JP5296318B2 - 核酸の調製確認方法 - Google Patents

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Description

本発明は、核酸、好ましくはmiRNAの調製操作の成否を確認するための方法に関する。
miRNA(マイクロRNA)は15〜25塩基の短い1本鎖RNAで、このmiRNAがmRNAの3末端のUTR領域に結合することで、様々な翻訳制御を行っていることが、近年報告されている。miRNA概念の発見は1993年に初めて報告されているが(Cell 75(3).,843−854,1993)、miRNAが上記のように翻訳制御機構において大きな役割をなしていることが発見されたのは、2001年以降である(Cell 107(7).,823−826,2001、Cell 116(2).,89−92,2004)。当初、miRNAは線虫、酵母などから発見されてきたが、現在はヒトで255個、マウスで184個発見されている。これらの配列は公知であり、公共のDBにアクセスすることにより、配列情報等を取得することができる
(URL:http://www.biocenter.helsinki.fi/bi/rnd/biocomp/DB1.HTM#RNADB、URL:http://www.ambion.com/techlib/resources/miRNA/mirna_list.html)。いくつかのmiRNAは、機能(翻訳抑制機能)が解明されているが、多くのmiRNAの機能は不明である。
これまでに、miRNAの発現レベルは、ノーザンブロット解析や、クローニングなどの手法によって検索されてきたが、よりハイスループットな手法として、miRNA検出用のマイクロアレイが開発されてきている。
マイクロアレイを用いてmiRNAを検出するためには、標識効率を向上させる目的で、余分な鎖長のRNA分画を排除する必要がある。また、クロスハイブリダイゼーションを抑制する目的で、予めTotal RNAからmiRNAを含む200塩基以下程度の短鎖のRNA分画のみを分取し、それを標識してハイブリダイゼーションに供する必要がある。
短鎖RNAを分画するためのキットやプロトコールは、Ambion、Invitrogenなどの複数の会社から提供されている。短鎖RNAを分画するための手法としては、ゲルを用いて電気泳動した後、核酸の移動度に従って、短鎖RNAをゲルから切り出す分画方法、シリカゲルメンブレン等を用いた手法、アクリルアミドゲルの通過にかかる時間差によって、短鎖RNAのみを抽出する方法が知られている。
しかしながら、上記のような方法を使用する場合は、分画操作の操作再現性を得ることが困難である場合が多い。例えば、市販のカラム精製キットを用いる場合は、分画される範囲は、塩溶液の濃度、EtOHの含有比率、温度、時間等によって変化する場合があることが知られている。
そこで、短鎖RNAを分画後、分画操作の成否を判断する必要がある。分画操作の成否の判断方法には、高濃度のアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、バンドの確認をする方法が考えられる。
しかし、200塩基以下程度の短鎖RNAに分画した場合でも、それらを電気泳動した後のゲルにおいてインターカレータ等で染色されるバンドは、rRNAやtRNAが主である。Total RNA中に含まれる20塩基程度のmiRNAの量は非常に少ないため、多量のサンプルを使用しなければその存在がバンドとして確認できないことが多い。
一方、短鎖RNA分画操作において、本来取り除かれるべき長鎖RNAが短鎖分画に混入する可能性も否定できない。長鎖RNAが短鎖RNA分画に混入することにより、短鎖RNAに含まれる鎖長のプロファイルが大きく変わると、標識効率に大きな影響を与えることが考えられるため、望ましいことではない。
以上のように、現状の実験手法では、分画操作によってtotal RNAから短鎖RNA、特にmiRNAが取得されていることを確認する手段が無いに等しい。また、それらの核酸に対する標識操作の成否を確認することも困難である。したがって、miRNAの存在の有無、標識操作の成否等が確認されていないサンプルを、マイクロアレイに対してハイブリダイゼーションし、シグナルがほとんど得られない場合、もともとのサンプル中にmiRNAが存在しないのか、あるいは、分画及び標識等の調製操作に問題があったのかが、マイクロアレイのデータからだけでは判別することはできなかった。
本発明は、試料から核酸、例えばmiRNAを調製する操作の成否を確認するための方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を行った。本発明者は、miRNAとほぼ同一長の対照核酸の存在下で、total RNAなどの試料から、miRNAを含む短鎖核酸を調製した。得られた核酸を、対照核酸の相補配列を含むプローブを搭載したマイクロアレイで解析すると、対照核酸のシグナルの有無によって、核酸調製操作の成否を判断することが可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)核酸の調製操作の成否を確認する方法であって、以下の工程:
(a)調製目的となる核酸の長さと同等の長さを有する対照核酸を含む試料から、核酸を調製する工程、及び
(b)調製後の核酸をマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせ、前記対照核酸に相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした、前記対照核酸のシグナルを検出する工程
を含む、前記方法。
(2)核酸の調製操作の成否を確認する方法であって、以下の工程:
(a)調製目的となる核酸の長さと同等の長さを有する対照核酸及び調製目的となる核酸の長さの10〜100倍の長さを有する対照核酸を含む試料から、核酸を調製する工程、及び
(b)調製後の核酸をマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせ、前記対照核酸に相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした、前記対照核酸のシグナルを検出する工程
を含む、前記方法。
上記(1)及び(2)において、調製目的となる核酸は、例えば、miRNAを挙げることができる。
また、核酸を調製する工程には、例えば、核酸を精製すること及び核酸を標識することが含まれる。
本発明により、試料から調製目的の核酸を調製する際に当該核酸と同等の長さを有する対照核酸を試料中に存在させることによって、当該調製操作の成否を確認することが可能となった。
また、本発明により、miRNAのマイクロアレイ解析において、miRNAと同等の長さを有する対照核酸を使用することにより、マイクロアレイの結果からmiRNAの精製操作、標識操作の成否を確認することが可能となった。
図1は、中空繊維束を製造するための配列固定器具を示す図である。
図2は、実施例2のハイブリダイゼーション後のマイクロアレイの画像を示す図である。囲み画像は左から順に、probe cont1、probe cont2、probe cont4、probe cont5、probe cont6、probe cont7、YLR377C 21b−1及びYLR377C 21b−2(上段)、並びにYLR377C 21b−3(下段)の位置を示す(上パネル、下パネル)。
符号の説明
11・・・・孔
21・・・・多孔板
31・・・・中空繊維
41・・・・板状物
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定させるものではない。
なお、本明細書において引用した文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる日本国特許出願第2005−344451号の開示内容を包含する。
1.本発明の概要
本発明は、核酸の調製操作の成否を確認する方法である。具体的には、本発明は、まず調製目的となる核酸とほぼ同一長の対照核酸(以下、「短鎖スパイクコントロール」ともいう)の存在下で、核酸の調製操作を行う。次に、当該スパイクコントロールと相補的な配列を有するキャプチャープローブを搭載したマイクロアレイを使用して、調製後の核酸をハイブリダイズさせた後に、短鎖スパイクコントロールのシグナルが一定以上の値で検出できれば、核酸の調製操作自体に問題はないことが確認され、あるいは、当該シグナルが検出できなければ、ハイブリダイズ以前の調製操作において核酸を損失していることが確認されるというものである。
また、本発明の別の態様では、核酸の調製操作において、適切な調製操作を行えば、調製後のサンプルに混入しないことが経験的に明らかである長さの対照核酸(以下、「長鎖スパイクコントロール」ともいう)をさらに存在させてもよい。本態様では、長鎖スパイクコントロールのシグナルが検出されなければ、調製操作自体に問題はないことが確認され、あるいは、長鎖スパイクコントロールのシグナルが一定以上の値で検出されれば、調製操作の際に、分画される予定の長さよりも長い核酸が調製後の核酸に混入していることが確認される。
本明細書において、「調製目的となる核酸」又は「調製目的の核酸」とは、調製操作によって出発試料から取得することを目標とする核酸を意味する。本発明は、調製目的となる核酸が、実際に調製されたか否かを確認するための手段を提供するものである。
本発明の方法によって、上記のスパイクコントロール及びマイクロアレイに搭載されたプローブを用いたマイクロアレイの検出結果から、核酸の調製操作の成否を確認することが可能となる。例えば、本発明の方法によって、調製目的の核酸(例えば、miRNA)のマイクロアレイ解析においてシグナルが確認できなかった場合に、もともとの出発試料中に調製目的の核酸が検出できる程度に存在しなかったのか、又は調製操作において調製目的の核酸が失われたのかを確認することができる。
2.スパイクコントロール
本発明において、スパイクコントロールは出発試料に添加される核酸である。
本発明のスパイクコントロールは、DNA及びRNAのいずれでもよいが、当業者であれば調製目的の核酸、調製条件等を考慮して、核酸の種類を適宜選択することができる。本発明のスパイクコントロールは、調製目的の核酸との標識効率が一致する点では、当該核酸と同じ種類であることが好ましい。一方、安定性の面においては、スパイクコントロールはDNAであることが好ましい。
例えば、調製目的の核酸がmiRNAである場合は、スパイクコントロールはRNA又はDNAのいずれでもよい。この場合、RNAは、調製目的の核酸との標識効率が一致する点、また、シグナル強度が強くなる点で好ましく、DNAは、製造の安定性の点や操作の簡便性の点で好ましい。当業者であれば、スパイクコントロールに用いる核酸の種類を、DNA及びRNAから適宜選択することができる。
本発明のスパイクコントロールは、公知の方法で合成することができる。例えば、Applied Biosystems 3400 DNA合成機などの市販の核酸合成装置を用いることによって合成することができる。
また、本発明のスパイクコントロールは、スパイクコントロールの配列を含む核酸を鋳型にしたPCRを利用して得ることもできる。PCRに用いるフォワードプライマーとして、5’末端がリン酸化されたプライマーを使用すると、得られたPCR産物をexonuclease処理することによって一本鎖DNAを得ることができる。得られた一本鎖DNAをスパイクコントロールとして使用することができる。
また、本発明のスパイクコントロールがRNAである場合は、転写産物を用いることも可能である。
本発明において、出発試料に添加されるスパイクコントロールは1種類の核酸でもよいし、複数種類の核酸でもよい。複数種類の核酸を使用するときは、各コントロールは同一の量を添加してもよいし、コントロール毎に異なる量を添加してもよい。各スパイクコントロールは、出発試料に別々に添加してもよいし、予め混合してから出発試料に混合液を添加してもよい。
調製目的となる核酸が調製操作によって消失したか否かを確認するためには、短鎖スパイクコントロールを出発試料に添加すればよい。また、核酸の調製操作において適切な操作によっては混入しない長さの核酸が混入したか否かを確認するためには、長鎖スパイクコントロールを出発試料にさらに添加すればよい。以下に、短鎖スパイクコントロール及び長鎖スパイクコントロールについて説明する。
(1)短鎖スパイクコントロール
本発明において、調製目的となる核酸と同等又はほぼ同一長の対照核酸を、「短鎖スパイクコントロール」ともいう。
本明細書において、「同等の長さ」又は「ほぼ同一長」とは、調製目的となる核酸の長さと同一の長さ又は当該核酸の長さから±100〜0塩基、好ましくは±10〜0塩基、より好ましくは、±6〜0塩基、さらに好ましくは±1〜0塩基の範囲の長さを意味する。
短鎖スパイクコントロールは、調製目的の核酸とともに調製され、マイクロアレイ解析される。短鎖スパイクコントロールは、マイクロアレイ解析される試料中の調製目的の核酸の有無を判断するために出発試料に添加されるものである。したがって、短鎖スパイクコントロールは、マイクロアレイ解析において、アレイに搭載された調製目的の核酸に対応するプローブとクロスハイブリダイゼーションしないような配列であることが望ましい。すなわち、短鎖スパイクコントロールは、調製目的の核酸との相同性を考慮して、調製目的の核酸と低い相同性となるように設計することが好ましい。相同性は、既存のデータベースから既知の配列情報を入手して、公知の相同性検索ソフトを利用することで求めることができる。
調製目的の核酸と相同性の低い短鎖スパイクコントロールは、例えば、出発試料の由来する種とは異なる種において特異的に発現する遺伝子の配列を基に設計してもよい。
さらに、上記のようなスパイクコントロールに相補的な塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、調製目的となる核酸と相同性の低い核酸も短鎖スパイクコントロールとして用いることができる。
ここで、ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄時の条件であって、塩濃度が100〜1000mM、温度が40〜75℃、好ましくは塩濃度が100〜500mM、温度が40℃〜60℃の条件を意味する。例えば、2×SSCで50℃等の条件を挙げることができる。
調製目的の核酸がmiRNAである場合には、さらに、以下の条件(i)及び(ii)の両方、又はいずれかをもとにして、短鎖スパイクコントロールを設計することができる。
条件(i):Gの数が5個
条件(ii):Cの数が6個
例えば、A、T、G、Cから構成される21塩基のランダムな1000種類の配列から、条件(i)及び(ii)に当てはまる配列を検索してもよい。このような検索によって選択される配列に関して、miRNAのデータベースであるmiRBaseで相同性検索を行い、miRNAと類似性が十分に低いことを確認してもよい。miRNAを調製する際に用いる短鎖スパイクコントロールの例として下記の6種類の配列を挙げることができる。
Cont1 ACAGGCCCGTTACCGTAGTAT (配列番号1)
Cont2 CTTTGGGTCGACGTTTCTTCC (配列番号2)
Cont4 TTGTATGCCGGACCTTCCGTA (配列番号3)
Cont5 CTTGCCAATCGTTGTCGAGCA (配列番号4)
Cont6 AACTGATCGGTCGTACCGCAA (配列番号5)
Cont7 CCGCATTACGTGTCAAAGCGA (配列番号6)
(2)長鎖スパイクコントロール
本発明において、適切な調製操作を行えば、調製後のサンプルに混入しないことが経験的に明らかである長さの対照核酸を、「長鎖スパイクコントロール」ともいう。適切な調製操作は、例えば、調製操作に用いるキットに添付の説明書に従った操作等をあげることができる。混入しないことが経験的に明らかである核酸の長さは、例えば、キットに添付の説明書に記載された分画範囲外の核酸長をあげることができる。長鎖スパイクコントロールは、具体的には、調製目的となる核酸長の10〜100倍、好ましくは10〜50倍、より好ましくは10〜20倍の長さを有する対照核酸である。
長鎖スパイクコントロールは、調製目的の核酸が調製される工程において、適切な調製操作によっては混入しないことが経験的に明らかである長さの核酸が、実際の操作によって混入したか否かを判断するために試料に添加されるものである。したがって、長鎖スパイクコントロールの塩基長は、調製操作によって分画される予定の長さよりも十分に長いこと、又は場合によっては十分に短いことが必要である。
適切な調製操作によっては混入しない核酸長は、調製操作の内容によって左右される。例えば、カラムを用いて分取操作を行う場合、投入エタノール量が予定よりも少ない場合などは、より長いRNA鎖が短鎖RNAに混入する場合がある。調製操作時の温度や、調製にかかった時間等も、分画範囲に影響を与えることがある。
また、長鎖スパイクコントロールは、マイクロアレイ解析において、アレイに搭載された調製目的の核酸に対応するプローブとクロスハイブリダイゼーションしないような配列であることが望ましい。すなわち、長鎖スパイクコントロールは、調製目的の核酸との相同性を考慮して、調製目的の核酸と低い相同性となるように設計することが好ましい。相同性は、上記のように求めることができる。
調製目的の核酸と相同性の低い長鎖スパイクコントロールは、例えば、出発試料の由来する種とは異なる種において特異的に発現する遺伝子の配列を基に設計してもよい。
さらに、上記のようなスパイクコントロールに相補的な塩基配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、調製目的となる核酸と相同性の低い核酸も長鎖スパイクコントロールとして用いることができる。
ここで、ストリンジェントな条件とは、前述のとおりである。
調製目的の核酸が、例えばマウス由来のmiRNAの場合、酵母YLR377Cの配列情報をもとに長鎖スパイクコントロールを設計することができる。下記のプライマーを用いて酵母YLR377CのゲノムDNAをPCRで増幅すると、300塩基対のPCR産物を得ることができる。このとき、5’末端がリン酸化されたForward primerを使用すれば、得られたPCR産物を、strandaseTM λ Exonuclease(Novagen製)などで処理して一本鎖とし、長鎖スパイクコントロール(ssYLR377C 300b)とすることができる。
Forward primer:AAGCCTTTCTCGGCTAGGTATGTTGGATCC (配列番号13)
Reverse primer:CTACTGTGACTTGCCAATATGGTCTAAAAA (配列番号14)
3.核酸の調製操作
上記のように、本明細書において「調製目的となる核酸(調製目的の核酸)」とは、調製操作によって出発試料から取得することを目標とする核酸を意味する。本発明において、調製目的となる核酸は、試料に含まれる核酸全体から、一定の核酸長を指標に用いて分画できる限り限定されるものではないが、短鎖RNAなどの短鎖核酸をあげることができる。短鎖核酸は、例えば、150〜15塩基、好ましくは50〜15塩基、より好ましくは25〜15塩基の核酸を挙げることができる。また、本発明において、調製目的となる核酸は、例えばmiRNAである。
本発明において、上記のスパイクコントロールを出発試料に添加し、スパイクコントロールを含む試料から、核酸を調製する。
本発明において、出発試料の由来は、特に限定されず、例えば哺乳動物、植物、昆虫、線虫、その他由来の試料を挙げることができる。
本発明で使用される出発試料は、上記由来であれば、組織、細胞、細胞抽出液などであってもよく、細胞抽出液から得られたtotal RNAのように、核酸精製操作の途中段階の試料であってもよい。例えば、マウス由来のtotal RNAは、例えばマウス大脳からAGPC(acid guanidinium thiocyanate−phenol−chloroform)法などの公知の方法によって抽出することができる。
出発試料に添加するスパイクコントロールの量は、当業者であれば、出発試料に含まれる調製目的となる核酸の量又は濃度、使用する検出デバイスの検出限界、ダイナミックレンジなどを考慮して適宜設定することができる。例えば、短鎖スパイクコントロールは、使用する検出デバイスの性能に基づき、ハイブリダイズ後に十分検出できる量を添加すればよい。また、長鎖コントロールは、検出にかかわる標識物質の量が所定の方法で十分に検出可能である量となるように添加すればよい。
添加するスパイクコントロール量が多すぎると、非特異的なシグナルが生じるおそれ、あるいは長鎖スパイクコントロールが短鎖核酸分画に混入するおそれがある。ハイブリダイズの結果、これらの現象が認められたときには、添加するスパイクコントロールの量を調整することができる。
調製目的となる核酸がmiRNAの場合、繊維型マイクロアレイで本発明の方法を実施するには、短鎖スパイクコントロール、長鎖スパイクコントロール共に、0.1pg〜10000ng/50μl、好ましくは1pg〜1000ng/50μl、より好ましくは10pg〜100ng/50μlとなるように出発試料に添加することができる。例えば、出発試料が12.5μgのtotal RNA、精製スケールが50μlスタートであれば、添加する各短鎖スパイクコントロールの量は50pg〜500pg、各長鎖スパイクコントロールの量は5ngで実施可能である(実施例2)。また、スパイクコントロールを複数種類使用する場合は、各スパイクコントロールの添加濃度を適宜変更することも可能である。
本発明において、核酸の調製操作には、核酸の精製操作及び/又は核酸の標識操作が含まれる。核酸の精製操作と核酸の標識操作の順番は、特に限定されず、いずれの操作を先に実施してもよく、あるいは同時に行ってもよい。また、核酸の調製操作は、精製操作に続いて標識操作を行い、さらに精製操作を行うといったように、精製操作又は標識操作を複数回含んでいてもよい。
本発明において、精製操作は公知の核酸精製方法を使用することができる。例えば、グアニジン塩酸法又はフェノール抽出法により、試料から調製目的の核酸を精製することができる。また、市販のキットを用いて調製目的の核酸を精製することもできる。例えば、ISOGEN、Trizol、RNeasyなどのtotal RNA抽出キット又はRNA精製キットを購入して、本発明の精製操作に使用することができる。キットを用いる場合は、キットに添付された指示書にしたがって、調製目的の核酸を精製することができる。
本発明において、調製後の核酸はマイクロアレイに供されるために、調製後の核酸は、マイクロアレイの検出感度を向上させる観点、また、サンプル中に含まれる配列の種類を少なくすることによってクロスハイブリダイゼーションを抑制する観点から、分画により調製目的の核酸の長さから少なくとも±500塩基以内の範囲の核酸とすることが好ましい。所望の長さの核酸を得るには、カラム分画法又はエタノール沈殿を利用することができる。核酸は、例えば実施例2に記載の方法によって、短鎖核酸と長鎖核酸に分画することができる。
例えば、調製目的の核酸がmiRNAの場合、調製後の核酸は低分子の核酸となるように精製することが好ましい。精製方法としては、例えば、公知のグアニジン塩酸法又はフェノール抽出法の後、カラム分画法により200塩基以下の低分子のRNAとすればよい。もしくはmirVana miRNA Isolation kit(Ambion社製)で調製することも可能である。
本発明において、標識操作は公知の核酸標識方法を使用することができる。例えば、ランダムプライマーにより、逆転写時にアミノアリル−dUTPを取り込み、アミノアリルを介して標識物質を取り込む方法、T4 RNA Ligaseにより核酸を標識する方法、ビオチンヒドラジドにより末端標識を行う方法などによって核酸試料を標識することができる。また、市販のキットを用いて調製目的の核酸を標識することもできる。例えば、Invitrogen製のULYSIS Alexa Fluorや、KREATECH Biotechnology BV製のPlatinaBrightを用いて核酸を直接標識してもよいし、Ambion社製のmirVana miRNA Labeling Kitなどのキットを購入して、本発明の標識操作に使用してもよい。キットを用いる場合は、キットに添付された指示書にしたがって、調製目的の核酸を標識することができる。
本発明において、核酸は、放射性同位元素、蛍光標識、酵素標識等で標識される。蛍光標識の場合、例えば、Cy3、Cy5、FAM、Alexa Flour(登録商標)、DY−647、PacificBlueTMでの標識が挙げられる。
4.マイクロアレイ
(1)マイクロアレイ
本明細書において、マイクロアレイは、複数の区画にオリゴヌクレオチド、cDNA等のキャプチャープローブ(以下、「プローブ」ともいう)を固定し、遺伝子の発現パターンのモニタリング、新規遺伝子のスクリーニング、遺伝子変異、多型の検出等を行うことができるデバイスを意味する。マイクロアレイの形態は様々なものが知られている。例えば、光リソグラフ技術を利用して、基板上に高密度でプローブを固定したマイクロアレイ、ガラス基板等にスポッティングによりプローブを固定したマイクロアレイ等が知られている。また、繊維型マイクロアレイも知られている(特許第3510882号公報参照)。
マイクロアレイとしては、基板に複数の貫通孔が存在し、それら貫通孔にはゲルを介してプローブが固定されているマイクロアレイが好適に使用される。そのようなマイクロアレイとしては、特開2000−60554号に記載のマイクロアレイや、繊維型マイクロアレイが例示できる。
以下に、繊維型マイクロアレイについてより詳細に説明する。繊維型マイクロアレイは、例えば、下記のa)〜d)の工程を経て作製することができる。
a)複数本の中空繊維を、中空繊維の長手方向が同一方向となるように3次元に配列し配列体を製造する工程。
b)前記配列体を包埋し、ブロック体を製造する工程。
c)核酸プローブを含むゲル前駆体重合性溶液を該ブロック体の各中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、核酸プローブを含むゲル状物を中空部に保持する工程。
d)中空繊維の長手方向と交叉する方向で、切断してブロック体を薄片化する工程。
中空繊維材料としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系中空繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート等のポリエステル系中空繊維、ポリアクリロニトリル等のアクリル系中空繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系中空繊維、ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリレート系中空繊維、ポリビニルアルコール系中空繊維、ポリ塩化ビニリデン系中空繊維、ポリ塩化ビニル系中空繊維、ポリウレタン系中空繊維、フェノール系中空繊維、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等からなるフッ素系中空繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系中空繊維等が挙げられる。
上記中空繊維は、その長手方向が同一となるように3次元に配列される。配列方法としては、例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11−108928号公報参照)が挙げられる。また、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ねあわせ、それらの孔部に、中空繊維を通過させ、2枚の多孔板の間隔を開き、2枚の多孔板間の、中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させ硬化させる方法(特開2001−133453号公報参照)が挙げられる。
次に配列体はその配列が乱れないように包埋される。包埋の方法としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を繊維間の隙間に流し込む方法、繊維同士を熱融着により接着する方法等が挙げられる。
次に包埋された配列体の各中空繊維の中空部に、核酸プローブを含むゲル前駆体重合性溶液を導入し、中空部内で重合反応を行う。これにより中空部にゲルが保持され、ゲルには核酸プローブが固定される。
ゲル前駆体溶液としては、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アクリロイルアミノプロパノール、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、アリルデキストリン等の単量体の一種類以上と、架橋性モノマーとしてメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を含むものである。予め核酸プローブの末端を不飽和官能基で修飾しておけば、核酸プローブの末端を介してゲル前駆体と共重合することにより、ゲルの構成に核酸プローブが化学結合する(特開2004−163211号公報参照)。
次に、中空繊維の長手方向と交叉する方向で、切断してブロック体を薄片化する。ここで作製された薄片は、マイクロアレイとして使用できる。マイクロアレイの厚みは、0.1mm〜1mm程度である。切断は、例えばミクロトーム、レーザー等により行うことができる。
上述のマイクロアレイでは、中空繊維の中空部、すなわちマイクロアレイの貫通孔中のゲルにプローブが固定されている。よって、プローブは、3次元構造体に固定されているため、プローブはある空間内に固定されていることとなる。プローブの固定されているこの周辺環境は、空間自由度を有し、さらには異なる種類のプローブは物理的な隔壁を隔てて固定されている。よって、上記マイクロアレイは、平面基板上に高密度にプローブが固定されているマイクロアレイと異なり、そこに搭載されたプローブはプローブとして十分に機能し、さらに隣接する種類の異なるプローブとの非特異的反応はない。したがって、プローブは、リンカー、スペーサー等のハイブリダイゼーションに関与しない余分な配列を結合する必要なく設計され、マイクロアレイに固定することが可能である。
(2)プローブ
本発明において、マイクロアレイに搭載されるプローブには、調製目的である核酸、例えばmiRNAに相補的な配列を含む核酸が含まれる。本発明において、調製目的の核酸に相補的な配列を含むプローブを搭載したマイクロアレイを使用することが好ましく、調製目的の核酸がmiRNAの場合は、miRNAに相補的な配列、特に、マチュアなmiRNAに相補的な配列を含むプローブを搭載したマイクロアレイを使用することが好ましい。
既知の核酸の配列情報は、Genbankから入手することができる。miRNAの配列情報は、例えば、miRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/)にアクセスすることにより知ることができる。当業者であれば、既知の配列情報から、本発明のマイクロアレイに搭載するプローブを適宜設計し、合成することができる。また、本発明において、プローブは、ランダムな配列を有する核酸を使用することもできる。ランダムな配列を有する核酸は、当業者であれば適宜設計し、合成することができる。
また、本発明において、マイクロアレイに搭載されるプローブには、本発明のスパイクコントロールを検出するためのプローブとして、本発明のスパイクコントロールに相補的な配列を含む核酸が含まれる。当該プローブの配列は、マイクロアレイ解析において、スパイクコントロールと特異的にハイブリダイズする配列であればよい。すなわち、当該プローブは、ハイブリダイズに用いられる調製後の核酸試料の中で、スパイクコントロールのみとハイブリダイズする核酸であればよい。
調製目的となる核酸がmiRNAである場合の短鎖スパイクコントロール(Cont1,Cont2,Cont4,Cont5,Cont6,Cont7)を検出するためのプローブとして、それぞれのスパイクコントロールに相補的な配列を含む下記のDNAを挙げることができる。
probe cont1 ATACTACGGTAACGGGCCTGT (配列番号7)
probe cont2 GGAAGAAACGTCGACCCAAAG (配列番号8)
probe cont4 TACGGAAGGTCCGGCATACAA (配列番号9)
probe cont5 TGCTCGACAACGATTGGCAAG (配列番号10)
probe cont6 TTGCGGTACGACCGATCAGTT (配列番号11)
probe cont7 TCGCTTTGACACGTAATGCGG (配列番号12)
調製目的となる核酸がmiRNAである場合の長鎖スパイクコントロール(ssYLR377C 300b)を検出するためのプローブとして、ssYLR377Cに相補的な配列含む下記のDNAを挙げることができる。
YLR377C 21b−1 cggtcaacgatcgcggagaga (配列番号16)
YLR377C 21b−2 gaatcttggatttggtgccaa (配列番号17)
YLR377C 21b−3 gtcatatccatgacaaatctt (配列番号18)
本発明において、マイクロアレイに搭載されるプローブの鎖長は、10〜100塩基、好ましくは10〜40塩基である。
本発明において、プローブは、例えばDNA、RNAなどの核酸であればよいが、好ましくはDNAである。
本発明において、プローブは公知の方法により合成することができる。例えば、ホスホジエステル法、ホスホトリエステル法、固相ホスホアミダイド法などの方法により合成することができる。また、市販のDNA自動合成装置を用いることによって合成することもできる。
上記プローブは、マイクロアレイの複数の区画に固定されている。プローブは、各区画に1種類のみ固定しても、複数種、固定しても良い。固定の方法は、マイクロアレイの形態により異なり、例えば、フォトマスクを使用して作製したマイクロアレイであれば、前述のごとく予めプローブを合成して準備する必要はなく、基板上で所望のプローブを逐次合成することができる。また、スポッティングにより作製されたマイクロアレイであれば、プローブを予め準備し、それらプローブに適当な官能基を付与し、基板にプローブを含む溶液をスポットする。この際、プローブに導入された官能基と基板(必要により表面を修飾)とが化学的結合によりプローブが固定される。また、必要に応じて、miRNAに相補的なプローブには、適当な鎖長のリンカーを結合することも可能である。
上記プローブの他に、本発明では、検出データの補正に用いるRNAを検出し得るキャプチャープローブが1種類以上搭載されていてもよい。当該RNAとしては、例えば、ribosomal RNA(rRNA)、transfer RNA(tRNA)、small nucleolar ribonuleoprotein particle RNA(snoRNA)、small nuclear RNA(U1〜U18snRNA)などの内在性低分子RNAが挙げられる。また、内在性低分子RNAとしては、5SrRNA、5.8SrRNA、U1snRNA、U2snRNA、U3snRNA、U4snRNA、U5snRNA、U6snRNA、Arg−tRNAが好適に使用される。
5.調製操作の成否の確認
(1)ハイブリダイゼーションとシグナルの検出
調製後の核酸試料を含む溶液を、上記のマイクロアレイに供し、核酸試料とプローブとのハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーション操作の後、洗浄などの必要な操作を行い、マイクロアレイ上の標識された区画、すなわちプローブとハイブリッドを形成している区画を検出する。検出の方法は、標識した試料に応じて、そのデバイス、検出方法が適宜選択される。
ここで洗浄の際に、洗浄強度の度合いの弱い条件から強い条件へと段階的に変えてもよい(段階的洗浄)。ここで、洗浄強度は、核酸試料とプローブとのハイブリダイゼーションを解離させる作用の強さを意味する。
具体的には、まず、マイクロアレイに搭載しているプローブの中で、ストリンジェンシーが最も低いものに洗浄条件を合わせ、洗浄及び検出を行う。次に、当該プローブの中でストリンジェンシーの最も高いものの洗浄条件まで、段階的に洗浄し、その都度ハイブリッドの検出を行う。このような複数回の洗浄及び検出を行うことにより、洗浄条件とハイブリッドの解離条件とが近接している核酸でも検出可能となる。
洗浄効果は、洗浄液の塩濃度、洗浄温度、洗浄液量、洗浄時間等に依存し、特に、洗浄効果に対する塩濃度及び温度の影響は、プローブの核酸組成との関係によって定まる。
洗浄条件を段階的に変更する方法としては、例えば、塩濃度を一定にして、洗浄液の温度を段階的に変えていく方法がある。具体的には、はじめに塩濃度を任意に選ぶ(ただし、Tm(融解温度:melting temperature)計算式の適用範囲内の値を選ぶ)。次いでマイクロアレイ上に搭載されている全てのプローブの内、Tmが最小となるプローブをTm計算式から算出する。その最小のTm値、好ましくは、最小値よりも1℃以上低い洗浄液の温度を第一段階の洗浄条件として選ぶ。その後、同じくアレイ上に搭載されているプローブの内の最大Tm値、好ましくは最大値よりも1℃以上高い温度まで、少なくとも2段階以上、洗浄液温度を変えて洗浄操作を行う。
また、洗浄液の温度を一定にして、洗浄液中の塩濃度を段階的に変える方法を用いることも出来る。具体的には、はじめに洗浄温度を任意に選ぶ(ただし、Tm計算式の適用範囲内の塩濃度から求められうる値を選ぶ)。次いでマイクロアレイ上に搭載されている全てのプローブの内、Tmが最小となるプローブをTm計算式から算出し、その最小Tm値が、規定された洗浄液温度に比べて、同じかもしくは、好ましくは1℃以上高くなるように計算される洗浄液の塩濃度を第一段階の洗浄条件として選び、その後、同じくマイクロアレイ上に搭載されているプローブの内の最大Tm値が、規定された洗浄液温度に比べて好ましくは1℃以上低くなるように計算される塩濃度まで、少なくとも2段階以上、洗浄液の塩濃度を変えて洗浄操作を行う方法である。
(2)判断基準
調製後の核酸をマイクロアレイ上のプローブにハイブリダイズさせた後に、調製目的である核酸の調製操作の成否を確認することができる。
短鎖スパイクコントロールに相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした当該コントロールのシグナルが一定以上の値で検出できれば、精製操作及び標識操作などの調製操作自体は成功したと判断することができる。一方、当該シグナルが検出されなければ(又は一定未満の値で検出されれば)、ハイブリダイズ以前の核酸の調製操作は成功しなかったと判断することができる。調製操作の失敗の要因には、精製操作において核酸を消失したこと、あるいは、標識操作が想定どおりに行われなかったことこと等が考えられる。
ここで、「一定以上の値」とは、例えば、バックグラウンドとなる複数のスポットのシグナル平均値に、バックグラウンドスポットのシグナル標準偏差を3倍したものを足した値が挙げられる。
また、長鎖のスパイクコントロールに相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした当該コントロールのシグナルが検出されなければ(又は一定未満の値で検出されれば)、調製後の核酸への長鎖核酸の混入は十分に抑えられているといえ、調製操作は成功したと判断することができる。一方、長鎖スパイクコントロールのシグナルが一定以上の値で検出される場合は、調製操作は成功しなかったと判断することができる。調製操作の失敗の要因には、精製操作の際に、分画される基準よりも長い核酸が短鎖RNA中に混入したことが考えられる。
本発明は、上記のプローブ、スパイクコントロールを用いることによって、検出したアレイの結果から、核酸の調製操作の成否を確認することが可能となる。
本発明は、核酸の調製操作の成否を確認するキットとしても提供することができる。本キットには、核酸の調製操作の成否を確認するために必要な試薬、例えば、短鎖スパイクコントロール、長鎖スパイクコントロール、これらのコントロールに相補的な配列を含むプローブが搭載されたマイクロアレイ、核酸調製用試薬、マイクロアレイ用試薬、使用説明書などの一部又は全部が含まれるが、これに限定されるわけではない。また、本キットには、核酸の調製操作の成否を確認するために必要な容器が含まれてもよい。
また、調製目的となる核酸が、短鎖の核酸(例えば15〜25塩基)の場合は、精製操作の後に、サンプル間のシグナル強度の比較を行うためのインターナルコントロールを得にくいため、本発明の短鎖スパイクコントロールを、精製、標識、ハイブリダイズなどの操作における誤差を補正するためのコントロールとして使用することも可能である。
以下に、実施例により本発明をより具体例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)miRNAアレイの作製
Sanger InstituteのmiRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/)より、実験的に存在が証明されているマウスmiRNAのマチュア配列に対して相補配列であるオリゴDNAを180種類作製した。
インターナルなポジティブコントロールとして、Arg−tRNAをキャプチャーするためのプローブを1種類作製した。
miRNA検出用アレイには、(2)で述べる9種類のプローブも搭載し、全190プローブを搭載したマイクロアレイを使用した。
これらのオリゴDNAを、以下のようにmiRNA検出用マイクロアレイに搭載した。
まず、プローブとなるオリゴヌクレオチドをDNA自動合成装置により合成した。
合成の際、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)を該オリゴヌクレオチドに反応させ、次いで脱保護操作を行うことにより、各オリゴヌクレオチドの末端にアミノヘキシル基が導入された5’−O−アミノヘキシルオリゴヌクレオチドを調製した。
次いで、それらオリゴヌクレオチドに、無水メタクリル酸を反応させ、5’末端ビニル化オリゴヌクレオチドを調製した。
<中空繊維束薄片の製造>
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図1中のx、y、zは直交の3次元軸であり、x軸は繊維の長手方向と一致する。
まず、直径0.32mmの孔11が、孔の中心間距離を0.42mmとして、縦横各12列で合計144個設けられた厚さ0.1mmの多孔板21 2枚を準備した。これらの多孔板を重ね合わせて、そのすべての孔に、ポリカーボネート中空繊維31(三菱エンジニアリングプラスチック社製 カーボンブラック1質量%添加)を1本づつ、通過させた。
X軸方向に各繊維に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板の位置を移動させて、中空繊維の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に固定した。即ち、2枚の多孔板の間隔を80mmとした。
次いで、多孔板間の空間の周囲3面を板状物41で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。
次に、この容器の上部から容器内に樹脂原料を流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)ニッポラン4276、コロネート4403)の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。次いで多孔板と板状物を取り除き、中空繊維束を得た。
ゲル充填中空繊維配列体の製造時に、表1に示す質量比で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液を調製した。
次に、プローブ核酸を含むゲル前駆体重合性溶液をデシケーター内に設置した。デシケーター内を減圧状態にしたのち、中空繊維束の繊維束が固定されていない一方の端部をこの溶液中に浸漬した。デシケーター内に窒素ガスを封入し、中空繊維の中空部にキャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を導入した。次いで、容器内を70℃とし、3時間かけて重合反応を行った。
このようにしてプローブ核酸がゲル状物を介して中空繊維の中空部に保持された中空繊維束を得た。
次に得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向でスライスし、厚さ0.5mmの薄片シート(DNAマイクロアレイ)を50枚得た。
(2)スパイクコントロールプローブ、及びスパイクコントロールの合成
マイクロアレイには、スパイクコントロールに対応するプローブも搭載した。スパイクコントロール用のプローブとして、短鎖RNA存在確認用の6種(短鎖スパイクコントロールに対するプローブ)と、長鎖RNA非存在確認用の3種(長鎖スパイクコントロールに対するプローブ)の、合計9種類のプローブを作製した。スパイクコントロール用のプローブ9種類を、(1)のアレイに搭載した。
スパイクコントロール検体は、短鎖のスパイクコントロールとして、短鎖RNA存在確認用の各プローブにそれぞれ相補的な6種類を作製し、長鎖のスパイクコントロールとして、長鎖RNA非存在確認用の3種類のプローブ配列を全て含む300塩基の配列を1種類作製した。
以下に、スパイクコントロールプローブと、スパイクコントロールの合成について、具体的に説明する。
(2−1)短鎖
A、T、G、Cから構成される21塩基のランダムな1000種類の配列から、下記の条件に当てはまる配列をスクリーニングしたところ、6種類存在した。
条件(i):Gの数が5個
条件(ii):Cの数が6個
これらの配列に関して、miRBaseで相同性検索を行い、miRNAと類似性が十分に低いことを確認の上、スパイクコントロールとして使用した。これらの6種類のスパイクコントロールを、Cont1、Cont2、Cont4、Cont5、Cont6及びCont7とした。
Cont1 ACAGGCCCGTTACCGTAGTAT (配列番号1)
Cont2 CTTTGGGTCGACGTTTCTTCC (配列番号2)
Cont4 TTGTATGCCGGACCTTCCGTA (配列番号3)
Cont5 CTTGCCAATCGTTGTCGAGCA (配列番号4)
Cont6 AACTGATCGGTCGTACCGCAA (配列番号5)
Cont7 CCGCATTACGTGTCAAAGCGA (配列番号6)
また、これらのスパイクコントロールを検出するためのキャプチャープローブとして、それぞれのスパイクコントロールに相補的な配列である下記のDNAを合成し、(1)のアレイに搭載した。
probe cont1 ATACTACGGTAACGGGCCTGT (配列番号7)
probe cont2 GGAAGAAACGTCGACCCAAAG (配列番号8)
probe cont4 TACGGAAGGTCCGGCATACAA (配列番号9)
probe cont5 TGCTCGACAACGATTGGCAAG (配列番号10)
probe cont6 TTGCGGTACGACCGATCAGTT (配列番号11)
probe cont7 TCGCTTTGACACGTAATGCGG (配列番号12)
DNAの合成は、DNA自動合成装置を用いて行った。
(2−2)長鎖
酵母YLR377Cの遺伝子配列を基に設計した下記のプライマーを用いて、酵母YLR377Cの遺伝子から300塩基対のPCR産物を得た。
Forward primer:AAGCCTTTCTCGGCTAGGTATGTTGGATCC (配列番号13)
Reverse primer:CTACTGTGACTTGCCAATATGGTCTAAAAA (配列番号14)
このPCR産物のうち、forward primerに関しては、5’末端がリン酸化されたプライマーを使用しており、得られたPCR産物を、strandaseTM λ Exonuclease(Novagen製)処理して一本鎖とし、スパイクコントロールとした。このコントロールの名前を、ssYLR377C 300bとした。ssYLR377C 300bの配列を配列番号15に示す。
このスパイクコントロール(ssYLR377C 300b)に対応するプローブとして、下記の3種類の配列を合成し、(1)のアレイに搭載した。
YLR377C 21b−1 cggtcaacgatcgcggagaga (配列番号16)
YLR377C 21b−2 gaatcttggatttggtgccaa (配列番号17)
YLR377C 21b−3 gtcatatccatgacaaatctt (配列番号18)
プローブは、DNA自動合成装置を用いて合成した。
miRNAのマイクロアレイ解析
(1)スパイクコントロールミックスの作製
実施例1で合成したスパイクコントロールを、下記の通り混合した。
Cont1 (10ng/μl) 5μl
Cont2 (10ng/μl) 5μl
Cont4 (10ng/μl) 5μl
Cont5 (1ng/μl) 5μl
Cont6 (1ng/μl) 5μl
Cont7 (1ng/μl) 5μl
ssYLR377C 300b (10ng/μl) 50μl
Nuclease Free Water 920μl
Total 1000μl
(2)Total RNAの精製
AGPC法により、マウス大脳およそ70mgから、100μgのTotal RNAを抽出した。
(3)短鎖RNA及び長鎖RNAの分画
上記(2)で得られたTotal RNAを用い、下記の手順で短鎖RNA及び長鎖RNAの分画を行った。
(i)(1)のスパイクコントロールミックス10μlを、マウス大脳由来のTotal RNA12.5μg/40μlに対して添加し、総量50μlのサンプル溶液を作製した。
(ii)サンプル溶液に対し、RNeasy mini elute kit(QIAGEN)添付のBuffer RLTを250μl添加し、よく攪拌した。100%エタノールを240μl加え、10回ピペッティング操作を行い、その後、氷上に20分間放置した。
(iii)RNeasy mini elute kit添付のカラムに、(ii)で得られたサンプルを入れ、卓上遠心機を用いて10000rpmで1分間処理した。
(iv)カラム通過液に対して760μlのエタノールを新たに添加し、10回ピペッティング操作を行い、その後、氷上に20分間放置した。
(v)未使用のカラムに、(iv)で得られた溶液650μlを添加し、卓上遠心機を用いて10000rpmで1分間処理した。通過液を廃棄した後、(iv)で得られた残りの溶液に対して同じ操作を再度繰り返し、(iv)で得られた全ての液をカラムに通過させた。
(vi)(v)のカラムをキット所定の方法で洗浄し、ULYSIS Alexa Fluor 647ラベリングキット(Invitrogen)添付のラベリングバッファー25μlでRNAを溶出した。得られたRNAを短鎖RNAとした。
(vii)(iii)で処理後のカラムをキット所定の方法で洗浄し、ULYSIS Alexa Fluor 647ラベリングキット(Invitrogen)添付のラベリングバッファー25μlでRNAを溶出した。得られたRNAを長鎖RNAとした。
(4)短鎖RNAの標識
(3)で得られた短鎖RNAから、20μlを新しいチューブに分取し、70℃で2分間熱した後、即座に氷上で急冷した。その後、ULYSIS Alexa Fluro 647を5μl添加し、よく攪拌した。次に、85℃で15分間熱した後、即座に氷上で急冷した。
MicroSpincolumn G25(Amersham社)を用い、残存の標識物質を取り除いた。
(5)長鎖RNAの標識
長鎖RNAは、(4)の短鎖RNAの標識と同じ方法で標識した。
(6)ハイブリダイゼーション
(4)及び(5)で標識した短鎖RNA及び長鎖RNAを、最終濃度が2xSSC,0.2%SDS、溶液量が150μlとなるように調製した。調製後、70℃で2分間熱した後に、10000rpmで2分間遠心処理を行い、実施例1で作製したmiRNAアレイを用いてハイブリダイゼーションに供した。
ハイブリダイゼーションは、50℃、遮光条件下で16時間行った。
洗浄は、2xSSC,0.2%SDS、50℃で40分間洗浄後、2xSSC、50℃で10分間洗浄した。
検出は、冷却CCDカメラ方式の蛍光検出装置を用いて、ハイブリダイゼーション後のマイクロアレイの各プローブスポットを画像化及び数値化した。
ハイブリダイゼーション後のマイクロアレイの画像を図2に示す。図2の上のパネルは、長鎖RNAを標識し、ハイブリダイズした際に得られた画像である。図2の下のパネルは、短鎖RNAをハイブリダイズした際に得られた画像である。
ハイブリダイゼーションしたマイクロアレイのうち、白色実線の囲みが、短鎖のスパイクコントロールを検出するためのプローブ(probe cont1,2,4〜7)の位置を示し、白色破線の囲みが、長鎖のスパイクコントロールを検出するためのプローブ(YLR377C 21b−1〜3)の位置を示す。
長鎖RNAをハイブリダイズした場合は、長鎖スパイクコントロールに対するプローブ(白色破線部分)にシグナルが検出され、短鎖スパイクコントロールに対するプローブ(白色実線部分)にはシグナルは検出されなかった(上パネル)。一方、短鎖RNAをハイブリダイズした場合は、短鎖スパイクコントロールに対するプローブ(白色実線部分)にシグナルが検出され、長鎖スパイクコントロールに対するプローブ(白色破線部分)にはシグナルは検出されなかった(下パネル)。よって、本実施例において、長鎖RNAと短鎖RNAの分画操作が有効に機能したと判断することができる。
なお、本実施例においては、長鎖RNAのハイブリダイゼーション結果に比較して、短鎖RNAをハイブリダイゼーションした際のmiRNA検出用のプローブのシグナルが十分に強く(図2下パネル)、スパイクコントロールに対応するプローブのシグナルと比較しても十分に強いものであった。したがってmiRNA検出用のプローブが十分に機能していると考えられる。
また、長鎖RNAにおいてシグナルが検出されたmiRNAのプローブスポットは(図2上パネル)、miRNAのプレカーサーを検出しているものと考えられる。
配列番号1〜18:合成DNA
[配列表]

Claims (4)

  1. 核酸の調製操作の成否を確認する方法であって、以下の工程:
    (a)調製目的となる核酸の長さと同等の長さを有する対照核酸を含む試料から、核酸を調製する工程、
    (b)調製後の核酸をマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせ、前記対照核酸に相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした、前記対照核酸のシグナルを検出する工程、及び
    (c)前記対照核酸のシグナルが一定以上の値で検出されるとき、核酸の調製操作が成功したと判断する工程
    を含み、
    前記調製目的となる核酸が15〜25塩基の短鎖RNAである、前記方法。
  2. 核酸の調製操作の成否を確認する方法であって、以下の工程:
    (a)調製目的となる核酸の長さと同等の長さを有する対照核酸及び調製目的となる核酸の長さの10〜100倍の長さを有する対照核酸を含む試料から、核酸を調製する工程、
    (b)調製後の核酸をマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせ、前記対照核酸に相補的な配列を含むプローブとハイブリダイズした、前記対照核酸のシグナルを検出する工程、及び
    (c)前記調製目的となる核酸の長さと同等の長さを有する対照核酸のシグナルが一定以上の値で検出され、前記調製目的となる核酸の長さの10〜100倍の長さを有する対照核酸のシグナルが一定未満の値で検出されるとき、核酸の調製操作が成功したと判断する工程
    を含み、
    前記調製目的となる核酸が15〜25塩基の短鎖RNAである、前記方法。
  3. 調製目的となる核酸がmiRNAである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 核酸を調製する工程に、核酸を精製すること及び核酸を標識することが含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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