以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図2および図5において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、被掃除面である床面上を走行可能な、いわゆるキャニスタ型の電気掃除機である。
そして、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される基端側に対して先端側が前方へ屈曲した接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた屈曲管状の把持操作用の把持操作部17と、この把持操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
また、掃除機本体13は、合成樹脂製の本体ケース24を備え、この本体ケース24は、上側が開放された下ケース25と、この下ケース25の上部後側を覆って取り付けられた上ケース26と、下ケース25の上部前側を開閉可能な蓋体27とを有している。そして、本体ケース24の内部には、電動送風機室31と、コードリール室32と、本体集塵室33とがそれぞれ区画されており、電動送風機室31内に電動送風機34が配置され、コードリール室32内にコードリール装置36が配置され、かつ、本体集塵室33内に、集塵袋である紙パック、あるいはサイクロン分離装置などの遠心分離装置である集塵装置、すなわち集塵カップなどの集塵部が着脱可能に配置されている。
下ケース25の両側部には、走行用の走行輪37が回転自在に軸支されている。
上ケース26の上部には、電動送風機34のオンオフおよび動作モードを設定するための設定ボタン38が横長に設けられている。
蓋体27は、本体集塵室33を開閉可能なものであり、上側に向けて本体吸込口39が開口形成されている。この本体吸込口39は、本体集塵室33に連通しており、管部12のホース体16の基端部が着脱可能に接続されるものである。
電動送風機室31は、下ケース25と上ケース26とにより覆われて本体ケース24内の後部に形成されており、電動送風機34からの排気風が、図示しない排気口を介して本体ケース24の外部へと排気可能となっている。
また、電動送風機34は、設定ボタン38で設定された所定の動作モードで動作することで管部12を介して空気とともに塵埃を吸い込むものである。そして、この電動送風機34は、前側を吸込側、後側を排気側として電動送風機室31内に配置されている。なお、この電動送風機34は、例えばカバー体などによって少なくとも一部が覆われていてもよい。
コードリール室32は、図1ないし図3に示すように、電動送風機室31の下部である下ケース25に、下面41と、この下面41に一体に形成された区画壁部としての区画リブ42と、電動送風機室31との間に位置する蓋部としての隔壁である平面視略円形状の区画板43とによって平面視で略円形状に区画されている。そして、このコードリール室32は、本体ケース24の左右幅方向の略中央部に位置している。
区画リブ42は、下ケース25の開口方向である上方に向けて突出している。すなわち、この区画リブ42は、下ケース25を成形する際の金型の開き方向に沿って、換言すればパーティングライン(パーティング面)に対して交差する方向に沿って形成されている。そして、この区画リブ42は、平面視で円弧状に形成された壁部としてのリブ本体45と、このリブ本体45の両端部から下ケース25の一側部へと略直線状に連続した連続部46,46とを備えている。
リブ本体45は、基端側である下端側から、先端側である上端側へと、下ケース25の成形時の金型からの離型性を向上するための抜き勾配が形成されている。換言すれば、リブ本体45は、少なくともコードリール装置36の外周側に対向する内周面側が、基端側(下端側)より先端側(上端側)に向けて拡開状に傾斜している。すなわち、リブ本体45は、基端側に対して先端側へと厚みが徐々に薄くなるように形成されている。なお、図1において、リブ本体45の抜き勾配は、便宜上、誇張して示している。
区画板43は、外周部が区画リブ42の上端の内側に挿入固定されていることで、コードリール室32の上側を覆っている。
そして、コードリール装置36は、巻枠部であるコードリール51と、このコードリール51に巻回された電源コード52と、コードリール51の回転を阻止可能なブレーキ装置53とを備えている。
コードリール51は、図1ないし図4に示すように、下側に位置する第1リール部としての下側リール本体55と、上側に位置する第2リール部としての上側リール本体56とを互いに連結して形成されて、周囲に電源コード52が巻回される略円筒状の胴体部57を有する略コイルボビン状となっており、回転軸58を介して本体ケース24の下ケース25に水平状に回転可能に軸支されている。
下側リール本体55は、コードリール51の一端側、すなわち胴体部57の一端側である下端側を構成する第1端板部としての平面視円形状の下側端板部61と、この下側端板部61の上面側の中央部に同軸状に形成され胴体部57の下側を構成する第1巻回部としての略円筒状の下側胴体部62とを一体に有している。
下側端板部61は、コードリール51に巻回された電源コード52の下側を支持(規制)するものであり、かつ、外周部がコードリール51の下側の外周をなすものである。この下側端板部61は、薄板状に形成されており、下側胴体部62よりも径寸法が大きく設定されている。さらに、この下側端板部61は、コードリール51を本体ケース24の下ケース25に取り付けた状態で、区画リブ42のリブ本体45の内周面の基端側(下端側)の位置に、所定の隙間G1を介して対向している。
また、下側胴体部62は、下側リール本体55の中心側を構成するものであり、コードリール51を電源コード52の巻き取り方向に付勢する付勢手段としてのぜんまいばね64を収容する図示しない収容部が内部に区画されている。また、この下側胴体部62の中央部には、図示しない摺動接点部が収容されており、この摺動接点部には、回転軸58が挿通されている。
摺動接点部には、上方に向けて突出した複数の接点端子が、回転軸58の周囲に互いに径方向に異なる位置に配置されており、これら接点端子の先端側が、摺動接点部の上側に同心状に配置された各摺動端子にそれぞれ圧接されて電気的に接続されている。
摺動端子は、電動送風機34およびこの電動送風機34の駆動を制御する図示しない制御手段である制御基板側と電気的に接続されている。
ぜんまいばね64は、一端側が回転軸58に固定され、他端側が下側リール本体55の内周面に固定され、コードリール51を電源コード52の巻き取り方向へと付勢している。
一方、上側リール本体56は、コードリール51の他端側、すなわち胴体部57の他端側である上端側を構成する第2端板部としての平面視円形状の上側端板部71と、この上側端板部71の下面側の中央部に同軸状に形成され胴体部57の上側を構成する第2巻回部としての略円筒状の上側胴体部72と、上側端板部71の上面側の中央部に同軸状に形成されブレーキ装置53が外周側に圧接されるブレーキディスク部である略円筒状の被ブレーキ部73とを一体に有している。
上側端板部71は、コードリール51に巻回された電源コード52の上側を規制するものであり、かつ、外周部がコードリール51の上側の外周をなすものである。この上側端板部71は、薄板状に形成されており、上側胴体部72よりも径寸法が大きく設定されている。さらに、この上側端板部71は、コードリール51を本体ケース24の下ケース25に取り付けた状態で、区画リブ42のリブ本体45の内周面の先端側(上端側)の位置に、所定の隙間G2を介して対向している。
ここで、上側端板部71は、隙間G2が隙間G1と略等しくなるように、外周径寸法が下側端板部61よりも小さく設定されている。すなわち、上側端板部71は、区画リブ42のリブ本体45の内周面に形成されている抜き勾配に対応して、下側端板部61よりも径寸法が大きく設定されている。
上側胴体部72は、上側リール本体56の中心側を構成するものであり、下端部が、下側リール本体55の下側胴体部62の上端部と密着して胴体部57を構成している。
被ブレーキ部73は、円筒状のリブ部であり、区画板43の下方に位置している。
回転軸58は、下端部が下ケース25に形成された保持受部75に保持されている。
また、電源コード52は、例えば10m〜12m程度の長さを有する長尺状のコード本体76と、このコード本体76の先端側に形成されたプラグ部77とを備えている。
コード本体76は、図示しない複数の電線を被覆体によって被覆して形成されている。また、このコード本体76は、断面視で扁平状に形成されており、基端から先端に亘って略同一の断面形状(断面積)を有している。換言すれば、このコード本体76は、基端から先端まで略同一の太さに形成されている。さらに、このコード本体76は、コードリール51の胴体部57に対して、扁平な側がコードリール51の径方向となるように、換言すれば、扁平な側へと順次重なるように巻回されることで、巻回された状態での径方向の厚みを抑制するように構成されている。また、このコード本体76の基端側は、コードリール51内に挿入されて摺動接点部の各接点端子と電気的に接続されている。さらに、このコード本体76の扁平な側の最大の厚みt、換言すれば電源コード52の最小太さは、コードリール51と区画リブ42のリブ本体45の内周面との隙間G1,G2以上の大きさとなっている。すなわち、0<G1≒G2≦tの関係を満たしている。
また、プラグ部77は、図示しないコンセントなどに接続されるもので、下ケース25の後部の一側寄りの下部に開口されたコード導出口79よりも大きい外形を有しており、このコード導出口79よりも後側、すなわち本体ケース24の外側に位置している。したがって、このプラグ部77は、電源コード52を最大に巻き取った状態でコード導出口79に当接することでコードリール51の回転のストッパとなっており、本体ケース24の内部に入り込んでしまわないように構成されている。
ここで、コード導出口79は、コードリール室32を区画する区画リブ42の後側の連続部46に開口形成された開口部81と連通していることで、コードリール室32内に連通している。
そして、ブレーキ装置53は、コードリール51の電源コード52の巻き取り方向への回転を阻止するもので、区画板43に回動可能に軸支された軸支部83と、この軸支部83に対して回転可能に軸支されたブレーキ回転体としてのブレーキ本体84と、軸支部83を介してブレーキ本体84を付勢するブレーキ付勢手段としてのコイルばね85とを有している。
軸支部83は、回動軸83aから径方向に突出した軸支本体83bと、回動軸83aから径方向に軸支本体83bと反対側へと突出した付勢受部83cとを備えている。
軸支本体83bは、ブレーキ本体84を上下から挟持して回転可能に軸支する部分であり、ブレーキ本体84の回転軸84aが挿通される軸支穴87が形成されている。
ここで、軸支穴87は、コードリール51の電源コード52の巻き取り方向、本実施の形態では図3中の時計回り方向側が、ブレーキ本体84の回転軸84aと略等しい径寸法となっているとともに、コードリール51の電源コード52の引き出し方向、本実施の形態では図3中の反時計回り方向側が幅広に形成されている。したがって、コードリール51が電源コード52の巻き取り方向へと回動しようとすると、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支穴87内で幅狭側へと移動してブレーキ本体84の回転がロックされてブレーキ装置53が作動するとともに、コードリール51が電源コード52の引き出し方向に回動する際には、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支穴87内で幅広側へと移動することにより、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支部83に対して回転自在となることで、ブレーキ装置53が作動しないように構成されている。
付勢受部83cには、コイルばね85の一端側が接続されており、軸支部83側(ブレーキ本体84)側をコードリール51の中心軸方向へと付勢するように構成されている。
なお、軸支部83は、コイルばね85は、本体ケース24に設けられた図示しないコード巻取ボタンを操作することで、コイルばね85の付勢に抗してブレーキ本体84が被ブレーキ部73の外周面から離間される方向に回動する。
ブレーキ本体84は、例えばゴム、あるいはエラストマなどにより形成されたローラ体であり、コードリール51の被ブレーキ部73の外周面に接触可能である。また、このブレーキ本体84は、上下方向に沿って回転軸84aを有している。
コイルばね85は、他端側が、区画板43に形成された保持部89に保持されている。
本体集塵室33は、図示しない連通孔を介して電動送風機34の吸込側と連通し、かつ、本体吸込口39を介して本体ケース24の外部と連通している。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
掃除の際には、まず、作業者は、掃除機本体13の蓋体27を開き、本体集塵室33に集塵部を取り付け、蓋体27を閉じる。このとき、作業者は上側の本体吸込口39に、接続管部15を介してホース体16を連通接続し、このホース体16の先端側に、延長管18および床ブラシ19を順次連通接続する。
さらに、作業者は、掃除機本体13から電源コード52を引き出してプラグ部77を図示しないコンセントに接続する。
このとき、コードリール51が電源コード52の引き出し方向に回転すると、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支穴87内で幅広側へと移動することにより、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支部83に対して回転自在となることでブレーキ装置53が作動せず、コードリール51が任意に回転する。この回転に伴い、ぜんまいばね64が巻き締められてコードリール51を電源コード52の巻き取り方向へと付勢する付勢力が増加する。
また、作業者が電源コード52の引き出しを停止すると、コイルばね85の付勢により、軸支部83の軸支本体83b側がコードリール51の中心軸方向へと回動するように付勢され、ブレーキ本体84の回転軸84aが軸支穴87内で幅狭側へと移動してブレーキ本体84の回転がロックされてブレーキ装置53が作動し、コードリール51がぜんまいばね64の付勢力によって電源コード52の巻き取り方向へと回動することが阻止される。
そして、作業者が、把持操作部17を把持して設定ボタン38を操作すると、この設定ボタン38により設定された動作モードに応じて電動送風機34が駆動されるので、作業者は、把持操作部17を把持して床面上で床ブラシ19を前後に走行させることで、電動送風機34による負圧によって、床ブラシ19の先端側から塵埃を空気とともに吸い込む。
床ブラシ19から塵埃とともに吸い込まれた空気は吸込風となり、延長管18およびホース体16(接続管部15)を介して、塵埃を本体吸込口39から集塵部へと運び、集塵部にて塵埃が捕集される。
この後、吸込風は、電動送風機34へと吸い込まれ、この電動送風機34を通過して排気風となり、本体ケース24の排気口から掃除機本体13の外部へと排気される。
掃除が終了し、電気掃除機11を収納する際には、電動送風機34を停止させる。
そして、作業者が、電源コード52のプラグ部77をコンセントから取り外し、コード巻取ボタンを操作すると、ブレーキ装置53の軸支部83の軸支本体83bが、コイルばね85の付勢に抗してブレーキ本体84がコードリール51の被ブレーキ部73から離間される方向へと回動することで、ブレーキ本体84が被ブレーキ部73から離間され、ぜんまいばね64の付勢力によりコードリール51が電源コード52の巻き取り方向へと回転し、電源コード52が胴体部57の周囲へと巻き取られる。
このとき、電源コード52は、コード本体76が、厚み方向を径方向に重ねるように胴体部57の周囲に順次巻回される。電源コード52を巻き取るに従い、コードリール51では、電源コード52のコード本体76が各端板部61,71の外周端近傍まで巻回された状態となるが、これら端板部61,71から径方向へとはみ出そうとすると、区画リブ42のリブ本体45の内周面に接触してはみ出しが規制されるとともに、リブ本体45の内周面とコードリール51の各端板部61,71との隙間G1,G2がコード本体76の扁平側の厚みtよりも小さいため、コード本体76が隙間G1,G2に噛み込むことがない。
そして、集塵部に捕集した塵埃が所定量以上溜まった場合には、作業者は掃除機本体13の蓋体27を開く。そして、集塵部が紙パックなどである場合には、捕集した塵埃とともに集塵部を廃棄して、新たな集塵部を本体集塵室33に取り付けて蓋体27を閉じる。また、集塵部が集塵カップなどである場合には、捕集した塵埃のみを廃棄し、集塵部を再度本体集塵室33に取り付けて蓋体27を閉じる。
このように、区画リブ42のリブ本体45は、合成樹脂製の本体ケース24の下ケース25に一体に形成され、この下ケース25の金型からの抜き方向に沿って突出しているため、基端側である下端側から先端側である上端側へと抜き勾配が形成されている。このため、コードリール51の下側端板部61と上側端板部71とを同径とする従来の場合では、これら端板部61,71の外周側とリブ本体45の内周面側との隙間が均一とならず、コードリール51や電源コード52がリブ本体45と接触したり、端板部61,71の外周側とリブ本体45の内周面側との隙間からはみ出して、この隙間に噛み込んでしまったりして、コードリール51の回転性を損なうことがあった。また、端板部61,71の外周側とリブ本体45の内周面側との隙間からはみ出した電源コード52は、巻き取りなどの際に絡み付くおそれがあった。
そこで、上記一実施の形態では、コードリール51の区画リブ42のリブ本体45の内周面の下端側に対向する下側端板部61の外周径を相対的に小さく、リブ本体45の内周面の上端側に対向する上側端板部71の外周径を相対的に大きく形成してリブ本体45の内周面側との間に電源コード52の最小太さ以下の隙間G1,G2を介在させることで、コードリール51の回転性を確保しつつ、コードリール51の外周とリブ本体45との隙間G1,G2から電源コード52がコードリール51の外周側へとはみ出すことを防止できる。
特に、海外などで用いられる電気掃除機11は、電源コード52の長さが要求されるため、電源コード52の長さを確保しつつコードリール51を含めた掃除機本体13全体の大きさを抑制するために、電源コード52のコード本体76を扁平な形状とすることで、コードリール51に巻回したときの電源コード52のボリュームを抑制するように構成することが好ましいが、このように電源コード52のコード本体76を扁平な形状とすると、隙間G1,G2にコード本体76が噛み込んだり、隙間G1,G2からコード本体76がはみ出したりしやすくなる。このため、上記一実施の形態のように隙間G1,G2を電源コード52の最小太さ以下に設定することにより、扁平な形状のコード本体76を有する電源コード52を用いながら、コードリール51の回転性を確保し、かつ、電源コード52のコードリール51の外周側へのはみ出しを防止できる。
また、電源コード52の隙間G1,G2への噛み込みを防止できるため、このような噛み込みによって電源コード52を傷めることを防止でき、長期に亘って電源コード52の寿命を確保できる。
さらに、区画リブ42は、本体ケース24の下ケース25と一体に形成しているため、コードリール51の外周側からの電源コード52のはみ出しを規制するための構成を別体で設ける場合と比較して、構成を簡略化でき、部品点数を抑制して組み立て性を向上できる。
次に、一参考技術を図6ないし図8を参照して説明する。なお、上記一実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この一参考技術は、上記一実施の形態において、区画リブ42に、複数の突部としての円筒状のボス部91が一体に形成されているものである。
これらボス部91は、リブ本体45および連続部46,46にそれぞれ形成されており、下ケース25の下面から、区画リブ42と略等しい高さに突出している。また、これらボス部91の中心軸は、リブ本体45および連続部46,46の厚み方向の中心に沿っている。すなわち、これらボス部91は、区画リブ42に対して、この区画リブ42の内側と外側とにそれぞれ突出している。換言すれば、リブ本体45に位置する各ボス部91は、径方向(中心軸方向)に突出している。さらに、これらボス部91は、互いに離間されて配置されている。そして、これらボス部91は、リブ本体45に代えてコードリール51の外周側からの電源コード52のはみ出しを規制するとともに、区画板43を区画リブ42に図示しないねじなどの固定手段により取り付け固定するためのものである。
また、各ボス部91は、基端側である下端側から、先端側である上端側へと、下ケース25の成形時の金型からの離型性を向上するための抜き勾配が形成されている。換言すれば、ボス部91は、少なくともコードリール装置36の外周側に対向する内側が、基端側(下端側)より先端側(上端側)に向けて拡開状に傾斜している。すなわち、ボス部91は、基端側に対して先端側へと径寸法が徐々に小さくなるように形成されている。なお、図6において、各ボス部91の抜き勾配は、便宜上、誇張して示している。
また、コードリール51の下側端板部61は、外周側がボス部91の基端側(下端側)の内面に所定の隙間G3を介して対向している。そして、この下側端板部61は、隙間G3がコード本体76の扁平側の厚みt以下、すなわち電源コード52の最小太さ以下となるように径寸法が設定されている。
同様に、コードリール51の上側端板部71は、外周側がボス部91の先端側(上端側)の内面に所定の隙間G4を介して対向している。そして、この上側端板部71は、隙間G4がコード本体76の扁平側の厚みt以下、すなわち電源コード52の最小太さ以下で、かつ、隙間G3と略等しくなるように径寸法が設定されている。したがって、この上側端板部71は、ボス部91の内面側に形成されている抜き勾配に対応して、下側端板部61よりも径寸法が大きく設定されている。そして、隙間G3,G4は、0<G3≒G4≦tの関係を満たしている。
さらに、区画板43は、外周縁部の各ボス部91に対応する位置に、固定手段を挿入するための孔部94がそれぞれ形成されている。また、区画板43の下面には、各孔部94の周囲に、各ボス部91の上端側を内部に嵌合させるための嵌合部95がそれぞれ形成されている。
そして、本体ケース24の組み立ての際には、保持受部75に下端部を取り付けた回転軸58に、電源コード52を巻回したコードリール51を軸支した状態で、区画板43を、各嵌合部95に各ボス部91の上端側を嵌合させるように区画リブ42の上部に取り付け、各孔部94と各ボス部91とを位置合わせして、固定手段により区画板43を固定する。
掃除の終了時などに、作業者が、電源コード52のプラグ部77をコンセントから取り外し、コード巻取ボタンを操作してブレーキ装置53によるコードリール51のブレーキを解除すると、ぜんまいばね64の付勢力によりコードリール51が電源コード52の巻き取り方向へと回転し、電源コード52が胴体部57の周囲へと巻き取られる。
このとき、電源コード52は、コード本体76が、厚み方向を径方向に重ねるように胴体部57の周囲に順次巻回される。電源コード52を巻き取るに従い、コードリール51では、電源コード52のコード本体76が各端板部61,71の外周端近傍まで巻回された状態となるが、これら端板部61,71から径方向へとはみ出そうとすると、各ボス部91の内面に接触してはみ出しが規制されるとともに、各ボス部91の内面とコードリール51の各端板部61,71との隙間G3,G4がコード本体76の扁平側の厚みtよりも小さいため、コード本体76が隙間G3,G4に噛み込むことがない。
上記一参考技術によれば、コードリール51の各ボス部91の内面の下端側に対向する下側端板部61の外周径を相対的に小さく、各ボス部91の内面の上端側に対向する上側端板部71の外周径を相対的に大きく形成して各ボス部91の内周面側との間に電源コード52の最小太さ以下の隙間G3,G4を介在させることで、コードリール51の回転性を確保しつつ、コードリール51の外周と各ボス部91との隙間G3,G4から電源コード52がコードリール51の外周側へとはみ出すことを防止できる。
また、各ボス部91によってコードリール51の外周側からの電源コード52のはみ出しを規制することにより、コードリール51や電源コード52が仮に各ボス部91に接触した場合でも、接触面積が線状となり、接触面積が少なくて済むので、コードリール51の回転性を損ないにくい。
さらに、区画板43を取り付けるための各ボス部91を、コードリール51の外周側からの電源コード52のはみ出しを規制する突部として兼用することで、それぞれを別個に設ける場合と比較して、構成を簡略化できる。
なお、上記一参考技術において、リブ本体45を設けず、各ボス部91のみを設ける構成としてもよい。
また、突部としては、ボス部91に限らず、リブ本体45から少なくともコードリール51の中心軸方向へとリブ状に突出させたものなどでもよい。
さらに、上記一実施の形態において、端板部61,71の外周端面は、リブ本体45あるいはボス部91の抜き勾配に対応させて傾斜状としてもよい。この場合には、隙間G1,G2をより精度よく設定できる。
そして、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、掃除機本体13の下部に床ブラシ19を接続するアップライト型、あるいは、掃除機本体13の前部に床ブラシ19を接続するハンディ型などでも、対応して用いることができる。