JP5293054B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に関し、特に、エジェクタを備えた冷凍装置に係るものである。
従来より、特許文献1に開示されているように、エジェクタを備えた冷媒回路を搭載した冷凍装置がある。
この冷凍装置は、圧縮機構と凝縮器と蒸発器とが順に接続された冷媒回路を備えている。更に、上記冷媒回路の凝縮器と蒸発器の間には、エジェクタと気液分離器とが設けられている。そして、上記エジェクタは、凝縮器からの高圧冷媒を1次流体として減圧して流通させ、この1次流体によって上記蒸発器からの低圧冷媒を2次冷媒として吸引し、1次流体と2次冷媒を混合して噴射する。更に、上記エジェクタから噴射された冷媒を気液分離器によって液冷媒とガス冷媒とに分離する。
したがって、上記圧縮機から吐出した冷媒は、凝縮器で凝縮した後、エジェクタに流れて減圧される。該エジェクタは、凝縮器からの高圧冷媒を1次流体として減圧して流通することにより、蒸発器からの低圧冷媒を2次冷媒として吸引し、1次流体と2次冷媒を混合して噴射する。その後、上記エジェクタから噴射された冷媒は、気液分離器によって液冷媒とガス冷媒とに分離され、ガス冷媒は圧縮機に戻る一方、液冷媒は、蒸発器に流れて蒸発し、上記エジェクタに吸引される。この動作を繰り返えす。
特開平10−205898号公報
上述した従来の冷凍装置は、例えば、冷房専用機又は暖房専用機である場合、冷媒循環方向が常に同一方向であるので、上記の動作が繰り返される。ところが、上記冷凍装置が冷暖房運転を行う空気調和装置である場合、冷房運転時は室外熱交換器が凝縮器となり、室内熱交換器が蒸発器となる一方、暖房運転時に室内熱交換器が凝縮器となり、室外熱交換器が蒸発器となるように冷媒循環方向を切り換える必要がある。
その際、上記圧縮機の冷媒流れとエジェクタの冷媒流れとは常に同一であるので、2つの四路切換弁を設ける必要がある。
しかしながら、2つの四路切換弁をそれぞれ駆動制御するようにすると、2つのモータなどの駆動源を要するという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、1つの駆動源でもって2つの切換手段を切り換えることを目的とするものである。
第1の発明は、圧縮機構(12)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)とが順に接続された冷媒回路(1A)を備えた冷凍装置を対象としている。そして、上記冷媒回路(1A)の熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)の間には、高圧冷媒を1次流体として減圧して流通させて低圧冷媒を2次冷媒として吸引し、1次流体と2次冷媒を混合して噴射するエジェクタ(21)と、該エジェクタ(21)の下流側に配置され且つガス冷媒の出口側が圧縮機(12)の吸入側に接続された気液分離器(22)とが設けられている。更に、上記冷凍装置は、上記圧縮機(12)の吐出側を熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)とに切り換え接続すると共に、上記気液分離器(22)の液冷媒の出口側を上記利用側熱交換器(11)と熱源側熱交換器(15)とに切り換え接続する第1切換手段(13a)備えている。加えて、上記冷凍装置は、上記エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側を熱源側熱交換器(15)に接続し且つ低圧冷媒の入口側を利用側熱交換器(11)に接続した状態と、上記エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側を利用側熱交換器(11)に接続し且つ低圧冷媒の入口側を熱源側熱交換器(15)に接続した状態とに切り換わり、上記第1切換手段(13a)の切り換えによる冷媒回路(1A)の冷媒圧力の変化によって切り換わる第2切換手段(13b)とを備えている。
その上、上記エジェクタ(21)は、1次流体を減圧膨張させて噴射させる駆動流路(21a)と、該駆動流路(21a)から噴射する1次流体によって2次流体を吸引する吸引流路(21b)と、該吸引流路(21b)の2次流体と上記駆動流路(21a)の1次流体とを合流させて噴出させる噴出流路(21c)とを有している。
また、上記第2切換手段(13b)は、上記エジェクタ(21)と一体に形成され、該エジェクタ(21)の駆動流路(21a)に連通するAポートと、上記エジェクタ(21)の吸引流路(21b)に連通するBポートと、熱源側熱交換器(15)に連通するCポートと、利用側熱交換器(11)に連通するDポートとが形成され、上記第2切換手段(13b)は、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態とに切り換わるように構成されている。
また、第2の発明は、第1の発明において、上記第2切換手段(13b)が、ハウジング(40)と、該ハウジング(40)に収納された弁体(41)と、上記ハウジング(40)内における上記弁体(41)の両側方に形成された第1パイロット室(42a)及び第2パイロット室(42b)とを備えたものである。そして、上記第1パイロット室(42a)が熱源側熱交換器(15)とハウジング(40)との間の冷媒配管(28)に常に連通すると共に、上記第2パイロット室(42b)が利用側熱交換器(11)とハウジング(40)との間の冷媒配管(29)に常に連通している。
また、第3の発明は、第2の発明において、上記第2切換手段(13b)のハウジング(40)は、AポートとBポートとCポートとDポートとが形成されたものである。そして、上記第2切換手段(13b)の弁体(41)は、上記ハウジング(40)に収納され、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態とに切り換わるように構成されている。更に、上記ハウジング(40)には、弁体(41)の両側方に連結された第1ピストン部(46a)及び第2ピストン部(46b)が収納されている。上記第1パイロット室(42a)は、第1ピストン部(46a)の背面側とハウジング(40)との間に形成され、上記第2パイロット室(42b)は、第2ピストン部(46b)の背面側とハウジング(40)との間に形成されている。加えて、上記ハウジング(40)には、第1パイロット室(42a)を熱源側熱交換器(15)とCポートとの間の冷媒配管(28)に連通する第1パイロットポート(47a)と、第2パイロット室(42b)を利用側熱交換器(11)とDポートの間の冷媒配管(29)に連通する第2パイロットポート(47b)とが形成されている。
また、第4の発明は、第1〜第3の発明の何れかにおいて、上記エジェクタ(21)が、高圧冷媒を1次流体として減圧膨張させて噴射させる駆動流路(21a)と、該駆動流路(21a)から噴射する1次流体によって低圧冷媒を2次流体として吸引する吸引流路(21b)と、該吸引流路(21b)の2次流体と上記駆動流路(21a)の2次流体とを合流させて噴出する噴出流路(21c)とを備えたものである。
−作用−
第1の発明では、暖房運転時に上記圧縮機構(12)から吐出された冷媒が利用側熱交換器(11)で凝縮し、エジェクタ(21)で減圧された後、気液分離器(22)で液冷媒とガス冷媒とに分離され、液冷媒が熱源側熱交換器(15)で蒸発してエジェクタ(21)に流れ、気液分離器(22)のガス冷媒が圧縮機構(12)に戻る。一方、冷房運転時に上記圧縮機構(12)から吐出された冷媒が気液分離器(22)を経て熱源側熱交換器(15)で凝縮し、エジェクタ(21)で減圧された後、利用側熱交換器(11)で蒸発して圧縮機構(12)に戻る。
そして、上記第1切換手段(13a)を切り換えると、冷媒回路の冷媒圧力が変化するので、第2切換手段(13b)はこの冷媒圧力の変化にともなって自動的に切り換わる。
つまり、第2の発明では、上記熱源側熱交換器(15)に高圧冷媒が流れると、上記第2切換手段(13b)の第1パイロット室(42a)が高圧状態となり、上記利用側熱交換器(11)に低圧冷媒が流れると、第2パイロット室(42b)が低圧状態となる。この結果、上記第2切換手段(13b)は、エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側が熱源側熱交換器(15)に連通し且つ低圧冷媒の入口側が利用側熱交換器(11)に連通した状態となる。
一方、上記熱源側熱交換器(15)に低圧冷媒が流れると、上記第2切換手段(13b)の第1パイロット室(42a)が低圧状態となり、上記利用側熱交換器(11)に高圧冷媒が流れると、第2パイロット室(42b)が高圧状態となる。この結果、上記第2切換手段(13b)は、エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側が利用側熱交換器(11)に連通し且つ低圧冷媒の入口側が熱源側熱交換器(15)に連通した状態となる。
具体的に、第3の発明では、上記第2切換手段(13b)の第1パイロット室(42a)が高圧状態となると、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態となる。
一方、上記第2切換手段(13b)の第1パイロット室(42a)が低圧状態となると、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態となる。
本発明によれば、第2切換手段(13b)が第1切換手段(13a)の切り換えによる冷媒回路(1A)の冷媒圧力の変化によって切り換わるようにしたために、1つの駆動源でもって2つの切換手段を切り換えることができる。この結果、制御の簡素化を図ると共に、部品点数の削減を図ることができる。
また、第2の発明によれば、熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)における冷媒圧力の変化にしたがって第2切換手段(13b)が切り換わるので、各熱交換器の状態に合わせて冷媒循環方向を確実に切り換えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1は本発明の実施形態1に係る空気調和装置(10)の冷媒回路(1A)図である。また、図2は、本実施形態1の空気調和装置(10)のP−h線図である。
上記空気調和装置(10)は、室外機(2)と室内機(3)とを備えたセパレート型の空気調和装置である。この空気調和装置(10)には、閉回路である冷媒回路(1A)が設けられている。上記冷媒回路(1A)は、冷房サイクルと暖房サイクルとに切り換わるように構成されている。
上記冷媒回路(1A)は、室外機(2)に設けられた熱源側回路(10a)と、室内機(3)に設けられた利用側回路(10b)とを備えている。上記利用側回路(10b)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(11)が接続されている。上記熱源側回路(10a)は、圧縮機構である圧縮機(12)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(15)と、第1切換手段である第1四路切換弁(13a)と、第2切換手段である第2四路切換弁(13b)と、エジェクタ(21)と、気液分離器(22)と、補助膨張弁(27)とが接続されている。
上記圧縮機(12)の吐出側は、第1四路切換弁(13a)を介して室外熱交換器(15)の一端と室内熱交換器(11)の一端とに切り換わって接続されるように構成されている。
上記エジェクタ(21)は、高圧冷媒が1次流体として流れる駆動流路(21a)と、低圧冷媒が2次流体として吸引されて流れる吸引流路(21b)と、吸引流路(21b)を流れる冷媒と駆動流路(21a)を流れる冷媒とを合流させて噴出する噴出流路(21c)とが設けられている。
具体的に、上記エジェクタ(21)は、図3〜図5に示すように、円筒状に形成されたエジェクタ本体(30)と、該エジェクタ本体(30)に収納されたノズル(31)とを備えている。上記エジェクタ本体(30)の基端面には、高圧冷媒の高圧流入口と低圧冷媒の低圧流入口が形成されると共に、先端面には、噴射口が形成されている。そして、上記高圧流入口は、ノズル(31)に形成された駆動流路(21a)に開口する一方、低圧流入口は吸引流路(21b)に開口し、噴射口は気液分離器(22)に接続されている。
更に、上記エジェクタ(21)は、駆動流路(21a)の流路径を調節するためのニードル(32)が設けられている。
そして、上記エジェクタ(21)は、駆動流路(21a)へ流入した高圧冷媒をエジェクタ(21)内に設けられたノズル(31)で減圧させると共に加速させ、その加速により生じる負圧によって、低圧冷媒を吸引流路(21b)内に吸引するように構成されている。また、上記エジェクタ(21)は、噴出流路(21c)において吸引流路(21b)を流れる冷媒と駆動流路(21a)を流れる冷媒とを混合させ、この混合冷媒をディフューザ(30a)で減速させると共に昇圧させてから噴出させるように構成されている。
そして、上記エジェクタ(21)の駆動流路(21a)と吸引流路(21b)とは、第2四路切換弁(13b)を介して室外熱交換器(15)の一端と室内熱交換器(11)の一端とに切り換わって接続されるように構成されている。
上記エジェクタ(21)の噴出流路(21c)の出口は、気液分離器(22)の側部に開口する冷媒流入口(22a)に接続されている。該気液分離器(22)の頂部にはガス流出口(22b)が開口し、このガス流出口(22b)が圧縮機(12)の吸入側に接続されている。また、気液分離器(22)の底部には液流出口(22c)が開口し、この液流出口(22c)が補助膨張弁(27)を介して第1四路切換弁(13a)に接続されている。
上記室内熱交換器(11)と室外熱交換器(15)とは、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。室外熱交換器(15)は、室外ファンによって吸い込まれた室外空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(11)は、室内ファンによって吸い込まれた室内空気を冷媒と熱交換させる。
上記第1四路切換弁(13a)は、図示しないが、電動モータによって弁体(41)が駆動し、切り変わるように構成されている。上記第1四路切換弁(13a)のAポートは圧縮機(12)の吐出側に接続され、Bポートは気液分離器(22)の液流出口(22c)に接続され、Cポートが室外熱交換器(15)の一端に接続され、Dポートが室内熱交換器(11)の一端に接続されている。そして、上記第1四路切換弁(13a)は、AポートとCポートが連通し且つBポートとDポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、AポートとDポートが連通し且つBポートとCポートが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記第2四路切換弁(13b)は、図3〜図5に示すように、エジェクタ(21)に一体に形成され、上記エジェクタ本体(30)に一体形成されたハウジング(40)と、該ハウジング(40)に収納された弁体(41)とを備えている。更に、上記第2四路切換弁(13b)は、ハウジング(40)内における上記弁体(41)の両側方に形成された第1パイロット室(42a)及び第2パイロット室(42b)とを備えている。上記第1パイロット室(42a)は、室外熱交換器(15)とハウジング(40)との間の冷媒配管(28)に常に連通すると共に、上記第2パイロット室(42b)は、室内熱交換器(11)とハウジング(40)との間の冷媒配管(29)に常に連通している。つまり、上記第2四路切換弁(13b)は、第1四路切換弁(13a)が切り変わることによる冷媒回路(1A)内における冷媒圧力の変化に伴って自動的に切り変わるように構成されている。
具体的に、上記第2四路切換弁(13b)のハウジング(40)は、エジェクタ(21)の高圧冷媒の流入口に連通するAポートと、エジェクタ(21)の低圧冷媒の流入口に連通するBポートと、室外熱交換器(15)に連通するCポートと、室内熱交換器(11)に連通するDポートとが形成されている。
上記第2四路切換弁(13b)の弁体(41)は、上記ハウジング(40)に収納され、主ロッド(43)と該主ロッド(43)の両端にそれぞれ連結された2つの主ピストン(44)とを備え、ハウジング(40)内に高圧室(4a)と低圧室(4b)とを形成している。そして、上記弁体(41)は、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する第1状態(図1に実線で示す状態及び図3)と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する第2状態(図1に破線で示す状態及び図6)とに切り換わるように構成されている。尚、上記主ロッド(43)は2本設けられ、該主ロッド(43)の間をニードル(32)が貫通している。
更に、上記ハウジング(40)には、弁体(41)の両側方に補助ロッド(45)を介して連結された第1ピストン部(46a)及び第2ピストン部(46b)が収納されている。
上記第1パイロット室(42a)は、第1ピストン部(46a)とハウジング(40)の端部との間に形成され、上記第2パイロット室(42b)は、第2ピストン部(46b)とハウジング(40)の端部との間に形成されている。
上記ハウジング(40)の両端には、第1パイロット室(42a)に開口する第1パイロットポート(47a)と、第2パイロット室(42b)に開口する第2パイロットポート(47b)と形成されている。上記第1パイロットポート(47a)は、第1パイロット通路(48a)を介して室外熱交換器(15)とCポートとの間の冷媒配管(28)に連通し、上記第2パイロットポート(47b)は、第2パイロット通路(48b)を介して室内熱交換器(11)とDポートの間の冷媒配管(29)に連通している。
−運転動作−
〈冷房運転〉
次に、上記空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
先ず、冷房運転時には、図1の実線で示すように、第1四路切換弁(13a)が第2状態(図1の実線)に、第2四路切換弁(13b)が第2状態(図1の実線及び図3)にそれぞれ設定される。この状態で上記圧縮機(12)を運転すると、室外熱交換器(15)が凝縮器となり、上記室内熱交換器(11)が蒸発器となって冷房サイクルが行われる。
上記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒(図1及び図2のd1参照)は、第1四路切換弁(13a)を経て室外熱交換器(15)に流入し、室外空気へ放熱しながら凝縮する。上記室外熱交換器(15)を流出した高圧冷媒(駆動流体)(図1及び図2のd2参照)は、エジェクタ(21)の駆動流路(21a)に流入する。該駆動流路(21a)に流入した高圧冷媒は、1次流体としてノズル(31)により減圧して加速される(図1及び図2のd3参照)。この1次流体の加速により生じる負圧によって、室内熱交換器(11)から流出した低圧冷媒(吸引流体)(図1及び図2のd9参照)が2次流体としてエジェクタ(21)内に吸引される。
そして、加速された1次流体と吸引された2次流体とは、エジェクタ(21)の噴出流路(21c)の上流側で合流する(図1及び図2のd4参照)。合流した冷媒は、ディフューザ(30a)で減速させて昇圧した後で噴出流路(21c)から噴出する(図1及び図2のd5参照)。
上記エジェクタ(21)から噴出した冷媒は、気液分離器(22)の冷媒流入口(22a)から流入する。そして、気液分離器(22)内でガス冷媒(図1及び図2のd6参照)と液冷媒(図1及び図2のd7参照)とに分離する。
上記気液分離器(22)で分離した液冷媒は、補助膨張弁(27)で減圧され(図1及び図2のd8参照)、第1四路切換弁(13a)を経て室内熱交換器(11)に流入し、室内空気から吸熱しながら蒸発する。そして、上記室内熱交換器(11)を流出した冷媒は、上述したようにエジェクタ(21)内に吸引される(図1及び図2のd9参照)。
一方、上記気液分離器(22)で分離したガス冷媒は、第1四路切換弁(13a)を経て上記圧縮機(12)に吸入される。該圧縮機(12)に吸入されたガス冷媒は、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となり、該圧縮機(12)から吐出される。この冷媒循環が繰り返されて冷房運転が行われる。
〈暖房運転〉
先ず、暖房運転時には、図1の破線で示すように、第1四路切換弁(13a)が第1状態(図1の破線)に、第2四路切換弁(13b)が第1状態(図1の破線及び図6)にそれぞれ設定される。この状態で上記圧縮機(12)を運転すると、上記室内熱交換器(11)が凝縮器となり、上記室外熱交換器(15)が蒸発器となって暖房サイクルが行われる。
上記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒(図1及び図2のd1参照)は、第1四路切換弁(13a)を経て室内熱交換器(11)に流入し、室内空気へ放熱しながら凝縮する。上記室内熱交換器(11)を流出した高圧冷媒(図1及び図2のd2参照)は、エジェクタ(21)の駆動流路(21a)に流入する。該駆動流路(21a)に流入した高圧冷媒は、1次流体としてノズル(31)により減圧して加速される(図1及び図2のd3参照)。この1次流体の加速により生じる負圧によって、室外熱交換器(15)から流出した低圧冷媒(図1及び図2のd9参照)が2次流体としてエジェクタ(21)内に吸引される。
そして、加速された1次流体と吸引された2次流体とは、エジェクタ(21)の噴出流路(21c)の上流側で合流する(図1及び図2のd4参照)。合流した冷媒は、ディフューザ(30a)で減速させて昇圧した後で噴出流路(21c)から噴出する(図1及び図2のd5参照)。
上記エジェクタ(21)から噴出した冷媒は、気液分離器(22)の冷媒流入口(22a)から流入する。そして、気液分離器(22)内でガス冷媒(図1及び図2のd6参照)と液冷媒(図1及び図2のd7参照)とに分離する。
上記気液分離器(22)で分離した液冷媒は、補助膨張弁(27)で減圧され(図1及び図2のd8参照)、第1四路切換弁(13a)を経て室外熱交換器(15)に流入し、室外空気から吸熱しながら蒸発する。そして、上記室外熱交換器(15)を流出した冷媒は、上述したようにエジェクタ(21)内に吸引される(図1及び図2のd9参照)。
一方、上記気液分離器(22)で分離したガス冷媒は、第1四路切換弁(13a)を経て上記圧縮機(12)に吸入される。該圧縮機(12)に吸入されたガス冷媒は、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となり、該圧縮機(12)から吐出される。この冷媒循環が繰り返されて暖房運転が行われる。
〈四路切換弁の動作〉
冷房運転時は、第1四路切換弁(13a)が実線状態に電動モータで切り変わるので、圧縮機(12)の吐出側が室外熱交換器(15)に連通すると共に、第2四路切換弁(13b)のCポートに連通する。したがって、第2パイロット室(42b)には高圧冷媒が作用するので、図3及び図4に示すようにCポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態となる。
暖房運転時は、第1四路切換弁(13a)が破線状態に電動モータで切り変わるので、圧縮機(12)の吐出側が室内熱交換器(11)に連通すると共に、第2四路切換弁(13b)のDポートに連通する。したがって、第1パイロット室(42a)には高圧冷媒が作用するので、図6に示すようにDポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態となる。
尚、上記暖房運転時において、デフロスト運転を行う場合は、冷房運転時と同じ状態に切り換わる。
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、第2四路切換弁(13b)が第1四路切換弁(13a)の切り換えによる冷媒回路(1A)の冷媒圧力の変化によって切り換わるようにしたために、1つの駆動源でもって2つの切換手段を切り換えることができる。この結果、制御の簡素化を図ると共に、部品点数の削減を図ることができる。
また、上記室外熱交換器(15)と室内熱交換器(11)における冷媒圧力の変化にしたがって第2四路切換弁(13b)が切り換わるので、各熱交換器の状態に合わせて冷媒循環方向を確実に切り換えることができる。
〈実施形態2〉
本実施形態は、前実施形態1がエジェクタ(21)と第2四路切換弁(13b)とを一体に構成したに換えて、エジェクタ(21)と第2四路切換弁(13b)とを別体に形成したものである。
具体的に、上記第2四路切換弁(13b)は、図7及び図8に示すように、弁体(41)が断面半円弧状に形成され、ハウジング(40)内に高圧室(4a)と低圧室(4b)とが形成されている。そして、上記弁体(41)にロッド(43)を介して第1ピストン部(46a)と第2ピストン部(46b)とが連結されている。
そして、前実施形態1と同様に、上記弁体(41)は、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する第1状態(図7)と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する第2状態(図8)とに切り換わるように構成されている。
上記第1パイロット室(42a)は、第1ピストン部(46a)とハウジング(40)の端部との間に形成され、上記第2パイロット室(42b)は、第2ピストン部(46b)とハウジング(40)の端部との間に形成されている。
更に、上記ハウジング(40)の両端には、第1パイロット室(42a)に開口する第1パイロットポート(47a)と、第2パイロット室(42b)に開口する第2パイロットポート(47b)と形成されている。上記第1パイロットポート(47a)は、第1パイロット通路(48a)を介して室外熱交換器(15)とCポートとの間の冷媒配管(28)に連通し、上記第2パイロットポート(47b)は、第2パイロット通路(48b)を介して室内熱交換器(11)とDポートの間の冷媒配管(29)に連通している。
尚、上記第2四路切換弁(13b)のAポートと、エジェクタ(21)の高圧冷媒の流入口との間には、一方向弁(50)が接続されている。
したがって、前実施形態1と同様に、冷房運転時において、第1四路切換弁(13a)の切り換わりに伴って、上記第2四路切換弁(13b)は、第2パイロット室(42b)に高圧冷媒が作用するので、図7に示すように、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態となる。
また、暖房運転時において、第1四路切換弁(13a)の切り換わりに伴って、上記第2四路切換弁(13b)は、第1パイロット室(42a)に高圧冷媒が作用するので、図8に示すように、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態となる。その他の構成、作用及び効果は前実施形態1と同様である。
〈その他の実施形態〉
上記各実施形態においては、冷暖房運転に切り換わる空気調和装置に付いて説明したが、本発明は、冷蔵庫などの各種の冷凍装置に適用してもよい。例えば、冷蔵運転を行う冷凍装置において、逆サイクルデフロストを行う場合、つまり、実施形態1の図3の冷房運転のサイクルから図6の暖房運転のサイクルに切り換わるものであってもよい。
また、暖房専用の空気調和装置において、逆サイクルデフロストを行う場合、つまり、実施形態1の図6の暖房運転のサイクルから図3の冷房運転のサイクルに切り換わるものであってもよい。
また、本発明は、室内熱交換器である利用側熱交換器(11)は1台に限られず複数台備えるものであってもよく、室外熱交換器である熱源側熱交換器(15)も1台に限られず複数台備えるものであってもよい。
また、実施形態1におけるニードル(32)は必ずしも設ける必要はない。
以上説明したように、本発明は、エジェクタを用いて冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置について有用である。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 図2は、実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路が行う冷凍サイクルのT−S線図である。 図3は、暖房運転時のエジェクタ及び第2四路切換弁を示す概略構成図である。 図4は、エジェクタ及び第2四路切換弁を示す縦断面図である。 図5は、第2四路切換弁を示す横断面図である。 図6は、冷房運転時のエジェクタ及び第2四路切換弁を示す概略構成図である。 図7は、実施形態2における暖房運転時のエジェクタ及び第2四路切換弁を示す概略構成図である。 図8は、実施形態2における冷房運転時のエジェクタ及び第2四路切換弁を示す概略構成図である。
1 空気調和装置(冷凍装置)
1A 冷媒回路
11 室内熱交換器(利用側熱交換器)
12 圧縮機(圧縮機構)
15 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
13a 第1四路切換弁(第1切換手段)
13b 第2四路切換弁(第2切換手段)
21 エジェクタ
22 気液分離器
30 エジェクタ本体
31 ノズル
40 ハウジング
41 弁体
42a 第1パイロット室
42b 第2パイロット室
46a 第1ピストン部
46b 第2ピストン部
47a 第1パイロットポート
47b 第2パイロットポート
48a 第1パイロット通路
48b 第2パイロット通路

Claims (4)

  1. 圧縮機構(12)と熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)とが順に接続された冷媒回路(1A)を備えた冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(1A)の熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)の間には、高圧冷媒を1次流体として減圧して流通させて低圧冷媒を2次冷媒として吸引し、1次流体と2次冷媒を混合して噴射するエジェクタ(21)と、該エジェクタ(21)の下流側に配置され且つガス冷媒の出口側が圧縮機(12)の吸入側に接続された気液分離器(22)とが設けられ、
    上記圧縮機(12)の吐出側を熱源側熱交換器(15)と利用側熱交換器(11)とに切り換え接続すると共に、上記気液分離器(22)の液冷媒の出口側を上記利用側熱交換器(11)と熱源側熱交換器(15)とに切り換え接続する第1切換手段(13a)と、
    上記エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側を熱源側熱交換器(15)に接続し且つ低圧冷媒の入口側を利用側熱交換器(11)に接続した状態と、上記エジェクタ(21)の高圧冷媒の入口側を利用側熱交換器(11)に接続し且つ低圧冷媒の入口側を熱源側熱交換器(15)に接続した状態とに切り換わり、上記第1切換手段(13a)の切り換えによる冷媒回路(1A)の冷媒圧力の変化によって切り換わる第2切換手段(13b)とを備え
    上記エジェクタ(21)は、1次流体を減圧膨張させて噴射させる駆動流路(21a)と、該駆動流路(21a)から噴射する1次流体によって2次流体を吸引する吸引流路(21b)と、該吸引流路(21b)の2次流体と上記駆動流路(21a)の1次流体とを合流させて噴出させる噴出流路(21c)とを有し、
    上記第2切換手段(13b)は、上記エジェクタ(21)と一体に形成され、該エジェクタ(21)の駆動流路(21a)に連通するAポートと、上記エジェクタ(21)の吸引流路(21b)に連通するBポートと、熱源側熱交換器(15)に連通するCポートと、利用側熱交換器(11)に連通するDポートとが形成され、
    上記第2切換手段(13b)は、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態とに切り換わるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記第2切換手段(13b)は、ハウジング(40)と、該ハウジング(40)に収納された弁体(41)と、上記ハウジング(40)内における上記弁体(41)の両側方に形成された第1パイロット室(42a)及び第2パイロット室(42b)とを備え、上記第1パイロット室(42a)が熱源側熱交換器(15)とハウジング(40)との間の冷媒配管(28)に常に連通すると共に、上記第2パイロット室(42b)が利用側熱交換器(11)とハウジング(40)との間の冷媒配管(29)に常に連通している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記第2切換手段(13b)のハウジング(40)は、AポートとBポートとCポートとDポートとが形成され、
    上記第2切換手段(13b)の弁体(41)は、上記ハウジング(40)に収納され、CポートがAポートに連通し且つDポートがBポートに連通する状態と、DポートがAポートに連通し且つCポートがBポートに連通する状態とに切り換わるように構成され、
    上記ハウジング(40)には、弁体(41)の両側方に連結された第1ピストン部(46a)及び第2ピストン部(46b)が収納され、
    上記第1パイロット室(42a)は、第1ピストン部(46a)の背面側とハウジング(40)との間に形成され、上記第2パイロット室(42b)は、第2ピストン部(46b)の背面側とハウジング(40)との間に形成され、
    上記ハウジング(40)には、第1パイロット室(42a)を熱源側熱交換器(15)とCポートとの間の冷媒配管(28)に連通する第1パイロットポート(47a)と、第2パイロット室(42b)を利用側熱交換器(11)とDポートの間の冷媒配管(29)に連通する第2パイロットポート(47b)とが形成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、
    上記エジェクタ(21)は、高圧冷媒を1次流体として減圧膨張させて噴射させる駆動流路(21a)と、該駆動流路(21a)から噴射する1次流体によって低圧冷媒を2次流体として吸引する吸引流路(21b)と、該吸引流路(21b)の2次流体と上記駆動流路(21a)の2次流体とを合流させて噴出する噴出流路(21c)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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