出力とする、早期かつ高精度な排卵時刻推定の方法、キットまたはシステムを提供する。特に、定量値C(t)が濃度閾値Ctを最初に超える時刻をtm(mは1, 2, 3,・・・のいずれか)とするとき、C(t1), C(t2),・・・, C(tm)のみを入力とすることで、より早期の排卵時刻推定を行う。
図27に、本発明による排卵時推定処理のフローの一例を示す。
本発明のモニタ方法は、生体サンプルを検出デバイスに接触させ、前記生体サンプル中のホルモン濃度を検出してメモリに記憶する工程(S01〜S03)と、前記生体サンプルの採取時刻を前記メモリに記憶する工程と、採取された前記生体サンプルの測定対象ホルモン濃度が、前記メモリに予め記憶されたホルモン濃度の閾値を超えたことを検出し、メモリに記憶され設定された前記ホルモン濃度の濃度時間変化プロファイル関数を抽出して、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取時刻に対しフィッティングする工程(S04〜S06)と、フィッティングすることにより得られたフィッティング関数から、ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻を推定する工程(S07,S09)と、前記推定された時刻と、前記メモリに予め記憶された排卵時刻までの時間間隔とから、排卵時刻を算出して出力する工程(S08,S10)とを有する。
すなわち、本発明における排卵時推定処理のアルゴリズムは以下のような内容である。真のLH濃度時間変化プロファイルTP(T)とし、文献等に示されるある母集団のLH濃度の時間離散的な定量値、または特定の母集団や個人について取得したLH濃度の時間離散的な定量値をTP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・とする。つまり、説明を簡単にするためTP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・は真値との誤差がないと仮定する。ここで、TはLHサージピーク時刻が0になるように規格化された標準時刻であり、1回の生理周期の一部分のみを表す。TP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・に対して、まず、近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)を求める(S05)。AP(T)はT=0でLHサージピークとなり、そのピーク値をCpとする(AP(0)=Cp)。LH濃度時間変化プロファイルはヒトの複雑な生理現象を表しており、これまでのところ解析的に解かれていない現象であるため、AP(T)を特定の関数で表現する根拠はない。そこで、AP(T)を例えばガウス曲線、直線(線分)、複数の直線(線分)の組み合わせ、多項式曲線、等を用いて表現することを考える。これら以外の関数であってもTP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・を良好に近似できれば良い。
次に、時刻tmにおいて、C(t1), C(t2),・・・, C(tm)に対してAP(T)を時間軸方向に平行移動するフィッティングを行ってAP(t)を求める(S06)。一般に、TP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・が母集団中の平均値等の統計値であるのに対して、C(t1), C(t2), C(t3),・・・は個々の被験者の個々の生理周期毎に定められる非統計値である。この段階で時間軸を標準時刻Tから検体採取時刻tへ変換する。フィッティングの手段としては最小二乗法を用いても良いし、特定の定量値、例えばC(tm)をAP(t)が通るとしても良い。また、単純な時間軸方向への並行移動だけでなく、関数中の時刻以外の係数の修正を伴うフィッティングを行っても良い。
続いて、AP(t)=Cpとなる時刻を推定LHサージピーク時刻tepとして(S07)、LHサージピーク時刻に基づく推定排卵時刻tep+Δtpoを導出する(S08)。従来法ではtep=tmであったのに対して、本法ではtep≠tmとなる場合が多い。tep≦tmとなることが稀にあるが、大抵の場合はtm<tepとなる。また、AP(t)=Csとなる時刻(二つ解がある場合は小さい方を選択)を推定LHサージ開始時刻tesとして(S09)、LHサージ開始時刻に基づく推定排卵時刻tes+Δtpoを導出する(S10)。
従来法ではtes=tmであったのに対して、本発明による推定方法ではtes≠tmとなる場合が多い。tm≦tesとなることが稀にあるが、大抵の場合はtes<tmとなる。従来法ではLHサージのプロファイルを考慮していないために推定排卵時刻に少なくとも24時間のばらつきを有していたのに対して、本方法ではLHサージのプロファイルを考慮して排卵時刻を推定するため、推定精度が向上する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の実施例1として、図27のフローに基づき近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)を固定して推定排卵時刻teoを取得した例について説明する。以下では、特に、図1〜図17を参照しながら、本発明による排卵時刻推定法の性能評価について詳細に説明する。
多くの文献では、ある母集団の時間離散的なLH濃度の平均定量値TP(T1), TP(T2), TP(T3),・・・のデータが示されているが、個々の被験者の個々の生理周期毎のケースについてLH濃度の定量値C(t1), C(t2), C(t3),・・・のデータは開示されていない。また、T1, T2, T3,・・・の時間間隔が24時間程度であるため、TP(T)の持つ時間精度は24時間程度に過ぎない。したがって、文献に示されるデータのみを用いて本発明による方法(本法)が従来法と比較して排卵時刻の早期・高精度推定に優れているかどうかを評価することは困難である。
そこで、文献に示されるデータを元にしたシミュレーションにより、妥当なLH濃度の定量値C(#j, t1), C(#j, t2), C(#j, t3),・・・を生成し、これらを用いて本法が従来法と比較して排卵時刻の早期・高精度推定に優れていることを示す。ここで、#j(j=1, 2, 3,・・・)は個々の被験者の個々の生理周期毎に定められるケースの固有番号を表す。以下では、特に、本法による推定LHサージピーク時刻tepの精度が優れていることを示す。推定LHサージ開始時刻tes、およびこれらを基準とした推定排卵時刻teoの精度についても同じ結論が導き出される。
非特許文献3では、他の多くの文献と異なり、4時間間隔で血清LH検査および卵胞超音波検査を実施しているため、TP(T)についても4時間程度の高い時間精度が得られる。非特許文献3のFIG.2のコントロールデータは4時間間隔の血清中LH濃度定量値の平均およびその標準偏差を示している。これらのデータを24時間間隔でマニュアルにより読み出し(標準時刻T=-192, -168,・・・, -24, 0, 24,・・・, 168, 192)、平均AVおよび標準偏差SDを数値化したものを表1に示し、それをグラフ化したものを図1(平均:黒丸プロット、標準偏差:エラーバー)に示す。
Figure 0005308452
ここで、標準時刻をT1=-96, T2=-72, T3=-48, T4=-24, T5=0, T6=24, T7=48, T8=72, T9=96, T10=120, T11=144と定義する。黒丸プロット、およびこれらを結んだ実線の折れ線をTP(T)とする。標準時刻T5=0でTP(T)は最大値200±89 mIU/mlのLHサージピークを示す。また、非特許文献3では、LHサージ開始を示す濃度閾値はCs=60 mIU/mlと設定されている。これを図1中に点線で示す。一方、図2では、図1の-96≦T≦144の範囲で、標準時刻Tk(k=1, 2,・・・, 11)における平均+標準偏差(表1にAV+SDで示す)を結んだ折れ線1、および平均-標準偏差(表1にAV-SDで示す)を結んだ折れ線2を点線で示す。ここで、標準時刻Tにおいて、折れ線1と折れ線2の間の範囲の乱数値を出力とする関数をRP(T)とする。
以下の手順により妥当なLH濃度の定量値C(#j, t1), C(#j, t2),・・・, C(#j, t10)を生成する。検体採取時刻はt1=0, t2=24,・・・, t10=216とする。まず、#1について考える。R(#1)を0<R(#1)≦24の乱数値とする。標準時刻を-96<T≦−72の範囲の乱数値-96+R(#1)とし、この標準時刻-96+R(#1)における上記の折れ線1と折れ線2の間の乱数値RP(-96+R(#1))をt1=0における定量値とする(C(#1, 0)=RP(-96+R(#1)))。また、上記標準時刻から24時間後の標準時刻-72+R(#1)における乱数値RP(-72+R(#1))をt2=24における定量値とする(C(#1, 24)=RP(-72+R(#1)))。t3=48以降も同様に24時間毎の乱数値RP(T)を定量値とする。一般化すると、R(#j)(j=1, 2, 3,・・・)を0<R(#j)≦24の乱数値とし、C(#j, tk)=RP(tk-96+R(#j))(k=1, 2,・・・, 10)と定義する。この方法により、#1, #2,・・・, #10の独立する10件のケースについて、t1=0, t2=24,・・・, t10=216でのLH濃度定量値を生成した結果を表2に示す。
Figure 0005308452
#1, #2,・・・, #10の各場合について、それぞれ図3から図12に標準時刻T=tk-96+R(#j)とLH濃度定量値RP(tk-96+R(#j))の関係を四角プロットで示す。また、この際に用いたR(#1), R(#2),・・・, R(#10)を表3に示す。LHサージピークは標準時刻ではT=0で生じるため、T=t-96+R(#j)=0、すなわち検体採取時刻ではt=96-R(#j)で生じる。これをLHサージピーク時刻tpとし、表3に示す。
Figure 0005308452
ここでは、表2の情報のみを用いて(すなわち、表3のR(#j)およびtpが未知の条件下で)、従来法および本発明の独自の方法によるアルゴリズムにより表3のLHサージピーク時刻tpを推定し、それらの性能比較を行う。この際、表2の情報の中でも、LH濃度定量値が濃度閾値Ctを最初に超える時刻をtm(mは1, 2, 3,・・・のいずれか)とするとき、t1, t2,・・・, tmの情報のみを用いる。表2の情報は、時間軸方向にも濃度軸方向にも実情に即してランダムに分散したデータであるため、排卵時刻推定方法を比較する上で妥当と考えられる。
最初に、LH検査に定量性がある従来法によりLHサージピーク時刻を推定する。LH濃度定量値の濃度閾値Ctを、非特許文献3で推奨されているLHサージ開始を示す濃度閾値Cs=60 mIU/mlに設定する(Ct=60 mIU/ml)。LH濃度定量値が閾値60を超える検体採取時刻tmは、表2より、#7および#10ではtm=t3=48、これら以外の場合はtm=t4=72となる。また、濃度閾値CtをCsよりも低く、Ct=30 mIU/mlに設定すると、#7および#10ではtm=t2=24、#8ではtm=t4=72、これら以外の場合はtm=t3=48となる。一方、濃度閾値CtをCsよりも高く、Ct=120 mIU/mlに設定すると、#1, #7, および#8ではLH濃度定量値が閾値を超えることがなく、#2ではtm=t5=96、これら以外の場合はtm=t4=72となる。以上、LH濃度定量値が閾値を超えない場合を除き、それぞれの場合で、検体採取時刻tmにおいて、推定LHサージピーク時刻をtep=tmとする。LH濃度定量値が閾値を超えない場合はLHサージピーク時刻を推定不能となる。以上の結果を表4にまとめる。
Figure 0005308452
表3に正解となるLHサージピーク時刻tpを記すと同時に、それぞれの推定LHサージピーク時刻tepとの偏差を記す。推定不能の場合は欄に×を示す。また、各項目の#1から#10の平均AV、標準偏差SD、×の件数を示す。濃度閾値が低いほど早期に推定実行できるが、偏差が大きくなることが分かる。逆に濃度閾値が高いほど偏差が小さくなるが、推定実行が遅くなる上、推定実行できない場合が生じる。したがって、これらの中では濃度閾値がCt=60 mIU/mlが早期・高精度なLHサージピーク時刻の推定に最も適していると考えられる。一方、LH簡易検査キットのように定量性がない従来法では、濃度閾値Ctが不明である場合や、濃度閾値Ctが最適値60からずれている場合が多い。また、同じ製品のLH簡易検査キットであっても個体差により濃度閾値Ctがばらつきを持つ。例えば濃度閾値Ctが30と120の間でばらつくと、表4の閾値30のAVおよびSDと、閾値120のAVおよびSDの間でtepがばらつくため、LHサージピーク時刻推定の性能は定量性がある従来法と比較して劣る。
次に、本発明によりLHサージピーク時刻tepを推定する。まず、近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)をガウス曲線で表現する。T=0でピーク値Cp=200 mIU/ml(AP(0)=200)をとる条件下で、ガウス曲線を図1のすべての黒丸プロットに対して最小二乗法によりフィッティングすると、AP(T)=177*exp(T/19)+23が導出される。ここで、AP(T)の導出の際にAP(0) =200を条件としなくても良い。このAP(T)を図1の黒丸プロットおよびエラーバーとともに図13に実線で示す。LH濃度定量値の濃度閾値Ctを、非特許文献3で推奨されているLHサージ開始を示す濃度閾値Cs=60 mIU/mlに設定する(Ct=60 mIU/ml)。続いて、#1〜#10のそれぞれについて、表2のt1, t2,・・・, tm(tmは濃度閾値60を最初に超える検体採取時刻)およびそのLH濃度定量値C(t2), C(t2),・・・, C(tm)に対して、最小二乗法により、AP (T)を時間軸方向の平行移動のみによりフィッティングする。例えば、#7の場合はtm=t3であり、AP(t)=177*exp((t-69)/19)+23が導出される。
図14に、時間軸を標準時刻Tから検体採取時刻tへ変換し、表2の#7のデータを菱形プロットで、AP(t)を実線で示す。フィッティングに用いた最初の3個の四角プロットに矢印を記す。また、正解となるLHサージピーク時刻tp=75を点線で示す。検体採取時刻tm=t3=48においてLHサージピーク時刻を推定する。推定LHサージピーク時刻tepはAP(t)のピーク時刻であり、tep=69である。このピーク時刻tepと点線で示す正解のピーク時刻tp=75の偏差-6が推定誤差である。#1〜#10のすべての場合について同様の推定を行った結果を表5に「本法1」としてまとめる。表4と同様に偏差、tp、AV、SD、×の件数を併記する。推定LHサージピーク時刻tepに基づき、推定排卵時刻teoをtep+Δtpoにより導出する。非特許文献3のTABLE 3によれば、Δtpo=10±5であるため、teo=79±5となる。
Figure 0005308452
次に、近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)を線分で表現する。図1のT=−24およびT=0の2点の黒丸プロットを通る直線の内、0≦AP(T)≦200の条件を満たす線分をAP(T)とする。AP(T)=5.67*T+200(0≦AP(T)≦200)と表現され、これを図1の黒丸プロットおよびエラーバーとともに図15に実線で示す。LH濃度定量値の濃度閾値は先と同様にCt=60とする。続いて、#1〜#10のそれぞれについて、表2のtm(tmは濃度閾値60を最初に超える検体採取時刻)およびそのLH濃度定量値C(tm)を通るように、AP(T)を時間軸方向の平行移動のみによりフィッティングする。例えば、#7の場合はtm=t3であり、AP(t)=5.67*(t-71)+200(0≦AP(T)≦200)が導出される。図16に、時間軸を標準時刻Tから検体採取時刻tへ変換し、表2の#7のデータを菱形プロットで、AP(t)を実線で示す。フィッティングに用いた3個目の四角プロットに矢印を記す。また、正解となるLHサージピーク時刻tp=75を点線で示す。検体採取時刻tm=t3=48においてLHサージピーク時刻を推定する。推定LHサージピーク時刻tepはAP(t)の線分の右上端の時刻であり、tep=71である。このピーク時刻tepと点線で示す正解のピーク時刻tp=75の偏差-4が推定誤差である。#1〜#10のすべての場合について同様の推定を行った結果を表5に「本法2」としてまとめる。表4と同様に、偏差、tp、AV、SD、×の件数を併記する。
本法1と本法2のAV、SDを比較すると、LHサージピーク時刻推定の性能はほぼ同等と言える。表4と表5を比較すると、ほとんどの場合で本法の偏差は従来法の偏差より小さかった。#3と#10でのみ、従来法(閾値120)の偏差が本法の偏差より小さかった。これは、従来法(閾値120)では、正解のLHサージピーク時刻tpとLHサージピーク時刻推定の実行時刻tmが近接しているためであり、推定不能になる場合もその分増えている。AV、SDを比較すると、本法1、本法2はいずれの従来法よりもLHサージピーク時刻推定の性能が優れていることが分かる。
さらに、以上の表4および表5による性能の比較評価を統計的により明確にするため、ケース件数を#1〜#10の10件から100件に増やして同様の分析を行い、各法についてAV、SD、×の件数をまとめた結果を表6および表7にそれぞれ示す。また、各法による100件の偏差の頻度分布を図17に示す。図17の上段に従来法(閾値30)を黒三角プロット、従来法(閾値60)を黒丸プロット、従来法(閾値120)を黒四角プロットで示し、図17の下段に本法1を丸プロット、本法2を白三角プロットで示す。
表6、図17上段より、LH検査に定量性がある従来法では閾値が増加するのに従い、偏差とそのばらつきが減少するが、推定不能ケースが発生する問題がある。このため閾値60が最適であり、LHサージピーク時刻を平均14時間前に−14±12時間の精度で推定することができる。ここで、あらかじめ偏差の平均-14が分かっていれば、推定LHサージピーク時刻をtep=tmとせずに、tep=tm+14とすることにより、偏差の平均をゼロにすることができる。この14と言う値はTP(T)、Ct、および検体採取の時間間隔で決まる値であり、以上の分析によって導出できる。
つまり、この方法は本発明の他の課題解決手段である。ただし、この方法では偏差の標準偏差は変化しないため、本法1および本法2より性能が低い。また、LH検査に定量性がない従来法では、閾値にばらつきがあるため、この方法を適用することは困難である。
これに対して、表7、図17下段より、本法1と本法2はほぼ同等の性能であり、従来法(閾値60)と比較して、偏差とそのばらつきを大幅に低減している。本法1では、LHサージピーク時刻を平均14時間前に−1±7時間の精度で推定することができる。さらにここでも上記と同様に、推定LHサージピーク時刻をtep'=tep+1とすることにより、偏差の平均をゼロにすることができる。
Figure 0005308452
Figure 0005308452
次に、実施例2について説明する。実施例1では近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)を固定して排卵時刻推定の性能評価を行ったが、本実施例では個々の被験者の個々の生理周期のLH検査結果に基づいてAP(T)を改新または改良することによって排卵時刻推定の性能向上を行う。
非特許文献4では、多数の女性被験者を対象に尿中LH検査および卵胞超音波検査を実施することにより、LH検査による排卵日推定を試みている。非特許文献4のTable 2.に7名の被験者の1回の生理周期のケースについて、生理周期の初日を第1日として第10日から第20日までの24時間間隔の尿中LH濃度の定量結果が示されている。7件のケースについて、LH濃度が最大となる日を標準時刻T=0に設定し、この日を基準とする±1日, ±2日,・・・をT=±24, ±48,・・・に設定する。各標準時刻における7件のケースのLH濃度定量値の平均および標準偏差を、図18にそれぞれ黒丸プロットおよびエラーバーで示す。ただし、T=-144, -120については対象ケースが1件になるため、エラーバーは存在しない。また、T=0でピーク値をとる条件下で、ガウス曲線を図18のすべての黒丸プロットに対して最小二乗法によりフィッティングすると、近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)=60*exp(T/17)+14が導出される。
実施例1で非特許文献3について導出したAP(T)=177*exp (T/19)+23と比較すると、ガウス曲線のピーク幅はあまり変わらないが、すなわちプロファイルは同形状であるが、ピーク高さが1/3程度、ベースラインが2/3程度に低下している。この主原因は検体が血清から尿に変化したことと考えられるが、それ以外に検体前処理法、LH濃度の定量計測法、検体採取対象の母集団等の条件の違いが考えられる。実施例1はこれらの違いを考慮せずに、条件を固定して従来法と本法を比較したものであるが、その比較結果は他の条件においても有効と考えられる。したがって、尿を検体とするLH濃度定量値に対して本法1により排卵時刻推定を行う場合、AP(T)=60*exp(T/17)+14を用いる方が少なくともAP(T)=177*exp(T/19)+23を用いるよりも高い推定精度を期待できる。逆に、AP(T)=60*exp(T/17)+14を用いて、血清を検体とするLH濃度定量値に対して本法1により排卵時刻推定を行うと、実施例1と比較して推定精度がどの程度低下するかを次に評価する。
表2に示す#6〜#10の5件のケースについて、LH濃度定量値に対してAP(T)=60*exp(T/17)+ 14を用いて本法1により排卵時刻推定を行う。ここで、濃度閾値は実施例1の場合に倣い、 (ピーク高さ)*20%+(ベースライン)により設定する(Cs=177*20%+23≒60)。すなわち、ここではCs=60*20%+14=26に設定する。各ケースの偏差の平均±標準偏差を求めたところ−29±9となり、図19の一番左側に非特許文献4として、上段に平均、下段に標準偏差を黒丸プロットする。また、上記5件のケースについて、実施例1のAP (T)=177*exp(T/19)+23およびCs=60を用いて本法1により排卵時刻推定を行った場合は−2±7となり、同様に図19の一番右側に非特許文献3として黒丸プロットする。これは表7に示した−1±7と同等の結果である。つまり、近似LH濃度時間変化プロファイルが不適切に設定されることによって排卵時刻推定精度が著しく低下することが分かる。これに対して、AP(T)を個人のLH検査結果の履歴に基づいて改新または改良することで、排卵時刻推定精度をどの程度向上できるかを次に評価する。
表2の#1, #2,・・・, #5をそれぞれ同一個人の第1, 2,・・・, 5生理周期分のLH濃度定量値、#6〜#10も同一個人のLH濃度定量値である仮定する。最初に、第1生理周期が終わり、#1のLH濃度定量値のみが得られている状態を想定する。#1のLH濃度定量値である図3のすべての菱形プロットに対してガウス曲線を最小二乗法によりフィッティングすると、AP (T)=80*exp(T/39)+22が導出される。この時点で近似LH濃度時間変化プロファイルをAP(T) =60*exp(T/17)+14からAP(T)=80*exp(T/39)+22に改新する。濃度閾値は先と同じ規則に則り、Cs=80*20%+22=38とする。正確な比較評価を行うため、このAP(T)およびCsを用いて#6〜#10の5件のケースについて本法1により排卵時刻推定を行ったところ偏差は5±8となり、図19の左から2番目に#1データとして黒丸プロットする。非特許文献4と比較して排卵時刻推定に大きな改善が見られる。次に、第2生理周期が終わり、#1および#2のLH濃度定量値のみが得られている状態を想定する。各標準時刻毎に#1および#2のLH濃度定量値の平均値を求め、それらに対してガウス曲線を最小二乗法によりフィッティングすると、AP(T)=124*exp(T/24)+25が導出される。この時点で近似LH濃度時間変化プロファイルをAP(T)= 80*exp(T/39)+22からAP(T)=124*exp(T/24)+25に改良する。濃度閾値はCs=124*20%+25=50とする。これらを用いて先と同様の排卵時刻推定を行ったところ偏差は−2±8となり、図19の左から3番目に#1-#2データとして黒丸プロットする。以下同様に、#1〜#3、#1〜#4、#1〜#5の平均値からガウス曲線の近似LH濃度時間変化プロファイルを求めて#6〜#10の排卵時刻推定を行った結果をそれぞれ図19に示す。図19の各排卵時刻推定で用いたAP(T)およびCsを表8にまとめる。
Figure 0005308452
以上の結果から、個人のLH検査結果の履歴に基づいてAP(T)を改新または改良は非常に有効であることが分かる。わずか1回の生理周期分のLH濃度定量値だけで作成したAP(T)でも効果があり、2回以上の生理周期分のLH濃度定量値を用いることで、ほぼ理想的な近似LH濃度時間変化プロファイルAP(T)の導出が可能である。ただし、同一個人のLH濃度時間変化プロファイルTP(T)の生理周期間のばらつきが比較的小さいことが前提となる。逆にこの条件さえ満足されれば、検体の種類、検体前処理法、LH濃度の定量計測法、検体採取対象の母集団等の違いによる排卵時刻推定精度の低下は上記の手段によって解決することができる。
本実施例で示したAP(T)の改新および改良の方法は一例であり、その他の方法によっても同様の効果を上げることは可能である。
本発明による排卵時刻推定を行うためには時刻測定手段を備えるLH濃度定量手段が必要である。高精度定量計測法として臨床検査用免疫分析装置を用いても良いが、家庭で日常的に検査を行うには装置コスト、設置スペースの点で現実的ではない。近年、イムノクロマト法を用いた各種検査キットの結果を目視で読み取るのではなく、光学的に自動的に読み取って検査対象物質を定量化する装置がロシュ・ダイアグノスティックス(株)、大塚電子(株)等から、その場検査(POCT)向けに販売されている。イムノクロマト法の検査キットの容器の窓を通して外部より、発光ダイオードやレーザダイオードによってニトロセルロース膜上の呈色反応部に光照射し、その反射光や透過光を計測することで呈色反応の濃淡度を計測している。同等の装置を用いて本発明を実施することは可能であるが、卓上型装置とは言え、まだ一般家庭で使用するには大型で高価であることが課題である。一方、イムノクロマト法の呈色反応を光学的に読み取る、ハンディーで低価格な装置が、インバネス・メディカル・ジャパン(株)からLH検査向けに、(株)アラクスからhCG検査(妊娠検査)向けに販売されているが、これらは陽性または陰性をデジタル判定する定性計測であり、定量計測はできない。これらに対して特許文献3で提案されている簡易定量検査キットは、以上に示した定量精度、装置サイズ、装置コストの課題を解決しており、本発明の実施に適している。以下ではこの特許文献3のキットに改良を加えることで本発明の効果を一層高める。
図20に、本発明の簡易定量検査キットおよびシステムの模式図を示す。リーダ202やパソコン203といった外部計測装置は、少なくともメモリ205,208と計算部206, 209を備えており、検査デバイス201を用いて本発明の方法により算出された結果を表示部204, 207に示す。図21は光センサチップを用いた場合の模式図であり、イムノクロマト法の呈色反応を発光反応に切り替え、検査デバイス201の容器の内部の浸透膜上の発光反応部に光センサを搭載したRFIDチップ(光センサチップ)を設置し、発光強度を計測する。図22は、検査デバイス201内の浸透膜上での検査対象物質、各種試薬の流動と局在、発光反応を模式的に表している。本実施例では浸透膜にニトロセルロースを用いるが、その他の素材でも構わない。乾燥状態の浸透膜の右端側に、発光反応部となるテスト部に固定化抗体を固定化し、この位置に光センサチップを配置し、その近傍に参照としてブランク部にも光センサチップを配置する。また、浸透膜の左端側の検体吸収部(尿吸収部)に酵素標識抗体を乾燥状態で保持する。ここで、検体吸収部に検体の溶液(尿)を浸すと、検体中の検査対象物質である抗原(LH)が酵素標識抗体と結合し、同時に浸透膜中を右端側に向かって毛細管現象によって浸透する。抗原は固定化抗体とも結合するため、テスト部において固定化抗体−抗原−酵素標識抗体のサンドイッチ複合体が形成される。サンドイッチ複合体を形成しない酵素標識抗体はテスト部を通り過ぎて溶液吸収部に吸収される。次に、検体吸収部に酵素基質の溶液を浸すと、浸透膜中を右端に向かって浸透してテスト部に到達し、テスト部においてサンドイッチ複合体中の酵素との間で発光反応を生じる。発光強度計測は呈色濃淡度計測と比較して、検査対象物質濃度に対する線形応答範囲が広いため、検査対象物質定量の感度、ダイナミックレンジに優れる。
図23は、検査対象としてLHの代わりに妊娠検査マーカであるhCGを本法により定量計測を行って取得した検量線の結果であり、横軸がhCG濃度、縦軸が発光強度である。発光強度はテスト部とブランク部の出力の差分を一定時間積分したものである。プロット、エラーバー(上側のみ表示)は、それぞれn=5の平均と標準偏差を示す。従来の目視判定によるイムノクロマト法ではhCG濃度100〜101 ng/mlが陰性から陽性への遷移領域であり、検出下限濃度はこの濃度範囲に存在する。これに対して、本法ではhCG濃度10-1 ng/ml以下の検出下限濃度が得られ、hCG濃度10-1〜102 ng/mlの3桁の濃度範囲で検量線が得られており、高い検出感度と広いダイナミックレンジを持つ定量が可能であることが示されている。発光反応を用いることの別の効果は、検査デバイスに検査結果が残存しないため、検査デバイスを廃棄しても他人に検査結果を知られるリスクが低く、プライバシー保護に優れる点である。検査デバイスは外部から目視で発光を確認できない上、発光反応は発光基質の枯渇に伴って短時間で発光が減衰する。また、光センサチップに発光強度データが保存されないため、他人に読み取られる心配もない。
図21の(A)に示す通り、ハンディーサイズの検査デバイス211の尿吸収部にユーザの尿を浸してからキャップを接続すると、尿吸収部およびキャップにあらかじめ保持された酵素標識抗体、発光基質が浸透膜に浸透される。この際、検査デバイスは遮光構造となり、外乱光による悪影響を回避できる。検査デバイスの容器には外部から目視するための窓は存在しない。また、検査デバイスが密閉状態になるため、付着した尿が外部に汚染することを回避できる。RFIDチップ(光センサチップ)は、駆動電力が図21(B)に示すような検査デバイス外部のリーダ212により無線により供給されるため、検査デバイスおよび光センサチップは電池などの電源を持たない。したがって、光センサチップを大量生産によって単価を安く抑え、検査デバイスの製造コストを低減することにより、検査デバイスを使い捨てにすることができる。
次に、図21(B)に示す通り、検査デバイス211をリーダ212に接続する。なお、リーダ212は電池を電源として搭載する。リーダは使い捨てにせずに、複数回の検査に使用する。光センサチップ211に対する給電と制御、および光センサチップのIDと発光強度データの読み出しは、リーダ212が無線により行う。すなわち、検査デバイスとリーダは有線では接続されない。これも検査デバイスの製造コストの低減に寄与すると同時に、接続の信頼性を向上する。検査デバイスとリーダの相対位置を所定の関係に容易に定めて無線接続を確実にするため、図21(B)のようにリーダが検査デバイスのソケット構造になっていることが望ましい。逆に、ここでのデータ転送が遠方から他人に読み取られる心配はない。リーダもハンディーサイズにすることにより、接続状態の検査デバイスとリーダを化粧ポーチ等の小型のカバンに収納することができる。これは職場のトイレ等、自宅以外の外出先において検査を実施する上で有効である。発光強度データはリーダに搭載されたメモリに保存する。
続いて、図21(C)に示す通り、発光強度計測が終了してリーダ上の所定のランプがその旨を知らせると、リーダ上の所定スイッチを押して発光強度データを外部計測装置、ここではユーザの携帯電話213に一括して無線により転送する。時刻情報については、リーダ側で検出した時刻として記憶し、情報が転送されるようにするとよい。この無線転送は赤外線通信、ZigBee(登録商標)等、どのような手段を用いても構わないが他人に読まれないための安全性を確保する。携帯電話には、LH濃度解析ソフト、排卵時刻推定ソフト、および表示ソフトがあらかじめインストールされ、ソフトによる解析に必要なデータがメモリに記憶されている。LH濃度解析ソフトは発光強度データを解析してLH濃度を定量化し、排卵時刻推定ソフトはLH濃度定量値からLHサージ開始時刻、LHサージピーク時刻、排卵時刻を独自のアルゴリズムにより推定し、表示ソフトはLH濃度定量値や推定排卵時刻等を数値、表、グラフ等でディスプレイ上に表示する。また、携帯電話は発光強度データおよびそれ以降の加工データを保存する機能を備える。近年は大抵の人が自分専用の携帯電話を既に所有し、携帯しているため、携帯電話を演算および結果表示を行う情報処理装置として活用することにより、簡易定量検査キットおよびシステム全体を実質的に低コスト化、および小型化することができる。
また、図21(B)の接続状態の検査デバイスとリーダを、自宅のトイレに放置した状態で、あるいは化粧ポーチに収納した状態で発光強度計測を実行し、ユーザは他の作業に移行し、後で都合の良い時に図21(C)に戻る使い方が可能になる。情報処理装置は図20に記載したようなパーソナルコンピュータや携帯情報端末でも良いし、専用の情報処理装置でも良い。また、リーダと情報処理装置の接続は有線でも構わないし、図20のようにリーダと情報処理装置とが別体の装置であっても良く、あるいはこれらが一体構造の装置であっても良い。いずれの場合も、個々の検査毎に使い捨てにするのは検査デバイスだけであり、リーダおよび情報処理装置は複数回の検査に繰り返し使用するのが望ましい。
一方、図20に示した簡易定量検査キットの例のように光センサを検査デバイスの中に内蔵するのではなく、図24に示すように外部計測装置(202,203)が光センサを内蔵しても良い。この場合、検査デバイスの容器に窓を設け、容器の外部から発光反応を計測できるようにする。窓をガラス等の透明な材料で塞げば、容器の密閉状態を維持することができる。
図21(B)の検査デバイスとリーダの接続に倣い、検査デバイスと外部計測装置を接続することで相対位置を所定の関係に定めると、図24のように外部計測装置の光センサが容器の窓に近接し、容器内部のテスト部における発光反応を計測できるようになる。ただし、図24では外部計測装置は光センサ近傍の一部分のみを描いている。外部計測装置は、光センサ以外に、発光強度計測を行うための回路、発光強度データや時刻を保存するための記憶素子、これらを駆動する電源の電池を少なくとも備える。したがって、光センサの素子は無線通信機能を持つ必要がない。また、光センサを使い捨てにせずに繰り返し使用することができる。一方、検査デバイスは光センサチップを内蔵する必要がないため、より低コストに製造でき、使い捨てに一層適する。演算および結果表示を行う情報処理装置は、外部計測装置に内蔵しても良いし、外部記憶装置と分離して無線または有線で接続しても良い。
本発明の実施例4として、推定結果を表示する手段について、図25、図26で説明する。実施例4では、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の情報処理装置のディスプレイに、LH濃度定量結果、およびLHサージ開始時刻、LHサージピーク時刻、排卵時刻、妊娠に適したセックスのタイミング(妊娠可能期間)、避妊に適したセックスのタイミング(避妊可能期間)等の推定結果を表示する。
ここでは、実施例1の#7のケースを例とする。LH検査を起床後の朝7時に24時間毎に繰り返す。2008年10月15日(水)午前7時を表2におけるt1=0、すなわちLH検査開始の日時と仮定する。LH検査開始から3日目のLH濃度定量値の結果表示の例を図25の(A)に示す。1日目、2日目のLH濃度定量値とともに棒グラフで示し、LH濃度の推移が一目で分かるようにする。3日目のLH濃度定量値の棒の色を他と変えることで現時点の最新データであることを分かりやすくする。横軸はLH検査開始からの数え日数で示すが、生理開始からの数え日数で示しても良いし、「10/15」のような日付で示しても良い。ディスプレイに「10月17日(金)午前7時、検体採取日:3日目、LH濃度:72(mIU/ml)」を併記し、現時点の具体的なLH濃度定量値を把握できるようにする。棒グラフ以外のグラフや表で結果表示しても良い。また、3日目のLH濃度定量値は濃度閾値60を超えているため、「LH濃度が閾値を超えました。排卵時刻を推定しますか?」を表示し、ユーザに実行可否を問う。
ユーザが図25の(A)の推定実行を選択すると、実施例1の本法1に従ってLHサージピーク時刻を推定し、その結果を図25の(B)のように示す。実施例1の方法2やその他のアルゴリズムにしたがって推定しても良い。LH濃度定量値を菱形プロットで示し、3日目についてはプロットの色を変えて現時点の最新データであることを分かりやすくする。横軸はLH検査開始からの数え日数で示し、各日は午前7時を起点とする。近似LH濃度時間変化プロファイルであるガウス分布をフィッティングした結果を表示し、そのピーク時刻を「推定LHサージピーク時刻:10月18日(土)午前4時」と表示する。この時刻はLH検査開始の2008年10月15日(水)午前7時から69時間後であり、表5の結果と一致している。ここで、「今から21時間後にLHサージピークを推定」、「今から24時間以内にLHサージピークを推定」、「今から12〜24時間後にLHサージピークを推定」のように表現して、現在時刻の2008年10月17日(金)午前7時との対比を明確にすることも有効である。推定LHサージピーク時刻の誤差を見込める場合、例えば誤差が±7時間とすると、「推定LHサージピーク時刻:10月18日(土)午前4±7時」、あるいは「推定LHサージピーク時刻:10月17日(金)午後9時〜10月18日(土)午前11時」と表示しても良い。また、実施例1に示すようにLHサージ開始時刻を推定し、その結果を表示しても良い。
次に、実施例1に従って推定LHサージピーク時刻の10時間後を排卵時刻と推定し、図25の(C)のように「推定排卵時刻:10月18日(土)午後2時」と表示する。ここで、「今から31時間後に排卵を推定」、「今から36時間以内に排卵を推定」、「今から24〜36時間後に排卵を推定」のように表現して、現在時刻の2008年10月17日(金)午前7時との対比を明確にすることも有効である。推定LHサージピーク時刻を基準とする推定排卵時刻の誤差を見込める場合、例えば非特許文献3に示されている通りに誤差が±5時間とすると、排卵時刻の確率分布が標準偏差5時間のガウス分布と仮定できるため、その確率分布を図25の(C)のように近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果と重ねて表示する。2つのガウス分布を色分けしたり、片方のガウス分布の領域に色を付けることにより、両者を容易に区別できるようにする。また、図25の(D)のように、誤差±5時間を踏まえて、「推定排卵時刻:10月18日(土)午前9時〜午後7時」と表示し、この時間領域を近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果と重ねて表示しても良い。推定排卵時刻:10月18日(土)午後2時の時刻のみを直線や矢印等で近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果と重ねて表示しても良い。
続いて、推定排卵時刻を踏まえて、妊娠可能期間および避妊可能期間を図26のように表示する。例えば、精子の生存期間を48時間、卵子の生存期間を12時間と仮定し、「推定排卵時刻:10月18日(土)午前9時〜午後7時」に対して、図26の(A)のように、「妊娠可能期間:10月16日(木)午前9時〜10月19日(日)午前7時」と表示し、この時間領域を近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果および推定排卵時刻の時間領域と重ねて表示する。妊娠可能期間と推定排卵時刻の時間領域を異なる色で表示するなどにより、両者を容易に区別できるようにする。一方で、妊娠可能期間以外を避妊可能期間と仮定し、図26の(B)のように、「避妊可能期間:〜10月16日(木)午前9時、10月19日(日)午前7時〜」と表示し、この時間領域を近似LH濃度時間変化プロファイルのフィッティング結果および推定排卵時刻の時間領域と重ねて表示する。避妊可能期間と推定排卵時刻の時間領域を異なる色で表示するなどにより、両者を容易に区別できるようにする。また、ユーザのニーズに合わせて、より具体的にアドバイスを表示することはタイミング療法を効果的にすることができる。
以上のような表示をすることにより、早期、高精度な排卵時刻推定が得られだけでなく、タイミング療法を実行する上で安心感や納得感が得られ、タイミングに迷うことが少なくなる。また、表示がビジュアルで分かりやすく、楽しみながらタイミング療法を実行できる。
以上では24時間毎にLH検査を繰り返す場合を想定した実施例を示したが、時間間隔はこれに限定される必要はないし、一連のLH検査で時間間隔が一定している必要もない。本発明の方法はいずれの場合にも対応可能である。
以上の実施例では、早期かつ高精度に排卵時刻を推定することを目的に、排卵前に於いて排卵時刻推定を行っているが、排卵後のLH検査の結果も併せて用いて、排卵後に於いて本発明の方法によって排卵時刻推定を行っても良い。後者の場合の方が推定に用いる情報量が多いため、排卵時刻推定の精度がより向上する。これにより、排卵後に過去を振り返り、推移を確認し、自らの判断や行動を評価することができるようになり、その後の判断や行動に反映させることで次回以降の妊娠の確率を向上できるようになる。また、ユーザのLH検査結果の履歴を生理周期毎に表示したり、複数の整理周期の履歴を重ね表示することも、次回以降にタイミング判断に役立てることができる。
以上の実施例では、LH濃度定量値からLHサージピーク時刻またはLHサージ開始時刻を推定し、これらの時刻を基準として排卵時刻を推定しているが、LH以外のホルモンについて本発明の方法を用いても良い。例えば、エストラジオール(エストロゲン)はLHと同様に排卵直前に女性で多く分泌さるホルモンである。非特許文献7によれば、エストラジオールの濃度変化プロファイルのピークはLHサージのピークよりも24時間程度前に存在し、エストラジオールの濃度変化プロファイルのピーク時刻から34時間程度後に排卵が生じることが知られている。すなわち、エストラジオールの濃度定量値から、その濃度変化プロファイルのピーク時刻を本法により推定し、この時刻を基準として排卵時刻を推定すれば、LHの場合よりも早期に排卵時刻を推定することができる。また、本発明を複数のホルモン、例えばLHとエストラジオールに適用し、それぞれについて行われる排卵時刻の推定を統合することで、より精度の高い推定排卵時刻を導出することができる。複数のホルモンの濃度変化プロファイルや推定排卵時刻をそれぞれ重ね表示したり、統合した推定排卵時刻を重ね表示することはユーザにとって分かりやすい。統合の手段としては、それぞれについて得られる排卵時刻の確率分布の和でも良いし、積でも良い。一方、基礎体温を用いた排卵時刻の推定法を本法と併せて表示しても良い。例えば、日毎の基礎体温の変化とLH濃度定量値の変化を重ね表示し、それぞれから推定される排卵時刻、または統合した推定排卵時刻を重ね表示すれば、より精度の高い排卵時刻推定が可能になる。
さらに、以上で得られた推定結果を特定の人物とネットワークを通して安全に情報共有することにより他の効果を得られる。例えば、パートナーと情報共有することにより、パートナーの協力が得やすくなり、タイミング療法の成功確率を向上させることができる。
本発明は、早期かつ高精度な排卵時刻推定を実現するLHを始めとするホルモンの検査キット、およびシステムを提供する。
201, 211 …検査デバイス、202, 212 …リーダ、203, 213 …外部計測装置、204, 207 …表示部、205, 208 …メモリ、206, 209 …計算部。

Claims (17)

  1. 妊娠可能状態をモニタする方法であって、
    生体サンプルを検出デバイスに接触させ、前記生体サンプル中のホルモン濃度を検出してメモリに記憶する工程と、
    前記生体サンプルの採取時刻を前記メモリに記憶する工程と、
    採取された前記生体サンプルの測定対象ホルモン濃度が、前記メモリに予め記憶されたホルモン濃度の閾値を超えたことを検出し、メモリに記憶され設定された前記ホルモン濃度の濃度時間変化プロファイル関数を抽出して、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取時刻に対しフィッティングする工程と、
    フィッティングすることにより得られたフィッティング関数から、ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻を推定する工程と、
    前記推定された時刻と、前記メモリに予め記憶された排卵時刻までの時間間隔とから、排卵時刻を算出して出力する工程とを有することを特徴とするモニタ方法。
  2. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記フィッティングは、前記濃度時間変化プロファイル関数の、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取日時のデータに対する最小二乗法の適用であることを特徴とするモニタ方法。
  3. 請求項1又は2に記載のモニタ方法であって、前記フィッティングは、前記濃度時間変化プロファイル関数の、時間軸方向の平行移動であることを特徴とするモニタ方法。
  4. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記濃度時間変化プロファイル関数は、ガウス曲線であることを特徴とするモニタ方法。
  5. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記濃度プロファイル関数は、直線であることを特徴とするモニタ方法。
  6. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記濃度時間変化プロファイル関数は、前記メモリに記憶された周期的データにより作成されることを特徴とするモニタ方法。
  7. 請求項6に記載のモニタ方法であって、前記濃度時間変化プロファイル関数は、前記生体サンプルを採取される被検者のデータと、前記被検者に由来しないデータを統合したデータから導出されていることを特徴とするモニタ方法。
  8. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記測定対象ホルモン濃度は、LH濃度、エストラジオール濃度、hCG濃度のいずれか一つ以上であることを特徴とするモニタ方法。
  9. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記生体サンプルは、尿又は血液であることを特徴とするモニタ方法。
  10. 請求項1に記載のモニタ方法であって、前記ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻について、前記メモリに記憶された偏差時間を合わせて時刻推定することを特徴とするモニタ方法。
  11. 妊娠可能性状態をモニタするシステムであって、
    生体サンプルを接触させて前記生体サンプル中のホルモン濃度と生体サンプルの採取時刻を検出する検出デバイスと、
    メモリと、
    計算部と、
    前記計算部によって算出された結果を出力する出力部とを備え、
    前記計算部は、前記生体サンプルの測定対象ホルモン濃度が、前記メモリに予め記憶されたホルモン濃度の閾値を超えたことを検出し、メモリに記憶され設定された前記ホルモン濃度の濃度時間変化プロファイル関数を抽出して、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取時刻に対しフィッティングし、フィッティングすることにより得られたフィッティング関数から、ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻を推定して排卵時刻を算出し、前記出力部に対し、算出された前記排卵時刻を出力することを特徴とするモニタシステム。
  12. 請求項11に記載のモニタシステムであって、前記出力部は、前記ホルモン濃度が閾値を超えたことを出力して、前記計算部による排卵時刻の推定を行うかどうかの入力を受け付けることを特徴とするモニタシステム。
  13. 請求項11に記載のモニタシステムであって、前記出力部は、推定された前記排卵時刻を、前記濃度時間変化プロファイル関数と共に表示することを特徴とするモニタシステム。
  14. 妊娠可能性状態を検査する検査キットであって、
    生体サンプルを接触させることにより、前記生体サンプル中の測定対象物質を測定するための反応を起こさせる反応デバイスと、
    前記反応デバイスの反応量を検出する検出器と、
    前記検出器によって検出された反応量と時刻とを記憶するメモリと、計算装置を備えた外部計算手段とを備え、
    前記計算装置は、前記検出器によって検出された反応量を前記測定対象物質であるホルモン濃度とし、測定対象ホルモン濃度が、前記メモリに予め記憶されたホルモン濃度の閾値を超えたことを検出し、メモリに記憶され設定された前記ホルモン濃度の濃度時間変化プロファイル関数を抽出して、前記メモリに記憶されたホルモン濃度と採取時刻に対しフィッティングし、フィッティングすることにより得られたフィッティング関数から、ホルモン濃度が極大値を取る時刻又はホルモン濃度がサージ開始を示す閾値を超える時刻を推定して排卵時刻を算出することを特徴とする検査キット。
  15. 請求項14に記載の検査キットであって、前記反応は発光反応であって、前記検出器が光センサチップであり、前記光センサチップが前記反応デバイスに搭載されていることを特徴とする検査キット。
  16. 請求項14に記載の検査キットであって、前記光センサチップと前記外部計算手段は、無線により通信されることを特徴とする検査キット。
  17. 請求項14に記載の検査キットであって、前記外部計算手段は、携帯電話であることを特徴とする検査キット。
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