JP5293375B2 - 車両下部測定装置、プログラムおよび方法 - Google Patents

車両下部測定装置、プログラムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を測定する技術に関する。
ホイールアライメントは自動車等の車両の車輪の整列状態を指し、車両下部を構成する部品群(いわゆる「足回り」と呼ばれる部品群であり、より詳細には車輪、懸架装置、および車両本体下部の構造体を合わせたものを含む)の相対的な位置および角度を測定することにより求められる。
一般に、ホイールアライメントにはキャンバー角、キングピン角、キャスター角、トー角、ターニングラジアス(ターニングアングル)、セットバック、スラスト角等の項目が含まれる。
ホイールアライメントは車両の基本的な走行性能(走る・曲がる・止まる)に大きな影響を与える要素の一つであるため、自動車メーカー等は通常、製造時に各車両のホイールアライメントを測定し、車両のホイールアライメントが良好であること(ホイールアライメントの測定結果が所定の許容範囲内に収まっていること)を確認することにより当該車両の品質保証を行っている。
従来、ホイールアライメントを測定する技術としては、特許文献1に記載のホイールアライメント測定装置、特許文献2に記載のホイールアライメント測定装置、および特許文献3に記載のホイールアライメント測定方法が知られている。
特許文献1に記載の装置は、車輪を装着した懸架装置を車体に代わって支持する架台と、車輪が載置されるとともに架台に対して相対移動可能な可動テーブルと、車輪および懸架装置の特定点の三次元座標を計測する計測機構と、を具備する。
特許文献1に記載の装置は、可動テーブルを架台に対して相対移動させることにより車輪および懸架装置に種々の方向の外力が作用した状態を模擬的に再現することが可能であるという点において優れている。
しかし、特許文献1に記載の装置はあくまでも車輪と懸架装置との相対的な位置および角度(姿勢)を模擬的に再現するものであり、設計段階における使用が前提となっている。
従って、特許文献1に記載の装置は個々の実車(製品となる車両)の品質を保証する手段としてのホイールアライメントの測定には適用することができない。
また、特許文献1に記載の装置は車両本体下部の構造体を再現していないので、車両本体下部の構造体がホイールアライメントに及ぼす影響については検証することができないという問題を有する。
特許文献2に記載の装置は、自動車の車輪のホイール周面にLED等の発光手段を固定した状態で車輪を回転させ、車輪とともに回転している発光手段の軌跡をフォトダイオード等の受光素子を用いて検出することにより非接触で発光手段の軌跡の三次元位置、ひいては回転時の車輪の位置および角度(姿勢)を測定する。
特許文献2に記載の装置は特許文献1に記載の装置と異なり、実車の品質保証に適用可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献2に記載の装置は、測定の度に発光手段を車輪のホイールの所定の位置に固定する必要があること、および測定精度を確保するためには発光手段を車輪のホイールの所定の位置に精度良く固定する必要があることから、測定作業が煩雑になるという問題を有する。
特許文献3に記載の方法は、自動車の車輪の円周部分に測定点指示具の測定子を接触させつつ測定点指示具を回転させ、測定点指示具の異なる三点に設けられたLED等の光源を二台以上のCCDカメラで撮像し、撮像された画像に基づいて光源の三次元位置座標等を演算することにより、自動車の車輪の位置座標および角度(姿勢)を測定する。
特許文献3に記載の方法も実車の品質保証に適用可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献3に記載の方法は、近年の自動車のホイールの形状は放熱性、美観性等の観点から複雑化する傾向にあるため、測定子を接触させつつ測定点指示具を回転させることが可能な面を確保することが難しいという問題を有する。
また、特許文献2に記載の装置および特許文献3に記載の方法はいずれも自動車の車輪の位置座標および角度(姿勢)を測定するにとどまっており、車輪、懸架装置および車両本体下部の構造体を含めた車両下部を構成する部品群がホイールアライメントに及ぼす影響について詳細な検証を行うことができないという問題点を有する。
特に、車両下部を構成する部品群、すなわち車輪、懸架装置および車両本体下部の構造体が相互に連結される部位にはゴムブッシュ等の弾性変形し得る部材が介装されている場合があること、車輪、懸架装置および車両本体下部の構造体を構成する部材の中には車両の重量により弾性的に変形し得るもの(あるいは、意図的に弾性変形させた状態で使用するもの)が含まれること、といった理由から、単に自動車の車輪の位置座標および角度(姿勢)の測定結果が良好であっても(所定の許容範囲内に収まっていても)、懸架装置および車両本体下部の構造体の相対的な位置および角度(姿勢)については車両の個体間でバラツキが起こり得る。
このように、特許文献2に記載の装置および特許文献3に記載の方法では、車両下部を構成する部品群を構成する車輪、懸架装置および車両本体下部の構造体がホイールアライメントに及ぼす影響を包括的に把握することが困難である。
実開平5−11015号公報 特開平4−177116号公報 特開平9−133510号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、車両下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を精度良く測定することが可能な車両下部測定装置、車両下部測定プログラムおよび車両下部測定方法を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
車両が載置される載置台と、
前記載置台との相対的な位置および姿勢が定められ、前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データを生成する三次元形状測定装置と、
前記車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出し、予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成し、前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出し、前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行い、前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出し、前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出し、前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出し、前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出する演算装置と、
を具備するものである。
請求項2においては、
前記演算装置は、
前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータである重み付けデータを予め記憶し、
前記車両下部設計データおよび前記重み付けデータに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定するものである。
請求項3においては、
前記演算装置は、
前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定するものである。
請求項4においては、
コンピュータに、
載置台との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置が前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより生成した前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出させるホイール位置・角度算出機能と、
予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成させる補完車両下部形状データ生成機能と、
前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出させる傾斜角度算出機能と、
前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行わせる座標変換機能と、
前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出させる第一リンクポイント位置算出機能と、
前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出させるバウンド/リバウンド量算出機能と、
前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出させる第二リンクポイント位置算出機能と、
前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出させるズレ算出機能と、
を実現させるためのものである。
請求項5においては、
前記補完車両下部形状データ生成機能は、
前記車両下部設計データ、および、前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータであって前記コンピュータに予め記憶された重み付けデータ、に基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定するものである。
請求項6においては、
前記補完車両下部形状データ生成機能は、
前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定するものである。
請求項7においては、
車両が載置台に載置される載置工程と、
前記載置台との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置が、前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データを生成する三次元形状測定工程と、
演算装置が、前記車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出するホイール位置・角度算出工程と、
前記演算装置が、予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成する補完車両下部形状データ生成工程と、
前記演算装置が、算出された前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出する傾斜角度算出工程と、
前記演算装置が、前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行う座標変換工程と、
前記演算装置が、前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出する第一リンクポイント位置算出工程と、
前記演算装置が、前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出するバウンド/リバウンド量算出工程と、
前記演算装置が、前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出する第二リンクポイント位置算出工程と、
前記演算装置が、前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出するズレ算出工程と、
を具備するものである。
請求項8においては、
前記補完車両下部形状データ生成工程において、
前記演算装置が、前記車両下部設計データ、および、前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータであって前記コンピュータに予め記憶された重み付けデータ、に基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定するものである。
請求項9においては、
前記補完車両下部形状データ生成工程において、
前記演算装置が、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定するものである。
本発明は、車両下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を精度良く測定することが可能である、という効果を奏する。
本発明に係る車両下部測定装置の実施の一形態を示す図。 本発明に係る車両下部設計データの一形態におけるサスペンション部品に対応する部分を示す図。 本発明に係る重み付けデータの一形態におけるサスペンション部品に対応する部分を示す図。 本発明に係る車両下部形状データの一形態におけるサスペンション部品に対応する部分を示す図。 本発明に係る補正車両下部形状データの一形態におけるサスペンション部品に対応する部分を示す図。 車輪と第一平面および第二平面との関係を示す模式図。 (a)座標変換前における第一平面および第二平面とXZ面との交線を示す模式図、(b)座標変換前における第一平面および第二平面とYZ面との交線を示す模式図。 (a)座標変換後における第一平面および第二平面とXZ面との交線を示す模式図、(b)座標変換後における第一平面および第二平面とYZ面との交線を示す模式図。 自動車の後部の懸架装置を示す斜視図。 本発明に係る車両下部測定方法の実施の一形態を示すフロー図。 本発明に係る車両下部測定方法の別実施形態を示すフロー図。 同じく本発明に係る車両下部測定方法の別実施形態を示すフロー図。
以下では、図1から図10を用いて本発明に係る車両下部測定装置の実施の一形態である車両下部測定装置100について説明する。
また、車両下部測定装置100の説明を通じて本発明に係る車両下部測定プログラムの実施の一形態および本発明に係る車両下部測定方法の実施の一形態についても説明する。
図1に示す車両下部測定装置100は自動車1の下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を測定する装置である。
本実施形態の車両下部測定装置100は、図10に示す載置工程S1100、三次元形状測定工程S1200、ホイール位置・角度算出工程S1300、補完車両下部形状データ生成工程S1400、傾斜角度算出工程S1500、座標変換工程S1600、第一リンクポイント位置算出工程S1700、バウンド/リバウンド量算出工程S1800、第二リンクポイント位置算出工程S1900およびズレ算出工程S2000の各工程を順に行うことにより、自動車1の下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を測定する。
自動車1は本発明に係る車両の実施の一形態であり、車両下部測定装置100の測定対象物である。
本実施形態の自動車1はいわゆる乗用車であるが、本発明に係る車両はこれに限定されず、各種作業車両、貨物車両等、種々の車両を含む。
自動車1は左前輪10L、右前輪10R、左後輪20Lおよび右後輪20Rの計四つの車輪を備える。左前輪10Lは左前ホイール11Lおよび左前タイヤ12Lからなる。同様に、右前輪10Rは右前ホイール11Rおよび右前タイヤ12Rからなり、左後輪20Lは左後ホイール21Lおよび左後タイヤ22Lからなり、右後輪20Rは右後ホイール21Rおよび右後タイヤ22Rからなる。これらの車輪は、自動車1の懸架装置を介して自動車1の本体下部に連結される。
自動車1の計四つの車輪、自動車1の懸架装置、および自動車1の本体下部を合わせたものは、本発明に係る「車両の下部を構成する部品群」の実施の一形態に相当する。
図1に示す如く、車両下部測定装置100は定盤110、三次元形状測定装置120および解析ユニット130を具備する。
定盤110は本発明に係る載置台の実施の一形態である。
本実施形態の定盤110は一対の板面を有する金属板からなる。定盤110の一対の板面の一方である基準面111は平滑な面である。定盤110は、例えば車両下部測定装置100による測定を行う建物の床面の所定位置に埋設される。当該床面の所定位置に埋設された定盤110の基準面111は床面に上向きに露出し、かつ重力が作用する方向に対して基準面111が垂直となる。
定盤110の平面視略中央部には、定盤110の一対の板面を貫通する(基準面111を成す上側の板面から下側の板面まで貫通する)貫通孔112が形成される。
自動車1は、左前輪10L、右前輪10R、左後輪20Lおよび右後輪20Rが貫通孔112に嵌らないように定盤110の基準面111上の所定の位置に進入し、静止する(載置される)。
自動車1が定盤110の基準面111上の所定の位置に載置される作業は、図10に示す載置工程S1100に相当する。載置工程S1100は本発明に係る載置工程の実施の一形態である。
本実施形態の定盤110は金属板からなるが、本発明に係る載置台はこれに限定されない。すなわち、載置台は、測定精度を確保するために車両を安定した姿勢で載置可能な構成を有していれば良い。
車両を安定した姿勢で載置可能な載置台の例としては、重力が作用する方向に垂直な平面たる基準面を有し、かつ、車両が当該基準面に載置されたときに車両の重量により基準面が変形する、あるいは傾斜することが無い程度の強度を有する載置台が挙げられる。
三次元形状測定装置120は本発明に係る三次元形状測定装置の実施の一形態であり、定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定する装置である。
三次元形状測定装置120は下部撮像装置121U、前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121L、右側部撮像装置121Rおよび画像統合装置122を具備する。
下部撮像装置121Uは定盤110に載置された自動車1の下部を概ね上方に向かって撮像する装置である。
下部撮像装置121Uは定盤110の下方(例えば、定盤110の下方に形成された窪み)に配置される。下部撮像装置121Uは図示せぬロボットにより支持され、当該ロボットが動作することにより、定盤110の下方において定盤110に対する下部撮像装置121Uの相対的な位置および姿勢(撮像方向)を変更することが可能である。
本実施形態の下部撮像装置121Uは二つのCCD(Charge Coupled Device)カメラで構成され、当該二つのCCDカメラがそれぞれ自動車1の下部を撮像した画像を生成する。
下部撮像装置121Uを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度は固定されている。
前部撮像装置121Fは定盤110に載置された自動車1の下部を概ね後斜め上方に向かって撮像する装置である。
前部撮像装置121Fは定盤110の所定の位置に載置された自動車1の前方に配置され、定盤110に対する前部撮像装置121Fの相対的な位置および姿勢(撮像方向)は固定される。
本実施形態の前部撮像装置121Fのハードウェアとしての構成は下部撮像装置121Uと略同じであることから、説明を省略する。
後部撮像装置121Bは定盤110に載置された自動車1の下部を概ね前斜め上方に向かって撮像する装置である。
後部撮像装置121Bは定盤110の所定の位置に載置された自動車1の後方に配置され、定盤110に対する後部撮像装置121Bの相対的な位置および姿勢(撮像方向)は固定される。
本実施形態の後部撮像装置121Bのハードウェアとしての構成は下部撮像装置121Uと略同じであることから、説明を省略する。
左側部撮像装置121Lは定盤110に載置された自動車1の下部を概ね右斜め上方に向かって撮像する装置である。
左側部撮像装置121Lは定盤110の所定の位置に載置された自動車1の左側方に配置され、定盤110に対する左側部撮像装置121Lの相対的な位置および姿勢(撮像方向)は固定される。
本実施形態の左側部撮像装置121Lのハードウェアとしての構成は下部撮像装置121Uと略同じであることから、説明を省略する。
右側部撮像装置121Rは定盤110に載置された自動車1の下部を概ね左斜め上方に向かって撮像する装置である。
右側部撮像装置121Rは定盤110の所定の位置に載置された自動車1の右側方に配置され、定盤110に対する右側部撮像装置121Rの相対的な位置および姿勢(撮像方向)は固定される。
本実施形態の右側部撮像装置121Rのハードウェアとしての構成は下部撮像装置121Uと略同じであることから、説明を省略する。
画像統合装置122は下部撮像装置121U、前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rにより撮像された画像を統合することにより、自動車1の下部の三次元形状に係るデータである「自動車1の車両下部形状データ」を生成する装置である。「自動車1の車両下部形状データ」は本発明に係る「車両下部形状データ」の実施の一形態である。
画像統合装置122は種々のプログラム等を格納し、これらのプログラム等を展開し、これらのプログラム等に従って所定の演算を行い、当該演算の結果等を記憶することができる。
画像統合装置122は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
本実施形態の画像統合装置122は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
画像統合装置122は下部撮像装置121U、前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rに接続され、これらの撮像装置が生成した画像に係るデータを電気信号の形で取得(受信)することが可能である。
画像統合装置122は、定盤110に対する前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rの相対的な位置および姿勢(撮像方向)に係るデータを予め記憶している。
また、画像統合装置122は、下部撮像装置121Uを支持する図示せぬロボットに接続されており、当該ロボットの動作データに基づいて定盤110に対する下部撮像装置121Uの位置および姿勢に係るデータを取得することが可能である。
なお、本実施形態では、画像統合装置122は、前部撮像装置121Fが定盤110に載置された自動車1の下部を撮像するときと同じ位置かつ撮像方向で自動車1が載置されていない定盤110を撮像した画像である「自動車1の前部基準画像」、後部撮像装置121Bが定盤110に載置された自動車1の下部を撮像するときと同じ位置かつ撮像方向で自動車1が載置されていない定盤110を撮像した画像である「自動車1の後部基準画像」、左側部撮像装置121Lが定盤110に載置された自動車1の下部を撮像するときと同じ位置かつ撮像方向で自動車1が載置されていない定盤110を撮像した画像である「自動車1の左側部基準画像」、および、右側部撮像装置121Rが定盤110に載置された自動車1の下部を撮像するときと同じ位置かつ撮像方向で自動車1が載置されていない定盤110を撮像した画像である「自動車1の右側部基準画像」を予め取得し、これらの基準画像に写っている「定盤110の基準面111上の異なる三点」の位置(座標)を算出することにより、定盤110に対する前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rの相対的な位置および姿勢(撮像方向)に係るデータを生成する。
また、本実施形態では、画像統合装置122は、下部撮像装置121Uが或る位置かつ或る撮像方向で自動車1が載置されていない定盤110を撮像した画像である「自動車1の下部基準画像」と、当該画像を撮像したときの下部撮像装置121Uを支持するロボット(不図示)の動作データと、算出された「定盤110の基準面111上の異なる三点」の位置(座標)と、に基づいて、『「自動車1の下部基準画像」が撮像されたときの』定盤110に対する下部撮像装置121Uの相対的な位置および姿勢(撮像方向)に係るデータを生成する。
さらに、本実施形態では、画像統合装置122は、「自動車1の下部基準画像」が撮像されたときの定盤110に対する下部撮像装置121Uの相対的な位置および姿勢(撮像方向)に係るデータと、下部撮像装置121Uを支持するロボット(不図示)の動作データと、を組み合わせることにより、定盤110に対する下部撮像装置121Uの相対的な位置および姿勢(撮像方向)に係るデータを生成する。
また、画像統合装置122は下部撮像装置121Uを構成する二つのCCDカメラ、前部撮像装置121Fを構成する二つのCCDカメラ、後部撮像装置121Bを構成する二つのCCDカメラ、左側部撮像装置121Lを構成する二つのCCDカメラ、右側部撮像装置121Rを構成する二つのCCDカメラ、のそれぞれについて、撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータを予め記憶している。
画像統合装置122は、下部撮像装置121Uが生成した画像に係るデータ(より厳密には下部撮像装置121Uを構成する二つのCCDカメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータ)、定盤110に対する下部撮像装置121Uの相対的な位置および姿勢に係るデータ、並びに、下部撮像装置121Uを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータ、に基づいて、「下部撮像装置121Uが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を生成する。
画像統合装置122は、前部撮像装置121Fが生成した画像に係るデータ(より厳密には前部撮像装置121Fを構成する二つのCCDカメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータ)、定盤110に対する前部撮像装置121Fの相対的な位置および姿勢に係るデータ、並びに、前部撮像装置121Fを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータ、に基づいて、「前部撮像装置121Fが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を生成する。
画像統合装置122は、後部撮像装置121Bが生成した画像に係るデータ(より厳密には後部撮像装置121Bを構成する二つのCCDカメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータ)、定盤110に対する後部撮像装置121Bの相対的な位置および姿勢に係るデータ、並びに、後部撮像装置121Bを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータ、に基づいて、「後部撮像装置121Bが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を生成する。
画像統合装置122は、左側部撮像装置121Lが生成した画像に係るデータ(より厳密には左側部撮像装置121Lを構成する二つのCCDカメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータ)、定盤110に対する左側部撮像装置121Lの相対的な位置および姿勢に係るデータ、並びに、左側部撮像装置121Lを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータ、に基づいて、「左側部撮像装置121Lが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を生成する。
画像統合装置122は、右側部撮像装置121Rが生成した画像に係るデータ(より厳密には右側部撮像装置121Rを構成する二つのCCDカメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータ)、定盤110に対する右側部撮像装置121Rの相対的な位置および姿勢に係るデータ、並びに、右側部撮像装置121Rを構成する二つのCCDカメラの撮像位置間の距離および二つのCCDカメラの撮像方向の成す角度に係るデータ、に基づいて、「右側部撮像装置121Rが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を生成する。
画像統合装置122は、「下部撮像装置121Uが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」、「前部撮像装置121Fが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」、「後部撮像装置121Bが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」、「左側部撮像装置121Lが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」、および「右側部撮像装置121Rが撮像した画像に基づく自動車1の下部の三次元形状に係るデータ」を統合する(繋ぎ合わせる)ことにより、自動車1の下部の三次元形状に係るデータである「自動車1の車両下部形状データ」を生成する。
本実施形態では複数の撮像装置(本実施形態の場合、下部撮像装置121U、前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rの計五台)を用いて「自動車1の車両下部形状データ」を生成するが、これは自動車1の下部の形状が複雑であり、一台の撮像装置では自動車1の下部を構成する部品群を全て撮像することが困難であることによる。
なお、本実施形態では計五台の撮像装置を用いて「自動車1の車両下部形状データ」を生成するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、「車両下部形状データ」を生成するためには、車両の形状、車種等に応じて撮像装置の数、撮像位置等を適宜選択すれば良い。
三次元形状測定装置120が定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定する作業は、図10に示す三次元形状測定工程S1200に相当する。三次元形状測定工程S1200は本発明に係る三次元形状測定工程の実施の一形態である。
本実施形態の三次元形状測定装置120はいわゆるステレオ法(同一の対象物を異なる複数の撮像方向から撮像し、撮像された画像に基づいて三角測量の要領で対象物の各部の位置(座標)を算出することにより、対象物の三次元形状を測定する方法)を用いて定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定する装置であるが、本発明に係る三次元形状測定装置はこれに限定されず、他の方法を用いて載置台に載置された車両の三次元形状を測定しても良い。
本発明に係る三次元形状測定装置が載置台に載置された車両の三次元形状を測定する他の方法の例としては、モアレ法、スポット光を用いた三角測量法、光切断法、空間コード法、フェーズシフト法等、既知の種々の方法が挙げられる。
本実施形態では「自動車1の車両下部形状データ」の座標系のX軸と三次元形状測定装置120により形状測定された定盤110の前方とが平行となり、「自動車1の車両下部形状データ」の座標系のY軸と三次元形状測定装置120により形状測定された定盤110の右側方とが平行となり、「自動車1の車両下部形状データ」の座標系のZ軸と三次元形状測定装置120により形状測定された定盤110の上方とが平行となるように、「自動車1の車両下部形状データ」の座標系が設定される。
解析ユニット130は演算装置131、入力装置132および表示装置133を具備する。
演算装置131は本発明に係る演算装置の実施の一形態であるとともに、本発明に係るコンピュータの実施の一形態である。
演算装置131は「車両下部測定プログラム」を含む種々のプログラム等を格納し、これらのプログラム等を展開し、これらのプログラム等に従って所定の演算を行い、当該演算の結果等を記憶することができる。
演算装置131は画像統合装置122に接続され、画像統合装置122が生成した「車両下部形状データ」を電気信号の形で取得(受信)することが可能である。
演算装置131は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
本実施形態の演算装置131は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
演算装置131による演算の詳細については後述する。
入力装置132は演算装置131に接続され、車両下部測定装置100による自動車1の下部の測定に係る種々のデータ・指示等を演算装置131に入力するものである。
本実施形態の入力装置132は専用品であるが、市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
表示装置133は入力装置132から演算装置131への入力内容、演算装置131による演算結果等を表示するものである。
本実施形態の表示装置133は専用品であるが、市販のモニターや液晶ディスプレイ等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
以下では、演算装置131による演算の詳細について説明する。演算装置131による演算は、本発明に係る車両下部測定プログラムの実施の一形態である「車両下部測定プログラム」に基づいて行われる。従って、以下に示す演算装置131による演算の詳細を説明することは、「車両下部測定プログラム」の詳細を説明することに相当する。
演算装置131による演算は、「ホイール位置・角度の算出」、「補完車両下部形状データの生成」、「傾斜角度の算出」、「補完車両下部形状データの座標変換」、「第一リンクポイント位置の算出」、「バウンド/リバウンド量の算出」、「第二リンクポイント位置の算出」、「ズレの算出」を含む。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「ホイール位置・角度の算出」について説明する。
演算装置131が「ホイール位置・角度の算出」に係る演算を行う作業は図10に示すホイール位置・角度算出工程S1300に相当する。ホイール位置・角度算出工程S1300は本発明に係るホイール位置・角度算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「ホイール位置・角度の算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係るホイール位置・角度算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、三次元形状測定装置120(より詳細には、画像統合装置122)により生成された「自動車1の車両下部形状データ」に基づいて、定盤110に対する自動車1の各車輪のホイールの位置および角度を算出する。
本実施形態では、演算装置131は自動車1の下部の設計上の三次元形状に係るデータである「自動車1の車両下部設計データ」を予め記憶している。
「自動車1の車両下部設計データ」は本発明に係る「車両下部設計データ」の実施の一形態である。「車両下部設計データ」は、例えば三次元CADデータ等、既存の「物体の三次元形状を示すデータ」で達成することが可能である。
演算装置131は「自動車1の車両下部形状データ」と、「自動車1の車両下部設計データ」において左前ホイール11L、右前ホイール11R、左後ホイール21Lおよび右後ホイール21Rに対応する部分の三次元形状と、を照合することにより、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11L、右前ホイール11R、左後ホイール21Lおよび右後ホイール21Rにそれぞれ対応する部分を特定する。以下ではその特定方法について説明する。
演算装置131は「自動車1の車両下部設計データ」における各ホイールに対応する部分の三次元形状に加えて、各ホイールの中心点(各ホイールの回転中心を成す軸線上にあり、かつ、各ホイールの幅方向の中心となる点)の座標、および各ホイールの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルに係るデータを予め記憶している。
演算装置131は、「自動車1の車両下部設計データ」における左前ホイール11Lに平行移動および回転させる座標変換を施すとともに、例えば最小二乗法を用いることにより、「自動車1の車両下部設計データ」における左前ホイール11Lを「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11Lに対応する部分に重ね合わせる。
演算装置131は、重ね合わされた「自動車1の車両下部設計データ」における左前ホイール11Lの中心点13L(図6参照)の座標を、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11Lに対応する部分における中心点13Lの座標とする。
また、演算装置131は、重ね合わされた「自動車1の車両下部設計データ」における左前ホイール11Lの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルを、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11Lに対応する部分における回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルとする。
このようにして、演算装置131は、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11Lに対応する部分の中心点13Lの座標および回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルを特定(算出)する。
なお、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左前ホイール11Lに対応する部分における回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルは、実質的には左前ホイール11Lの角度を示すものである。
同様にして、演算装置131は、「自動車1の車両下部形状データ」のうち右前ホイール11Rに対応する部分の中心点13Rの座標および右前ホイール11Rの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトル、「自動車1の車両下部形状データ」のうち左後ホイール21Lに対応する部分の中心点23Lの座標および左後ホイール21Lの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトル、および「自動車1の車両下部形状データ」のうち右後ホイール21Rに対応する部分の中心点23Rの座標および右後ホイール21Rの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルを特定(算出)する。
なお、「ホイール位置・角度の算出」において算出される中心点13Lの座標、中心点13Rの座標、中心点23Lの座標および中心点23Rの座標、並びに、左前ホイール11L、右前ホイール11R、左後ホイール21Lおよび右後ホイール21Rの回転中心を成す軸線の長手方向を示すベクトルは、いずれも「自動車1の車両下部形状データ」の座標系に基づいて算出される。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「補完車両下部形状データの生成」について説明する。
演算装置131が「補完車両下部形状データの生成」に係る演算を行う作業は図10に示す補完車両下部形状データ生成工程S1400に相当する。補完車両下部形状データ生成工程S1400は本発明に係る補完車両下部形状データ生成工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「補完車両下部形状データの生成」に係る演算を行わせる機能は本発明に係る補完車両下部形状データ生成機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、予め記憶された「自動車1の車両下部設計データ」に基づいて、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」を推定することにより、「自動車1の補完車両下部形状データ」を生成する。
「自動車1の補完車両下部形状データ」は「自動車1の車両下部形状データ」を補完したデータであり、本発明に係る「補完車両下部形状データ」の実施の一形態である。
「自動車1の車両下部形状データ」には、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応するデータの欠損が存在する。
このようなデータの欠損は、(1)通常、車両の下部を構成する部品群の数は多く、かつこれらの部品群が複雑に組み合わされた状態で配置されること、および、(2)一般に車両の下部から載置台の基準面までの距離が短いため、三次元形状測定装置の測定位置および測定方向(本実施形態では、下部撮像装置121U、前部撮像装置121F、後部撮像装置121B、左側部撮像装置121Lおよび右側部撮像装置121Rの撮像位置(配置位置)および撮像方向)には大きな制約があること、等の理由により発生する。
演算装置131は、「自動車1の車両下部形状データ」と「自動車1の車両下部設計データ」とを比較することにより、「自動車1の車両下部形状データ」における「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品を特定する。
演算装置131は、「自動車1の車両下部設計データ」から、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品の三次元形状データを抽出する。
演算装置131は、抽出された部品の三次元形状データ(「自動車1の車両下部設計データ」に由来する部品の三次元形状データ)を、「自動車1の車両下部形状データ」における「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に重ね合わせることにより、「自動車1の車両下部形状データ」における「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」の形状を推定し、「自動車1の車両下部形状データ」におけるデータの欠損を補完する。
以下では、図2から図5を用いて「自動車1の車両下部形状データ」におけるデータの欠損の補完、すなわち、「自動車1の補正車両下部形状データ」の生成の手順の詳細について説明する。
図2は「自動車1の車両下部設計データ」のうち、サスペンション部品30に対応する部分を示す図である。
サスペンション部品30は自動車1の下部を構成する部品群の一つ(より詳細には、自動車1の懸架装置を構成する部品)である。サスペンション部品30はメインフレーム部31およびサブフレーム部32を具備する。
メインフレーム部31は自動車1の各車輪および本体を回動可能に連結する部分であり、その性質上、大きな荷重(自動車1の車重)が作用する。
従って、メインフレーム部31には伸縮量、曲げ量および捻れ量が極力小さくなるように高い強度が要求され、このような高い強度を達成するためにメインフレーム部31を構成する材料の組成(材質)、厚さおよび形状等が設定される。
これに対して、サブフレーム部32はメインフレーム部31に他の部材を取り付けるためにメインフレーム部31に延設された部材であり、サブフレーム部32に作用する荷重はメインフレーム部31に比べて小さい。
しかし、実際に自動車1が組み上げられた時点では、メインフレーム部31にはサブフレーム部32に比べて非常に大きな荷重が作用する。そのため、メインフレーム部31の変形量はサブフレーム部32の変形量に比べて大きくなる。
その結果、メインフレーム部31の一部を基点としてメインフレーム部31の他の部分の形状(位置)を推定する場合よりも、サブフレーム部32の一部を基点としてサブフレーム部32の他の部分の形状(位置)を推定する場合の方が精度(信頼性)が高くなる。
本実施形態では、演算装置131は、「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」を予め記憶している。
「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」は、本発明に係る「重み付けデータ」の実施の一形態であり、「自動車1の車両下部設計データ」における自動車1の下部の各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータである。
図3は「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」のうち、サスペンション部品30に対応する部分を示す図である。
本実施形態では、サスペンション部品30のうち、組み上げたときの変形量が比較的小さいサブフレーム部32の重み付けを変形量が比較的大きいメインフレーム部31の重み付けよりも重く設定する。
より詳細には、図3において黒丸で示すメインフレーム部31の各部の重み付け係数K1を図3において白丸で示すサブフレーム部32の各部の重み付け係数K2よりも小さくする(0≦K1<K2≦1)。
このように、サスペンション部品30の部位毎に変形量に応じた重み付け(重み付け係数)が設定される。
同様に、自動車1の下部を構成する他の部品についても、部位毎の重み付け(重み付け係数に係るデータ)が設定される。これらの自動車1の下部を構成する各部品についての部位毎の重み付けを合わせたものが「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」を成す。
演算装置131は、「自動車1の車両下部設計データ」および「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」に基づいて、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」を推定する。
より詳細には、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品の「自動車1の車両下部設計データ」と、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品の「自動車1の車両下部形状データ」と、の間で対応する点間の距離を「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」に基づいて補正した上で最小二乗法を適用する。
「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品の「自動車1の車両下部形状データ」は、例えば図4に示すサスペンション部品30の「自動車1の車両下部形状データ」の如く、一部が欠損した状態である(図4中の二点鎖線で囲まれた部分参照)。
「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」の推定における最小二乗法の適用について、サスペンション部品30を用いて説明する。
(1)演算装置131は、「自動車1の車両下部形状データ」が設定される座標系(仮想空間)内の或る位置(座標)に或る姿勢(角度)で配置されたサスペンション部品30の「自動車1の車両下部設計データ」と、サスペンション部品30の「自動車1の車両下部形状データ」と、の間で対応する点間の距離の二乗をそれぞれ算出する。
(2)演算装置131は、算出された点間の距離の二乗の値のそれぞれに当該点に対応する重み付け係数を乗じた値を算出する。
すなわち、サスペンション部品30の「自動車1の車両下部設計データ」とサスペンション部品30の「自動車1の車両下部形状データ」との間で対応する点が図3において黒丸で示すメインフレーム部31上の点である場合には対応する点間の距離の二乗に重み付け係数K1を乗じた値を算出し、サスペンション部品30の「自動車1の車両下部設計データ」とサスペンション部品30の「自動車1の車両下部形状データ」との間で対応する点が図3において白丸で示すサブフレーム部32上の点である場合には対応する点間の距離の二乗に重み付け係数K2を乗じた値を算出する。
(3)演算装置131は、上記(2)において算出された「対応する点間の距離の二乗に重み付け係数を乗じた値」の和を算出する。
(4)演算装置131は、サスペンション部品30の「自動車1の車両下部設計データ」を「自動車1の車両下部形状データ」が設定される座標系(仮想空間)内に配置する位置(座標)および姿勢(角度)を変えて上記(1)〜(3)の作業を繰り返す。
(5)演算装置131は、上記(1)〜(4)の作業により算出された「対応する点間の距離の二乗に重み付け係数を乗じた値」の和が最も小さくなるときの位置および姿勢で「自動車1の車両下部形状データ」が設定される座標系(仮想空間)内に配置されたサスペンション部品30の「自動車1の車両下部設計データ」を「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する部品の「自動車1の車両下部形状データ」に重ね合わせる(繋ぎ合わせる)ことにより、「自動車1の車両下部形状データ」における「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」を補完し、図5において実線で示す如きサスペンション部品30の「自動車1の補正車両下部形状データ」を生成する。
演算装置131は、「自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分」に対応する全ての部品に対して上記(1)〜(5)に示す作業と同様の作業を適用することにより、「自動車1の補正車両下部形状データ」を生成する。
なお、本実施形態では、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系は「自動車1の車両下部形状データ」の座標系と一致するように設定される(図6中においてX軸、Y軸およびZ軸で示される「自動車1の補正車両下部形状データ」における座標軸の方向は、「自動車1の車両下部形状データ」の座標系における座標軸の方向に一致する)。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「傾斜角度の算出」について説明する。
演算装置131が「傾斜角度の算出」に係る演算を行う作業は図10に示す傾斜角度算出工程S1500に相当する。傾斜角度算出工程S1500は本発明に係る傾斜角度算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「傾斜角度の算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係る傾斜角度算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、自動車1の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置および角度に基づいて定盤110に対する自動車1の本体の傾斜角度を算出する。
図6に示す如く、本実施形態では、演算装置131は「ホイール位置・角度の算出」において算出した左前ホイール11Lの中心点13Lの座標、右前ホイール11Rの中心点13Rの座標および左後ホイール21Lの中心点23Lの座標に基づいて、これら三点を通る第一平面41(図6中において右下がりの斜線が施された平面)を算出する。
次に、演算装置131は「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系(図6中のX軸、Y軸およびZ軸で示される座標系)と第一平面41との間の側面角α01、および「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と第一平面41との間の背面角β01を算出する。
より詳細には、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるXZ面(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるY軸に垂直な平面)および第一平面41の交線(図7の(a)における太い実線参照)と、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるX軸と、の成す角度として側面角α01を算出する。
また、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるYZ面(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるX軸に垂直な平面)および第一平面41の交線(図7の(b)における太い実線参照)と、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるY軸と、の成す角度として背面角β01を算出する。
このようにして算出された側面角α01および背面角β01を合わせたものは、第一平面41と「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるXY面(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるZ軸に垂直な平面)、すなわち「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系における水平面との成す角度を表すものであり、定盤110に対する自動車1の本体のうち第一平面41に対応する部分の傾斜角度に相当する。
演算装置131は右前ホイール11Rの中心点の座標、左後ホイール21Lの中心点の座標および右後ホイール21Rの中心点の座標に基づいて、これら三点を通る第二平面42(図6中において右上がりの斜線が施された平面)を算出する。
次に、演算装置131は「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と第二平面42との間の側面角α02、および「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と第一平面42との間の背面角β02を算出する。
より詳細には、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるXZ面および第二平面42の交線(図7の(a)における太い点線参照)と、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるX軸と、の成す角度として側面角α02を算出する。
また、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるYZ面および第二平面42の交線(図7の(b)における太い点線参照)と、「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるY軸と、の成す角度として背面角β02を算出する。
このようにして算出された側面角α02および背面角β02を合わせたものは、第二平面42と「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるXY面(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるZ軸に垂直な平面)、すなわち「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系における水平面との成す角度を表すものであり、定盤110に対する自動車1の本体のうち第二平面42に対応する部分の傾斜角度に相当する。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「補完車両下部形状データの座標変換」について説明する。
演算装置131が「補完車両下部形状データの座標変換」に係る演算を行う作業は図10に示す座標変換工程S1600に相当する。座標変換工程S1600は本発明に係る座標変換工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「補完車両下部形状データの座標変換」に係る演算を行わせる機能は本発明に係る座標変換機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は自動車1の本体の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行う。
詳細には、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」のうち「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるZ軸方向から見て第一平面41および第二平面42の境界線となる「中心点13Rと中心点23Lとを結ぶ直線」よりも第一平面41側(左前輪10L側)となる部分(以下、「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」という。)を「中心点13Rと中心点23Lとを結ぶ直線」を回転中心として回転させることにより、回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」における第一平面41、すなわち回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」における中心点13L、中心点13Rおよび中心点23Lを通る平面がZ軸に対して垂直となる(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」における第一平面41との間の側面角および「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」における第一平面41との間の背面角がいずれもゼロとなる)ように「自動車1の補正車両下部形状データの左前部分」の座標を変換する(図8参照)。
同様に、演算装置131は、「自動車1の補正車両下部形状データ」のうち「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系におけるZ軸方向から見て「中心点13Rと中心点23Lとを結ぶ直線」よりも第二平面42側(右後輪20L側)となる部分(以下、「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」という。)を「中心点13Rと中心点23Lとを結ぶ直線」を回転中心として回転させることにより、回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」における第二平面42、すなわち回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」における中心点13R、中心点23Lおよび中心点23Rを通る平面がZ軸に対して垂直となる(「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」における第二平面42との間の側面角および「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系と回転後の「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」における第二平面42との間の背面角がいずれもゼロとなる)ように「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」の座標を変換する(図8参照)。
演算装置131は、座標が変換された「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」および座標が変換された「自動車1の補正車両下部形状データの右後部分」を統合する(繋ぎ合わせる)ことにより、「座標変換が行われた自動車1の補正車両下部形状データ」を生成する。図8に示す如く、「座標変換が行われた自動車1の補正車両下部形状データ」における第一平面41および第二平面42は、面一となる(一つの平面を成す)。
このような座標変換により、『自動車1の自重による自動車1の本体の撓みが「自動車1の補正車両下部形状データ」に及ぼす影響』が排除(より厳密には、軽減)される。
本実施形態では自動車1の四つの車輪のうち、左前輪10L、右前輪10Rおよび左後輪20Lのホイール(左前ホイール11L、右前ホイール11Rおよび左後ホイール21L)の位置(座標)に基づいてこれら三点を通る第一平面41を算出し、第一平面41に基づく傾斜角度(側面角α01および背面角β01)を算出するとともに、右前輪10R、左後輪20Lおよび右後輪20Rのホイール(右前ホイール11R、左後ホイール21Lおよび右後ホイール21R)の位置(座標)に基づいてこれら三点を通る第二平面42を算出し、第二平面42に基づく傾斜角度(側面角α02および背面角β02)を算出するが、本発明はこれに限定されない。
例えば、自動車1の四つの車輪のうち、左前輪10L、右前輪10Rおよび右後輪20Rのホイールの位置に基づいてこれら三点を通る平面を算出し、当該平面に基づく傾斜角度を算出するとともに、左前輪10L、左後輪20Lおよび右後輪20Rのホイールの位置に基づいてこれら三点を通る平面を算出し、当該平面に基づく傾斜角度を算出しても良い。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「第一リンクポイント位置の算出」について説明する。
演算装置131が「第一リンクポイント位置の算出」に係る演算を行う作業は図10に示す第一リンクポイント位置算出工程S1700に相当する。第一リンクポイント位置算出工程S1700は本発明に係る第一リンクポイント位置算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「第一リンクポイント位置の算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係る第一リンクポイント位置算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、「自動車1の第一リンクポイント位置」を算出する。
「自動車1の第一リンクポイント位置」は、「座標変換が行われた自動車1の補正車両下部形状データ」に基づいて算出される「自動車1の下部の各リンクポイントの座標」であり、本発明に係る第一リンクポイント位置の実施の一形態である。
「自動車1のリンクポイント」は、自動車1の下部を構成する部品群のうち他の部品に回動可能に連結される部品の回動中心点(回動中心となる軸線上の点)、および自動車1の下部を構成する部品群のうち他の部品に対して回転可能に軸支される部品の軸支点(回転中心となる軸線上の点)の総称であり、本発明に係る「リンクポイント」の実施の一形態に相当する。
以下では図9を用いて、自動車1の後部懸架装置50を例にとって自動車1のリンクポイントについて説明する。
後部懸架装置50は、主たる構造体として左トレーリングアーム51L、右トレーリングアーム51Rおよびアクスルビーム52を具備する。
左トレーリングアーム51Lは自動車1の前後方向に伸びた棒状の部材である。
左トレーリングアーム51Lの前端部は自動車1の本体の左後部に回動可能に連結される。左トレーリングアーム51Lの後端部には、左後輪20Lが回転可能に軸支される。
右トレーリングアーム51Rは自動車1の前後方向に伸びた棒状の部材である。
右トレーリングアーム51Rの前端部は自動車1の本体の右後部に回動可能に連結される。右トレーリングアーム51Rの後端部には、右後輪20Rが回転可能に軸支される。
アクスルビーム52は自動車1の左右方向に伸びた棒状の部材である。
アクスルビーム52の左端部は左トレーリングアーム51Lの前後中途部に溶接により固定され、アクスルビーム52の右端部は右トレーリングアーム51Rの前後中途部に溶接により固定される。
自動車1の本体に対する左トレーリングアーム51Lの回動中心点53Lは左トレーリングアーム51Lの前端部に位置し、自動車1の本体に対する右トレーリングアーム51Rの回動中心点53Rは右トレーリングアーム51Rの前端部に位置する。
左トレーリングアーム51Lに対する左後輪20Lの軸支点(中心点23L)は左トレーリングアーム51Lの後端部に位置し、右トレーリングアーム51Rに対する右後輪20Rの軸支点(中心点23R)は右トレーリングアーム51Rの後端部に位置する。
回動中心点53L、回動中心点53R、中心点23Lおよび中心点23Rは、自動車1のリンクポイントを成す。
なお、図9では便宜上図示を省略したが、自動車1の本体と左トレーリングアーム51Lとの間に介装されるショックアブソーバの一端(下端部)は左トレーリングアーム51Lの前後中途部に回動可能に連結され、他端部(上端部)は自動車1の本体に回動可能に連結される。
従って、当該ショックアブソーバの両端部にも自動車1のリンクポイントが設定されることとなる。自動車1の本体と右トレーリングアーム51Rとの間に介装されるショックアブソーバについても同様である。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「バウンド/リバウンド量の算出」について説明する。
演算装置131が「バウンド/リバウンド量の算出」に係る演算を行う作業は図10に示すバウンド/リバウンド量算出工程S1800に相当する。バウンド/リバウンド量算出工程S1800は本発明に係るバウンド/リバウンド量算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「バウンド/リバウンド量の算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係るバウンド/リバウンド量算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、「自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量」、「自動車1の右前輪10Rのバウンド/リバウンド量」、「自動車1の左後輪20Lのバウンド/リバウンド量」および「自動車1の右後輪20Rのバウンド/リバウンド量」を算出する。
「自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量」、「自動車1の右前輪10Rのバウンド/リバウンド量」、「自動車1の左後輪20Lのバウンド/リバウンド量」および「自動車1の右後輪20Rのバウンド/リバウンド量」を合わせたものは、本発明に係る「各車輪のバウンド/リバウンド量」の実施の一形態に相当する。
本実施形態では、「車輪のバウンド/リバウンド量」は、「車両の本体の所定の位置(例えば、車輪を本体に支持する懸架装置と当該本体との回動連結点)と、車輪の中心点(より厳密にはホイールの中心点)と、の上下方向における相対位置(Z座標の差分)」として定義される。
そして、演算装置131は、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における左前ホイール11Lの中心点13LのZ座標と、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における自動車1の車両の本体の所定の位置(左前輪10Lを自動車1の本体に支持する懸架装置の自動車1の本体側における回動連結点)のZ座標と、の差分を算出し、算出された差分値を、「自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量」とする。
同様に、演算装置131は、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における右前ホイール11Rの中心点13RのZ座標と、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における自動車1の車両の本体の所定の位置(右前輪10Rを自動車1の本体に支持する懸架装置の自動車1の本体側における回動連結点)のZ座標と、の差分を算出し、算出された差分値を、「自動車1の右前輪10Rのバウンド/リバウンド量」とする。
同様に、演算装置131は、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における左後ホイール21Lの中心点23LのZ座標と、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における回動中心点53LのZ座標と、の差分を算出し、算出された差分値を、「自動車1の左後輪20Lのバウンド/リバウンド量」とする(図9参照)。
同様に、演算装置131は、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における右後ホイール21Rの中心点23RのZ座標と、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における回動中心点53RのZ座標と、の差分を算出し、算出された差分値を、「自動車1の右後輪20Rのバウンド/リバウンド量」とする(図9参照)。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「第二リンクポイント位置の算出」について説明する。
演算装置131が「第二リンクポイント位置の算出」に係る演算を行う作業は図10に示す第二リンクポイント位置算出工程S1900に相当する。第二リンクポイント位置算出工程S1900は本発明に係る第二リンクポイント位置算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「第二リンクポイント位置の算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係る第二リンクポイント位置算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、「自動車1の各車輪のバウンド/リバウンド量と自動車1の下部の各リンクポイントとの関係」を予め記憶している。
「自動車1の各車輪のバウンド/リバウンド量と自動車1の下部の各リンクポイントとの関係」は、「自動車1の車両下部設計データ」に基づいて作成されるものであり、設計上の(各部品の寸法精度および組み付け精度に誤差が無いと仮定した場合の)自動車1の各車輪が或るバウンド/リバウンド量をとったときの各車輪のホイールの中心とその他のリンクポイントとの相対位置(座標の差分)を表すものである。
本実施形態では、「自動車1の各車輪のバウンド/リバウンド量と自動車1の下部の各リンクポイントとの関係」として、(a)「自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量と自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントとの関係」、(b)「自動車1の右前輪10Rのバウンド/リバウンド量と自動車1の下部のうち右前輪10Rと関連性が高いリンクポイントとの関係」、(c)「自動車1の左後輪20Lのバウンド/リバウンド量と自動車1の下部のうち左後輪20Lと関連性が高いリンクポイントとの関係」、および(d)「自動車1の右後輪20Rのバウンド/リバウンド量と自動車1の下部のうち右後輪20Rと関連性が高いリンクポイントとの関係」の四つの関係を予め記憶している。
「自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイント」の例としては、左前輪10Lを自動車1の本体に支持する懸架装置を自動車1の本体あるいは他の部材(ショックアブソーバ等)に回動可能に連結する回動連結点等が挙げられる。「自動車1の下部のうち右前輪10Rと関連性が高いリンクポイント」、「自動車1の下部のうち左後輪20Lと関連性が高いリンクポイント」、「自動車1の下部のうち右後輪20Rと関連性が高いリンクポイント」についても同様である。
演算装置131は、「バウンド/リバウンド量の算出」において算出された自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量と、(a)「自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量と自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントとの関係」と、を比較することにより、自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量が「バウンド/リバウンド量の算出」において算出された値をとったときの左前ホイール11Lの中心点13Lと自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントとの座標の差分を算出する。
次に、演算装置131は、『自動車1の左前輪10Lのバウンド/リバウンド量が「バウンド/リバウンド量の算出」において算出された値をとったときの左前ホイール11Lの中心点13Lと自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントとの座標の差分』と座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における左前ホイール11Lの中心点13Lの座標との和として、「自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントの座標」を算出する。
同様に、演算装置131は、「自動車1の下部のうち右前輪10Rと関連性が高いリンクポイントの座標」、「自動車1の下部のうち左後輪20Lと関連性が高いリンクポイントの座標」、「自動車1の下部のうち右後輪20Rと関連性が高いリンクポイントの座標」を算出する。
このようにして算出された「自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイントの座標」、「自動車1の下部のうち右前輪10Rと関連性が高いリンクポイントの座標」、「自動車1の下部のうち左後輪20Lと関連性が高いリンクポイントの座標」、「自動車1の下部のうち右後輪20Rと関連性が高いリンクポイントの座標」、並びに、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における左前ホイール11Lの中心点13Lの座標、右前ホイール11Rの中心点13Rの座標、左後ホイール21Lの中心点23Lの座標および右後ホイール21Rの中心点23Rの座標、を合わせたものは、本発明に係る第二リンクポイント位置の実施の一形態に相当する。
以下では、演算装置131が行う演算のうち、「ズレの算出」について説明する。
演算装置131が「ズレの算出」に係る演算を行う作業は図10に示すズレ算出工程S2000に相当する。ズレ算出工程S2000は本発明に係るズレ算出工程の実施の一形態に相当する。
また、「車両下部測定プログラム」が演算装置131に「ズレの算出」に係る演算を行わせる機能は本発明に係るズレ算出機能の実施の一形態に相当する。
演算装置131は、自動車1の下部の各リンクポイントについての「第一リンクポイント位置」および自動車1の下部の各リンクポイントについての「第二リンクポイント位置」に基づいて、自動車1の下部の各リンクポイントのズレを算出する。
以下では、自動車1の下部の各リンクポイントのズレ算出の詳細について説明する。
本実施形態では、自動車1の下部の各リンクポイントが予め(A)左前輪10Lの左前ホイール11Lの中心点13Lおよび自動車1の下部のうち左前輪10Lと関連性が高いリンクポイント、(B)右前輪10Rの右前ホイール11Rの中心点13Rおよび自動車1の下部のうち右前輪10Rと関連性が高いリンクポイント、(C)左後輪20Lの左後ホイール21Lの中心点23Lおよび自動車1の下部のうち左後輪20Lと関連性が高いリンクポイント、(D)右後輪20Rの右後ホイール21Rの中心点23Rおよび自動車1の下部のうち右後輪20Rと関連性が高いリンクポイント、の四つのグループに分類される。
なお、本実施形態では、「補完車両下部形状データの座標変換」を行うことにより、左前輪10Lの左前ホイール11Lの中心点13L、右前輪10Rの右前ホイール11Rの中心点13R、左後輪20Lの左後ホイール21Lの中心点23Lおよび右後輪20Rの右後ホイール21Rの中心点23Rの「第一リンクポイント位置(座標)」が左前輪10Lの左前ホイール11Lの中心点13L、右前輪10Rの右前ホイール11Rの中心点13R、左後輪20Lの左後ホイール21Lの中心点23Lおよび右後輪20Rの右後ホイール21Rの中心点23Rの「第二リンクポイント位置(座標)」に対してずれた状態となっている。
従って、このような「補完車両下部形状データの座標変換」に伴う「ズレ」を予め修正した上で、目的とする「自動車1の下部の各リンクポイントのズレ」を算出することとなる。
演算装置131は、左前輪10Lの中心点13Lに係る「第一リンクポイント位置」が左前輪10Lの中心点13Lに係る「第二リンクポイント位置」に一致するように、(A)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」を座標変換する(「自動車1の補正車両下部形状データ」におけるX軸、Y軸およびZ軸に対して平行移動させる)。この座標変換が、「補完車両下部形状データの座標変換」に伴う「ズレ」の修正に相当する。
次に、演算装置131は、座標変換された(A)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」と、(A)に属するリンクポイントに係る「第二リンクポイント位置」と、の差分値(「自動車1の補正車両下部形状データ」におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の座標の差分値)を算出する。
同様に、演算装置131は、右前輪10Rの中心点13Rに係る「第一リンクポイント位置」が右前輪10Rの中心点13Rに係る「第二リンクポイント位置」に一致するように、(B)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」を座標変換する。
次に、演算装置131は、座標変換された(B)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」と、(B)に属するリンクポイントに係る「第二リンクポイント位置」と、の差分値を算出する。
同様に、演算装置131は、左後輪20Lの中心点23Lに係る「第一リンクポイント位置」が左後輪20Lの中心点23Lに係る「第二リンクポイント位置」に一致するように、(C)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」を座標変換する。
次に、演算装置131は、座標変換された(C)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」と、(C)に属するリンクポイントに係る「第二リンクポイント位置」と、の差分値を算出する。
同様に、演算装置131は、右後輪20Rの中心点23Rに係る「第一リンクポイント位置」が右後輪20Rの中心点23Rに係る「第二リンクポイント位置」に一致するように、(D)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」を座標変換する。
次に、演算装置131は、座標変換された(D)に属するリンクポイントに係る「第一リンクポイント位置」と、(D)に属するリンクポイントに係る「第二リンクポイント位置」と、の差分値を算出する。
このようにして算出された差分値は、本発明に係る車両の下部の各リンクポイントのズレの実施の一形態に相当する。
自動車1の各リンクポイントの「第一リンクポイント位置」からは、自動車1の自重による自動車1の本体の撓みに起因する自動車1の本体の傾きの影響が排除されている。
また、自動車1の各リンクポイントの「第二リンクポイント位置」は自動車1の各車輪のホイールの中心点を基準とするものであり、自動車1の各リンクポイントの「第二リンクポイント位置」からは自動車1の下部を構成する部材の寸法誤差および組み付け誤差の影響が排除されている。
自動車1の各リンクポイントの「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」を示す座標をいずれも「自動車1の補正車両下部形状データ」の座標系に基づくものとすることにより「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」の差分を算出可能としている。
また、各車輪のホイールの中心点に対応する「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」の座標は同じであるため、「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」の差分値からは、自動車1の各車輪のタイヤの空気量のバラツキに起因する測定誤差(測定環境に起因する外乱)が排除される。
従って、自動車1の下部の各リンクポイントについての「第一リンクポイント位置」と「第二リンクポイント位置」との差分値は、自動車1の本体の撓みに起因する自動車1の本体の傾きの影響および自動車1の各車輪のタイヤの空気量のバラツキに起因する測定誤差の影響が排除された「自動車1の下部を構成する部材の寸法誤差および組み付け誤差」を示す指標となる。
以上の如く、車両下部測定装置100は、
自動車1が載置される定盤110と、
定盤110との相対的な位置および姿勢が定められ、定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定することにより自動車1の下部の三次元形状に係るデータである「自動車1の車両下部形状データ」を生成する三次元形状測定装置120と、
「自動車1の車両下部形状データ」に基づいて定盤110に対する自動車1の各車輪のホイールの位置および角度を算出し、予め記憶された自動車1の下部の設計上の三次元形状に係るデータである「自動車1の車両下部設計データ」に基づいて自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を推定することにより「自動車1の車両下部形状データ」を補完したデータである「自動車1の補完車両下部形状データ」を生成し、自動車1の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて定盤110に対する自動車1の本体の傾斜角度を算出し、自動車1の本体の傾斜角度に基づいて「自動車1の補完車両下部形状データ」の座標変換を行い、座標変換が行われた「自動車1の補完車両下部形状データ」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第一リンクポイント位置」を算出し、座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における自動車1の各車輪のホイールの位置と自動車1の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出し、予め記憶された「各車輪のバウンド/リバウンド量と車両の下部の各リンクポイントとの関係」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第二リンクポイント位置」を算出し、「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」に基づいて自動車1の下部の各リンクポイントのズレを算出する演算装置131と、
を具備する。
このように構成することにより、自動車1の本体の撓みに起因する自動車1の本体の傾きの影響および自動車1の各車輪のタイヤの空気量のバラツキに起因する測定誤差の影響が排除された「自動車1の下部を構成する部材の寸法誤差および組み付け誤差」を測定することが可能であり、ひいては自動車1の下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を精度良く測定することが可能である。
また、一般的に三次元測定装置を用いた自動車の足回りの形状測定においては測定環境による外乱(タイヤの空気量のバラツキ、車両の本体の自重による撓み等)により、製品としては本来適正に組み立てられている(良品である)にも関わらず各部品の位置が良品に対して大きくずれているとして不良品と誤判定してしまう(ひいては、不当に良品歩留まりが低下してしまう)が、本実施形態ではこのような外乱を効率良く排除することが可能であるため誤判定を防止し、ひいては良品歩留まりを向上させることが可能である。
また、車両下部測定装置100の演算装置131は、
「自動車1の車両下部設計データ」における自動車1の下部の各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータである「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」を予め記憶し、
「自動車1の車両下部設計データ」および「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」に基づいて自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を推定する。
このように構成することにより、自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を各部品の変形量をも考慮して精度良く推定することが可能であり、測定精度の向上に寄与する。
また、車両下部測定装置100の演算装置131は、
自動車1の下部において三次元形状測定装置120により測定できない部分に対応する部品の「自動車1の車両下部設計データ」と、自動車1の下部において三次元形状測定装置120により測定できない部分に対応する部品の「自動車1の車両下部形状データ」と、の間で対応する点間の距離を「自動車1の下部を構成する各部品の重み付けデータ」に基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、自動車1の下部において三次元形状測定装置120により測定できない部分を推定する。
このように構成することにより、自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を各部品の変形量をも考慮して精度良く推定することが可能であり、測定精度の向上に寄与する。
以上の如く、本発明に係る車両下部測定プログラムの実施の一形態は、
演算装置131に、
定盤110との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置120が定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定することにより生成した「自動車1の車両下部形状データ」に基づいて定盤110に対する自動車1の各車輪のホイールの位置および角度を算出させる「ホイール位置・角度算出機能」と、
予め記憶された「自動車1の車両下部設計データ」に基づいて自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を推定することにより「自動車1の補完車両下部形状データ」を生成させる「補完車両下部形状データ生成機能」と、
自動車1の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて定盤110に対する自動車1の本体の傾斜角度を算出させる「傾斜角度算出機能」と、
自動車1の本体の傾斜角度に基づいて「自動車1の補完車両下部形状データ」の座標変換を行わせる「座標変換機能」と、
座標変換が行われた「自動車1の補完車両下部形状データ」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第一リンクポイント位置」を算出させる「第一リンクポイント位置算出機能」と、
座標変換が行われる前の「自動車1の補完車両下部形状データ」における自動車1の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出させる「バウンド/リバウンド量算出機能」と、
予め記憶された「各車輪のバウンド/リバウンド量と自動車1の下部の各リンクポイントとの関係」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第二リンクポイント位置」を算出させる「第二リンクポイント位置算出機能」と、
「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」に基づいて自動車1の下部の各リンクポイントのズレを算出させる「ズレ算出機能」と、
を実現させるためのプログラムである。
このように構成することにより、自動車1の本体の撓みに起因する自動車1の本体の傾きの影響および自動車1の各車輪のタイヤの空気量のバラツキに起因する測定誤差の影響が排除された「自動車1の下部を構成する部材の寸法誤差および組み付け誤差」を測定することが可能であり、ひいては自動車1の下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を精度良く測定することが可能である。
また、一般的に三次元測定装置を用いた自動車の足回りの形状測定においては測定環境による外乱(タイヤの空気量のバラツキ、車両の本体の自重による撓み等)により、製品としては本来適正に組み立てられている(良品である)にも関わらず各部品の位置が良品に対して大きくずれているとして不良品と誤判定してしまう(ひいては、不当に良品歩留まりが低下してしまう)が、本実施形態ではこのような外乱を効率良く排除することが可能であるため誤判定を防止し、ひいては良品歩留まりを向上させることが可能である。
以上の如く、本発明に係る車両下部測定方法の実施の一形態は、
自動車1が定盤110に載置される載置工程S1100と、
定盤110との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置120が、定盤110に載置された自動車1の下部の三次元形状を測定することにより「自動車1の車両下部形状データ」を生成する三次元形状測定工程S1200と、
演算装置131が、「自動車1の車両下部形状データ」に基づいて定盤110に対する自動車1の各車輪のホイールの位置および角度を算出するホイール位置・角度算出工程S1300と、
演算装置131が、予め記憶された「自動車1の車両下部設計データ」に基づいて自動車1の下部において三次元形状測定装置120が測定できない部分を推定することにより「自動車1の補完車両下部形状データ」を生成する補完車両下部形状データ生成工程S1400と、
演算装置131が、自動車1の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて定盤110に対する自動車1の本体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出工程S1500と、
演算装置131が、自動車1の本体の傾斜角度に基づいて「自動車1の補完車両下部形状データ」の座標変換を行う座標変換工程S1600と、
演算装置131が、座標変換が行われた「自動車1の補完車両下部形状データ」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第一リンクポイント位置」を算出する第一リンクポイント位置算出工程S1700と、
演算装置131が、前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出するバウンド/リバウンド量算出工程S1800と、
演算装置131が、予め記憶された「各車輪のバウンド/リバウンド量と自動車1の下部の各リンクポイントとの関係」に基づく自動車1の下部の各リンクポイントの座標である「第二リンクポイント位置」を算出する第二リンクポイント位置算出工程S1900と、
演算装置131が、「第一リンクポイント位置」および「第二リンクポイント位置」に基づいて自動車1の下部の各リンクポイントのズレを算出するズレ算出工程S2000と、
を具備する。
このように構成することにより、自動車1の本体の撓みに起因する自動車1の本体の傾きの影響および自動車1の各車輪のタイヤの空気量のバラツキに起因する測定誤差の影響が排除された「自動車1の下部を構成する部材の寸法誤差および組み付け誤差」を測定することが可能であり、ひいては自動車1の下部を構成する部品群の相対的な位置および角度(姿勢)を精度良く測定することが可能である。
また、一般的に三次元測定装置を用いた自動車の足回りの形状測定においては測定環境による外乱(タイヤの空気量のバラツキ、車両の本体の自重による撓み等)により、製品としては本来適正に組み立てられている(良品である)にも関わらず各部品の位置が良品に対して大きくずれているとして不良品と誤判定してしまう(ひいては、不当に良品歩留まりが低下してしまう)が、本実施形態ではこのような外乱を効率良く排除することが可能であるため誤判定を防止し、ひいては良品歩留まりを向上させることが可能である。
本実施形態では、載置工程S1100、三次元形状測定工程S1200、ホイール位置・角度算出工程S1300、補完車両下部形状データ生成工程S1400、傾斜角度算出工程S1500、座標変換工程S1600、第一リンクポイント位置算出工程S1700、バウンド/リバウンド量算出工程S1800、第二リンクポイント位置算出工程S1900およびズレ算出工程S2000の各工程を順に行うが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図11に示す如く、まず載置工程S1100、三次元形状測定工程S1200、ホイール位置・角度算出工程S1300、補完車両下部形状データ生成工程S1400の各工程を順に行い、次に「バウンド/リバウンド量算出工程S1800および第二リンクポイント位置算出工程S1900」の各工程を順に行い、続いて「傾斜角度算出工程S1500、座標変換工程S1600および第一リンクポイント位置算出工程S1700」の各工程を順に行い、最後にズレ算出工程S2000を行っても良い。
また、図12に示す如く、まず載置工程S1100、三次元形状測定工程S1200、ホイール位置・角度算出工程S1300、補完車両下部形状データ生成工程S1400の各工程を順に行い、次に「傾斜角度算出工程S1500、座標変換工程S1600および第一リンクポイント位置算出工程S1700」の各工程と「バウンド/リバウンド量算出工程S1800および第二リンクポイント位置算出工程S1900」の各工程とを並行して行い、最後にズレ算出工程S2000を行っても良い。
1 自動車(車両)
10L 左前輪(車輪)
10R 右前輪(車輪)
11L 左前ホイール(ホイール)
11R 右前ホイール(ホイール)
12L 左前タイヤ
12R 右前タイヤ
20L 左後輪(車輪)
20R 右後輪(車輪)
21L 左後ホイール(ホイール)
21R 右後ホイール(ホイール)
22L 左後タイヤ
22R 右後タイヤ
100 車両下部測定装置
110 定盤(載置台)
111 基準面
112 貫通孔
120 三次元形状測定装置
121U 下部撮像装置
121F 前部撮像装置
121B 後部撮像装置
121L 左側部撮像装置
121R 右側部撮像装置
122 画像統合装置
130 解析ユニット
131 演算装置
132 入力装置
133 表示装置

Claims (9)

  1. 車両が載置される載置台と、
    前記載置台との相対的な位置および姿勢が定められ、前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データを生成する三次元形状測定装置と、
    前記車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出し、予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成し、前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出し、前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行い、前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出し、前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出し、前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出し、前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出する演算装置と、
    を具備する車両下部測定装置。
  2. 前記演算装置は、
    前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータである重み付けデータを予め記憶し、
    前記車両下部設計データおよび前記重み付けデータに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定する請求項1に記載の車両下部測定装置。
  3. 前記演算装置は、
    前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定する請求項2に記載の車両下部測定装置。
  4. コンピュータに、
    載置台との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置が前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより生成した前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出させるホイール位置・角度算出機能と、
    予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成させる補完車両下部形状データ生成機能と、
    前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出させる傾斜角度算出機能と、
    前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行わせる座標変換機能と、
    前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出させる第一リンクポイント位置算出機能と、
    前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出させるバウンド/リバウンド量算出機能と、
    前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出させる第二リンクポイント位置算出機能と、
    前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出させるズレ算出機能と、
    を実現させるための車両下部測定プログラム。
  5. 前記補完車両下部形状データ生成機能は、
    前記車両下部設計データ、および、前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータであって前記コンピュータに予め記憶された重み付けデータ、に基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定する請求項4に記載の車両下部測定プログラム。
  6. 前記補完車両下部形状データ生成機能は、
    前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定する請求項5に記載の車両下部測定プログラム。
  7. 車両が載置台に載置される載置工程と、
    前記載置台との相対的な位置および姿勢が定められた三次元形状測定装置が、前記載置台に載置された車両の下部の三次元形状を測定することにより前記車両の下部の三次元形状に係るデータである車両下部形状データを生成する三次元形状測定工程と、
    演算装置が、前記車両下部形状データに基づいて前記載置台に対する前記車両の各車輪のホイールの位置および角度を算出するホイール位置・角度算出工程と、
    前記演算装置が、予め記憶された車両の下部の設計上の三次元形状に係るデータである車両下部設計データに基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定することにより前記車両下部形状データを補完したデータである補完車両下部形状データを生成する補完車両下部形状データ生成工程と、
    前記演算装置が、算出された前記車両の各車輪のホイールの位置および角度のうち選択された三つの車輪のホイールの位置に基づいて、前記三つの車輪のホイールの中心点を通る平面を算出し、前記載置台に対する前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度を算出する傾斜角度算出工程と、
    前記演算装置が、前記車両の本体のうち前記平面に対応する部分の傾斜角度に基づいて前記補完車両下部形状データの座標変換を行う座標変換工程と、
    前記演算装置が、前記座標変換が行われた補完車両下部形状データに基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第一リンクポイント位置を算出する第一リンクポイント位置算出工程と、
    前記演算装置が、前記座標変換が行われる前の前記補完車両下部形状データにおける前記車両の各車輪のホイールの位置と前記車両の本体の所定の位置との相対位置に基づいて各車輪のバウンド/リバウンド量を算出するバウンド/リバウンド量算出工程と、
    前記演算装置が、前記車両の設計データに基づいて予め記憶された前記各車輪のバウンド/リバウンド量と前記車両の下部の各リンクポイントとの関係に基づく前記車両の下部の各リンクポイントの座標である第二リンクポイント位置を算出する第二リンクポイント位置算出工程と、
    前記演算装置が、前記車両の各車輪のホイールの中心点に対応する、前記第一リンクポイント位置および前記第二リンクポイント位置に基づいて前記車両の下部の各リンクポイントのズレを算出するズレ算出工程と、
    を具備する車両下部測定方法。
  8. 前記補完車両下部形状データ生成工程において、
    前記演算装置が、前記車両下部設計データ、および、前記車両下部設計データにおける各部品の部位毎に設定された変形量の重み付けに係るデータであって前記コンピュータに予め記憶された重み付けデータ、に基づいて前記車両の下部において前記三次元形状測定装置が測定できない部分を推定する請求項7に記載の車両下部測定方法。
  9. 前記補完車両下部形状データ生成工程において、
    前記演算装置が、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部設計データと、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分に対応する部品の前記車両下部形状データと、の間で対応する点間の距離を前記重み付けデータに基づいて補正した上で最小二乗法を適用することにより、前記車両の下部において前記三次元形状測定装置により測定できない部分を推定する請求項8に記載の車両下部測定方法。
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