JP5303958B2 - 電動機および電動機固定子の固定方法 - Google Patents

電動機および電動機固定子の固定方法 Download PDF

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Description

本発明は、高効率な電動機および電磁鋼板の特性劣化を抑えた電動機固定子の固定方法に関するものである。
近年、地球温暖化、化石燃料の枯渇の影響を受けてエネルギー消費量削減が重要視されている。そして、電力の多くは電動機により消費されるため、各種電動機の効率向上がますます重要となってきている。そのため、電動機の効率向上を目的として、電動機の鉄心材料である電磁鋼板の特性改善、特に鉄損低減に力が注がれている。
内部回転子型と呼ばれる電動機は一般に磁石を埋め込んだ円柱状回転子とその外周の固定子からなり、固定子は巻線が施されたティース部とヨーク部とからなる。回転子と固定子は、電磁鋼板を所望の形状に打ち抜いた板を積層し、かしめや溶接などにより固着して作られる。そして、固定子はティース部に巻線を施した後、電動機ケースに固定される。この電動機ケースに固定子を固定する方法はいくつかある。中でも、焼きばめによる方法や圧入による方法は多く用いられている。焼きばめによる方法は、固定子の外径よりわずかに小さい内径をもつ電動機ケースを加熱して固定子を嵌め込む方法であり、室温に冷却すると電動機ケースが収縮して固定子が固定される。一方、圧入による方法では、固定子の外径よりわずかに小さい内径をもつ電動機ケースに、固定子を加圧しながら挿入して固着する方法である。しかしながら、これらの方法を用いると固定子全体に大きな圧縮応力が加わる。特に固定子の磁路に沿って大きな圧縮応力が加わる。固定子に大きな圧縮応力が加わると、動機の効率を著しく低下してしまう問題が発生する。
このような電動機の特性劣化を最小限にとどめるために、特許文献1には、固定子にかかる圧縮応力をできるだけ低減する方法が提案されている。
ここで、固定子に圧縮応力が加わった場合に電動機の特性が劣化する主たる原因は、鉄心材料である電磁鋼板の鉄損特性の応力依存性にあると考えられる。そして、例えば、非特許文献1に記載されているように、電磁鋼板に磁路方向に沿って圧縮応力を加えると鉄損が増大し、透磁率が低下することが知られている。したがって、電動機ケースに固定子を固定する際に固定子に加わった圧縮応力により鉄心材料である電磁鋼板の鉄損が増加し、かつ透磁率が低下するために、所望の磁束密度を得るために大きな巻線電流が必要となり、その結果、電動機の損失が増加して効率が低下すると解釈できる。
しかしながら、固定子をケースに固着するためには、ある一定の圧縮応力が固定子に加わることは不可避である。そのため、特許文献2では、固定子における応力を分散させるため、固定子外周に突起部、ケース内周面部に溝を形成し、固定子を回転させて突起部を溝に係合させてケースに固着する方法が提案されている。
特開2005-80451号公報 特開2004-343938号公報 谷良浩、大穀晃裕、有田秀哲、中野正嗣、山口信一、都出結花利、吉岡孝、藤野千代著「電磁鋼板の応力下における磁気特性の測定」電気学会マグネティックス研究会資料 MAG-03-191
しかしながら、特許文献1では、電磁鋼板に加わる圧縮応力を緩和しているとはいえ、応力は固定子の磁束が通るヨーク部におよんでいるため、損失の劣化は免れ得ない。
また、 特許文献2では、固定子外周に突起部、ケース内周面部に溝を形成し、固定子を回転させて突起部を溝に係合させることにより電動機回転軸方向に応力分布の少ない固着方法を提案している。しかしながら、この方法でも応力は固定子のヨーク部にまでおよんでいる。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、固定子の鉄心、特にヨーク部に加わる圧縮応力のおよぶ範囲を最小限にすることにより、材料の損失劣化が少ない電動機固定子の固定方法を提案するとともに、高効率な電動機を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
非特許文献1に記載のように、固定子に圧縮応力が加わった場合に電動機の特性が劣化する主たる原因は、鉄心材料である電磁鋼板の鉄損特性の応力依存性にあると考えられる。そのため、電磁鋼板の磁気特性劣化を防ぐには、圧縮応力を加えないことが最善である。しかし、固定子をケースに固着するためには、ある一定の圧縮応力が固定子に加わることは不可避である。このため、次に考慮しなければならないことは、応力が加わる領域を最小限にとどめ、可能な限り、応力が加わる領域を磁束の流れる領域と重ならないようにすることである。
ここで、非特許文献1では、電磁鋼板の単板を用いて、長さ方向に一様に圧縮応力を加えながら損失を測定しているため、磁束が流れる領域と応力が加わる領域はほぼ一致している。このため、圧縮応力が加わるとともに損失は大きく劣化している。そして、磁束の流れる方向、すなわち磁化しようとする方向に沿って圧縮応力を加えると透磁率が低下することから、磁気モーメントは圧縮方向に垂直な方向に配列しやすくなると推測できる。したがって圧縮方向に磁化しようとする場合により大きい磁界を加えねば、所望の磁束密度が得られない。圧縮応力を加えると損失が劣化する原因のひとつは、応力を加えない場合に比べて大きい磁界が必要になるためと考えられる。
以上より、電磁鋼板の磁気特性の劣化を防ぐには、磁化される領域、すなわち磁束が流れる領域から応力の加わる範囲を遠ざけることが肝要であるといえる。
そして、従来の焼きばめや圧入による方法では、固定子のヨーク外周部がケース内周部に接しているため、ヨーク外周部全体に圧縮応力が加わり、ヨーク部の周方向にも強い圧縮応力が加わる。その結果、ヨーク部が磁化されにくくなり、損失が増加すると考えられる。
以上の検討の結果、固定子とケースの結合部分をヨークの外側に配し、固着による応力の加わる範囲を狭い範囲にとどめ、かつ、ヨーク部に加わる圧縮応力を低減することにより、固定子を構成する電磁鋼板の損失劣化の少ない、優れた特性を有する電動機が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凸部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凹部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凸部および前記凹部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有していることを特徴とする電動機。
[2]電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凹部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凸部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凹部および前記凸部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、さらには、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有していることを特徴とする電動機。
[3]電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凸部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凹部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凸部および前記凹部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、前記凸部の先端の断面形状は、電動機回転軸方向にらせん状になっていることを特徴とする電動機。
[4]電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凹部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凸部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凹部および前記凸部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、前記凸部の先端の断面形状は、電動機回転軸方向にらせん状になっていることを特徴とする電動機。
[5]前記[1]または[2]において、前記凸部の先端の断面形状は、電動機回転軸方向にらせん状になっていることを特徴とする電動機。
[6]電動機固定子はヨーク部外周に扇形状の凸部を有し、電動機ケースは内周に扇形状の凹部を有しており、前記凸部および前記凹部を圧入により嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有して前記電動機固定子を前記電動機ケースに固定することを特徴とする電動機固定子の固定方法。
[7]電動機固定子はヨーク部外周に扇形状の凹部を有し、電動機ケースは内周に扇形状の凸部を有しており、前記凹部および前記凸部を圧入により嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有して前記電動機固定子を前記電動機ケースに固定することを特徴とする電動機固定子の固定方法。
[8]前記[6]または[7]において、電動機固定子は、前記凸部の先端の断面形状が電動機回転軸方向にらせん状になるように、前記凸部中心線とティース中心線とがなす角度が各々異なる電磁鋼板を複数枚積層して形成され、前記電動機ケースは、内周に断面形状が前記凸部の先端に形成されるらせん形状と一致する、扇形状の凹部の溝が形成され、次いで、前記電動機固定子を電動機ケースに嵌め合わせることを特徴とする電動機固定子の固定方法.
なお、前記扇形状の凸部中心線とは、前記凸部の周方向幅の1/2の位置と前記凸部を形成する扇型の中心を結ぶ線であり、ティース中心線とは、固定子内周の中心を通り、ティース幅を二分割する線である。
本発明によれば、損失が小さく、効率の高い電動機が得られる。そして、本発明では、固定子を形成する電磁鋼板に加わる圧縮応力を最小限にとどめ、かつ周方向あるいは回転軸方向に応力を分散させることにより材料の損失劣化が少ない電動機固定子の固定方法を提案する。
以上より、従来の電動機に比べて、固定子の電磁鋼板の透磁率増加により巻線電流が減少し銅損が低下し、巻線数の減少による固定子の小型化が達成されることになる。
本発明の電動機固定子は、回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凸部(または凹部)を有する電動機固定子(以下、固定子と称す)と、内周に扇形状の凹部(または凸部)を有する電動機ケース(以下、ケースと称す)からなる。そして、前記凸部および前記凹部を嵌め合わせることで前記固定子と前記ケースが結合する結合部を有する。さらに、前記固定子の前記ヨーク部外周と前記ケース内周の間は、前記固定子と前記ケースの結合部を除いて、空隙を有することとする。このように、本発明は、電動機の一部を構成する固定子をケース外部から一様に加わる圧縮応力により固着させるのではなく、固定子のヨーク外周部に設けられた扇形凸部とケース内周に設けられた凹部を局所的に結合することにより固定子をケースに固着させるものである。そして、局所的に結合することで、結合部を除いて、固定子のヨーク部外周とケース内周の間に空隙を持たせることを特徴とする。このような構造にすることにより、固定子鉄心材料である電磁鋼板に加わる圧縮応力を最小限にとどめ、電磁鋼板の鉄損を低減し、透磁率を増加することが可能となり、その結果、電動機の効率改善が可能となる。
本発明を実施するための、最良の形態の一例を以下に示す。
まず、従来の焼きばめにより固定子を固定する方法の模式図を図1に示す。図1に示すやきばめによる方法では、固定子1の外径よりわずかに小さい内径を持つケースリング2を一定の温度に加熱し、熱膨張により大きくなったケースリング2内側に固定子1をはめ込み、次いで、ケースリング2の温度の低下にともなってケースリング2が収縮し、その結果、固定子1が固定される。
この他に、圧入による方法では、ケースリング2を加熱しないで荷重を加えて固定子1をケースリング2にはめ込むものである。
やきばめによる方法や圧入による方法のいずれの場合でも、固定後は固定子に圧縮応力が加わっている状態となる。
一方、本発明による電動機固定子の固定方法の一実施形態を図2、図3及び図4に示す。
本発明では、図2に示したように、固定子1は、ヨーク部3外周に扇形状の凸部4を有する電磁鋼板を複数枚積層してなる。一方、図3に示すように、電動機ケース5は、内周に扇形状の凹部6を有している。そして、固定子1を電動機ケース5に圧入して、前記凸部4および前記凹部6を嵌め合わせることで、前記固定子1と前記ケース5を結合する。圧入する前の固定子1の扇形状の凸部4および電動機ケース5の扇形状の凹部6を拡大した図を図4(a)として示す。凸部の幅と両端の高さは、それぞれ接触する凹部の幅と両端の高さよりわずかに大きくなっており、圧入によりこの部分が結合して、固定子はケースに固着する。
また、圧入後の結合部の拡大図を、図4(b)として示す。図4(b)によれば、本発明では、固着した状態では、結合部以外の前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記ケース内周の間には空隙7がある。この空隙7により、従来の焼きばめや圧入による方法では全周にわたり加えられていた圧縮応力の加わる範囲がほぼ結合部のみに抑えられることになる。ここで、図4における固定子の扇形凸部とケースの扇形凹部の重なり代(結合部)、すなわち結合部の凸部周方向幅と凹部周方向内幅との差は、好適には20μm以上、200μm以下である。20μmに満たないと固定子とケースの固着が十分ではなく、また200μmを超えると圧入の際に大きな荷重を必要とし、また凸部の一部が損傷するおそれもある。
本発明の固定子をケースにはめ込む場合の模式図を図5に示す。図2に示したような電磁鋼板を複数枚積層して、かしめあるいは接着により固定子1を作製し、ケース5に圧入して固着する。この時、固定子1の扇形状の凸部4がケース5内周の凹部6の溝にはめ込まれ固着することができる。固定子1とケース5は扇形の凹凸部で結合し、かつ結合箇所以外の固定子外周とケース内周の間には空隙があり、従来の焼きばめや圧入方法による固着によるケースからの一様な圧縮応力が加わることなく、その結果として電磁鋼板の損失劣化を抑えられ目的は達成できる。
さらに、本発明では、電磁鋼板を積層して固定子を作製する際に、固定子1のヨーク部外周に設けられた扇形状の凸部4の位置が一枚ごとに重ならず異なるように積層することが好ましい。すなわち、図6に示すように、固定子ティースの中心線と扇形状の凸部の中心線のなす角が電磁鋼板1枚1枚で異なり、固定子ティースの中心線と扇形凸部の中心線が、0°から数十°の角度を有した構造、好ましくは、固定子のスロット数をn、電磁鋼板の積層枚数をmとすると(360°/nm)の角度ずつ異なる電磁鋼板をm枚作製して順次積層する。積層した固定子は、側面から見ると凸部中心がらせんを描くようになる。なお、固定子ティースの中心線とは図2に示す通り、固定子内周の中心(回転子の回転軸の中心)を通り、ティース幅を二分割する線であり、扇形状の凸部の中心線とは図6に示す通り、凸部の周方向幅の1/2の位置と凸部を形成する扇形の中心とを結ぶ線である。
図7は、固定子1’の凸部の先端の断面形状がらせん状になるように電磁鋼板を積層した場合の固定子1’をケース5’にはめ込む場合の模式図である。図7では、ケース5’の凹部6は、固定子1’凸部4の断面形状(らせん形状)に沿うように、側面からみて凹部中心がらせんを描くように溝を形成している。そして、断面形状がらせん状の凸部を断面が同じくらせん状の凹部の溝に圧入する。
このような構造を取ることにより、凹凸結合部とティースの位置が鋼板面内で異なり、その結果、結合による鋼板の磁気特性への影響が回転軸方向に分散できることになる。
上記のような鋼板をそれぞれ作製するためには、金型による打ち抜きでは相対位置が異なる枚数だけ金型が必要となる。相対位置が異なる枚数が多い場合は、サイズによるが一体打ち抜きやエッチング等の方法によれば量産は可能である。
なお、図2および図3では扇形の凸部を固定子1側に、凹部をケース5側に形成する例を述べたが、これとは反対に凹部を固定子1側に、凸部をケース5側に形成しても目的は達成できる。例えば、ヨーク幅、ティース幅、ならびにそれらの寸法から予測される磁束密度分布により、適宜好ましい凸部もしくは凹部の組合せを選択できる。
以上のように、本発明は、固定子のケースへの固定方法に起因した鉄心磁気特性の劣化を防止するのみならず、モータ構造の点から鉄心磁気特性を積極的に向上させようとするものである。さらに、焼きばめ、圧入といった、モータ鉄心外周面に作用する強い応力を用いてケースと固定子とを固定する際に生じる鉄心磁気特性(鉄損)の劣化という問題に対し、本発明はこのような劣化を防止するにとどまらず、鉄心磁気特性を素材から想定される特性よりも改善する方法を提示することを主旨としている。このような点から、本発明は、継鉄部の周長が長いために継鉄部の印加される圧縮力の悪影響の大きいインナーロータ型のモータに対して最適である。
(参考例)
図5と同様の形状、構造を有する電動機を以下のように作製した。電動機は8極12スロットの集中巻きのブラシレスDCモータ(表面磁石型、内回転子型)とした。固定子1は、JIS50A400グレードの0.5mm厚の無方向性電磁鋼板を図5に示す形状にプレス打ち抜きした板を84枚積層し、固着した後、ティース8をボビンで覆い、そのうえに巻線を施した。全体の厚みは42mmである。
固定子の外径(突起部含めず)は180mm、内径は80mm、ヨーク幅は8mm、ティース幅は10mmである。扇形凸部4は、その中心線がティース8の中心線と一致するようにヨークの外側に12箇所形成した。一方、ケース5は、アルミ合金製にて製造した。また、ケース5の内周に扇形上の凹部6を形成した。そして、その扇形状の凹部と凸部が合うように固定子1を合わせ、荷重100Nを加えて挿入した。固定子扇形凸部4とケース扇形凹部5の重なり代は最大で120μmであった。以上により得られた電動機を電動機Aとする。
比較のため、図1に示したような、扇形突起物のない形状に打ち抜いた電磁鋼板を電動機A(参考例)と同じ枚数だけ積層し、凹部のないケースを200℃に加熱して、焼きばめにより電動機Bを作製した。
以上により得られた2種の電動機Aおよび電動機Bに対して、モータ回転数2500rpm、トルク10Nmの条件にてモータ効率を測定した。なお、モータ効率は、トルクおよび回転数から求められる出力と入力電力との比(出力/入力×100[%])で評価した。
その結果、電動機Aでは92%の効率であった。一方、電動機Bでは89%であった。参考例では、比較例よりも高いモータ効率が得られていることがわかる。そして、優れた特性の電動機が得られることが確認できた。
電磁鋼板を積層して固定子を作製する際に、扇形状の凸部4の中心線とティース3の中心線となす角度が0°から29°まで1°ずつ異なる鋼板をエッチングにより30枚作製し、上記角度の小さい順に凸部先端の断面形状がらせん形状となるように積層して固着した。一方、ケースは内周に断面が扇形であり、固定子凸部先端の断面形状と一致するらせん形の溝を有するアルミ合金製のケース7を機械加工により作製した。このケースに固定子をヘッドが回転できるプレス機にて荷重100Nを加えて挿入した。この時の固定子扇形凸部4とケース扇形凹部5の重なり代は最大で80μmとした。
なお、上記以外は実施例1と同様である。
以上により得られた電動機を電動機Cとし、電動機Cを実施例1と同じ条件でモータ効率を測定したところ、93%の効率であった。電動機Cでは凹凸結合部とティースの位置が鋼板面内で異なり、その結果、結合による鋼板の磁気特性への影響が回転軸方向に分散できている。そのため、電動機Aに比べ、より一層高いモータ効率が得られていることがわかる。
本発明による効果は、永久磁石式同期電動機(ブラシレスDCモータ)においてのみならず、電磁鋼板を材料とする電動機、例えば誘導式電動機やスイッチドリラクタンスモータにおいても有用である。
従来の焼きばめ固定方法による固定子挿入状態時を示す図である。 本発明の固定子を形成する電磁鋼板1枚の形状を示す図である。 本発明の固定子を挿入するケースの断面図である。 本発明の結合部拡大図である。 本発明の固定子をケースにはめ込む場合の模式図である。 本発明の他の実施形態である固定子の拡大図である。 本発明の他の実施形態である固定子をケースにはめ込む場合の模式図である。
符号の説明
1、1’ 固定子
2 ケースリング
3 ヨーク部
4 扇形状の凸部
5 5’ ケース
6 扇形状の凹部
7 空隙
8 ティース

Claims (4)

  1. 電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凸部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凹部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凸部および前記凹部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有し、さらに、前記凸部の先端の断面形状は、前記凸部中心線とティース中心線とがなす角度が各々異なる電磁鋼板を複数枚積層して形成することで電動機回転軸方向にらせん状になっており、電動機ケース内周には断面形状が前記凸部の先端に形成されるらせん形状と一致する、扇形状の凹部の溝を有していることを特徴とする電動機。
    なお、前記扇形状の凸部中心線とは、前記凸部の周方向幅の1/2の位置と前記凸部を形成する扇型の中心を結ぶ線であり、ティース中心線とは、固定子内周の中心を通り、ティース幅を二分割する線である。
  2. 電動機回転子と、ヨーク部外周に扇形状の凹部を有した電動機固定子と、内周に扇形状の凸部を有した電動機ケースからなり、さらに、前記凹部および前記凸部を嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合する結合部を有し、さらには、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有し、さらに、前記凹部の断面形状は、前記凹部部中心線とティース中心線とがなす角度が各々異なる電磁鋼板を複数枚積層して形成することで電動機回転軸方向にらせん状になっており、電動機ケース内周には断面形状が前記凹部により形成されるらせん形状と一致する、扇形状の凸部の突起を有していることを特徴とする電動機。
    なお、前記扇形状の凹部中心線とは、前記凹部の周方向幅の1/2の位置と前記凹部を形成する扇型の中心を結ぶ線であり、ティース中心線とは、固定子内周の中心を通り、ティース幅を二分割する線である。
  3. 電動機固定子はヨーク部外周に扇形状の凸部を有し、前記凸部の先端の断面形状が電動機回転軸方向にらせん状になるように、前記凸部中心線とティース中心線とがなす角度が各々異なる電磁鋼板を複数枚積層して形成され、電動機ケースは内周に扇形状の凹部を有しており、前記凹部は、電動機ケース内周に断面形状が前記凸部の先端に形成されるらせん形状と一致する、らせん状の溝を形成し、前記凸部および前記凹部を圧入により嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有して前記電動機固定子を前記電動機ケースに固定することを特徴とする電動機固定子の固定方法。
    なお、前記扇形状の凸部中心線とは、前記凸部の周方向幅の1/2の位置と前記凸部を形成する扇型の中心を結ぶ線であり、ティース中心線とは、固定子内周の中心を通り、ティース幅を二分割する線である。
  4. 電動機固定子はヨーク部外周に扇形状の凹部を有し、前記凹部の断面形状が電動機回転軸方向にらせん状になるように、前記凹部中心線とティース中心線とがなす角度が各々異なる電磁鋼板を複数枚積層して形成され、電動機ケースは内周に扇形状の凸部を有しており、前記凸部は、電動機ケース内周に断面形状が前記凹部により形成されるらせん形状と一致する、らせん状の突起を形成し、前記凹部および前記凸部を圧入により嵌め合わせることで前記電動機固定子と前記電動機ケースを結合し、前記電動機固定子の前記ヨーク部外周と前記電動機ケース内周の間は、前記電動機固定子と前記電動機ケースの結合部を除いて、空隙を有して前記電動機固定子を前記電動機ケースに固定することを特徴とする電動機固定子の固定方法。
    なお、前記扇形状の凹部中心線とは、前記凹部の周方向幅の1/2の位置と前記凹部を形成する扇型の中心を結ぶ線であり、ティース中心線とは、固定子内周の中心を通り、ティース幅を二分割する線である。
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