JP5301413B2 - 複合基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合基板の製造方法に関する。
従来より、図4に示すような梯子形SAWフィルタ110が知られている。梯子形SAWフィルタ110は、複数の1ポートSAW共振器112を梯子形に繋いだものである。1ポートSAW共振器112は、図5に示すように、櫛歯が互い違いに入り込むように配置された1対の櫛形電極114,114と、その両側に配置された反射器116とで構成される。こうした1ポートSAW共振器112の共振周波数frは、弾性表面波の伝搬速度vを周期λ(電極幅hと電極間距離aとの和の2倍)で除した値で概略決定される。1ポートSAW共振器112には、入力端子と出力端子とを接続する入出力ライン118に直列に配置された直列腕共振器Rsと、2つの入出力ライン118,118を架け渡すように配置された並列腕共振器Rpとがある。直列腕共振器Rsと並列腕共振器Rpは、直列腕共振器Rsの共振周波数frsと並列腕共振器Rpの反共振周波数fapとが一致するようにそれぞれの周期λsと周期λpとがわずかに異なるように設計されている。この梯子形SAWフィルタ110の通過特性は、図6のようになる。低周波側の減衰極は並列腕共振器Rpの共振周波数frp、高周波側の減衰極は直列腕共振器Rsの反共振周波数fas、中心周波数f0は直列腕共振器Rsの共振周波数frs(並列腕共振器Rpの反共振周波数fapとほぼ一致)となる。このような梯子形SAWフィルタ110には、圧電基板とその圧電基板よりも小さな線熱膨張係数を持つ支持基板とを接合した複合基板が利用される(例えば特許文献1参照)。
特開2005−347295号公報
しかしながら、複合基板によっては周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)を十分抑えられないことがあり、図6の通過域が温度によってずれることがあった。特に、複合基板の支持基板としてSi基板を用いた場合、直列腕共振器Rsの反共振周波数fasのTCFの絶対値を十分小さくすることができず、通過域が温度によってずれることがあった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、支持基板がSi基板である複合基板において、梯子形SAWフィルタの通過特性が温度によって大きくずれないようにすることを主目的とする。
本発明者らは、支持基板がSi基板である複合基板において、抵抗率の異なるSi基板を用いて圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率r(tSi/tpz)とTCFとの関係を調べたところ、共振器の共振周波数frにおける比率rとTCFとの関係はSi基板の抵抗率にほとんど依存しないが、共振器の反共振周波数faにおける比率rとTCFとの関係はSi基板の抵抗率に依存して大きく変わるという新たな知見を見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の複合基板の製造方法は、
共振器構造を有するSAWフィルタに用いられ、圧電基板と支持基板としてのSi基板とが接合された複合基板を製造する方法であって、
(a)抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率rと共振器の共振周波数frにおけるTCF(以下、TCFfrという)との関係と、前記比率rと共振器の反共振周波数faにおけるTCF(以下、TCFfaという)との関係を調べる工程と、
(b)予めSi基板の抵抗率を設定し、該設定した抵抗率に対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用する比率rを設定する工程と、
(c)前記圧電基板と前記Si基板とを接合し、前記工程(b)で設定した前記比率rとなるように前記圧電基板及び前記Si基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する工程と、
を含むものである。
本発明の第2の複合基板の製造方法は、
共振器構造を有するSAWフィルタに用いられ、圧電基板と支持基板としてのSi基板とが接合された複合基板を製造する方法であって、
(a)抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率rとTCFfrとの関係と、前記比率rとTCFfaとの関係を調べる工程と、
(b)予め比率rを設定し、該設定した比率rに対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用するSi基板の抵抗率を設定する工程と、
(c)前記圧電基板と前記工程(b)で設定した抵抗率を持つSi基板とを接合し、予め設定した比率rとなるように前記圧電基板及び前記Si基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する工程と、
を含むものである。
本発明の第1の複合基板の製造方法では、予めSi基板の抵抗率を設定し、該Si基板の抵抗率に対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように比率rを設定する。そして、圧電基板と今回使用するSi基板とを接合し、設定した比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する。つまり、Si基板の抵抗率が高くても低くても中程度でも、各抵抗率に応じて比率rを設定することにより、TCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値を20ppm/℃以下にすることができる。したがって、この製造方法によって得られた複合基板を利用した共振器型SAWフィルタは、通過特性が温度によって大きくずれることがない。
本発明の第2の複合基板の製造方法では、予め比率rを設定し、該設定した比率rに対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用するSi基板の抵抗率を設定する。そして、圧電基板と今回使用するSi基板とを接合し、予め設定した比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する。つまり、予め設定した比率rに対して適切な抵抗率のSi基板を選択することにより、TCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値を20ppm/℃以下にすることができる。したがって、この製造方法によって得られた複合基板を利用した共振器型SAWフィルタは、通過特性が温度によって大きくずれることがない。
なお、共振器構造を有するSAWフィルタとしては、例えば、梯子形SAWフィルタやラチス型SAWフィルタ、多重モードSAWフィルタ、SAWデュープレクサなどが挙げられる。
Si基板の抵抗率と厚み比率r(=tSi/tpz)と共振器の共振周波数温度係数であるTCFfrとの関係を表すグラフである。 Si基板の抵抗率と厚み比率r(=tSi/tpz)と共振器の反共振周波数温度係数であるTCFfaとの関係を表すグラフである。 Si基板の電気伝導率と電流密度との関係を表すグラフである。 梯子形SAWフィルタ110の説明図である。 1ポートSAW共振器112の説明図である。 梯子形SAWフィルタ110の通過特性を表すグラフである。
本発明の第1及び第2の複合基板の製造方法によって得られる複合基板は、圧電基板と支持基板としてのSi基板とが接合されたものである。圧電基板は、弾性波を伝搬可能なものであれば特に限定されないが、例えば、タンタル酸リチウム(LT)、ニオブ酸リチウム(LN)、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、水晶、ホウ酸リチウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、ランガサイト(LGS)、ランガテイト(LGT)などで作製された基板が挙げられる。Si基板は、線熱膨張係数が圧電基板よりも小さい。複合基板の大きさは、特に限定されないが、例えば、直径が50〜200mm、厚み150〜350mmとしてもよい。この複合基板は、共振器型SAWフィルタに用いられるものである。具体的には、複合基板上に櫛形電極と反射器とからなるSAW共振器をフォトリソグラフィ技術を用いて形成し、これら電極パターンを適宜組み合わせてSAWフィルタとする。その後、SAWフィルタ単位ごとに切断し、切断された1つ1つをパッケージングして素子とする。
本発明の第1の複合基板の製造方法において、工程(a)では、抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率rと共振器の共振周波数frにおけるTCF(以下、TCFfrという)との関係と、前記比率rと共振器の反共振周波数faにおけるTCF(以下、TCFfaという)との関係を調べる。比率rとTCFfrとの関係は、Si基板の抵抗率にかかわらず概ね同じであるが、比率rとTCFfaとの関係は、Si基板の抵抗率によって大きく変化する。ここで、TCFfrとTCFfaは、ゼロに近ければ近いほど温度依存性が少なくなるため好ましいが、経験的には、TCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が共に20ppm/℃以下(好ましくは10ppm/℃以下)であれば、この複合基板を利用した共振器型SAWフィルタを搭載した機器に支障が生じるほど、温度によってフィルタ特性が大きく変わることはない。このため、TCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が共に20ppm/℃以下にすることが目標となる。TCFfrの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率にかかわらず概ね同じであるが、TCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率によって大きく変化する。
本発明の第1の複合基板の製造方法において、工程(b)では、予めSi基板の抵抗率を設定し、該Si基板の抵抗率に対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように比率rを設定する。上述したように、TCFfrの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率にかかわらず概ね同じであるが、TCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率によって大きく変化する。このため、工程(b)では、まずSi基板の抵抗率にかかわらずTCFfrの絶対値が20ppm/℃以下となる比率rの数値範囲を求めておき、次にその数値範囲内でTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となる比率rの数値を探索するようにしてもよい。また、使用するSi基板は、抵抗率が100Ω・cm以上であるとフィルタの挿入損失が小さいため好ましく、抵抗率が500Ω・cm以下であると厚み比率rが変化するとTCFfaの値が負から正に移行するためTCFfaをよりゼロに近づけることが可能となるため好ましい。ちなみに、抵抗率が500Ω・cmを超えると厚み比率rが変化してもTCFfaの値が負の領域で変化するにとどまるためTCFfaを十分ゼロに近づけることが難しい。図3は、30μmのLN基板と350μmのSi基板とを接合した複合基板のLN基板上に3本の線状電極(厚さ4μm)を電極周期40μmで配置した解析モデルに、3本の線状電極のうち両側をグランドとし、中央に1Vの電圧が周波数1.9GHzで入力するようにしてSi基板の電気伝導率と電流密度との関係を調べたときのグラフである。Si基板内の電流密度が高いほど熱が多く発生して損失が大きくなるが、このグラフから電気伝導率が1S/m以下(抵抗率に換算すると100Ω・cm以下)であれば電流密度が低いため損失を小さく抑えることができることがわかる。
本発明の第1の複合基板の製造方法において、工程(c)では、圧電基板とSi基板とを接合し、工程(b)で選択した比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する。ここで、圧電基板とSi基板とは、直接接合してもよいが、有機接着層を介して間接的に接合してもよい。両基板を直接接合する方法としては、以下の方法が例示される。すなわち、まず、両基板の接合面を洗浄し、該接合面に付着している不純物(酸化物や吸着物等)を除去する。次に、両基板にアルゴン等の不活性ガスのイオンビームを両基板の接合面に照射することで、残留した不純物を除去すると共に接合面を活性化させる。その後、真空中、常温で両基板を貼り合わせ接合させる。一方、有機接着層を介して間接的に接合する方法としては、以下の方法が例示される。すなわち、まず、両基板の接合面を洗浄し、該接合面に付着している不純物を除去する。次に、両基板の接合面の少なくとも一方に有機接着剤を均一に塗布する。その後、両基板を貼り合わせ、有機接着剤が熱硬化性樹脂の場合には加熱して硬化させ、有機接着剤が光硬化性樹脂の場合には光を照射して硬化させる。このように有機接着層を介して間接的に接合する場合には、有機接着層を厚み0.1〜1.0μmとするのが好ましい。有機接着層の厚みが1.0μmを超えると圧電基板と支持基板との熱膨張係数の差がこの有機接着層に吸収され、温度に対する周波数特性の変化を抑える効果が得られにくくなるため好ましくない。また、有機接着層の厚みが、0.1μm未満になるとボイドの影響で、温度変化に対する周波数特性の変化を抑える効果が得られにくくなるため好ましくない。圧電基板の研磨は、通常知られている研磨機を使用して実施すればよい。例えば、片面研磨機を使用する場合には、研磨定盤とプレッシャープレートとの間に圧電基板とSi基板とを接合した貼り合わせ基板を挟み込み、圧電基板と研磨定盤との間に研磨砥粒を含むスラリーを供給し、プレッシャープレートにより貼り合わせ基板を定盤面に押しつけながらプレッシャープレートを自転させるか自転させながら公転させる。
本発明の第2の複合基板の製造方法において、工程(a)では、抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、比率rとTCFfrとの関係と、比率rとTCFfaとの関係を調べる。この工程(a)は、本発明の第1の複合基板の製造方法の工程(a)と同じであるため、説明を省略する。
本発明の第2の複合基板の製造方法において、工程(b)では、予め比率rを設定し、該設定した比率rに対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用するSi基板の抵抗率を設定する。上述したように、TCFfrの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率にかかわらず概ね同じであるが、TCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるときの比率rはSi基板の抵抗率によって大きく変わる。このため、工程(b)では、予め比率rを設定するにあたり、TCFfrの絶対値が20ppm/℃以下となるように比率rを設定し、設定した比率rにおいてTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるSi基板の抵抗率の数値を設定するようにしてもよい。また、使用するSi基板は、抵抗率が100Ω・cm以上であるとフィルタの挿入損失が小さいため好ましく、抵抗率が500Ω・cm以下であると厚み比率rが変化するとTCFfaの値が負から正に移行するためTCFfaをよりゼロに近づけることが可能となるため好ましい。ちなみに、抵抗率が500Ω・cmを超えると厚み比率rが変化してもTCFfaの値が負の領域で変化するにとどまるためTCFfaを十分ゼロに近づけることが難しい。
本発明の第2の複合基板の製造方法において、工程(c)では、圧電基板と工程(b)で選択した抵抗率のSi基板とを接合し、予め設定した比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する。ここで、圧電基板とSi基板との接合方法や圧電基板の研磨方法については、本発明の第1の複合基板の製造方法の工程(c)と同じであるため、説明を省略する。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下の基本手順にしたがって、Si基板の抵抗率ρや厚み比率rが異なる複合基板をいくつか作製し、その複合基板を利用して1ポートSAW共振器を作製した。
[基本手順]
支持基板として直径が100mm、厚みが250μm、抵抗率がρΩ・cmのSi(111)基板を用意し、圧電基板として直径が100mm、厚みが250μmのLT42°Yカット基板を用意した。そして、圧電基板の裏面と支持基板の表面にエポキシ系の有機接着剤をスピンコートにより均一に薄く塗布し、両者を重ね合わせた状態で有機接着剤を固化させて貼り合わせ基板を作製した。このときの有機接着層の厚みは約0.7μmとした。次に、この貼り合わせ基板の圧電基板を所定の厚みになるまで片面研磨機により研磨して複合基板を得た。なお、この複合基板の圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの割合を厚み比率r(=tSi/tpz)と称する。
得られた複合基板を有機溶媒で超音波洗浄し、更に純水で超音波洗浄した。続いて、圧電基板の表面にスパッタリングにより厚み2400ÅのAl膜を形成した。形成したAl膜にポジレジストを塗布し、ベーキングした後、マスクアライナーを用いて紫外線露光を行い、現像して所定のレジストパターンとした。現像後の複合基板を反応性イオンエッチング(RIE)装置に入れ、塩素ガスを用いてAl膜のエッチングを行った。その結果、図5に示すように、一対の櫛形電極とその両側の反射器とを一組とする電極パターンからなる1ポートSAW共振器が圧電基板の表面に多数形成された。その後、パターンごとに複合基板を切断し、多数の1ポートSAW共振器を得た。1つの1ポートSAW共振器の櫛形電極の櫛歯の数は200本とした。また、電極周期は3μmに設定した。
[温度特性]
抵抗率が2Ω・cm,1000Ω・cmのSi基板を用いて、上述した基本手順にしたがって厚み比率rを種々変更した1ポートSAW共振器を作製し、厚み比率rと共振器の共振周波数温度係数であるTCFfrとの関係をグラフ化した。なお、TCFfrは、基準温度を25℃として測定した。そのグラフを図1に示す。図1から明らかなように、厚み比率rとTCFfrとの関係はSi基板の抵抗率にかかわらず概ね同じであり、厚み比率rが4以上であればSi基板の抵抗率にかかわらずTCFfrの絶対値は20ppm/℃以内に収まることがわかる。
また、厚み比率rと共振器の反共振周波数温度係数であるTCFfaの関係もグラフ化した。なお、TCFfaも、基準温度を25℃として測定した。そのグラフを図2に示す。図2から明らかなように、厚み比率rとTCFfaとの関係はSi基板の抵抗率によって異なる。例えば、抵抗率が2Ω・cmのSi基板を用いた場合には、厚み比率rが2〜9であればTCFfaの絶対値は20ppm/℃以内に収まり、抵抗率が1000Ω・cmのSi基板を用いた場合には、厚み比率rが4以上であればTCFfaの絶対値は20ppm/℃以内に収まることがわかる。
[複合基板の作製方法]
予め今回使用するSi基板が設定されている場合、複合基板は次のようにして作製する。すなわち、そのSi基板の抵抗率に対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となる厚み比率rの数値範囲を図1及び図2からそれぞれ求め、両方の数値範囲の重複範囲に入る厚み比率rを選択設定する。なお、ここでは重複範囲は、TCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となる厚み比率rの数値範囲になるため、TCFfrについて考慮するのを省略してもよい。そして、圧電基板とSi基板とを接合し、さきほど選択設定した比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨し、複合基板を得る。
また、予め今回使用する厚み比率rが決まっている場合、複合基板は次のようにして作製する。すなわち、予め設定した厚み比率rに対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるSi基板の抵抗率の数値範囲を図1及び図2からそれぞれ求め、両方の数値範囲の重複範囲に入るSi基板の抵抗率を選択設定する。そして、圧電基板と先ほど選択設定した抵抗率を持つSi基板とを接合し、予め設定した厚み比率rとなるように圧電基板及びSi基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨し、複合基板を得る。
本発明の複合基板は、共振器構造を有するSAWフィルタに利用可能である。
110 梯子形SAWフィルタ、112 1ポートSAW共振器、114 櫛形電極、116 反射器、118 入出力ライン、Rp 並列腕共振器、Rs 直列腕共振器、a 電極間距離、f0 中心周波数、fas,fa 反共振周波数、frp,fr 共振周波数、h 電極幅、r 比率、tSi Si基板の厚み、tpz 圧電基板の厚み。

Claims (3)

  1. 共振器構造を有するSAWフィルタに用いられ、圧電基板と支持基板としてのSi基板とが接合された複合基板を製造する方法であって、
    (a)抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率rと共振器の共振周波数frにおけるTCF(以下、TCFfrという)との関係と、前記比率rと共振器の反共振周波数faにおけるTCF(以下、TCFfaという)との関係を調べる工程と、
    (b)予めSi基板の抵抗率を設定し、該設定した抵抗率に対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用する比率rを設定する工程と、
    (c)前記圧電基板と前記Si基板とを接合し、前記工程(b)で設定した前記比率rとなるように前記圧電基板及び前記Si基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する工程と、
    を含む複合基板の製造方法。
  2. 共振器構造を有するSAWフィルタに用いられ、圧電基板と支持基板としてのSi基板とが接合された複合基板を製造する方法であって、
    (a)抵抗率の異なるSi基板を用意し、Si基板の抵抗率ごとに、圧電基板の厚みtpzに対するSi基板の厚みtSiの比率rとTCFfrとの関係と、前記比率rとTCFfaとの関係を調べる工程と、
    (b)予め比率rを設定し、該設定した比率rに対応するTCFfrの絶対値及びTCFfaの絶対値が20ppm/℃以下となるように今回使用するSi基板の抵抗率を設定する工程と、
    (c)前記圧電基板と前記工程(b)で設定した抵抗率を持つSi基板とを接合し、予め設定した比率rとなるように前記圧電基板及び前記Si基板の少なくとも一方を研削及び/又は研磨する工程と、
    を含む複合基板の製造方法。
  3. 前記Si基板は、抵抗率が100Ω・cm以上である、
    請求項1又は2に記載の複合基板の製造方法。
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