JP5305254B2 - 標的物質の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、標的物質の検出方法、プローブ、標的物質検出装置、アプタマーのスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置に関する。
アプタマーは、特定の物質に結合する核酸(DNA、RNA、PNA等)またはペプチドであり、医薬、生物工学等を含む様々な分野で注目されている。アプタマーは、例えば、SELEX(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)法を用いて、核酸ライブラリから有意な結合能を示す配列を選別することにより取得できる。このアプタマーの特異的結合能を利用し、疾病診断、環境モニタリングおよび所持品検査用等のセンサが開発されている。このようなセンサは、アプタマーの標的物質との結合による電気化学的変化、光学的変化、質量変化等を検出する。このようなセンサの中でも、電気化学的変化を検出するセンサが、装置小型化の観点から、多く開発されている。
アプタマーを用いるセンサは、例えば、下記特許文献1から4および下記非特許文献1から4に開示されている。
特許文献1は、生物電気的センサを開示している。このセンサは、アプタマーの一端は電極反応物質で修飾されており、別の一端は電極に固定されている。
特許文献2は、核酸プローブを用いる被検物質の検出方法を開示している。この検出方法は、標識被検物質−核酸リガンド複合体を解離し、標識物質に基づき検出する。
特許文献3は、電極構造を用いた巨大生体高分子の検出方法を開示している。この検出方法では、電極に固定されたアプタマーに、電極反応物質を修飾した相補鎖がハイブリダイズしている。
特許文献4は、核酸および/またはポリペプチドを検出するための方法を開示している。この方法では、標的核酸またはポリペプチドをリガンド複合体で標識する。
非特許文献1は、アプタマーバイオセンサの電気化学的検出法を開示している。この方法では、電極表面に固定したアプタマーに、電極反応性を有するインターカレータが挿入されている。
非特許文献2は、標的反応性電気化学アプタマースイッチを開示している。このセンサでは、アプタマーの一端は電極反応物質で修飾されており、別の一端は電極に固定されており、前記アプタマーに、相補鎖がハイブリダイズしている。
非特許文献3は、アプタマー電気化学センサを開示している。このセンサでは、電極に固定されたアプタマーに、電極反応物質で修飾された相補鎖がハイブリダイズしている。
非特許文献4は、アプタマーに相補的なDNAオリゴヌクレオチドを用いるアプタマー電気化学センサを開示している。このセンサでは、一端を電極反応物質で修飾し、別の一端を電極に固定した相補鎖に、アプタマーがハイブリダイズしている。
米国特許公報US20070020641号公報 特開2006−129866号公報 特表2004−524534号公報 特表2007−534961号公報
Gyeong Sook Bang,et al., Biosens. Bioelectronics, vol.21(2005) p.863. Xiaolei Zuo,et.al., JACS, vol.129(2007) p.1042. Yi Xiao,et.al., JACS, vol.127(2005) p.17990. Ying Lu,et.al., Anal.Chem., vol.80(2008) p.1883.
これら特許文献および非特許文献に記載のセンサでは、アプタマーまたはその相補鎖をプローブとして用いている。このため、前記アプタマー等を、電極表面との架橋反応用の官能基または電極物質で修飾したり、センサに適した構造に最適化する必要がある。したがって、これらのセンサは、前記プローブの設計および合成等が煩雑であり、コストが高くなる。
そこで、本発明は、設計が簡便なプローブを使用した、標的物質の検出方法等を提供することを目的とする。本発明は、また、前記検出方法等に使用するプローブを提供することを目的とする。本発明は、さらに、前記検出方法等に使用するアプタマーを容易に取得できる、アプタマーのスクリーニング方法等を提供することを目的とする。
本発明の標的物質の検出方法は、アプタマー結合体、標識物質、および支持体に固定可能なリンカーを含み、前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合し、前記アプタマー結合体にアプタマーが特異的に結合しているプローブを提供するプローブ提供工程と、
前記プローブが、前記リンカーを介して支持体に固定されており、試料中の標的物質と前記アプタマーとの結合により、前記アプタマー結合体から前記アプタマーを分離させ、前記アプタマーの分離を前記標識物質により検出することにより前記標的物質を検出する検出工程とを含むことを特徴とする。
本発明のプローブは、アプタマー結合体、標識物質、および支持体に固定可能なリンカーを含み、前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合し、前記アプタマー結合体および前記標識物質を前記リンカーを介して支持体に固定可能であり、前記アプタマー結合体にアプタマーが特異的に結合可能な前記本発明の標的物質の検出方法に使用することを特徴とする。
本発明の標的物質検出装置は、前記本発明のプローブと、
試料中の標的物質との結合による前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離を前記標識物質により検出する分離検出手段と、
前記分離の検出に際し、前記プローブを前記リンカーを介して固定する支持体とを含み、前記本発明の標的物質検出方法に使用することを特徴とする。
本発明のアプタマーのスクリーニング方法は、前記本発明のプローブに対し、アプタマー候補物質を供給する第1工程と、
前記プローブを前記リンカーを介して支持体に固定し、前記プローブに標的物質を供給し、前記プローブに結合している前記アプタマー候補物質を、前記標的物質に結合させることにより、前記プローブから分離する第2工程と、
前記分離したアプタマー候補物質を回収する第3工程とを有することを特徴とする。
本発明のアプタマーのスクリーニング装置は、前記本発明のプローブと、
標的物質との結合により前記プローブから分離したアプタマー候補物質を回収する回収手段と、
前記プローブを固定する支持体とを含み、前記本発明のアプタマーのスクリーニング方法に使用することを特徴とする。
本発明によれば、標的物質検出のためのプローブの設計が簡単である、標的物質の検出方法を提供できる。また、本発明により、前記標的物質の検出方法を実現可能なプローブおよびそれを用いた標的物質検出装置を提供できる。本発明により、さらに、前記本発明の標的物質の検出方法等に使用可能なアプタマーを容易に取得できる、アプタマーのスクリーニング方法等を提供できる。
図1は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図2は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図3は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図4は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図5は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図6は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。 図7は、本発明の方法および装置の一実施形態のメカニズムを示す図である。
[標的物質の検出方法]
前記本発明の標的物質の検出方法は、前記プローブ提供工程(以下、「プローブ提供工程(A)」ということがある)および前記検出工程(以下「検出工程(B)」ということがある)を含むことにより、例えば、次のようにして標的物質を検出できる。
まず、前記プローブ提供工程(A)において、アプタマーが特異的に結合しているプローブを提供する。前記プローブは、アプタマー結合体、標識物質、および支持体に固定可能なリンカーを含み、前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合しており、前記アプタマー結合体には、アプタマーが特異的に結合可能である。前記アプタマーが前記アプタマー結合体に特異的に結合している前記プローブは、例えば、前記プローブ提供工程(A)に先立ち、未だアプタマーが前記アプタマー結合体に結合していない前記プローブに前記アプタマーを結合させる、アプタマー結合工程(A−0)の実施により実現できる。また、予め前記アプタマーを結合した前記プローブを、前記プローブ提供工程(A)に先立ち入手してもよい。本発明の検出方法では、次いで、前記検出工程(B)において、試料中の標的物質と前記アプタマーとの結合による、前記アプタマーの分離を検出する。すなわち、本発明の検出方法では、例えば、試料を、前記アプタマーが結合した前記プローブに供給(添加)する。これにより、前記試料中に前記アプタマーが結合可能な標的物質が含まれる場合、前記標的物質は、前記プローブにおける前記アプタマー結合体に結合した前記アプタマーに接近する。すると、前記アプタマーは、前記標的物質と結合して、前記アプタマー結合体から分離する。このように、前記本発明の検出方法では、前記アプタマーを、前記プローブの前記アプタマー結合体に結合させ、次いで、前記標的物質との結合による前記アプタマーの前記アプタマー結合体からの分離を検出することで、前記標的物質を検出する。このため、前記標的物質の検出のために、例えば、前記アプタマーを官能基または標識物質で修飾する必要がなく、標的物質を検出するためのプローブの設計が簡便になる。また、本発明の検出方法は、例えば、前記アプタマーの立体構造変化に依存することなく前記標的物質を検出できるため、多種多様なアプタマーおよび標的物質に適用でき、汎用性が高い。
本発明の検出方法による標的物質の検出メカニズムは、例えば、次のように説明できる。すなわち、本発明の検出方法は、前記検出工程(B)で、前記プローブの前記アプタマー結合体に、前記アプタマーが結合していない場合と結合している場合とで、反応相中における前記プローブの動態が変化する。ここで、本発明の検出方法では、標的物質の検出に際し、前記標的物質を有する前記プローブが支持体に固定されているため、前記プローブの前記動態変化を、前記標識物質により容易に検出でき、これによって、結果的に、前記標的物質を容易に検出できる。本発明の検出方法では、前記標識物質として、例えば、前記プローブの前記動態変化を外部に提示し得るあらゆる物質を使用できる。前記標識物質は、例えば、光学的シグナル、電気的シグナル、色彩的シグナル等のシグナルを発生するシグナル発生物質である。この場合、前記プローブの前記動態変化は、例えば、前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離の前後における、前記シグナル発生物質が発生するシグナルの変化を検出することによって、検出できる。このシグナルの変化は、シグナルの変化を検出可能なあらゆる分離検出手段を用いて、検出できる。
前記本発明の検出方法は、例えば、前記支持体として電極を使用してよい。この場合、例えば、前記プローブ提供工程(A)における前記プローブを電極に固定し、前記検出工程(B)における前記アプタマーの分離を、前記標識物質と前記電極の電気的反応として検出することにより、前記標的物質を検出できる。すなわち、この場合には、前記アプタマーが前記プローブから分離する場合と、前記アプタマーが前記プローブに結合したままの場合とにおける前記プローブの反応相中での前記動態変化を、前記電極を用いて、電気的反応として検出できる。
本発明の検出方法は、また、例えば、前記標識物質として電極反応物質を使用してもよい。この場合、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより、前記検出工程の前記アプタマーの分離を検出して、前記標的物質を検出できる。前記電子伝達の検出値は、例えば、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の効率を表す。前記電子伝達の検出は、例えば、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出可能なあらゆる電子伝達検出手段を用いて実施できる。この態様によれば、前記電極反応物質が前記プローブに含まれているため、例えば、前記アプタマーを前記電極反応物質で修飾する必要がない。また、前記アプタマーを、前記プローブにより前記電極に固定できるため、例えば、前記アプタマーを、前記電極表面との架橋反応形成のための官能基等で修飾する必要がない。したがって、前記標的物質を非常に簡便に検出できる。さらに、この態様では、例えば、前記標的物質が増加するほど、電子伝達の検出値が増大するシグナル増加型の検出反応を示し、高いシグナル/ノイズ比(S/N比)を実現できる。この形態における前記標的物質の検出メカニズムは、例えば、次のように説明できる。ただし、以下の説明はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。前記検出工程(B)において、前記標的物質が前記アプタマーと結合し、前記アプタマーが前記アプタマー結合体から分離すると、前記プローブの反応相中における移動度が増す。他方、例えば、前記標的物質が、前記アプタマーが結合可能な標的物質でない場合、前記アプタマー結合体に結合した前記アプタマーが、前記標的物質と結合しないため、前記アプタマーは、前記アプタマー結合体から分離しない。このため、前記プローブの前記反応相中における移動度は、低いままとなる。ここで、本形態では、前記プローブが、前記リンカーによって前記電極に固定されている。このため、前記プローブの前記移動度が高い場合、前記プローブ中の前記電極反応物質と前記電極との接触頻度は高い。他方、前記プローブの前記移動度が低い場合、前記プローブ中の前記電極反応物質と前記電極との接触頻度は低い。そして、前記電極反応物質と前記電極との接触頻度が高いほど、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値は高い。すなわち、前記アプタマー結合体に前記アプタマーが結合していない場合の方が、結合している場合よりも、前記電子伝達の検出値が高い。よって、このような電子伝達の変化を検出して、前記標的物質を検出できる。
本発明の検出方法は、例えば、前記プローブ提供工程(A)に先立ち、前記プローブを前記支持体に固定するプローブ固定工程をさらに含んでいてもよい。また、前記支持体に固定した前記プローブを入手してもよい。本発明の検出方法が、前記アプタマー結合工程(A−0)を含む場合、前記プローブ固定工程は、例えば、前記アプタマー結合工程(A−0)の前、前記工程(A−0)の工程中および前記工程(A−0)の後のいずれかの時点で行うことができる。これにより、必要に応じて、本発明の検出方法の実施手順を簡略化できる。
前記本発明の検出方法では、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として、既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを、比較してもよい。これにより、例えば、前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出が不要となる。前記既知の検出値は、例えば、前記プローブ提供工程(A)における前記プローブの前記電極上での密度、および、前記アプタマーに結合した前記プローブ数と前記アプタマーに結合していない前記プローブ数との比率から算出できる。すなわち、これにより、予め既知の条件で前記プローブと前記アプタマーとを固定した電極を用いて、前記電極反応物質と前記電極との間の前記電子伝達の検出値を求めておくことができる。その結果、前記検出工程(B)で検出した電子伝達の検出値との差から、前記標的物質を検出できる。
本発明の検出方法は、例えば、前記検出工程(B)に先立ち、前記アプタマー結合体に結合していない前記アプタマーを除去する非結合アプタマー除去工程をさらに含んでいてよい。これにより、前記標的物質が、前記アプタマー結合体に結合していないアプタマーに、結合することを防止できる。その結果、前記アプタマー結合体から分離する前記アプタマーの量の再現性を向上でき、前記標的物質の存在をより正確に反映した検出結果を得ることができる。
本発明の検出方法は、例えば、溶液等の液体中で行うことができる。前記液体は、例えば、前記アプタマーと前記アプタマー結合体との結合および前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離が生じ得る液体であれば、特に制限されない。すなわち、前記本発明の検出方法を実施する前記液体の組成、前記本発明の検出方法における各工程を行う温度、pH、電解質等の条件は、前記結合および分離が可能な限り、制限されない。前記条件としては、例えば、SELEX法で通常用いる条件を使用でき、また、前記結合および分離が生じるよう、適宜設定できる。前記検出工程(B)を前記電子伝達の検出により実施する場合、前記液体の電解質濃度は、例えば、前記検出工程(B)における電子伝達の検出精度を損なわないよう、低すぎないことが好ましい。
[プローブ]
前記プローブは、アプタマー結合体、標識物質、および支持体に固定可能なリンカーを含み、前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合し、前記アプタマー結合体が、アプタマーを特異的に結合可能であればよく、このような構成を有する限り、特に制限されない。前記本発明の検出方法において、前記プローブは、前述のとおり、前記検出工程に際して支持体に固定される。前記プローブは、例えば、電極に固定されていてもよい。これによって、前記電極を用いて、例えば、前記プローブに対する前記アプタマーの結合および分離を、前記標識物質と前記電極との電気的反応として検出できる。前記プローブにおいて、前記アプタマー結合体と前記標識物質とは、例えば、それぞれが直接前記リンカーに結合していてもよいし、いずれか一方が前記リンカーに直接結合し、且つ、前記一方が他方に結合していてもよい。前記プローブは、例えば、前記リンカーの少なくとも一端に、電極表面に固定できる官能基を有することが好ましい。図1(a)に、本発明のプローブの一例の構成を示す。同図に示すように、プローブ4は、アプタマー6に特異的に結合するアプタマー結合体1および標識物質2を有し、それぞれが、支持体5に固定可能なリンカー14に結合した構成を有する。標的物質の検出に際し、前記プローブは、例えば、前記プローブ提供工程(A)時に前記支持体に固定されていればよい。前記プローブの分子構造は、特に制限されず、例えば、前記標的物質の大きさ、前記アプタマーのサイズ、前記アプタマーの鎖長等の特性に応じて、適宜設計できる。また、前記プローブは、本発明の効果を損なわない限り、例えば、前記アプタマー結合体、前記標識物質および前記リンカー以外の物質を含んでもよい。前記本発明の検出方法において、前記標識物質として電極反応物質を用い、前記プローブを電極に固定した場合、前記プローブは、例えば、溶液中における拡散や熱運動等による撓みや屈折等の構造変化によって、前記電極表面近傍で運動する。前記運動に伴い、前記プローブに含まれる前記電極反応物質は、前記電極表面と接触したり離れたりする。すなわち、前記プローブの運動度が高いほど、前記電極反応物質と前記電極表面との接触頻度が、高くなる。その結果、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値は、高くなる。他方、前記プローブの前記運動度が低いほど、前記電極反応物質と前記電極表面との接触頻度が、低くなる。その結果、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値は、低くなる。よって、このようなプローブの動態を利用して、例えば、前記標的物質の存在により検出シグナルが増幅するシグナル増幅型の検出態様を実現できる。また、高いS/N比を実現できる。
前記アプタマー結合体は、前記アプタマーと結合できる物質であれば、特に制限されないが、例えば、前記標的物質の全部または一部と同一または類似する構造を持つものが好ましい。また、前記アプタマー結合体は、汎用性の観点から、例えば、前記アプタマーが核酸である場合、前記核酸と相補的な塩基配列を含む核酸によって、前記アプタマーの核酸を固定しないことが好ましい。ただし、前記相補的な塩基配列を含む核酸であっても、本発明の検出方法において、前記アプタマー結合体として使用可能である。本発明の検出方法では、前述のように、前記プローブが前記リンカーを含む。このため、例えば、前記アプタマーが核酸である場合、前記アプタマーおよび前記アプタマーの相補鎖が、前記非特許文献4のようにヘアピン構造等をとる必要がなく、前記プローブの設計が簡便である。本発明の検出方法において、前記アプタマー結合体は、例えば、前記標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する。前記エピトープは、例えば、前記アプタマーと特異的に結合可能な物質である。本発明において、「エピトープ」とは、例えば、前記アプタマーが特異的に結合可能な、標的物質の部分を意味する。前記エピトープに類似するエピトープとは、例えば、前記エピトープに類似した構造を有し、かつ、前記標的物質に結合可能なアプタマーが、特異的に結合できる物質を意味する。このような類似するエピトープには、例えば、前記エピトープの一部を除去したり、別の官能基に置換したり、また、前記エピトープに新たな官能基を付加したもの等が含まれる。本発明では、試料中に前記標的物質が含まれない場合、前記アプタマーが、前記エピトープまたは類似のエピトープで前記プローブに固定されることにより、前記アプタマーは、前記アプタマー結合体から分離しない。すなわち、本発明の検出方法は、例えば、前記標的物質に対する高い選択性を示す。本発明では、前記標的物質を、前記アプタマーが結合した前記アプタマー結合体に添加することにより、前記アプタマーは、前記標的物質と競争的に結合して、前記プローブから分離する。本発明の検出方法では、例えば、前記アプタマー結合体と前記エピトープとの構造の類似の程度を高くすることで、前記アプタマーを分離しにくくできる。これにより、前記標的物質の選択性をより向上できる。他方、例えば、前記アプタマー結合体と前記エピトープとの構造の類似の程度を低くすることで、前記アプタマーを分離しやすくできる。これにより、例えば、分離するアプタマーの量が増し、検出シグナルをより増大できる。前記標的物質と前記エピトープとの構造の類似の程度は、例えば、必要とする選択性や検出感度に応じて、適切に設計できる。前記アプタマーが、例えば、二本鎖核酸部分を含む場合、前記アプタマー結合体は、前記アプタマーの前記二本鎖核酸部分に特異的に結合する物質(本発明において、二本鎖核酸アプタマー結合体ともいう)であることが好ましい。前記アプタマー結合体が、前記二本鎖核酸アプタマー結合体である場合、例えば、標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する物質を電極に固定せずに、前記標的物質を特異的に検出できる。そのため、特に、前記アプタマー結合体として前記二本鎖アプタマー結合体を用いた場合、本発明の検出方法は、例えば、二本鎖を形成する配列部分を含む多種多様なアプタマーについて適用でき、汎用性を高めることができる。本発明の検出方法では、このような二本鎖核酸アプタマー結合体は、例えば、核酸の一本鎖部分には結合しないことが好ましい。このような二本鎖核酸アプタマー結合体としては、例えば、インターカレータ、核酸結合タンパク質等が挙げられるが、これらには制限されない。前記インターカレータとしては、例えば、アクリジン、エチジウムブロマイド等の含窒素縮合環化合物、メチレンブルー、ベンゾピレン、アクチノマイシン、ノガラマイシン、ディスタマイシンA、メチジウム、およびこれらの誘導体等が挙げられる。前記核酸結合タンパク質としては、例えば、グルーブバインダー、ジンクフィンガー、ロイシンジッパ等を挙げることができる。前記プローブにおいて、前記アプタマー結合体は、例えば、1分子の前記プローブ当たり1個でもよいし、複数個含まれてもよい。前記プローブが、1分子当たり複数個の前記アプタマー結合体を含む場合、例えば、前記アプタマーが二本鎖核酸部分を含むと、前記二本鎖核酸部分に複数のアプタマー結合体が結合しやすくなる。このように、複数の前記アプタマー結合体が結合すると、例えば、前記アプタマーと前記プローブとの結合力が増す。このような前記プローブを用いることで、例えば、前記アプタマーとの結合力の弱い物質等は検出せず、より結合力の強い標的物質のみを検出する。これにより、本発明の検出方法の選択性が、向上する。ただし、前記プローブ1分子当たりの前記アプタマー結合体の数が多すぎると、前記標的物質と前記アプタマーとの結合が妨げられてしまい、選択性が低下するおそれがある。このため、前記アプタマー結合体の数は、例えば、標的物質と前記アプタマーとの結合力を上回らない数とすることが好ましい。このような数は、例えば、実験により求めることができる。また、前記アプタマー結合体として、例えば、電極反応性を有するものを使用してもよい。この場合、前記アプタマー結合体は、例えば、前記プローブに含まれる前記電極反応物質を兼ねるため、前記プローブの構造を単純化でき、標的物質検出装置の製造を簡便化できる。このような電極反応性を有する前記アプタマー結合体としては、例えば、電極反応性を有するインターカレータ等があるが、これらには限定されない。電極反応性を有する前記インターカレータとしては、例えば、メチレンブルー、キノン、アクリジン、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
前記標識物質は、前述のとおり、反応系における前記プローブの動態変化を外部に提示し得る限り、制限されない。前記標識物質は、例えば、光学的シグナル、電気的シグナル、色彩的シグナル等のシグナルを発生するシグナル発生物質が挙げられる。前記標識物質として、例えば、電極反応物質を使用できる。前記電極反応物質は、前記電極と反応できる物質であれば、制限されないが、例えば、前記電極との接触頻度が増加すると、前記電極との間で電子伝達の検出値が増加する物質が好ましい。このような電極反応物質としては、例えば、酸化還元電位を有する物質、触媒等が挙げられる。前記触媒としては、例えば、酵素等が挙げられる。前記電極反応物質として、前記酸化還元電位を有する物質を用いる場合、例えば、前記電極と前記電極反応物質との接触により電気化学的反応が生じることで、両者間で電子が伝達される。本発明の検出方法では、前記標的物質の検出のために、例えば、この電子伝達を検出する。具体的には、前記電極反応物質と前記電極との接触頻度が増加した場合、例えば、電子伝達の検出値の上昇を検出できる。前記酸化還元電位を有する物質は、例えば、標準水素電極を基準とした標準電極電位が、−0.6Vから+1.4Vのものが好ましい。前記標準電極電位が、この範囲内である場合、前記電極反応物質以外の物質、例えば、前記本発明の検出方法を行うための溶液の溶媒、溶存酸素等の前記電極との反応等を抑制できる。その結果、べースライン電流が少なくなるため、前記電極反応物質と前記電極との間の前記電子伝達の変化を敏感に検出でき、検出感度が高まる。前記電極反応物質としては、特に制限されないが、例えば、Os、Fe、Ru、Co、Cu、Ni、Ti、V、Mo、Cr、Mn、Ag、PdおよびW等の金属、前記金属の塩、前記金属のイオンを中心金属とする錯体、ヒドロキノン、アントラキノン等のキノン類およびその誘導体、メチレンブルーおよびその誘導体、ピロール類、ピリジン、ビオロゲン等の複素環式化合物等を挙げることができる。前記電極反応物質として触媒を用いる場合、例えば、反応物質との間で電子を授受した前記触媒が、前記電極と接触して電気化学的反応を生じることで、前記電極と前記電極反応物質との間で電子伝達が生じる。これにより、例えば、前記電極反応物質と前記電極との接触頻度が増加した場合、例えば、電子伝達の検出値の上昇を検出できる。本発明の検出方法では、前記電極反応物質として触媒を用いる場合、例えば、さらに、電子伝達メディエータを用いてよい。前記電子伝達メディエータは、例えば、前記触媒と前記電極との間の電子の授受を仲介する。すなわち、前記電子伝達メディエータを用いると、反応物質との間で電子を授受した前記触媒が、前記電子伝達メディエータとの間で前記電子を授受し、次いで、前記電子伝達メディエータが前記電極と電気化学的に反応した場合、前記電子伝達メディエータと前記電極との間で電子伝達が生じる。すなわち、例えば、前記触媒と前記電極との接触頻度が増加した場合、前記電子伝達メディエータのレドックスサイクリング数が増加する。これにより、電極反応の頻度が増加するため、電子伝達の検出値の上昇を検出できる。また、前記電子伝達メディエータを用いると、例えば、前記レドックスサイクリングによる1分子の電極反応物質の移動度の変化により、複数回の電極反応を生じる。このため、電子伝達の検出シグナルを増幅でき、前記検出シグナルにおけるS/N比が向上する。前記電子伝達メディエータは、例えば、前記触媒に対する反応物質が添加された溶液中に溶解または分散されてもよいし、前記電極上に固定されていてもよい。前記電子伝達メディエータを前記溶液中に添加することで、例えば、前記触媒と前記電極の接触頻度が増加した場合、前記電子伝達メディエータと前記触媒との接触頻度が増加する。これにより、前記レドックスサイクリング数が増加するため、電子伝達の検出値の上昇を検出できる。前記電子伝達メディエータを前記電極上に固定する場合、その固定方法は、特に制限されず、電子伝達メディエータを前記電極上に固定するために、一般的に使用される方法を用いることができる。前記電子伝達メディエータの前記電極上への固定は、例えば、前記電極の表面の官能基と前記電子伝達メディエータの官能基とを架橋する方法、予め電子伝達メディエータを修飾したチオール分子、高分子等の物質を、前記電極表面に架橋する方法等を用いて行うことができる。また、前記電子伝達メディエータの前記電極上への固定は、例えば、前記電子伝達メディエータで前記リンカーを修飾した前記プローブを、前記電極表面に固定して行ってもよい。前記電子伝達メディエータを前記電極表面に固定することで、前記電極と前記触媒の接触頻度が増加したときに、前記電子伝達メディエータと前記触媒との接触頻度が高くなる。これにより、前記レドックスサイクリング数が多くなるため、電子伝達の検出値の上昇を検知できる。また、前記溶液中に前記電子伝達メディエータを添加する操作が不要となる。本発明の検出方法において、前記触媒としては、特に制限されず、あらゆる触媒を使用できる。前記触媒は、前述のように酵素であってもよく、例えば、グルコースオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ等の酸化酵素、グルコースデヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素、ジアフォラーゼ等の補酵素酸化酵素、西洋ワサビペルオキシダーゼ、カタラーゼ等の過酸化物還元酵素、Pt、酸化チタン等の金属触媒を用いることができる。前記触媒に対する前記反応物質は、例えば、使用する前記触媒に応じて適宜選択できる。特に、前記触媒が酵素である場合、前記基質は、例えば、使用する前記酵素に応じて適宜選択できる。前記電子伝達メディエータも、例えば、使用する前記触媒に応じて適宜選択できる。前記電極反応物質の数は、特に制限されないが、前記アプタマー1分子が結合または分離をした際に生じる電子伝達の変化が大きいことから、例えば、前記プローブ1分子当たり前記電極反応物質が複数個含まれることが好ましい。
前記リンカーは、前記アプタマー結合体および前記標識物質の少なくとも一方を結合可能であり、かつ、前記支持体に結合可能な物質である。本発明において、前記リンカーは、前記アプタマーが核酸である場合、例えば、前記アプタマーの相補鎖の少なくとも一部を含まないことが好ましい。具体的には、前記リンカーが核酸である場合、前記核酸は、例えば、前記アプタマーの相補鎖の塩基配列を、7塩基以上含まないことがより好ましく、4塩基以上含まないことがさらに好ましい。この範囲であれば、例えば、後述するリンカーとアプタマーの間の相互作用は、本発明の検出方法において無視できるほど弱い。前記リンカーは、例えば、鎖状もしくは樹状の高分子またはオリゴマーであり、前記アプタマーまたは標的物質と相互作用しない物質が好ましい。前記相互作用しない物質を用いる場合、前記アプタマー、標的物質等の非特異的吸着を抑制でき、本発明の検出方法の特異性を、より向上できる。また、前記標的物質と結合した前記アプタマーが、前記プローブから速やかに分離するため、標的物質の検出速度を、より向上できる。このような高分子およびオリゴマーとしては、特に制限されず、例えば、天然高分子および合成高分子のいずれも使用できるが、親水性のものが好ましい。前記リンカーとして、親水性の前記高分子を使用した場合、例えば、前記アプタマーが核酸である場合に、前記アプタマーの非特異的吸着を抑制できる。前記親水性の高分子およびオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリ乳酸、ポリアクリルアミド等が挙げられる。前記リンカーとしては、また、負電荷を有するものが好ましい。前記リンカーが、負電荷を有する場合、例えば、前記アプタマーがポリアニオンである場合、前記アプタマーを静電気的に反発できる。このような負電荷を有する高分子およびオリゴマーとしては、例えば、核酸、ヘパリン、ポリアクリル酸等が挙げられる。前記本発明の検出方法では、特に、前記リンカーとして、核酸を用いる場合、前述のとおり、前記リンカーが、前記アプタマーと相補的な塩基配列を持たないことで、前記核酸であるリンカーと前記アプタマーとの相互作用をより回避できる。前記リンカーは、少なくともその一端において、前記プローブを前記支持体に固定するための官能基を有することが好ましい。このような官能基は、特に制限されない。前記支持体が電極である場合、前記官能基は、例えば、電極表面を修飾するために一般的に使用される方法を用いて、前記リンカーに付与できる。前記方法としては、例えば、前記リンカーの一端をチオール基で修飾し、金属電極表面との間に金属−硫黄結合を形成する方法、前記リンカーの一端にアミノ基を修飾し、カルボキシル基で修飾した電極表面とアミド結合を形成する方法等がある。また、例えば、前記リンカーの一端をビオチンで修飾し、アビジンで修飾した電極表面とビオチン−アビジン複合体を形成する方法等も挙げることができる。前記リンカーとしては、例えば、、前記アプタマー結合体と前記標識物質とがともに支持体に直接固定されず、かつ、前記アプタマー結合体と前記標識物質との少なくとも一方が、前記リンカーにより前記支持体に固定されればよい。前記リンカーとしては、例えば、T字形を有するもの、Y字形、X字形等に分岐しているものを使用できるが、これらには制限されない。また、前記リンカーは、例えば、複数の直鎖状のリンカー分子から構成されてもよく、具体的には、例えば、複数のリンカー分子が、前記核酸アプタマー結合体および前記標識物質の少なくとも一方を介して連結し、一端に位置するリンカー分子により、前記支持体に固定されてもよい。また、例えば、前記標識物質と前記アプタマー結合体とが、前記リンカーを介さず直接架橋し、前記標識物質と前記アプタマー結合体の少なくとも一方に前記リンカーが結合して、前記リンカーが前記支持体に結合してもよい。前記プローブは、例えば、公知の有機合成法等を適宜用いて、前記リンカーに前記アプタマー結合体および前記標識物質を結合させて、作製できる。具体的には、前記プローブは、例えば、前記アプタマー結合体と、前記標識物質と、前記リンカーを前記支持体に固定するための官能基とを、連結基を用いて前記リンカーに結合することにより、作製できる。前記連結基としては、例えば、DNAを用いることができる。このDNAは、前記アプタマーまたは後述のアプタマー候補物質と相互作用しないものが好ましく、例えば、ランダムな塩基配列を有するDNA、ポリA等の単一の塩基配列を有するDNA等を使用できる。前記リンカーとしては、例えば、3つに分岐した樹状構造のリンカーを用いることができる。このようなリンカーとしては、例えば、炭化水素から形成される前記リンカーの各末端に、ジメトキシトリチル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、およびホスホラミダイトをそれぞれ有するリンカーが使用できる。具体的には、例えば、Glen Research社から市販されている「Asymmetric Doubler Phosphoramidite(商品名)」等の市販のリンカーを使用できる。また、このような3分岐構造の前記リンカーの分岐の各末端に、例えば、公知のDNA固相合成法を用いて、3種類のDNAをそれぞれ合成および結合する。さらに、前記3種類のDNAの末端に、例えば、それぞれ、前記標識物質を修飾するための官能基、前記アプタマー結合体を修飾するための官能基および前記支持体に結合するための官能基を付加する。このような末端官能基は、例えば、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基から選択できるが、これらには限定されない。前記末端官能基は、具体的には、例えば、前記標識物質および前記アプタマー結合体の構造、前記支持体の材質等に応じて適宜選択できる。次いで、前記末端官能基に対して、例えば、アミノカップリング法を用いて、前記標識物質および前記アプタマー結合体を修飾する。前記標識物質と前記アプタマー結合体は、例えば、どちらが先に前記末端官能基に結合されてもよい。すなわち、前記標識物質を前記末端官能基に修飾した後、前記アプタマー結合体を前記末端官能基に修飾してもよいし、その逆でもよい。このようにして合成したプローブは、残る前記末端官能基により、前記支持体に固定できる。前記支持体に結合するための前記末端官能基として、例えば、チオール基を用いることができる。
本発明の検出方法において、前記アプタマーは、例えば、標的物質と特異的に結合できる核酸またはペプチドであればよく、例えば、DNAであってもRNAであってもよいし、PNAのような人工核酸であってもよい。前記アプタマーは、特に制限されないが、前記標的物質のエピトープと特異的に結合するアプタマーの構造を有するものが好ましく、前記標的物質と結合しない構造部分を有していてもよい。前記アプタマーが核酸である場合、前記アプタマーは、例えば、標的物質のエピトープと特異的に結合するアプタマーの配列を有する核酸であればよく、例えば、前記標的物質と結合しない塩基配列を有していてもよい。前記アプタマーは、例えば、前記アプタマー結合体よりも前記標的物質と結合しやすいものが好ましい。前記アプタマーが、前記アプタマー結合体との結合よりも前記標的物質と結合しやすい場合、前記アプタマーは、例えば、前記アプタマーを結合した前記アプタマー結合体から分離しやすく、大きな検出シグナルを得ることができる。このようなアプタマーは、例えば、SELEX法等の公知のアプタマースクリーニング方法を用いて取得でき、また、後述する本発明のアプタマーのスクリーニング方法を用いて取得できる。特に、本発明の検出方法と同じプローブを用いて、後述する本発明のアプタマーのスクリーニング方法により取得したアプタマーは、本発明の検出方法に非常に適している。前記アプタマーが、核酸である場合、一本鎖核酸であってもよいし、二本鎖核酸であってもよい。前記アプタマーは、また、部分的に二本鎖核酸部分を有していてもよい。前記アプタマーが、二本鎖核酸部分を含む場合、前記二本鎖核酸部分は、例えば、前記アプタマーのどの部分にあってもよく、例えば、一本鎖核酸の端部にあってもよいし、中ほどにあってもよい。また、前記アプタマーの一本鎖核酸の全配列が、別途準備した核酸断片とハイブリダイズして二本鎖部分を形成していてもよい。ただし、二本鎖核酸部分は、前記標的物質と前記アプタマーとが結合した際にブランチマイグレーションを生じ易いことから、前記標的物質と結合する塩基配列の一部を含むよう形成することが好ましい。本発明の検出方法では、また、後述する本発明のアプタマーのスクリーニング方法を用いて回収したアプタマーを用いてもよい。このスクリーニング方法において、本発明の検出方法で使用する前記プローブと同じプローブを用いてアプタマーを回収した場合、回収された前記アプタマーは、本発明の検出方法において高い選択性を示し、好ましい。
本発明の検出方法において、前記支持体は、例えば、前記リンカーを介して前記アプタマー結合体および前記標識物質を固定できるものであれば、特に制限されない。前記支持体としては、例えば、電極を使用できる。前記電極は、電気伝導性を有するものであればよく、特に限定されない。前記電極は、例えば、電気伝導性が高く、かつ表面を修飾するのが容易であることから、具体例として、金、白金、炭素を好適に用いることができる。前記電極の形状も、本発明の検出方法を実施出来る限り、特に限定されず、例えば、ディスク状、平板状、薄膜状、微粒子状を含むどのような形状でもよく、必要とする検出感度、信頼性等に応じて適切に選択できる。前記電極を微粒子状とした場合、電極の比表面積を大きくできるため、検出感度を高めることができる。前記電極を、例えば、ディスク状、平板状および薄膜状とした場合、電極面積のばらつきを抑制できるため、標的物質の検出の再現性を高めることができる。前記電極は、アプタマーの非特異的吸着を抑制できるよう、前記電極の表面を処理してもよい。ただし、前記表面処理は、前記表面処理後も、前記プローブが前記電極表面に露出するように行うことが好ましい。このような表面処理により、例えば、標的物質の特異性を向上できる。前記表面処理は、電極における非特異的吸着を防止する方法として、一般的に使用されている方法を用いて行うことができ、使用する前記プローブのサイズ、構造等の特性に応じて、適切な方法を選択できる。前記プローブのサイズは、例えば、分子量が挙げられ、前記構造としては、例えば、分子構造等が挙げられる。前記表面処理は、例えば、デキストラン類、エチレングリコール、エチレンイミン、エチレンオキサイドおよびこれらの重合体等の親水性分子、前記親水性分子およびカルボキシル基およびヒドロキシル基等の親水性官能基が表面に露出するような分子構造のチオール類、アルブミン等のタンパク質を前記電極に塗布することにより行うことができる。
本発明の検出方法において、前記検出工程(B)で前記アプタマーの分離を検出する前記分離検出手段は、例えば、前記標識物質が発生するシグナルを検出可能な装置である。前記標識物質が、例えば、光学的シグナル、電気的シグナルまたは色彩的シグナルを発生する場合、前記分離検出手段は、例えば、前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離の前後での、前記標識物質が発生する前記光学的シグナル、電気的シグナルまたは色彩的シグナルの変化を検出可能な装置である。特に、前記標識物質として前記電極反応物質を使用する場合、前記分離検出手段として、例えば、電子伝達検出手段を使用できる。前記電子伝達検出手段は、特に制限されず、例えば、前記電子伝達を電気化学的に検出する装置である。このような電気化学的検出は、例えば、前記電極反応物質と前記電極の間の電子伝達を検出できる限り、どのような方法で実施されてもよい。前記電気化学的検出は、例えば、サイクリックボルタンメトリー法、微分パルスボルタンメトリー法、矩形波ボルタンメトリー法、交流ボルタンメトリー法、交流インピーダンス法、クロノアンペロメトリー法、クロノポテンシオメトリー法などを用いて、電流値、電圧、インピーダンス等の変化を検出する方法でもよい。電子伝達量が多いほど電流の絶対値は大きく、電圧の絶対値は小さく、インピーダンスは小さくなる。本発明の検出方法では、前記電気化学的測定は、例えば、次のように行うことが好ましい。すなわち、前記電極反応物質が、前記酸化還元電位を有する物質である場合、前記酸化還元電位を有する物質が、前記電極と電気化学的に反応する条件で行うことが好ましい。また、前記電極反応物質が、触媒である場合、前記電気化学的測定は、例えば、前記触媒に対する反応物質を含む溶液中で、前記触媒が、前記電極と電気化学的に反応する条件で行うことが好ましい。また、前記電極反応物質が、触媒である場合、電気化学的測定は、例えば、前記電子伝達メディエータをさらに含む溶液中で、前記電子伝達メディエータが、前記電極と電気化学的に反応する条件で行うことが好ましい。
[標的物質検出装置]
次に、本発明の標的物質検出装置について説明する。本発明の標的物質検出装置は、前述のとおり、アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ、支持体に固定可能なリンカーに結合したプローブと、試料中の標的物質との結合による前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離を前記標識物質により検出する分離検出手段と、前記分離の検出に際し、前記プローブを前記リンカーを介して固定する支持体とを含む。図5(a)に、本発明の標的物質検出装置の一例の構成を示す。同図に示すように、前記標的物質検出装置は、アプタマー結合体1と標識物質2とがそれぞれリンカー14に結合したプローブ4と、プローブ4をリンカー14を介して固定するための支持体5と、図示しない分離検出手段とを含む。前記分離検出手段は、特に限定されないが、例えば後述のとおりである。プローブ4は、例えば、標的物質の検出に際して、リンカー14により支持体5に固定されればよい。このような構成により、試料中の標的物質と前記アプタマーとの結合による、前記アプタマー結合体1からの前記アプタマーの分離を、前記分離検出手段により検出できる。本発明の標的物質検出装置では、標的物質の検出に際し、まず、前記アプタマーを、前記プローブの前記アプタマー結合体に結合させる。前記アプタマーの前記アプタマー結合体への結合は、例えば、前記標的物質の検出に際し、前記プローブの前記アプタマー結合体に、前記アプタマーを添加することによって実現できる。また、例えば、事前に前記アプタマーが前記アプタマー結合体に結合した前記プローブを入手してもよい。次いで、例えば、試料を、前記アプタマーを結合した前記アプタマー結合体に添加する。これにより、前記試料中に前記標的物質が含まれる場合は、前記標的物質に、前記アプタマー結合体に結合した前記アプタマーが結合し、前記アプタマーが、前記アプタマー結合体から分離する。本発明の標的物質検出装置では、前記アプタマーの前記アプタマー結合体からの分離を、前記分離検出手段による前記標識物質の検出により検出する。なお、前記本発明の標的物質検出装置は、後述する本発明のアプタマーのスクリーニング方法にも使用できる。
このような本発明の標的物質検出装置による標的物質検出のメカニズムは、例えば、次のように説明できる。すなわち、本発明の標的物質検出装置において、前記標的物質が、前記アプタマーと結合して、前記アプタマーが、前記アプタマー結合体から分離する場合と、前記試料中に前記標的物質がなく、前記アプタマーが、前記アプタマー結合体に結合したままの場合とで、反応相中における前記プローブの動態が変化する。本発明の標的物質検出装置では、前記プローブが前記標識物質を有し、標的物質の検出に際し、前記プローブを前記支持体に固定するため、例えば、前記標識物質が示す前記プローブの動態変化を、前記分離検出手段により容易に検出でき、標的物質を容易に検出できる。
前記本発明の標的物質検出装置において、前記プローブとしては、例えば、前記本発明の検出方法において使用する前記プローブと同じプローブを使用できる。前記プローブの構造および機能については、前述のとおりである。前記プローブは、例えば、前記標的物質の検出時に、前記支持体に固定されていればよい。例えば、標的物質の検出に際し、本発明の標的物質検出装置において、前記アプタマー結合体に前記アプタマーを結合させる場合、前記プローブは、例えば、前記アプタマー結合体に前記アプタマーを結合させる工程の前、工程中または後に前記支持体に固定できる。
前記本発明の標的物質検出装置において、前記分離検出手段としては、例えば、前記標識物質が発生するシグナルを検出可能な装置を使用できる。
前記本発明の標的物質検出装置では、前記支持体として、例えば、前記本発明の検出方法において使用する前記支持体と同じ支持体を使用できる。前記本前記支持体として、例えば、電極を使用してよい。これにより、前記プローブを電極に固定し、前記プローブからの前記アプタマーの分離を、前記電極を用いて電気的反応として検出する前記分離検出手段を用いて、前記標的物質を検出できる。すなわち、この場合には、前記アプタマーと前記標的物質とが結合して、前記アプタマーが、前記プローブから分離する場合と、前記アプタマーが前記プローブに結合したままの場合との間での、前記プローブの反応相中における動態変化を、前記分離検出手段により、前記標識物質と前記電極の電気的反応として検出できる。前記電極は、特に制限されないが、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記電極と同様である。前記電極の構造および機能については、前述のとおりである。
本発明の標的物質検出装置において、特に、前記標識物質として電極反応物質を用いる場合、前記分離検出手段が、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出する電子伝達検出手段を含むことが好ましい。この場合、前記アプタマー結合体からのアプタマーの分離は、例えば、次のようにして検出できる。すなわち、標的物質の検出に際し、前記プローブを電極に固定する。そして、前記分離検出手段において、前記プローブからの前記アプタマーの分離を、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより検出できる。前記電子伝達検出手段は、特に制限されないが、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記電子伝達検出手段と同様である。前記電子伝達検出手段の構造および機能については、前述のとおりである。この態様によれば、前記電極反応物質が前記プローブに含まれているため、例えば、前記アプタマーを前記電極反応物質で修飾する必要がない。また、前記アプタマーを、前記プローブにより前記電極に固定できるため、例えば、前記アプタマーに、電極表面との架橋反応形成のための官能基を修飾する必要がない。したがって、標的物質の検出を非常に簡便に実施できる。さらに、この態様の標的物質検出装置は、前記標的物質が増加するほど電子伝達の検出値が増大するシグナル増加型の検出反応を示し、高いS/N比を実現できる。前記態様における前記標的物質検出のメカニズムは、例えば、次のように説明できる。ただし、以下の説明はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。前記標的物質が、前記アプタマー結合体と結合した前記アプタマーに結合して、前記アプタマーが、前記アプタマー結合体から分離すると、前記プローブの反応相中における移動度が増す。他方、例えば、前記標的物質が、前記アプタマーが結合可能な標的物質でない場合、前記アプタマー結合体に結合した前記アプタマーが、前記標的物質と結合しないため、前記アプタマーが、前記アプタマー結合体から分離しない。このため、前記プローブの前記反応相中における移動度が、低いままとなる。ここで、この態様の本発明の標的物質検出装置では、前記プローブが、前記リンカーにより前記電極に固定されている。このため、前記プローブの前記移動度が高い場合、前記プローブ中の前記電極反応物質と前記電極との接触頻度は高い。他方、前記プローブの前記移動度が低い場合、前記プローブ中の前記電極反応物質と前記電極との接触頻度は低い。そして、前記電極反応物質と前記電極との接触頻度が高いほど、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値は高い。すなわち、前記アプタマー結合体に前記アプタマーが結合していない場合の方が、結合している場合よりも前記電子伝達の検出値が高い。このような電子伝達の変化を検出して、前記標的物質を検出できる。
本発明の標的物質検出装置は、さらに、前記アプタマーが前記プローブの前記アプタマー結合体に結合した状態を検出する結合状態検出手段を含んでいてもよい。これにより、例えば、前記結合状態検出手段による検出結果と前記分離検出手段による検出結果とを比較して、前記標的物質を検出できる。前記結合状態検出手段は、例えば、前記分離検出手段と同様の構成を有するものでよく、前記分離検出手段と同一の装置であってもよいし、別異の装置であってもよい。
本発明の標的物質検出装置は、さらに、前記アプタマー結合体に結合していない前記アプタマーを除去する、非結合アプタマー除去手段を含んでよい。これにより、前記標的物質が、前記アプタマー結合体に結合していない前記アプタマーと結合することを防止できる。その結果、前記アプタマー結合体から分離する前記アプタマーの量の再現性を向上でき、前記標的物質の存在をより正確に反映した検出結果を得ることができる。
本発明の標的物質検出装置は、例えば、前記プローブを溶液等の液体中で使用できる。前記液体は、特に制限されないが、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記液体と同様である。前記液体の組成、条件等については、前記本発明の検出方法についての説明で前述したとおりである。
本発明の標的物質検出装置は、さらに、前記アプタマーを含んでいてよい。前記アプタマーは、前述のとおり、標的物質の検出に際し、前記アプタマー結合体に結合されていればよい。前記アプタマーは、特に制限されないが、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記アプタマーと同様である。前記アプタマーの構造および機能については、前述のとおりである。
前記本発明の標的物質検出装置では、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することで、前記標的物質を検出することもできる。前記既知の検出値は、例えば、別途実験を行う等して、事前に取得できる。また、前記既知の検出値は、例えば、前記標的物質の供給前における前記プローブの前記電極上での密度、および、前記アプタマーに結合した前記プローブ数と前記アプタマーに結合していない前記プローブ数との比率から算出できる。すなわち、これにより、予め既知の条件で前記プローブと前記アプタマーとを固定した電極を用いて、前記電極反応物質と前記電極との間の前記電子伝達検出値を求めておくことができる。その結果、前記アプタマー分離状態における前記電子伝達の検出値との差から前記標的物質を検出できる。
[アプタマーのスクリーニング方法]
次に、本発明のアプタマーのスクリーニング方法について説明する。前記本発明のスクリーニング方法では、まず、前記第1工程(以下「第1工程(A’)」ということがある)において、前記アプタマー候補物質を前記プローブに供給して、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合させる。次いで、前記第2工程(以下「第2工程(B’)」ということがある)において、前記アプタマー候補物質を供給した前記プローブに対し、前記標的物質を供給する。これにより、前記アプタマー候補物質が、前記標的物質に結合可能なアプタマーである場合は、前記第1工程(A’)において、前記プローブに結合した前記アプタマー候補物質が、前記標的物質と結合し、前記プローブから分離する。次いで、前記第3工程(以下「第3工程(C’)」ということがある)において、前記第2工程(B’)において分離した前記アプタマー候補物質を回収する。すなわち、前記アプタマー候補物質が、前記標的物質のアプタマーでない場合は、前記第2工程(B’)において、前記アプタマー候補物質は、前記プローブに結合し続け、前記プローブから分離しない。ここで、前記本発明のスクリーニング方法では、前記第2工程において、前記プローブを前記リンカーを介して支持体に固定する。したがって、前記第2工程(B’)において前記標的物質との結合により、前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を、前記標的物質と結合せず前記プローブに結合し続ける前記アプタマー候補物質から、容易に回収できる。このようにして、本発明のスクリーニング方法によれば、前記標的物質のアプタマーを効率よく取得できる。また、このようにして回収した前記アプタマーは、前記標的物質に対して高い結合能力を有し、前記標的物質の検出のために非常に適している。また、前記プローブが標識物質を含むため、前記アプタマー候補物質の前記アプタマー結合体との結合および分離を前記標識物質により検出でき、前記アプタマー候補物質の分離状況をモニタリングできる。前記アプタマー候補物質の分離状況のモニタリングについては後述する。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、溶液等の液体中で行う。前記液体は、例えば、前記アプタマー候補物質と前記プローブとの結合および分離が生じ得る液体であれば、特に制限されない。すなわち、前記スクリーニング方法を実施する前記液体の組成、前記スクリーニング方法における各工程における温度、pH、電解質等の条件は、例えば、前記アプタマー候補物質と前記プローブの結合および分離が生じる限り、特に制限されない。前記条件としては、例えば、SELEX法で通常用いる条件を使用でき、また、前記アプタマー候補物質と前記プローブの結合および分離が生じるよう、適宜設定することができる。なお、例えば、本発明のスクリーニング方法で使用する液体と前記本発明の検出方法で使用する液体とで、前記条件を一致させることで、前記本発明の検出方法に非常に適した高い選択性を有するアプタマーを回収できる。
本発明のスクリーニング方法において、前記プローブとしては、アプタマー結合体および標識物質がそれぞれ、支持体に固定可能なリンカーに結合したプローブであれば、特に制限されない。前記アプタマー結合体および前記標識物質が前記リンカーに結合した前記プローブとしては、前記本発明の検出方法で使用する前記プローブを用いることができる。前記本発明の検出方法で使用する前記プローブを用いた場合、本発明の検出方法に非常に適したプローブを回収できる。このようなプローブの構成および機能については、前記本発明の検出方法について説明したとおりである。前記プローブとして、特に、前記二本鎖核酸アプタマー結合体を含むプローブを用いた場合、前記標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する物質を基板等の支持体に固定せずに、前記標的物質と結合するアプタマーを回収できる。そのため、この場合、特に、本発明のスクリーニング方法を、例えば、二本鎖を形成する配列部分を含む多種多様なアプタマーの取得のために使用でき、汎用性を高めることができる。すなわち、例えば、基板等の支持体に固定するための反応に使用できる官能基を持たない物質、分解性の高い物質等、従来は、前記エピトーブを支持体に固定できずにアプタマーの取得が困難であった物質についても、アプタマーを取得できる。また、例えば、従来は、支持体等に固定することで前記エピトープが消滅してしまったり前記エピトープが隠れてしまったりするような物質についても、アプタマーを取得できる。
本発明のスクリーニング方法において、前記アプタマー結合体に結合させる前記アプタマー候補物質は、特に制限されないが、その種類は、多種類準備しておくことが望ましい。多種多様な前記アプタマー候補物質を用いることで、例えば、前記標的物質に対してより高い結合能力を有する前記アプタマーを回収できる。このようなアプタマー候補物質は、例えば、SELEX法等を用いて作製できる。本発明のアプタマーのスクリーニング方法によれば、例えば、電極反応物質、官能基等で修飾しなくても標的物質を検出可能なアプタマーを回収でき、多種多様なアプタマー候補物質を用いた場合でも、効率よく標的物質の検出に適したアプタマーを回収できる。
本発明のスクリーニング方法において、前記第3工程(C’)における前記アプタマーの回収は、例えば、前記標的物質に結合して前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を、前記標的物質に結合せずに前記プローブに結合したままの前記アプタマー候補物質から選別して回収可能なあらゆる手段を用いて行うことができる。前記アプタマー候補物質の回収は、例えば、前記支持体の表面に液体を流す等により行うことができる。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記第3工程(C’)で回収した前記アプタマー候補物質を前記第1工程(A’)の前記アプタマー候補物質として供給し、前記第1工程(A’)から前記第3工程(C’)を繰り返し行ってもよい。これにより、例えば、前記第3工程(C’)で回収した回収物における前記標的物質のアプタマーの純度を高めることができる。本発明のスクリーニング方法は、例えば、さらに、前記第3工程(C’)で回収した前記アプタマー候補物質を増幅する第4工程(以下「第4工程(D’)」ということがある)を含んでよい。本発明のスクリーニング方法は、例えば、さらに、前記第4工程(D’)で増幅した前記アプタマー候補物質を前記第1工程(A’)において、前記アプタマー候補物質として供給して、前記第1工程(A’)から前記第3工程(C’)または前記第1工程(A’)から前記第4工程(D’)を繰り返し行ってもよい。これにより、例えば、高性能のアプタマーを多量に取得できる。前記工程を繰り返す場合、前記本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記第1工程において、前記アプタマー候補物質に別のアプタマー候補物質を前記アプタマー候補物質として供給してもよい。前記「別のアプタマー候補物質」とは、例えば、前記第3工程(C’)で回収した前記アプタマー候補物質でないアプタマー候補物質を意味する。前記別のアプタマー候補物質は、例えば、前記第3工程(C’)で回収した前記アプタマー候補物質が核酸である場合、例えば、様々な配列を持つ核酸の混合物(核酸プールともいう)である。これにより、例えば、より高性能の前記アプタマーを回収できる。前記核酸プールは、例えば、PCRによるアプタマー候補物質の核酸増幅工程においてエラーが入る方法で核酸を増幅したり、核酸増幅工程で増幅したアプタマー候補物質に別途合成した核酸混合物を追加することで、前記アプタマー候補物質として追加できる。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記第2工程(B’)に先立ち、前記プローブに結合していない前記アプタマー候補物質を除去する第5工程をさらに含んでよい。これにより、前記標的物質のアプタマーではないアプタマー候補物質が、前記第3工程(C’)で回収した前記アプタマー候補物質に混在することを防止でき、アプタマー回収の精度を高めることができる。本発明のスクリーニング方法は、また、例えば、前記第3工程(C’)において、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する第6工程を含んでよい。これにより、前記標的物質に結合していない目的外の前記アプタマー候補物質を除去できる。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記第2工程(B’)に先立ち、前記プローブに結合する前記アプタマー候補物質と前記標的物質に類似する構造を有する標的物質類似物とを接触させた後、前記標的物質類似物と結合した前記アプタマー候補物質を除去する工程をさらに含んでもよい。これにより、例えば、前記類似物と結合する前記アプタマー候補物質を除去でき、前記標的物質に対する特異性の高い前記アプタマー候補物質を回収できる。
本発明のスクリーニング方法では、前述のとおり、前記プローブが標識物質を含む。このため、例えば、前記第2工程におけるアプタマー候補物質の分離を、前記標識物質により検出する、検出工程を実施できる。すなわち、例えば、前記プローブに対する前記アプタマー候補物質の結合および分離に伴う前記プローブの反応相中の動態変化を、前記標識物質により検出でき、前記アプタマー候補物質の分離状況をモニタリングできる。この検出のためには、前記プローブは、例えば、前記検出工程に際して前記支持体に固定されていればよい。すなわち、前記プローブの前記支持体への固定は、例えば、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合する工程の前、工程中および後のいずれかの時点で行うことができる。前記支持体としては、例えば、前記本発明の検出方法で使用した前記支持体を使用できる。このような支持体の構成および機能については、前記本発明の検出方法について説明したとおりである。前記支持体としては、例えば、電極を用いることができる。これにより、前記第2工程における前記アプタマー候補物質の分離を、前記標識物質と前記電極との電気的反応として検出できる。前記電極としては、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記電極と同じ電極を使用できる。
本発明のスクリーニング方法において、前記標識物質として、例えば、電極反応物質を含む前記プローブを用いてもよい。この場合、例えば、前記プローブを電極に固定して、前記プローブに対する前記アプタマー候補物質の結合および分離を検出できる。前記検出は、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較して実施できる。例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較してもよい。その結果、スクリーニング方法を実施している間に、例えば、前記アプタマー候補物質が前記アプタマー結合体に結合した結合状態と前記アプタマー候補物質が前記アプタマー結合体から分離した分離状態とを検出でき、例えば、前記アプタマー候補物質が分離したか否かを即座に検知できる。また、例えば、目的のアプタマーの分離量を設定し、前記電子伝達の変化を指標として、例えば、前記第1工程(A’)または前記第2工程(B’)の終了点、前記第3工程(C’)の開始点または終了点等の適切な時点を決定できる。前記第1工程(A’)から前記第4工程(D’)を繰り返し実施する場合、例えば、その終了点も決定することができる。また、前記各工程に用いた溶液の組成、pH、温度等の条件が適切か否かをその場で確認できる。そのため、アプタマーの回収操作の効率および生産性を向上できる。前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値は、例えば、前記本発明の検出方法において使用する電子伝達検出手段を用いて取得できる。
[アプタマースクリーニング装置]
次に、本発明のアプタマースクリーニング装置について説明する。本発明のアプタマースクリーニング装置は、前述のとおり、アプタマー結合体および標識物質がそれぞれ、支持体に固定可能なリンカーに結合したプローブと、標的物質との結合により前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を回収する回収手段と、前記プローブを固定する支持体とを含む。図5(a)に、本発明のアプタマースクリーニング装置の一例の構成を示す。同図に示すように、アプタマースクリーニング装置は、アプタマー候補物質6と特異的に結合するプローブ4と、図示しない回収手段と、支持体5とを含む。前記回収手段は、標的物質との結合により前記アプタマー結合体1から分離した前記アプタマー候補物質6を回収する。本発明のアプタマースクリーニング装置によれば、例えば、次のようにしてアプタマーを回収できる。すなわち、まず、アプタマー候補物質を前記プローブに添加して、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合させる。次いで、前記アプタマー候補物質を添加した前記プローブに対し、前記標的物質を添加する。これにより、前記アプタマー候補物質が、前記標的物質に結合可能なアプタマーである場合は、例えば、前記プローブに結合した前記アプタマー候補物質は、前記標的物質と結合し、前記プローブから分離する。前記アプタマー候補物質が、前記標的物質のアプタマーでない場合は、前記アプタマー候補物質は、例えば、前記プローブに結合し続け、前記プローブから分離しない。ここで、前記プローブは、例えば、前記アプタマー候補物質の分離に際し前記支持体に固定されている。したがって、例えば、前記標的物質との結合により前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を、前記標的物質と結合せず前記プローブに結合し続ける前記アプタマーから、容易に選別でき、前記回収手段を用いて回収できる。このように、本発明のアプタマースクリーニング装置によれば、例えば、前記標的物質のアプタマーを効率よく取得できる。また、このようにして回収した前記アプタマーは、例えば、前記標的物質に対して高い結合能力を有し、前記標的物質の検出のために非常に適している。本発明のアプタマースクリーニング装置によれば、例えば、電極反応物質、官能基等で修飾しなくても標的物質を検出可能なアプタマーを回収できる。また、前記プローブが標識物質を含むため、例えば、前記アプタマー候補物質の前記アプタマー結合体との結合および分離を前記標識物質により検出でき、前記アプタマー候補物質の分離状況をモニタリングできる。前記アプタマー候補物質の分離状況のモニタリングについては後述する。
本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記プローブを溶液等の液体中で用いて使用できる。前記液体の組成、条件等については、例えば、前記本発明のスクリーニング方法で使用する前記液体と同じでよい。
本発明のアプタマースクリーニング装置において、前記プローブとしては、アプタマー結合体および標識物質がそれぞれ、支持体に固定可能なリンカーに結合したプローブであれば、特に制限されない。前記プローブとして、特に、前記本発明の検出方法で使用する前記プローブを使用した場合、例えば、前記本発明の検出方法に使用するのに非常に適したアプタマーを取得できる。前記アプタマー結合体および前記標識物質が前記リンカーに結合した前記プローブとしては、例えば、前記本発明の検出方法で使用する前記プローブを用いることができる。前記本発明の検出方法で使用する前記プローブを用いた場合、例えば、本発明の検出方法に非常に適したプローブを回収できる。前記アプタマー結合体および前記標識物質が前記リンカーに結合した前記プローブの構成および機能については、例えば、前記本発明の検出方法について説明したとおりである。前記プローブとして、特に、前記二本鎖核酸アプタマー結合体を含むプローブを用いた場合、例えば、前記標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する物質を電極等に固定せずに、前記標的物質と結合するアプタマーを回収できる。そのため、この場合、特に、本発明のスクリーニング方法は、例えば、二本鎖を形成する配列部分を含む多種多様なアプタマーの取得のために使用でき、汎用性を高めることができる。すなわち、例えば、基板等の支持体に固定するための反応に使用できる官能基を持たない物質、分解性の高い物質等、従来は、前記エピトーブを支持体に固定できずにアプタマーの取得が困難であった物質についても、アプタマーを取得できる。また、例えば、従来は、支持体等に固定することで前記エピトープが消滅してしまったり前記エピトープが隠れてしまったりするような物質についても、アプタマーを取得できる。
本発明のアプタマースクリーニング装置において、前記回収手段は、前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を、前記標的物質と結合せず前記プローブに結合したままの前記アプタマー候補物質から選別でき、回収できる限り特に制限はない。前記回収手段は、例えば、前記支持体の表面に液体を流す等により前記アプタマー結合体から分離した前記アプタマーを回収する場合における前記液体であってもよい。
本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記回収手段により回収した前記アプタマー候補物質を前記プローブに添加する添加手段を、さらに含んでもよい。これにより、例えば、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合させた後、前記標的物質を添加して前記プローブから前記アプタマー候補物質を分離させ、前記標的物質のアプタマーを回収する工程を繰り返し行うことができる。その結果、例えば、前記回収手段により回収した回収物における前記標的物質のアプタマーの純度を高めることができる。
本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記回収手段により回収した前記アプタマー候補物質を増幅する増幅手段と、前記増幅手段により増幅した前記アプタマー候補物質を前記プローブに添加する増幅アプタマー添加手段とをさらに含んでいてもよい。前記増幅手段は、前記アプタマー候補物質を増幅できる限り、特に制限はない。前記増幅アプタマー添加手段は、前記増幅手段により増幅した前記アプタマー候補物質を前記プローブに添加できる限り、特に制限されない。前記増幅アプタマー添加手段は、例えば、前記添加手段と同一の装置であってもよい。これにより、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合させた後、前記標的物質を添加して前記アプタマー候補物質を分離させ、前記標的物質のアプタマー候補物質を回収する工程を、前記アプタマー候補物質を適宜増幅して、繰り返し行うことができる。その結果、例えば、高性能のアプタマーを多量に取得できる。なお、前記工程を繰り返す場合、前記添加手段または前記アプタマー添加手段は、例えば、前記回収手段により回収したアプタマー候補物質に別のアプタマー候補物質を追加した混合物を、前記プローブに添加することができる。
本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記プローブに結合していない前記アプタマー候補物質を除去する非結合アプタマー除去手段をさらに含んでいてもよい。これにより、例えば、前記標的物質のアプタマーではないアプタマー候補物質が、前記回収手段で回収された前記アプタマーに混在することを防止でき、アプタマー回収の精度を高めることができる。
本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する標的物質非結合アプタマー候補物質除去手段を、さらに含んでいてもよい。これにより、前記標的物質に結合していないアプタマー候補物質を除去できる。
本発明のアプタマースクリーニング装置において、前記支持体としては、例えば、前記本発明の前記標的物質の検出方法で使用した前記支持体を使用できる。このような支持体の構成および機能については、例えば、前記本発明の前記検出方法について説明したとおりである。前記本発明のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を前記標識物質により検出する分離検出手段をさらに含んでいてよい。これにより、アプタマー候補物質の回収操作において、例えば、前記アプタマー候補物質の分離に伴う反応相中の前記プローブの動態変化を前記標識物質により検出でき、前記アプタマー候補物質の分離状況をモニタリングできる。前記検出のためには、前記プローブは、前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離の検出に際して前記支持体に固定されていればよい。すなわち、前記プローブの前記支持体への固定は、前記アプタマー候補物質を前記プローブに結合する工程の前、工程中および後のいずれかの時点で行うことができる。
本発明のアプタマースクリーニング装置において、例えば、前記プローブとして、前記標識物質として電極反応物質を含む前記プローブを使用してもよい。この場合、前記支持体として、例えば、電極を使用できる。また、前記分離検出手段として、例えば、前記標的物質との結合による前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出することにより検出する電子伝達検出手段を使用できる。前記電極としては、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記電極と同じ電極を使用できる。これにより、前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を、例えば、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより検出することが可能となる。このようにして、スクリーニング方法を実施している間に、例えば、前記結合状態と前記分離状態とを検出でき、前記アプタマー候補物質が分離したか否かを即座に検知できる。また、例えば、目的のアプタマーの分離量を設定し、前記電子伝達の変化を指標として、例えば、アプタマー候補物質と前記プローブを結合させる工程、アプタマー候補物質を前記プローブから分離させる工程等の終了点、前記プローブから分離した前記アプタマー候補物質を回収する工程の開始点または終了点等の適切な時点を決定できる。また、例えば、アプタマーの回収のために用いた溶液の組成、pH、温度等の条件が適切か否かをその場で確認できる。そのため、例えば、アプタマーの回収操作の効率および生産性を向上できる。前記電子伝達検出手段としては、例えば、前記本発明の検出方法において説明した前記電子伝達検出手段と同じ手段を使用できる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態は、例示であり、本発明は、以下の実施形態により制限および限定されない。
[実施形態1]
本実施形態は、本発明のプローブ、標的物質の検出方法および標的物質検出装置の一例を示す。本実施形態の標的物質の検出方法は、図1(a)および図2(a)に示す本実施形態のプローブおよび本実施形態の標的物質検出装置を用いて実施できる。図示のとおり、本実施形態の標的物質検出装置3は、本実施形態のプローブ4、電極5および電気化学測定装置(電子伝達検出手段)13を含む。本実施形態では、前記プローブ4は、アプタマー6に特異的に結合するアプタマー結合体1および電極反応物質2がそれぞれ、支持体である電極5に固定可能なリンカー14に結合した構成を有する。アプタマー結合体1および電極反応物質2は、リンカー14が電極5に固定されることにより、電極5に固定されている。アプタマー6は、その少なくとも一部が、プローブ4のアプタマー結合体1と結合する。本実施形態において、アプタマー6は、例えば、核酸であってもよいし、ペプチドであってもよい。アプタマー結合体1は、例えば、本実施形態における標的物質8の全部または一部と同一または類似のエピトープを有し、前記エピトープが、アプタマー6と特異的に結合する。電極反応物質2は、例えば、酸化還元電位を有する物質、触媒等である。リンカー14は、例えば、親水性高分子および親水性オリゴマーの少なくとも一方を含んでいてよい。また、リンカー14は、例えば、負電荷を有していてもよい。電極5は、対極12とともに電気化学測定装置13に接続されている。電極5は、導電性を有する部材である。本実施形態の標的物質検出装置3では、アプタマー6が、標的物質8に特異的に結合することで、アプタマー結合体1から分離する。ここで、前記標的物質検出時に、プローブ4を、リンカー14により電極5に固定する。そして、電子伝達検出手段13が、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達を測定する。これにより、アプタマー6がアプタマー結合体1に結合したアプタマー結合状態と、アプタマー6がアプタマー結合体1から分離したアプタマー分離状態とを、それぞれ検出できる。その結果、前記アプタマー結合状態と前記アプタマー分離状態とにおける前記電子伝達の検出値を比較することで、標的物質8を検出できる。
以下、本実施形態の検出方法について説明する。本実施形態の検出方法は、プローブ提供工程(A)と検出工程(B)とを含む。具体的には、本実施形態では、まず、前記プローブ提供工程(A)および下記工程(A−2)のアプタマー結合状態検出工程を実施する。次いで、前記検出工程(B)において、下記工程(B−1)、工程(B−2)および工程(B−3)を実施する。
(A)アプタマー6がアプタマー結合体1に結合しているプローブを提供するプローブ提供工程。
(A−2)電子伝達検出手段13が、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達を測定することで、アプタマー6がアプタマー結合体1に結合した結合状態を検出するアプタマー結合状態検出工程。
(B−1)アプタマー6がアプタマー結合体1に結合した状態において、標的物質8をアプタマー6に結合させてアプタマー6をアプタマー結合体1から分離させる分離工程。
(B−2)電子伝達検出手段13が、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達を検出することで、アプタマー6がアプタマー結合体1から分離した分離状態を検出するアプタマー分離状態検出工程。
(B−3)前記アプタマー結合状態検出工程(A−2)と前記アプタマー分離状態検出工程(B−2)とにおいてそれぞれ検出した前記電子伝達の検出値を比較して前記標的物質を検出する標的物質検出工程。
図1および図2に、本実施形態の検出方法および標的物質検出装置による標的物質検出のメカニズムを示す。図1は、後述の溶液中に標的物質8を追加する例である。図2は、標的物質8に代えて非標的物質9を添加する以外は、図1と同様である。なお、本実施形態において、下記の工程は、溶液中で行う。前記溶液の組成は、アプタマー6とアプタマー結合体1の結合および分離が生じる組成であれば、特に制限されない。下記の各工程における温度、pH、電解質等の条件は、例えば、SELEX法で通常用いる条件を使用でき、また、アプタマー6とアプタマー結合体1の結合および分離が生じるよう、適宜設定することができる。ただし、電解質濃度は、例えば、下記(1−2)のアプタマー結合状態検出工程(A−2)および下記(1−4)のアプタマー分離状態検出工程(B−2)で、電気化学的測定の検出精度を損なわない濃度とすることが好ましい。
(1−1)プローブ提供工程(A)
本実施形態の検出方法を実施するに当たり、まず、アプタマー6をプローブ4のアプタマー結合体1に結合させる。このプローブ提供工程は、標的物質の検出を行う前であれば、本発明の効果を奏する限り何時行ってもよい。前記プローブ提供工程は、例えば、プローブ4にアプタマー6を添加することにより行うことができる(図1(a)、図2(a))。プローブ4にアプタマー6を添加することにより、プローブ4にアプタマー6が接近すると、アプタマー結合体1が有する前記エピトープに、アプタマー6が結合する(図1(b)、図2(b))。
(1−2)アプタマー結合状態検出工程(A−2)
本実施形態では、アプタマー6とアプタマー結合体1の結合を検出する(図1(c)、図2(c))。これは、例えば、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達を検出することで実施できる。この検出原理は、例えば、次のように説明できる。すなわち、アプタマー6がアプタマー結合体1に結合することにより、プローブ4は、前記溶液中の移動度が低下した状態となる。この移動度低下の原因としては、例えば、拡散係数の低下、プローブ4に結合したアプタマー同士の静電相互作用、立体障害等が挙げられる。前記拡散係数は、例えば、アプタマー6がアニオン性高分子等のため、プローブ4の見かけ上の分子量が大きくなることにより、低下する。そのため、プローブ4に含まれる電極反応物質2が、溶液中を移動して電極5と接触する頻度も低下する。したがって、この状態では、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達の検出値は、前記プローブ提供工程を行う前よりも小さくなる。これにより、アプタマー6がアプタマー結合体1と結合した結合状態を検出することができる。ただし、この原理はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。電極反応物質2と電極5の間の電子伝達は、電極5を作用極として電子伝達検出装置13により電気化学的測定を行うことにより測定できる。具体的には、電気化学測定を行うためには、電極5と対極12とを電気化学測定装置13に接続すればよい。また、例えば、電位制御を正確に行うために、電極5と対極12に加えて、別途参照電極(図示せず)を電気化学測定装置13に接続して3極式で電気化学測定を行ってもよい。なお、前記アプタマー結合状態検出工程(A−2)は、前記プローブ提供工程(A)と同時に行ってもよいし、前記プローブ提供工程(A)の後で行ってもよい。
(1−3)分離工程(B−1)
前記(1−2)のアプタマー結合状態検出工程に次いで、前記溶液中に試料を添加する。前記試料中に標的物質8が含まれている場合には、前記添加により前記アプタマーを結合したプローブ4に標的物質8が接近し(図1(d))、標的物質8とアプタマー6とが結合する(図1(e))。ここで、標的物質8とアプタマー6の結合は、アプタマー6が、アプタマー結合体1よりも標的物質8に強く結合する場合に起こる。アプタマー6は、標的物質8と結合後、アプタマー結合体1から分離する(図1(f))。これに対し、前記試料中に標的物質8が含まれず、代わりに非標的物質9が含まれている場合(図2(d))、非標的物質9は、アプタマー6と結合しない(図2(e))。このため、アプタマー6は、アプタマー結合体1に結合し続ける(図2(f))。
(1−4)アプタマー分離状態検出工程(B−2)
前記(1−3)の分離工程に次いで、アプタマー6と結合したアプタマー結合体1からの前記アプタマーの分離を検出する(図1(g)、図2(g))。この検出は、前記アプタマー分離後のプローブ4を検出することにより行うことができる。すなわち、前記(1−3)の分離工程で、試料中に標的物質8が含まれていた場合、アプタマー6がアプタマー結合体1から分離すると、プローブ4は、アプタマー6から分離する。したがって、例えば、アプタマー6を結合していないアプタマー非結合プローブを検出できれば、前記試料は、標的物質8を含むと判断できる。また、例えば、前記アプタマー非結合プローブを検出できなければ、前記試料は、標的物質8を含まないと判断できる。前記アプタマー非結合プローブの検出は、例えば、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達を検出することで実施できる。
(1−5)標的物質検出工程(B−3)
ついで、前記(1−2)のアプタマー結合状態検出工程と前記(1−4)のアプタマー分離状態検出工程においてそれぞれ検出された前記電子伝達の検出値を比較して前記標的物質を検出する。この検出原理は、例えば、次のように説明できる。すなわち、前記(1−3)の分離工程において、前記試料が標的物質8を含む場合、プローブ4がアプタマー6から分離する。これにより、プローブ4の溶液中の移動度の低下が解消するため、電極反応物質2と電極5の表面との接触頻度が回復し、電子伝達の検出値が増加する(図1(g))。他方、試料が標的物質8を含まない場合、電極反応物質2と電極5の表面との接触効率が低下したままとなるため、電子伝達の検出値が回復しない(図2(g))。ただし、この原理はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。なお、電極反応物質2が触媒(例えば、酵素)である場合、前記溶液中に前記触媒に対する反応物質(例えば、前記酵素の基質)を含むことが好ましく、この場合の検出原理は、例えば、次のように説明できる。すなわち、アプタマー6がアプタマー結合体1に結合することにより、プローブ4は、前記溶液中の移動度が低下した状態となる。そのため、プローブ4に含まれる触媒2が、溶液中を移動して電極5と接触する頻度も低下する。前記反応溶液中に前記反応物質(基質)が添加されているため、前記反応物質(基質)との間で電子を授受した触媒2が電極5と接触すると、触媒2と電極5との間で電子伝達が起こる。すなわち、触媒2と電極5との接触頻度が低い状態では、触媒2と電極5との間の電子伝達の検出値は、前記プローブ提供工程を行う前よりも小さい。これにより、アプタマー6がアプタマー結合体1と結合した結合状態を検出することができる。なお、前記溶液中に、電子伝達メディエータを添加してもよい。この場合は、前記反応物質(基質)との間で電子を授受した前記触媒(酵素)が、前記電子伝達メディエータと電子を授受し、この電子伝達メディエータが電極上で電気化学反応した際に、電子伝達が起こる。より詳しくは、前記電極と前記触媒の接触頻度が増加したときに、前記電子伝達メディエータのレドックスサイクリング数が増えて電極反応の頻度が増加するため、電子伝達の検出値の上昇を検知できる。前記レドックスサイクリングによる1分子の電極反応物質の移動度の変化によって、複数回の電極反応が生じる。この結果、例えば、シグナルが増幅され、さらにS/N比を向上できる。また、前記電子伝達メディエータは、例えば、前記電極上に固定されていても良い。この場合は、前記電極と前記触媒との接触頻度が増加したときに、前記電子伝達メディエータと前記触媒との接触頻度が高くなり、レドックスサイクリング数が多くなる。これにより、電子伝達の検出値の上昇を検知できる。ただし、以上の原理もあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。本実施形態では、アプタマー6と結合を形成しているプローブ4の増減を検知することで、プローブ4と結合したアプタマー6のアプタマー結合体1からの分離を検出している。しかし、標的物質8の検出は、アプタマー6と結合したアプタマー結合体1からのアプタマー6の分離を検出できる限り、前記検出態様に限定されない。
本実施形態の標的物質の検出方法によれば、アプタマー6とプローブ4中のアプタマー結合体1とが結合している場合と、前記両者が結合していない場合とで、前記電極反応物質2と前記電極5の間の電子伝達の検出値が増減する。具体的には、本実施形態の検出方法によれば、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達の検出値は、例えば、アプタマー6とアプタマー結合体1とが結合している場合には増加し、両者が結合していない場合には減少する。これを利用して、試料中に標的物質8が含まれるか否かを調べることができる。本実施形態によれば、電極反応物質2がプローブ4に含まれるため、アプタマー6を電極反応物質2で修飾する必要がない。また、アプタマー6が、プローブ4により電極5に固定されるため、アプタマー6に電極表面との架橋反応形成のための官能基を修飾する必要がない。このように、本実施形態の検出方法は、非常に簡便に実施できる。さらに、本実施形態は、例えば、前記アプタマーの立体構造変化に依存することなく標的物質を検出できる。このため、本実施形態は、多種多様なアプタマーおよび標的物質について適用でき、汎用性が高い。さらに、本実施形態の検出方法は、例えば、前記標的物質の濃度が高いほど電子伝達の検出値が上昇する。このため、本実施形態の検出方法は、シグナル増加型の検出反応を示し、高いS/N比を実現できる。
本実施形態では、前述のように、前記(1−1)のプローブ提供工程(A)に際し、予め電極5にプローブ4を固定する。ただし、本実施形態は、このような態様に限定されず、例えば、前記プローブ提供工程(A)において、前記アプタマーと前記アプタマー結合体を結合させる間または後に、プローブ4を電極5に固定してもよい。こうすることで、例えば、電極5に反応液を塗布する処理、電極5を反応液に浸す処理等を省略でき、検出操作を簡略化できる。また、例えば、前記プローブ提供工程(A)において、アプタマー結合体1にアプタマー6を添加した直後に、例えば、プローブ4とアプタマー6の混合物を電極表面に接触させて、アプタマー6をアプタマー結合体1と結合させる工程と、プローブ4を電極5に固定する工程とを同時に行ってもよい。こうすることで、例えば、検出操作をより簡略化できる。
本実施形態では、また、前記(1−2)の結合状態検出工程における電子伝達効率の測定値として既知の検出値を使用できる。これにより、例えば、前記(1−2)のアプタマー結合状態検出工程を省略できる。前記既知の検出値は、例えば、前記(1−1)のプローブ提供工程に際しての前記プローブの前記電極上での密度、および前記アプタマーに結合した前記プローブ数と前記アプタマーに結合していない前記プローブ数との比率から算出できる。すなわち、例えば、前記電子伝達検出値に基づき、予め既知の条件で、プローブ4とアプタマー6とを固定した電極を用いて、電極反応物質と電極との間の電子伝達検出値を求めておくことができる。そして、これにより、例えば、前記(1−4)のアプタマー分離状態検出工程(B−2)で検出した電子伝達検出値との差から標的物質を検出することができる。この結果、本実施形態によれば、検出操作をさらに簡略化できる。
本実施形態では、例えば、前記(1−3)の分離工程(B−1)に先立ち、前記電極表面に非特異的に吸着して前記プローブに結合していないアプタマーを除去する非結合アプタマー除去工程をさらに行ってもよい。これにより、例えば、前記(1−3)の分離工程(B−1)において、標的物質8が、前記電極の表面に非特異的に吸着したアプタマーと結合することを防止できる。その結果、例えば、前記アプタマーと結合した前記プローブから分離する前記アプタマーの量の再現性が向上し、標的物質の存在をより正確に反映した検出結果を得ることができる。
本実施形態は、例えば、後述の実施形態3から7で取得するアプタマーを用いて実施できる。後述の実施形態3から6のアプタマーは、本実施形態と同じプローブを用いて回収するため、例えば、本実施形態に使用した場合に、特に高い選択性を示す。
[実施形態2]
本実施形態は、本発明のプローブ、標的物質の検出方法および標的物質検出装置の別の例を示す。本実施形態の検出方法は、アプタマーとして、二本鎖核酸部分を有するものを使用し、プローブとして、前記アプタマーの前記二本鎖核酸部分に結合するアプタマー結合体を含むものを使用する以外は、実施形態1と同じである。図3は、後述の溶液中に標的物質8を添加する例である。図4は、標的物質8に代えて非標的物質9を添加する以外は図3と同様である。本実施形態の検出方法は、例えば、両図に示す本実施形態のプローブおよび標的物質検出装置を用いて実施できる。本実施形態では、アプタマー結合体1は、例えば、インターカレータ、核酸結合タンパク質等であり、それ自体が電極反応物質であってもよい。アプタマー6は、核酸の一部がハイブリダイズした二本鎖核酸部分を有する(図3(a)、図4(a))。このようなアプタマーは、例えば、アプタマーである一本鎖核酸6の一部と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片7とをハイブリダイズさせることにより作製できる。また、このようなアプタマー6は、例えば、アプタマーである一本鎖核酸に、自身の配列の相補的な塩基配列同士でハイブリダイズさせて二本鎖核酸部分を形成することによっても作製できる。プローブ4において、アプタマー結合体1は、核酸6の二本鎖部分に特異的に結合し、核酸6の一本鎖部分には結合しない特性を有する。本実施形態の下記工程は、例えば、溶液中で行う。前記溶液の温度、組成、電解質、pH等は、実施形態1と同様に設定できるが、下記(2−1)の工程において、アプタマー6の二本鎖部分の結合が維持でき、かつ、アプタマー結合体1がアプタマー6の前記二本鎖部分に結合できる条件に設定することが好ましい。
(2−1)プローブ提供工程(A)
本実施形態の検出方法を実施するに当たり、まず、アプタマー6をプローブ4のアプタマー結合体1に結合させる。このプローブ提供工程は、標的物質8の検出を行う前であれば、本発明の効果を奏する限り何時行ってもよい。前記プローブ提供工程は、例えば、プローブ4にアプタマー6を添加することにより実施できる。プローブ4にアプタマー6を添加することにより、プローブ4にアプタマー6が接近すると、二本鎖核酸アプタマー結合体であるアプタマー結合体1とアプタマー6の二本鎖核酸部位とが結合する(図3(b)、図4(b))。これにより、アプタマー6は、アプタマー結合体1を介してプローブ4と結合する。
(2−2)アプタマー結合状態検出工程(A−2)
次いで、アプタマー6とアプタマー結合体1の結合を検出する(図3(c)、図4(c))。この結合は、例えば、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達を、電子伝達検出装置13を用いて測定することにより検出できる。なお、このアプタマー結合状態検出工程(A−2)は、前記プローブ提供工程(A)と同時に行ってもよいし、前記プローブ提供工程(A)の後で行ってもよい。
(2−3)分離工程(B−1)
実施形態1と同様に、前記(2−2)のアプタマー結合状態検出工程に次いで、前記溶液に検出対象である試料を添加する。前記試料中に標的物質8が含まれている場合、前記添加により、標的物質8がアプタマー結合体1に結合したアプタマー6に接近すると(図3(d))、標的物質8とアプタマー6とが結合する(図3(e))。ここで、標的物質8とアプタマー6とが結合すると、ブランチマイグレーションが起こり、アプタマー6の二本鎖部分が失われる。このブランチマイグレーションは、標的物質8とアプタマー6との結合が、アプタマー6の二本鎖部分を形成していた核酸同士の結合よりも強い場合に起こる。このようにして、アプタマー6の二本鎖部分が失われると、アプタマー結合体1は、アプタマー6との結合を維持できず、アプタマー6と分離する(図3(f))。これに対し、前記試料中に標的物質8が含まれず、代わりに非標的物質9が含まれている場合(図4(d))、非標的物質9は、アプタマー6と結合しない(図4(e))。このため、アプタマー6は、アプタマー結合体1に結合し続ける(図4(f))。
(2−4)アプタマー分離状態検出工程(B−2)
前記分離工程に次いで、アプタマー結合体1からのアプタマー6の分離を検出する(図3(g)、図4(g))。この検出は、例えば、実施形態1の前記(1−4)の工程と同様に、電気化学測定装置13を用いて行うことができる。
(2−5)標的物質検出工程(B−3)
前記実施形態1と同様にして、前記(2−2)のアプタマー結合状態検出工程および前記(2−4)のアプタマー分離状態検出工程においてそれぞれ測定された前記電子伝達を比較して、前記標的物質を検出する。
本実施形態の検出方法によれば、例えば、標的物質8の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する物質を電極に固定せずに、標的物質を特異的に検出できる。したがって、本実施形態の検出方法は、例えば、配列の一部が二本鎖部分を形成している多種多様なアプタマーについて適用でき、汎用性が高い。また、本実施形態のアプタマーを用いた検出方法および標的物質検出装置は、例えば、多種多様な標的物質に対して共通のプローブを適用できるため、汎用性が高く、また、製造工程を簡略化できる。
本実施形態は、例えば、下記の実施形態3から7で得られるアプタマーを用いて実施できる。下記実施形態7のアプタマーは、本実施形態と同じプローブおよび条件を用いて回収されることから、本実施形態の検出方法に適しており、簡便な操作で高い選択性を実現できる。
[実施形態3]
本実施形態は、本発明のスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置の一例である。本実施形態のスクリーニング方法は、図1(a)に示す本実施形態のアプタマースクリーニング装置を用いて実施できる。本実施形態のアプタマースクリーニング装置は、前記実施形態1の本発明の標的物質検出装置に、さらに回収手段を含む。すなわち、本実施形態のアプタマースクリーニング装置は、アプタマー結合体1および標識物質2がそれぞれリンカー14に結合したプローブ4と、回収手段と、プローブ4を固定する支持体5とを含む。本実施形態では、前記回収手段は、バッファー溶液である。アプタマー6は、核酸であってもペプチドであってもよい。
本実施形態のスクリーニング方法は、下記工程(A’)から(C’)を含む。
(A’)アプタマーが特異的に結合可能なプローブ4に対し、アプタマー候補物質6を供給する第1工程。
(B’)プローブ4に標的物質8を供給し、プローブ4に結合しているアプタマー候補物質6を、標的物質8に結合させることにより、プローブ4から分離する第2工程。
(C’)分離したアプタマー候補物質6を回収する第3工程。
図5に、本実施形態のスクリーニング方法のメカニズムを表す模式図を示す。本実施形態では、前記実施形態1と同じプローブを用いてアプタマーを回収する例を説明する。すなわち、本実施形態では、プローブ4は、アプタマー結合体1により、アプタマー6に特異的に結合する。本実施形態において、下記の工程は、例えば、溶液中で行う。前記溶液の組成は、前記実施形態1と同じである。本実施形態では、前記アプタマー候補物質は、核酸であってもよいしペプチドであってもよい。
(3−1)第1工程(A’)
まず、アプタマー候補物質6を、プローブ4に添加する。アプタマー候補物質6が、アプタマー結合体1と特異的に結合する構造を有している場合、アプタマー候補物質6は、アプタマー結合体1と結合する。本実施形態では、アプタマー結合体1が、リンカー14により電極5に固定されているため、アプタマー候補物質6は、プローブ4により電極5に固定される(図5(a))。アプタマー候補物質6が、アプタマー結合体1と結合する構造を有していない場合は、アプタマー候補物質6は、アプタマー結合体1と結合しない(図5(a))。なお、本実施形態では、電極5を支持体として用いているが、電極に限定されず、支持体として使用できるものであればよい。
(3−2)第2工程(B’)
前記第1工程に次いで、前記溶液に、標的物質8を含む試料を添加する。標的物質8が、アプタマー候補物質6を結合した前記プローブに接近すると、アプタマー候補物質6が標的物質8のアプタマーの構造を有する場合には、アプタマー候補物質6は、標的物質8と結合する(図5(b))。アプタマー候補物質6が、標的物質8のアプタマーの構造を有さない場合は、アプタマー候補物質6は、標的物質8と結合しない(図5(b))。アプタマー候補物質6が、標的物質8と結合した場合、次いで、アプタマー候補物質6は、前記アプタマー候補物質と結合したアプタマー結合体1から分離する(図5(c))。ここで、この分離は、標的物質8とアプタマー候補物質6の結合が、アプタマー結合体1とアプタマー候補物質6との結合よりも強い場合に起こる。
(3−3)第3工程(C’)
前記第2工程に次いで、標的物質8に結合してアプタマー結合体1から分離したアプタマー候補物質6を回収する。標的物質8のアプタマーの構造を有するアプタマー候補物質6は、アプタマー結合体1から分離したため、電極5から離れた状態にある。このため、例えば、電極5の表面にバッファー等の溶液を流すことにより、標的物質8のアプタマーの構造を有するアプタマー候補物質6を回収できる。標的物質8のアプタマーの構造を有さないアプタマー候補物質は、アプタマー結合体1に結合し続けるため(図5(c))、電極5に固定された状態を維持する。従って、前記第3工程において、標的物質8の構造を有するアプタマー候補物質6のみを回収できる。
本実施形態のスクリーニング方法によれば、アプタマー候補物質6は、標的物質8が存在しない場合は、プローブ4に結合し続け、標的物質8が存在する場合は、標的物質8と結合して、アプタマー結合体1から分離する。このため、後者の場合、アプタマー候補物質6を取得できる。このようなアプタマー候補物質6は、例えば、標的物質8を検出するための標的物質の検出方法等に非常に適している。
本実施形態のスクリーニング方法において、前記アプタマー候補物質は、多種類準備しておくことが望ましい。多種多様なアプタマー候補物質を用いることで、例えば、標的物質に対してより高い結合能力を有するアプタマー候補物質を選択できる。本実施形態のスクリーニング方法は、例えば、前記アプタマー候補物質を電極反応物質、官能基等で修飾する工程が不要であり、多種類のアプタマー候補物質を用いた場合でも効率よく前記アプタマー候補物質を回収できる。
本実施形態では、前記(3−2)の第2工程(B’)に先立ち、例えば、アプタマー結合体1に結合していないアプタマー候補物質6を除去する第5工程をさらに含むことが好ましい。これにより、例えば、前記第3工程(C’)において標的物質8のアプタマー候補物質ではないものが、前記第3工程において回収された前記アプタマー候補物質に混在することを防止でき、アプタマー回収の性能を高めることができる。本実施形態では、また、例えば、(3−3)の第3工程(C’)において、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する第6工程をさらに含んでもよい。
本実施形態は、前記(3−2)の第2工程に先立ち、例えば、アプタマー結合体1に結合する前記アプタマー候補物質と前記標的物質に類似する構造を有する標的物質類似物とを接触させた後、前記標的物質類似物と結合した前記アプタマー候補物質を除去する類似物結合アプタマー候補物質除去工程を、さらに含んでもよい。これにより、例えば、前記類似物と結合するアプタマー候補物質6を除去でき、標的物質8に対する得意性の高い前記アプタマー候補物質を回収できる。
本実施形態のスクリーニング方法により取得したアプタマーは、例えば、前記標的物質と前記アプタマー結合体の両方に結合でき、かつ、前記アプタマー結合体よりも前記標的物質により強く結合する。したがって、前記アプタマーは、例えば、アプタマーを用いた検出方法に好適に使用できる。本実施形態で回収した前記アプタマーは、実施形態1と同じプローブを用い、同じ条件で取得可能であるため、例えば、前記実施形態1のセンサに特に適している。
本実施形態では、前記(3−2)の第2工程に先立ち、例えば、前記プローブを前記電極に固定してもよい。すなわち、図6に示すように、プローブ4は、アプタマー候補物質6を結合させる前記(3−1)の第1工程と同時に電極5に固定されてもよいし、前記(3−1)の第1工程の後に、電極5に固定されてもよい。これにより、例えば、前記各工程において、前記アプタマー候補物質の分離状況をモニタリングすることが可能となる。また、例えば、適宜、電極5に反応液を塗布したり、電極5を洗浄したりする工程を省略でき、前記各工程を簡便化できる。
本実施形態のアプタマースクリーニング装置は、例えば、前記アプタマー候補物質に電極反応物質、官能基等を修飾しなくても標的物質を検出可能なアプタマー候補物質を回収でき、多種類のアプタマー候補物質を用いた場合でも、効率よく前記アプタマー候補物質を回収できる。
[実施形態4]
本実施形態は、本発明のスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置の別の例である。本実施形態は、アプタマーを回収する操作中に、電極反応物質と電極との間の電子伝達を検出することを除き、実施形態3と同じである。すなわち、本実施形態では、図6に示すアプタマースクリーニング装置3を用いてアプタマーを回収する。アプタマースクリーニング装置3は、回収手段(図示せず)を含むこと以外は、前記実施形態1の標的物質検出装置3と同じ構成を有する。また、本実施形態の下記工程は、実施形態3と同じ溶液中で行う。図6に、本実施形態のスクリーニング方法のメカニズムを示す。アプタマー候補物質6は、核酸であってもペプチドであってもよい。
(4−1)第1工程(A’)
まず、実施形態3における前記(3−1)の第1工程と同じ処理を行い、アプタマー候補物質6をアプタマー結合体1に結合させる。ただし、本実施形態では、電極5と対極12とが、電気化学測定装置13に接続されている点が、実施形態3と相違する(図6(a))。本実施形態では、次いで、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達を検出する。この電子伝達の検出は、例えば、実施形態1と同じ方法で電子伝達検出装置13を用いて行うことができる。ここで、アプタマー候補物質6は、アプタマー結合体1に結合しているため、プローブ4の溶液中の移動度は、前記第1工程の前よりも小さい。このため、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達の検出値も、前記第1工程の前よりも小さい(図6(c))。
(4−2)第2工程(B’)
次いで、実施形態3における前記(3−2)の第2工程と同じ処理を行う。これにより、実施形態3において前述したように、アプタマー候補物質6と標的物質8が結合する(図6(d))。そして、実施形態3において前述したように、標的物質8に結合したアプタマー候補物質6が、アプタマー結合体1から分離する。
(4−3)第3工程(C’)
次いで、実施形態3における前記(3−3)の第3工程と同じ処理を行う。この工程により、アプタマー結合体1から分離したアプタマー候補物質6を回収することができる。ただし、本実施形態では、前記第3工程により回収したアプタマー候補物質6を検出する。前記(4−2)の第2工程により、標的物質8のアプタマーの構造を有するアプタマー候補物質6は、プローブ4から分離した状態にある。このように、アプタマー候補物質6と分離することで、プローブ4の溶液中の移動度が大きくなり、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達の検出値が大きくなる(図6(f))。すなわち、電極反応物質2と電極5との電子伝達を、例えば、電気化学測定装置13により検出し、前記(4−1)の第1工程において検出した電子伝達の検出値からの変化を調べれば、分離したアプタマー候補物質6を検出できる。前記(4−2)の第2工程で分離したアプタマー候補物質6が、前記(4−3)の第3工程で回収されるため、この電子伝達の検出により、前記第3工程で回収したアプタマー候補物質6を検出できる。
本実施形態のスクリーニング方法により、電極反応物質2と電極5との間の電子伝達の変化量の大小を指標として、例えば、アプタマー候補物質6の回収が効率よく行われたかどうかを評価することができる。具体的には、アプタマー候補物質6と前記標的物質の結合力が強いほど、多くのアプタマー候補物質がアプタマー結合体1から分離し、前記電子伝達の検出値の増加量が大きくなる。本実施形態のスクリーニング方法によれば、アプタマー候補物質の回収効率および生産性が向上する。
本実施形態のスクリーニング方法によれば、標的物質のアプタマー候補物質が分離したか否かを即座に検知でき、例えば、前記アプタマー候補物質の回収のために各工程で用いた溶液の組成、pH、温度等の条件が適切か否かを簡便に評価できる。そのため、アプタマー候補物質の回収操作の効率および生産性を高めることができる。
[実施形態5]
本実施形態は、本発明のスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置の別の例である。本実施形態は、アプタマー候補物質を回収する前に、電極反応物質と電極との間の電子伝達を検出することを除き、実施形態4と同じである。すなわち、本実施形態では、実施形態4で使用したものと同じ本発明のアプタマースクリーニング装置を使用する。本実施形態でも、下記の工程は、溶液中で行う。前記溶液の組成は、前記アプタマー結合体と前記アプタマーの結合反応が生じる組成であれば、特に制限されない。
本実施形態では、前記実施形態4における前記(4−1)の第1工程から前記(4−3)の第3工程を実施する。ただし、本実施形態では、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達の検出を、例えば、前記(4−3)の第3工程でアプタマー候補物質を回収する前に行うことができる。この測定は、例えば、前記(4−2)の第2工程から前記(4−3)の第3工程の間、前記(4−3)の第3工程の直前等に行うことができ、測定回数は制限されない。前記電子伝達の検出は、前記実施形態1と同じ方法で電子伝達検出装置13を用いて行うことができる。前記電子伝達を検出することで、アプタマー候補物質6を検出できることは、前記実施形態4で説明した通りである。本実施形態で、前記電子伝達の検出は、例えば、前記各工程中、連続的に行ってもよい。例えば、前記第3工程で前記アプタマー候補物質を回収する前に、前記アプタマー結合体から分離した前記アプタマー候補物質を検出することで、例えば、前記アプタマー候補物質と結合したアプタマー結合体1からアプタマー候補物質6が分離する様子をモニタリングできる。これにより、目的のアプタマーの分離量を設定し、前記電子伝達の検出値の変化を指標として、前記(4−1)の第1工程、前記(4−2)の第2工程等の終了点、前記(4−3)の第3工程の開始点等の適切な時点を判定できる。また、目的の量のアプタマーが得られるよう、例えば、前記(4−2)の第2給工程の途中で、前記溶液の組成、pH、温度等の条件を変更できる。これにより、アプタマーの回収操作の効率を高めることができる。なお、本実施形態では、前記(4−3)の第3工程でアプタマー候補物質を回収した時点で行う前記電子伝達の検出は、例えば、行ってもよいし、行わなくてもよい。例えば、前記(4−3)の第3工程の直前に行う測定により、前記アプタマー候補物質の前記アプタマー結合体からの分離の終了点を判断できた場合等には、省略できる。
本実施形態によれば、前記電子伝達の検出値の変化を指標として、例えば、前記各工程の終了点を判定したり、前記アプタマー結合体から前記アプタマー候補物質を分離させる条件等を最適化することが可能となる。これにより、前記アプタマー候補物質の回収効率が向上する。
[実施形態6]
本実施形態は、本発明のスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置の別の例である。本実施形態は、実施形態4における前記第3工程において回収した前記アプタマー候補物質を増幅する第4工程(D’)をさらに含み、かつ、前記第4工程(D’)で増幅した前記アプタマー候補物質を用いて、前記第1工程(A’)から前記第3工程(C’)まで、または前記第1工程(A’)から前記第4工程(D’)までを繰り返し行うことを除き、実施形態4と同じである。すなわち、本実施形態では、実施形態4で使用したものと同じ本発明のアプタマースクリーニング装置と、アプタマー増幅手段(図示せず)とを用いる。なお、本実施形態では、前記アプタマー候補物質が核酸の場合を例にして説明する。下記の工程は、例えば、溶液中で行う。前記溶液の組成等の条件は、実施形態4と同じである。
本実施形態は、前記実施形態4における前記(4−1)の第1工程から前記(4−3)の第3工程まで、前記実施形態4と同じ処理を行う。本実施形態では、前記(4−3)の第3工程の後、下記(6−1)の第4工程を行う。
(6−1)第4工程
本実施形態では、例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)等の核酸増幅法を用いて前記(4−3)の第3工程で回収したアプタマー候補核酸を増幅する。PCRを使用する場合、前記アプタマー候補核酸には、例えば、増幅用のプライマー配列を予め付与しておくことが好ましい。本実施形態では、次いで、前記(4−1)の第1工程を行う。すなわち、この再度の第1工程で、前記増幅したアプタマー候補核酸を用いて、前記(4−1)の第1工程以後の工程を実施する。本実施形態では、このようにして、前記第1工程(4−1)から前記第3別工程(4−3)まで、または前記第1工程(4−1)から前記第4工程(6−1)までを反復できる。前記(4−1)から前記(4−3)の一連のアプタマー候補核酸回収操作を経て回収されるアプタマー候補核酸は、構造の異なるアプタマーの混合物である場合がある。しかし、本実施形態のように前記アプタマー回収のための各工程を繰り返すことにより、前記標的物質との結合力が強いアプタマー候補核酸を濃縮でき、例えば、より標的物質検出のために適したアプタマーを取得できる。
本実施形態では、前記(4−1)の第1工程で、例えば、必要に応じ、前記アプタマー候補核酸に、様々な配列を持つ核酸の混合物(核酸プール)を添加してもよい。こうすることで、例えば、多様なアプタマー候補核酸の中からより高い標的物質結合能力を有するアプタマーを選択できる。前記核酸の混合物は、例えば、前記(6−1)の第4工程において、エラーが入る方法で核酸を増幅したり、前記(6−1)の第4工程で増幅した核酸に別途合成した核酸混合物を追加することで、前記アプタマー候補核酸に追加できる。
本実施形態では、例えば、アプタマー回収操作を終了するまでの間に少なくとも1回、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出してもよい。これにより、例えば、前記各工程において前記アプタマー候補核酸の分離状態をモニタリングできる。そのため、例えば、目的とするアプタマー候補核酸が分離したことを確認してから、前記(4−1)の第1工程から始まるアプタマー回収操作の反復の終了時点を決定できる。また、前記アプタマー回収のための各工程を繰り返す際に、モニタリングしたアプタマー候補核酸の分離状況を基に、例えば、各工程で用いる溶液の組成、pH、温度等の条件をその場で決定できる。したがって、本実施形態によれば、アプタマー回収作業の効率が向上する。
[実施形態7]
本実施形態は、本発明のスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置のさらに別の例である。本実施形態は、実施形態2で用いたアプタマーおよびプローブを使用する以外は、実施形態4と同様である。本実施形態では、回収手段(図示せず)を含むこと以外は、前記実施形態2の標的物質検出装置3と同じ構成を有するアプタマースクリーニング装置を用いる。また、下記の各工程における温度、pH、電解質等の条件は、実施形態2と同じである。図7に、本実施形態のスクリーニング方法のメカニズムを示す。
(7−1)第1工程(A’)
まず、アプタマー候補核酸6を、プローブ4に添加する(図7(a))。アプタマー候補核酸6が、二本鎖核酸部分を有している場合、アプタマー候補核酸6は、前記二本鎖核酸部分においてアプタマー結合体1と結合する(図7(b))。これにより、アプタマー候補核酸6は、プローブ4を介して電極5に固定される(図7(b))。なお、本実施形態では、電極5を支持体として用いているが、電極に限定されず、支持体として使用できるものであればよい。
(7−2)第2工程(B’)
前記第1工程に次いで、前記反応溶液に、アプタマー候補核酸の標的物質8を含む試料を添加する(図7(c))。標的物質8が、アプタマー候補核酸6を結合したアプタマー結合体1に接近すると、アプタマー候補核酸6が、標的物質8のアプタマーの配列を有する場合は、アプタマー候補核酸6は、標的物質8と結合する(図7(d))。アプタマー候補核酸6が、前記標的物質8のアプタマーの配列を有しない場合は、アプタマー候補核酸6は、標的物質8と結合しない(図7(d))。アプタマー候補核酸6が、標的物質8と結合すると、前記二本鎖核酸部分が分離する(図7(e))。これにより、アプタマー候補核酸6は、アプタマー結合体1から分離し、前記プローブからも分離する(図7(e))。逆に、アプタマー候補核酸6が、標的物質8の配列を有しない場合は、二本鎖核酸部分が分離しないため、アプタマー候補核酸6は、前記プローブと結合し続ける(図7(e))。
(7−3)第3工程(C’)
前記第2工程に次いで、アプタマー候補核酸6と結合したプローブ4から分離したアプタマー候補核酸6を回収する。この回収は、前記実施形態4と同じ方法を用いて、行うことができる。
本実施形態により、例えば、標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを有する分子を電極に固定せずに、標的物質と結合するアプタマーを回収できる。本実施形態は、配列の一部が二本鎖部分を形成している多種多様なアプタマー候補核酸について適用でき、汎用性が高い。例えば、基板に固定するため反応に用いることができる官能基を持たない物質、分解性が高い物質等、従来は基板に固定できずにアプタマーの取得が困難であった物質であっても、それらの物質の溶液をアプタマー候補核酸と接触させることによりアプタマーを取得できるようになる。また、従来は、固定によってエピトープが消滅したり、エピトープが隠れてしまったような物質に対するアプタマーを取得することができるようになる。
本実施形態でも、例えば、前記(7−2)の第2工程に先立ち、前記アプタマー結合体と結合していないアプタマー候補核酸を除去する前記第5工程を含むことが好ましい。これにより、例えば、標的物質8のアプタマー候補核酸ではないものが、前記第3工程で回収した前記アプタマーに混在することを防止でき、回収物中の標的物質のアプタマーの純度を高めることができ、アプタマーの回収を効率的に行うことができる。また、例えば、(7−3)の第3工程(C’)において、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する第6工程をさらに含んでもよい。
本実施形態では、また、例えば、前記(4−1)の第1工程から、本実施形態のアプタマー回収操作を終了するまでの間に少なくとも1回、電極反応物質2と電極5の間の電子伝達を検出してもよい。これにより、例えば、アプタマー候補核酸6の分離状態をモニタリングできる。そして、検出した電子伝達の検出値を指標として、アプタマーの取得状況をモニタリングでき、アプタマー回収作業の効率を高めることができる。
本実施形態では、また、実施形態6と同様に、前記(4−3)の第3工程で回収したアプタマー候補核酸を増幅し、増幅した前記アプタマー候補核酸を用いて、さらに、前記(4−1)の第1工程から始まるアプタマー回収操作を繰り返してもよい。ここで、前記アプタマー候補核酸を、例えばPCR法を用いて増幅する場合、アプタマー候補核酸の配列だけにプライマー配列を付与してもよい。このようにすれば、アプタマー候補核酸と一緒に回収される一本鎖核酸断片は、増幅されないため、アプタマー回収の性能が損なわれることはない。前記アプタマー回収のための各工程を繰り返すことにより、より高性能のアプタマーを取得できる。本実施形態では、本発明の検出方法に用いるものと同じプローブおよび反応条件を用いることができるため、例えば、前記本発明検出方法に非常に適したアプタマーを取得できる。
本実施形態で回収したアプタマーは、特に実施形態2と同じプローブを使用し、同じ条件を用いて回収したため、前記実施形態2に使用した場合に、特に高い選択性を示す。本実施形態では、多種多様な標的物質に対して共通のプローブを適用できるため、汎用性が高く、アプタマーの回収を効率的に行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されない。
[実施例1]
本実施例では、図1(a)に一例を示す本発明のプローブ4および本発明の標的物質検出装置3を用い、トロンビンと特異的に結合するアプタマーを用いて本発明の検出方法によりトロンビンを検出した。図示のとおり、本実施例で使用した本発明の標的物質検出装置3は、アプタマー6に特異的に結合するアプタマー結合体1および電極反応物質2がそれぞれリンカー14の末端に結合したプローブ4と、電極5と、電子伝達検出手段13とを含む。本実施例では、アプタマー6は、トロンビンに対し特異的に結合するアプタマーである。アプタマー結合体1は、トロンビンである。電極反応物質2は、フェロセンである。また、リンカー14は、分岐型ポリエチレングリコールである。電極5は、金電極であり、対極12とともに電気化学測定装置13に接続されている。プローブ4は、標的物質であるトロンビンの検出に先立ち、リンカー14により電極5に固定した。本実施例では、測定溶液として、0.1mol/Lの塩化ナトリウムを溶解した10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を準備した。
(i)プローブ提供工程
本実施例では、まず、プローブ4を表面に固定した金電極5を、トロンビンアプタマーの配列を持つ一本鎖DNAの溶液に浸して、アプタマー結合体1としての前記トロンビンに前記一本鎖DNAを固定した。
(ii)洗浄工程
本実施例では、次いで、前記一本鎖DNAの固定を完了した金電極5をPBSで洗浄後、前記測定溶液に浸した。
(iii)アプタマー結合状態検出工程
次いで、金電極5を電気化学測定装置13の作用極端子に接続し、白金線を対極端子に、銀/塩化銀電極を参照極端子に接続して、ディファレンシャルパルスボルタンメトリーにより、前記フェロセンの酸化電流を測定した。
(iv)分離工程
次いで、前記測定溶液中に、最終濃度が500nmol/Lとなるようにトロンビンの水溶液を添加し、室温で2時間インキュベートした。
(v)検出工程
次いで、再び、前記金電極を作用極としたディファレンシャルパルスボルタンメトリーにより、前記フェロセンの酸化電流を測定した。
前記(iii)のアプタマー結合状態検出工程と前記(v)のアプタマー分離状態検出工程とで、前記フェロセンの酸化電流は、約50%増加した。
なお、測定溶液として、0.1mol/Lの塩化ナトリウムを溶解した10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)に代えて、0.1mol/Lの過塩素酸ナトリウムを溶解した10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を用いる以外は前記工程(i)〜(v)と同様の工程を行ったところ、同様の測定結果が得られた。下記実施例2においても同様である。
[実施例2]
本実施例では、実施例1と同じ装置を用い、前記(iv)の分離工程で、トロンビン(標的物質)水溶液に代えてウシ血清アルブミン水溶液(最終濃度500nmol/L)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、フェロセンの酸化電流を測定した。本比較例では、前記(iii)のアプタマー結合状態検出工程と前記(v)のアプタマー分離状態検出工程とで、前記フェロセンの酸化電流は、変化しなかった。前記実施例1と前記実施例2の結果から、本発明の方法および装置により、フェロセンの電流値の増加を指標として、標的物質を特異的に検出できることが確認できた。
[実施例3]
本実施例では、図6(a)に一例を示す本発明のアプタマースクリーニング装置を用い、本発明のスクリーニング方法によりトロンビンと特異的に結合するアプタマーを回収した。図示のとおり、本実施例で使用した本発明のアプタマースクリーニング装置は、アプタマー6に特異的に結合するアプタマー結合体1および電極反応物質2がそれぞれリンカー14の末端に結合したプローブ4と、電極5と、電子伝達検出手段13とを含む。具体的には、アプタマー結合体1は、トロンビンである。電極反応物質2は、メチレンブルーである。また、リンカー14は、分岐型ポリエチレングリコールである。電極5は、金電極(1cm)であり、対極12とともに電気化学測定装置13に接続されている。プローブ4は、下記(i)のアプタマー添加工程に先立ち、リンカー14により電極5に固定した。本実施例では、アプタマー候補物質を含む試料溶液として、トロンビンアプタマーの配列とプライマー配列を持つ一本鎖DNAと、トロンビンアプタマーと同じ塩基数のポリAとプライマー配列とを持つ一本鎖DNAを、結合バッファーに溶解した試料溶液を作製した。前記結合バッファーは、1mol/Lの塩化ナトリウムと5mMの塩化マグネシウムを含む10mmol/Lのリン酸緩衝液(pH7.4)である。前記試料溶液中の前記各一本鎖DNAの濃度は、それぞれ100mmol/Lとした。
(i)第1工程
前記試料溶液を100μL分取し、前記金電極の表面に滴下した。
(ii)洗浄工程
前記電極を37℃で1時間インキュベートした後、前記電極の表面を前記結合バッファで洗浄した。
(iii)第2工程
次いで、前記電極上に、1μmol/Lのトロンビンを溶解した結合バッファーを100μL滴下して、37℃で5時間インキュベートした。
(iv)第3工程
次いで、前記電極上に残った溶液をピペットで回収した。
(v)解析工程
前記回収した溶液中の核酸をPCRで増幅した後、増幅されたDNAをDNAシークエンサーで解析した。
解析結果により、前記トロンビンアプタマーとプライマー配列を持つ一本鎖DNAのみが検出されたことを確認できた。
本発明の標的物質の検出方法によれば、標的物質を検出するためのプローブにおいて、アプタマーを必須構成要素としないため、前記プローブの設計が簡便である。このため、例えば、プローブの製造を効率化でき、製造コストを削減できるという利点がある。本発明のプローブによれば、前記本発明の検出方法を実現できる。また、本発明のプローブによれば、前記本発明の検出方法に用いる標的物質検出装置、前記本発明の検出方法に使用するアプタマーを容易に取得できるアプタマーのスクリーニング方法およびアプタマースクリーニング装置を提供できる。また、本発明の検出方法は、前記標的物質が増加するほど電子伝達の検出値が増大するシグナル増加型の反応を示すため、例えば、標的物質検出手順が簡便であるという利点、高いS/N比を実現できるという利点等がある。さらに、本発明の検出方法は、例えば、前記アプタマーの立体構造変化に依らず、多種多様なアプタマーおよび標的物質について適用することもできる。このため、本発明の検出方法は、きわめて汎用性が高く、産業上の利用価値は多大である。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年3月17日に出願された日本出願特願2009−065319を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 アプタマー結合体
2 標識物質(電極反応物質)
3 標的物質検出装置
4 プローブ
5 電極
6 アプタマー、アプタマー候補物質
7 一本鎖核酸断片
8 標的物質
9 非標的物質
12 対極
13 電子伝達検出手段(電気化学測定装置)
14 リンカー

Claims (47)

  1. アプタマー結合体、標識物質、および電極に固定可能なリンカーを含み、前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合し、前記アプタマー結合体にアプタマーが特異的に結合しているプローブを提供するプローブ提供工程と、
    前記プローブが、前記リンカーを介して前記電極に固定されており、試料中の標的物質と前記アプタマーとの結合により、前記アプタマー結合体から前記アプタマーを分離させ、前記アプタマーの分離を前記標識物質と前記電極との電気的反応として検出する検出工程とを含むことを特徴とする標的物質の検出方法。
  2. 前記標識物質が、電極反応物質であり、
    前記検出工程における前記アプタマーの分離を、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより、検出することを特徴とする請求項1記載の標的物質の検出方法。
  3. 前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として、既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することを特徴とする請求項2記載の標的物質の検出方法。
  4. 前記電極反応物質が、酸化還元電位を有する物質および触媒の少なくとも一方であることを特徴とする請求項2または記載の標的物質の検出方法。
  5. 前記電極反応物質が、前記触媒であり、
    電子伝達メディエータを使用し、前記触媒と前記電極との間の電子伝達が、前記電子伝達メディエータを介して行われることを特徴とする請求項4記載の標的物質の検出方法。
  6. 前記電極反応物質が、前記酸化還元電位を有する物質であり、
    前記酸化還元電位を有する物質の酸化還元電位が、標準水素電極を基準とした標準電極電位の場合、−0.6Vから+1.4Vの間であることを特徴とする請求項4記載の標的物質の検出方法。
  7. 前記アプタマー結合体が、前記標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを含み、前記アプタマーが、前記エピトープと特異的に結合することを特徴とする請求1からのいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  8. 前記アプタマーが二本鎖核酸部分を含み、前記アプタマー結合体が、前記二本鎖核酸部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合部を含むことを特徴とする請求1からのいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  9. 前記二本鎖核酸結合部が、インターカレータおよび核酸結合タンパク質の少なくとも一方であることを特徴とする請求項8記載の標的物質の検出方法。
  10. 前記アプタマー結合体が、前記電極反応物質を兼ねることを特徴とする請求項2からのいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  11. 前記リンカーが、親水性高分子および親水性オリゴマーの少なくとも一方であることを特徴とする請求1から1のいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  12. 前記親水性高分子および前記親水性オリゴマーの少なくとも一方が、負電荷を有することを特徴とする請求項11記載の標的物質の検出方法。
  13. 前記検出工程に先立ち、前記アプタマー結合体に結合していないアプタマーを除去する非結合アプタマー除去工程を有することを特徴とする請求1から1のいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  14. アプタマー結合体、標識物質、および電極に固定可能なリンカーを含み、
    前記アプタマー結合体および前記標識物質がそれぞれ前記リンカーに結合し、
    前記アプタマー結合体および前記標識物質が、前記リンカーを介して前記電極に固定可能であり、かつ、
    前記アプタマー結合体にアプタマーが特異的に結合可能なプローブであり、
    前記プローブが前記電極に固定され、前記アプタマーの結合および分離を、前記標識物質と前記電極の電気的反応として検出可能なことを特徴とするプローブ。
  15. 前記標識物質として電極反応物質を含むことを特徴とする請求項14記載のプローブ。
  16. 前記電極反応物質が、酸化還元電位を有する物質および触媒の少なくとも一方であることを特徴とする請求項15記載のプローブ。
  17. 前記電極反応物質が、前記酸化還元電位を有する物質であり、
    前記酸化還元電位を有する物質の酸化還元電位が、標準水素電極を基準とした標準電極電位の場合、−0.6Vから+1.4Vの間であることを特徴とする請求項16記載のプローブ。
  18. 前記アプタマー結合体が、前記標的物質の全部または一部と同一または類似のエピトープを含み、前記アプタマーが、前記エピトープと特異的に結合することを特徴とする請求項14から1のいずれか一項に記載のプローブ。
  19. 前記アプタマーが、二本鎖核酸部分を含み、前記アプタマー結合体が、前記二本鎖核酸部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合部を含むことを特徴とする請求項14から18のいずれか一項に記載のプローブ。
  20. 前記二本鎖核酸結合部が、インターカレータおよび核酸結合タンパク質の少なくとも一方であることを特徴とする請求項19記載のプローブ。
  21. 前記アプタマー結合体が、前記電極反応物質を兼ねることを特徴とする請求項15から2のいずれか一項に記載のプローブ。
  22. 前記リンカーが、親水性高分子および親水性オリゴマーの少なくとも一方であることを特徴とする請求項14から2のいずれか一項に記載のプローブ。
  23. 前記親水性高分子および前記親水性オリゴマーの少なくとも一方が、負電荷を有することを特徴とする請求項22記載のプローブ。
  24. 前記標識物質として電極反応物質を含む請求から2のいずれか一項に記載のプローブと、
    試料中の標的物質との結合による前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離を前記標識物質により検出する分離検出手段と、
    前記分離の検出に際し、前記プローブを前記リンカーを介して固定する電極とを含み、
    前記分離検出手段が、前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出する電子伝達検出手段を含み、
    前記アプタマー結合体からの前記アプタマーの分離を、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより検出し、請求1記載の標的物質検出方法に使用することを特徴とする標的物質検出装置。
  25. 前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することを特徴とする請求項24記載の標的物質検出装置。
  26. 前記電極反応物質が、触媒であり、
    さらに、電子伝達メディエータを含み、前記電子伝達メディエータが、前記電極上に配置されていることを特徴とする請求項24または2記載の標的物質検出装置。
  27. さらに、前記アプタマー結合体に結合していない前記アプタマーを除去する非結合アプタマー除去手段を含むことを特徴とする請求項24から2のいずれか一項に記載の標的物質検出装置。
  28. さらに、前記アプタマー結合体に結合可能なアプタマーを含むことを特徴とする請求項24から27のいずれか一項に記載の標的物質検出装置。
  29. 請求項14から2のいずれか一項に記載のプローブに対し、アプタマー候補物質を供給する第1工程と、
    前記電極に固定した前記プローブに標的物質を供給し、前記プローブに結合している前記アプタマー候補物質を、前記標的物質に結合させることにより、前記プローブから前記アプタマー候補物質を分離する第2工程と、
    前記分離したアプタマー候補物質を回収する第3工程とを有し、かつ、
    前記第2工程における前記アプタマー候補物質の分離を、前記標識物質により検出する検出工程を含み、
    前記検出工程において、前記分離の検出を、前記標識物質と前記電極の電気的反応として検出することを特徴とするアプタマーのスクリーニング方法。
  30. 前記アプタマー候補物質が、アプタマー候補核酸であり、
    さらに、前記第3工程で回収した前記アプタマー候補核酸を増幅する第4工程を有し、
    前記第4工程で増幅したアプタマー候補核酸を、前記第1工程のアプタマー候補核酸として提供し、
    前記第1工程から前記第4工程を繰り返して実施することを特徴とする請求項29記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  31. 前記増幅したアプタマー候補核酸に加え、前記増幅したアプタマー候補核酸とは別のアプタマー候補核酸も前記第1工程のアプタマー候補核酸として供給することを特徴とする請求項30記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  32. 前記標識物質として電極反応物質を含む前記プローブを使用し、
    前記第2工程における前記アプタマー候補物質の分離を、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより検出することを特徴とする請求項29から31のいずれか一項に記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  33. 前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することを特徴とする請求項32記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  34. 前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達を検出することにより、アプタマー候補核酸のスクリーニング状況をモニタリングすることを特徴とする請求項32または3記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  35. 前記アプタマー候補物質が、アプタマー候補核酸であり、
    前記第3工程で回収した前記アプタマー候補核酸を増幅する第4工程を有し、前記第4工程で増幅したアプタマー候補核酸を、前記第1工程のアプタマー候補核酸として供給し、
    前記第1工程から前記第4工程を繰り返して実施し、
    前記スクリーニング状況のモニタリングにより、前記第1工程から前記第4工程の繰り返し実施する場合の終了時を判断することを特徴とする請求項34記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  36. 前記電極反応物質が、触媒であり、電子伝達メディエータを使用し、前記触媒と前記電極との間の電子伝達が、前記電子伝達メディエータを介して行われることを特徴とする請求項32から3のいずれか一項に記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  37. 前記第2工程に先立ち、前記プローブに結合していないアプタマー候補核酸を除去する第5工程を有することを特徴とする請求項29から36のいずれか一項に記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  38. さらに、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する第6工程を有することを特徴とする請求項29から37のいずれか一項に記載のアプタマーのスクリーニング方法。
  39. 前記標識物質として電極反応物質を含む請求項14から2のいずれか一項に記載のプローブと、
    標的物質との結合により前記プローブから分離したアプタマー候補物質を回収する回収手段と、
    前記プローブを固定する電極
    前記標的物質との結合による前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を前記標識物質により検出する分離検出手段とを含み、
    前記分離検出手段として、前記標的物質との結合による前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を、前記電極反応物質により検出する電子伝達検出手段を使用し、
    前記プローブからの前記アプタマー候補物質の分離を、前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することにより検出し、請求項29記載のアプタマーのスクリーニング方法に使用することを特徴とするアプタマースクリーニング装置。
  40. さらに、前記回収手段により回収した前記アプタマー候補物質を前記プローブに添加する添加手段を含むことを特徴とする請求項39記載のアプタマースクリーニング装置。
  41. さらに、前記回収手段により回収した前記アプタマー候補物質を増幅する増幅手段と、前記増幅手段により増幅した前記アプタマー候補物質を前記プローブに添加する増幅アプタマー添加手段とを含むことを特徴とする請求項39記載のアプタマースクリーニング装置。
  42. 前記プローブに対する前記標的物質の供給前における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値として既知の検出値を使用し、前記既知の検出値と、前記プローブに対する前記標的物質の供給後における前記電極反応物質と前記電極との間の電子伝達の検出値とを比較することを特徴とする請求項39から41のいずれか一項に記載のアプタマースクリーニング装置。
  43. 前記電極反応物質が、触媒であり、
    さらに、電子伝達メディエーターを含み、前記電子伝達メディエーターが、前記電極上に配置されていることを特徴とする請求項39から42のいずれか一項に記載のアプタマースクリーニング装置。
  44. さらに、前記標的物質に結合していない前記アプタマー候補物質を除去する標的物質非結合アプタマー候補物質除去手段を含むことを特徴とする請求項39から4のいずれか一項に記載のアプタマースクリーニング装置。
  45. さらに、前記プローブに結合していない前記アプタマー候補物質を除去する非結合アプタマー候補物質除去手段を含むことを特徴とする請求項39から44のいずれか一項に記載のアプタマースクリーニング装置。
  46. 前記アプタマーとして、請求項29から38のいずれか一項に記載のスクリーニング方法により得られたアプタマーを使用することを特徴とする請求1から1のいずれか一項に記載の標的物質の検出方法。
  47. 前記アプタマーとして、請求項29から38のいずれか一項に記載のスクリーニング方法により得られたアプタマーを使用することを特徴とする請求項24から28のいずれか一項に記載の標的物質検出装置。
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