JP5473403B2 - 液体駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体駆動装置に関し、具体的にはポンプ装置等に適用可能な、誘起電荷電気浸透を用いた液体駆動装置に関する。
電気浸透を用いるマイクロポンプは、可動部がなく構造が比較的簡単である、微小流路内への実装が容易等の理由でμTAS(Micro−Total Analysis System)等の分野で使用されている。
近年、誘起電荷電気浸透(Induced−Charge Electro Osmosis)を用いたマイクロポンプが、液体の流速を大きくでき、また電極と液体の間に生ずる化学反応をAC駆動可能により抑制できる等の理由から着目されている。
また、特許文献1及び非特許文献1には、誘起電荷電気浸透を用いたポンプであって、(1)電極間においたメタルポストの半分に誘電体薄膜のコートを施すことで、電界によりメタルポスト中に誘起される電荷の領域を制御して、液体の流れを制御したポンプ(ハーフコート型ICEOポンプ)、(2)電極間に三角形状など非対称形状のメタルポストを配置して液体の流れを一定方向に制御したポンプ(非対称金属ポスト形状型ICEOポンプ)が開示されている。
US 7081189 B2
M.Z.Bazant and T.M.Squires,Phys. Rev. Lett.92,066101(2004)
上記の特許文献1及び非特許文献1に記載された(1)ハーフコート型ICEOポンプは、メタルポストを部分的に覆う誘電体膜の形成が必要であり、製造工程の増加、マスク枚数の増加等が生ずる。そのため、低コストで性能の優れた装置を提供するという観点からは別のアプローチも要望されている。
上記(2)の非対称金属ポスト形状型ICEOポンプは、メタルポストの形状を工夫して、液体の流れを全体として一定方向とするものであるが、単に形状の工夫だけでは、順方向の流れの他、逆方向の流れが不可避的に生ずる。そして、逆方向の流れを抑制できれば、ポンプから送り出される液体の流速の更なる増大が望まれる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、液体の順方向への流れに対して、導電性部材の形状によらずに不可避的に生ずる液体の逆方向の流れを抑制することができる液体駆動装置を提供するものである。
本発明により提供される液体駆動装置は、液体を搬送するための流路と、前記流路内に設けられた導電性部材と、該導電性部材に電界を与える電極とを備え、前記電界により前記導電性部材のまわりに発生する電気浸透流によって前記液体に駆動力を付与して液体を搬送する液体駆動装置であって、前記導電性部材を基準として発生する、前記流路内の順方向への液体の流れと、逆方向への液体の流れの内、前記逆方向への流れを抑制する抑制部材が前記導電性部材の近傍に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、液体の順方向への流れに対して、導電性部材の形状によらずに不可避的に生ずる液体の逆方向の流れ(リバースフロー)を抑制することができる液体駆動装置を提供することができる。これにより順方向への液体の搬送をより大きな速度で行うことが可能となる。
本発明の液体駆動装置の一構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置により駆動される液体の流れを説明する説明図である。 本発明の液体駆動装置により駆動される液体の平均流速Upと流路幅w等との関係を示すグラフである。 本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図である。 本発明の液体駆動装置により駆動される液体の平均流速と部材の世代番号Nとの依存性を示すグラフである。 従来の液体駆動装置により駆動される液体の流れを示す図である。
以下、本発明の液体駆動装置について、図を参照して説明する。
本発明に係る液体駆動装置は、液体を搬送するための流路と、前記流路内に設けられた導電性部材と、該導電性部材に電界を与える電極とを備え、前記電界により前記導電性部材のまわりに発生する電気浸透流によって前記液体に駆動力を付与して液体を搬送する液体駆動装置であって、前記導電性部材を基準として発生する、前記流路内の順方向への液体の流れと、逆方向への液体の流れの内、前記逆方向への流れを抑制する抑制部材が前記導電性部材の近傍に設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明の液体駆動装置の一構成例を示す模式図である。図1において、本発明の液体駆動装置は、液体17を搬送するための流路14と、前記流路14内に設けられた導電性部材11と、該導電性部材11に電界を与える電極10a,10bとを備え、前記電界により前記導電性部材11のまわりに発生する電気浸透流によって前記液体に駆動力を付与して液体を搬送する。
図1の液体駆動装置においては、電極10a及び10b間に電圧を印加することで電界が生じ、この電界により導電性部材11の表面に電荷が誘起される。誘起された電荷に液体17中の帯電成分(陽イオン、負イオン等)が吸い寄せられて、所謂、電気二重層が形成され、電気二重層の周囲を帯電成分が移動して液体の流れが生ずる。この液体駆動装置は、導電性部材11に誘起された電荷が結果的に液体に駆動力を付与し、液体の流れを生じさせる誘起電荷電気浸透を利用するものである。
図1において、液体の流れは、導電性部材11のまわりに順方向の流れ15(第一の方向への流れ)と、逆方向の流れ(順方向以外の方向の流れ・リバースフロー、第二の方向への流れ)16とがあり、この逆方向の流れ16を抑制する抑制部材12a、12bが導電性部材11の近傍に、且つ導電性部材11からずらせた位置に設けられている。
抑制部材12a(12b)は、電荷を誘起する導電性部材11の近傍で、該導電性部材からずらせた位置に液体の逆方向の流れ16を抑制するために設けたことで、導電性部材の形状によらずに不可避的に生ずる逆方向の流れ(第二の方向への流れ)を抑制できる。これにより順方向への液体の搬送をより大きな速度で行うことが可能となる。
抑制部材12a(12b)による逆方向の流れの抑制は、導電性部材11と抑制部材12a(12b)で挟持してできる狭い流路幅の流路による逆方向流量制限作用による。
導電性部材からずらせた位置とは、前記導電性部材及び前記抑制部材が、それぞれの重心が互いにずれた位置に設けられており、導電性部材の重心と、抑制部材の重心とが液体の流れる方向に関して一致せずに、互いにずれているという意味である。
ここで、導電性部材を基準として、逆方向の流れ(第二の方向への流れ)を効果的に抑制するためには、抑制部材は導電性部材に比べて大きさが小さいことが好適である。また、液体の流れの順方向(第一の方向)において、抑制部材の長さが導電性部材の長さよりも小さいことが好適である。抑制部材の長さは、導電性部材の長さの1/2程度とすることが好ましい。
また、流路14内に設けられる導電性部材の数は、1つの流路に対して1つに限られるものではなく、複数とすることもでき、導電性部材の数に応じた数の抑制部材を配置することも可能である。
図1に示した例では、一対の抑制部材12a、12bは、1個の導電性部材11を挟む様に配置されているが、抑制部材の個数と配置はこれに限られるものではなく、複数個の導電性部材に対して、一個の抑制部材を設ける場合や、3個以上の抑制部材を設ける場合でもよい。
導電性部材を構成する材料は、電界により電荷を誘起する材料が用いられ、金属(例えば、金、白金)の他、炭素や炭素系の材料等が挙げられる。しかしこの部材についても搬送する液体に対して安定な材料で構成するのが好適である。
抑制部材を構成する材料は、金、白金、炭素、炭素系導電体等の導電性材料の他、半導体材料、誘電体材料等から適宜選択できるが、搬送する液体に対して安定な材料で構成するのが好適である。
前記液体の流れの順方向に対面する前記導電性部材の先端部が曲面または鋭角を備えていることが好ましい。
前記抑制部材の近傍には、さらに前記抑制部材よりも小さい別の抑制部材が配置されていてもよい。
図1においては、導電性部材11に電界を与える電極として対向する一対の電極10a、10bが設けられているが、導電性部材11に電荷が効果的に誘起できる配置であれば、3個あるいは4個以上を配置することも可能である。電極を構成する材料としては、金属等からなる一般的な電極材料の他、金、白金、炭素、炭素系導電体等が挙げられる。また、図1では、AC(交流)電界を用いて駆動する例を示しているが、DC(直流)電界を用いることも可能である。
本発明において、流路14は、μTAS等の分野で一般的に使用される材料で構成することができる。具体的には、搬送する液体に対して安定な材料で構成でき、そのような材料としては、SiO、Si、フッ素樹脂、高分子樹脂等が挙げられる。
本発明において、流路14内を搬送可能な液体は、基本的には、帯電成分を含有する極性分子を含むものであり、水や、各種電解質を含む溶液等が挙げられる。しかし、液体が帯電成分を含まないものであっても、キャリアとして用いる液体が帯電成分を含むものであれば、流路内でキャリアを使って帯電成分を含まない液体を搬送することが可能となる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1を用いて本実施例を説明する。図1は、本発明の液体駆動装置を示す断面図である。図1は導電性部材と抑制部材とを近傍配置することで、ポンプ効果を発生させるものである。
同図1において、10a、10bは一対の電極であり、11は導電性部材(近傍に他の構造体がない場合は順方向流れと逆方向流れを生じさせる第一世代電極ポスト)、12a、12bは抑制部材(第一世代の発生する逆流を抑制する第二世代電極ポスト)である。ここでは、導電性部材11と抑制部材12a、12bとを階層型積層構造としてとらえることもでき、この場合、k世代の導電構造体の発生する逆方向流れをk+1世代の抑制部材で抑制することになる。
流路14は、幅w(=100μm)、長さL(=225μm)、深さD(>w)の直方体形状の流路であり、流路には水や電解質水溶液など分極可能な溶液が充たされている。15および16は、電界印加時、誘起電荷電気浸透現象によって、導電性部材11のまわりに発生する流れを示し、15は順方向の流れ、16は逆方向の流れを示す。本実施例の装置は、誘起電荷浸透(ICEO)を用いたマイクロポンプであり、導電性部材11と、抑制部材12a、12bとを互いに接近して配置して逆方向の流れ16を抑制するものである。
導電性部材の材料は白金、金、炭素及び炭素系導電化合物等の電気化学的に不活性な材料であり、抑制部材の材料は絶縁体または導電体で良いが階層構造を形成する場合は白金、金、炭素及び炭素系導電化合物等導電部材と同じものを使う方がプロセス上有利である。
導電性部材11(第一の金属ポスト)の逆方向の流れ16の発生部近傍に、該発生部の長さbと略等しい長さの抑制部材(第二の金属ポスト)12a、12bを接近配置させている。
図1に示した装置においては、流路幅w、導電性部材11と抑制部材との間隙幅をδ、導電性部材11の厚みを2cとするとき、δ<cとなるように抑制部材を接近して配置させることが効果的な逆方向の流れの抑制の観点から好適である。更に、(δ/w)(c/w)<0.03となるように抑制部材を接近して配置させることがより好適である。ここで、cは無限平行板を想定してその平行板で挟持して測る導電部材の厚みの半分の長さを示す。楕円柱ポストの場合には、2cは短軸長さを示すこととなる。
本実施例では、2cは楕円形状型の導電性部材の短軸長さ(短径)であり、2bは楕円形状型の導電性部材の長軸長さ(長径)であり、dは楕円形状の導電性部材と楕円形状の抑制部材間の重心間距離である。また、間隙δは導電性部材11と抑制部材12a(12b)間に配置できる2枚の仮想平行平板の平行平板間距離の最大値であり、実施例1で示す導電楕円柱の積層構造の場合は、δ=d−2cによって定義される楕円形状導電性部材11と楕円形状抑制部材12a(12b)間の間隙を示す。
図1において、Eは電界、iはy方向単位ベクトル、jはx方向単位ベクトル、nは階層型構造を持つ楕円構造体の世代番号の表示、xは電極面に垂直なx座標軸、yは電極面に平行なy座標軸、1は第一世代導電楕円構造体の世代番号、2は第二世代導電楕円構造体の世代番号を示す、θ(=90°)は楕円構造体のy軸に対する傾き角、Ψ(=90°)は電界ベクトルEのy軸に対する傾き角、eは楕円構造体にはりついた短軸方向座標軸の単位方向ベクトル、Vsは電界印加によって楕円構造体まわりに発生する電気浸透流による電気二十層外側の所謂“すべり速度”、ψは楕円体表面上の位置を特定するパラメータを示す。
次に、本発明の液体駆動装置の特性について説明する。図2は、本発明の液体駆動装置により駆動される液体の流れを示す説明図であり、流路内の流速ベクトルの分布図を示す図である。
ここで、流速は誘起電荷浸透効果を考慮した下記の数式(1)に示すストークスの方程式に基づいて算出したものであり、2w=100μm、b/w=0.4、c/w=0.025、印加電圧V=2.38Vとして算出している。
(数式1)
Figure 0005473403
ただし、
Figure 0005473403
は代表速度、β=c/b、
Figure 0005473403
はψで特定される楕円構造体の位置、
Figure 0005473403
は単位接線ベクトル、
Figure 0005473403
である。
また、μ(〜1mPa・s)は粘性、vは流速ベクトル、vはすべり速度ベクトル、pは圧力、ε(〜80ε)は溶液(典型的には水)の誘電率、εは真空の誘電率である。
図2は、実施例1の液体駆動装置により駆動される液体の流れを説明する説明図である。
図2(a)は、抑制部材を設けず、導電性部材11だけを配置した場合の流速ベクトルの分布を示す。図2(a)から、孤立した導電性部材では、順方向流れと逆方向の流れが等しくなるため、液体を順方向に押し出す正味の流れが発生せずポンプ作用が生じないことが判る。
これに対して、図2(b)乃至図2(d)では、逆方向の流れ発生部に、抑制部材を接近させて配置した場合の流速ベクトルの分布を示す。
図2(b)は、導電性部材を挟んで、両側に長さの異なる抑制部材を2個ずつを配置した例、図2(c)は、片側に長さの異なる抑制部材2個を配置した例、図2(d)は、2個の導電性部材の対向する面の各々側に長さの異なる抑制部材2個をそれぞれ配置した例を示す。
図2(b)乃至図2(d)より、抑制部材を設けることで逆方向の流れが効果的に抑制され、左から右への正味の順方向の流れが発生し、効果的なポンプ作用が実現できることが理解される。
ここで、ポンプの性能を示す流速Up(流路14の入口で計った平均流速)は、図2(a)から(d)で、それぞれ、Up=0(a)、1.31(b)、0.97(c)、1.51(d)mm/sとなり、通常の線形型電気浸透ポンプよりもおよそ一桁高い値(図2(b)乃至図2(d))が得られた。
図3は、図2(b)に示した構成の装置の平均流速Upとδ/w及びc/wの関係を示したグラフである。ここで、平均流速Upは、図2の流速と同様に誘起電荷電気浸透効果を考慮したストークスの方程式によって算出した。ただし、ここでは、w=100μm、b/w=0.4、印加電圧2.38Vとして算出した。
図3に示すように、c/w=0.1のときδ/w<0.03程度、c/w=0.05のときδ/w<0.07程度、c/w=0.025のときδ/w<0.1程度で、正味の順方向流れが得られることが理解される。このことから(δ/w)(c/w)<0.03程度を満足すれば、ポンプ作用が得られることが分かる。
また、長さ2b(=0.8w)の導電性部材を第一世代金属ポストとし、その両側の逆方向の流れ発生部に半分の長さ(=b)の抑制部材(第二世代金属ポスト)を接近・積層配置し、これをN世代まで階層的に繰り返す構造も好適である。
また、階層的構造を考慮することで、階層型積層ポンプの平均流速は次式で表される。
Figure 0005473403
ただし、
Figure 0005473403
すなわち、本発明は
Figure 0005473403
の条件で効果的である。すなわち、階層型積層では
Figure 0005473403
の条件で効果的である。
上式で、Nは最終世代の番号、v maxは導電楕円柱の最大すべり速度、η
ハーフコートポンプの本質的効率、
Figure 0005473403
は流路が狭まる効果の係数。また、KとKは流体の流れを妨げる障害物の幅であり、タイプA、タイプB,タイプCのポンプに対して、それぞれ、
K=2c(2N−1)+2δ(N−1)、2cN+δ(N−1)、4cN+2δ(N−1)、K=2c、2c+δ、4c+2δ、σ=1.9,0.7,0.7、η=1,0.5,1である。また、ハーフコートポンプの平均流速は
Figure 0005473403
表わされることから、η=0.12と決定できる。ただし、
Figure 0005473403
である。ここで、タイプAは図2(b)に示すように第一世代の導電構造体の両側に第二世代以降の導電構造体を階層的に積層するポンプである。(また、タイプBは図2(c)に示すように第一世代の導電構造体の一方の側の近傍に流路壁を有し他方の側に第二世代以降の導電構造体を積層するポンプである。また、タイプCは図2(d)のように、タイプBのポンプを流路の両側に配置した積層型ポンプである。
図9は平均流速Upの世代最終番号Nの依存性を示す図であり、図9では上記したモデル式による計算値を実線及び破線で示し、ストークス方程式の数値解の値をキャラクター(黒色□、黒色△、白色○、黒色○)で示した。
同図よりモデル式がよく現象を説明していることが理解される。ただし、図9(a)はAタイプ、図9(b)はBタイプ、Cタイプの計算を示す。
この構造では、電極と金属ポストの間隔を大きくできるので、製造過程で問題となる恐れがある導電性ごみ等による電極と金属ポストの短絡不良を少なくできる効果がある。
図4は、本発明の液体駆動装置の他の構成例を示す模式図であり、本発明の液体駆動装置を基板上に構成した例を示す。
図4(a)は、絶縁基板41a上に一対の化学的に不活性な導電体材料からなる電極(不活電極)42a(1および2と同じ)と化学的に不活性な導電体材料からなる不活導電柱状構造体43a(11、12a、及び12bと同じ)を、Deep−RIE(Reactive Ion Etching)やGIGAプロセス等に代表される高アスペクト比3次元構造体作成技術を用いて、同時に形成した後、カバーガラスを上面に配置して、流路45aを形成する積層型ICEOポンプを示す。
また、図4(b)は、不活薄膜電極46を配置した絶縁基板41bと不活薄膜電極47を配置した絶縁基板44bをスペーサ48を介して対峙させて流路45bを構成し、不活導電構造体43b(11、12a、及び12bと同じ)を流路内の宙空位置に配置した積層型ICEOポンプを示す。ただし、中空の導電構造物43b(11、12a、及び12bと同じ)は流路の側壁等によって支持されている。ここで、不活電極としては、金、白金、炭素及び炭素系導電体等を使用することができる。
比較例1
図10は、従来技術を示し、メタルポスト(導電性部材)の形状を三角柱型に形成して、順方向の流れを生じさせる非対称型三角ポスト型ICEOポンプの流速分布を示す図である。導電性部材の材料は電気化学的に不活性な材料とする。
図10は、図2と同様に誘起電荷電気浸透効果を考慮したストークスの方程式によって算出したものである。ただし、三角形は底辺0.29w、高さは0.8wの二等辺三角形であり、図2(b)に示した抑制部材と導電性部材とほぼ同じ程度の大きさを持つものとした。
図10に示すように、非対称型三角ポストポンプでは、導電体表面の逆流の方向を垂直方向に変えるだけなため、後方への流れ(逆方向の流れ)を十分に抑制することは困難となっている(左向きの流れが発生)。
また、図10の非対称型三角ポスト型ポンプの性能を示す平均流速Upは0.11mm/sと計算され、実施例1で示した本発明の液体駆動装置の方が高いポンプ性能を有することが確認された。
図2(c)及び図2(d)は、本発明の実施例2を示す図である。実施例2は、楕円の長軸長さ2b(=0.8w)の楕円型柱状金属ポストをk世代金属ポストとし、その片側を電極界面10aに接近させ、もう一方の側の逆方向の流れ発生部に該楕円型柱状金属ポストの半分の長さ(=b)のk+1世代楕円型柱状金属ポストを接近・積層配置し、これをN世代まで階層的に繰り返すことを除いて実施例1と同様である。
この構造では、電極界面付近の摩擦を軽減できる効果がある。
図5は、本発明の実施例3の液体駆動装置の構成例を示す模式図である。実施例3は、導電性部材と抑制部材が四角柱、三角柱、円柱、楕円柱など任意の多角柱(11,12)の組み合わせであることを除いて、実施例1と同様であり、流抵抗等を減少させるための設計選択肢を増加させる効果がある。
図5は、本発明の実施例4の液体駆動装置の構成例を示す模式図である。実施例4は、導電性部材と抑制部材が、四角柱、三角柱、円柱、楕円柱など任意の多角柱の導電構造体11と絶縁構造体12の任意の組み合わせあることを除いて、実施例1及び実施例3と同様であり、流抵抗等を減少させるための設計選択肢を増加させる効果がある。
図7及び図8は、本発明の実施例5の液体駆動装置の構成例を示す模式図である。実施例5は、抑制部材を兼ねた導電構造体も含む複数の導電構造体11、12間が、絶縁体13、20で結合されていることを除いて、実施例1及び実施例3と同様であり、作成プロセスの選択肢を増加させる効果がある。図8において、30は基板、20は絶縁体(絶縁層)、50は液体の導入口、60は液体の出口をそれぞれ示す。
本発明の液体駆動装置は、液体の順方向への流れに対して、導電性部材の形状によらずに不可避的に生ずる液体の逆方向の流れを抑制することができるので、化学分野、医用分野、エレクトロニクス分野をはじめとする種々の分野で利用できる。
10a,10b 電極
11 導電性部材
12a、12b 抑制部材
14 流路
15 順方向の流れ(第一の方向への流れ)
16 逆方向の流れ(第二の方向への流れ)

Claims (8)

  1. 液体を搬送するための流路と、前記流路内に設けられた導電性部材と、該導電性部材に電界を与える電極とを備え、前記電界により前記導電性部材のまわりに発生する電気浸透流によって前記液体に駆動力を付与して液体を搬送する液体駆動装置であって、前記電極が前記流路に対して平行に設けられており、前記導電性部材を基準として発生する、前記流路内の順方向への液体の流れと、逆方向への液体の流れの内、前記逆方向への流れを抑制する抑制部材が前記導電性部材の近傍に設けられていることを特徴とする液体駆動装置。
  2. 前記導電性部材及び前記抑制部材は、それぞれの重心が互いにずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体駆動装置。
  3. 前記流路の幅をw、前記導電性部材と前記抑制部材と間隙の幅をδ、前記導電性部材の厚みを2cとすると、(δ/w)(c/w)<0.03を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の液体駆動装置。
  4. 前記抑制部材は、前記導電性部材に比べて大きさが小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の液体駆動装置。
  5. 前記液体の流れの順方向において、前記抑制部材の長さが前記導電性部材の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の液体駆動装置。
  6. 一対の前記抑制部材が、前記導電性部材を挟む様に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の液体駆動装置。
  7. 前記液体の流れの順方向に対面する前記導電性部材の先端部が曲面または鋭角を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の液体駆動装置。
  8. 前記抑制部材の近傍には、さらに前記抑制部材よりも小さい別の抑制部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の液体駆動装置。
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