JP5299943B2 - フッ素貯蔵材料 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素化カーボンナノホーンを含むフッ素の貯蔵材料およびそれからフッ素ガスを取り出す方法に関する。
フッ素ガスは、エネルギー産業におけるウラン濃縮の際、UF6の合成用として古くから大量に利用され続けている。
また、フッ素ガスは、撥水撥油剤、リチウム電池活物質、半導体製造用ドライエッチャント、半導体製造用フルオロポリマー、高分子材料用添加剤、医薬中間体等の工業的に有用な機能性材料の合成に不可欠であり、その使用量は年々増加の一途をたどっている。
さらにまた、フッ素ガスは、次世代の半導体、液晶製造用ドライエッチャント、クリーニング用ガス、CVD用ガスとしての発展が強く期待されている。
しかしながら、フッ素ガスは極めて高い反応性、腐食性を有しており、その貯蔵や取り扱いには極めて高い技術力を要するため、その利用には著しく制限を受けざるを得なかった。
すなわち、金属製のシリンダーに貯蔵する場合は、安全性の確保の為、おおよそ2MPa以下の圧力に止める必要があるだけでなく、あらかじめチッ素等で希釈して充填せざるを得なかった。また、シリンダーからフッ素ガスを取り出す際には特殊な弁装置、減圧装置、安全装置を何重にも施す必要があり、これらの点からもフッ素ガスの利用は経済性、生産性に欠けるものになっている。しかもこのようにシリンダーに充填する前に周到な精製を施した高純度フッ素ガスであっても、シリンダーや弁装置を構成する材料の腐食生成物(例えば各種金属フッ化物)により汚染され、特に半導体製造用途に供する場合、別途精製装置を設ける等の対策が必要となるなどの問題がある。
一方、フッ化水素を含有する溶融塩の電解により発生せしめたフッ素ガスを直接利用することも行われているが、この方法の場合、保安用の十分な空地と徹底した遮蔽を施した電解槽室を含む周到な安全対策を施した上で大型整流器、精製装置、除害装置の確保と高度な技術を有する運転要員、保安要員を各所に配置する必要がある。また、通電後直ちに高純度のフッ素ガスを取り出すことはできず、長時間の予備電解を実施する必要がある。そのうえ電解を長時間継続すると突然陽極効果が発生し、たびたび電解の中断を余儀なく強いられるという問題があり、その利用は極めて経済性、生産性に欠けるものになっている。
また、金属フッ化物をフッ素貯蔵材料として用い、金属フッ化物の熱分解によりフッ素ガスを取り出す方法も公知である。たとえば、K3NiF6をフッ素化しK3NiF7とし、それを使用時に熱分解させK3NiF6に戻すことによってフッ素ガスを発生させることができる(昭和電工(株)製のフッ素発生装置であるエフ・ジェネ。商品名)。しかし、この方式では、K3NiF7単位質量あたりのフッ素貯蔵量が理論上7.0質量%と小さいという問題がある。
これに対し、炭素繊維をフッ素貯蔵材料として用いる方法も提案されている(チン−チェン ハン(Ching-chen Hung),ドナルド クセラ(Donald Kucera),インダストリアル・アプリケーションズ・オブ・グラファイト・フルオライド・フィアバーズ(Industrial applications of graphite fluoride fibers)、NASA-CP-3109-VOL-1、p156-164(1991))。炭素繊維は金属フッ化物よりも軽量であるが、フッ素化炭素繊維単位質量当たりのフッ素貯蔵量は50.7質量%であっても有効に取り出せるのは不純物ガスを含めても高々22質量%に止まり、また、不純物としてCF4、C26等のフルオロカーボンガスが発生ガス中10質量%以上発生するという問題がある。また、フッ素貯蔵・放出のサイクルに伴い炭素繊維が物理的に崩壊してしまい、繰り返しの利用に耐えないという実用面での致命的な問題がある。
特開2005−273070号公報において、カーボンナノチューブをフッ素化し、得られたフッ素化カーボンナノチューブを加温してフッ素ガスを取り出す方法が提案されている。この方法によれば単位質量当たりのフッ素貯蔵量は向上するものの、フッ素化の反応温度が200℃の場合フッ素化カーボンナノチューブ単位質量当たりのフッ素貯蔵量は52.9質量%程度に止まる。フッ素ガスの取り出しは加温のみによって行っており、フッ素ガスの取り出し方に自由度が少なく、またこの方法においても、不純物として相当量のCF4、C26等のフルオロカーボンガスが発生するという問題、さらに、フッ素貯蔵・放出のサイクルに伴うカーボンナノチューブの物理的な崩壊の問題は解決されていない。
近年のナノテクノロジーの勃興に伴い、カーボンナノホーンなる材料が開発され、そのフッ素化に伴う構造変化、物性変化につき財団法人産業創造研究所紀要 Vol.25 No.3(通巻99号)2005年9月、p06〜p11およびジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリ(Journal of Physical Chemistry)B,108(28),9614-9618(2004).において詳しく研究されてきた。水素ガスやメタンガスの常温での高密度の貯蔵についての記載はあり、カーボンナノホーンを表面フッ素修飾することによって化学結合および電子状態を制御することによって有効な分子吸着場の構築が可能となるであろうことは示されている。しかし、フッ素の貯蔵については記載も示唆もない。これは、水素ガスやメタンガスとフッ素ガスの吸着原理が本質的に異なるためである。
すなわち、水素ガスやメタンガスはカーボンナノホーンが形成する特異な分子ポテンシャル場に捕捉されるのであって、カーボンナノホーンと化学結合を形成するわけではなく、いわゆる物理吸着するに過ぎないが、フッ素ガスはカーボンナノホーンを構成する炭素原子と共有結合ないし半イオン的結合を形成し、いわゆる化学吸着する点で決定的に異なり、同列に議論できないからである。
さらに、フッ素化カーボンナノホーンの電気化学的性質を詳細に検討する中で、第32回炭素材料学会予稿集、2005年12月7日発行、p132〜133に開示されるようにリチウム電池の正極活物質として使用する場合、放電反応は均一固相反応として進行し、初期起電力が4.2Vと高く、高エネルギー密度であるだけでなく、放電とともに起電力が徐々に低下するという特徴をもつことが明らかにされてきている。これは、リチウム電池の長寿命化のみならず残存電池容量を常にモニターでき、突然の電池切れを回避可能という電池に関する実用上の優位性は示唆しているが、フッ素ガスの貯蔵・放出の点については一切触れられていない。
本発明の目的は、上記の現状に鑑み、安全で効率のよいフッ素貯蔵材料および該フッ素貯蔵材料より高純度のフッ素ガスを取り出す方法を提供することにある。
本発明のフッ素貯蔵材料は、フッ素化カーボンナノホーンを含む点に特徴がある。
かかる本発明のフッ素化貯蔵材料に熱を加えるか、または減圧雰囲気下に置くことによりフッ素ガスを取り出すことができる。もちろん、減圧雰囲気下で熱を加えてもよい。
本発明のフッ素化カーボンナノホーンは、レーザーアブレーション法により合成されたホーン長10〜20nm、ホーン端径2〜3nm程度の炭素原子のみから構成されているホーンが50〜100nm程度のダリアの花のような形状を有する二次粒子を形成しているナノ炭素材料をフッ素化することにより得られる。
カーボンナノホーンのフッ素化は、例えば財団法人産業創造研究所紀要 Vol.25 No.3(通巻99号)2005年9月、p06〜p11、ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリ(Journal of Physical Chemistry)B,108(28),9614-9618(2004)。あるいは第32回炭素材料学会予稿集、2005年12月7日発行、p132〜133において開示された公知の方法で実施できる。すなわち、ニッケルもしくはニッケルを含む合金、黒鉛等といった反応温度でフッ素に耐蝕性を有する材料の反応器中にカーボンナノホーンを封入し、たとえばフッ素ガスを導入してフッ素化すればよい。
好ましいフッ素ガスの圧力は、0.002〜1.0MPa、より好ましくは0.005〜0.5MPaの範囲で生産性、経済性、安全性を考慮して選定すればよいが、低すぎるとフッ素化速度が遅くなり、高すぎると反応装置が大がかりとなるため好ましくない。用いるフッ素化用のガスの純度は高い方が好ましいが、F2濃度が1.0質量%以上であればよく、99質量%以下のチッ素やアルゴン、ヘリウムにより希釈されていてもよい。
また、フルオロカーボン類、たとえばフッ化水素、三フッ化チッ素、五フッ化ヨウ素等の無機フッ化物等や酸素、水蒸気などを含んでいても差し支えない。特に微量のフッ化水素の含有はその触媒効果により反応速度を加速する効果があることが知られているので、積極的に添加してもよい。
フッ素化反応は、十分な容積を有する反応器においてバッチ式で行ってもよく、適宜、フッ素ガスを置換しながら行うセミバッチ式としてもよく、さらに、流通式で行ってもよい。また、一度に大量のカーボンナノホーンのフッ素化を行う場合は、反応を均一化するために反応器に適当な撹拌機構を設けることが好ましい。撹拌機構としては、各種撹拌翼による撹拌、反応器を機械的に回転あるいは振動させる方法、カーボンナノホーンの粉体層を気体の流通により流動させる方法等が用いられるが、過度の撹拌はカーボンナノホーンの構造を破壊するおそれがあるので注意しなければならない。
反応温度は−100℃〜500℃の範囲で生産性、経済性、安全性を考慮して選定すればよく、より好ましくは35〜300℃である。反応温度が低くなりすぎるとフッ素化の速度が遅くなり、高くなりすぎるとカーボンナノホーンの分解反応が早くなるので、注意を要する。反応時間は反応方式、反応条件にもよるが、特に限定されず10秒間から100時間の範囲内で設定することが望ましい。短すぎると十分なフッ素化を行うことが難しくなり、カーボンナノホーンの利用効率が低くなる傾向にあり、また長くなりすぎると分解反応を助長するだけでなく、長時間を要するため工業的に生産効率が低くなる。
原料のカーボンナノホーンには適宜所要の前処理を施してもよい。前処理として、カーボンナノホーンを開孔させるため、酸素雰囲気下でかつ高温下で行う開口処理等があげられる。
前記開口処理の処理温度は300〜600℃が好ましく、500〜550℃がより好ましい。また処理時間は10〜15分間が好ましい。
フッ素貯蔵量(フッ素化量)は、フッ素ガス圧、反応温度、反応時間、添加ガス、カーボンナノホーンの前処理方法等を制御することにより、フッ素原子と炭素原子の組成比F/Cが0.1から1.1の範囲(フッ素化カーボンナノホーン単位質量当たりに換算するとフッ素含有量13.7〜63.5質量%に相当)で選定することができる。たとえばフッ素ガス圧と反応温度を高くし、反応時間を長くすればフッ素貯蔵量(フッ素化量)を多くすることができる。
かくして得られるフッ素化カーボンナノホーンは、カーボンナノホーンを構成する炭素原子とフッ素原子が共有結合ないし半イオン的結合を形成しており、常温常圧下では安定であり、フッ素ガスの放出は極めて微量であって安全なものである。
フッ素化カーボンナノホーンからフッ素ガスを取り出す方法としては、まず、フッ素化カーボンナノホーンを加熱する方法が挙げられる。
熱を加えることによりカーボンナノホーンを構成する炭素原子とフッ素原子との結合が切れ(脱フッ素化反応)、フッ素ガス(F2)が放出される。加える熱の量(加熱温度)は、フッ素化カーボンナノホーンの製造時のフッ素化温度よりも高い温度に保持することにより、より効果的にフッ素ガスを取り出すことができる。また、減圧雰囲気では、フッ素化温度より低い温度でもより一層効果的にフッ素ガスを取りだすことができる。
具体的には必要なフッ素ガス圧力、フッ素ガス放出速度等を考慮して選択すればよい。
本発明の特徴の一つは、取り出したフッ素ガス中に不純物であるフルオロカーボンガスが極めて少量である点にある。特開2005−273070号公報で提案されているフッ素化カーボンナノチューブでは、加温により取り出されたガスは、その多くが分解物であるCF4、C26等のフルオロカーボンガスで占められているが、本発明においては熱を加えて取り出されたフッ素ガス中のF2濃度は99質量%以上(雰囲気ガスは除く)、好ましくは99.5質量%以上、より好ましくは99.9質量%以上、特に好ましくは99.99質量%以上であり、高純度のフッ素ガスとなっている。
また本発明によれば、フッ素化カーボンナノホーンを減圧雰囲気下に置くことによっても高純度のフッ素ガスを取り出すこと(脱フッ素化反応)ができる。
減圧の程度は、より真空に近い方が一層効果的にフッ素ガスを取り出すことができる。具体的には必要なフッ素量やガス圧力、フッ素ガス放出速度等を考慮して選択すればよい。 前記脱フッ素化における反応容器内の減圧度は通常100kPa以下が好ましく、油回転式真空ポンプによる0.5kPa程度の真空度がより好ましい。
この減圧方法によれば、加熱する必要がないため、より安全性やエネルギー効率が高いだけでなく、不純物であるフルオロカーボンガスの発生をさらに少なくすることができる。
さらにまた、フッ素化カーボンナノホーンを減圧雰囲気下で加熱することにより、さらに効率よくフッ素ガスを取り出すことができる。
本発明のフッ素貯蔵材料を用いて本発明の方法で取り出せるフッ素ガスの量は、フッ素貯蔵量(フッ素化量)の99質量%以上が可能である。
本発明のフッ素貯蔵材料は、多量のフッ素ガスを貯蔵でき、また安全かつ効率的に高純度のフッ素ガスを取り出すことができるため、フッ素ガスを必要とする様々な産業において高い利用可能性を有する。とりわけ、フッ素ガスを使用する半導体用途の様々なプロセスや医薬中間体等の精密な合成反応において利用が期待できる。
以下に本発明を実施例等によって具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(1)フッ素の貯蔵(カーボンナノホーンのフッ素化)
カーボンナノホーンは、二酸化炭素レーザーアブレーション法により合成されたホーン長10〜20nm、ホーン端径2〜3nm程度の炭素原子のみから構成されており、ホーンが50〜100nm程度のダリアの花のような形状を有する二次粒子を形成しているナノ炭素材料であり、純度90質量%以上のもの(日本電気(株)製)を用いた。
このカーボンナノホーン約50mgをニッケル製の皿に載せ、ニッケル製反応容器(内容積360cm3)に封入し、まず、反応器内部を液体窒素トラップを経由して接続した油回転式真空ポンプにて0.5kPaまで減圧したのち、250℃まで加熱した。反応器内温が安定したところでフッ素ガス(純度99.7質量%以上、ダイキン工業(株)製)を流速30ml/min以下でシリンダーにより反応器内のフッ素ガス圧が0.1MPaとなるまで導入し、24時間放置して反応させた。反応終了後、35℃以下まで放冷してから高純度アルゴンガスを流速100ml/min以下にて流通させた。反応器内部に残存したフッ素ガスを十分に置換した後、アルゴン雰囲気のドライボックス内で反応器を解放し、質量約100mgの濃緑色を呈するフッ素化カーボンナノホーンを得、ガラス製容器内に保存した。
得られたフッ素化カーボンナノホーンをインジウム箔に押しつけ、X線光電子分光装置(Model 5600型。アルバック・ファイ(株)製)にて対電極マグネシウム、管電圧8kV、管電流30mAにてC1sおよびF1sのスペクトルを測定し、その積分強度を光イオン化断面積から求めた補正係数を乗じてフッ素原子と炭素原子の表面組成比F/Cを求めたところ、F/C=0.66であった。一方、反応前後の質量変化より求めたフッ素原子と炭素原子の組成比F/Cは0.63であった。
(2)フッ素ガスの取り出し
あらかじめ420℃にてフッ素ガスを24時間封入し不動体化処理を行った内容積約300mlのニッケル製反応器の内部に上記(1)にて合成したフッ素化カーボンナノホーン63mgを封入し、反応器内部を、液体窒素トラップを経由して接続した油回転式真空ポンプにて0.5kPaまで減圧し、さらに12時間放置した。
その後、反応器を400℃まで一旦加熱後室温(約25℃)で24時間放置したところ、内圧が約40kPaまで上昇し、ガスの放出を確認した。3分後、1時間後および24時間後にそれぞれ得られたガスをフッ化バリウム単結晶製の窓を有するガスセル(直径15mm、長さ80mm、内容積1.8ml)に導入し、紫外可視分光光度計(UV1600型。(株)島津製作所製)にて波長283nmのフッ素ガスに帰属される吸収スペクトルをあらかじめ用意した検量線をもとに解析し、発生フッ素ガス量を定量した。また、フッ素ガス以外の成分の定量は、フリーエ変換式赤外分光光度計(MB100型、BOMEN社製)を用いて実施し、微量のCF4、SiF4、H2O、CO2、CO、HFガスを含有していることを確認した。さらに、最終の発生ガスをアルミナ充填管を通じ、フッ素ガス、HFガスを除いた後、ガスクロマトグラフ−四重極型質量分析計(JMS-Q1000GC-K9型。日本電子(株)製)を用いて分析したところ、操作中に吸着したと考えられるチッ素、酸素、アルゴンが主成分であり、高次のフルオロカーボンガスの存在は全く認められなかった。
上記分析により得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005299943
これらの結果から、操作中に吸着したと考えられるチッ素、酸素、アルゴン、水分と保存に用いたガラス容器の腐食により発生したSiF4を除くと、ほとんどがフッ素ガスのみとなり、カーボンナノホーンの分解に伴うフルオロカーボンガスの生成は極微量のCF4に止まることがわかる。
F/C=0.66(フッ素含有量51.1質量%)のフッ素化カーボンナノホーン63mgから発生したフッ素ガスを紫外可視分光光度計にて波長283nmのフッ素ガスに帰属される吸収スペクトルをあらかじめ用意した検量線をもとに定量した結果、標準環境温度と圧力(100 kPa、25℃)換算での累積フッ素量は26cm3であった。これに理想気体の状態方程式を適用すると、理論量(32mg)よりも多い40mgのフッ素ガスが回収されたことになるが、フッ素化カーボンナノホーンのF/Cの分析誤差、ガス分析の誤差を考慮すると回収率はほぼ100質量%に達しているといえる。
また、透過型電子顕微鏡写真撮影によると、反応前のカーボンナノホーン、フッ素化カーボンナノホーン、フッ素ガス回収後のカーボンナノホーンのいずれも形状に変化は認められず、繰り返しのフッ素貯蔵に耐えるものであった。
本発明によれば、フッ素貯蔵材料単位質量当たりのフッ素貯蔵量が多く、繰り返しのフッ素貯蔵に耐え、また高純度のフッ素ガスを安全かつ効率的な方法で取り出すことができるフッ素貯蔵材料を提供できる。

Claims (2)

  1. ッ素化カーボンナノホーンを、反応容器内の減圧度が100kPa以下である減圧雰囲気下で加熱することにより、フッ素ガスを取り出す方法。
  2. 減圧雰囲気下にする加熱の温度をフッ素化温度よりも低い温度で行う請求項記載の方法。
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