JP5306299B2 - 搬送ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、搬送ローラに関する。
従来、パネル体を搬送する搬送ローラは、パネル体とローラ本体の間で摩擦力を付与するために、ローラ本体にOリングのような摩擦体を装着している(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−88204号公報
しかし、Oリングでは、十分な摩擦力が得られず、滑りが発生し、搬送効率が低下してしまうという問題があった。
また、図14に示すようにパネル体Kを上下方向から挟圧しつつ搬送する際に、上側の摩擦体8Aと下側の摩擦体8Bが左右方向に位置ズレすると、図15に示すように、上側の従来の摩擦体8Aがパネル体Kを押圧する位置と、下側の従来の摩擦体8Bが押圧する位置が離れ、剪断力が発生し、パネル体Kが薄い場合には破損してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、パネル体とローラ本体の間で摩擦抵抗を増加させて滑りを防止し、効率良くパネル体を搬送可能な搬送ローラの提供を目的とする。
また、パネル体の破損を防止できる搬送ローラの提供を他の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の搬送ローラは、パネル体を搬送するローラ本体の凹周溝に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体を有し、摩擦体は、パネル体に接触する環状突隆部を複数本有し、隣り合った環状突隆部の間に環状溝部を形成し、かつ、摩擦体は、凹周溝への装着状態において、凹周溝の側壁面に圧接して、摩擦抵抗を増大させると共に凹周溝の溝底部への液体の浸入を防止するシールリップ部を兼用している環状突条部を有するものである。
また、パネル体を上下方向から挟圧しつつ搬送する複数対のローラ本体と、上記ローラ本体の凹周溝に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体と、を有し、上記摩擦体は、上記パネル体に接触する環状突隆部を複数本有し、隣り合った環状突隆部の間に環状溝部を形成し、かつ、摩擦体は、凹周溝への装着状態において、凹周溝の側壁面に圧接して、摩擦抵抗を増大させると共に凹周溝の溝底部への液体の浸入を防止するシールリップ部を兼用している環状突条部を有するものである。
また、環状溝部の深さ寸法を0.2mm以上に設定したものである。
本発明の搬送ローラによれば、パネル体との接触圧が比較的大きくなって、摩擦抵抗が大きくなって、滑りを防止し、確実かつ効率良くパネル体を搬送できる。
また、パネル体を上下方向から挟圧しつつ搬送する場合においては、上側の摩擦体と下側の摩擦体が左右方向に位置ズレしても、各摩擦体の角部近傍に環状突隆部が存在するので、剪断力の発生が防止され、パネル体の割れを防止できる。
本発明の搬送ローラの第1の実施の形態の断面図である。 第1の実施の形態の側面図である。 第1の実施の形態の摩擦体を示す断面図である。 作用説明図である。 作用説明図である。 第2の実施の形態の摩擦体を示す断面図である。 応力状態を示す図であって、(A)は第1の実施の形態の応力状態であり、(B)は第2の実施の形態の応力状態である。 第3の実施の形態の摩擦体を示す断面図である。 第4の実施の形態の摩擦体を示す断面図である。 第5の実施の形態を示す断面図であり、(a)は断面図であり、(b)は要部拡大断面図、(c)は要部拡大断面図である。 第6の実施の形態の断面図である。 第6の実施の形態の側面図である。 作用説明図である。 従来の搬送ローラの断面図である。 従来の搬送ローラの作用説明図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1及び図2に示す第1の実施の形態に於て、パネル体Kの下面Kb側に、パネル体Kの搬送方向Yに並設された複数本のローラシャフト3,3と、ローラシャフト3に外嵌されパネル体Kを下面Kb側から支持しつつ送り出し搬送するための複数のローラ本体1,1と、ローラ本体1の凹周溝11に装着される円環状(リング状)の弾性材から成る摩擦体2と、を備えている。
摩擦体2は、図3に示すように、パネル体Kに接触する横断面丸山型の環状突隆部21を3本有している。環状突隆部21と環状突隆部21の間に、横断面U字型の環状溝部23を有している。環状溝部23を合計で2本有している。自由状態において環状突隆部21の頂点から環状溝部23の底面までの環状溝部23の深さ寸法hを、0.2mm以上に設定している。
また、図3及び図4に示すように、摩擦体2の左右側面2a,2aから左右外方に突出する左右一対の環状突条部22,22を有している。一方の環状突条部22の最突出点から他方の環状突条部22の最突出点までの自由状態の突条部左右幅寸法W22は、ローラ本体1の凹周溝11の周溝左右幅寸法W11より大きく設定している。環状突条部22の圧縮代(潰し代)寸法Waは0.01×W11〜0.15×W11に設定するのが好ましい。Wa<0.01×W11であると十分な密着力が得られず、Wa>0.15×W11であると弾性圧縮しつつ凹周溝11に装着するのが困難である。環状突条部22は内径寄りに配設されている。環状突条部22、環状突隆部21、環状溝部23、は、摩擦体2の内径に同心状に形成されている。
また、図4に示すように摩擦体2を凹周溝11に装着してパネル体Kが無い状態で、左右各側面2aと、凹周溝11の側壁面11aとの間に、間隙寸法ΔGのギャップを形成し、この間隙寸法ΔGと周溝左右幅寸法W11との間には、次のような関係式が成立するように、各寸法を設定する。
0.015×W11≦ΔG≦0.05×W11
このような関係式が成立するように間隙寸法ΔGを設定すれば、図5(又は後述の図13)に示す如く、パネル体Kに対して突隆部21が圧接して弾性圧縮変形し、左右側面2a,2a間の幅寸法が増加しても各側面2aが、凹周溝11の開口端角部20に接触して傷付くことが防止できる。即ち、隙間Zが常時形成されて、側面2aの傷付きが防止される。
また、摩擦体2は、エラストマー製であって、例えば、フッ素系エラストマー、シリコーン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等であり、薬液による高耐食性のあるものが好ましい。また、この摩擦体2は凹周溝11に引き伸ばした状態で装着(嵌着)され、溝底面11bに対して、常に弾発的に内周面2bが接触(圧接)している。この内径引き伸ばし率は2%から30%に設定している。
また、パネル体Kは、一例として、厚さ寸法tが0.5mm〜2.5mmと薄いFPD用のガラス基板(盤)である。
また、ローラ本体1は、樹脂製とする場合は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)等であり、薬液による高耐食性を有すものが好ましい。金属製とする場合は、アルミ合金、ステンレス鋼、炭素鋼、クロムモリブデン鋼、チタン鋼、ニッケル鋼、コバルト鋼等であり、高負荷による高耐久性を有するものが好ましい。
図7(A)は第1の実施の形態の摩擦体2とパネル体Kが接触している状態での摩擦体2からパネル体Kにはたらく応力状態を示している。2点鎖線は、摩擦体2の自由状態を示す。中央で応力が大きくなる丸山型である。
次に、本発明の第1の実施の形態の使用方法(作用)について説明する。
先ず、摩擦体2をローラ本体1の凹周溝11に装着すると、図4に示すように(装着状態に於て)、左右の環状突条部22,22が凹周溝11の左右の側壁面11a,11aによって左右内方に圧縮される(環状突条部22,22が側壁面11a,11aに圧接する)。二点鎖線で示した自由状態の形状から、実線で示す装着状態の形状に弾性変形する。左右側壁11a,11aに側面側応力分布線Faのような強い押圧力を作用させ密着する。
また、摩擦体2は凹周溝11に引き伸ばした状態で嵌着され、溝底面11bに対して、常に弾発的に内周面2bが接触(圧接)している。さらに、内径(内周面2b)寄りに形成された環状突条部22が圧縮弾性変形すると、図4の太い矢印Jのような弾性材の流れ(移動)が発生し、凹周溝11の溝底面11bに底面側応力分布線Fbのような(内径側の角部をより密着させるような)押圧力を作用させ密着する。つまり、環状突条部22は、摩擦体2と左右側壁面11a,11aの間、内周面2bと溝底面11bの間、の滑りを防止すると共に滑りによる摩擦体2の内周面2bの磨耗を防止する。
また、図5に示すように、パネル体Kとローラ本体1の間で、摩擦体2の複数条(本)の環状突隆部21,21,21が、二点鎖線で示した自由状態の形状から、実線で示す接触状態の形状に弾性変形し、パネル体Kに接触する。Oリング(横断面円形)に比べて、接触面圧(ピーク圧)が大きくなって、摩擦抵抗を大きくし(十分な摩擦力を得て)滑りを防止する。
なお、図5に示すように、環状突隆部21が圧縮され左右方向に隣り合う環状突隆部21,21同士が接近しても、環状突隆部21と環状突隆部21の間は密着せず、U字型の環状溝部23が残在するように形成されている。即ち、摩擦体2は、パネル体Kとの接触状態において、環状突隆部21と環状突隆部21の間にU字型環状溝部23を有している。
そして、図1及び図2に示すように、ローラシャフト3が回転し、ローラ本体1が駆動回転すると、ローラ本体1の回転力を確実にパネル体Kに送り出し力として伝達し、パネル体Kを安定して支持しつつ送り出し搬送する。ローラ本体1の回転による送り出し力が、滑りによって損なわれず、効率よく力を伝達する。つまり、摩擦体2は駆動側のローラ本体1に設けるのが好ましい。
また、図5に示すように、パネル体Kに液体eが付着している場合に、従来では、凹周溝11の溝底部11cに液体eが浸入し、ローラ本体1と摩擦体2の間で滑りが発生する虞れがあった。
ところが、環状突条部22が側壁面11aにOリングに比べ、強い押圧力(高い接触面圧)で密着することで、シールリップ部のように作用して、溝底部11c(環状突条部22より内径側)への液体eの浸入を防止し、滑りの発生を防止すると共に滑りによる内周面2bの磨耗を防止する。
つまり、環状突条部22は、ローラ本体1に対して摩擦抵抗を増大させる滑り止め部と、溝底部11cへの液体eの浸入を防止するシールリップ部を兼用している。
また、パネル体Kに付着の処理液(液体)eは、環状溝部23に流れ、パネル体Kと環状突隆部21の間に、液体eが介在するのを(液膜の発生を)防止する。これによって、摩擦体2とパネル体Kとの間で液体eによる滑り(摩擦抵抗の低下)を防止している。また、環状溝部23の深さ寸法hを、(図3及び図10に示した自由状態に於て)0.2mm以上とすることで、パネル体Kとの接触状態において、U字型環状溝部23が確実に形成でき、液体eによる液膜の発生を防止、あるいは、液膜を排除し、滑りを防止する。
なお、パネル体Kに液体eが付着している場合とは、具体的には、パネル体KがFPD用ガラス基板であって、本発明の搬送ローラがガラス製造装置やFPD製造装置等に用いられる場合である。つまり、液体eとは、エッチング(ウエット)工程や洗浄工程において付着した(溜まった)エッチング液や洗浄液等の処理液である。
図6は第2の実施の形態を示す。摩擦体2の環状突隆部21の横断面形状が、パネル体Kの下面Kbと接するためのフラット部(直線部)30を有する。環状溝部23が横断面略V字型に形成されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
図7(B)は第2の実施の形態の摩擦体2とパネル体Kが接触している状態での摩擦体2からパネル体Kにはたらく応力状態を示している。2点鎖線は、摩擦体2の自由状態を示す。左右両端では応力が特に大きくなり、ピーク圧Pmaxを示す。従って、この摩擦体2がパネル体Kによって圧縮された状態では、上記ピーク圧Pmaxを示す左右両端に近い左右側面2a,2aから突出する左右一対の環状突条部22,22が凹周溝11の側壁面11aに圧接する面圧(応力)が増加し、これによって溝底部11cへの液体の浸入を一層確実に防止できる。
図8は第3の実施の形態を示す。環状溝部23が横断面略円型に形成されている。その他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
図9は第4の実施の形態を示す。環状溝部23が横断面略台形蟻溝型に形成されている。その他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
図10は第5の実施の形態を示す。
摩擦体2が、横断面丸山型の環状突隆部21を2本有し、隣り合った環状突隆部21,21の間に横断面U字型の環状溝部23を1本有するものである。
また、環状突条部22を、図10(b)に二点鎖線で示した上述の図3の場合よりも、横断面形状を三角山型に形成している。また、図10(a)(b)に示すように、ストレート状勾配面24をもって底面(内周面)2bの方向に幅方向を縮小し、(最大幅寸法であるところの)突条部左右幅寸法W22が、底面幅寸法W 100まで減少させる。しかも、この底面幅寸法W 100と(図4に示した)周溝左右幅寸法W11との間には、W 100<W11の関係式が成立する。これによって、摩擦体2をその底面(内周面)2b側から凹周溝11に円滑に装着可能となる。
しかも、勾配面24の存在によって、底面(内周面)2b側の両側に略三角状逃げ部Xが形成され(図10参照)、凹周溝11へ装着する際に、弾性圧縮された突条部22の材料は、上記逃げ部Xへ流れて、前述の隙間Zが確実に得られる。
なお、図10(c)に示すように、突条部22の頂部を丸山型とすると共に、勾配面24を有する形状としても良く、上述と同様の作用と利点を有する。
なお、摩擦体2は、環状突隆部21を4本以上有するものでも良く、2乃至5本とするのが好ましい。1本だと、パネル体Kへ接触する面積が十分に確保できず、5本を越えると、環状溝部23の幅が狭くなりパネル体Kと摩擦体2の間で液体eが液膜を形成してしまう(滑りを防止できない)虞れがある。また、環状溝部23は、1本以上であれば良いが、1乃至4本とするのが望ましい。4本を越えると、環状溝部23の幅が狭くなり、パネル体Kと摩擦体2の間で液体eが液膜を形成してしまう(滑りを防止できない)虞れがある。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図11及び図12に示すように、パネル体Kの上下両側に、パネル体Kの搬送方向Yに並設された複数本のローラシャフト3,3と、ローラシャフト3に外嵌されパネル体Kを上下方向から挟圧しつつ搬送する複数対のローラ本体1,1と、第1の実施の形態と同様の摩擦体2と、を備えている。
また、上側のローラ本体1(1A)及び上側の摩擦体2(2A)と、その上側のローラ本体1A及び上側の摩擦体2Aに対してパネル体Kを挟んで対面位置に配設された下側のローラ本体1(1B)及び下側の摩擦体2(2B)は、前後方向及び左右方向が一致するように配設している。つまり、上側の摩擦体2Aの左右中心線Saと下側の左右中心線Sbとが一致するよう(同一直線上)に配設し、かつ、上側の摩擦体2Aの前後中心線と下側の前後中心線とが一致するように配設している。なお、本発明において、前方向とは、パネル体Kの進行方向Yである。
本発明の第6の実施の形態の使用方法(作用)について説明する。
図11及び図12に示すように、上下方向から摩擦体2,2をパネル体Kに接触させつつ送り出し搬送することで、パネル体Kの水平度が保持され、安定した搬送を可能にする。
従来では、図14に示すように、従来の上側のOリングから成る摩擦体8Aと下側のOリングから成る摩擦体8B(従来の上下のローラ本体15,15)が左右方向に位置ズレすると、図15に示すように、Oリングから成る摩擦体8はパネル体Kに対して、Oリング(摩擦体8)の中央にて強く押圧力Gを付与し、上側から押圧する力Gの位置と、下側から押圧する力Gの位置が離れ、大きい剪断力が発生し、パネル体Kに割れやヒビ等の破損が発生してしまう。
ところが、本発明は、図13に示すように、上側の摩擦体2Aと下側の摩擦体2Bが左右方向に位置ズレしても、上下方向から作用する押圧力が均衡し、位置ズレした左右間で剪断力が発生せず、パネル体Kの損傷を防止する。
また、上側の摩擦体2Aは、パネル体Kの上面Kaに、液溜り(液体e)が存在している場合に、環状突隆部21で液溜りを切るように、液体eを環状溝部23に移動させ、環状突隆部21がパネル体Kに液体eを介在させずに接触して十分な摩擦力を得て、滑りを防止する。
なお、本発明は設計変更可能であって、パネル体Kの上面Ka側のみに、ローラ本体1、摩擦体2、ローラシャフトを設け、パネル体Kの下面Kb側に、支持用の従動ローラを配設したものでも良い。
以上のように、本発明の搬送ローラは、パネル体Kを搬送するローラ本体1の凹周溝11に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体2を有し、摩擦体2は、パネル体Kに接触する環状突隆部21,21を複数本有するので、接触圧が増大できて、摩擦抵抗を大きく滑りを防止し、搬送効率の低下を防止できる。即ち、パネル体Kに対する接触圧が確保でき、パネル体Kと摩擦体2の間の滑りを低減できる。環状突隆部21と環状突隆部21の間に谷部(環状溝部23)を形成でき、パネル体Kと環状突隆部21の間に処理液等の液体eが介在するのを防止でき、特に、FPD用ガラス基板のエッチング(ウエット)工程や洗浄工程の搬送に好適である。
また、パネル体Kを上下方向から挟圧しつつ搬送する複数対のローラ本体1,1と、ローラ本体1の凹周溝11に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体2と、を有し、摩擦体2は、パネル体Kに接触する環状突隆部21,21を複数本有するので、接触圧が増大できて、摩擦抵抗を大きく滑りを防止し、搬送効率の低下を防止できる。即ち、パネル体Kに対する接触圧が確保でき、パネル体Kと摩擦体2の間の滑りを低減できる。環状突隆部21と環状突隆部21の間に谷部(環状溝部23)を形成でき、パネル体Kと環状突隆部21の間に処理液等の液体eが介在するのを防止でき、特に、FPD用ガラス基板のエッチング(ウエット)工程や洗浄工程の搬送に好適である。また、上側の摩擦体2(2A)と下側の摩擦体2(2B)が左右方向に位置ズレしても剪断力の発生が防止され、パネル体Kが薄い場合等において割れ(破損)を防止できる。
また、摩擦体2は、凹周溝11への装着状態において、凹周溝11の側壁面11aに圧接する環状突条部22を有するので、摩擦体2とローラ本体1の間の滑りを防止できる。即ち、摩擦体2と側壁面11aとの間の滑り、及び、摩擦体2の内周面2bと溝底面11bとの間の滑りを防止すると共に滑りによる摩擦体2の磨耗を防止できる。
また、摩擦体2は、凹周溝11への装着状態において、凹周溝11の側壁面11aに圧接して、摩擦抵抗を増大させると共に凹周溝11の溝底部11cへの液体eの浸入を防止するシールリップ部を兼用している環状突条部22を有するので、摩擦体2とローラ本体1の間の滑りを防止できる。即ち、液体eによる摩擦体2の内周面2bと溝底面11bの間の滑り、及び、液体eによる摩擦体2と側壁面11aの間の滑りを防止すると共に、滑りによる摩擦体2の磨耗を防止できる。洗浄液や処理液等の液体eがパネル体Kに付着する虞れのあるエッチング(ウエット)工程や洗浄工程に用いることができる。
また、摩擦体2は、隣り合った環状突隆部21,21の間に、環状溝部23を有し、環状溝部23の深さ寸法hを0.2mm以上に設定したので、パネル体Kが液体eで濡れている場合や、液溜まりがあるような場合でも、環状突隆部21とパネル体Kの間に液体eが介在しないように確実にパネル体Kに接触でき、液体eによる搬送効率の低下を防止できる。
1 ローラ本体
2 摩擦体
11 凹周溝
11a 側壁面
11c 溝底部
21 環状突隆部
22 環状突条部
23 環状溝部
e 液体
h 深さ寸法
K パネル体

Claims (3)

  1. パネル体(K)を搬送するローラ本体(1)の凹周溝(11)に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体(2)を有し、
    上記摩擦体(2)は、上記パネル体(K)に接触する環状突隆部(21)(21)を複数本有し、隣り合った上記環状突隆部(21)(21)の間に環状溝部(23)を形成し、
    かつ、上記摩擦体(2)は、上記凹周溝(11)への装着状態において、該凹周溝(11)の側壁面(11a)(11a)に圧接して、摩擦抵抗を増大させると共に上記凹周溝(11)の溝底部(11c)への液体(e)の浸入を防止するシールリップ部を兼用している環状突条部(22)(22)を有することを特徴とする搬送ローラ。
  2. パネル体(K)を上下方向から挟圧しつつ搬送する複数対のローラ本体(1)(1)と、上記ローラ本体(1)の凹周溝(11)に装着される円環状の弾性材から成る摩擦体(2)と、を有し、
    上記摩擦体(2)は、上記パネル体(K)に接触する環状突隆部(21)(21)を複数本有し、隣り合った上記環状突隆部(21)(21)の間に環状溝部(23)を形成し、
    かつ、上記摩擦体(2)は、上記凹周溝(11)への装着状態において、該凹周溝(11)の側壁面(11a)(11a)に圧接して、摩擦抵抗を増大させると共に上記凹周溝(11)の溝底部(11c)への液体(e)の浸入を防止するシールリップ部を兼用している環状突条部(22)(22)を有することを特徴とする搬送ローラ。
  3. 上記環状溝部(23)の深さ寸法(h)を0.2mm以上に設定した請求項1又は2記載の搬送ローラ。
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