JP5298334B2 - 性機能障害を治療する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的に薬理学、泌尿器学、精神医学の分野に関し、また性機能障害を治療する方法に関する。より詳細には、本発明は、特定のカルバメート化合物を、ヒトの女性又は男性の性機能障害の治療用に単独又は他の医薬と併用して使用する為の、使用方法を提供する。
Masters及びJohnsonは性機能障害を「性的興味及び/又は反応の健常又は通常のパターンの持続性の機能的障害」として定義した(Masters等、Human Sexual Response、Boston,Mass.:Little、Broun and Co.1996年)。この問題は、National Health and Societal Life Surveyの結果が1999年に発行された時に国民的注目に及んだ。3000人以上の18ないし59歳の米国男性及び女性へのインタビューは、31%の男性及び43%の女性(約4千万人)が何らかの程度の性機能障害を経験したという事を明らかにした。この問題の範囲は、“有意な公衆衛生の関心事としての認識は当然である”といわれる程のものであった。Laumann等、“Sexual Dysfunction in the United States:prevalence and predictor”JAMA、281巻、537頁(1999年)参照。性機能障害は、めったに身体的健康を脅かす事はないが、重篤な精神的障害となり、うつ病、不安、及び消耗性の(機能的)欠陥をもたらし得る。
性機能障害(SD)は、男性及び女性に影響し得る重大な臨床上の問題である。SDの原因は、器質的なもの並びに精神的なものの両方であり得る。SDの器質的な局面は、典型的には、高血圧又は糖尿病と関連するもののような、根底にある血管系疾患により、処方医薬により及び/又はうつ病の様な精神疾患によりもたらされ得る。精神学的な因子としては、不安、性能不安及び対人的葛藤等が挙げられる。SDは、性的能力を損ない、自尊心を損ない、人間関係を崩壊させ、その結果個人の苦痛を引き起こす。臨床的には、SD障害は女性性機能障害(FSD)疾患及び男性性機能障害(MSD)疾患に分けられる(Melman等、1999年、Urlogy、161巻、5頁−11頁)。FSDは、女性の性表現行為に於ける満足を見出す事への困難性又は不可能性として最も良く定義される。
男性性機能障害は、一般的には、男性勃起障害(MED)及び/又は早漏(premature ejaculation又はrapid ejaculation)(PED)などの様な射精障害、無オルガスム症(オルガスムに達する事ができない)又は男性オルガスム障害として知られる男性勃起障害(MED)、又は性的欲求低下障害(性に於ける興味の欠如)(HSDD)などの様な性欲障害と関連し、身体的疾患、うつ病、ホルモン異常又はリビドー又は行動に影響する投薬を含む種々の原因より生じ得る。
最近の研究では、少なくとも43%の女性は何らかの形の性機能障害を持つ事が示唆された(上記参照、Lauman等、JAMA、281巻、537頁、1999年)。これらは4つの主たる領域に分類され、即ち1)性的欲求障害、即ち、性的欲求低下又は性的嫌悪障害;2)性的興奮障害;3)オルガスム障害;及び4)性交疼痛症及び膣痙を含む性疼痛障害である。
女性の性機能障害(FSD)の主要な分類は、FSDと診断される女性の75%まで影響している女性性的興奮障害(FSAD)である。
女性性機能障害(FSD)の分類は、女性の健常な性的反応;欲求、興奮及び オルガスムの様相と比較する事により最も良く定義される(SR Leibl um(1998年)、Definition and Classifica tion of Female Sexual Disorders(女性性 障害の定義及び分類)Int.J.Impotence Res.10巻、S 104頁−S106頁参照)。性的欲求又はリビドーは、性表現行為の動因で ある。その兆候としては性的想像及び空想を含む。興奮は、性器の腫脹及び膣 の潤滑増加、膣の伸長及び増大した性器の興奮/感受性及び主観的興奮反応が その重要な要素である、性的刺激への血管反応を含む。オルガスムは、興奮の 間頂点に達した性的緊張の放出である。故に、女性性障害(FSD)は、女性
がこれらの様相、通常は欲求、興奮又はオルガスムに於けるいずれかの1つ以 上の欠如、不十分な又は不満足な応答を持つ場合に起こる。
米国精神医学会は、女性の性機能障害(FSD)を4つのクラスに分類しており:FSAD,性的欲求低下障害(HSDD)、女性オルガスム障害(FOD)、性的疼痛障害(即ち、性交疼痛症及び膣痙)である[American Psychiatric Association‘s Diagnositic and Statistical Manual of Mental Disorders(米国精神医学会の精神障害診断及び統計マニュアル)第4版(DSM−IV)参照]。
DSM−IVは、上記4つのクラスを以下の通りに定義する。
HSDD――持続性又は再発性のある、著しい苦痛又は人間関係の困難を引き起こす、性活動への空想及び欲望の欠乏(又は欠如)。この欠乏又は欠如の判定は臨床医によって、年齢及び個人の生活の内容等の機能に影響する因子を考慮に入れて行われる。
FSAD――持続性又は再発性の、適正な性的興奮の潤滑−腫脹反応である性活動の達成又は完了までの維持の不能。
FOD――持続性又は再発性の、健常の性的興奮様相に次ぐオルガスムの遅延又は欠如。女性は、オルガスムの誘因となる刺激の種類又は強度に於いて広く変動を示す。FODの診断は、その女性のオルガスム能力が、年齢、性的経験及び受けた性的刺激の適正さに対して妥当であったであろうものよりも低いという、臨床医による判定に基づくべきである。
性交疼痛症及び膣痙等性疼痛性障害
性交疼痛症は、性交に関連する再発性又は持続性の性器痛である。膣痙は、性交を妨げる持続性又は再発性の膣外端3分の1の筋肉組織の無意識の痙攣である。
米国泌尿器疾患財団もまた、同様の4つのクラスを用いた定義を開発した(The Journal of Urology、2000年、163巻888頁−893頁参照)。この定義はDSM−IVのものと大変近似している:
1)HSDDは、個人の苦痛を引き起こす、持続性又は再発性の、性的空想/想像、及び/又は欲望又は性活動の受容力の欠乏(又は欠如)である。
HSDDは、女性が全く又はほとんど性的である欲望を持たない場合及び、全く又はほとんど性的想像又は空想を持たない場合、存在する。FSDのこのタイプは、低テストステロン量に起因し得、自然閉経か又は外科的閉経が原因である。閉経前の女性(即ち、閉経前及び子宮摘出を受けていない女性)並びに閉経後の女性の両方に於けるその他の原因としては、例えば、疾患、投薬、倦怠感、うつ病、及び/又は不安が挙げられる。関係障害又は宗教的な要因などの精神的影響の可能性(意識的又は潜在意識的)を持つ要因は、女性に於けるHSDDの存在/発生と関係し得る。
用語「重篤なHSDD」は、女性被験者へのある程度の個人的苦痛を引き起こすHSDDのレベルを意味する。好ましくは、重篤なHSDDは、ある程度の苦痛を引き起こし、また例えば、半構造的のアンケートを用いた臨床医による評価を通じて測定可能な、HSDDのレベルを意味する。
2)FSADは、主客観な興奮又は性器の(潤滑/隆起)またはその他の身体反応の欠乏として表し得る、個人の苦痛を引き起こす、十分な性的興奮に達する又は該興奮を維持する事の持続性又は再発性の不能である。
FSADは、閉経前、周辺、後の女性に作用する非常に一般的な性障害である。これは、うつ病、循環器疾患、糖尿病及びUG障害等の随伴性疾患と関連付けられる。FSADは、性的興奮に対する不十分な性器の反応によって特徴付けられる。性器は、通常の性的興奮を特徴付ける拡張を起こさない。膣壁はあまり湿潤されないので、性交は苦痛である。オルガスムは阻止され得る。FSADは、糖尿病及び動脈硬化の様な血管成分を伴う疾病によるものと同様に、閉経又は産後及び授乳期に於けるエストロゲン減少により引き起こされ得る。その他の原因は、利尿薬、抗ヒスタミン剤、抗うつ薬、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤又は降圧剤の治療に起因する。
3)FODは、個人の苦痛を引き起こす、十分な性的刺激及び興奮に次ぐオルガスムの到達の、持続性又は再発性の困難、遅延または欠如である。
4)性的疼痛性障害:性交疼痛症は、性交に関連する再発性又は持続性の性器痛である。膣痙は、個人の苦痛に起因する、膣侵入を妨げる持続性又は再発性の膣外端3分の1の筋肉組織の無意識の痙攣である。性交疼痛症及び膣痙は、侵入及び性活動により生じる疼痛により特徴付けられ、湿潤を減少させる医薬、子宮内膜症、骨盤感染症、炎症性大腸炎又は尿路系障害により引き起こされ得る。
Masters等、Human Sexual Response、Boston,Mass.:Little、Broun and Co.1996年。 Laumann等、"Sexual Dysfunction in the United States:prevalence and predictor"JAMA、281巻、537頁(1999年)。 Melman等、Urlogy、161巻、5頁−11頁、1999年。 S.R.Leiblum、Definition and Classification ofFemale Sexual Disorders(女性性障害の定義及び分類)10巻S104頁−S106頁、1998年。 American Psychiatric Association‘s Diagnositic and Statistical Manual of Mental Disorders(米国精神医学会の精神障害診断及び統計マニュアル)第4版(DSM−IV)。 The Journal of Urology、163巻888頁−893頁、2000年。
男性及び女性の両方に於ける性機能障害の原因としては、例えば、高血圧の様な血管系/内皮系疾病、神経系疾患、エストロゲン及び/又はテストステロン量の減少の様なホルモン機能障害等が挙げられ得る。男性及び女性の両方に於ける性機能障害はまた、抗うつ
薬、降圧剤及びその他多くの種類の一般的に用いられる医薬によって引き起こされ得、又は悪化し得る。全ての年齢及び両性に於けるこれらの医薬の大量使用を考慮して、医薬誘発性機能障害を治療する方法を開発する事は特に重要である。
明らかにFSDは特に、該当する男性の障害、陰茎勃起障害(MED)よりもより活発な臨床上の問題を伴う複雑な障害である。ゆえに、FSDの治療に於いて、今日までわずかしか成功がなされおらず、またシルデナフィルの様に、MED治療に於いて成功した治療の使用はFSDの改善に於いて限られた効果しか認められていない事は、驚くべき事ではない。女性用の治療を講じる場合、男性に於いて行われる試みに対して、薬剤の異なる活性の範囲、機構、用量計画及び薬剤の作用の持続時間が必要とされるということであり得る。しかしながら、MEDを部分的に除外するとして、男性及び女性の両方に於ける全ての種類の性機能障害の為の治療は、不十分であり、ゆえに、この様な治療の為の大きな臨床上の必要性がある。
発明の概要
本発明は、被験者の性機能障害を治療する方法であって、式(1):
Figure 0005298334
(式中、
Rxは、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIより選ばれたハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び1ないし3個の炭素原子を有するチオアルコキシ基からなる群から選択された一つを表し;
xは、1ないし3の整数を表し、ただし、xが2又は3のとき、Rは同じでも異なっていても良い;
1及びR2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より選ばれ;
1及びR2は、一緒になって、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択された一つで置換された5ないし7員の複素環を形成し得;
ここで、環状化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含み得;
ここで、前記窒素原子は互いに又は前記酸素原子と直接結合しない。)
で表される化合物又はその医薬品として許容できる塩又はエステルの治療有効量を、前記治療を必要とする被験者に投与する工程を含む方法に関する。
本発明の実施態様は、被験者の性機能障害を治療する方法であって、
実質的に他の光学異性体を含まない式1:
Figure 0005298334
(式中、
Rxは、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIより選ばれるハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び1ないし3個の炭素原子を有するチオアルコキシ基からなる群から選択された一つを表し;
xは、1ないし3の整数を表し、ただし、xが2又は3のとき、Rは同じでも異なっていても良い;
1及びR2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より選ばれ;
1及びR2は、一緒になって、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択された一つで置換された5ないし7員の複素環を形成し得;
ここで、環状化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含も得;
ここで、前記窒素原子は互いに又は前記酸素原子と直接結合しない。)
の光学異性体又は式1の光学異性体の一つが優勢である光学異性体の混合物又はその医薬品として許容できる塩又はエステルの治療有効量を、前記治療を必要とする被験者に投与する工程を含む、被験者の性機能障害を治療する方法を含む。
好ましくは、ここで、Rx、R1及びR2が全て水素原子から選択される。
好ましくは、ここで、式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が約90%以上の範囲まで優勢である。
より好ましくは、ここで、式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が約98%以上の範囲まで優勢である。
本発明の実施態様は、式1からなる群より選択された光学異性体又は、その医薬品として許容できる塩又はエステルを性機能障害の治療用医薬の製造に用いる方法を含み、
Figure 0005298334
(式中、
Rxは、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIよ
り選ばれたハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び1ないし3個の炭素原子を有するチオアルコキシ基からなる群から選択された一つを表し;
xは、1ないし3の整数を表し、ただし、xが2又は3のとき、Rは同じでも異なっていても良い;
1及びR2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より選ばれ;
1及びR2は、一緒になって、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択された一つで置換された5ないし7員の複素環を形成し得;
ここで、環状化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含み得;
ここで、前記窒素原子は互いに又は前記酸素原子と直接結合しない。
本発明の実施態様は、式1bの光学異性体又は式1bの光学異性体が優勢である光学異性体の混合物である、実質的に他の光学異性体を含まない、式1の化合物を用いる方法を含む。(注:下記の式1bの化学構造中、ベータ炭素に結合するアミノ基は、紙面の平面へ突き出ている。)これは、絶対配置が(R)の右旋性(D)の光学異性体である。
Figure 0005298334
ここで、式1bの光学異性体が約90%以上の範囲まで優勢である。
より好ましくは、式1bの光学異性体が約98%以上の範囲まで優勢である。
本発明の実施態様はまた、本発明のカルバメート化合物を、それ自身が性機能障害の原因となり得るその他の医薬とともに、この望ましくない副作用を防止し、逆転させ又は最小にする為に、同時投与する方法を含む。
その様な他の医薬には、例えば、慣用の抗うつ薬及び、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI‘s);選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI’s);慣用の三環系抗うつ薬(TCAs);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO−阻害剤)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMAs)、第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系抗うつ薬、抗精神病薬、抗痙攣剤、炭酸リチウム、が挙げられるがこれに限定されないその他の精神病薬が挙げられるがこれに限定されず、フルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファクシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、5−MCA−NAT、炭酸リチウム(LiCO3)、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレジリン、モクロベミド、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン、カッパ−オピオイドレセプターアンタゴニスト;選択的ニュウロキニンアンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、タキキニンアンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、及び、降圧剤、カルシウムチャネルブロッカー、ACE阻害剤、スタチン等の様な心臓病薬等のその他の種類の医薬であり、及びその医薬品として許容できる塩類を含むがこれらに限定されず、またここで、光学異性体の治療有効量は約0.01mg/kg/投与から約300mg/kg/投与である。
図面の簡単な説明
図1は、雌ラットの前湾反応に於ける様々な用量の試験化合物の効果を、媒体及び活性対照のキネロランと比較した図である。
本発明は、性機能障害を治療する方法を対象とする。本方法は、フェニルアルキルアミノ カルバメート類からなる群より選択された化合物の治療有効量を、それを必要とする被験者に投与することを含む。
本発明は、式1:
Figure 0005298334
(式中、
Rxは、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIより選ばれたハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び1ないし3個の炭素原子を有するチオアルコキシ基からなる群より選択された一つを表し;
xは、1ないし3の整数を表し、ただし、xが2又は3のとき、Rは同じでも異なっていても良い;
1及びR2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より選ばれ;
1及びR2は、一緒になって、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択された一つで置換された5ないし7員環の複素環を形成してもよく;
ここで、環状化合物は1ないし2の窒素原子及び0ないし1の酸素原子を含んでいてもよく;
ここで、前記窒素原子は互いに又は前記酸素原子と直接結合しない。)
で表される化合物又はその光学異性体、鏡像異性体、ラセミ体又はそれらの混合物、並びにその水和物、溶媒和物及び医薬品として許容できる塩類、エステル類、及びアミド類を特徴とする。
本発明の方法はまた、式1(式中、Rx,R1及びR2が好ましくは水素原子から選択される。)からなる群より選択される化合物の使用を含み、これは以下の式1a:
Figure 0005298334
である。
本発明の方法は、好ましくは式1から成る群より選択されるD(又は、右旋性の)光学異性体(又は、絶対配置がR)又はその光学異性体の混合物であり、
ここで、
式1aからなる群より選択されるD光学異性体が優勢であり、及び、
Rx,R1及びR2が好ましくは水素原子から選択され、
これは、O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールであり、この化合物はまた、(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメート 一塩酸と命名され得る下記式1bで表されるものであり; また、本明細書では「試験化合物」とも呼ぶ。
Figure 0005298334
(注:上記の式1b(試験化合物)の化学構造中、ベータ炭素に結合するアミノ基は、紙面の平面へ突き出ている。これは、絶対配置が(R)の右旋性(D)の光学異性体である。
光学異性体の混合物に関して、式1からなる群より選択される1つの光学異性体が優勢であり、好ましくは式1からなる群より選択される光学異性体が約90%以上の範囲まで優勢を占める。
より好ましくは、式1から成る群から選択される光学異性体は、約98%以上の範囲まで優勢を占める。
式1の化合物は、当該技術分野の通常の知識を有する者に知られている方法により合成され得る。式(I)の化合物を合成する幾つかの反応スキームは、発行された米国特許第5705640号公報、米国特許第5756817号公報、米国特許第5955499号公報及び米国特許第6140532号公報に記載されている。
上記反応スキームの詳細、並びに具体的化合物の製造に於ける代表例は、発行された米国特許第5705640号公報、米国特許第5756817号公報、米国特許第5955499号公報及び米国特許第6140532号公報に記載され、これらの内容は全て参照としてここに取り込まれている。
式(I)の化合物の塩類及びエステル類は、化合物を適切な溶媒中で酸(HX)によって処理する事により、又は当該技術分野の通常の知識を有する者に知られている方法により製造する事ができる。
式1から、本発明の化合物の幾つかは少なくとも1つ又はおそらくそれ以上の不斉炭素原子を有する事が明らかである。本発明は、その範囲に、前記化合物の立体化学的に純粋な異性体の形態並びにそのラセミ体を、含む事を意図する。前記化合物の立体化学的に純粋な異性体の形態は当該技術分野で知られた原理の応用により得られ得る。鏡像異性体類は、分別結晶化及びクロマトグラフ技術などの物理的な分離方法により分離され得、光学異性体類は、光学活性な酸、又は塩基を用いたジアステレオマー塩の選択的結晶化により、またはキラルクロトグラフィーにより、互いに分離され得る。純粋な立体異性体類は、また適切な立体化学的に純粋な出発物質から合成的に製造し得、又は立体選択的な反応に
より合成的に製造し得る。
本発明の化合物の製造のいずれの工程の間に於いても、関係する分子のあらゆる感受性のある又は反応性のある基を保護する事が必要及び/又は望まれ得る。これは、“Protective Groups in Organic Chemistry“(有機化学に置ける保護基)、J.F.W.McOmie著,Plenum Pres,1973年;及びT.W.Greene及びP.G.M.Wuts,”Protective Groups in Organic Synthesis“(有機合成に於ける保護基)第3版John Wiley&Sons、1999年等に記載のもののような慣用の保護基を用いて達成し得る。保護基は、当該技術分野に於いて知られる方法を用いて簡便に次のステージで除去され得る。
本発明は、上記で論じた式1のフェニルアルキルアミノ カルバメート化合物が新規であり独特の薬理学的特性を有しているとの発見に基づくものである。これらの化合物は、雌雄両方において性機能障害の治療能力を持つと、動物モデルにおいてもまたヒトの臨床試験で報告された副作用にみられた信号によっても示されている。
この作用の正確な機構は完全には解明されていないが、これらの化合物は性機能障害のためのその他の既知の治療薬のほとんどと同様の機構により作用するものではない事が知られている。この理由により、式1の化合物は、単独又は補助的に性機能障害の治療に、又は副作用として性機能障害を生じる事が知られているその他の薬剤とともに併用してこの副作用を最小又は解消する為に、使用する事に特に適する。
ゆえに、これらの化合物は、各薬剤のより少ない用量が使用し得るので、増強された効果および減少した副作用をもたらす為に単独で又はその他の有用な医薬と併用して安全に使用され得る。
ひとつの局面として、本発明は性機能障害に苦しむ女性又は男性を治療する方法に関し;該方法は、1つ以上の本発明のカルバメート化合物又は医薬品として許容できる塩又はエステルの治療上有効量、及び医薬品として許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を被験者に送達する事を含む。
さらなる局面としては、本発明は、同時投与方法により、その他の医薬により生じた性機能障害を、解消し、低下させ又は対抗する方法に関する。したがって、本発明の実施態様はまた、本発明のカルバメート化合物が、それ自身が性機能障害の原因となり得るその他の医薬と、この望ましくない副作用を防止し、逆転させ又は最小にする為に、同時に又は連続して投与される方法をも含む。
従って、本発明の方法に於いて、これらのカルバメート化合物は、性機能障害副作用を減少との組み合わせを形成する様に、抗うつ薬又はその他の薬剤を含む他の薬剤の1つ以上の療法に於いて加えるか組み合わされるべきである。これは、患者が、必要な医薬のより高い用量に耐える余地を与え得、こうして治療上の効果を増し、及び/又は患者のクオリティ・オブ・ライフの改善が得られる。
従って、本発明の幾つかの実施態様に於いては、被験者又は患者はすでに抗うつ薬又はその他の医薬により安定化しているが、副作用として重大な性機能障害を示し得る。この実施態様に於いては、式1の化合物は、第一の医薬により誘発された性機能障害が低下するか又は解消するまで、現在の療法に、1.0mgないし100.00mg/日の単位の用量で加える。当業者は、病状を測る臨床的インタビューやアンケートを通して、副作用の減少を判断し得る。
その他の態様に於いて、抗うつ薬又はその他の薬剤は、式1の化合物と同時に開始され;これは、同時の投与である。この実施態様に於いては、本発明は、慣用の抗うつ薬又はその他の薬剤に由来する性機能障害の発症を予防する為に、式1の化合物の予防的有効量を、提供する事が意図される。両薬剤を同時に開始する実施態様に於いて、式1の化合物の予防有効量は副作用と応答性により決定されるであろう。典型的には、式1の化合物の予防有効量は、25ないし50mg/日から始められ、1週間あたり約25ないし50mg/日の単位で、副作用が生じるか又は十分な効果が得られるまで増加し得る。当業者であれば、製者の推奨及び患者の経験した反応及び副作用から抗うつ薬及びその他の薬物の適切な用量を容易に決定する事ができるであろう。
本発明の化合物(式1の化合物)又はそれらの光学異性体、鏡像異性体、ラセミ体又は混合物、又はその水和物類、溶解物類および医薬品として許容できる塩類、エステル類及びアミド類が、治療の提供に用い得、予防的に又はそれらが発症した後のどちらでも、多くの薬剤についての男性及び女性のいずれに於ける性機能障害の深刻な不都合な副作用の為にも用い得る。
その様な薬物には、例えば、慣用の抗うつ薬、及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI‘s);選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI’s);慣用の三環系抗うつ薬(TCAs);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO−阻害剤)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMAs)、第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系抗うつ薬、抗精神病薬、抗痙攣剤、炭酸リチウムが挙げられるがこれに限定されないその他の精神病薬を含むがこれに限定されず、また、フルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファクシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、5−MCA−NAT、炭酸リチウム(LiCO3)、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレジリン、モクロベミド、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン、カッパ−オピオイドレセプターアンタゴニスト;選択的ニュウロキニンアンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、タキキニンアンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、及び、降圧剤、カルシウムチャネルブロッカー、ACE阻害剤、スタチン等の様な心臓病薬等のその他の種類の薬物であり、並びにその医薬品として許容できる塩類又はエステル類、が挙げられるがこれに限定されない。
試験化合物
式1のひとつの化合物(ここで試験化合物と呼ぶ)は、(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメート一塩酸塩であり、O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールとも呼ばれる。
Figure 0005298334
ここでRx=R1=R2=水素原子である。
(注:上記の試験化合物の化学構造(試験化合物)中、ベータ炭素に結合するアミノ基は
、紙面の平面へ突き出ている。)これは、絶対配置が(R)の右旋性(D)の光学異性体である。
この化合物は、動物モデル及びヒトに於いて試験され、下記に示す様に、性機能障害の治療に於ける化合物の群の価値を強く支持する効果を実証した。
ヒトに於いて、試験化合物の抗うつ効果を評価する為に行われた試験段階で該化合物は有意なシグナルを示した。これは、試験化合物が慣用のSSRI抗うつ薬(パロキセチン)と比較された大きなプラセボ対照試験であった。
試験段階後のアンケートの分析は、主に男性において、400mgの一日用量に於いて現れたピーク効果をもって、性への関心の増加及びオルガスムを持つ能力の効果を示す。この研究は、本化合物のこの特性を理解し評価する為に設計されたものではなかったが、それゆえ、試験化合物の具体的にこの特性の評価に関する更なる研究が行われるであろう。
試験化合物は、動物モデルに於いても活性を示し、性機能障害の治療として本発明の化合物の使用を支持し得るものであった(下記参照)。
性機能障害を治療するための本発明の化合物の使用
その他の薬物の副作用
ここで用いた用語「抗うつ薬」とは、本発明のカルバメート化合物と併用して用いられ得る、哺乳類の抗うつ作用を有する事が知られている任意の化合物を意味するものとする。多くの最も一般的に用いられている抗うつ薬は、男性及び女性の両方に於いて性機能障害の重篤な、不都合な副作用を生じる。従って、この用語は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI‘s)、選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI’s);慣用の三環系抗うつ薬;ブプロピオン及びMAO阻害剤を含むが、これに限定されるものではない。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI‘s)及び選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI’s)は、例えば以下のものが挙げられるがこれに限定されるものではない。
フルオキセチン、N−メチル−3−(p−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−フェニルプロピルアミンは、塩酸塩の形態、及び2種の光学異性体のラセミ混合物として販売されている。米国特許第4,314,081号公報は、この化合物についての初期の文献である。Robertson等、J.Med.Chem.31巻、1412頁(1988年)は、フルオキセチンのR及びS光学異性体の分離を教示し、またそのセロトニン取り込み阻害剤としての活性が互いに類似している事を示した。この文献では、“フルオキセチン”の用語は、いずれの酸付加塩、遊離塩基の形態も指し、及びラセミ混合物か又は、R及びS光学異性体を含み用いられる。
デュロキセチン、N−メチルー3−(1−ナフタレニルオキシ)−3−(2−チエニル)プロパンアミンは、通常、塩酸塩及び(+)光学異性体として投与される。米国特許第4,956,388号でその高い可能性を教示したのが最初の教示である。“ジウロキセチン”の用語は、ここでは分子のいかなる酸付加塩又は遊離塩基も指して用いられる。
ベンラファキシンは文献中で知られ、米国特許第4,761,501号公報はその合成方法及びセロトニン及びノルエピネフリン取り込み阻害剤としての活性を教示する。ベンラファキシンはこの特許中の化合物Aとして特定される。
ミルナシプラン(N,N−ジエチル−2−アミノメチル−1−フェニルシクロプロパン
カルボキサミド)は、その実施例4としてミルナシプランを製造した、米国特許第4,478,836号公報に教示されている。この特許はこの化合物を抗うつ薬として記載している。Moret等、Neuropharmacology 24巻、1211−19頁(1985年)はそのセロトニン及びノルエピネフリン再取り込みの阻害剤としての薬理学的活性を記載している。
シタロプラム、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロー5−イソベンゾフランカルボニトリル、は、米国特許第4,136,193号公報にセロトニン再取り込み阻害剤として開示されている。この薬効薬理は、Christensenら、Eur.J.Pharmacol.41巻153頁(1977年)に開示され、また、そのうつ病に於ける臨床的効能の報告が、Dufour等、Int.J.Clin.Psychopharacol.2巻225頁(1987年)に見られ得る。
フルボキサミン、5−メトキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ペンタノンO−(2−アミノエチル)オキシム、は米国特許第4,085,225号公報に教示されている。この薬物の科学論文は、Claassen等、Brit.J.Pharmacol,60巻、505頁(1977年);及びDeWilde等、J.Affective Disord. 4巻、249頁(1982年);及びBenfield等、Drugs 32巻、313頁(1986年)により刊行されている。
パロキセチン、trans−(−)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン、は米国特許第3,912,743号公報及び第4,007,196号公報に見られ得る。この薬物の活性の報告は、Lassen、Eur.J.Pharmacol.47巻、351頁(1978年)、Hassan等、Brit.J.Clin.Pharmacol.19巻、705頁(1985年)、Laursen等、Acta Psychiat.Scand. 71巻、249頁(1985年)、及びBattegay等、Neuropsychobiology 13巻、31頁(1985年)にある。
セルトラリン、(1S−cis)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩、は、抗うつ薬として市販されているセロトニン再取り込み阻害剤である。これは米国特許第4,536,518号公報に開示されている。
本発明のカルバメート化合物は、またその他の種類の抗うつ薬及びその他の治療上有効な薬剤とともに併用して用いられ得、前記その他の治療用有効薬剤には例えば、5−MCA−NAT(例えば、米国特許第6,562,858号公報);炭酸リチウム(LiCO3)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO−阻害剤)(好適なモノアミンオキシダーゼ阻害剤は、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレジリン及びその医薬品として許容できる塩類を含む)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMAs)(好適な可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤は、モクロベミド、及びその医薬品として許容できる塩類を含む);カッパオピオイドレセプターアンタゴニスト(例えば米国特許第6,528,518号公報)等が挙げられるがこれに限定されない抗てんかん薬、選択的ニューロキニンアンタゴニスト(例えば、米国特許第6,436,928号公報)コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト(好適なCRFアンタゴニストは、国際公開公報WO94/13643号、WO94/13644号、WO94/13661号、WO94/13676号及びWO94/13677号公報に記載のものを含む。;タキキニンアンタゴニスト(例えば、米国特許第6,518,273号公報)及びα−アデノレセプターアンタゴニスト等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
さらに、本発明の化合物は、第一次的にノルエピネフリン再取り込み阻害剤である慣用の抗うつ薬により引き起こされた性機能障害を脱却又は軽減する為に用いられ得る。その様な薬物には、第三級アミン三環系化合物及び第二級アミン三環系化合物を含むノルエピネフリン再取り込み阻害剤等が挙げられる。第三級アミン三環系化合物の適切な例としては、例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミンならびにその医薬品として許容できる塩類等が挙げられる。
第二級アミン三環系化合物の適切な例としては、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、及びプロトリプチリンならびにその医薬品として許容できる塩類等が挙げられる。
本発明の使用に於ける適切なセロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤としては、ベンラファクシン、及びその医薬品として許容できる塩類等が挙げられる。
一つ以上の本発明の化合物の上記の抗うつ薬のいずれかとの併用は、男性及び女性の両方に於いて、これらの薬物により生じた性機能障害の重篤な不都合な副作用を軽減、和らげ、解消し得る。
本発明に用いられる化合物に関連して上述した米国特許全ては、ここへ参照として取り込まれる。
定義
便宜上、明細書中、実施例及び添付の特許請求の範囲において用いたいくつかの用語をここに集める。
本発明は、特定の方法論、プロトコル、動物の種又は属、及び記載された試薬は変化し得るものなので、それらに限定されるものではない事は理解されるべきである。また、ここに用いた専門用語は、特定の実施態様を記載する目的のみの為のものであり、また、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべき本発明の範囲を限定する事を意図するものではない事も理解されるべきである。
ここに用いた用語「被験者」 とは、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳類、及び最も好ましくはヒトの男性及び女性のいずれも指す。
ここに用いた用語「治療有効量」とは、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医によって探求されている、治療されている疾患又は障害の1以上の兆候又は症状の軽減を含む、組織系内、動物又はヒトに生物学的又は医学的反応を誘発する活性化合物又は医薬品の量を指す。
用語「予防的有効量」とは、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医によって探求されている、組織、系、動物又はヒトの、予防するよう探求されている、生物学的又は医学的事象の発生のリスクを予防又は減少するであろう医薬品の量を意味する事を意図する。
用語「医薬品として許容される塩類又はエステル類」は、遊離酸を適切な有機又は無機塩基と反応させる事により一般的に合成された、本発明で用いられた化合物の無毒性塩類又はエステル類を指すものとする。その様な塩類としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酸性酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウム、エデト酸カルシウム塩、カルシン酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エディシレート、エストレート、フマル酸塩、グルセプテート、
グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコルイルアルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムケート、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、オキサル酸塩、パマオート(pamaote)、パルミチン酸塩、パントテネート(panthothenate)、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクトウロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、スベセテート(subacetate)、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシレート、トリエチオダイド(triethiodide)、吉草酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
従って、ここで用いた用語「治療を必要とする患者」は、抗うつ薬で治療し得る何れかの気分障害を含む上記の何れかの症状又は障害、又は患者の現在の臨床的状態又は予後が式(I)で表される一つ以上の化合物単独の又は別の医薬を含むがこれに限定されない別の治療的行為と組み合わせた投与から益を得うるところの他の何れかの障害、を現在有しているか又は発症し得る何れの被験者又は患者をも指す。
ここで用いた用語「治療する」又は「治療」は、軽減;寛解;症状の減少或いは傷害、病状又は状態を患者により耐えられるものとすること;病気の病変若しくは減退又は悪化の速度の減速;悪化の終点をより減弱性でなくすること;又は対象者の身体的及び精神的健康状態を改善することのような如何なる客観的又は主観的パラメーターを含む、傷害、病状又は状態の予防又は改善における成功の如何なる兆候をも言及する。症状の治療又は改善は、身体的試験、神経学的試験及び/又は精神医学的評価の結果を含む客観的又は主観的パラメーターに基づき得る。従って、用語「治療する」又は「治療」は、男性及び女性両方に於けるいずれかの形態の性機能障害の為の本発明の化合物又は薬物の投与を含む。場合によっては、本発明の化合物を用いた処置は、気分障害の進行を予防、抑制又は止める為に他の化合物と併用して行われ得る。
ここで用いた用語「治療効果」は、性機能障害に於ける症状の効果的な改善又は軽減を指す。
ここで用いた用語「治療有効量」は、精神防護作用治療を必要とする被験者又は患者に於ける、上記に挙げた治療効果を生む為の、一つ以上の本発明の化合物の十分な量を意味する。
「被験者」又は「患者」の用語は、ここで互換可能に用いられ、ここでは、本発明の組成物が投与され得るヒトの患者又は被験者を含む、ヒトを含むがそれに限定されない任意の哺乳類を指して用いられる。哺乳類の用語は、男性及び女性の両方のヒトの患者及びヒト以外の霊長類並びにウサギ、ラット、及びマウスのような実験動物並びにその他の動物を含む。
本発明の医薬品組成物の為の治療及び予防有効用量を決定する方法は、当該技術分野に於いて知られている。例えば、化合物は、一日用量を平均的ヒト成人で約0.1mgから400mgの範囲で、1日1ないし2回の処方で用い得る。有効量は、しかしながら、使用された特定の化合物、投与方法、製剤の強度、投与方法、及び病状の進展状況により変化し得る。さらに、患者の年齢、体重、食事及び投与時間を含む、治療を受けている特定の患者に関連付けられる要因は、用量を調製する必要を生むであろう。
化合物は任意の従来の投与経路で投与され、例えば、静脈内、経口、皮下、筋肉内、皮内及び非経口が挙げられるがこれらに限定されるものではない。投与経路に依存して、式
(1)の化合物は、任意の剤形を構成し得る。例えば、経口投与に適した剤形は、ピル、ジェルキャップ、タブレット、カプレット、カプセル(それぞれ、迅速な放出、時間調整した放出及び持続した放出の配合物を含む)、顆粒、及び粉末等の様な固体の剤形が挙げられる。経口投与の適した剤形はまた、溶液、シロップ、エリキシル剤、乳剤、及び懸濁液等の様な液体剤形が挙げられる。さらに、非経口投与に有用な剤形は、滅菌水溶液、乳剤及び懸濁液が挙げられる。
本発明の医薬品組成物を製造する為に、活性成分としての一つ以上の式(1)の化合物又はその塩は、従来の医薬品配合技術により、医薬品担体と密に混合する。担体は、必要かつ不活性の医薬品賦形剤であり、例えば、バインダー、懸濁化剤、潤滑剤、香味料、甘味料、防腐剤、色素、及びコート剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。経口剤形の組成物の製造に於いて、任意の通常の医薬品担体を用い得る。例えば、液体経口剤の製造には、適した担体及び添加剤は、例えば、水、グリコール、油、アルコール、香料添加物、防腐剤、着色剤等が含まれ;固体経口剤の製造には、適した担体及び添加剤は、スターチ、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー、崩壊剤等が挙げられる。非経口用途には、担体は通常滅菌水を含むが、その他の成分が、例えば溶解度幇助又は防腐のための様な目的で含まれ得る。注射用懸濁液もまた製造し得る、この場合には、適切な液体担体、懸濁化剤等が用い得る。
投与の容易さゆえに、タブレット及びカプセルは最も有利な経口用量単位剤形であり、その場合、明らかに、固体医薬品担体が用いられる。必要ならば、タブレットは、標準的な技術により糖衣又は腸溶性コーティングされ得る。坐薬も製造し得、その場合は、ココアバターを担体として用い得る。タブレット及びピルは、延長された作用の有利な効果をもたらす用量剤形を提供するために、コーティングされ得、又はその他配合し得る。例えば、タブレット又はピルは内部の用量及び外部の用量成分を包含し得、後者は、前者の上の包装の形態となる。2種の成分は、胃での分解に抵抗し、内部の成分を無傷で十二指腸を通過させるか又は放出を遅延させるよう腸溶性層により分離し得る。物質の種類は、この様な腸溶性層又はコーティングには多様な物質が用いられ得、該物質は、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロース等の様な物質と共に多数のポリマー酸等が挙げられる。
活性薬剤はまた、小単層ベシクル、大単層ベシクル、多層ベシクルの様なリポソーム送達系の形態で投与され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又ホスファチジルコリンの様な種々のリン脂質から形成し得る。
活性薬剤は、化合物分子が連結する個々の担体としてモノクローナル抗体の使用によっても送達し得る。活性薬剤は、標的可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと連結され得る。その様なポリマーとしては、ポリビニル−ピロリドン、ピラン コポリマー、ポリヒドロキシ−プロピル−メタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチル−アスパルタミド−フェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンが含まれ得る。さらにまた、活性薬剤は、薬剤の制御された放出を達成するのに有用な生物分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリエプシロン カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリレート類及び架橋した、又は両親媒性ハイドロゲルのブロック共重合体、と連結し得る。
好ましくはこれらの組成物は、タブレット、ピル、カプセル、粉末、顆粒、点滴製剤又は懸濁液、計測するエアロゾル又は液体スプレー、ドロップ、アンプル、自動注入機又は坐薬、経口、非経口、経鼻投与の、舌下の又は直腸投与の又は吸入剤又は吸入吸送の投与用等の単位用量形態にある。
あるいは、組成物は週1回又は月1回の投与に適した剤形で提供され得、例えば、デカン酸塩の様な活性化合物の不溶性塩は、筋肉内投与の為の持続性調剤の提供に適合され得る。
本明細書における医薬品組成物は、用量単位毎、例えば、タブレット、カプセル、粉末、注射液、スプーン1杯分、坐薬等毎に、上記の様な有効用量を送達するのに必要な活性成分の量を含むであろう。例えば、ここでの医薬品組成物は、単位用量単位毎、約25ないし約400mgの活性成分を含み得る。好ましくは、その範囲は、約50ないし約200mgの活性成分である。
本発明の幾つかの態様では、本発明の実施に於ける使用に適したカルバメート化合物は、単独でか又は少なくとも一つ以上のその他の化合物又は治療薬と同時に投与されるであろう。これらの実施態様では、本発明は、患者の性機能障害を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、治療を必要とする患者に、ここに開示したカルバメート化合物の1つの有効量を、性機能障害の要因となるか又はそれ自身が該障害の治療能力又は本発明の化合物の性機能障害の治療効果を増強能力を持つその他の化合物又は治療薬の少なくとも一つ以上の有効量と併用して投与する工程を含む。
ここで用いた、化合物、治療薬又は公知の薬剤の本発明の化合物との「同時投与」又は「併用投与」の用語は、1以上の本発明の化合物の投与を意味し、性機能障害の要因となり得るその他の治療薬が投与されるような時での投与であって、その併用が性機能障害を引き起こす傾向を減少できる投与をいう。その様な同時投与には、本発明の化合物の投与に関して、その他の治療薬を、並行(即ち、同時に)、先行、又はその後に投与する事が含まれ得る。その技術分野に於ける通常の知識を持つ者は、特定の薬剤と本発明の化合物の投与の適切なタイミング、順序、用量を決定する事は、困難ではないであろう。
さらに、幾つかの実施態様に於いて、本発明の化合物は、単独又は互いに、又は一つ以上の上記のその他の治療薬剤又はそれらの塩類またはエステル類と併用して、性機能障害の治療を必要とする患者又は被験者へ該治療を提供する目的で薬剤を製造する為に、使用されるであろう。
ここで用いた「C1−C4アルキル基」は、1ないし4個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族炭化水素を指す。特に「アルキル基」の範囲に具体的に含まれるものは、付加的に所望により置換されている脂肪族炭化水素を指す。本発明の好ましい実施態様では、C1−C4アルキル基は非置換又はフェニル基で置換されている。
ここで用いた用語「フェニル基」は、単独で用いられようとその他の基の部分として用いられようと、置換又は非置換の6個の炭素原子数を有する芳香族炭化水素環基として定義される。「フェニル基」の定義に具体的に含まれるものは、所望により置換されたフェニル基である。例えば、本発明の好ましい実施態様では、「フェニル基」は、非置換か又はハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基で置換されている。
本発明の化合物の置換基及び置換パターンは、化合物を提供する為に当該技術分野の通常の知識を有する者により選択され得、化学的に安定であり、当該技術分野に於いて知られる技術並びにここに提供した方法により容易に合成され得ると理解される。
代表的な2−フェニル−1、2−エタンジオール モノカルバメート及びジカルバメートは、例えば、以下の化合物である。
本発明は、式1の分離された光学異性体の使用を含む。一つの好ましい実施態様に於いて、式1の分離されたS−光学異性体を含む医薬品組成物は、被験者に於ける補助抗うつ薬効果をもたらす為に用いられる。その他の好ましい実施態様に於いて、式1の分離されたR−光学異性体を含む医薬品組成物は、被験者に於ける補助抗うつ薬効果をもたらす為に用いられる。
本発明はまた、式1の光学異性体の混合物の使用を含む。本発明のひとつの局面には、ひとつの光学異性体が優勢であろう。混合物中の優勢な光学異性体は混合物中に存在するその他のいかなる光学異性体よりも多い量、即ち50%より多くの量で混合物中に存在するものをいう。ひとつの局面に於いて、ひとつの光学異性体は、90%の範囲まで又は91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%又は98%又はこれ以上の範囲まで優勢であろう。ひとつの好ましい実施形態に於いて、式1の化合物を含有する組成物中に於いて優勢な光学異性体は、式1のS−光学異性体である。
本発明は、式1で表される化合物の光学異性体及び光学異性体の混合物を用いる方法を提供する。式1のカルバメート光学異性体は、フェニル環の隣の2番目の脂肪族炭素であるベンジル位に於いて不斉炭素を含む。
分離された光学異性体は、対応する光学異性体を実質的に含まないものである。従って、分離された光学異性体を、分離技術により分離された又は対応する光学異性体を含まず合成された化合物という。ここで用いた用語「実質的に含まず」とは、化合物が、有意に大きい比率のひとつの光学異性体からなるものをいう。好ましい実施態様に於いて、前記化合物は少なくとも質量を基準に約90%の好ましい光学異性体を含む。本発明の他の実施態様に於いて、前記化合物は少なくとも質量を基準に約99%の好ましい光学異性体を含む。好ましい光学異性体は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びキラルな塩の生成及び結晶化を含む、当該技術分野のいかなる公知の方法によってもラセミ混合物から分離され得、又は好ましい光学異性体はここに述べた方法によって合成され得る。
医薬品としてのカルバメート化合物
本発明は、医薬品として式1のラセミ混合物、光学異性体混合物及び分離された光学異性体を提供する。カルバメート化合物は、被験者に於ける補助的抗うつ作用をもたらす医薬品として形成される。
一般的に、本発明のカルバメート化合物は、経口、口腔内、局部、全身(例えば、経皮、鼻腔内、又は坐薬によって)、又は非経口(例えば、筋肉内、皮下、又は静脈内注射)を含む治療薬の投与の為の当該技術分野に於けるいずれの公知の方法によっても医薬品組成物として投与され得る。直接的な神経系への化合物の投与は、例えば、大脳内、心室内、脳室内、髄腔内(intrathecal)、嚢内、髄腔内(intraspinal)、脊髄周辺(peri−spinal)経路の、ポンプ装置を用いた又は用いない頭蓋内又は脊椎内のニードル又はカテーテルを経る供給による投与が挙げられる。
組成物は、タブレット、ピル、カプセル、半固体、粉末、徐放性製剤、溶液、懸濁液、乳剤、シロップ、エリキシル剤、エアロゾル、又はその他の好適な組成物の形態をとり得;及び少なくとも1つの本発明の化合物を、少なくとも1つの医薬品として許容し得る賦形剤と併用して含有し得る。好適な賦形剤は、当該技術分野に於ける通常の知識を有する者によく知られているものであり、それら及び組成物を形成する方法は、Arfonso
AR Remington‘s Pharmaceutical Sciences、17版、Mark Publishing Company、Easton PA、1985年、のような標準的文献に見出し得、前記文献の開示は、ここに全て参照として全て
の目的の為に取り込まれている。好適な液体担体、特に注射液用のものとしては、例えば、水、生理食塩液、水性デキストロース溶液、及びグリセロール等が挙げられる。
カルバメート化合物は水性懸濁液として提供され得る。本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合液してカルバメート化合物を含有し得る。そのような賦形剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴム等の様な懸濁化剤、天然リン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレン ステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレン オキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレン ソルビトール モノ−オレエート)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導された部分エステル(例えば、ポリオキシエチレン ソルビタン モノ−オレエート)等の様な分散剤又は湿潤剤が挙げられる。
水性懸濁液は、一つ以上のエチル又はn−プロピル−p−ヒドロキシベンゾエートの様な防腐剤、一つ以上の着色剤、一つ以上の香料添加物、及びスクロース、アスパルテーム又はサッカリン等の様な一つ以上の甘味剤を含み得る。配合物はオスモル濃度にあわせ調整され得る。
本発明の方法に用いる油懸濁液は、らっかせい油、オリーブ油、ゴマ油、ココナツ油の様な植物油中に、又は流動パラフィンの様な鉱油並びにこれらの混合物中にカルバメート化合物を懸濁させる事により配合し得る。油懸濁液は、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコール等の様な増粘剤を含み得る。甘味剤は、口当たりのよい経口製剤を提供する為添加し得、グリセロール、ソルビトール又はスクロース等がある。これらの配合物は、アスコルビン酸の様な酸化防止剤の添加により保存し得る。注射可能な油状媒体の例としては、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281巻93頁−102頁、1997年を参照されたい。本発明の医薬品配合物は、水中油型乳剤の形でもあり得る。油相は、上記の植物油又は鉱油であり得、又はこれらの混合物であり得る。
好適な乳化剤はとしては、アカシアゴム、トラガカントゴム等の様な天然ゴム、大豆レクチンの様な天然リン脂質、ソルビタン モノ−オレエートの様な脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されたエステル類又は部分エステル類、ポリオキシエチレン ソルビタン モノ−オレエートの様なこれらの部分エステル類とエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。乳剤は、シロップ及びエリキシル剤の配合物におけるのと同様に甘味剤及び香料添加物を含有し得る。その様な配合剤はまた鎮痛剤、防腐剤又は着色剤を含有し得る。
選択した化合物は、単独又は他の好適な組成物と併用して、吸入により投与されるエアロゾル配合物(即ち、ネブライザーとし得る)に製造し得る。エアロゾル配合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の加圧した許容できる推進剤中へ入れられ得る。
非経口投与、例えば、関節内投与(関節中へ)、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与、腹腔内投与、及び皮下投与経路等に好適な本発明の配合物は、水性、非水性、等張無菌注射液を含み得、該注射液は酸化防止剤、緩衝液、殺菌剤、及び配合剤を対象とする受容者の血液と等張にする溶質、及び懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤及び防腐剤を包含し得る水性及び非水性の無菌懸濁液を包含し得る。用い得る許容できる媒体及び溶媒のうちには、水、及びリンガー液、等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌固定油は溶媒又は懸濁媒体として従来から用い得る。この目的の為に、合成モノ−又はジグリセリドを
含む、いかなる無刺激性の固定油も用い得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の製造に於いて同様に使用し得る。これらの溶液は無菌であり一般的に望ましくない物質を含まない。
化合物が十分に可溶性である場合には、これらは、直接、通常の生理食塩水に、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールの様な好適な有機溶媒を使用して又は使用せずに溶解し得る。よく分離した化合物の分散液は水溶性でんぷん又はカルボキシメチルセルロース ナトリウム溶液中で、又はらっかせい油の様な好適な油中で製造され得る。これらの配合物は慣用の、よく知られた滅菌技術により滅菌され得る。前記配合物は、pH調製剤、緩衝剤、毒性調製剤、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどの様な医薬品として許容できる補助物質を、生理学的に状態を近似させるために含有し得る。
これらの配合物に於けるカルバメート化合物の濃度は広く変化し得、主に液量、粘度、体重等に基づいて、特定の選択された投与形態及び患者の必要性に従い、選択されるであろう。静脈内投与のためには、配合物は、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の様な滅菌注射用製剤であり得る。この懸濁液は、それらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、既知の技術技術に従い配合される。この滅菌注射用製剤はまた、1,3−ブタンジオール溶液の様な、無毒の非経口に於いて許容できる希釈剤又は溶媒中の、滅菌注射用溶液又は懸濁液であり得る。推奨する配合物は、アンプル及びバイアルの様な単位用量又は複数用量のシール容器で提供され得る。注射用溶液及び懸濁液は、先に述べた様な滅菌粉末、顆粒、及びタブレットより製造され得る。
本発明の実施に好適に用いられるカルバメート化合物は、経口投与され得、好ましくは経口投与される。組成物中の本発明の化合物量は組成物の種類、単位用量の大きさ、賦形剤の種類、及び当該技術分野の通常の技術を有する者によく知られたその他の因子により広く変化し得る。一般的に、最終組成物は、例えば、0.000001質量パーセント(%W)ないし50%wのカルバメート化合物を、好ましくは0.00001%wないし25%wを含有し得、残余は賦形剤又は賦形剤類である。
経口投与の為の医薬品配合物は当該技術分野に於いてよく知られた医薬品として許容できる担体を経口投与に好適な用量で用い形成され得る。その様な担体は医薬品配合物が、タブレット、ピル、粉末、糖衣錠、カプセル、液体、トローチ錠、ジェル、シロップ、スラリー、懸濁液等の患者による摂取に好適な単位用量形態で配合されることを可能にする。
経口投与に好適な配合物は、(a)水、生理食塩水又はPEG 400の様な希釈剤中に懸濁させた有効量の医薬品配合物の様な液体溶液;(b)液体、固体、顆粒又はゼラチンとして活性成分の所定量をそれぞれ含有する、カプセル、小袋又はタブレット;(c)適切な溶液中の懸濁液;及び(d)好適な乳剤、から成り得る。
経口投与に用いる医薬品製剤は、本発明の化合物と、固体賦形剤を併用し、所望により得られた混合物を粉砕し、そして、タブレット又は糖衣錠のコアを得るために必要に応じて好適な付加化合物を添加した後、顆粒の混合物を加工することを通して得られ得る。好適な固体賦形剤としては、炭水化物又はタンパク質充填剤があり、また、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールの様な糖類;例えば、とうもろこし、小麦、米、じゃがいも、又はその他の植物由来のでんぷん;例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース又はカルボキシメチルセルロース ナトリウムの様なセルロース;及び例えば、アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム類;同様に、例えば、ゼラチン及びコラーゲンの様なタンパク質
が挙げられるがこれらに限定されない。
必要であれば、架橋ポリビニル ピロリドン、寒天、アルギン酸、又はアルギン酸ナトリウムの様なその塩の様な崩壊剤又は可溶化剤を添加し得る。タブレット剤形は一つ以上のラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、ミクロクリスタリン セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びその他の賦形剤、着色剤、充填剤、バインダー、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、香料添加剤、染料、崩壊剤、及び医薬品として適合し得る担体を含有し得る。トローチ剤の剤形は、例えばトローチが、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアゴムの乳剤、ジェル、など含有の不活性基剤中に活性種を含有するのと同様に、香味料例えば、スクロース中に活性原料を含有し得、活性原料に加えて、当該技術分野で知られている担体を含有し得る。
本発明の化合物はまた、薬剤の直腸投与の為の坐薬の形で投与され得る。これらの配合物は薬剤を、常温で固体であるが直腸温度に於いて液体であり、これゆえ直腸内で溶解して薬剤を放出するところの好適な無刺激賦形剤と薬剤を混合して製造し得る。その様な物質はココアバター及びポリエチレングリコールである。
本発明の化合物は、吹送物、粉末及びエアロゾル配合物(ステロイド吸入の例、Rohatagi,J.Clin.Pharmacol.35巻、1187頁−1193頁、1995年;Tjwa, Ann.Allergy Asthma Immunol.、75巻、107頁−111頁、1995年参照)を含む鼻腔内、眼球内、膣内及び坐薬を含む直腸内経路により、投与され得る。
本発明の化合物は、塗布スティック、溶液、懸濁液、乳剤、ジェル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、及びエアロゾルとして配合された、局所的な経路によって、経皮的に送達され得る。
封入材料もまた、本発明の化合物に用い得、「組成物」の用語は、配合物として活性成分を、その他の担体を用いてまたはその他の担体を用いずに、封入材料と共に含み得る。例えば、本発明の化合物はまた、体内で徐々に放出する為のミクロスフェアとして送達され得る。ひとつの実施態様においては、ミクロスフェアは、皮下に徐々に放出する(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7巻、623頁−645頁、1995年参照)、生分解性及び注射用ジェルの配合物として(例えば、Gao,PharmRes.12巻、669頁−674頁、1997年参照)、又は経口投与用のミクロスフェアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol 49巻、669頁−674頁(1997年)参照)、薬剤(例えば、ミフェプリストン)−含有ミクロスフェアの経皮注射液を介して投与され得る。経皮投与及び皮内投与の経路のどちらも、数週間又は数ヶ月の間持続して送達する事ができる。カプセルもまた、本発明の化合物の送達に用い得る。
その他の実施態様に於いて、本発明の化合物は、細胞膜で溶解するか又は取り込まれるリポソームの使用により、即ち、細胞の表面膜タンパク質レセプターに結合してエンドサイトーシスを生じる、リポソームに結合したリガンドを用いる事により送達し得る。リポソームを使用する事により、特にリポソーム表面が標的細胞に特異的なリガンドを有するとき、又はそうでなければ特定の臓器に選択的に向けられるとき、生体内で標的臓器へのカルバメート化合物の送達に専念し得る。(Al−Muhammed,J.Microencapsul.、13巻、293頁−306頁、1996年;Chonn, Curr.Opin.Biotechol.、6巻、698頁−708頁、1995年;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46巻、1576頁−1587頁、1989年参
照)
本発明の医薬品剤形は、塩として提供され得、及び例えば、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等が挙げられるがこれに限定されない多くの酸を用いて形成し得る。塩類は、水溶液又は該遊離塩基の形態にあるその他のプロトン性溶媒に、より可溶である傾向にある。その他の場合に於いて、好ましい製剤は、4.5ないし5.5のpH範囲で、例えば、任意の又は全ての以下の:1mM−50mMヒスチジン、0.1%−2%のスクロース、2%−7%のマンニトールの何れか又は全てを含み得る凍結乾燥粉末であり得、該粉末は使用前に緩衝液と混合される。
医薬品として許容できる塩類及びエステル類は、医薬品として許容でき、望まれる薬理学上の特性を持つ塩類及びエステル類を指す。その様な塩類としては、化合物中に存在する酸性プロトンが無機又は有機塩基類と反応し得る場合に形成し得る塩類が挙げられる。好適な無機塩類としては、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、及びカリウム、マグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムを用いて形成されたもの等が挙げられる。好適な有機塩類としては、アミン塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N メチルグルカミン等の有機塩基を用いて形成されたもの等が挙げられる。医薬品として許容できる塩類はまた、親化合物中のアミン部分と無機酸(例えば、塩化水素酸、臭化水素酸)との、及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、及びメタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸の様なアルカン−及びアレーン−スルホン酸)との反応から形成した酸付加塩、等が挙げられる。医薬品として許容できるエステル類としては、化合物中に存在するカルボキシ基、スルホニルオキシ基、及びホスホンオキシ基より生成されたエステル類等が挙げられる。2つの酸性基が存在する場合、医薬品として許容できる塩又はエステルは、モノ−酸−モノ−塩又はエステル(mono−acid−mono−salt or ester)又はジ−塩又はエステル(di−salt or ester)であり得、同様に、2より多くの酸性基が存在する場合、その様な基の幾つか又は全てが塩化又はエステル化し得る。
本発明中で名を挙げられた化合物は塩化されていない又はエステル化されていない形態、又は塩化及び/又はエステル化した形態で存在し得、その様な化合物の指定はもとの(塩化されていない及びエステル化されていない)化合物及びその医薬品として許容できる塩類又はエステル類の両方を含む事を意図する。本発明は、式(1)の医薬品として許容できる塩及びエステル型を含む。一つ以上の式(1)の光学異性体の結晶型が存在し得、及びそれらもまた本発明に含まれる。
本発明の医薬品組成物は 所望により、カルバメート化合物に加えて、一つ以上の性機能障害の治療に有用なその他の治療薬剤を含み得る。例えば式1のカルバメート化合物は、その他の性機能障害治療薬と固定用量の併用に於いて、物理的に併用しそれらの投与を単純化し得る。
医薬品組成物の形成方法は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets「医薬品剤形:タブレット」、第2版、改定拡大版、1−3巻、Lieberman等著;Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications「医薬品剤形:非経口医薬」、1−2巻、Avis等著;及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse System「医薬品剤形:分散系」、1−2巻、Lieberman等著、Marcel Dekker,Inc出版の様な、多数の刊行物に於いて記載されており、この開示は、それらの全部及び全ての目的を参照としてここに取り込まれる。
医薬品組成物は、一般的に滅菌、実質的に等張として形成され及び米国食品医薬品局の
医薬品製造管理及び品質管理基準(GMP)規定の全面遵守のもとで形成される。
用量レジュメ
本発明は、カルバメート化合物を用いて哺乳類に於いて補助的抗うつ薬剤作用をもたらす方法を提供する。性機能障害を軽減し又は予防するのに必要なカルバメート化合物の量は治療及び医薬品有効量として定義される。投与レジュメ及びこの用途のための有効量、即ち投与又は用量レジュメは、疾病のステージ、患者の身体状況、年齢等を含む種々の因子に依存するであろう。患者への用量レジュメの計算に於いて、投与方法もまた考慮される。
当該技術分野に於ける通常の技術を持つ者は、過度に実験をする事なく、その技術及びこの開示を参照して、本発明の実施の為に特定の置換カルバメート化合物の治療有効量を決定する事ができるであろう(例えば、Lieberman、Pharmaceutical Dosage Forms(1−3巻、1992年);Lloyd、1999年、The art.Science and Technology of Pharmaceutical Compounding;及びPickar,1999年、Dosage Calculations参照)。治療有効投与量はまた、臨床的見地から、治療的に有益な効果が活性薬剤の何れの毒性又は有害な副作用にも勝るところものものである。それぞれの特定の対象者のために、特定の用量レジュメを、長期にわたり、個々の必要性及び化合物を投与しているか投与を管理している人の専門的判断に従って評価及び調整するべきであることを更に留意すべきである。
治療目的に於いて、ここに開示した組成物又は化合物は、単回の急速送達で、長期間にわたる持続的な送達を経て、又は反復投与プロトコル(例えば、毎時間、毎日、又は毎週の反復投与プロトコル)により被験者へ投与され得る。本発明の医薬品配合物は、例えば、一日1回以上、週3回又は毎週、投与され得る。本発明のひとつの実施態様においては、本発明の医薬品配合物は、週に1回又は2回経口投与される。
これに関連して、生物学的に活性な薬剤の治療有効量は、抗うつ作用をもたらす臨床上有意な結果を生じるであろう長期治療レジュメの範囲内での反復投与を含み得る。これに関連した有効用量の決定は、典型的には、ヒト臨床試験でに移された動物モデルでの研究に基づき、被験者の症状又は疾病の標的とする曝露症状の発生又は重篤度を有意に低下させる有効用量及び投与プロトコルを決定する事により導かれる。これに関して好適なモデルは、例えば、ネズミ、ラット、ブタ、ネコ、ヒト以外の霊長類、及びその他の当該技術分野で知られる許容できる動物モデルが挙げられる。あるいは、有効用量は、生体外モデル(例えば、免疫学的及び組織病理学的アッセイ)を用いて決定され得る。その様なモデルを用いた場合、典型的に、生物学的活性剤(類)の適切な濃度及び治療有効量を施す為の用量(例えば、鼻腔内に有効な、経皮内投与に有効な、静脈内投与に有効な、又は筋肉内投与に有効な望まれる反応を誘導する為の量)を決定する為には、通常の計算及び調整しか要求されない。
本発明の例示的な実施態様に於いて、本化合物の単位用量剤形は標準投薬レジュメの為に用意される。このように、組成物は、医師の指示に於いて、より少ない容量に容易に細分され得る。例えば、単位用量は、包装された粉末、バイアル又はアンプル及び好ましくはカプセル又はタブレットの剤形に作成され得る。
化合物のこれらの単位用量剤形中に存在する活性化合物は、患者の具体的な必要に従い、単回又は複数回の毎日の投与の為に、例えば、約10mgないし約1グラム以上の量で存在し得る。約1グラムの最小の日用量を用いて、治療レジュメを開始することにより、カルバメート化合物の血中濃度が、より多くの又はより少ない容量が適切かどうかを決定
する為に用いられ得る。
本発明のカルバメート化合物の有効投与は、例えば、経口又は非経口用量で、約0.01mg/kg/投与ないし約150mg/kg/投与が投与され得る。好ましくは、投与は、約0.1mg/kg/投与ないし約25mg/kg/用量、より好ましくは約0.2ないし18mg/kg/投与であろう。従って、ここに記載された用量単位当り含まれる活性成分の治療有効量は、例えば平均体重70kgである被験者には、例えば、約1mg/日ないし7000mg/日であり得る。
本発明の方法はまた、性機能障害の治療をもたらすため場合に使用するキットも提供する。一つ以上の本発明のカルバメート化合物を含む医薬品組成物は、治療的に有用な一つ以上のその他の化合物の可能な添加と共に、好適な担体中で配合した後、適切な容器に収納し得、補助的な抗うつ作用をもたらす為にラベルされ得る。さらに、抗うつ作用をもたらすために有用な一つ以上のその他の治療薬を含むその他の医薬品も、同様に容器に収納され得、表示された疾病の治療用としてラベルされ得る。その様なラベリングは、例えば、それぞれの医薬品の量、回数及び投与の方法に関する指示も含まれ得る。
上記の発明は、理解を明確にする為に例示の目的で詳細に述べられたが、当業者にとり、特定の変化及び変更が開示の内容により理解される事は明白であり得、及び限定のない説明の目的で提供された添付の特許請求の範囲の範囲内に於いて必要以上の実験をする事なく実施され得る。以下の実施例は、本発明の特定の特徴を説明する為に提供されるものであり、限定を意味するものではない。
実施例1
ラット及びマウスに於いては、試験化合物は抗うつ効果及びより高用量での自発運動に於ける刺激様効果を持つ。試験化合物の作用機構は明らかでないが、この薬理学的プロフィルは、central catecholaminergic pathway(セントラルカテコールアミン作動性経路)の活性化を含み得る。抗うつ効果に加え、central catecholaminergic(セントラルカテコールアミン作動性)の活性の増加は、実験動物や患者の性的挙動を増加させる事もまた知られている。(Foreman,MM及びHall,JL,“Effect of D2−dopaminergic receptor stimulation on the lordotic
response of female rats.”(「雌ラットのLordotic(前湾)反応に於けるD2−ドーパミン作動性レセプター刺激」)Psychopharmacology、91巻、96頁−100頁(1987年)、及び(Foreman,MM、“Disorder of sexual response:Pioneering new pharmaceutical and therapoutic opportunities.”(「性反応障害:先駆的な新薬及び治療の機会」)Exp. Opin.Invest.Drugs、4:621−636(1995)。
性行動に於ける効果の初期の非臨床評価の為に、卵巣切除したエストロゲン処理ラットの前湾反応に於ける 試験化合物の効果を評価するために、以下の研究を行った。
原料及び方法
動物:ロングエヴァンス(Long−Evans) 雌ズキンラット(100ないし125g)雄スプラグ−ドーリー(Sprague−Dawley)ラット(150ないし175g)を、チャールスリバーブリーディングラボラトリーズより入手した。
試薬:プロゲステロン(Cat.番号P−0130;Lot 128H0456)及びエストロン(Cat.番号P−9750;Lot 28H0372)をシグマケミカルカ
ンパニーより購入し、キネロラン(Cat.番号Q−110;Lot PRF−694A)及びブプロピオン(Cat.番号B−102;Lot BS−11−10)をリサーチバイオケミカルインコーポレティッドより購入した。試験化合物(Lot番号D5−91B)はSKバイオファーマシューティカルセンター、ニュージャージー州、フェアフィールドに於いて合成した。エストロン及びプロゲステロンはプロピレングリコール(フィシャーサイエンティフィック P355−1;Lot番号992032)に溶解した。試験化合物、キネロラン及びブプロピオンは滅菌生理食塩水(0.9% NaCl、アボットラボラトリーズ、Lot 番号25−270−DK)に溶解した。
卵巣摘出プロトコル:雌ラット(108ないし120g)をケタミン(Ketaset
100mg/ml、フォードドッジラボラトリーズ、lot番号440339)100mg/kg皮下注射、及びキシラジン(Rompun 20mg/ml、バイエルコーポレーション、lot番号26050E)7mg/kg皮下注射.で麻酔した。腹面上の正中切開(1cm)を生殖器から約0.5−1cmのところから始めた。第二の切開(1cm)は、筋膜を連結する白線を通して、腹筋まで行った。子宮体は恥骨の近辺に位置し、そして腹部切開部から引き出した。卵巣及び子宮角を腹壁から引き出した。それぞれの子宮角を二分割して除去した子宮体付近で結さつた。腹壁を2回の縫合で閉じ、また皮膚切開部分を傷用クリップか又は縫合により閉じた。ラットを、麻酔から覚めるまで保温した。OVX=卵巣切除した。
促進照明サイクル(10:14):照明は午前1時から午前11時まで点灯した。暗期の間、部屋は挙動を観測するのに必要な赤色ライトからの照明を除き暗く保持した。
挙動観測領域(アリーナ):側壁(45x60cm)及び孔(15x15cm)を有する天井(60x60cm)を、透明ルーサイトプラスチックで組み立て、接着剤で張り合わせた。底面はステンレススチール製の格子からなり床敷きを置いた。この領域及び底面は、試験期間中洗浄した。
雌の性挙動のプロトコル:照明サイクルの暗期の少なくとも2ないし3時間、雄ラットを挙動領域内に置き、試験前15分間順応させた。試験動物の試験に先立ち、雄ラットを、48時間前にエストロン0.25mg皮下注射で及び6時間前にプロゲステロン1mg皮下注射処理した性的受容性のあるOVXラットに曝露した。活発な交尾が起こった時、前記受容性のある雌ラットを除いた。試験雌ラット(試験前48時間にエストロン0.25mgのみで処理したOVX)を、活性化された雄のいる活動領域に加えた。15分間のlordosis反応を記録した(lordosisは、性器を曝す為の下向きの前湾姿勢と定義される)。
この第一試験の間、L/Mが4/15以下の雌ラットのみを試験薬物で処理し、90分後、前と同様に、15分間該ラットを再試験した。この除外基準は、ラットが過度にエストロンに受容性になる事に起因する相違を低くする為に用いられる。変化の指針は、試験2及び試験1の間のL/Mの変化である。処理群の統計学上の比較は、ANOVAを用い、次いで設計された多重処理群の為にダネット(Dunett)試験、及びシングルコントロール及び設計された処理群の為にスチューデント(Student‘s)試験を行い、最小の有意水準をp<0.05とした。
結果
試験化合物は10、30及び100mg/kg皮下注射.の用量での雌ラットの前湾挙動の用量依存性の上昇を生じた(表1)(図1も参照)。
(1)30及び100mg/kgに於ける試験化合物は、媒体処理に比べて有意に大きな前湾反応を生じた。参考までに、これらの動物の何体かは、その後にキネロラン(25μ
g/kg 皮下注射.)又はブプロピオン(30mg/kg 皮下注射.)のどちらかで処理した。キネロラン及びブプロピオンのどちらも媒体処理のものと比べlodotic反応の有意な上昇を生じた。
Figure 0005298334
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考察
試験化合物の一つの可能な臨床的適用はうつ病の治療である(Foreman MM:(“Disorders of Sexual Response: Pioneering new pharmaceutical and therapoutic oppotunities.”「性反応の障害:新規医薬品及び治療機会」)、Exp. Opin.Invest.Drugs 4巻、621頁−636頁、1995年参照)
多くの抗うつ薬が性反応を抑圧する事が知られているので、先行する研究は
このあり得る副作用の評価として役立つ。現在の研究では、実験化合物の処理は、マウンティング行動のための前湾反応の用量依存的な増加を生じさせた。これらの効果の度合いは、患者の性反応を増加させる事が知られているキネロラン及びブプロピオンと類似のものであった。(Foreman MM:“Disorders of sexual response:Pioneering new pharmaceutical and therapoutic opportunities.”(「性反応の障害:新規医薬品及び治療機会」)、Exp. Opin.Invest.Drugs 4巻621頁−636頁、1995年参照)
これらの研究は、試験化合物は性反応を抑圧しないが、性反応を増加させ得るという予備的証拠を提供する。観測された反応は、臨床試験に於ける性反応を増加させる2種の化合物と類似であるので、試験化合物は性障害の治療に用いられ得る。
概要
・試験化合物は、卵巣切除したエストロゲン処理ラットの30及び100mg/kg 皮下注射.での前湾反応に於いて、統計的有意差のある用量依存的な増加を生じた。
・試験化合物の効果(効能)の度合いは、患者の性反応を増加させると報告されているキネロラン及びブプロピオンで観測されたものと同様であった。
・これらの研究結果は、試験化合物は性反応を抑圧せず、試験化合物は性障害の治療に有用であるという予備的証拠を提供する。
引用された文献
ここに示す全ての引用された文献は、その全てを参照によって、及び同様の範囲の目的の為に、個々の文献又は特許又は特許出願が、全ての目的の為にその全てに於いて参照として取り込まれる事と、具体的に、及び個々に示されたのと同程度に、ここに取り込まれる。
本明細書中の文献の考察は、単に、それらの著者による主張を要約するために意図されたにすぎず、いかなる文献も先行技術を構成するとの承認するものではない。出願人は、引用文献の正確性及び適切性に異議を申し立てる資格を留保する。
本発明は、本発明の個々の局面を一つの説明として意図された明細書に記載の特定の実施態様に限定されるべきではない。本発明の多くの変更及び変形は、業者に明白であろうように本発明の精神と範囲から逸脱する事なくなされ得る。ここに列挙されたものに加えて、本発明の範囲内の機能的に同等の方法及び装置は先行文献及び添付の図面から当業者に明白であろう。その様な変更及び変形は、添付された特許請求の範囲の中に含まれる事を意図とする。本発明は、添付された特許請求の範囲の用語によって、その様な特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の完全な範囲とともに、のみ限定されるべきである。
図1は、雌ラットの前湾反応に於ける様々な用量の試験化合物の効果を、媒体及び活性対照のキネロランと比較した図である。

Claims (23)

  1. 式(1):
    Figure 0005298334
    (式中、
    Rx、R1及びR2は全て水素原子を表す。)
    で表される化合物又はその医薬品として許容できる塩の治療有効量を含む性機能障害治療薬。
  2. 実質的に他の光学異性体を含まない式1:
    Figure 0005298334
    (式中、
    Rx、R1及びR2は全て水素原子を表す。)
    で表される光学異性体又は式1で表される光学異性体の一つが優勢である光学異性体の混合物又はその医薬品として許容できる塩の治療有効量を含む性機能障害治療薬。
  3. 式1からなる群より選択されるひとつの光学異性体が90%以上の範囲で優勢である、請求項2に記載の性機能障害治療薬。
  4. 式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が98%以上の範囲で優勢である、請求項2に記載の性機能障害治療薬。
  5. 式1からなる群から選ばれた1つの光学異性体が式1a:
    Figure 0005298334
    (式中、
    Rx、R1及びR2は全て水素原子を表す。)
    で表される光学異性体(注:上記の式1aの化学構造中、ベータ炭素に結合したアミノ基は、紙面の平面内へ突き出ている。)又はその医薬品として許容できる塩である、請求項2に記載の性機能障害治療薬。
  6. 式1aからなる群より選択されたひとつの光学異性体が90%以上の範囲まで優勢である、請求項5に記載の性機能障害治療薬。
  7. 式1aからなる群より選択されたひとつの光学異性体が98%以上の範囲まで優勢である、請求項5に記載の性機能障害治療薬。
  8. 前記式1で表される化合物が、式1bで表される光学異性体又は式1bで表される光学異性体が優勢である光学異性体の混合物であり、これがO−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールであり;この化合物は(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメート 一塩酸とも命名されるものであり、
    Figure 0005298334
    (注:上記の式1bで表される化学構造(試験化合物)中、ベータ炭素に結合したアミノ基は、紙面の平面内へ突き出ている。)であり;これは絶対配置が(R)の右旋性(D)の光学異性体であるところの請求項2に記載の性機能障害治療薬。
  9. 式1bで表される光学異性体が90%以上の範囲で優勢である、請求項8に記載の性機能障害治療薬。
  10. 式1bで表される光学異性体が98%以上の範囲で優勢である、請求項8に記載の性機能
    障害治療薬。
  11. 光学異性体の治療有効量が0.01mg/kg/投与から300mg/kg/投与である、請求項8に記載の性機能障害治療薬。
  12. 性機能障害の原因となり得る他の治療薬、及び実質的に他の光学異性体を含まない式1:
    Figure 0005298334
    (式中、
    Rx、R1及びR2は全て水素原子を表す。)
    で表される光学異性体又は式1で表される光学異性体のひとつが優勢である光学異性体の混合物又はその医薬品として許容できる塩の治療有効量を含む性機能障害治療薬。
  13. 式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が90%以上の範囲で優勢である、請求項12に記載の性機能障害治療薬。
  14. 式1からなる群より選択されるひとつの光学異性体が98%以上の範囲で優勢である、請求項12に記載の性機能障害治療薬。
  15. 式1で表される群から選ばれた1つの光学異性体が式1a(式1aの化学構造中、ベータ炭素に結合したアミノ基は、紙面の平面内へ突き出ている。):
    Figure 0005298334
    (式中、
    Rx、R1及びR2は全て水素原子を表す。)
    で表される光学異性体又はその医薬品として適用可能な塩である、請求項12に記載の性機能障害治療薬。
  16. 式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が90%以上の範囲で優勢である、請求項15に記載の性機能障害治療薬。
  17. 式1からなる群より選択されたひとつの光学異性体が98%以上の範囲で優勢である、請求項15に記載の性機能障害治療薬。
  18. 実質的に他の光学異性体を含まない式1で表される化合物が、
    式1bで表される光学異性体又は式1bで表される光学異性体が優勢である光学異性体の
    混合物であり、これがO−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールであり;この化合物は(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメート 一塩酸とも命名されるものであり、
    Figure 0005298334
    (注:上記の式1bの化学構造(試験化合物)中、ベータ炭素に結合するアミノ基は、紙面の平面内へ突き出ている。)であり;これは絶対配置が(R)の右旋性(D)の光学異性体であるところの請求項12に記載の性機能障害治療薬。
  19. 式1bで表される光学異性体が90%以上の範囲で優勢である、請求項18に記載の性機能障害治療薬。
  20. 式1bで表される光学異性体が98%以上の範囲で優勢である、請求項18に記載の性機能障害治療薬。
  21. 前記その他の治療薬が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI's);選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI's);慣用の三環系抗うつ薬(TCAs);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO−阻害剤)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMAs)、第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系抗うつ薬、からなる群より選択される、請求項18に記載の性機能障害治療薬。
  22. 前記その他の治療薬が、フルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファクシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、5−MCA−NAT、炭酸リチウム(LiCO3)、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレジリン、モクロベミド、カッパ−オピオイドレセプターアンタゴニスト;選択的ニューロキニンアンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、タキキニンアンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクセピン、イミプラミン、ベンラファクシン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン、及びその医薬品として許容できる塩類からなる群より選択される、請求項18に記載の性機能障害治療薬。
  23. 光学異性体の治療有効量が0.01mg/kg/投与から300mg/kg/投与である、請求項18に記載の性機能障害治療薬。
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