JP5304183B2 - 電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、及び電子機器 - Google Patents
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そこで、画像を更新する際に前画像の残像が残らないように、階調を変化させない画素を含むすべての画素で消去を実行することで画像を消去する駆動方法が開示されている(特許文献1)。
これによれば、画像消去領域として、前記画像成分と、前記画像の前記輪郭を縁取る1画素分の帯状の領域とからなる画像表示領域が設定されることで、前記画像消去ステップにおいて、最小限の前記画素のみが駆動されるので、より消費電力を抑えつつ残像を発生させずに前記画像を消去することができる電気泳動表示装置の駆動方法とすることができる。
これによれば、画像消去領域として、前記画像成分と、前記画像の前記輪郭を縁取る1画素分の帯状の領域とからなる画像表示領域を設定することで、前記画像を消去する際に最小限の前記画素のみが駆動されるので、より消費電力を抑えつつ残像を発生させずに前記画像を消去することができる電気泳動表示装置とすることができる。
これによれば、前記画像を消去する際に、前記画像成分よりも広範囲に設定された前記画像消去領域を構成する前記画素のみが駆動されるので、消費電力を抑えつつ残像を発生させずに前記画像を消去することができる電子機器とすることができる。
なお、本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
電気泳動表示装置100は、複数の画素40が配列された表示部5を備えている。表示部5の周辺には、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、コントローラ(制御部)63、及び共通電源変調回路64が配置されている。走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、及び共通電源変調回路64は、それぞれコントローラ63と接続されている。コントローラ63は、上位装置から供給される画像信号や同期信号に基づき、これらを総合的に制御する。
なお、本実施形態では、画像データ(画素データ)「0」を規定する場合にはローレベルの画像信号を画素40に供給し、画像データ(画素データ)「1」を規定する場合はハイレベルの画像信号を画素40に供給するものとする。
画素40には、図2に示すように、駆動用TFT(Thin Film Transistor)41(画素スイッチング素子)と、ラッチ回路(メモリ回路)70と、スイッチ回路80と、電気泳動素子32と、画素電極35と、共通電極37とが設けられている。これらの素子を取り囲むように、走査線66、データ線68、低電位電源線49、高電位電源線50、第1の制御線91、及び第2の制御線92が配置されている。画素40は、ラッチ回路70により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成である。
第1のトランスミッションゲートTG1は、N−MOSトランジスタ81とP−MOSトランジスタ82とからなる。N−MOSトランジスタ81及びP−MOSトランジスタ82のソース端子は第1の制御線91に接続され、N−MOSトランジスタ81及びP−MOSトランジスタ82のドレイン端子は画素電極35に接続されている。また、N−MOSトランジスタ81のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ入力端子N1(駆動用TFT41のドレイン端子)に接続され、P−MOSトランジスタ82のゲート端子は、ラッチ回路70のデータ出力端子N2に接続されている。
分散媒21は、白色粒子27と黒色粒子26とをマイクロカプセル20内に分散させる液体である。分散媒21としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、脂肪族炭化水素(ぺンタン、ヘキサン、オクタンなど)、脂環式炭化水素(シクロへキサン、メチルシクロへキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類(キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンなど))、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなど)、カルボン酸塩などを例示することができ、その他の油類であってもよい。これらの物質は単独又は混合物として用いることができ、さらに界面活性剤などを配合してもよい。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンドなどの粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤などを添加することができる。
また、黒色粒子26及び白色粒子27に代えて、例えば赤色、緑色、青色などの顔料を用いてもよい。かかる構成によれば、表示部5に赤色、緑色、青色などを表示することができる。
図5(a)に示す白表示の場合には、共通電極37が相対的に高電位、画素電極35が相対的に低電位に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子27が共通電極37に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子26が画素電極35に引き寄せられる。その結果、表示面側となる共通電極37側からこの画素を見ると、白色が認識される。
図5(b)に示す黒表示の場合、共通電極37が相対的に低電位、画素電極35が相対的に高電位に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子26が共通電極37に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子27が画素電極35に引き寄せられる。その結果、共通電極37側からこの画素を見ると黒色が認識される。
図6は、電気泳動表示装置100に備えられたコントローラ63の詳細を示すブロック図である。
コントローラ63は、CPU(Central Processing Unit)としての制御回路161と、EEPROM(Electrically-Erasable and Programmable Read-Only Memory;記憶部)162と、電圧生成回路163と、データバッファ164と、フレームメモリ165と、メモリ制御回路166と、画像消去領域設定回路167と、を備えている。
EEPROM162は、制御回路161による各回路の動作制御に必要な設定値等を記憶している。EEPROM162に電気泳動表示装置の作動状態等の表示に用いるプリセットの画像情報を記憶しておくこともできる。
電圧生成回路163は、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、及び共通電源変調回路64に駆動電圧を供給する回路である。
データバッファ164は、コントローラ63における上位装置とのインタフェース部であり、上位装置から入力される画像データDを保持するとともに、制御回路161に対して画像データDを送信する。
フレームメモリ165は、表示部5の画素40の配列に対応する読み書き可能のメモリ空間を有している。メモリ制御回路166は、制御回路161から供給される画像データDを、制御信号にしたがって表示部5の画素配列に対応させて展開し、フレームメモリ165に書き込む。フレームメモリ165は、記憶された画像データDからなるデータ群を、画像信号として順次データ線駆動回路62に送信する。
データ線駆動回路62は、制御回路161から供給される制御信号に基づいてフレームメモリ165から送信される画像信号を一ライン分ずつラッチする。そして、走査線駆動回路61による走査線66の順次選択動作に同期して、ラッチした画像信号をデータ線68に供給する。
画像消去領域設定回路167は、フレームメモリ165に展開された画像データDに基づいて、画像消去を実行する際に駆動させる画素40からなる画像消去領域を設定し、画像消去領域を構成する画素情報を制御回路161に出力する。
次に、電気泳動表示装置100における画像更新に係る駆動方法について説明する。本実施形態では、一例として、正方形の画像を表示した後、横長の長方形の画像に更新する場合の駆動方法について説明する。
まず、画像表示ステップS101について説明する。画像表示ステップS101は、表示部5に画像を表示するステップである。図8は、画像更新に係るタイミングチャート図である。図9は、画像更新時における表示画像の変化を示す図である。図10は、画像表示ステップS101における画素40A,40B,40Cの電位関係を示す図である。
図8、図9は、画像表示ステップS101から更新画像表示ステップS121までと対応したタイミングチャート及び表示部5における表示画像が示されている。また、以下の説明では、ある領域の画素40を指し示す場合に、当該領域の中に画素40A,40B,40Cのいずれかが含まれる場合には、「画素40(40A)」のように、その符号を括弧内に付記する。
また、図8及び図10において、各符号の「a」「b」「c」の添字は、説明の対象とした3つの画素40(40A,40B,40C)と、それらに属する構成要素を明確に区別するために付したものであって他意はない。
図10に示すように、画像P1を形成し黒表示される画素40Aでは、駆動用TFT41aを介して、データ線68aからラッチ回路70aにハイレベル(H)の画像信号が入力される。一方、背景を形成し白表示される画素40B,40Cでは、駆動用TFT41b,41cを介して、データ線68b,68cからラッチ回路70b,70cにローレベル(L)の画像信号が入力される。
ローレベル(L)の画像データが入力された画素40B,40Cでは、データ入力端子N1b,N1cの電位がローレベル(L)、データ出力端子N2b,N2cの電位がハイレベル(H)となる。これにより、スイッチ回路80bのトランスミッションゲートTG2bがオン状態となって、第2の制御線92から画素電極35b,35cにローレベルの電位VLが供給される。
また、共通電極37には、ハイレベル(VH)の期間とローレベル(VL)の期間とを周期的に繰り返すパルス状の信号が入力される。
また、共通電極37がハイレベル(VH)である期間において、画素電極35b,35cと共通電極37との間の電位差に相当する電圧が電気泳動素子32に印加され、図5(a)に示したように、負に帯電した白色粒子27が共通電極37側に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子26が画素電極35b,35c側に引き寄せられて画素40B,40Cが白表示されて背景が形成される。
なお、コモン振り駆動の周波数及び周期数は、電気泳動素子32の仕様及び特性に応じて適宜定めることが好ましい。
次に、画像消去ステップS111について説明するが、それに先立って、画像P1を形成する画素40(A)のみを駆動して画像P1のみを選択消去した場合について説明する。
図11は、画像P1を選択消去したときの表示部5の変化を示す図である。図11(a)は、消去動作前の状態を示し、図11(b)は、消去動作後の状態を示している。図11(a)の画像P1を形成する画素40(40A)のみを駆動して画像消去が実行されると、図11(b)に示すように、表示部5には画像P1の輪郭に沿った残像P2が発生する。この残像P2は、輪郭を形成する画素40(40A)と、これらの画素40(40A)と隣り合って配置され背景を構成する画素40(40B)との境界付近で発生する。
そして、画像P1のみを消去すると、膨らんだ輪郭部分のみが残ってしまい残像P2となる。
ラッチ回路70(70a,70b,70c)に画像信号が入力されると、高電位電源線50及び低電位電源線49の電位が画像表示用の電位(VH,VL)に設定される。
50及び低電位電源線49の電位が画像表示用の電位(VH,VL)に設定される。
このとき、画像P1の輪郭を縁取る画素40(40B)が駆動されるので、画像P1の輪郭から膨らんだ領域においても、黒色粒子26が画素電極35側に移動し、白色粒子27が共通電極37側に移動するので、画像P1の消去後に残像が発生しない。
以上から、図9(b)に示すように、画像P1が消去されると表示部5は全域にわたって白表示される。
更新画像表示ステップS121は、図9(c)に示された、更新画像P11を表示するステップである。更新画像表示ステップS121は、更新画像用の画像信号がそれぞれの画素40のラッチ回路70に入力された後は、画像表示ステップS101と同様にして駆動される。
画素40A,40B,40Cは何れも更新画像P11を形成する画素40となるので、図15に示すように、それぞれの画素40A,40B,40Cのラッチ回路70a,70b,70cにはハイレベル(H)の画像信号が入力される。
ラッチ回路70にローレベル(L)の画像信号が入力された画素40の画素電極35は、第2の制御線92と接続され、ローレベル(VL)の電位が供給される。
図9(c)に示すように、表示部5には画像P11のみが表示され、前画像P1の残像は残っていない。
引き続き画像を更新する場合には、画像消去ステップS111及び更新画像表示ステップS121を繰り返して実行すればよい。
例えば、画像P1を2画素分以上膨らませた領域を、画像消去領域Rとして設定してもよい。この場合は、駆動する画素数が増えるので消費電力の点では劣るものの、画像消去ステップS111において、より広範囲の画素40を駆動することとなるので、より確実に残像の発生を防止することができる。
次に、上記実施形態の電気泳動表示装置100を、電子機器に適用した場合について説明する。
図16は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
時計ケース1002の正面には、上記実施形態の電気泳動表示装置100からなる表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられ、時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
図18は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、図17に示した電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
なお、図16から図18に示した電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
Claims (5)
- 一対の基板間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持し、複数の画素からなる表示部を有する電気泳動表示装置の駆動方法であって、
画像を消去する画像消去ステップにおいて、
第1の階調を表示し画像成分を形成している前記画素と、前記画像成分の輪郭を形成している前記画素と隣り合って配置され第2の階調を表示している前記画素を含み前記画像成分の輪郭を縁取る帯状の領域を構成する前記画素と、からなる画像消去領域を設定し、前記画像消去領域を構成する前記画素を選択的に前記第2の階調に移行させることを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。 - 前記画像消去ステップにおいて、
前記画像成分を形成する前記画素と、前記画像成分の輪郭を形成している前記画素と隣り合って配置され前記第2の階調を表示している前記画素とからなる前記画像消去領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。 - 一対の基板間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持し、複数の画素からなる表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を有する電気泳動表示装置であって、
前記制御部は、前記表示部の画像を消去するに際して、第1の階調を表示し画像成分を形成している前記画素と、前記画像成分の輪郭を形成している前記画素と隣り合って配置され第2の階調を表示している前記画素を含み前記画像成分の輪郭を縁取る帯状の領域を構成する前記画素と、からなる画像消去領域を設定し、前記画像消去領域を構成する前記画素を選択的に前記第2の階調に移行させることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記制御部は、前記表示部の画像を消去するに際して、前記画像成分を形成する前記画素と、前記画像成分の輪郭を形成している前記画素と隣り合って配置され前記第2の階調を表示している前記画素とからなる前記画像消去領域を設定することを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置。
- 請求項3または請求項4に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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