以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機等であってもよく、所定の第1実行条件の成立に基づき各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1の変動表示部と、第2実行条件の成立に基づき各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2の変動表示部とを備え、前記変動表示部のうちいずれかの変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果として予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、第1の変動表示部における変動表示と第2の変動表示部における変動表示とが同時に実行可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射するために操作する打球操作ハンドル5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット50が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット50に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸し球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、上皿としての打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を、打球操作ハンドル5を操作することに応じて弾発発射して、遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて、景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
遊技領域7中には、判定用変動表示部としての第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とが所定間隔を隔てて配置されている。第1特別図柄表示器8は、後述する第1実行条件としての第1条件の成立(たとえば、打球が始動入賞口14aへ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての第1特別図柄の変動表示(第1特別変動表示と呼ぶ場合がある)を行なって表示結果を導出表示する変動表示部である。第1特別図柄表示器8での変動表示の表示結果が予め定められた大当り図柄(たとえば、奇数図柄)となったときには、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
第2特別図柄表示器9は、後述する第2実行条件としての第1条件の成立(たとえば、打球が始動入賞口14bへ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての第2特別図柄の変動表示(第2特別変動表示と呼ぶ場合がある)を行なって表示結果を導出表示する変動表示部である。第2特別図柄表示器9での変動表示の表示結果が予め定められた大当り図柄(たとえば、奇数図柄)となったときには、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれは、7セグメント表示器により構成されている。第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおける変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示をすることをいう。
また、第1特別図柄表示器8を左右から挟むように、第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器9を左右から挟むように、第2特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、そのような数字図柄以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、特別図柄の変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切替えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、7セグメント表示器に限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示、エレクトロルミネセンス、または、ドットマトリックス表示を利用したもの等、画像を表示する画像表示式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、表示結果を導出表示することは、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることができる態様であればよい。
第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の下方には、各々が識別可能な複数種類の装飾用識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての第1飾り図柄をスクロール表示等の所定の変動表示態様で変動表示(第1飾り変動表示と呼ぶ場合がある)を行なって表示結果を導出表示する第1装飾用変動表示部8kと、各々が識別可能な複数種類の装飾用識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)としての第2飾り図柄をスクロール表示等の所定の変動表示態様で変動表示(第2飾り変動表示と呼ぶ場合がある)を行なって表示結果を導出表示する第2装飾用変動表示部9kとを有する飾り変動表示装置90が設けられている。飾り変動表示装置90は、液晶表示装置(LCD)により構成される。第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kのそれぞれは、液晶表示装置における表示画面の表示領域を区分けすることにより構成され、スクロール表示等の所定の変動表示態様で飾り図柄を変動表示することが可能である。第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kのそれぞれは、左・中・右の3つの表示領域で飾り図柄が変動表示される。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8および第1装飾用変動表示部8kは変動表示結果が後述する対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第1変動表示部と呼ぶ場合がある。また、第2特別図柄表示器9および第2装飾用変動表示部9kは変動表示結果が後述する対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第2変動表示部と呼ぶ場合がある。
なお、この実施の形態では、飾り図柄が数字から構成される例について説明するが、これに限らず、飾り図柄は、文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄、人間,動物,あるいは物等を表わすキャラクタから構成されたキャラクタ図柄、およびこれらを組合せて構成された図柄等であってもよい。また、飾り図柄の変動表示態様には、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するもの、図柄を切替えることにより更新表示するもの、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示する等各種の変動表示態様が含まれる。また、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kは、液晶表示装置に限らず、CRT、プラズマ表示を利用したもの等のように、その他の表示方式で変動表示をするものであってもよい。
飾り変動表示装置90の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14aと、ソレノイド71によって開閉動作を行なう左右一対の可動片16が遊技者にとって有利な第1の状態である開状態のときに遊技球が入賞可能な始動入賞口14bと、を形成する始動入賞部15が設けられている。なお、本実施の形態における始動入賞口14bとしては、始動入賞部15の可動片16が遊技者にとって不利な第2の状態である閉状態のときに、遊技球が入賞不可となるように構成された例について説明する。しかし、これに限らず、始動入賞口14bとしては、始動入賞部15の可動片16が遊技者にとって不利な第2の状態である閉状態のときに、入賞可能であるが開状態のときよりも遊技球が入賞しにくくなるように構成されるものであってもよい。始動入賞部15の可動片16は、後述する普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当り図柄となったときに、所定時間にわたり開状態とされ、それ以外のときに閉状態とされる。
始動入賞口14aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62aによって検出される。また、始動入賞口14bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62bによって検出される。始動入賞口14aへ遊技球が入賞することは、第1始動入賞と呼ばれる。始動入賞口14bへ遊技球が入賞することは、第2始動入賞と呼ばれる。
始動入賞部15の下方には、第1特別図柄表示器8第1特別図柄表示器8において大当り図柄が導出表示されたこと、または第2特別図柄表示器9において大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20は、内部に大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。特別可変入賞装置20の大入賞口21には、大入賞口21から入賞した入賞球を検出するカウントスイッチ63が設けられている。大入賞口21から入賞した入賞球は、すべてカウントスイッチ63により検出される。
始動入賞部15における始動入賞口14aへ入賞したときに、後述する第1特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)が抽出される。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照)に設けられる記憶領域)に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が保留記憶数として遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第1保留記憶データとも呼ばれる。この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに始動入賞口14aに打球が入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。このような有効始動入賞がある毎に、第1特別図柄表示器8の変動表示の第1条件が成立する。
一方、始動入賞部15における始動入賞口14bへ入賞したときに、後述する第2特別図柄プロセス処理において数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)が抽出される。このように抽出された数値データは、保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照)に設けられる記憶領域)に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、この第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数が遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第2保留記憶データとも呼ばれる。この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに始動入賞口14bに打球が入賞)がある毎にLEDの点灯数を1ずつ増加させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1ずつ減少させる。このような有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄表示器9の変動表示の第1条件が成立する。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(乱数)は、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始するための第1実行条件としての第1条件が成立したことを示すデータである。第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始するための第2実行条件としての第1条件が成立したことを示すデータである。
この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれには、抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)のうち未だ後述する第1実行条件または第2実行条件としての第2条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが、上限数として予め定められた4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて大当り遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
この実施の形態では、1つの始動入賞部15が第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9という2つの変動表示部の第1実行条件および第2実行条件における第1条件の成立に関わる例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8の第1実行条件としての第1条件成立に関わる第1始動入賞部と、第2特別図柄表示器9の第2実行条件としての第1条件成立に関わる第2始動入賞部とを各々別個に備える構成を採用してもよい。
また、この実施の形態においては、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が同一である例について説明する。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのそれぞれで使用する図柄の種類が異なるようにしてもよい。
飾り変動表示装置90の左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されるか、または、第2ゲート29を遊技球が通過し第2ゲートスイッチ66で検出されるかのいずれかの条件が成立すると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55に設けられた記憶領域である普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、普通図柄表示器12のさらに下方には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されるか、または、第2ゲートスイッチ66で遊技球が検出されるかいずれかの条件が成立する毎に、点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12において普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、普通図柄表示器12において、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は予め定められた変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、始動入賞部15の可動片16が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が始動入賞口14bに入賞が可能な状態になる。すなわち、始動入賞部15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
また、遊技領域7においては、前述した入賞口の他に、通常入賞口と呼ばれる入賞領域が複数設けられている(図示省略)。通常入賞口のそれぞれには、入賞した遊技球を検出する通常入賞スイッチが内蔵されている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。前面枠における遊技領域7の外周左部および外周右部には、遊技効果ランプ40(図1では省略し、図2等に示す)が複数設けられている。また、左右の遊技効果ランプ40の近傍には、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51(図1では省略し、図2等に示す)と、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52(図1では省略し、図2等に示す)とが、設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な遊技について説明する。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示省略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が始動入賞部15における始動入賞口14aに入り始動口スイッチ62aで検出されると第1実行条件としての第1条件が成立し、第1変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)第1実行条件としての第2条件が成立し、第1実行条件が成立し、第1変動表示部の変動表示を開始する。第1変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ第1実行条件としての第2条件が成立していないため、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数を増加させる。
また、遊技球が始動入賞部15の可動片16が開状態のときに始動入賞口14bに入り始動口スイッチ62bで検出されると第2実行条件としての第1条件が成立し、第2変動表示部の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)第2実行条件としての第2条件が成立し、第2変動表示部の変動表示を開始する。第2変動表示部の変動表示を開始できる状態でなければ第2実行条件としての第2条件が成立していないため、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増加させ、第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を増加させる。
第1変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに設定される変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第1変動表示部で導出表示された表示結果が大当り遊技状態としての大当りの発生する大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。
また、第2変動表示部の変動表示については、変動表示が行なわれるごとに設定される変動時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。第2変動表示部で導出表示された表示結果が大当り遊技状態としての大当りの発生する大当り図柄となると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口21に入賞するまで特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開放される。なお、特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開放されてから一定期間(たとえば、30秒間)経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、1回のラウンド中において、一定時間経過するか、または、特別可変入賞装置20による大入賞口21の開放中に大入賞口21へ入賞した打球がカウントスイッチ63により所定個数検出されるかのいずれかの条件が成立すると、ラウンドの終了条件が成立するとともに、次のラウンドへの継続権が発生し、特別可変入賞装置20により大入賞口21の開放が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されるとともに、第1装飾用変動表示部8kに大当り図柄が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態と、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されるとともに、第2装飾用変動表示部9kに大当り図柄が導出表示されたことにより発生する遊技者にとって有利な大当り遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等が同一)の価値が付与される大当り遊技状態としている。しかし、これに限らず、一方の大当り遊技状態を他方の大当り遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1装飾用変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2装飾用変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっている。しかし、これに限らず、3以上の複数系統の表示部を備え、3以上の複数(任意の自然数)の表示部で識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9で導出表示(停止)された表示結果が所定の大当り図柄(たとえば、「3」および「7」)である場合には、大当り遊技状態終了後に大当り遊技状態と異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての変動時間短縮状態(以下、時短状態と呼ぶ)に制御される。時短状態とは、通常状態に比べて、第1変動表示部、第2変動表示部、および普通図柄表示器12のそれぞれの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる変動時間短縮制御を行なう制御状態をいう。通常状態とは、大当り遊技状態以外で、かつ時短状態以外の遊技状態をいう。本実施の形態においては、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御される大当り図柄を時短大当り図柄といい、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御されない大当り図柄を非時短大当り図柄という。
時短状態中では、第1変動表示部、第2変動表示部、および普通図柄表示器12において変動表示される図柄の変動時間が短縮されるので、保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示しやすくなる。このため、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、時短状態に制御されるとさらに次の制御が行なわれる。時短状態中では、非時短状態中と比べて、特別図柄、飾り図柄、および普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、普通図柄表示器12における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞部15の可動片16の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞部15の可動片16の1度の開放回数が多くされる制御が行なわれる。このため、時短状態中は、非時短状態中と比べて、始動入賞部15の可動片16が開放状態となりやすいため、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、始動入賞口14bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなる。これにより、時短状態中は、非時短状態中と比べて、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合を高くすることができる。
本実施の形態において、時短状態に制御された場合、後述するように、予め定められた時短終了回数(たとえば、100回)分の変動表示が行なわれること、または大当り図柄となる変動表示が行なわれることにより通常状態に制御される。なお、大当り図柄が、時短大当り図柄となる変動表示が行なわれるときには、当該変動表示が開始してから大当り遊技状態が終了するまでの間、通常状態に制御されるが、大当り遊技状態が終了した後に再度時短状態に制御される。
第1装飾用変動表示部8kにおいて表示される飾り図柄は、第1特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある。同様に、第2装飾用変動表示部9kにおいて表示される飾り図柄は、第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。また、第1特別図柄表示器8の表示結果が大当り図柄となる場合には、第1装飾用変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する大当り図柄となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される関係等が含まれる。第2特別図柄表示器9の表示結果が大当り図柄となる場合には、第2装飾用変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する大当り図柄となるように制御されることにより、両表示結果の整合性が保たれるように制御される関係等が含まれる。
特別図柄は、大当り図柄、およびはずれ図柄を含む。大当り図柄は、通常大当り図柄、および時短大当り図柄を含む。特別図柄についての通常大当り図柄は、「1」、「5」、「9」の奇数図柄が該当する。また、飾り図柄についての通常大当り図柄は、「0」の3つ揃いおよび偶数図柄の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「1」、「5」、「9」のうちいずれかの奇数図柄が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kに「0」の3つ揃いまたは偶数図柄の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についての時短大当り図柄は、「3」、「7」の奇数図柄が該当する。また、飾り図柄についての時短大当り図柄は、奇数図柄の3つ揃いが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「3」または「7」の奇数図柄が導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kに奇数図柄の3つ揃いが表示結果として導出表示される。
特別図柄についてのはずれ図柄は、「0」および偶数図柄が該当する。また、飾り図柄についてのはずれ図柄は、3つ揃い以外の全ての組合せが該当する。第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9における変動表示の表示結果として「0」または偶数図柄のうちいずれかが導出表示されるときには、導出表示された特別図柄表示器に対応する第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kに3つ揃い以外の組合せが表示結果として導出表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kにおいて、図柄が停止することで当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1装飾用変動表示部8k,第2装飾用変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1装飾用変動表示部8k,第2装飾用変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1装飾用変動表示部8kおよび/または第2装飾用変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、第1の変動表示部と第2の変動表示部とのそれぞれについては、大当りとなることが決定されたときに、大当りとなることを報知する予告演出が行なわれる場合がある。
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって遊技の進行を制御するCPU56、および演出制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ53に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている各種制御用のマイクロコンピュータまたはCPUについても同様である。
また、主基板31には、スイッチ回路32、ソレノイド回路33、およびLED駆動回路77が搭載されている。スイッチ回路32は、第1ゲートスイッチ61、第2ゲートスイッチ66、始動口スイッチ62a、始動口スイッチ62b、カウントスイッチ63、および、通常入賞スイッチ(図示省略)等の各種検出手段からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。
ソレノイド回路33は、始動入賞部15の可動片16を開閉するソレノイド71、および、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72等を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令にしたがって駆動する。LED駆動回路77は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの制御信号に応じて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、普通図柄表示器12、および、普通図柄保留記憶表示器18のそれぞれに駆動信号を出力する。
主基板31には、情報出力回路34が接続されている。情報出力回路34は、遊技制御用マイクロコンピュータ53による出力設定にしたがって、遊技に関する各種情報をパチンコ遊技機1外部へ出力する。パチンコ遊技機1外部へ出力された情報は、当該パチンコ遊技機1が設けられている遊技場(ホール)に設置されているたとえばホール管理コンピュータ等の外部装置に入力される。これにより、当該遊技場に設置された遊技機に関する各種情報が一括管理される。
遊技に関する情報としては、打球が始動入賞口14aへ入賞し始動口スイッチ62aにより検出されたことを示す第1始動口入賞情報や、可動片16が開状態にあるときに打球が始動入賞口14bへ入賞し始動口スイッチ62bにより検出されたことを示す第2始動口入賞情報や、第1特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定したことおよび第2特別図柄表示器9において特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定したことを示す特別図柄確定情報や、特別可変入賞装置20の大入賞口21の開閉動作が繰返し行なわれる大当り遊技状態中であることを示す大当り1情報や、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定したことを示す普通図柄確定情報や、時短状態に制御されていることを示す時短情報や、後述するように継続権の発生が所定回数(たとえば15回)許容される大当り遊技状態(たとえば、15R大当り)中であることを示す大当り2状態が含まれる。情報出力回路34には、第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報各々に対応する出力端子が搭載されている。情報出力回路34は、後述するように、遊技制御用マイクロコンピュータ53により出力設定された情報を、当該情報に対応する出力端子からパチンコ遊技機1外部へ出力する。
主基板31には、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおいて、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号をLED駆動回路77から第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれに出力させることにより、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号をLED駆動回路77から第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11のそれぞれに出力し第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11の制御を行なう。
また、主基板31は、普通図柄表示器12において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号をLED駆動回路77から普通図柄表示器12に出力し普通図柄表示器12の表示制御を行なう。これにより、主基板31と普通図柄表示器12との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により普通図柄表示器12の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、普通図柄保留記憶表示器18において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号をLED駆動回路77から普通図柄保留記憶表示器18に出力し普通図柄保留記憶表示器18の制御を行なう。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50からの球貸要求信号に応じて貸球の払出しを行なうとともに、遊技盤6に設けられた各入賞口において遊技球の入賞を検出したことにより賞球払出しを行なう装置である球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、演出制御基板80に表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドとしての機能を含む演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、各種の演出制御を行なう演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって演出制御動作を行なうCPU86と、I/Oポート87とを含む。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに応じて、飾り変動表示装置90の表示制御、各種発光手段の制御、および、スピーカ27を用いた遊技音発生制御等の各種演出の制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800が制御する発光手段には、装飾ランプ25、遊技効果ランプ40、賞球ランプ51、および、球切れランプ52が含まれる。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、飾り変動表示装置90の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、飾り変動表示装置90に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、それぞれ、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、飾り変動表示装置90に表示するための画像データを生成し、VRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、飾り変動表示装置90に出力される。
演出制御コマンドには、第1装飾用変動表示部8kの表示を指定する第1演出制御コマンドと、第2装飾用変動表示部9kの表示を指定する第2演出制御コマンドとが含まれる。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した第1演出制御コマンドおよび第2演出制御コマンドに応じて、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kを表示制御する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35に前述した各種発光手段の駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。演出制御基板80に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づいて、飾り変動表示装置90での演出表示に対応して、音の出力および発光を、スピーカ27および前述の発光手段により行なうための制御も行なう。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれの変動表示について大当り遊技状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「400」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、4msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
始動口スイッチ62aまたは始動口スイッチ62bにより有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1が抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始するときに、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定される。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが決定されたときに、大当り図柄を決定するために用いられる乱数を発生させるための大当り図柄決定用のランダムカウンタである。R2は、「0」からカウントアップしてその上限である「9」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、4msec毎に1ずつ加算更新される。R2は、R1と同じタイミングで抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R2の抽出値は、特別図柄の変動表示を開始するときに所定のタイミングで読出され、大当り図柄が決定される。本実施の形態においては、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、特別図柄として「3」または「7」が表示結果として決定される。一方、R2から抽出された乱数が0または偶数である場合には、特別図柄として「1」、「5」または「9」が表示結果として決定される。
本実施形態においては、決定された大当り図柄により、大当り後に時短状態に制御させるか否かが決定される。このため、R2は、時短状態に制御させるか否かの判定(時短開始判定)をするために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタでもある。
本実施の形態においては、R2を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「3」または「7」が決定されたときには、第1装飾用変動表示部8kにおいて奇数図柄の3つ揃いが導出表示されるように制御され、第1特別図柄表示器8の図柄として「1」、「5」または「9」が決定されたときには、第1装飾用変動表示部8kにおいて「0」または偶数図柄の3つ揃いが導出表示されるように制御される。第2特別図柄表示器9および第2装飾用変動表示部9kについても同様である。
R3は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、はずれ図柄を決定するために用いられる乱数を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「9」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、4msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングではずれ図柄決定用のランダムカウンタR3から抽出されたカウンタの値により、はずれ図柄が決定される。
本実施の形態におけるはずれ図柄は、R1を用いて大当りに制御されないことが決定されているときには、はずれ図柄(「0」および偶数図柄)から、このランダムカウンタR3の抽出値に従って決定される。
本実施の形態においては、R3を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄としてはずれ図柄が決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいて3つ揃いとならないはずれ図柄が導出表示されるように制御される。第2特別図柄表示器9および第2装飾用変動表示部9kについても同様である。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間を利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するためのランダムカウンタである。R4は、4msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算され、0から更新されてその上限である99まで更新された後再度0から更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動パターン決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動時間が選択決定されることとなる。
R5は、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9k各々における変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か否かをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR5は、4msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k各々に停止させる図柄を決定する前の段階で、R5から抽出された乱数が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、普通図柄表示器12の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
図4は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1装飾用変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2装飾用変動表示部9k)における変動パターンを選択決定するために用いるデータを記憶した変動パターン選択用のデータテーブルを説明するための図である。変動パターン選択用のデータテーブルは、非時短状態において用いられる非短縮変動パターンを選択決定するために用いられる非短縮変動パターンデータテーブルと、時短状態において用いられる短縮変動パターンを選択決定するために用いられる短縮変動パターンデータテーブルと、非時短状態および時短状態であっても強制的にはずれとする場合に用いられる強制はずれ変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
図4(a)は、前述した非時短状態であるときにルックアップされる非短縮変動パターンデータテーブルである。非短縮変動パターンデータテーブルでは、R1を用いての大当り判定の結果およびR5を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。本実施の形態における変動パターンという情報には、変動表示中に行なわれる演出パターンの種類と、当該演出パターンの種類に対応付けて変動表示の開始から終了までの変動時間とを特定可能な情報が含まれている。
R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「通常A変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動時間が15秒の「通常B変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動時間が15秒の「リーチA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動時間が20秒の「リーチB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動時間が25秒の「リーチC変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動時間が25秒の「大当りC変動パターン」が選択決定される。
図4(b)は、前述した時短状態に制御されているときにルックアップされる短縮変動パターンデータテーブルである。短縮変動パターンデータテーブルでは、非短縮変動パターンデータテーブルの場合と同様に、R1を用いての大当り判定の結果およびR5を用いてのリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、および、大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動時間が5秒の「通常C変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動時間が5秒の「通常D変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「リーチD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「リーチE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「リーチF変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「大当りD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動時間が10秒の「大当りF変動パターン」が選択決定される。
図4(c)は、非時短状態および時短状態であっても強制的にはずれとする特定期間中にルックアップされる強制はずれ変動パターンデータテーブルである。本実施の形態における特定期間とは、他方の変動表示部における大当り判定により大当りにする判定がされてから、当該大当り遊技が終了するまでをいう。
強制はずれ変動パターンデータテーブルでは、非短縮・短縮変動パターンデータテーブルの場合と異なり、後述する特別図柄プロセスタイマから特定される他方の変動表示部における変動時間の残り時間に基づき、分割不可時データテーブル、および分割可能時データテーブルが使い分けられる。
強制的にはずれとする場合であり、かつ、残り時間が所定時間(たとえば、5秒)未満であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた分割不可時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜9」の範囲内の場合には、変動時間が7秒の「通常E変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「10〜49」の範囲内の場合には、変動時間が30秒の「通常F変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動時間が35秒の「通常G変動パターン」が選択決定される。
また、強制的にはずれとする場合であり、かつ、残り時間が所定時間(たとえば、5秒)以上であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた分割可能時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜39」の範囲内の場合には、特別図柄の変動時間が35秒の「分割A変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「40〜99」の範囲内の場合には、特別図柄の変動時間が40秒の「分割B変動パターン」が選択決定される。
分割A変動パターンが選択決定された場合、特別図柄の変動時間として35秒が設定され、飾り図柄の変動時間として、変動開始から5秒経過したときに飾り図柄を一旦仮停止させた後、変動表示を再開し、該再開してから30秒経過したときに飾り図柄の表示結果を表示させるように設定される。また、分割B変動パターンが選択決定された場合、特別図柄の変動時間として40秒が設定され、飾り図柄の変動時間として、変動開始から5秒経過したときに飾り図柄を一旦仮停止させた後、変動表示を再開し、該再開してから35秒経過したときに飾り図柄の表示結果を表示させるように設定される。
本実施の形態においては、5秒以上経過しないと他方の変動表示部の大当り変動表示が終了しない場合に、分割可能時データテーブルが用いられて、分割A変動パターンおよび分割B変動パターンのいずれかが選択決定される。そのため、他方の変動表示部の大当り変動表示が終了する前に、当該変動表示部側の装飾用変動表示部における飾り図柄の変動表示を一旦仮停止させる演出を行なうことができる。逆に、他方の変動表示部の大当り変動表示が終了する前に、当該変動表示部側の装飾用変動表示部における飾り図柄の変動表示を一旦仮停止させる演出を行なうことができないような場合にまで、分割変動パターンが選択されることを防止することができる。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1装飾用変動表示部8k)または第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2装飾用変動表示部9k)において変動表示が開始されるときに、図9を用いて後述する第1特別図柄プロセス処理におけるS142および図10を用いて後述する第2特別図柄プロセス処理におけるS342において、図4で説明したデータテーブルをルックアップして、決定される。
図5は、演出制御用マイクロコンピュータ800が表示制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図5には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタRS,RT,RU−1〜RU−3の3種類のランダムカウンタが示されている。
RSは、前述した予告演出の演出内容を決定するために用いられる乱数を発生させるための予告演出決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRSは、33msec毎に1ずつ加算更新される。
RU−1〜RU−3は、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kのそれぞれについて、停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタである。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごとに、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
なお、飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,中の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が右図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって大当り図柄の決定により時短大当り図柄とすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に対応する時短大当り図柄(奇数の飾り図柄)が左,中,右の各飾り図柄の停止図柄として決定される。また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって大当り図柄の決定により時短大当り図柄としないことが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に対応する非時短大当り図柄(0または偶数の図柄)が左,中,右の各飾り図柄の停止図柄として決定される。
本実施の形態におけるRU−1〜RU−3は、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kのそれぞれについて、分割変動パターンが選択決定された場合の一旦仮停止させる図柄を決定するためにも用いられる。たとえば、RU−1〜RU−3を用いて決定された左図柄・中図柄・右図柄を基準に、所定数先の図柄(たとえば、所定数を3として設定した場合であって決定された図柄が「2」である場合は、「5」が一旦仮停止させる図柄に決定される。なお、これに限らず、分割変動パターンが選択決定された場合の一旦仮停止させる図柄は、どのように決定されるものであってもよい。また、分割変動パターンが選択決定された場合の一旦仮停止させる図柄は、予め設定された図柄(たとえば「123」)であってもよい。
図6は、演出制御用マイクロコンピュータ800が予告演出の演出内容の選択に用いる演出内容選択テーブルを説明するための図である。本実施の形態における演出内容選択テーブルは、決定された変動パターンの種類に応じて、異なるように判定値が振分けられており、前述した演出制御基板80に搭載されるROM84に予め記憶されている。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53において通常A変動パターン〜通常D変動パターン、およびリーチA変動パターン〜リーチF変動パターンを特定するための演出制御コマンドを受信したときには、図6(a)のテーブルを参照し、RSの抽出値が「0〜89」のときは予告演出なし、「90〜97」のときは予告演出1、「98〜99」のときは予告演出2がそれぞれ演出内容として選択決定されることとなる。以下それぞれのテーブルについて具体的に説明する。
図6(b)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から大当りA変動パターン〜大当りF変動パターンのうちいずれかを特定するための演出制御コマンドを受信したときにルックアップされるテーブルである。当該テーブルにおいては、RSの抽出値が「0〜49」のときは予告演出なし、「50〜79」のときは予告演出1、「80〜99」のときは予告演出2がそれぞれ演出内容として選択決定されることとなる。
なお、前述した予告演出1および予告演出2は、実行された装飾用変動表示部側における変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを予告するための自己予告演出であり、予告として出現させるキャラクタや出現タイミング等が各々異なる演出をいう。たとえば、予告演出1は、実行される装飾用変動表示部において変動開始してから3秒経過したときに、食べ物に関連するキャラクタを出現させる演出であってもよい。また、予告演出2は、実行される装飾用変動表示部において変動開始してから5秒経過したときに、動物に関連するキャラクタを出現させる演出であってもよい。なお、予告演出1および予告演出2は、このような演出に限るものではない。
図6(c)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から通常E変動パターン〜通常G変動パターンのうちいずれかを特定するための演出制御コマンドを受信したときにルックアップされるテーブルである。当該テーブルにおいては、RSの抽出値が「0〜9」のときは予告演出なし、「10〜29」のときは予告演出3、「30〜99」のときは予告演出4がそれぞれ演出内容として選択決定されることとなる。
図6(d)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から分割A変動パターンまたは分割B変動パターンを特定するための演出制御コマンドを受信したときにルックアップされるテーブルである。当該テーブルにおいては、RSの抽出値が「0〜9」のときは予告演出なし、「10〜29」のときは予告演出3、「30〜49」のときは予告演出4、「50〜79」のときは予告演出5、「80〜99」のときは予告演出6、がそれぞれ演出内容として選択決定されることとなる。
なお、前述した予告演出3〜6は、実行された装飾用変動表示部側と異なる装飾用変動表示部側における変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることを予告するための代理予告演出であり、予告として出現させるキャラクタや出現タイミング等が各々異なる演出をいう。さらに、予告演出5および予告演出6は、変動開始時に第1段階予告演出を行ない、変動開始から5秒経過したときに第2段階予告演出を行なう連続予告演出である。
たとえば、予告演出3〜予告演出6は、実行される装飾用変動表示部において変動開始すると同時に、所定の演出を行なうものであってもよい。所定の演出としては、たとえば、通常時の背景画面が陸に関連する画面を、予告演出3では海に関連する画面に変更する演出であり、予告演出4では空に関連する画面に変更する演出であってもよい。
また、予告演出5では、第1段階予告演出として人に関連するキャラクタAを出現させ、第2段階予告演出としてキャラクタAと人に関連するキャラクタBとを出現させる演出であってもよい(図30参照)。また、予告演出6では、第1段階予告演出として人に関連するキャラクタAを出現させ、第2段階予告演出としてキャラクタAと動物に関連するキャラクタとを出現させる演出であってもよい。なお、予告演出3〜予告演出6は、このような演出に限るものではない。
本実施の形態における予告演出5および予告演出6は、変動開始時に第1段階予告演出を行ない、変動開始から5秒経過したときに第2段階予告演出を行なう。このため、他方の変動表示部の大当り変動表示が終了する前に、第1段階予告演出と第2段階予告演出とを確実に行なうことができる。逆に、他方の変動表示部の大当り変動表示が終了する前に、第2段階予告演出が行なわれず、大当り遊技状態が終了した後に第2段階予告演出が行なわれるような不自然な予告演出が実行されることを防止することができる。
以上のように、本実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ800は、RSの抽出値にもとづいて第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kにおいて「予告演出」を表示させる制御を行なっている。また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信された変動パターンコマンドや、決定した予告演出に対応させて、遊技音発生に関する音制御コマンドと装飾ランプ等の点灯パターンに関するランプ制御コマンドをそれぞれ音声出力基板70とランプドライバ基板35に送信する。これにより、予告演出の実行が決定された場合に予告演出に同調して遊技音の発生・ランプの点灯を実行させる制御コマンドを送信することができるため第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kに表示される演出等と遊技音・ランプの点灯が相互にずれる不都合を未然に防止することができる。
また、演出制御基板80は、予告演出1〜6の6種類から予告選択テーブルにより振分けられる確率にしたがって演出内容を選択することが可能となっている。そのため、予告演出を多様化することが可能となり、飽きることなく遊技を続行することができ興趣を向上させることができる。
次に、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1装飾用変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2装飾用変動表示部9k)の動作を説明する。
図7では、時短大当りとなり時短状態に制御されてから、変動表示の回数が予め定められた時短終了回数に到達することにより、時短状態を終了し、通常遊技状態に制御される場合における第1変動表示部および第2変動表示部の動作を説明する。図7は、第1変動表示部および第2変動表示部の表示状態に応じてパチンコ遊技機の状態を説明するタイミングチャートである。
図7において、(a)では時短状態と非時短状態とのどちらに制御されているかが示され、(b)では大当り遊技状態と非大当り遊技状態とのどちらに制御されているかが示され、(c)では大当り判定により大当りにする判定がされたことを示す大当りフラグ、および大当り遊技中であることを示す大当り実行中フラグの状態が示され、(d)では第1変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示され、(e)では第2変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示されている。なお、図7中の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(e)のそれぞれにおけるタイミングを示しており、以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング4と表示する。
タイミング1は、第1変動表示部で変動表示の表示結果が時短大当り図柄となるときの変動表示が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1で第1変動表示部において開始された変動表示が終了し、時短大当り図柄が表示結果として導出表示され大当り遊技状態が発生したときのタイミングを示している。タイミング3は、タイミング2で開始された大当り遊技状態が終了したときのタイミングを示している。タイミング4は、変動表示の回数が予め定められた時短終了回数に到達することにより時短状態が終了したときのタイミングを示している。
タイミング3よりも前においては、時短フラグがセットされておらず時短状態でもないため、図4(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。
タイミング1は、第1変動表示部において今から開始させる変動表示の表示結果を時短大当り図柄にする変動表示を開始させるタイミングである。本実施の形態においては、(c)に示すように、時短大当りとなる変動表示が開始するタイミング1で大当りフラグがセットされる。
タイミング2は、タイミング1において開始された変動表示が終了し、表示結果として時短大当り図柄が導出表示されたタイミングである。本実施の形態においては、(c)に示すように、タイミング2で大当り実行中フラグがセットされる。また、(b)に示すように大当り遊技状態に制御される。なお、タイミング1〜タイミング2の間に、第2変動表示部において開始された変動表示に用いる変動パターンは、図4(c)で説明した強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンである。また、(e)に示すように、第2変動表示部における変動表示の変動時間の計時は、後述するように、タイミング2から大当り遊技終了を示すタイミング3に到るまでの間、中断される。
タイミング3は、(b)に示すように、タイミング2で開始された大当り遊技状態が終了したタイミングである。本実施の形態においては、大当り遊技状態が終了したタイミングで、(c)に示すように、大当りフラグ、および大当り実行中フラグがリセットされる。また、タイミング2で中断されていた第2変動表示部における変動時間の計時が再開される。
また、(a)に示すように、タイミング3で時短フラグがセットされる。時短フラグは、遊技状態を示す状態データであって、フラグのデータがセット状態にあるときに時短状態に制御されていることを示し、フラグのデータがリセット状態にあるときに時短状態に制御されていないことを示す。これにより、パチンコ遊技機1は、以後開始される変動表示について、時短状態で変動パターン決定が行なわれる。
時短フラグの状態は、タイミング3の後において、大当り判定により大当りにすると判定されたときに成立する第1の終了条件成立まで、または、タイミング3の後において時短終了回数(たとえば100回)の変動表示が実行されることにより成立する第2の終了条件成立まで継続する。
具体的に、第1の終了条件が成立するときには、時短状態であるときにおいて、大当りとなる変動表示の開始時に、時短フラグがリセットされる。なお、時短フラグがリセットされるタイミングについては、これに限らず、第1の終了条件を成立させた大当り遊技状態が終了したタイミングであってもよい。
また、第2の終了条件が成立するときには、時短状態において大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示されることなく時短終了回数目の変動表示の開始時に、時短フラグがリセットされる。
タイミング4は、(a)に示すように、第2の終了条件が成立して時短フラグがリセットされたときのタイミングである。時短フラグは、(d)に示すように、第2の終了条件を成立させることとなる変動表示の開始時にリセットされる。
なお、タイミング3からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、時短状態に制御されることにより、図4(b)で説明した短縮変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。よって、(d)で示すように、タイミング4のときに開始される変動表示に用いる変動パターンは、図4(b)で説明した短縮変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンである。(e)で示すように、タイミング4以降に開始される変動表示においては、図4(a)で説明した非短縮変動パターンデータテーブルを用いて決定された変動パターンが用いられる。
次に、パチンコ遊技機1における制御動作について説明する。図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図8においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば4msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)1において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S2においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S2における乱数更新処理では、前述のR3〜R5の値が更新される。なお、本実施形態において、4msec毎の割込処理が実行された後、次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S2の処理が繰返し行なわれることとなる。
(b)に示すタイマ割込処理においては、まず、電源基板から電源断信号が出力されているか否かを確認して必要に応じて所定のバックアップ動作を行なう電源断処理(S11)を実行した後、S12〜S25の割込処理である遊技制御処理を実行する。
遊技制御処理において、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第2ゲートスイッチ66、始動口スイッチ62a、始動口スイッチ62b、および、カウントスイッチ63等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を行なう(S12)。
そして、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S13)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、特別可変入賞装置20等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、S14において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S14の乱数更新処理では、前述のR1〜R6のそれぞれが更新される。
次いで、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S15)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、特別可変入賞装置20等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行なう(S16)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および始動入賞部15の可動片16の開閉制御が実行される。
次いで、飾り変動表示装置90における飾り図柄の変動表示に関する制御を指定する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して、演出制御コマンドを送出する飾り図柄コマンド制御処理を行なう(S17)。
さらに、第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報等、遊技に関する情報について、出力設定を行なう情報出力処理を行なう(S18)。この情報出力処理により、出力設定された情報は、当該情報に対応する出力端子から、ホール管理コンピュータ等の外部装置へ出力される。
そして、始動口スイッチ62a、始動口スイッチ62b、およびカウントスイッチ63等の賞球の払出しに関わる各種スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S19)。具体的には、始動口スイッチ62a、始動口スイッチ62b、およびカウントスイッチ63等のスイッチのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す賞球制御信号を出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号に応じて球払出装置44を駆動し、賞球を払出させる制御を行なう。
そして、記憶処理を実行する(S20)。この記憶処理では、たとえば、始動入賞があって第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加した場合や変動が開始されて第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少した場合など、保留記憶数の変化に応じて、前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDおよび第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を制御する処理が行なわれる。
また、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S21)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S22)を実行する。始動入賞部15および特別可変入賞装置20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71,72を駆動する。
次に、第1特別図柄表示制御処理が行なわれる(S23)。第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示器8の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。そして、第2特別図柄表示制御処理が行なわれる(S24)。第2特別図柄表示制御処理では、第2特別図柄表示器9の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S25)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器12の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S26)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の2つの表示器に加えて、1つの飾り変動表示装置90によって第1飾り変動表示および第2飾り変動表示が実行される。そして、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのうちいずれか一方の表示器で、変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。
このように、第1の変動表示部と第2の変動表示部とを備えて、それぞれの変動表示部で図柄の変動表示を行なう遊技機では、同時に大当り遊技状態が発生するおそれがある。このため、この実施の形態では、2つの変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生しないような制御が行なわれる。
また、現在主流の遊技機では、変動表示部が1つであるため、遊技に関する情報のうち前述した特別図柄確定情報を1つの出力端子を使用して、遊技機外部へ出力している。このため、ホール管理コンピュータも、同様に、1つの入力端子を使用して、遊技機からの特別図柄確定情報を受信している。
しかし、本実施の形態のように、第1の変動表示部と第2の変動表示部とを備えて、それぞれの変動表示部で図柄の変動表示を行なう遊技機では、遊技に関する情報のうちの前述した特別図柄確定情報を、第1の変動表示部における特別図柄確定情報、および第2の変動表示部における特別図柄確定情報各々に対応する出力端子を使用して出力すると、すなわち2つの出力端子を使用して出力すると、前述した現在主流の遊技機に対応するホール管理コンピュータとの互換性を担保できなくなる。これにより、たとえば、特別図柄確定情報を収集するホール管理コンピュータ側の入力装置を増設することや設定を変更することが必要になり、不都合が生じる。
この実施の形態では、現在主流の遊技機およびホール管理コンピュータとの互換性を担保するために、一つの出力端子を使用して、第1の変動表示部および第2の変動表示部についての特別図柄確定情報を遊技機外部へ出力するための制御が行なわれる。
このような制御を含めて、以下に、変動表示に関する表示制御を主に説明する。なお、以下の説明においては、第1特別図柄表示器8での第1特別変動表示および飾り変動表示装置90での第1飾り変動表示を対象として、特別変動表示および飾り変動表示を制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器8での第2特別変動表示および飾り変動表示装置90での第2飾り変動表示を対象とする処理についても、制御対象を対象とする装置およびデータを第2特別変動表示および第2飾り変動表示に対応するものに置換えることにより、同様の制御が実行される。
次に、第1特別図柄プロセス処理(S13)および第2特別図柄プロセス処理(S15)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1特別図柄表示器8を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2特別図柄表示器9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容については、重複した詳細な説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1特別図柄表示器8という処理対象を第2特別図柄表示器9という処理対象に置換え、かつ、第1特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2特別図柄プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第1特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8を制御する処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄プロセス処理において、以下のような処理を行なう。
まず、始動口スイッチ62aがオンしているか否か、すなわち、遊技球が始動入賞口14aに入賞する始動入賞が発生したか否かを判断する(S131)。始動口スイッチ62aがオンしていないと判断したときは、内部状態に応じて、S140〜S148のうちのいずれかの処理を行なう。一方、始動口スイッチ62aがオンしていると判断したときは、始動入賞に基づいて第1保留記憶データを取得するために、第1始動処理を行なう(S133)。
第1始動処理では、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データとしての第1保留記憶データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される第1保留記憶データの記憶数が最大値に達していなければ、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および大当り図柄決定用のランダムカウンタR2から第1保留記憶データとしての数値データ(乱数)を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。
このように始動口スイッチ62aがオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、第1保留記憶データとしての数値データを抽出する第1実行条件としての第1条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。第1始動処理の後は、内部状態に応じて、S140〜S148のうちのいずれかの処理を行なう。
第1特別図柄通常処理(S140):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S141):変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定し、対応する第1停止図柄情報コマンドをセットする。セットされた第1停止図柄情報コマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
第1変動パターン設定処理(S142):変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、図4で説明した変動パターンテーブルを用いて、R4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択決定することにより、第1特別図柄表示器8での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8での変動表示について、変動時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、第1特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図8のS23において出力される。また、第1飾り図柄の変動時間の情報を含む変動パターンを指令するコマンドである第1変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた第1変動パターンコマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S143):第1変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S142でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1特別図柄プロセスフラグをS144またはS145に移行するように更新する。たとえば、第1大当りフラグがセットされていないときにはS144に移行し、一方、第1大当りフラグがセットされているときには、S145に移行するように第1特別図柄プロセスフラグを更新する。
第1特別図柄はずれ停止処理(S144):第1特別図柄表示器8において変動表示される図柄が、はずれ図柄で停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を、第1特別図柄停止図柄設定処理で決定されたはずれ図柄で停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図8のS23において出力される。そして、飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
第1特別図柄大当り停止処理(S145):第1特別図柄表示器8において変動表示される図柄が、大当り図柄で停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を、第1特別図柄停止図柄設定処理で決定された大当り図柄で停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図8のS23において出力される。そして、飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。そして、第1大当り遊技状態が開始されることを示す第1大当り開始コマンドがセットされる。ここでセットされた第1大当り開始コマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。
第1大入賞口開放前処理(S146):大入賞口21を開放する制御を開始する。ソレノイド72を駆動して特別可変入賞装置20を開状態とすることで大入賞口21を開放する。また、第1特別図柄プロセスタイマに大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S147):第1大当り遊技状態中のラウンド表示を指示する演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口21の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、継続条件が成立するので、第1特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。また、大入賞口21の閉成条件が成立し、かつ、残りラウンドがない場合には、全てのラウンドを終えて継続条件が成立せず第1大当り遊技状態が終了するので、第1大当り遊技状態が終了されることを示す第1大当り終了コマンドがセットされる。第1大当り終了コマンドは、さらに、時短大当り遊技状態が終了したか、通常大当り遊技状態が終了したかを特定するための情報を含む。ここでセットされた第1大当り終了コマンドは、図8のS17において演出制御基板80に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS148に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(S148):第1大当り遊技状態が終了するときの表示を演出制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第2特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器9を制御する処理が実行される。ここでは、第2特別図柄プロセス処理について、第1特別図柄プロセス処理と異なる保留記憶データの処理について主に説明する。
まず、始動口スイッチ62bがオンしているか否か、すなわち、遊技球が始動入賞口14bに入賞する始動入賞が発生したか否かを判断する(S331)。始動口スイッチ62bがオンしていないと判断したときは、内部状態に応じて、S340〜S348のうちのいずれかの処理を行なう。S340〜S348は、前述したS140〜S148の処理内容を第2特別変動表示および第2飾り変動表示を制御するために置換えたものであり、重複した説明は繰返さない。一方、始動口スイッチ62bがオンしていると判断したときは、始動入賞に基づいて第2保留記憶データを取得するために、第2始動処理を行なう(S333)。
第2始動処理では、RAM55の第2保留記憶バッファに記憶される数値データとしての第2保留記憶データの記憶数(上限が4つの保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第2保留記憶バッファに記憶される第2保留記憶データの記憶数が最大値に達していなければ、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、前述の大当り判定用のランダムカウンタR1および大当り図柄決定用のランダムカウンタR2から第2保留記憶データとしての数値データ(乱数)を抽出し、それらを第2保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第2保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。
このように始動入賞部15の可動片16が開状態であるときに始動入賞口14bに遊技球が入賞して始動口スイッチ62bがオンし、かつ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、第2保留記憶データとしての数値データを抽出する第2実行条件としての第1条件が成立する。なお、数値データを抽出するとは、数値データを生成させるためのカウンタから数値データを読出して、読出した数値データを乱数の値とすることである。第2始動処理の後は、内部状態に応じて、S340〜S348のうちのいずれかの処理を行なう。
第1特別図柄プロセス処理においてS131〜S133が実行され、第2特別図柄プロセス処理においてS331〜S333が実行されることにより、始動入賞口14aへの始動入賞に基づいて第1特別図柄表示器8の変動表示が実行され、始動入賞口14bへの始動入賞に基づいて第2特別図柄表示器9の変動表示が実行されることとなる。
図11は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。なお、第1特別図柄通常処理は、第1特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り(第1大当り遊技状態)中でもない場合に実行される。
まず、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S31)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(S343)でセットされ、大当り遊技状態が終了するときに第2大当り終了処理(S348)でリセットされる。
第2大当り実行中フラグがセットされていないときには、第1保留記憶カウンタの値を確認し、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S32)。S31において第2大当り実行中フラグがセットされていると判断されたとき、またはS32において第1保留記憶数が0であると判断されたときは、第1特別図柄通常処理を終了し、リターンする。
一方、S32において第1保留記憶数が0でないと判断されたときは、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する第1保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S34)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S35a)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の実行条件としての第2条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。ここで、第1変動表示部における変動表示の第1実行条件としての第2条件とは、S34で各乱数が読み出され得る状態で、S32において第1保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件をいう。第2変動表示部における変動表示の第2実行条件としての第2条件とは、第2特別図柄通常処理におけるS34に相当する処理において各乱数が読み出され得る状態で、第2特別図柄通常処理におけるS32に相当する処理において第2保留記憶数が「0」でないと判断することにより成立する条件をいう。
次に、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S35b)。第2大当りフラグは、大当り判定により、第2特別図柄表示器9に大当り図柄を導出表示させて大当り遊技状態を開始させると決定されたときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄通常処理(S340)でセットされ、大当り遊技状態が終了するときに第2大当り終了処理(S348)でリセットされる。
第2大当りフラグがセットされていると判断されたときには、強制的にはずれにするための強制はずれフラグをセットする処理を行ない(S35c)、S40に進む。このように、S35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断された場合、後述するS36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する制御を強制非特定遊技状態制御という。これにより、強制的にはずれ図柄を変動表示の表示結果として停止表示させることができる。
一方、第2大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S36)、大当り判定処理を実行する(S37)。本実施の形態における大当り判定処理では、大当り判定に用いる大当り判定値として予め定められている「7」と、第1特別図柄通常処理のS55または第2特別図柄通常処理における対応する処理で読出した大当り判定用乱数とを比較して大当りとするか否かを決定することにより行なわれる。たとえば、比較した結果、一致する場合に大当りとする判定が行なわれ、一致しない場合にはずれとする判定が行なわれる。
大当り判定処理の結果、第1大当りとすることに決定した場合には(S38においてY)、第1大当りフラグをセットする(S39、図7(c)のタイミング1)。一方、大当り遊技状態としないことに決定した場合には(S38においてN)、第1大当りフラグをセットしない。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S40)、第1特別図柄通常処理を終了し、リターンする。
以上の第1特別図柄通常処理においては、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、その大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S140)におけるS31でYが選択され、S31以降の処理が実行されない。このように、第2変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1変動表示部で特別図柄の変動表示を開始させない制御が行なわれる。
また、第2特別図柄通常処理で第2変動表示部に大当り図柄を導出表示し大当り遊技状態を発生させることが決定され第2大当りフラグがセットされてから、その大当り遊技状態が終了し第2大当りフラグがリセットされるまでの特定期間には、第1特別図柄通常処理(S140)におけるS35bでYが選択されるため、S36〜S39が実行されることなく、S35cで強制はずれフラグがセットされる。このように、特定期間には、第1変動表示部で特別図柄の変動表示の表示結果を大当り図柄とさせない強制はずれ制御が行なわれる。
図12は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S41)。第1大当りフラグがセットされていないときにはR3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてはずれ図柄を決定する(S47)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、「0」または偶数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。そして、S48に移行する。なお、ここでは、R3の値について、変動表示の開始時に抽出して読出す例を示した。しかし、これに限らず、R3の値については、R1の値のように、始動入賞の検出時に抽出して変動表示の開始時に読出すようにしてもよい。また、後述するR4〜R7の値についても、始動入賞の検出時に抽出して変動表示の開始時に読出すようにしてもよい。
一方、第1大当りフラグがセットされているときには、始動入賞時にR2から抽出している乱数に基づいて大当り図柄を決定する(ステップ122)。すなわち、R2から抽出している乱数に基づいて、奇数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。本実施の形態においては、前述したように、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、奇数図柄のうち「3、5、7」のいずれかが停止図柄として決定され、また、R2から抽出された乱数が偶数である場合には、奇数図柄のうち「1、9」のいずれかが停止図柄として決定される。
次に、S42で決定された大当り図柄が時短大当り図柄である「3、5、7」のいずれかであるか否かを判別する(S43)。時短大当り図柄であると判断されたときには、大当り遊技終了後に時短フラグをセットするための時短大当りフラグをセットするとともに時短フラグがセットされているときには時短フラグおよび後述する時短時変動回数をリセット(初期化)して(S44)、S48へ移行する。時短大当り図柄でないと判断されたときには、時短フラグがセットされているか否かを判別する(S45)。そして、時短フラグがセットされていないときにはS48へ移行し、時短フラグがセットされているときには時短フラグおよび後述する時短時変動回数をリセット(初期化)して(S46)、S48へ移行する。S48においては、S42またはS47により決定された図柄の種類(たとえば、はずれ図柄、非時短大当り図柄、時短大当り図柄)を特定するための第1停止図柄コマンドの送信を設定する。このように第1停止図柄コマンドが設定されると、図8のS17において第1停止図柄コマンドが出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S142)に対応した値に更新し(S49)、リターンする。
以上のように、本実施の形態においては、時短大当り図柄による大当りが発生するときに、時短フラグを大当り遊技状態終了後にセットさせるための時短大当りフラグがセットされる。また、時短状態中において時短大当り図柄以外の非時短大当り図柄による大当りが発生するときに、時短フラグがリセットされて、時短状態が終了する。
図13は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、強制はずれフラグがセットされているか否かを判断する処理が行なわれる(S61a)。強制はずれフラグは、前述したように、第1または第2大当りフラグがセットされているときに第1または第2特別図柄通常処理においてセットされる。強制はずれフラグがセットされていると判断されたときには、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、第2特別図柄プロセスタイマの残り時間に応じた図4(c)の強制はずれ用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを選択し(S61b、図7(e)のタイミング2より前に開始された変動パターン)、強制はずれフラグをリセットした後に(S61c)、S69に進む。これにより、強制的にはずれにする場合には、強制はずれ時専用の強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて、変動パターンを決定することができる。
一方、強制はずれフラグがセットされていないと判断されたときには、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否か、すなわち第1大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S61d)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS65に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、時短状態に制御されていない通常状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図4(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S63)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図4(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S64)、S69に進む。
また、S65に進んだときは、変動表示結果をはずれとすることが決定されているので、R5から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてリーチ判定をする(S65)。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S66)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、通常状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図4(a)の非短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S67)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、時短状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、図4(b)の短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S68)、S69に進む。S67およびS68のそれぞれにおいては、S65でリーチとしないことが決定されているときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが選択され、リーチとすることが決定されているときには、リーチはずれ決定時データテーブルが選択される。
S69では、R4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S61b,S63,S64,S67,S68により選択された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。
次に、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S71)。具体的には、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図8のS23で出力される。そして、S69により選択された変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S72)。このように変動パターンコマンドが設定されると、図8のS17において第1変動パターンコマンドが出力される。そして、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8についての変動時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S73)。第1特別図柄プロセスタイマは、第1特別図柄表示器8での変動時間を管理するために用いられるタイマである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理(S143)に対応した値に更新し(S74)、図14を用いて後述する時短時終了判定処理を実行し(S75)、第1変動パターン設定処理を終了し、リターンする。
図14は、第1変動パターン設定処理および第2変動パターン設定処理における時短時終了判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。時短時終了判定処理においては、まず、時短状態中であることを示すフラグである時短フラグがセットされているか否かを判別する(S33F)。時短フラグがセットされていないときには、時短時終了判定処理が終了し、リターンする。
一方、時短フラグがセットされているときには、時短時変動回数を1加算する(S33H)。時短時変動回数とは、時短状態であるときに第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される毎に1ずつ加算されるものであって、RAM55の記憶領域に記憶されている。次に、S33Hにおいて加算された時短時変動回数が予め設定されている時短終了回数(100回)と同一回数であるか否かを判別する(S33G)。同一回数でないときには、時短時終了判定処理を終了し、リターンする。同一回数であるときには、時短フラグをリセットする(S33M)。このように、本実施の形態において、時短状態は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される毎にS33Hで時短時変動回数が1ずつ加算され、時短時変動回数がS33Gにおいて時短終了回数と同一回数であると判断されると、S33Mにおいて時短フラグがリセットされることにより終了する。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄変動再開フラグがセットされているか否かを確認する(S81)。第1特別図柄変動再開フラグは、第2大当り遊技状態が実行されているときに中断された第1特別図柄の変動表示を、第2大当り遊技状態が終了したときに再開させるために第2特別図柄プロセス処理によりセットされるフラグであり、詳細については、図17を用いて後述する。第1特別図柄変動再開フラグがセットされているときには、後述するS82に進む。
一方、第1特別図柄変動再開フラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S84)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S85)、停止カウンタの値を1加算し(S85a)、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S86)。第1大当りフラグがセットされていれば、第1大当り実行中フラグをセットし(S87)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄大当り停止処理(S145)に対応した値に更新し(S88a)、リターンする。
一方、第1大当りフラグがセットされていなければ、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄はずれ停止処理(S144)に対応した値に更新し(S88b)、リターンする。また、前記のS85で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、第1特別図柄プロセスフラグの値を更新せずにリターンする。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S87で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)で第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
一方、S80で第2大当りフラグがセットされていれば、第1中断フラグがセットされているか否か確認する(S89)。第1中断フラグがセットされていなければ、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S90)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、前述のS81に進む。一方、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第1中断フラグをセットする(S91)。そして、第1特別図柄の変動表示を中断するための設定をする処理を行なう(S92)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示が行なわれている第1特別図柄の変動表示を中断させてはずれ図柄を停止表示させるための駆動信号がセットされ、その駆動信号が図8の第1特別図柄表示制御処理(S23)で出力される。これにより、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示が中断されてはずれ図柄が停止表示させられる。次に、第1中断コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をして(S93)、リターンする。第1中断コマンドは、飾り変動表示装置90での第1飾り変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S93でセットされた第1中断コマンドは、図8の飾り図柄コマンド制御処理(S17)で演出制御基板80に送信される。すなわち、S90で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S84の処理を実行しないため、第1特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、第1中断フラグをセットし、第1中断コマンドを演出制御基板80に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8で第1特別変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、演出制御基板80に第1飾り変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2特別図柄表示器9に大当り表示結果が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が発生してから、その大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄表示器8における第1特別変動表示および飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を中断させる処理を行なっている。
また、前述のS81により第1特別図柄変動再開フラグがセットされていると判断されたときは、中断されていた第1特別図柄の変動表示を再開するための設定をする処理を行なう(S82)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示が中断されている第1特別図柄の変動表示を再開させるための駆動信号がセットされ、その駆動信号が図8の第1特別図柄表示制御処理(S23)で出力される。そして、第1特別図柄変動再開フラグをリセットし(S83)、S84に進む。これにより、中断されていた第1特別図柄プロセスタイマによる変動時間の計測が再開される。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄はずれ停止処理および第1特別図柄大当り停止処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1特別図柄はずれ停止処理および第1特別図柄大当り停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
図16の(a)には、第1特別図柄はずれ停止処理のフローチャートが示されている。まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための設定をする処理を行なう(S100a)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図8の第1特別図柄表示制御処理(S23)で出力される。これにより、第1特別図柄がはずれ図柄に決定された停止図柄で停止表示される。
さらに、第1図柄停止コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S101a)。第1図柄停止コマンドは、飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。S101aでセットされた第1図柄停止コマンドは、図8の飾り図柄コマンド制御処理(S17)で演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動表示装置90における第1飾り変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S102a)、リターンする。
図16の(b)には、第1特別図柄大当り停止処理のフローチャートが示されている。まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための設定をする処理を行なう(S100b)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図8の第1特別図柄表示制御処理(S23)で出力される。これにより、第1特別図柄が大当り図柄に決定された停止図柄で停止表示される。さらに、第1図柄停止コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S101b)。S101bでセットされた第1図柄停止コマンドは、図8の飾り図柄コマンド制御処理(S17)で演出制御基板80に送信される。
次に、第1大当りが開始されることを示す第1大当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S102b)。S102bでセットされた第1大当り開始コマンドは、図8の飾り図柄コマンド制御処理(S17)により演出制御基板80に送信される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S146)に対応した値に更新し(S103b)、リターンする。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1大当り開始コマンドを受信すると、飾り変動表示装置90に大当り遊技状態を開始する旨の表示および開放時用の動画像の表示等、大当り遊技状態における画像を表示するための制御を行なう。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当り実行中フラグをリセットする(S110)。S110で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄通常処理により第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理により第2特別図柄の変動時間を計測する第2特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。そして、第1大当りフラグをリセットする(S111)。
そして、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(S343)でセットされ得る第2中断フラグがセットされているか否かを判断する(S112)。第2中断フラグがセットされていないときには、後述するS116に進む。一方、第2中断フラグがセットされているときには、第2再開コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S113)。ここで、第2再開コマンドとは、飾り変動表示装置90で中断している第2飾り変動表示の再開を指示するコマンドである。第2再開コマンドを送信するのは、第1特別図柄表示器8側で発生した大当り遊技状態によって中断された第2特別図柄表示器9側での変動表示を再開させるためである。また、S113でセットされた第2再開コマンドは、図8の飾り図柄コマンド制御処理(S17)で演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、第2再開コマンドを受信すると、飾り変動表示装置90における第2飾り変動表示を再開する制御を行なう。
そして、第2中断フラグをリセットする(S114)。そして、図15の第1特別図柄変動処理と同様の処理を行なう第2特別図柄変動処理において、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示を再開するためのフラグとして、第2特別図柄変動再開フラグをセットし(S115)、S116に進む。これにより、第2特別図柄変動処理の第2特別図柄変動処理において、S81〜S83に対応する処理が行なわれることにより、第1大当りの発生により前述のように中断されていた第2特別図柄の変動表示が再開される。
S116では、時短大当りフラグがセットされているか否かを判断する。時短大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S119)、リターンする。一方、時短大当りフラグがセットされていると判断されたときには、時短フラグをセットし(S117)、時短大当りフラグをリセットする(S118)。このように時短フラグがセットされることにより、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御される。S118の後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S119)、リターンする。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する情報出力処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。情報出力処理においては、前述した第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報についての設定が行なわれる。なお、各種情報の出力状態を具体的に説明するために、図19〜図21を参照して説明する。図19は、第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、および特別図柄確定情報の出力状態を説明するためのタイミングチャートである。図20は、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報の出力状態を説明するためのタイミングチャートである。図21は、情報出力回路34に搭載されている第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報各々に対応する出力端子を説明するための図である。
まず、S150において、前述した第1始動口入賞情報の出力を設定するための処理が行なわれる。第1始動口入賞情報出力処理では、図19(a)を参照して、打球が始動入賞口14aへ入賞し始動口スイッチ62aにより検出される度に200msecの間、第1始動口入賞情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された第1始動口入賞情報は、図21(a)のCN1の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN1の出力端子は、図21(b)のCN1の出力端子に示すように、第1始動口入賞情報用A端子と、第1始動口入賞情報用B端子とから構成されている。第1始動口入賞情報用A端子と第1始動口入賞情報用B端子とが導通したときに、第1始動口入賞情報が出力される。なお、打球が始動入賞口14aへ入賞し始動口スイッチ62aにより検出されたときに、第1始動口入賞情報が出力されている場合は、出力終了時から200msec経過後に出力される。
S151において、前述した第2始動口入賞情報の出力を設定するための処理が行なわれる。第2始動口入賞情報出力処理では、図19(b)を参照して、可動片16が開状態にあるときに打球が始動入賞口14bへ入賞し始動口スイッチ62bにより検出される度に200msecの間、第2始動口入賞情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された第2始動口入賞情報は、図21(a)のCN2の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN2の出力端子は、図21(b)のCN2の出力端子に示すように、第2始動口入賞情報用A端子と、第2始動口入賞情報用B端子とから構成されている。第2始動口入賞情報用A端子と第2始動口入賞情報用B端子とが導通したときに、第2始動口入賞情報が出力される。なお、可動片16が開状態にあるときに打球が始動入賞口14bへ入賞し始動口スイッチ62bにより検出されたときに、第2始動口入賞情報が出力されている場合は、出力終了時から200msec経過後に出力される。
S152においては、前述した特別図柄確定情報の出力を設定するための処理が行なわれる。特別図柄確定情報出力処理では、図19(c)を参照して、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9において特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定してから500msecの間、特別図柄確定情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された特別図柄確定情報は、図21(a)のCN3の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN3の出力端子は、図21(b)のCN3の出力端子に示すように、特別図柄確定情報用A端子と、特別図柄確定情報用B端子とから構成されている。特別図柄確定情報用A端子と特別図柄確定情報用B端子とが導通したときに、特別図柄確定情報が出力される。なお、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9において特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定したときに、特別図柄確定情報が出力されている場合は、出力終了時から500msec経過後に出力される。この処理については、図22を用いて後述する。
S153において、前述した大当り1情報および大当り2情報を出力するための処理が行なわれる。大当り情報出力処理では、まず、図20(d)を参照して、大当り実行中フラグがオン状態にセットされている間、大当り1情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された大当り1情報は、図21(a)のCN4の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN4の出力端子は、図21(b)のCN4の出力端子に示すように、大当り1情報用A端子と、大当り1情報用B端子とから構成されている。大当り1情報用A端子と大当り1情報用B端子とが導通したときに、大当り1情報が出力される。
また、大当り情報出力処理では、図20(g)を参照して、特別図柄表示器8に継続権が15回に設定されている15R大当りとなる大当り図柄が停止して大当り実行中フラグがオン状態にセットされている間、大当り2情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された大当り2情報は、図21(a)のCN5の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN5の出力端子は、図21(b)のCN5の出力端子に示すように、大当り2情報用A端子と、大当り2情報用B端子とから構成されている。大当り2情報用A端子と大当り2情報用B端子とが導通したときに、大当り2情報が出力される。
なお、本実施の形態においては、大当り1情報と、大当り2情報とをそれぞれ出力している。これにより、大当りの種類が複数ある遊技機においては、大当り1情報が出力されているか、大当り2情報が出力されているかにより、発生した大当りの種類を特定することができる。
たとえば、継続権が15回に設定されている15R大当りまたは継続権が2回に設定されている2R大当りを大当り遊技状態として制御可能な遊技機においては、2R大当りが発生した場合大当り1情報のみを出力し、15R大当りが発生した場合大当り1情報および大当り2情報を出力するように構成することができる。このため、ホール管理コンピュータでは、大当り1情報のみを受信しているときに2R大当りが発生していることを特定でき、大当り1情報および大当り2情報を受信しているときに15R大当りが発生していることを特定できる。
S154において、前述した普通図柄確定情報の出力を設定するための処理が行なわれる。普通図柄確定情報出力処理では、図20(f)を参照して、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が終了し表示結果が表示され確定してから500msecの間、普通図柄確定情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された普通図柄確定情報は、図21(a)のCN6の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN6の出力端子は、図21(b)のCN6の出力端子に示すように、普通図柄確定情報用A端子と、普通図柄確定情報用B端子とから構成されている。普通図柄確定情報用A端子と普通図柄確定情報用B端子とが導通したときに、普通図柄確定情報が出力される。
S155において、前述した時短情報の出力を設定するための処理が行なわれる。時短情報出力処理では、図20(f)を参照して、時短フラグがオン状態にセットされている間、時短情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された時短情報は、図21(a)のCN7の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。CN7の出力端子は、図21(b)のCN7の出力端子に示すように、時短情報用A端子と、時短情報用B端子とから構成されている。時短情報用A端子と時短情報用B端子とが導通したときに、時短情報が出力される。なお、時短情報の出力を設定する期間としては、前述した第2の終了条件が成立した場合、時短フラグがセットされてから第2の終了条件が成立する時短終了回数の変動表示が終了するまでの期間であってもよい。このように第2の終了条件が成立する時短終了回数の変動表示が終了したタイミングに時短情報の出力を終了することにより、ホール管理コンピュータ側では、当該変動表示が時短状態中の変動表示であることを把握できる。これにより、時短終了回数の変動表示が大当りとなるときにも、時短状態中の変動表示により大当りとなったことをホール管理コンピュータ側で把握することができる。
図22は、特別図柄確定情報出力処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。特別図柄確定情報出力処理においては、まず、S160において、遊技制御マイクロコンピュータ53に搭載されたRAM55の停止情報タイマ記憶領域に記憶された停止情報タイマを読出す処理が行なわれる。停止情報タイマとは、特別図柄確定情報の出力を設定するために用いるタイマである。
S161において、S160で読出した停止情報タイマが「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。S161において停止情報タイマが「0」でないと判断されたときにはS165に移行される。一方、S161において停止情報タイマが「0」であると判断されたときには、S162において遊技制御マイクロコンピュータ53に搭載されたRAMの停止カウンタ記憶領域に記憶された停止カウンタの値が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。停止カウンタとは、図15の第1特別図柄変動処理におけるS85aにおいて加算される値、または、同様に第2特別図柄変動処理において加算される値をいう。
S162において停止カウンタが「0」であると判断されたときにはそのまま特別図柄確定情報出力処理を終了し、リターンする。一方、S162において停止カウンタが「0」でないと判断されたときにはS163において停止カウンタを1減算する処理を行ない、S164において停止情報タイマとして出力時間とインターバル時間との合計時間(250)をセットする処理が行なわれる。すなわち、当該特別図柄確定情報出力処理は、前述したように4msecごとに実行されること、およびS164において合計時間(250)がセットされることにより、250×4=1000msecがセットされることとなる。S165において、S164においてセットされた停止情報タイマを1減算する処理が行なわれる。
S166において、S165において減算された停止情報タイマの値が予め定められた出力時間としてのオン時間(125)未満であるか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、当該特別図柄確定情報出力処理は、前述したように4msecごとに実行されること、およびS166においてオン時間(125)がセットされることにより、125×4=500msec未満であるか否かを判別する。
S166において停止情報タイマが予め定められたオン時間未満であると判断されたときには、そのまま特別図柄確定情報出力処理を終了し、リターンする。一方、S166において停止情報タイマの値がオン時間未満でないと判断されたときには、S167において特別図柄確定情報の出力を設定する処理を行ない特別図柄確定情報出力処理を終了し、リターンする。
このように、本実施の形態における特別図柄確定情報は、停止情報タイマが「0」のときに、停止カウンタが「1」に加算されていた場合、S164で合計時間(250)がセットされる。そして、特別図柄確定情報出力処理が行なわれる毎に、S165でセットされた時間が減算され、S166で残り時間がオン時間未満であるか否か、すなわち出力時間(125)が終了したか否かが判断される。オン時間以上であると判断されたときには、S167において特別図柄確定情報の出力を設定することにより、外部装置へ特別図柄確定情報が出力される。一方、オン時間未満であると判断されたときには、特別図柄確定情報の出力を設定する処理が行なわれないため、外部装置へ特別図柄確定情報が出力されない。また、オン時間未満であると判断されるときであっても、停止情報タイマが「0」でないため、S161においてNOと判断され、停止カウンタが「1」であってもS164において新たな停止情報タイマとして時間(250)がセットされることがなく、新たな特別図柄確定情報の出力が設定されることを防止することができる。
図23は、停止カウンタの状態と特別図柄確定情報の出力状態とを対応づけて説明するためのタイミングチャートである。図23(a)は、停止カウンタの値を示している。図23(b)は、特別図柄確定情報の出力状態を示している。
タイミング1は、特別図柄確定情報が出力されていない状態で停止カウンタが1加算され、特別図柄確定情報の出力が設定されたときのタイミングを示している。このタイミング1は、図22のS161においてYESと判断され、S162においてNOと判断されるため、S163において停止カウンタが1減算され、S164において合計時間(250)がセットされ、S166においてNOと判断され、S167において特別図柄確定情報の出力が設定されたことにより、特別図柄確定情報の出力状態がセット状態となったときのタイミングを示している。
タイミング2は、タイミング1から500msec経過したときのタイミングを示している。タイミング2は、図22のS166においてYESと判断され、特別図柄確定情報の出力が設定されなかったことにより、特別図柄確定情報の出力状態がリセット状態となったときのタイミングを示している。
タイミング3および4は、タイミング1から1000msec経過した後に加算されていた停止カウンタが1減算され、特別図柄確定情報の出力が設定されたときのタイミングを示している。タイミング3および4は、タイミング1と同様である。
タイミング5は、タイミング4から1000msec経過する前に停止カウンタが1加算されたときのタイミングを示している。タイミング5は、新たに停止カウンタが「1」となったタイミングであるが、S161においてNOと判断されるため、S161においてYESと判断されるまで、「1」の状態が継続する。
タイミング6は、タイミング4から1000msec経過した後であって、タイミング5で加算された停止カウンタを1減算するとともに特別図柄確定情報の出力が設定されたときのタイミングを示している。タイミング6は、タイミング4から1000msec経過したタイミングであるため、S161でYESと判断され、タイミング1等で説明した内容と同様の処理が行なわれ、S167において特別図柄確定情報の出力が設定されたことにより、特別図柄確定情報の出力状態がセット状態となったときのタイミングを示している。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図24は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。
初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。コマンド解析処理の内容については、図25を用いて後述する。次いで、第1演出制御プロセス処理を行なう(S206)。第1演出制御プロセス処理の内容については、図27を用いて後述する。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第1装飾用変動表示部8kの表示制御を含む演出制御を実行する。次に、第2演出制御プロセス処理を行なう(S207)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して第2装飾用変動表示部9kの表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、図5で説明したランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S210)。すなわち、主基板31側から送信される演出制御コマンドに基づき、特別図柄と対応する飾り図柄の変動表示の演出内容を決定するために用いるランダムカウンタRS、および、変動表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いるランダムカウンタRU−1〜RU3を更新する乱数更新処理を実行する。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの割込タイミングを通知するための演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAMに設けられたコマンド受信バッファに格納する。
なお、演出制御メイン処理においては、受信した変動パターンコマンド等の演出制御コマンドに基づき選択された演出内容に対応した音の出力およびランプの発光を行なうために、音声出力基板70に駆動信号を出力するとともに、ランプドライバ基板35に駆動信号を出力する音ランプ制御処理も行なわれる。これにより、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kでの表示と、音の出力およびランプの発光とで同期がとれた演出を行なうことができる。
次に、図24のS205によるコマンド解析処理を説明する。図25は、コマンド解析処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S321)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S322)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが停止図柄コマンド(第1停止図柄コマンドまたは第2停止図柄コマンドのいずれか)であるか否かを判断する(S323)。停止図柄コマンドであるときには、前述の飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜3の値に基づいて、停止図柄コマンドに対応する飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する(S324)。
具体的に、S324では、次のように第1飾り図柄または第2飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する。まず、RU−1〜3の値を抽出する。そして、時短大当り図柄を特定する停止図柄コマンドを受信したときには、RU−1の値と時短大当り図柄(奇数の飾り図柄)との関係が予め定められた時短大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応する時短大当り図柄を選択し、その時短大当り図柄を飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。また、非時短大当り図柄を特定する停止図柄コマンドを受信したときには、RU−1の値と非時短大当り図柄(偶数の飾り図柄)との関係が予め定められた非時短大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から、対応する非時短大当り図柄を選択し、その非時短大当り図柄を飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、はずれ図柄を特定する停止図柄コマンドを受信した場合であって、リーチはずれを特定するリーチA変動パターン〜リーチF変動パターンのいずれかを受信しているときには、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,中飾り図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、予め定められたRU−3と右飾り図柄との関係が予め定められた右飾り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−3の抽出値から対応する右飾り図柄を選択する。ただし、RU−3の抽出値に対応する右飾り図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように右飾り図柄を変更する補正を行なう。
また、はずれ図柄を特定する停止図柄コマンドを受信した場合であって、非リーチはずれを特定する通常A変動パターン〜通常G変動パターン、分割A変動パターン、および分割B変動パターンのうちいずれかを受信しているときには、RU−1の値と左飾り図柄との関係が予め定められた左飾り図柄決定用データテーブル、RU−2の値と中飾り図柄との関係が予め定められた中飾り図柄決定用データテーブル、および、RU−3の値と右飾り図柄との関係が予め定められた右飾り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが一致するとき、およびリーチとなるときには、一致しないように中飾り図柄や右飾り図柄を変更する補正を行なう。
そして、S324で決定された各飾り図柄の停止図柄の図柄番号を各図柄停止格納エリアに格納し(S325)、受信したコマンドに対応した有効フラグ(停止図柄コマンドフラグ)をセットして(S326)、S321に戻る。ここで、有効フラグは、どのようなコマンドを有効に受信したかを示すフラグである。有効フラグ等の演出制御用マイクロコンピュータ800において用いられる各種フラグのデータは、演出制御用マイクロコンピュータ800のRAMに記憶され、更新される。
一方、前述のS323において、受信コマンドが停止図柄コマンドでなければ、受信コマンドが変動パターンコマンド(第1変動パターンまたは第2変動パターン)であるか否かを判断する(S327)。受信コマンドが変動パターンコマンドであれば、受信したコマンドに対応した有効フラグ(変動パターンフラグ)をセットし(S328)、予告演出の演出内容を決定するための予告演出決定処理(S330)を実行する。予告演出決定処理の処理内容については、図26を用いて後述する。その後、S321に戻る。
また、前述のS327において、受信コマンドが変動パターンコマンドでなければ、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断(S330a)し、受信コマンドに対応した有効フラグをセットしてS321に戻る。すなわち、S330aは、前述した停止図柄コマンドおよび変動パターンコマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて説明するものである。
次に、図25のS330による予告演出決定処理を説明する。図26は、予告演出決定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。予告演出決定処理では、S410においては、図6で説明した予告演出決定用のテーブルのうち、受信した変動パターンコマンドに応じたテーブルをルックアップする処理が行なわれる。S411においては、RS1の抽出値に基づき、予告演出内容を決定し、対応する予告演出フラグをセットする処理を行ない、予告演出決定処理を終了し、リターンする。たとえば、第1装飾用変動表示部8k側の予告演出決定処理において予告演出を行なう決定がされた場合には、決定された予告演出に対応する第1予告演出フラグがセットされ、第2装飾用変動表示部9k側の予告演出決定処理に予告演出を行なう決定がされた場合には、決定された予告演出に対応する第2予告演出フラグがセットされる。これにより、予告演出1〜6のうちいずれかが決定された場合、決定された予告演出に対応してセットされた予告演出フラグに基づき予告演出が実行される。
次に、図24のS206による第1演出制御プロセス処理および図24のS207による第2演出制御プロセス処理について説明する。第1演出制御プロセス処理および第2演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理が第1飾り変動表示を対象として処理を行ない、第2演出制御プロセス処理が第2飾り変動表示を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる飾り変動表示を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1演出制御プロセス処理をこれらの演出制御プロセス処理の代表例として説明し、第2演出制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰返さない。なお、以下に説明する第1演出制御プロセス処理の処理内容は、第1演出制御プロセス処理での第1飾り変動表示という処理対象を第2飾り変動表示という処理対象に置換え、かつ、第1演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータを第2演出制御プロセス処理で用いる各種フラグ等のデータに置換えることで、第2演出制御プロセス処理の処理内容となる。
図27は、図24のS206による第1演出制御プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS241〜S246のうちいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(S241):第1変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、第1変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、第1演出制御プロセスフラグの値をS242に応じた値に更新する。
第1図柄変動開始処理(S242):第1変動パターンコマンドに応じた飾り図柄の変動パターンを、実際に第1装飾用変動表示部8kでの第1飾り変動表示に使用する変動パターンとして決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動時間を設定し、第1装飾用変動表示部8kにおける第1飾り図柄(左,右,中図柄)の変動を開始させる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS243に応じた値に更新する。第1図柄変動開始処理の内容については、図28を用いて後述する。
第1図柄変動中処理(S243):第1装飾用変動表示部8kでの飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、第1飾り図柄の左,中,右図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS244に応じた値に更新する。第1図柄変動中処理の内容については、図29を用いて後述する。
第1図柄停止待ち処理(S244):第1変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して第1飾り図柄の全図柄停止を指示するコマンド(第1図柄停止コマンド)を受信したら、図25のS324で決定された飾り図柄の組合せを、第1装飾用変動表示部8kにおける変動表示の表示結果として停止表示する制御を行なう。その後、第1装飾用変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS245に応じた値に更新し、第1装飾用変動表示部8kでの第1飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、第1演出制御プロセスフラグの値をS241に応じた値に更新する。
第1大当り表示処理(S245):第1装飾用変動表示部8kでの飾り図柄の変動時間の終了後、大当りとなった旨を報知する表示を行なう。具体的に、前述の第1大当り開始コマンドを受信したことに応じて、大当りとなった旨を報知する表示が行なわれる。その後、第1演出制御プロセスフラグの値をS246に応じた値に更新する。
第1大当り遊技中処理(S246):大当り遊技状態中の表示制御を行なう。たとえば、第1大当り表示処理において大当りとなった旨を報知する表示が所定時間行なわれて、第1演出制御プロセスフラグの値が第1大当り遊技中処理に応じた値に更新された後に、開放時用画像を表示する。また、ソレノイド72によって第1特別可変入賞装置20の大入賞口を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口が開放中であることを示す演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、大当り遊技が終了したときに、大当り遊技状態を終了させるときの演出としての大当り終了表示を行ない、演出制御プロセスフラグの値をS241に応じた値に更新する。
図28は、第1図柄変動開始処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、受信したコマンドに対応した飾り変動パターンを設定する(S830)。具体的に、S830では、変動表示に用いられるデータが設定されることにより、飾り変動パターンが設定される。なお、本実施の形態におけるS830においては、分割変動パターンに対応する飾り変動パターンがセットされた場合、前述したようにRU−1〜RU−3を用いて一旦仮停止させる図柄を決定し、当該一旦仮停止図柄をセットする処理が行なわれる。
そして、第1装飾用変動表示部8kにおいて予告演出を行なうことを示す第1予告演出フラグがセットされているか否かを判断する(S833)。この第1予告演出フラグは、図26の予告演出決定処理においてセットされる。第1予告演出フラグがセットされていると判断したときには、当該第1予告演出フラグから特定される予告演出を開始するタイミングを特定するための第1予告演出開始時間タイマを設定してスタートさせ(S834)、第1予告演出フラグから特定される予告演出に対応した出現キャラクタや背景画面等の演出をするためのデータが変動表示に用いられるデータに設定される(S835)。
S833で第1予告演出フラグがセットされていないと判断したとき、および、S835の後は、第1装飾用変動表示部8kの変動時間を計時するための第1変動時間タイマをスタートさせる(S836)。次に、設定された飾り変動パターンおよび変動時間で、第1装飾用変動表示部8kにおいて表示結果を導出表示するための第1飾り図柄の変動表示を開始する(S837)。そして第1演出制御プロセスフラグを第1図柄変動中処理(S243)に対応した値に更新し(S838)、リターンする。
図29は、第1演出制御プロセス処理における第1図柄変動中処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。第1図柄変動中処理において演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、図28のS834においてスタートされた第1予告演出開始時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S814)。すなわち、予告演出を開始すべきタイミングであるか否かを判断する。第1予告演出開始時間タイマがタイムアウトしていないときには、S820へ移行する。一方、第1予告演出開始時間タイマがタイムアウトしたときには、S835において設定されたキャラクタおよび背景画像等の表示を開始し、対応する予告演出フラグをクリアする処理が行なわれる(S815)。
次に、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(S820)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断コマンドを受信したか否か確認する(S824)。ここで、中断コマンドとは、前述した特別図柄の変動表示の中断に合わせて飾り図柄の変動表示を中断する状態であることを示すコマンドである。そして、S824で第1中断コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(S825)、第1装飾用変動表示部8kにおいて、第1飾り図柄の変動表示が見かけ上中断する表示を行なうとともに、実際には変動表示の制御が継続中である旨を示す変動中メッセージ100を表示する変動中断表示を行なう(S826)。この変動中断表示においては、第1飾り図柄の変動表示がはずれ図柄の組合せで仮停止されることにより、第1飾り図柄の変動表示が見かけ上中断する。このように仮停止される第1飾り図柄は、予め定められた図柄の組合せであってもよく、また、ランダムに決定された図柄の組合せでもよい。このような変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測する飾り図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、S820で第1変動中断フラグがセットされていれば、第1再開コマンドを受信したか否か確認する(S821)。S821で第1再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(S822)、第1装飾用変動表示部8kに第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行なう(S823)。S821で第1再開コマンドを受信していなければ第1図柄変動中処理を終了し、リターンする。
S824で第1中断コマンドを受信していないとき、および、S823の後は、前述の第1変動時間タイマと、第1予告演出開始時間タイマと、第1図柄変動中処理における表示制御を管理するために用いられる第1プロセスタイマとをそれぞれ更新し(S826a)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(S827)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替を行なう(S828)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、演出制御用CPUは飾り変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。なお、分割変動パターンに対応する飾り変動パターンによる変動表示が行なわれている場合、変動表示が開始してから5秒経過したときに、S830で決定されセットされている一旦仮停止図柄を停止表示させた後、変動表示を再開させる制御が行なわれる。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S829a)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば、第1飾り変動表示を監視する第1監視タイマをスタートさせ(S829b)、第1演出制御プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(S244)に対応した値に更新し(S829c)、リターンする。
ここで第1監視タイマとは、第1飾り変動表示の終了タイミングを監視するためのタイマである。第1監視タイマがタイムアップするまでに第1図柄停止コマンドが受信されたときには、そのときにこれらの変動表示を停止させて表示結果を導出表示させ、第1監視タイマがタイムアップしたときまでに第1図柄停止コマンドが受信されないときには、第1監視タイマがタイムアップしたときに、これらの変動表示を停止させて表示結果を導出表示させる。
以上の処理によって、第2装飾用変動表示部9kに大当り図柄の組合せが導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断コマンドを受信したことに基づいて第1変動中断フラグをセットするとともに、第1装飾用変動表示部8kにおいて、変動中断表示を行なう。そして、第1再開コマンドを受信するまでS827以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動表示を行なわない制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から中断コマンドが演出制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて演出制御用マイクロコンピュータ800は他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御が行なわれる。また、このような変動表示を中断させる制御が行なわれている状態で、前述した大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53から再開コマンドが演出制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ800により、中断されていた変動表示を再開させる制御を行なわれる。
次に、以上に説明した実施の形態の制御を行なったときの第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kの表示態様について説明する。図30は、第1装飾用変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kの演出表示の一例を示す説明図である。前述したように主基板31からは、演出制御基板80に第1装飾用変動表示部8kにおける第1特別図柄の変動態様を指示する第1変動パターンコマンドと、第2装飾用変動表示部9kにおける第2特別図柄の変動態様を指示する第2変動パターンコマンドとが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動表示部で飾り図柄の変動表示が行なわれるように制御する。すなわち、第1装飾用変動表示部8kと第2装飾用変動表示部9kとの2つの変動表示部が設けられ、それぞれの変動表示部で飾り図柄の変動表示が並行して行なわれる。
この実施の形態で主基板31から送信される演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。第1装飾用変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動パターンを指示するコマンドと、第2装飾用変動表示部9kにおける第2飾り図柄の変動パターンを指示するコマンドとは、MODEまたはEXTを異ならせることにより主基板31から送信される変動パターンコマンドがいずれの変動表示部における飾り図柄の変動パターンであるかを特定することが可能となる。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成されるコマンドを用いてもよい。
図30(A)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて新たな変動表示が開始されるときに予告演出が行なわれ、第2装飾用変動表示部9kにおいて変動表示が実行されている表示画面を説明するための図である。
図30(A)では、第2装飾用変動表示部9kにおいて実行されている変動表示は、第2特別図柄通常処理において第2大当りフラグがセットされ(図11のS39参照)、第2変動パターン設定処理において選択決定された変動パターン(図13のS69参照)に対応する飾り変動パターンが用いられている場合について説明する。よって、第1装飾用変動表示部8kで次に開始される変動表示についての第1特別図柄通常処理においては、第2大当りフラグがセットされているため、強制はずれフラグがセットされ(図11のS35c)、強制的にはずれにする強制非特定遊技状態制御が行なわれる。さらに、図30(A)では、第2装飾用変動表示部9kにおいて変動表示が5秒以上行なわれる場合として、第1装飾用変動表示部8kにおいて実行されている変動表示は、図4(c)で説明した分割A変動パターンに対応する飾り変動パターンが用いられ、さらに図26のS411において予告演出5に対応する予告演出フラグがセットされた場合について説明する。
図30(A)の第1装飾用変動表示部8kにおいては、前回の変動表示の表示結果として「591」が停止表示されており、分割A変動パターンに対応する飾り変動パターンを用いての変動表示が新たに開始されるときに、予告演出5の第1段階予告演出としてキャラクタAが出現する演出が行なわれている。
図30(B)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示が、第2装飾用変動表示部9kにおいて変動表示が、それぞれ継続して実行されている表示画面を説明するための図である。
図30(B)の第1装飾用変動表示部8kにおいては、強制的にはずれにする変動表示の進行に伴ない、図30(A)で出現していたキャラクタAが右から左の方に向かって進む演出が行なわれている。
図30(C)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて飾り図柄が所定時間に亘り一旦仮停止表示された後、変動表示が再開されるときに予告演出が行なわれ、第2装飾用変動表示部9kにおける変動表示においてリーチが発生した表示画面を説明するための図である。
図30(A)で説明したように、第1装飾用変動表示部8kにおいては、分割A変動パターンに対応する飾り変動パターンを用いた変動表示が行なわれ、かつ予告演出5に対応する予告演出が行なわれている。このため、図30(C)では、第1装飾用変動表示部8kにおいて、変動開始から5秒経過したときに仮停止図柄として「486」が一旦仮停止表示される。また、変動表示が再開されるときに、予告演出5の第2段階予告演出としてキャラクタAおよびキャラクタBが出現する演出が行なわれる。第2装飾用変動表示部9kにおいては、左・中図柄の表示結果として同一の「7」が停止表示されリーチが発生している。
図30(D)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示が継続して実行されている間に、第2装飾用変動表示部9kにおいて変動表示の表示結果として大当り図柄の組合せが停止表示されている表示画面を説明するための図である。
図30(D)に示すように、第1装飾用変動表示部8kにおいて第1飾り図柄の変動表示が実行され、図30(C)で出現していたキャラクタAおよびキャラクタBが右から左の方に向かって進む演出が行なわれている間に、すなわち、図15に示す第1特別図柄変動処理におけるS85で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないときに、第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(または第2特別図柄停止処理)で時短大当り図柄の組合せである「777」が導出表示されたことに基づいて第2大当り実行中フラグがセットされるとともに第2特別図柄停止処理で第2大当り開始コマンドを演出制御基板80に送信するための処理が行なわれる。
第2大当り実行中フラグがセットされると、第1特別図柄変動処理(S143)が実行されたときにS90で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定され、S91で第1中断フラグがセットされるとともに、S93で第1中断コマンドを演出制御基板80に送信するための処理が行なわれる。演出制御用マイクロコンピュータ800は、図29の第1図柄変動中処理におけるS824で第1中断コマンドを受信したときにS825で第1変動中断フラグをセットするとともに、S826で変動中断表示を行なう。
図30(E)〜(G)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて変動表示が中断され、第2装飾用変動表示部9kにおいて大当り遊技が行なわれている表示画面を説明するための図である。図30(E)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1装飾用変動表示部8kに、「変動中」といったメッセージ表示100を行なうとともにはずれ図柄の組合せを仮停止表示させる変動中断表示を行なう。つまり、変動表示を中断する第1装飾用変動表示部8kにはずれ図柄を停止表示させる。このように、変動表示を中断する方の変動表示部ではずれ図柄を停止表示することにより遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。このとき、第2装飾用変動表示部9kでは、大当り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が発生した旨を報知する表示が行なわれている。
また、図30(F)および(G)に示すように、「変動中」といったメッセージ表示100は、大当り遊技状態が終了するまで表示される。このため、大当り遊技状態が終了するまで遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
また、大当り遊技状態が終了するときには、主基板31から第2大当り終了コマンド(時短大当り終了コマンド、通常大当り終了コマンド)が演出制御基板80に送信される。図30(G)には、第2大当り終了コマンドとしての時短大当り終了コマンドの受信に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ800が、第2装飾用変動表示部9kに、時短大当り遊技状態が終了したとともに時短状態になったことを報知する「時短!」といったメッセージ表示が行なわれている。このとき、主基板31から演出制御基板80にさらに第1再開コマンドが送信される。
図30(H)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて中断されていた変動表示が再開され、第2装飾用変動表示部9kにおいて新たな変動表示が開始されている表示画面を説明するための図である。図30(H)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31からの第1再開コマンドを受信したことに基づいて、図29のS823で変動再開表示103として「変動再開」と表示させるとともに、図29のS826a以降の処理が実行されて変動表示を再開させる制御が実行される。
このように、一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合には、一方の変動表示部における変動表示を中断する旨を示すメッセージ表示100を行なうとともにはずれ図柄を仮停止表示させ、その後、その大当り遊技状態が終了したときに一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示を再開させる旨を示す変動再開表示103を行なうため、遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
図30(I)は、第1装飾用変動表示部8kにおいて強制的にはずれにする変動表示の表示結果が停止表示され、第2装飾用変動表示部9kにおいて変動表示が継続して実行されている表示画面を説明するための図である。第1装飾用変動表示部8kにおいては、第1飾り図柄の表示結果として「634」が停止表示されている。第2装飾用変動表示部9kにおいては、第2飾り図柄9aの表示結果の一部として「1」が停止表示されている。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態では、図22のS164で停止情報タイマとして合計時間(250)がセットされると、500msecの間S166でNOと判断されるため特別図柄確定情報の出力が設定され、その後500msecのインターバル期間を経るまでS161でNOと判断されS166でYESと判断されるため、停止カウンタの値が「1」であっても新たな特別図柄確定情報の出力が設定され出力されることを防止できる。これにより、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9についての特別図柄確定情報を、情報出力回路34に搭載された特別図柄確定情報に対応する共通の出力端子から遊技機外部に出力する場合であっても、特別図柄確定情報が重複して出力されるといった不都合の発生を未然に防止することができる。また、第1に出力される特別図柄確定情報と当該第1の特別図柄確定情報の次に出力される第2の特別図柄確定情報との間に、500msecのインターバル期間を設けることができる。
(2) 前述した実施の形態では、たとえば、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図11のS39と同様のステップにより第2大当りフラグがセットされてから、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図17のS111と同様のステップにより第2大当りフラグがリセットされるまでの特定期間には、図11のS35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断されて、S36〜S39の処理を行なわないようにS35cに移行する強制非特定遊技状態制御が行なわれる。また、図11のS39により第1大当りフラグがセットされてから、図17のS111により第1大当りフラグがリセットされるまでの特定期間には、第2特別図柄プロセス処理のステップのうち図11のS35bと同様のステップにより第1大当りフラグがセットされていると判断されて、S36〜S39と同様の処理を行なわないようにS35cと同様の処理に移行する強制非特定遊技状態制御が行なわれる。このように、一方の変動表示部についての大当り判定で大当りにすることが決定されたときに他方の変動表示部において強制的にはずれにすることにより、複数の変動表示部で同時に大当り遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されるまで他方の変動表示部で図柄の変動表示が行なわれるため、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(3) 前述した実施の形態では、図14のS33GにおいてYESと判断され第2の終了条件が成立したときは、図15の第1特別図柄変動処理を行なう前、すなわち特別図柄の変動表示を開始するときに、時短フラグをリセットに更新し、時短状態から通常状態に切替えることができる。これにより、第2の終了条件が成立した後の変動表示が開始されるときには、確実に通常状態へ制御されるため、第2の終了条件が成立しているにも関わらず時短状態への制御が継続されることを防止できる。
(4) 前述した実施の形態における特定期間中の変動パターンは、図13のS61bで説明したように、図4(c)の強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンを選択決定し、図28のS830において当該決定された変動パターンに対応する飾り変動パターンが設定され対応する変動態様による演出を行なうことができる。これにより、強制はずれ変動パターンに対応する飾り変動パターンによる演出が行なわれることにより、第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kにおいて大当り図柄が停止表示されることを事前に予告することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図4(c)の強制はずれ変動パターンデータテーブルを用いて選択決定される変動パターンに、特定期間でないときに選択決定される変動パターンから特定される変動時間よりも変動時間が長く設定された変動パターン(たとえば通常F変動パターン、通常G変動パターン、分割A変動パターン、および分割B変動パターン)が含まれている。このため、特定期間中において、強制非特定遊技状態制御が行なわれる変動表示回数を極力少なくすることができる。このため、特定期間中において、強制非特定遊技状態制御が行なわれる変動表示が多数実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者にとって不利となり過ぎることがない。
(6) さらに、前述した実施の形態においては、図4(c)の強制はずれ変動パターンデータテーブルの分割不可時データテーブルがルックアップされた場合、10パーセントで通常E変動パターンが選択決定され、90パーセントで変動時間が長く設定された変動パターン(たとえば、通常F変動パターンおよび通常G変動パターン)が選択決定されるように、設定されている。また、図4(c)の強制はずれ変動パターンデータテーブルの分割可能時データテーブルがルックアップされた場合、100パーセントで通常E変動パターンよりも変動時間が長く設定された変動パターン(たとえば、分割A変動パターンおよび分割B変動パターン)が選択決定されるように、設定されている。このため、特定期間中において、強制非特定遊技状態制御が行なわれる変動表示回数を、積極的に少なくする制御を行なうことができる。
(7) 前述した実施の形態における分割変動パターンが選択決定された場合、飾り図柄の変動時間として、変動開始から5秒経過したときに飾り図柄を一旦仮停止させた後、変動表示を再開し、該再開してから飾り図柄の表示結果を表示させる演出が行なわれる。また、分割変動パターンが選択決定された場合、図6(d)で説明した2段階予告演出を行なう予告演出5および予告演出6を選択することができる。これにより、分割変動パターンが選択決定され予告演出5または予告演出6が決定された場合、第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kにおいて大当り図柄が停止表示されることを事前に連続予告することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態における特定期間であるときに決定される予告演出(たとえば、予告演出3〜予告演出6)は、特定期間でないときに決定される予告演出(たとえば、予告演出1〜予告演出2)と異なる態様の演出が行なわれる。これにより、特定期間中の演出、および特定期間中でないときの演出各々を多彩にすることができ、視覚的に遊技者の興趣を向上させることができる。
(9) 前述した実施の形態では、たとえば、第2装飾用変動表示部9kに大当り図柄が導出表示され、第1装飾用変動表示部8kで第1飾り図柄の変動表示が実行されているときには、図15の第1特別図柄変動処理のS90でYとなって第1中断フラグをセットして第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。また、前述の実施の形態では、たとえば、第1装飾用変動表示部8kに大当り図柄が導出表示され、第2装飾用変動表示部9kに第2飾り図柄の変動表示が実行されているときには、第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄変動処理におけるS87で第1大当り実行中フラグがセットされた時点で、第2特別図柄変動処理で第1特別図柄変動処理のS90〜S91に相当するステップによって、第1大当り実行中フラグがセットされていると判断されて第2中断フラグをセットして第2特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせないことを示した。このように、一方の変動表示部で大当り図柄が導出表示されるまでは他方の変動表示部で図柄の変動表示を継続でき、他方の変動表示部における変動表示を一方の変動表示部で大当り図柄が導出表示されるより前から中断する場合に比べて、早めに他方の変動表示部における変動表示を終了させることができる。これにより、変動表示部における変動表示の終了までの時間を長引かせて遊技者に不利益を与えることを防止できる。
(10) 前述した実施の形態においては、変動中メッセージ100を表示するS826、さらに、第2表示制御プロセス処理における同様のステップにより、第1装飾用変動表示部8kまたは第2装飾用変動表示部9kにおける変動時間の計測を中断したときに、変動表示が継続している旨が表示される。このため、遊技者に対して、変動表示が中止されてしまったのではないかというような不信感を与えることなく、変動表示部における識別情報の変動表示を中断させることができる。
(11) 前述した実施の形態においては、図30(E)に示されるように、一方の装飾用変動表示部にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が開始され、他方の装飾用変動表示部における変動時間の計測を中断しているときには、他方の装飾用変動表示部においてはずれ図柄が停止表示される。このため、遊技者に、大当り図柄となる変動表示が中止されてしまったのではないかというような不信感を与えることなく、他方の装飾用変動表示部における変動表示を中断させることができる。さらに、他方の装飾用変動表示部ではずれ図柄が停止表示されるので、一方の装飾用変動表示部の方に遊技者を注目させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、特別遊技状態として、時短状態に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、特別遊技状態としては、時短状態に制御するとともに、次に大当りになる確率が通常状態であるときの確率よりも高くなる確変状態に制御するものであってもよい。よって、第2実施形態においては、確変大当り図柄となったとき、当該確変大当り図柄となったことにより制御される確変大当り遊技状態終了後に、時短状態および確変状態に制御する例について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態において説明した時短大当り図柄を確変大当り図柄、時短大当りを確変大当り、時短大当りフラグを確変大当りフラグとして説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点について説明し、重複する説明は繰返さない。
まず、第2実施形態における確変状態への制御の開始から終了までを説明する。確変大当り遊技状態終了後に、データがセット状態にあるときに確変状態に制御されていることを示す確変フラグと、前述した時短フラグとがセットされる。確変フラグがセットされているときには、時短フラグがセットされていることとなる。これにより、確変状態および時短状態への制御が開始される。確変フラグは、時短フラグと同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ53に搭載されているRAM55に記憶され更新される。
確変フラグがセットされているときには、変動表示が行なわれるごとに確変状態を終了させるか否かを判定するための確変終了判定処理が行なわれる。当該確変終了判定処理において確変状態を終了させると判定されたとき(第3の終了条件という場合もある)には、当該変動表示の大当り判定が行なわれる前に、確変フラグをリセットする処理が行なわれ確変状態を終了させる制御が行なわれる。これについては、図32を用いて後述する。
また、確変フラグがセットされており、大当りとなる判定がされたとき(たとえば、図11のS38においてYESと判断されたとき)には、当該確変フラグをリセットする処理が行なわれ、確変状態を終了させる制御が行なわれる。なお、当該大当りが、確変大当りであるときには、確変フラグをリセットするとともに、確変大当りフラグをセットし(たとえば、図12のS44)、確変大当り終了後に確変大当りフラグがセットされていることを条件として(たとえば、図17のS116においてYESと判断されたとき)、確変フラグをセットする処理が行なわれ、確変状態を再開させる制御が行なわれる。逆に、非確変大当りであるときには、大当り終了後に確変フラグがセットされないため、再度確変大当りとならない限り確変状態に制御されない。
図31は、第2実施形態による遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図31を参照して、第2実施形態においては、図3に示したランダムカウンタR1〜R6に加えて、確変状態を終了させるか否かの判定を行なう確変終了判定用のランダムカウンタR7が用いられる。R7は、4msecごとに1加算更新され、0から更新されてその上限である29まで更新された後再度0から更新される。
確変終了判定は、確変状態において、変動表示が行なわれるごとに実行される。具体的に、R1およびR2と同様に始動入賞時に確変終了判定用のランダムカウンタR7から保留記憶データとして数値データを抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する保留領域に格納する処理が実行される。
図32は、第2実施形態による確変時終了判定を行なう大当り判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。図32の大当り判定処理は、第1実施形態による図11の大当り判定処理と置換えられる処理である。
第2実施形態の大当り判定処理においては、まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する(S37A)。確変フラグがセットされているときには、読出したR7の抽出値が、予め定められた終了判定値(たとえば、7)と一致するか否かを判定する処理が行なわれる(S37B)。一致しないと判定されたときには、大当り判定に用いる大当り判定値Aに確変時大当り判定値として予め定められている「7,17,41,57,107」を設定し(S37D)、S37Fへ移行する。一方、一致すると判定されたときには、確変フラグをリセットし(S37C)、S37Eへ移行する。S37Bにより、確変終了判定処理が構成されている。S37Cにより、確変終了制御処理が構成されている。
S37Aにおいて確変フラグがセットされていないと判断されたとき、およびS37Cにより確変フラグがリセットされたときには、大当り判定に用いる大当り判定値Aに非確変時大当り判定値として予め定められている「7」を設定し(S37E)、S37Fへ移行する。
S37Fにおいては、読出した大当り判定用乱数と大当り判定値Aとを比較して大当りとするか否かを決定し(S37F)、大当り判定処理を終了し、リターンする。
なお、確変状態に制御されているときには、第1変動表示部および第2変動表示部等の表示装置や、所定のランプ等の発光手段により、確変状態に制御されている旨を報知するために、確変状態に制御されていないときと異なる態様で演出が行なわれる。本実施の形態において、確変終了判定処理により、確変状態を終了させると判定され、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれたときには、確変状態が終了した旨の報知を前述した表示装置や発光手段で行なってもよく、そのような報知を行なうことなく確変状態であるときの態様で前述した表示装置や発光手段を制御(擬似演出制御)してもよい。擬似演出制御は、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれてから、所定期間に亘り行なわれるように構成してもよい。所定期間とは、所定回数変動表示が行なわれる期間、所定時間経過する期間、所定数打球が遊技領域に打込まれる期間等であってもよい。また、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれるときに、所定期間の種類をランダムに決定するように構成してもよい。また、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれるときに、所定期間の長さをランダムに決定するように構成してもよい。
次に、前述した第2実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、確変終了判定処理により確変状態を終了させると判定されたときに、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれる。そして、確変終了判定処理および確変終了制御処理の結果に基づき、S37D〜S37Fにおいて大当り判定が行なわれる。これにより、確変状態であるか否かに基づいて行なわれるべき大当り判定を正確に行なうことができる。
(2) 前述した実施の形態において擬似演出制御を行なった場合、確変終了制御処理により確変状態を終了させる制御が行なわれたとしても、その後確変状態時と同様の演出が行なわれるため、確変状態であるか否かを遊技者が判断しにくいようにすることができる。これにより、確変状態の終了により遊技者の興趣が低下しにくいようにすることができる。
また、以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、図15のS85aで説明したように、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したとき、および第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときに停止カウンタを1加算し、図22のS162においてNOと判断されたときに、停止情報タイマとして合計時間(250)がセットされてから、S166においてYESと判断されるまで、S167において特別図柄確定情報の出力を設定する制御について説明した。すなわち、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したときであっても、第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときであっても、同様の期間に亘って特別図柄確定情報を出力する例について説明した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したときと、第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときとで、異なる期間に亘って特別図柄確定情報を出力するようにしてもよい。
具体的には、まず、第1特別図柄変動処理および第2特別図柄変動処理において、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したときに第1停止カウンタを1加算し、第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときに第2停止カウンタを1加算するように構成する。次に、図22のS162〜S164に換えて、第1停止カウンタが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときに第1停止カウンタを1減算し、停止情報タイマとして出力時間として「250」をセットする。一方、第1停止カウンタが「1」でないと判断されたときに、第2停止カウンタが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときに第2停止カウンタを1減算し、停止情報タイマとして出力時間として「250」と異なる「300」をセットする。これにより、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したときには(250−125)×4msec=500msecに亘って、第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときには(300−125)×4msec=700msecに亘って、特別図柄確定情報が出力される。このため、たとえば、500msecが第1特別図柄表示器8側の特別図柄確定情報で、700msecが第2特別図柄表示器9側の特別図柄確定情報であると、特別図柄確定情報が入力されるホール管理コンピュータを設定することにより、第1特別図柄表示器8側の特別図柄確定情報と、第2特別図柄表示器9側の特別図柄確定情報とを区別して管理することができる。
(2) 前述した実施の形態においては、特別図柄確定情報が出力されていないインターバル期間を設けるため、S166により停止情報タイマがオン時間未満であるか否かを判断する例について説明した。しかし、インターバル期間を設けるものに限るものではない。たとえば、特別図柄確定情報を1000msecに亘り出力し、当該1000msec期間中に停止カウンタが1加算されていた場合は、当該1000msecが経過した直後から、インターバル期間を設けることなく特別図柄確定情報を出力するように構成してもよい。この場合、図22においてS166の判断ステップを設ける必要がない。
(3) 前述した実施の形態においては、S161で停止情報タイマが「0」であると判断されない限り、停止カウンタが「1」であっても新たな特別図柄確定情報が出力されないように制御する例について説明した。しかし、これに限らず、停止情報タイマが「0」となっていない時点で、停止カウンタが「1」となった場合、その時点から、新たな特別図柄確定情報を出力するように構成してもよい。すなわち、特別図柄確定情報を出力中に停止カウンタが「1」となったときには、その時点から500msecの特別図柄確定情報を出力するように構成してもよい。
具体的には、図22のS161の判断ステップを設けることなく、S162において停止カウンタが「1」であると判断されるたびにS164において停止情報タイマとして出力時間を再セットするように構成すればよい。これにより、たとえば、第1特別図柄表示器8において変動表示が終了したことに基づく特別図柄確定情報を出力している最中に、第2特別図柄表示器9において変動表示が終了したときは、そのタイミングから500msecに亘り特別図柄確定情報が出力される。このため、たとえば、500msecに亘る特別図柄確定情報が1回、500msec以上に亘る特別図柄確定情報が2回であると、ホール管理コンピュータを設定することにより、第1特別図柄表示器8側および第2特別図柄表示器9側における変動表示が終了した回数を正確に管理することができる。なお、このように構成した場合、S164において停止情報タイマとして出力時間を再セットするものに限らず、加算更新するものであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図6(a)、(b)で説明したように、特定期間でないときであっても、予告演出1または予告演出2が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、特定期間であるときだけ、予告演出が行なわれるように構成してもよい。具体的には、図6(a)、(b)のデータテーブルを備えることなく、図25のS327で受信した変動パターンコマンドが、通常E変動パターン〜通常G変動パターンあるいは分割A変動パターン、分割B変動パターンのいずれかであると判断されたときに、図25のS330の予告演出決定処理が実行されるように構成してもよい。
(5) 前述した実施形態においては、特別遊技状態として、第1実施形態では時短状態に制御され、第2実施形態では確変状態および時短状態に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、特別遊技状態として、確変状態に制御するものであってもよい。特別遊技状態としては、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態であればどのような状態であってもよい。
(6) 前述した実施形態においては、強制非特定遊技状態制御として、S35bにおいて第2大当りフラグがセットされていると判断された場合に、S36〜S39の処理を行なわないようにし、S35cに移行する制御を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、強制非特定遊技状態制御としては、大当り遊技状態に制御すると決定しない制御であればよく、たとえば、常にはずれに決定される大当り判定用テーブルを用いて大当り判定を行なうように構成してもよい。
(7) 前述した実施形態においては、特別図柄の大当り図柄について、時短大当り図柄と非時短大当り図柄とを区別して表示結果として用いる例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄の大当り図柄については、時短大当り図柄と非時短大当り図柄とを区別して用いないようにしてもよい。たとえば、特別図柄については、時短状態とすることが決定されているときと、時短状態としないことが決定されているときとで区別せずに、いずれかの大当り図柄を導出表示し、飾り図柄の表示結果が、時短大当り図柄の組合せと、非時短大当り図柄の組合せとのどちらになるかにより、時短状態とするか否かを示すようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態においては、図11のS35b〜S39等で説明したように第1または第2大当りフラグがセットされていると判断された場合、S36〜S39等の大当り判定処理を行なわないようにS35cに移行する強制非特定遊技状態制御を行なうとともに、図15で説明したように第1または第2大当り実行中フラグがセットされていると判断された場合、第1または第2中断フラグがセットされ、以降S89の判別処理によりS84の処理が行なわれないようにする中断制御を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、強制非特定遊技状態制御または中断制御のいずれか一方を行なうように構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、時短状態の終了条件として、第1の終了条件と、第2の終了条件とを組合せた例を示した。しかし、これに限らず、時短状態の終了条件としては、これらの条件に替えて、または、これらの条件に加えて、複数の変動表示部(第1変動表示部および第2変動表示部)で変動表示が実行されるごとに、時短状態を終了させるか否かを抽選によりランダムに判定し(たとえば、所定のランダムカウンタから数値データを抽出して、その数値データが終了判定値と一致するときに時短状態を終了させる旨の判定をする、所謂パンク抽選)、その抽選により終了条件が成立したことというような抽選終了条件を採用してもよい。
また、確変状態の終了条件として、第1の終了条件と、第3の終了条件とを組合せた例を示した。しかし、これに限らず、確変状態の終了条件としては、これらの条件に替えて、または、これらの条件に加えて、複数の変動表示部(第1変動表示部および第2変動表示部)で変動表示が所定回数行なわれたことにより成立する回数切り条件を採用してもよい。回数切り条件が成立したか否かの判定処理は、たとえば、図11で説明したS37の大当り判定処理を行なった後(S40の処理を行なった後)に行なわれるように構成してもよい。
(10) 前述した第2実施形態において、図14の時短時終了判定処理は、確変フラグがセットされているときには、S33F以降の処理を行なうことなくリターンさせるように構成してもよい。これにより、確変終了判定処理により確変状態を終了させると判定され確変フラグがリセットされた後から、S33Fの処理が行なわれるため、確変状態終了後であっても遊技者にとって有利な特別遊技状態を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 前述した第2実施形態では、時短状態が、確変状態の開始と同時に開始される例を説明した。しかし、これに限らず、時短状態は、確変状態が終了したときに開始され、その後、変動表示が所定回数実行されるまで継続するように制御してもよい。その場合には、確変状態中には、時短状態としなくてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56が、特別図柄の変動表示を開始するときに、変動時間を示す変動パターンを決定し変動パターンコマンドを演出制御基板80に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800が、飾り図柄の変動表示を開始するときに受信した変動パターンコマンドに対応する飾り変動パターンを設定し、飾り図柄を変動表示させる例について説明した。しかし、これに限らず、始動入賞口14aまたは始動入賞口14bへの始動入賞が生じたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56が変動パターンコマンドを演出制御基板80に送信するように構成してもよい。
(13) 前述した実施形態においては、図15の第1特別図柄変動処理におけるS87において第1大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当り図柄を停止させるときに第1大当り実行中フラグをセットし、図15の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において変動表示時間の計測を中断する計測中断手段について説明した。同様に、図15の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において第2大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当り図柄を停止させるときに第2大当り実行中フラグをセットし、図15の第1特別図柄変動処理のS91において中断フラグをセットし変動表示時間の計測を中断する計測中断手段について説明した。しかし、これに限らず、図9のS145からS146に移行されたときの第1大入賞口開放前処理において第1大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当りを開始させるときに第1大当り実行中フラグをセットし、図15の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において変動時間の計測を中断する計測中断手段であってもよい。同様に、第2特別図柄プロセス処理において対応する第2大入賞口開放前処理において第2大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当りを開始させるときに第2大当り実行中フラグをセットし、図15の第1特別図柄変動処理のS91において中断フラグをセットし変動表示時間の計測を中断する計測中断手段であってもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態におけるラウンドの継続条件としては、大入賞口21にV入賞領域を設け、各ラウンド中におけるV入賞領域への遊技球の入賞に基づいて成立するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、第1特別変動表示および第1飾り変動表示と第2特別変動表示および第2飾り変動表示のうち、一方の変動表示に基づく大当り遊技状態の実行中において変動表示中の他方の変動表示を中断させる制御を行なうために、大当り遊技状態に制御される側において大当り実行中フラグ(第1大当り実行中フラグまたは第2大当り実行中フラグ)をセットし(図15のS87)、そのフラグがセットされているときに、第1中断フラグをセットすることにより(図15のS91)、変動表示を中断させる例を示した。しかし、これに限らず、一方の変動表示を実行しているときに、他方の変動表示に基づいて大当り遊技状態となっているか否かは、他方の特別図柄プロセス処理で用いる特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄プロセス処理において、図9のS144〜S148または図10のS344〜S348のどのプロセスに対応する値になっているかに基づいて判断するようにしてもよい。そのようにする場合には、特別図柄プロセスフラグを確認することにより変動表示を中断させる制御を行なえるので、簡素な処理により早期に変動表示を中断させる制御を行なうことができる。
(16) 前述した実施の形態においては、第1特別変動表示および第1飾り変動表示と、第2特別変動表示および第2飾り変動表示とのうち、一方の変動表示に基づいて大当り遊技状態となったときに、他方の変動表示が実行中であるときに、当該大当り遊技状態が終了するまで変動表示を中断させる制御を行なうことを示した。しかし、これに限らず、一方の変動表示に基づいて大当り遊技状態となっているときに、他方の変動表示が実行中であるときには、他方の変動表示を強制的に終了させる制御を行なうようにしてもよい。そのような制御を行なうときには、当該大当り遊技状態の開始時において他方の変動表示について設定された変動時間をクリアすることにより、他方の変動表示を強制的に終了させる制御を行なうようにしてもよい。また、そのような制御を行なうときには、当該大当り遊技状態の開始時において他方の変動表示について設定された特別図柄プロセスフラグを特別図柄はずれ停止処理に更新することにより、他方の変動表示を強制的に終了させる制御を行なうようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、複数の変動表示部を構成する第1飾り変動表示部8kおよび第2装飾用変動表示部9kとしては、1つの表示装置の表示領域を画面上で複数(たとえば、2つ)の表示領域に分けて用い、演出制御用マイクロコンピュータ800が、そのように画面上で複数に分けられた表示領域を対象として、前述したような各種の表示制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、別個に構成された2つの表示装置を設け、一方の表示装置の表示領域を第1装飾用変動表示部8kとして、他方の表示装置の表示領域を第2装飾用変動表示部9kとして、前述したような各種の表示制御を行なうように構成してもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータを設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(19) また、前述した実施の形態に示す遊技機としては、遊技機において表示部を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(20) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(21) 前述した実施の形態では、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれについて、特別図柄表示器と飾り変動表示部とで構成される例を説明した。しかし、これに限らず、第1変動表示部および第2変動表示部のそれぞれは、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、飾り変動表示部と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(22) 前述した第1実施形態では、特別遊技状態として時短状態に制御される遊技機について、図19〜図21を用いて、第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、時短情報、および大当り2情報の出力状態、およびこれらの情報各々に対応する出力端子について説明した。ここでは、停止表示された大当り図柄に基づき、たとえば、大当り図柄として「7」が停止表示されたときに、当該大当り遊技状態終了後に時短状態および確変状態へ制御し、大当り図柄として「3」が停止表示されたときに、当該大当り遊技状態終了後に、確変状態へ制御することなく時短状態のみに制御するような遊技機について、遊技機外部へ出力される情報、当該情報の出力状態、およびこれらの情報各々に対応する出力端子について、図21および図33を参照して説明する。図33は、時短情報および後述する大当り3情報の出力状態を説明するためのタイミングチャートである。
このような遊技機における遊技に関する情報としては、前述した第1始動口入賞情報、第2始動口入賞情報、特別図柄確定情報、大当り1情報、普通図柄確定情報、大当り2情報、時短情報の他に、大当り3情報が含まれる。大当り3情報とは、特別可変入賞装置20の大入賞口21の開閉動作が繰返し行なわれる大当り遊技状態中、確変状態中、あるいは時短状態中であることを示す情報をいう。大当り3情報についても他の遊技に関する情報と同様に、S18で説明した情報出力処理により出力設定が行なわれる。なお、図33における時短情報とは、大当り遊技状態中および確変状態中でなく、時短状態中であることを示す情報をいう。すなわち、時短情報とは、時短状態のみに制御されていることを示す情報をいう。
図33における時短情報の出力を設定するための処理では、図33(a)を参照して、大当り実行中フラグがオン状態にセットされおらずかつ確変フラグがオン状態にセットされていないときであって、時短フラグがオン状態にセットされている間、時短情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された時短情報は、図21(a)のCN7の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。
大当り3情報の出力を設定するための処理では、図33(b)を参照して、大当り実行中フラグがオン状態にセットされている間、確変フラグがオン状態にセットされている間、あるいは時短フラグがオン状態にセットされている間、大当り3情報の出力を設定する処理が行なわれる。出力が設定された大当り3情報は、図21(a)のCN8の出力端子からホール管理コンピュータ等の外部装置に出力される。
(23) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限
的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。