JP5299868B2 - 液晶コロイド薄膜材料 - Google Patents

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Description

本発明は、微粒子間隔が制御できる液晶コロイド薄膜材料に関する。
これまでに数多くの微粒子規則構造を有する材料の製造方法が提案されている(例えば特許文献1)。最近では、液晶の自己組織化能を利用した微粒子規則構造の形成方法が提案されている(例えば非特許文献1,2,3,4)。微粒子規則構造材料は、光機能性材料(調光シートなど)やセンサーなどへの産業応用が期待されており、実用化に向けては、規則構造における微粒子間隔を制御する方法が要望されるようになった。この背景において、非特許文献3と4では、液滴を用い、液滴近傍に形成される液晶配向欠陥の相互作用による粒子間距離を制御する方法が提案されている。
これまで、固体微粒子を用いた液晶コロイド薄膜材料においては、分散した微粒子間隔の制御ができなかった(特許文献1、非特許文献1,2)。また、間隔が制御できても液滴においてのみ実現しており(非特許文献3,4)、この場合、粒子同士の合一による機械的安定性の欠如や、材料の選択性や加工性の制限の点で問題があった。
特開昭64−45689号公報
Science 313 (2006) p954. Soft Matter 4 (2008) p195. I. I. Smalyukh, S. Chernyshuk, B. I. Lev, A. B. Nych, U. Ognysta, V. G. Nazarenko, and O. D. Lavanrentovich: Phys. Rev. Lett. 93 (2004) p117801. T. Yamamoto, J. Yamamoto, B. I. Lev, and H. Yokoyama: Appl. Phys. Lett. 81 (2002) p2187.
したがって本発明は、分散固体微粒子の間隔を制御できる液晶コロイド薄膜材料を提供することを課題とする。また本発明は、光照射により固体微粒子の分散状態を制御できる液晶コロイド薄膜材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、液晶薄膜の主表面にコロイド分散した固体微粒子の一部を露出させ、該固体微粒子の下方に形成される液晶配向欠陥の相互作用を利用することによりコロイド分散粒子の間隔を規則的なものに制御できることを見出した。これに加えて、適切なコロイド分散微粒子濃度においてはそれぞれの微粒子が所望の等間隔で配置された構造を形成できること、さらにこれらの液晶コロイド薄膜材料に光応答性化合物を含有させ、光照射を行い、液晶の物性を変調することにより規則的な粒子間隔を可逆的に制御できることも見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)垂直配向処理が施された基板と該基板の表面に設けられたネマチック液晶化合物と該液晶内に分散され、かつ垂直配向処理が施された固体微粒子とを含有する液晶コロイド層を有し、固体微粒子を液晶コロイド層の空気に接する主表面に露出して配設した、微粒子の間隔を該微粒子の下方の液晶化合物の垂直配向に沿って形成された配向欠陥の相互作用により等間隔に制御しうるようにしたことを特徴とする液晶コロイド薄膜材料、及び
(2)前記液晶コロイド層に光応答性化合物を含有させ、該液晶コロイド層の光照射により固体微粒子間の間隔を等間隔に制御することを特徴とする(1)に記載の液晶コロイド薄膜材料
を提供するものである。
本発明の液晶コロイド薄膜材料は、主表面に露出した固体微粒子の下方に形成される液晶配向欠陥の相互作用によって粒子間隔を規則的なものに制御し、適切な微粒子濃度においてはそれぞれの微粒子が等間隔で配置された構造が形成されるため、光の回折や屈折を利用した光学素子などに使用できる。ここで液晶配向欠陥の相互作用とは、以下のように説明される。すなわち、本来、液晶中に配向欠陥が存在することはエネルギー的に不安定であり、液晶分子は配向欠陥同士を結合・消失させてエネルギー的に安定な状態になるように巨視的な配向方向を変化させる。一方、液晶中にコロイド粒子などの異種物質が存在すると、異種物質近傍に新たに配向欠陥が形成される。上述のように、液晶は配向欠陥同士を結合させようとするので、異種物質間には長距離的な引力が作用する。しかし、このとき配向欠陥は異種物質が結合方向に遮蔽物として存在することにより、結合が阻害され完全に消失することはできない。結果として、短距離的な反発力が作用することになり、異種物質同士が一定の距離以上に近づくことはできなくなる現象をいう。また、本発明では、固体微粒子を用いているため、機械的安定性に優れ、薄膜化が可能である。すなわち、従来の液晶コロイド薄膜材料の報告で用いられていた液滴の場合には、液滴同士が振動などにより合一してしまう機械的脆弱性のために規則構造体は得られなかったが、本発明の固体微粒子を用いた場合には合一することは無く、機械的安定性に優れている。
さらに、後述するような光応答性化合物の作用による光の照射による粒子間隔の規則的かつ可逆的制御は、光記録材料などの用途に使用できる。液晶配向欠陥の相互作用を利用した粒子間隔の制御ならびに光照射による可逆制御さらには所望の部分のみの粒子間隔の制御は、簡便であり、低コストで種々の製品の製造に応用できる。
本発明における液晶配向欠陥の相互作用を利用した粒子間隔制御の概略図である。 液晶コロイド薄膜材料を斜視図で示した模式図である。 液晶配向欠陥の相互作用を利用した粒子間隔の制御状態(粒径=10μm)を示す偏光顕微鏡写真であり、(A)は配向欠陥の相互作用のない場合、(B)は当該相互作用が働いた場合を示す。 粒径が5μmの微粒子を用いた場合の粒子間距離の制御状態を示す偏光顕微鏡写真である。 粒径と粒子間距離の関係(φは粒径を示し、dは粒子間距離を表す)を示すグラフである。 光による粒子間隔の可逆制御(粒径=10μm)状態を示す偏光顕微鏡写真である。
本発明は、ネマチック液晶化合物を含むコロイド薄膜体の主表面に露出した固体微粒子の下方に形成される液晶配向欠陥の相互作用によって露出した固体微粒子間隔を制御し、適切な微粒子濃度において、それぞれの微粒子が等間隔で配置された構造を形成することを特徴としている。
本発明に用いられる基板は、その表面に垂直配向処理を施すことによって実現される。垂直配向処理は、例えば長鎖アルキル鎖を有する化合物の基板表面への物理吸着や化学修飾もしくは、基板表面の機械的な微細加工によりなされる。基板は表面に垂直配向処理が施されていればその材質に制約はなく、ガラス・高分子・金属など様々な基板を用いることができる。液晶化合物中に分散される固体微粒子(コロイド微粒子)は該微粒子表面において液晶分子が垂直配向するように処理される必要があり、例えば長鎖アルキル鎖を有する化合物の微粒子表面への物理吸着や化学修飾によりなされる。固体微粒子は表面に垂直配向処理が施されていれば、材質に制約はなく、ガラス・高分子・金属など様々な微粒子を用いることができる。この固体微粒子の垂直配向処理は具体的には、ガラスの場合には長鎖アルキルシランを用いたカップリング反応、高分子の場合には表面グラフト重合、金属の場合には金や銀とアルキルチオールの相互作用を利用した単分子膜形成などの手法により行うことができる。
さらに本発明では、液晶を基板に対して垂直に配向させることが必要である。
基板を仮に水平配向処理して、液晶が基板表面に水平に配向した状態を誘起すると、配向欠陥は液晶の主表面内において液晶配向方向に沿って固体微粒子のどちらかの側方に形成され得る。
他方、液晶が基板に対して垂直に配向している場合には、配向欠陥は理論上固体微粒子の上下どちらかの側に形成され得るが、本発明では上側が空気となっており液晶は存在しないため、必然的に配向欠陥は固体微粒子の下側にのみ形成される。
このように配向欠陥が、複数の固体微粒子において常に同じ向き(下方)に形成されると、後述のように固体微粒子間には長距離的な反発力が働く。同時に、本発明では固体微粒子の一部が液晶の主表面に露出しており、微粒子間には横毛管力と呼ばれる長距離的な引力も作用する。よって、この相反する2つの力のバランスにより、粒子間隔が制御された構造が形成される。
このとき、粒子数(粒子濃度)が過度に少ない(小さい)場合は、微粒子間に有効に引力・反発力が作用しないため、粒子間隔は制御できない。一方、粒子数が過度に多い場合は、相溶性の制約から液晶に対して固体微粒子は分散しにくくなり、良好な分散状態(薄膜化した際には、配列状態)を得るのが難しい。
本発明に用いられる固体微粒子の粒径は、コロイド分散する大きさであれば特に制限はないが、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜10μmである。本発明において、このようにコロイド分散させることにより垂直配向処理を施した固体微粒子表面が液晶配向を乱し、固体微粒子近傍に配向欠陥を形成させるという作用を奏する。固体微粒子が小さすぎると固体微粒子表面が液晶配向と相互作用せずに分散しにくいという支障を生ずる。
本発明に用いられるネマチック液晶化合物は、特に制限するものではないが、ビフェニル、ターフェニル、スチルベン、アゾキシベンゼン、トラン、アゾベンゼン、ベンジリデンアニリン、フェニルベンゾエートなどを中心骨格に有する液晶化合物を用いることができる。具体的には特開2009−155416号公報の段落0016、特開2002−194357号公報の段落0042、特開2008−201887号公報の段落0040などに記載のものを用いることができる。
本発明において粒子間隔の制御は、図1に示すように微粒子が液晶コロイド薄膜の主表面に露出しているときに形成される。このように固体微粒子の一部が露出し、一部が液晶薄膜中に存在するときは、液晶配向が乱され、配向欠陥が形成される。これに対し、固体微粒子が一様に垂直配向した液晶中に、完全に浸漬している場合は、配向欠陥は液晶配向に沿って微粒子の上下どちらかに形成される。しかし、微粒子が液晶の主表面に一部露出することにより、微粒子の上側は空気となって欠陥は存在できないため、かならず微粒子の下側に配向欠陥が形成されることになる。微粒子と液晶配向欠陥が、図1に示すような配置になると、表面の固体微粒子間には液晶配向欠陥の相互作用の結果として、反発力が働く。これと同時に、液体表面に浮かんだ微粒子間には横毛管力と呼ばれる引力も働く。微粒子の数が少なすぎると(例えば、粒径が5μmの微粒子を用いた場合には、単位面積当り250個/cm未満)、微粒子間に働く引力と反発力が効果的に作用せずに粒子間隔は制御されない。また、固体微粒子の数が多すぎると液晶中に分散しにくくなり、薄膜化した際に良好な配列状態を得るのが難しくなる、という問題を生ずる。固体微粒子が適当量存在すると(例えば、粒径が5μmの微粒子を用いた場合には、単位面積当り好ましくは250〜2,000個/cm、より好ましくは500〜1,500個/cm)、それぞれの微粒子間に働く引力と反発力が均衡し、粒子間隔が制御され、それぞれの微粒子が等間隔で配置された構造が形成される。ここで、固体微粒子の数を粒径5μmの場合を例に説明したが、その数は粒径によって適宜調節され、前記の固体微粒子の粒径の範囲で、好ましくは100〜2,500個/cm、より好ましくは500〜1,500個/cmである。
本発明において固体微粒子の間隔とは、液晶コロイド薄膜の表面の平面的な粒子間隔をいう。本発明において液晶コロイド薄膜の主表面に一部露出した固体微粒子の間隔は液晶配向欠陥の相互作用を働かせる観点から好ましくは1〜150μm、より好ましくは5〜100μmである。
この場合、本発明において、液晶コロイド分散物における固体微粒子の濃度が小さすぎると、薄膜化した際に微粒子間に働く引力と反発力が効果的に作用せずに粒子間隔は制御されない。一方、微粒子濃度が大きすぎると、固体微粒子が液晶に分散しにくくなり、薄膜化した際に良好な配列状態を得ることが難しくなる。
適切な固体微粒子の濃度をあげると、好ましくは100〜2,500個/cm、より好ましくは500〜1,500個/cmである。
また、本発明の変更実施態様として、液晶コロイドからなる液晶に光応答性化合物を含有させ、光照射により液晶の物性を変調することによって、光照射部分の粒子間隔を、可逆的に、等間隔に制御することもできる。この実施形態において以下の好ましくは式(1)−(13)で示される基本骨格を有する種々の光応答性化合物を用いることが可能である。
この中でも以下の式(14)で示される化合物が特に望ましい。
とRは同じでも異なっていてもよく、アルキル鎖(好ましくは炭素数4〜12のアルキル基、例えばブチル、ヘキシル、オクチル)、アルコキシ鎖(好ましくは炭素数4〜12のアルコキシ基、例えばブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ)、アルキルエステル鎖(好ましくは炭素数4〜12のアルキルエステル基、例えばブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル)などが用いられる。
本発明で使用する光は、紫外光、可視光のいずれでもよく、用いる光応答性化合物によって適宜選択されるが、例えば、上記式(14)のR1とR2がオクチルオキシ鎖である場合、好ましくは波長300〜500nm、さらに好ましくは365〜435nmである。
光の照射量は、用いる化合物により適宜選択できるが、例えば、上記式(14)のR1とR2がオクチルオキシ鎖である場合、光強度で好ましくは、0.01〜1.0mW/cm2、さらに好ましくは0.1〜0.3mW/cm2である。
本発明において液晶コロイド層の厚さは、この液晶コロイド薄膜材料の用途などに合わせて適宜調節するものであり、一義的に定まるものではないが、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜100μmの範囲から適宜設定できる。
さらに本発明では、液晶を基板に対して垂直に配向させることが必要である。
基板を仮に水平配向処理して、液晶が基板表面に水平に配向した状態を誘起すると、配向欠陥は液晶の主表面内において液晶配向方向に沿って固体微粒子のどちらかの側方に形成され得る。
他方、液晶が基板に対して垂直に配向している場合には、配向欠陥は理論上固体微粒子の上下どちらかの側に形成され得るが、本発明では上側が空気となっており液晶は存在しないため、必然的に配向欠陥は固体微粒子の下側にのみ形成される。
このように配向欠陥が、複数の固体微粒子において常に同じ向き(下方)に形成されると、後述のように固体微粒子間には長距離的な反発力が働く。同時に、本発明では固体微粒子の一部が液晶の主表面に露出しており、微粒子間には横毛管力と呼ばれる長距離的な引力も作用する。よって、この相反する2つの力のバランスにより、粒子間隔が制御された構造が形成される。
このとき、粒子数(粒子濃度)が過度に少ない(小さい)場合は、微粒子間に有効に引力・反発力が作用しないため、粒子間隔は制御できない。一方、粒子数が過度に多い場合は、相溶性の制約から液晶(有機材料)に対して固体微粒子は分散しにくくなり、良好な分散状態(薄膜化した際には、配列状態)を得るのが難しい。
以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
図2に作成する本発明の液晶コロイド薄膜材料の1例の概略図を斜視図で示す。液晶コロイド薄膜材料(1)は、垂直配向処理を施した基板(2)上に、垂直配向能を有する固体微粒子を含有したネマチック液晶層(3)が配設された構造になっている。
固体微粒子として、表面がオクタデシルトリエトキシシランを用いたシランカップリング反応によりオクタデシル基で修飾されたシリカ微粒子(粒径=3,5,7又は10μm)を用い、ネマチック液晶として4−ペンチル−4’−シアノビフェニルを用いた。基板は、表面の垂直配向処理として長鎖アルキルアンモニウムブロマイドを物理吸着させたガラス基板を用いた。
上記固体微粒子は液晶化合物に対して質量比で0.05〜0.2重量%となるように上記ネマチック液晶に混合した。混合物は試験管ミキサーによる撹拌や超音波処理を行い、微粒子を液晶中に分散させた。
スピンコーターに設置した垂直配向処理を施したガラス基板上に適当量の固体微粒子とネマチック液晶の混合物を塗布し、回転数800rpmで20秒間回転させることにより、厚さ100μmの薄膜を作製した。
図3に粒径が10μmの固体微粒子を液晶化合物に対して0.2重量%用いて、微粒子間隔の制御を行った場合の結果を示す。固体微粒子が一様に垂直配向した液晶中に完全に浸漬させて、液晶配向欠陥の相互作用が無い場合(図3(A))、図より粒子間隔は制御されず、微粒子が大きく離れていたり接触したりすることがわかる。一方、コロイド粒子を含むネマチック液晶をスピンコートにより基板上に薄膜化する手法によって固体微粒子の一部を液晶コロイド薄膜の主表面に露出させた場合、配向欠陥の相互作用が働き(図3(B))、粒子間隔が制御され、それぞれの微粒子が等間隔で配置された構造(粒子間距離:約60μm)が形成された。
図4に粒径が5μmの微粒子を液晶化合物に対して0.1重量%、微粒子の一部を液晶コロイド薄膜の主表面に露出させて用いた場合の結果を示す。この場合もそれぞれの微粒子が等間隔で配置された構造が形成され、粒子間距離は約40μmであった。
図5および表1に本発明の液晶コロイド薄膜材料の固体微粒子の粒径と粒子間距離の関係を示す(微粒子濃度は液晶に対し0.05〜0.2重量%)。粒径と粒子間隔は比例関係にあり、液晶配向欠陥の相互作用を利用することにより制御される粒子間隔は、用いる微粒子の粒径を選択することにより決定されることがわかる。
図3において、黒い部分は液晶分子が基板に対して垂直に配向しており、この部分は透明であるため光は光量を減少させることなく透過する。一方、白い部分は、固体微粒子と固体微粒子によって乱された液晶配向を示しており、この部分は固体微粒子自身による光の散乱に加えて、液晶の大きな複屈折性のため透過光量は大きく減少する((A)に比べ(B)がより光散乱して光透過量が減る)。従って、粒径を適切に選択して粒子間隔を制御すれば、透過光量を効率よく任意に制御することが可能である。また、粒子間隔の制御の結果として形成される規則的な配列構造を利用すれば、光の回折も制御することが可能である。
次に、光応答性化合物として下記のアゾベンゼン化合物をネマチック液晶に対してモル比で1%含有させ、前記の実施例と同様の手順により作製した固体微粒子の一部を液晶コロイド薄膜の主表面に露出させて分散させた液晶コロイド薄膜材料における光による粒子間隔の可逆制御を試みた。
光照射には、紫外光(波長:365nm、光強度:0.1mW/cm)ならび可視光(435nm、光強度:0.15mW/cm)を用いた。実験はすべて試料が液晶相を示す25Cにおいて行った。図6に結果を示す。初期状態において固体微粒子は粒子間隔約60μmで等間隔に配置された構造を形成している。ここに紫外光を照射すると、粒子間隔が広がり、等間隔で約65μmとなった。次いで、照射する光を可視光にすると、粒子間隔は元に戻った(約60μmの等間隔)。この2種の異なる波長光による粒子間隔の制御は、可逆的に繰り返し行うことが可能である。また、このように照射光により粒子間隔を変えることができるので、紫外光、可視光の照射領域を区分けることによって同一材料上に領域内では等間隔であるが、粒子間隔の領域間では粒子間隔が異なる材料を製造することができる。
追記の現象の機構は次のように推定できる。紫外光を照射すると、上記アゾベンゼン誘導体のトランス体からシス体への光異性化反応が誘起される。トランス体は分子形状が棒状であり、同じく棒状の分子からなる液晶の配向や物性に影響を与えることは無い。紫外光照射によって生成したシス体は屈曲した分子形状をしており、液晶の配向や物性に大きな影響を与える。本発明において観察した紫外光照射による粒子間隔の増加は、紫外光照射により生成したシス体によって、液晶配向が乱され、粒子間に働く引力が弱くなったことに基づいている。可視光照射により粒子間隔が元に戻るのは、シス体がトランス体に逆異性化することにより、液晶配向が元の状態に戻り、粒子間に働く引力が増加したことに基づいている。
液晶配向欠陥の相互作用を利用した粒子間隔の制御は、外部からのエネルギーを全く必要としない省エネルギーで、かつ精密な制御システムであり、光の屈折や回折を利用した光学素子(例えば固体微粒子を光の散乱・反射源とした調光シート)などの製造に利用できる。また光による粒子間隔の可逆制御は省エネルギーで、かつ非接触で物性を変化させることができ、粒子間隔の変化に伴う屈折率変調を利用した光情報記録材料(例えば固体微粒子を高屈折率材料とした書き換え型ホログラム記録材料)への応用が期待できる。
1 液晶コロイド薄膜材料
2 基板
3 ネマチック液晶層

Claims (2)

  1. 垂直配向処理が施された基板と該基板の表面に設けられたネマチック液晶化合物と該液晶内に分散され、かつ垂直配向処理が施された固体微粒子とを含有する液晶コロイド層を有し、固体微粒子を液晶コロイド層の空気に接する主表面に露出して配設した、微粒子の間隔を該微粒子の下方の液晶化合物の垂直配向に沿って形成された配向欠陥の相互作用により等間隔に制御しうるようにしたことを特徴とする液晶コロイド薄膜材料。
  2. 前記液晶コロイド層に光応答性化合物を含有させ、該液晶コロイド層に光照射により固体微粒子間の間隔を等間隔に制御することを特徴とする請求項1に記載の液晶コロイド薄膜材料。
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