JP5300242B2 - 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及びスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及びスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高断熱性、難燃性の硬質ポリウレタンフォームを形成するスプレー発泡の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物並びに該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱材、軽量構造材等として周知の材料である。係る硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、発泡剤を必須成分として含有するポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合し、発泡、硬化させることにより形成される。硬質ポリウレタンフォームの製造方法の一つとしてポリオール組成物とポリイソシアネート成分の混合を各成分をスプレーにて吐出しながら混合するスプレー発泡法がある。スプレー発泡法においては、高い断熱性を必要とする用途において、発泡剤としてオゾン層を破壊するCFC化合物に代えてHCFC−141bが使用されていた(特許文献1)。
特許文献1において使用されているが、なおオゾン層破壊係数を有するHCFC−141bに代えて、水を発泡剤としたスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームも公知である(特許文献2)。
特許文献2に開示された硬質ポリウレタンフォームは、難燃性を高めることを目的とするものであり、ポリオール化合物として芳香族エステルポリオールを主成分としてポリエーテルポリオールを併用するものである。
特開平8−53565号公報 特開2003−261369号公報
しかし、特許文献2に開示の硬質ポリウレタンフォームは、芳香族エステルポリオールをポリオール化合物の主成分として使用しているために難燃性に優れたものであるが、ポリオール組成物が水と第3級アミン触媒を含有するために芳香族エステルポリオールが加水分解されて時間経過と共に反応性が低下するという問題を有するものである。
加水分解による反応性の低下を防止するべく、芳香族エステルポリオールをポリエーテルポリオールに変更したポリオール組成物を使用すると、加水分解の問題は解決するもののフォームに収縮が発生するという問題や基材との接着性が充分でないという問題が発生する。即ち、スプレー発泡法による硬質ポリウレタンフォームの施工は、所定のフォーム厚さとなるまで複数回スプレーにより吹き付けが行われるが、特許文献2に記載のスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームを、1回のスプレーによる吹き付け厚さを10mm以上にすると施工後の硬質ポリウレタンフォーム断熱層に収縮が発生し、該収縮は硬質ポリウレタンフォームの密度が40kg/m以下になると顕著に発生する。
本発明は、上記公知技術の問題点に鑑みて、水を発泡剤として使用し、1回のスプレーによる吹き付け厚さを10mm以上にした場合であっても施工後の硬質ポリウレタンフォーム断熱層に収縮が発生せず、基材との接着性も良好なスプレー発泡硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物及びその製造方法並びに該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のポリオール組成物は、ポリオール化合物、発泡剤として水、整泡剤、難燃剤及び触媒を含み、スプレー装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
前記ポリオール化合物100重量部は、水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部とを含むものであり、
前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする。
係る構成のポリオール組成物は、スプレーによる吹き付けの際のポリイソシアネート成分との混合性が良好であり、スプレー発泡による硬質ポリウレタンフォームの施工において、1回のスプレー吹き付けにより10mm以上を施工しても得られる硬質ポリウレタンフォームに収縮が発生せず、短時間で施工を完了することができ、硬質ポリウレタンフォームと基材との接着性も良好である。また該ポリオール組成物は、3種のシリコーン化合物を整泡剤として含有するが、上記構成のポリオール化合物を使用することによりシリコーン化合物の分離による安定性の低下が発生しないという効果も有する。
ポリオール化合物を構成するポリエーテルポリオール化合物がEDAポリオールでない場合には、スプレー吹き付けにおいて基材に付着した発泡原液組成物が下に垂れ流れる現象や形成される硬質ポリウレタンフォームの物性並びに基材との接着性の低下等の問題が発生する。EDAポリオールと併用するポリエーテルポリオール化合物がGLYポリオール以外の場合、EDAポリオールとGLYポリオールの水酸基価、並びにEDAポリオールとGLYポリオールの配合比が上記範囲を逸脱する場合にはスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームの物性の低下、収縮の発生、基材との接着性の低下などの問題が起こる。
上記のスプレー発泡硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物においては、さらに水酸基価250〜400mgKOH/g、官能基数が3の脂肪族アミンポリオールを前記ポリオール化合物100重量部中20〜40重量部を含有することが好ましい。
係る構成のポリオール組成物の使用により、スプレー発泡による硬質ポリウレタンフォームの施工において、より確実に1回のスプレー吹き付けにより10mm以上を施工しても得られる硬質ポリウレタンフォームに収縮が発生せず、短時間で施工を完了することができる。
別の本発明は、ポリオール化合物、発泡剤として水、整泡剤、難燃剤及び触媒を含み、スプレー装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物の製造方法であって、
前記ポリオール化合物100重量部は、水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部とを含むものであり、
前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含み、
少なくとも前記(a)環状ジアルキルポリシロキサン及び(b)前記シリコーン重合体を予め混合して残りの成分と混合することを特徴とする。
係る構成のポリオール組成物の製造方法によれば、3種の整泡剤成分が均一に分散し、かつ整泡剤の分離などが発生せず安定した組成物であって、気泡が均一な硬質ポリウレタンフォームを形成することができるポリオール組成物を製造することができる。スプレー発泡法による硬質ポリウレタンフォームの製造においては、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とは液滴状で衝突して混合するため、混合機を使用した場合と比較してポリオール組成物の不均一、とりわけ整泡剤の分散の不均一は、形成されるフォームの特性、特に収縮に大きく影響する。本発明は、スプレー発泡法における係る問題を解決したものである。(a)環状ジアルキルポリシロキサン及び(b)シリコーン重合体と共に(c)共重合シリコーン化合物を混合してもよい。
上記のポリオール組成物の製造方法においては、前記(a)環状ジアルキルポリシロキサン及び(b)前記シリコーン重合体に加えて、さらに難燃剤の少なくとも一部を予め混合して整泡剤組成物とし、残りのポリオール組成物構成成分と混合することが好ましい。
係る構成のポリオール組成物の製造方法によれば、ポリオール組成物中において少なくとも3種の整泡剤成分をより均一に分散することができ、かつポリオールの保存安定性も良好であり、主として現場施工であるスプレー発泡法において均一で収縮発生の抑制された硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物を製造することができる。難燃剤として常温液状のリン酸エステル系化合物を使用すると、該化合物が溶剤の役目を果たすために係る効果が得られるものと推定される。
別の本発明は、ポリオール化合物、HFC化合物からなる発泡剤、整泡剤、難燃剤及び触媒を含むポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをスプレー装置により混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
前記ポリオール化合物100重量部は、水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部とを含むものであり、
前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする。
係る構成の製造方法によれば、スプレー発泡による硬質ポリウレタンフォームの施工において、1回のスプレー吹き付けにより10mm以上を施工しても得られる硬質ポリウレタンフォームに収縮が発生せず、短時間で施工を完了することができ、硬質ポリウレタンフォームと基材との接着性も良好である。
上記の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール組成物は、さらに水酸基価250〜400mgKOH/g、官能基数が3の脂肪族アミンポリオールを前記ポリオール化合物100重量部中20〜40重量部を含有することが好ましい。
係る構成の硬質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、スプレー発泡による硬質ポリウレタンフォームの施工において、より確実に1回のスプレー吹き付けにより10mm以上を施工しても得られる硬質ポリウレタンフォームに収縮が発生せず、短時間で施工を完了することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物並びに硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、ポリオール組成物を構成するポリオール化合物として、少なくとも水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部とを使用する。
水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)は、エチレンジアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の実質的に4官能ポリオール化合物である。また水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)は、グリセリンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の実質的に3官能ポリオール化合物である。GLYポリオールの水酸基価は、60〜160mgKOH/gであることがより好ましい。
EDAポリオールとGLYポリオールに加えてポリオール組成物に配合することが好ましいポリエーテルポリオール化合物は、水酸基価250〜400mgKOH/g、官能基数が3の脂肪族アミンポリオールである。係るポリオール化合物は、具体的には開始剤としてアルカノールアミンを使用し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の実質的に3官能ポリオール化合物である。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが例示される。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を構成する成分として架橋剤を使用してもよい。架橋剤としてはポリウレタンの技術分野において使用される低分子量多価アルコールが使用可能である。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。
発泡剤としては、水のみを使用する。水の添加量は、製造する硬質ポリウレタンフォームの密度に応じて適宜設定する。本発明により製造される硬質ポリウレタンフォームの密度は、15〜40kg/mであることが好ましく、20〜35kg/mであることがより好ましい。係る硬質ポリウレタンフォームを製造するために、水の配合量はポリオール化合物の合計100重量部に対して2〜10重量部であることが好ましく、3〜9重量部であることがより好ましい。
触媒としては、硬質ポリウレタンフォームの分野において公知の第3級アミン触媒を使用する。具体的には、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(カオライザーNo.1)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(カオライザーNo.3)等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(ポリキャット−8)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(Niax A−1)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等を使用することができる。
本発明において整泡剤成分として使用する(b)シリコーン重合体は、(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとを水と触媒とを使用して共加水分解縮合してポリシロキサン結合を形成することにより製造することができる。R,Rは、同一であっても異なっていてもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また(a)環状ジアルキルポリシロキサンも公知の方法で製造することができ、環状ジメチルシロキサンであることが好ましい。
(c)共重合シリコーン化合物は、ポリウレタンフォームの技術分野において整泡剤として使用される化合物である。本発明においては、これらの公知の整泡剤の中でも、Si含有率が10〜40重量%のもの、即ち共重合しているポリオキシアルキレングリコールの含有率が小さいく、一般的に活性が低いとされる整泡剤を使用することが好ましい。具体的には、SH−193(Si=30wt%;東レダウコーニングシリコン)、S−824−02(Si=25wt%;日本ユニカー)、SZ−1704(Si=25wt%;日本ユニカー)、F501(Si=25wt%;信越化学工業)等の整泡剤を使用することができる。ポリオキシアルキレングリコールを有する整泡剤(共重合シリコーン化合物)は、2種以上を使用してもよく、(a)環状ジアルキルポリシロキサンを含有したものであってもよい。
上記(a),(b),(c)のシリコーン化合物としては市販品を使用することができ、具体的には(a)と(b)を含有する組成物としてF701(信越化学工業)が例示され、使用に好適である。上述のように、(a)環状ジアルキルポリシロキサン、(b)シリコーン重合体及び(c)共重合シリコーン化合物である整泡剤成分並びに必要に応じて難燃剤の少なくとも一部を予め混合して整泡剤組成物としてポリオール組成物の製造に使用することが好ましい。
(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体との混合比は、重量比にて1/9〜8/2であることが好ましく、3/7〜6/4であることがより好ましい。また(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体との合計量と(c)共重合シリコーン化合物との混合比は、重量比にて(a)+(b)/(c)=1/9〜8/2であることが好ましい。
本発明において使用する難燃剤としては、有機リン酸エステル類が例示される。中でも常温液状の有機リン酸エステル類は、可塑剤としての作用も有し、従って硬質ポリウレタンフォームの脆性改良の効果も奏することから、好適な添加剤である。またポリオール組成物の粘度低下効果も有する。かかる有機リン酸エステル類としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。有機リン酸エステル類の添加量はポリオール化合物の合計100重量部に対して40重量部以下であり、5〜40重量部であることが好ましい。この範囲を逸脱すると難燃効果が十分に得られなかったり、フォームの機械的特性が低下するなどの問題が生じる場合が発生する。有機リン酸エステル類の添加量はポリオール化合物の合計100重量部に対して10〜30重量部であることがより好ましい。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、上記成分の他に、当業者に周知の着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
本発明のポリオール組成物の粘度は、スプレー法による硬質ポリウレタンフォームの製造が容易に行える観点より800mPa・s(20℃)以下であることが好ましく、500mPa・s(20℃)以下であることがより好ましい。
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート化合物としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用する。液状MDIとしては、クルードMDI(c−MDI)(スミジュール44V−10,スミジュール44V−20,スミジュールH−420等(住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用される。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
上述の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が1.0〜3.0、より好ましくは1.1〜2.0である。
(ポリオール組成物)
表1の上段に記載した組成にてポリオール組成物を調製した。使用した原料の内容、特性は以下の通りである。
a)ポリオール化合物
ポリオールA:エチレンジアミンにエチレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール);水酸基価=450mgKOH/g
ポリオールB:グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール);水酸基価=110mgKOH/g
ポリオールC:トリエタノールアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物;水酸基価=350mgKOH/g
b)難燃剤
TMCPP:リン系難燃剤(大八化学工業)
c)触媒
Niax A−1(GE東芝)
d)整泡剤
A:F701(信越化学工業)
B:F501(信越化学工業)
C:SH−193(東レダウコーニングシリコン)
e)ポリイソシアネート成分:スミジュール44V−20(住化バイエルウレタン)。
(実施例、比較例)
実施例、比較例は表1の上段に記載したポリオール化合物の配合にてポリオール組成物を調整した。整泡剤成分A,Bは、重量比1/1にて予め混合し、さらにTMCPPを(A+B)と同重量添加混合して整泡剤組成物とし、この整泡剤組成物を他の成分と混合してポリオール組成物とした。ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをイソシアネートインデックス(NCO/OH当量比)を1.2となるように混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造した。以下に記載の評価を行い、結果を表1の下段に示した。
(評価)
1)フォーム密度(kg/m
200mm×200mm,深さ200mmのモールドを使用して自由発泡させ、得られた硬質ポリウレタンフォームよりスキン層を除いたコア層から100mm×100mm,厚さ100mmのフォームサンプルを切り出し、重量測定を行って密度(kg/m)を算出した。
2)収縮
垂直に立設した合板にクラフト紙面材を貼着し、室温でその上にスプレー発泡法により硬質ポリウレタンフォームを形成した。該硬質ポリウレタンフォームの形成においては、1回のフォーム形成厚さが10mm〜12mmとなるようにスプレーの吹き付けを行ない、これを4回繰り返して厚さ40mmの硬質ポリウレタンフォームを形成し、1日後及び10日後に表面を目視にて観察して収縮によるしわの発生を評価した。評価結果はしわの発生がないものを○、しわがわずかに発生したが問題のないものを△、しわが明確に発生したものを×とした。
3)面材接着性
上記の硬質ポリウレタンフォームについて、クラフト紙に幅5cmの切欠きを入れて端部から120〜150度の方向に剥離し、剥離荷重を求めることにより面材との接着性の評価を行った。剥離荷重が10N/5cm以上のものを○、それ未満のものを×として表示した。
Figure 0005300242
表1の結果より、本発明のポリオール組成物を使用したスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームは、低密度であって収縮を発生せず、面材との接着性も良好であった。

Claims (2)

  1. ポリオール化合物、発泡剤として水のみ、整泡剤、難燃剤及び触媒を含み、スプレー装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
    前記ポリオール化合物100重量部は、水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部と、さらに水酸基価250〜400mgKOH/gのアルカノールアミンを開始剤とする官能基数が3の脂肪族アミンポリオールを20〜40重量部を含むものであり、
    前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とするスプレー発泡硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  2. ポリオール化合物、発泡剤として水のみ、整泡剤、難燃剤及び触媒を含むポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをスプレー装置により混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    前記ポリオール化合物100重量部は、水酸基価300〜600mgKOH/gのエチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(EDAポリオール)40〜60重量部と水酸基価50〜200mgKOH/gのグリセリンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(GLYポリオール)10〜30重量部と、さらに水酸基価250〜400mgKOH/gのアルカノールアミンを開始剤とする官能基数が3の脂肪族アミンポリオールを20〜40重量部を含むものであり、
    前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とするスプレー発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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