JP5306092B2 - 流体制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータや流体粘性制御装置、流体バルブ等に適用可能な流体制御装置に関し、具体的には、誘起電荷電気浸透を用いた流体制御装置に関する。
電気浸透を用いるマイクロポンプは、可動部がなく構造が比較的簡単であること、微小流路内への実装が容易であること等の理由でμTAS(Micro−Total Analysis System)等の分野で使用されている。
近年、誘起電荷電気浸透(Induced−Charge Electro Osmosis)を用いたマイクロポンプが、液体の流速を大きくできること、電極と液体の間に生ずる化学反応をAC駆動可能により抑制できること等の理由から着目されている。
特許文献1には、誘起電荷電気浸透を用いた下記の(1)及び(2)に示すポンプが開示されている。(1)電極間においたメタルポストの半分に誘電体薄膜のコートを施すことで、電界によりメタルポスト中に誘起される電荷の領域を制御して、液体の流れを制御したポンプ(ハーフコート型ICEOポンプ)。(2)電極間に三角形状など非対称形状のメタルポストを配置して液体の流れを一定方向に制御したポンプ(非対称金属ポスト形状型ICEOポンプ)。
また、非特許文献1は、ポリスチレン粒子に部分的に金の膜をコーティングし、粒子を電界に垂直に移動させることが開示されている。
非特許文献2は、非伝導性溶媒中の誘電体粒子に電圧を印加して粒子に生ずる分極(ダイポール)を利用して誘電体粒子を移動させる技術が開示されている。
米国特許明細書第7081189 B2号
S.Gangwal, O.J.Cayre, M.Z.Bazant,and O.D.Velev, Phys. Rev. Lett.,100,058302 (2008) T.C.Halsey and W.Toor, Phys. Rev. Lett.,65,2820 (1990)
特許文献1には、誘起電荷電気浸透を用いたポンプが開示されているが、流体中の導電性粒子を移動させて流体の構造を変化させ、流体の特性を制御することについては、開示されていない。
非特許文献1は、導電性粒子を移動させることが開示されているが、これら粒子同士を相互に作用させて、流体中に導電性粒子からなる構造物を形成することについては、開示されていない。
非特許文献2は、シリコンオイル等の非分極性の絶縁性流体に誘電体粒子を分散させ、電圧印加時に粒子間に発生する電気的ダイポールモーメントによる粒子間の相互作用により粒子を配列させることが開示されているが、電解質溶液等の導電性の液体を用いたものではない。
生体内、あるいはバイオ分野への適用を考慮すると、マイクロTASやDNAの解析等の応用には、シリコンオイル等の絶縁性流体ではなく、水やKCl水溶液等に代表される電解質溶液中で、流体の性質を制御することができれば、流体装置の応用範囲は広がることとなる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、電解質が溶解している溶液中の複数の導電体に交流電圧を印加することで、導電体の分散状態を変化させることが可能な流体制御装置を提供するものである。
本発明により提供される流体制御装置は、電解質が溶解している溶液と、該溶液中に分散している複数の導電体とを保持する液室と、前記液室の前記導電体に交流電圧を印加するための一対の電極とを備え、前記電圧の印加により前記溶液と前記導電体の界面に誘起される電気二重層に起因する電気浸透流により、前記複数の導電体間に相互作用をもたらし、前記複数の導電体を移動させると共に、前記電圧の印加に応じて、前記複数の導電体の分散状態を可逆的に変化させることを特徴とするものである。
本発明の流体制御装置は、電解質が溶けた溶液中の複数の導電体または導電複合体に交流電圧を印加することで、電気二重層に起因する電気浸透流により複数の導電体に流体力学的相互作用をもたらし、複数の導電体の分散状態を可逆的変化させることができる。導電体の分散状態が変化することで、流体の粘度、導電度、屈折率、偏光性等、種々の性質の制御が可能となる。
本発明の流体制御装置の一実施態様を示す模式的断面図である。 本発明の流体制御装置を駆動した効果の一例を示す図である。 本発明の流体制御装置を駆動した動作の一例を示す図である。 本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図である。 本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図である。 本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図である。 本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図である。 非対称構造または絶縁構造体と接する浮遊体の例を示す概略図である。
以下、本発明の流体制御装置について、図を参照しながら説明する。
本発明に係る流体制御装置は、電解質が溶解している溶液と、該溶液中に分散している複数の導電体とを保持する液室と、前記液室の前記導電体に交流電圧を印加するための一対の電極とを備え、前記電圧の印加により前記溶液と前記導電体の界面に誘起される電気二重層に起因する電気浸透流により、前記複数の導電体間に流体力学的相互作用をもたらし、前記複数の導電体を移動させると共に、前記電圧の印加に応じて、前記複数の導電体の分散状態を可逆的に変化させることを特徴とする。
図1は、本発明の流体制御装置の一実施態様を示す模式的断面図である。同図において、1及び2は一対の電極、3は半径Cの導電体(導電性浮遊構造体)、4は交流電圧印加用の電源、5は、幅w(例えば、100μm)、長さL(例えば、225μm)、深さd2(>w)の流体の流路を兼ねた液室である。6は、電界印加時、誘起電荷電気浸透現象によって、導電体3のまわりに発生する電気浸透流を示す。
iはx方向、jはy方向、Eは電界ベクトルの方向、Ψは電界ベクトルEがy軸と成す角を示す。
液室には、電解質が溶解している溶液と、該溶液中に分散している複数の導電体とを保持し、水や電解質水溶液など分極可能な溶液が充たされている。
本発明において、電解質とは、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化水素、塩化銅、水酸化ナトリウム、等を含み、水に溶解することで水溶液中を電流が流れるようになる物質を指す。
導電体とは、導電性の浮遊構造体または、導電性材料を含む絶縁体等との複合体を包含する。具体的には、例えば金、白金、炭素等の導電性微粒子、及びそれらとSiO等の絶縁体を含む複合体が挙げられる。導電体の形状は球形、楕円球、多面体等で、大きさはブラウン運動を無視でき、電界オフ時にコロイド的分散状態を保持するために、1μmから50μm程度が好ましい。
また、流体構造とは、上記導電体粒子を含む流体の微細構造を示す。
本発明では、電極からの電圧の印加により発生する電界により、導電体に誘起される電荷付近に形成される電気二重層部に電気浸透流が起こる。前記電気浸透流により導電体間に流体力学的相互作用がもたらされ、導電体を移動させると共に、前記電圧の印加に応じて、前記複数の導電体または導電複合体の分散状態を可逆的に変化させる。
本発明の装置は、体心立方格子(bcc(body−centered cubic)lattice)に対するボンド浸透の閾値をp(=0.18)とするとき、前記液室における前記導電体の体積占有体積pが、p>p−0.045となるものを包含する。
本発明の装置は、λをデバイ距離、Dを電解質が溶解している溶液のイオン拡散係数、wを(w/Nbx)−2c、cを導電体の粒子半径、Nbxを電極に垂直な方向に1次元的に数えた平均粒子数、wを電極間距離とし、τ=wλ/2D、τ=wλ/2Dとするとき、印加する交流電圧の駆動角周波数ωを、τ −1<ω<τ −1の範囲とすることができる。
本発明の装置は、前記液室のチャネル幅及び前記一対の電極間の距離が1mm以下の範囲とすることができる。
本発明の装置では、前記電圧印加により、前記一対の電極間の方向に対して垂直方向に前記導電体を配列させて柱状構造を構成させることができる。
電圧印加により、前記液室内の流体の粘性を制御する装置を本発明は包含する。
電極間のインピーダンスを検知するユニットを更に備えた装置を本発明は包含する。
本発明の装置では、前記液室内に外部とつながっているピストンを有し、該ピストンには前記導電体を保持する有孔ケージが連結し、前記電圧印加により前記導電体を移動させることによりピストンを移動させるアクチュエータを包含する。
従来、電極間にシリコンオイル等の非分極性の絶縁性流体に、シリカ等の誘電体粒子または炭素などの導電性微粒子を分散させて、電界印加時に粒子間に発生する電気的ダイポールモーメントによる粒子間の相互作用を利用して、電界方向に柱状構造を形成して、粘性を動的に変化させる素子が知られている(例えば、非特許文献2)。しかし、水やKCl水溶液等に代表される電解質溶液中で、流体力学的多粒子間相互作用を用いて微粒子の構造を変化させ、粘性等を動的に制御するデバイスは知られていない。
一方、マイクロTASやDNAの解析等への応用には、水やKCl水溶液等に代表される電解質溶液中で、動的に微粒子構造を制御する技術が必要とされている。
本発明は、オイル等の非分極性の絶縁性流体系ではなく、電解質溶液中で複数の導電体または導電複合体を相互に影響させながら動作させる流体力学的相互作用を用いた新規な多粒子系装置に関するものである。
また、マイクロTASやDNAの解析等への応用には印加電圧を下げること、及び微細化・集積化が重要となる。しかし、印加電圧を下げ、微細化するために、電極間距離を1mm程度より狭くしようとすると電極の分極効果に伴う遮蔽効果によって、デバイスに電界を印加できなくなり、デバイスを駆動できなくなり、デバイス性能を著しく劣化させてしまう恐れがあり、低電圧駆動が困難となる恐れがあった。また、流体ICへの応用へは、基板に対して高さ5μm以上、より好ましくは高さ10μm以上の一対の電極を配置し、該電極間に導電体または導電複合体を配置して、動作させることが集積率を向上させる上で重要である。
本発明は、電解質溶液で充たした液室と、前記液室内の溶液に浮遊して分散している複数の導電体または導電複合体と、前記液室近傍に配置した前記導電体にAC電界を与える電極とを備え、前記電界により、前記導電体に誘起される電荷付近に形成される電気二重層部に起こる電気浸透流により、前記導電体間に相互作用をもたらす装置であって、前記電極間の3次元浸透閾値であるbcc格子に対するボンド浸透の閾値をpとするとき、前記導電体の体積占有体積pが、p>p−0.045であること、及びτ(τ=wλ/2D)を電極の電気二重層充電時間、τ(τ=wλ/2D)を導電浮遊体の電気二重層充電時間とするとき、τ −1<ω<τ −1なるAC電界の駆動角周波数を有することにより、前記導電体または導電複合体の構造変化の制御を容易にした高性能の電気浸透による流体制御装置である。
ここで、誘電浮遊体からなる導電体の電気二重層充電時間τは、水やKCl水溶液などの電解質溶液などに代表される分極性溶液と、導電体の界面に電気二重層を形成する時間であって、導電体の周りに電気浸透の流れを起こし、電界方向に並んだ導電浮遊体に流体力学的引力を発生させ、電界に垂直方向に並んだ導電体に流体力学的反発力を発生させるのに必要な特徴時間である。すなわち、電気浸透の流れによる相互作用を利用した電気浸透装置の特有な特徴時間であり、電気的ダイポールモーメントを利用したデバイスでは、考えられない特徴時間である。
また、誘電浮遊体からなる導電体に電気二重層が形成されると導電体の表面に垂直な電界はゼロとなり、導電体に誘起される電荷及び電気的ダイポールモーメントは、導電体の表面付近に集まった反対符号の電荷を持ったイオンによって遮蔽されるため、電気的ダイポールモーメントによる相互作用が働かなくなる。すなわち、τ −1<ω<τ −1からなるAC電界の駆動角周波数で駆動する本発明は、従来の電気的ダイポールモーメントを利用したデバイスとは、全く異なるデバイスである。また、従来知られている電気粘性流体はシリコンオイル等の非分極性の絶縁性流体にシリカ等の誘電体粒子または炭素などの導電性微粒子を分散させたものであり、本発明のように通常、導電性と見なされる分極可能な電解質溶液に導電体または導電複合体を分散させたものとは、本質的に異なる。
本発明の流体制御装置によれば、電解質溶液と略浸透閾値以上の体積占有率を有する導電体を電極間に配置することによって、柱状構造の発生確率を上昇させて、十分な性能を発揮するのに必要な構造変化を起こせることができる。また、τ −1<ωからなるAC電界を印加することによって、電解質溶液を挟持した電極の分極に由来する遮蔽効果を防止して導電体に電界を印加できる効果がある。また、ω<τ −1からなるAC電界を印加することによって、導電体のまわりに電気2重層を発生させるだけの電界充電時間を与えることができる。そのために、導電体の周りに誘起電荷電気浸透現象による大きな特徴速度を持った電気浸透流を発生させて、導電体の粒子間に大きな流体力学的な相互作用を発生させて、導電体による柱状構造を高速に発生させることができる。また、電極間隔が1mm以下と狭い場合にも、電極の分極に由来する遮蔽効果を防止できるため、電解質溶液中において、低電圧駆動で導電体による柱状構造を高速に発生させることができる。
すなわち、本発明は、電解質溶液中において、略浸透閾値以上の体積占有率を有する導電体を電極間に配置して、τ −1<ω<τ −1なるAC電界を印加することによって、低電圧駆動で有為な導電体による柱状構造を高速に発生させることができる。なお、柱状構造とは、導電体粒子が流体力学的相互作用によって電界方向に鎖状に可逆的に並んだ構造を示す。
図1に示す流体制御装置により、本実施例を説明する。同図において、1、2は一対の電極、3は半径Cの導電浮遊構造体、4は電源、5は幅w(=100μm)、長さL(=225μm)、深さd2(>w)の流路を兼ねた液室であり、流路には水や電解質水溶液など分極可能な溶液が充たされている。ここで、一対の電極1、2には、DCまたはAC電界を流路に印加する手段である。また、6は電界印加時、誘起電荷電気浸透現象によって、導電体のまわりに発生する電気浸透流を示す。
本実施例では、電解質溶液で充たした液室5と、前記液室5内の電解質溶液に分散している複数の導電体3と、前記液室近傍に配置した前記導電体3にAC電界を与える電極とを備え、前記電界により前記導電性浮遊体に誘起される電荷付近に形成される電気二重層部に起こる電気浸透流により、浮遊体からなる前記導電体3間に相互作用をもたらす。
例えば、好ましい条件として、前記電極間の3次元浸透閾値をpとするとき、前記浮遊体の体積占有率pが、p>p−0.045であること、及び、τを電極の充電時間、τを粒子の充電時間とするとき、τ −1<ω<τ −1なるAC電界の駆動角周波数を有することにより、導電体の構造変化制御を容易にした高性能の電気浸透装置を提供できる。ただし、τ=wλ/2D,τ=wλ/2Dであり、λはデバイ距離、D(〜10−9/s)は電解質溶液のイオン拡散係数、w=(w/Nbx)−2c、cは粒子半径、Nbxは電極に垂直な方向に1次元的に数えた平均粒子、wは電極間距離であり、かつ流路幅である。ここで、電解質溶液が水の場合、λ〜1nmとなり、w=100μm、Nbx=4,c/w=0.08ならば、w/w=0.09,τ=0.05ms,τ=0.018msとなり、20krad/s<ω<222krad/sなるAC電界の駆動角周波数を有する。また、粒子数密度をnとするとき、Nbx=wn1/3である。
本実施例では、電極間に、電解質溶液と略浸透閾値以上の体積占有率を有する複数の導電体を配置することによって、導電体からなる柱状構造の発生確率を上昇させて、十分な性能を発揮するのに必要な構造変化を起こすことができる。また、τ −1<ωなるAC電界を印加することによって、電解質溶液を挟持した電極の分極に由来する遮蔽効果を防止して導電浮遊体に有為な電界を印加できる。ω<τ −1なるAC電界を印加することによって、導電体のまわりに電気二重層を発生させるだけの電界充電時間を与えることができる。そのために、導電体の周りに誘起電荷電気浸透現象による大きな特徴速度を持った電気浸透流を発生させて、導電体の粒子間に大きな流体力学的な相互作用を発生させて、導電体に柱状構造を高速に発生できる。
図2は、本発明の流体制御装置を駆動した効果の一例を示す図である。電極1、2に電圧を印加した時の流路内の流速ベクトルの分布及び円形導電体3の配置を示す図である。ただし、流速は誘起電荷浸透効果を考慮したストークス方程式から計算したものであり、w=100μm、L/w=2.25、L/w=1.3、b/w=0.4、c/w=0.08、印加電圧V=1.88Vとして計算している。ただし、Lは図1に示すように粒子の移動範囲を制限し、有限の粒子N(=18)で粒子の数密度N/(Lw)条件を課す計算パラメータである。ここで、図2(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれt=0,80、195、395、700、1000msの時の計算値であり、t=195msで微小柱状構造が形成され、多少の動きはあるが、t=195から1000msの期間でおおむね安定に微小柱状構造を保持する。
図2(e)、(f)は、微小構造が電界印加中はおおむね安定に保持されることを示す。
すなわち、本発明は、特に、前記液室3がチャネル幅1mm以下の流路であり、前記電界により、電極間に垂直な方向に微小柱状構造を構成させる、高性能電気浸透装置である。
また、図3は、本発明の流体制御装置を駆動した動作の一例を示す図である。図3(a)は<Sx>の時間変化を示す図である。ただし、Sxはx方向(電界方向)の各サンプルのx方向のクラスターサイズを示すパラメータであり、<Sx>はNs(=20)回の試行に対する平均値である。図3(a)に示すようにx方向のクラスターが400ms程度で一定値に近づいていることを示す。すなわち、電界方向に形成される微小柱状構造が偶然できるのではないことが判る。
また、図3(b)、(c)は<G>の時間変化を示す図である。ただし、Gは電極の上と下が粒子で繋がったとき1で、繋がらないとき0となるパラメータであり、<G>はNs(=20)回の試行に対する平均値である。図3(b)、(c)に示すように400ms程度で一定値に近づいてことを示す。上電極と下電極が導電体3で繋がった微小柱状構造が偶然できるのではないことが判る。
また、計算によると<G>=P(L0)fc(t)なるスケーリング式が成り立つことが分かった。ただし、P=<G>t=∞=1/(exp((L−L th)/ΔL+1)であり、fcはクラスター形成に関係した式でtが十分大きいときは1となる。図3(d)は数値計算(△印)と上記スケーリング式(点線)で求めたPのL0/w依存性を示す図である。ただし、L th=1.35,ΔL=0.3である。図3(d)より、L0の<G>に対する閾値は1.2から1.6程度であり、体積占有率にして、0.29−0.38に相当し、これは、二次元三角格子に対するボンド浸透の閾値0.35とほぼ一致する。ここで、体積占有率に関する閾値の幅Δpcは、Δpc=0.38−0.29=0.09である。すなわち、<G>は、体積占有率pに対して、幅約0.1の浸透閾値pcにおいて、閾値幅Δpc=0.09で急峻に0から略1に変化する。また、対応する3次元問題のbcc格子に対するボンド浸透の閾値はpc=0.18である。それゆえ、現実の三次元系に対して、本発明は,流路幅が1mm以下でレイノルズ数が100以下と低く乱流が発生しないストークス流れの状態で、p>pc−ΔL/2=0.18−0.09/2=0.18−0.045=0.135、すなわち、p>0.135で、電界に対して、有為な微小柱状構造を発現することを利用した電気浸透装置あり、表面の突起部等の電界集中を利用した微小ワイヤーの形成技術とは本質的に異なる。
図4は、本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図であり、本発明の実施例2を示す図である。図4において、41、42は流路を構成する上基板、下基板であり、43a,43b,43cは第一、第二、第三流路、44b,44cは電圧印加手段、45aは流体入口、45b,45cは流体出口であり、46b,46cは浮遊構造体を保持する手段であるフィルターである。
実施例2は、前記液室内の液体のマクロな粘性を前記電界の印加によって制御することを除いて、実施例1と同様である。第一流路から第二流路及び第三流路への流れは、電圧印加手段44b,44cで印加される電圧のオン・オフによって制御される。すなわち、電圧印加手段44bへの電圧印加で第一の流路内に微小柱状構造が形成され、第一流路のみかけの流抵抗を高くして、流体を流れにくくできる。また、電圧印加手段44cへの電圧をオフとすることで、流体を第三流路に流れやすくできる。すなわち、本実施例は流体バルブとして用いることができる。
図5は、本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図であり、本発明の実施例3を示す図である。図5において、51は固定された電極であり、回転軸の役割を果たす。また、52は回転電極であり、53は導電浮遊体、54は電圧印加手段、55は液室である。
実施例3も、前記液室内の液体のマクロな粘性を前記電界の印加によって制御することを除いて、実施例1と同様であり、電圧印加で電極間に微小柱状構造を形成することにより、電極間のマクロ粘性を増大させ、回転電極52の回転速度を抑制するものである。すなわち、本実施例はブレーキに応用できる。
図6は、本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図であり、本発明の実施例4を示す図である。実施例4は、電極間のインピーダンスを検知する手段61を有し、前記電界を印加して、電極間の導電浮遊体配置を変化させ、前記電極間のインピーダンスを検知する電気浸透デバイス部を有することを除いて、実施例2と同様である。
すなわち、第一流路43aに電圧印加手段52を用いて電圧を印加することによって、微小柱構造を電極間に形成するとともに、インピーダンス検知手段61を用いてインピーダンス測定を行うことによって、流路を流れる流体の特性変化を動的に検出できる。
図7は、本発明の流体制御装置の他の実施態様を示す模式的断面図であり、本発明の実施例5を示す図である。実施例5は、前記液室70と外部をつなぐピストン71を有し、該ピストンに前記導電浮遊体72を保持する有孔ケージ73を有し、前記導電浮遊体72が非対称構造または絶縁構造体と接することを特徴とする。前記電界により前記ピストン71を並行移動させることを除いて実施例1と同様である。
すなわち、アクチュエータを構成できる効果がある。ただし、74は液室70の支持体であり、75、76は電極である。また、図8は非対称構造または絶縁構造体と接する浮遊体の例を示す概略図である。81a−dは絶縁体部、82a−d導電体部を示す。図7において、電界を印加すると非対称性の効果により、一方に導電浮遊体を移動させることができるため、ピストン71に接続した有孔ケージ73を使うとピストンを液室に対して相対的に移動させることができる効果がある。
本発明の流体制御装置は、電解質が溶解している溶液中の複数の導電体または導電複合体に交流電圧を印加することで、導電体の分散状態を変化させることができ、流体バルブ、アクチュエータ、センサ、光制御素子等として利用することができる。
1、2 電極
3 導電体
4 電源
5 液室
6 電気浸透流

Claims (5)

  1. 電解質が溶解している溶液と、該溶液中に分散している複数の導電体とを保持する液室と、前記液室の前記導電体に交流電圧を印加するための一対の電極とを備え、前記電圧の印加により前記溶液と前記導電体の界面に誘起される電気二重層に起因する電気浸透流により、前記複数の導電体間に相互作用をもたらし、前記複数の導電体を移動させると共に、前記電圧の印加に応じて、前記複数の導電体を電界方向に鎖状、且つ可逆的に配列させる流体制御装置であって、
    体心立方格子に対するボンド浸透の閾値をp とするとき、前記液室における前記導電体の体積占有体積pが、p>p −0.045であり、
    λ をデバイ距離、Dを前記電解質が溶解している溶液のイオン拡散係数、w を(w/N bx )−2c、cを前記導電体の粒子半径、N bx を前記電極に垂直な方向に1次元的に数えた平均粒子数、wを前記一対の電極間の距離とし、τ =wλ /2D、τ =w λ /2Dとするとき、印加する前記電圧の駆動角周波数ωを、τ −1 <ω<τ −1 の範囲とし、
    前記液室のチャネル幅及び前記一対の電極間の距離が1mm以下の範囲であることを特徴とする流体制御装置。
  2. 前記電圧印加により、前記一対の電極間の方向に対して垂直方向に前記導電体を配列させて柱状構造を構成させることを特徴とする請求項1に記載の流体制御装置。
  3. 前記電圧印加により、前記液室内の流体の粘性を制御することを特徴とする請求項1に記載の流体制御装置。
  4. 前記電極間のインピーダンスを検知するユニットを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の流体制御装置。
  5. 前記液室内に外部とつながっているピストンを有し、該ピストンには前記導電体を保持する有孔ケージが連結し、前記電圧印加により前記導電体を移動させることによりピストンを移動させることを特徴とする請求項1に記載の流体制御装置。
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