JP5291927B2 - 淡水貯留取水システム - Google Patents

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Description

本発明は、透水性の地盤を有する島において、淡水レンズの淡水を取水する取水システムと、この取水システムが設置された淡水貯留取水システムと、に関する。
一般に、水の浸透しやすい石灰岩で構成されたサンゴ島などでは、周囲の海水(塩水)は島の下側まで浸入していることが知られている。
サンゴ島などの水の浸透しやすい島に降水があると、雨水は、表流水として海へ流出するとともに、地盤中に浸透することになる。そして、地盤中へ浸透した雨水は、塩水と淡水との密度差によって、塩水の上に浮かんだ状態となって溜まることが知られている。
この塩水の上に溜まった淡水は、島の中央に近いほど厚みがあり、海岸へ近づくにつれて薄くなるため、その形状から淡水レンズと呼ばれており、島に住む人々によって様々に利用されている。
一方、この淡水レンズの内部には、海へと向かう流れがあるため、長期間降雨がない場合などには、淡水レンズが消滅してしまうおそれや、淡水レンズの層厚が薄くなるため取水した際に塩水が混入するおそれがある。
このような島に地下水を貯留させる方法として、いわゆる地下ダムが知られている。
この地下ダムでは、海水面より上に帯水層がある場合、止水壁によって地下水を堰き止めることによって、淡水の貯留量を増加させることができる。
また、特許文献1では、淡水レンズの淡水を取水する方法として、立孔の下位部から水平放射状に削孔された注水孔とこの注水孔の上方の集水孔とを備える取水施設が開示されている。
この構成によれば、供給水が注水孔から淡水レンズ内に送水され、淡水レンズが縮小することがないため、取水した際に塩水が混入することを防止できる。
特開2006−118298号公報
しかしながら、上記した地下ダムは、海水面より上に帯水層がない場合には設置することができない。
また、上記した特許文献1の構成では、注水孔や集水孔が必要になるうえに、水質調整された供給水が必要になるという問題があった。
そこで、本発明は、海水面より上に不透水層がない島においても地下水を有効に利用できる取水システムと、この取水システムを備える淡水貯留取水システムと、を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の取水システムは、地下の塩水の上方に形成された淡水域の淡水を取水する取水システムであって、互いに近接する一対の井戸が構築され、一方の井戸のストレーナは前記淡水域の淡水に挿入されるとともに、他方の井戸のストレーナは前記塩水に挿入されて、両方の前記ストレーナを通じて前記淡水及び前記塩水を取水することを特徴とする。
また、本発明の淡水貯留取水システムは、上記の取水システムと、地下の塩水の上方に形成された淡水域を囲む地下止水壁と、を備え、前記一方の井戸のストレーナは前記地下止水壁によって囲まれて厚みが増した前記淡水域の淡水に挿入され、前記他方の井戸のストレーナは前記塩水に挿入されて、両方の前記ストレーナを通じて前記淡水及び前記塩水を取水することを特徴とする。
さらに、前記地下止水壁の下端は、不透水性の地盤より上に位置することが好ましい。
そして、前記地下止水壁の上端は、地下水位よりも上に位置することが好ましい。
このように、本発明の取水システムは、互いに近接する一対の井戸が構築され、一方の井戸のストレーナは淡水域の淡水に挿入されるとともに、他方の井戸のストレーナは塩水に挿入されて、両方のストレーナを通じて淡水及び塩水を取水する。
したがって、両方の井戸から取水することで、塩水と淡水との境界付近において井戸に向かう鉛直方向の流れが相殺されるため、取水の際に塩水が混入することを防止できる。
また、本発明の淡水貯留取水システムは、上記の取水システムと、地下の塩水の上方に形成された淡水域を囲む地下止水壁と、を備え、一方の井戸のストレーナは地下止水壁によって囲まれて厚みが増した淡水域の淡水に挿入され、他方の井戸のストレーナは塩水に挿入されて、両方のストレーナを通じて淡水及び塩水を取水する。
したがって、淡水の貯留量が増加するとともに、淡水レンズの厚みが増えることで、いっそう取水の際に塩水が混入しにくくなる。
さらに、地下止水壁の下端は、不透水性の地盤より上に位置することで、地下止水壁の下から塩水を吐き出すことができる。
そして、地下止水壁の上端は、地下水位よりも上に位置することで、浸透する雨水を効率よく貯留することができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を用いて本実施の形態の淡水貯留取水システムSの全体構成を説明する。
本実施の形態の淡水貯留取水システムSは、図1,2に示すように、石灰岩などの透水係数の比較的大きい地盤62を有する島60を囲む地下止水壁4と、地下の塩水51の上方に凸レンズ状に形成された淡水域としての淡水レンズLの淡水50を取水する取水システム1と、を備えている。
この島60は、透水係数が大きく水が浸透しやすい石灰岩などで構成されたいわゆるサンゴ島である。なお、この島60としては、サンゴ島以外でも、亀裂の多い岩盤などの透水性の地盤62を備えた島であれば、地盤62の組成はどのようなものであってもよい。
前記したように、このような水の浸透しやすい島60に降水があると、雨水は、地表61を流れる表流水として海へ流出するとともに、透水性の地盤62中に浸透することになる。そして、地盤62中へ浸透した雨水は、塩水51と淡水50との密度差によって、塩水51の上にレンズ状に浮かんだ淡水レンズLとなっている。
すなわち、淡水レンズLは、島60の中央に近いほど厚みがあり、海岸へ近づくにつれて薄くなるため、その形状から淡水レンズLと呼ばれており、島60に住む人々によって飲料用水や農業用水などとして利用されている。加えて、この淡水レンズLは、取水によって消失した場合、回復するために長期間要することが知られている。
また、本実施の形態の地下止水壁4は、図1,2に示すように、地盤62とセメントミルクとを混練したソイルセメントや矢板などの止水性を有する材料によって、地表面61下に連続した壁状に形成されるもので、淡水レンズLの周囲を隙間なく囲む略円形状に構築される。
なお、この地下止水壁4の平面形状としては、淡水レンズLを隙間なく囲むものに限定されるものではなく、一部に通水のための通水部などがあってもよいし、一重に限らず二重や三重のものでもよく、淡水レンズLを囲むことで淡水50の厚みを増加させる効果があればどのような形状でもよい。
さらに、この地下止水壁4の上端41の位置は、降雨の際に雨水が直接に海64に流出せずに捕捉できるように自然の地下水位53よりも1m程度は高い位置にあることが好ましいとともに、大雨の際に地表61が冠水しないように地表面61よりも低い位置にあることが好ましい。
また、地下止水壁4の下端42の位置は、淡水レンズLの厚みを増加させるために、自然の状態の淡水レンズLの淡水50と塩水51との境界52より深い位置にあることが好ましいとともに、塩水51の吐き出し口を確保するために、透水性の地盤62の下方の不透水性の地盤63より浅い位置にあることが好ましい。
そして、本実施の形態の取水システム1は、図1,2に示すように、互いに近接する一対の井戸2,3と、排水路32と、を備えている。
この一方の井戸2は、淡水レンズLを囲む地下止水壁4の内側に設置されるもので、図3に示すように、樹脂などによって円筒状に形成された井戸管23と、井戸管23の下端近傍に設けられたストレーナ21と、ストレーナ21の周囲を埋めるケイ砂24と、ケイ砂24の上方を遮水するベントナイトペレット25と、ベントナイトペレット25の上方を埋めるセメントミルク26と、井戸管23に挿入された通水管28と、通水管28の下端に取り付けられた水中ポンプ27と、によって主に形成されている。
また、他方の井戸3は、上記した一方の井戸2に近接して淡水レンズLを囲む地下止水壁4の内側に設置されるもので、図3に示すように、ストレーナ31が淡水レンズLの下方の塩水51の高さに設けられ、排水路32が接続されている他は、上記した一方の井戸2と略同一の構成を備えている。
このストレーナ21,31は、小石やゴミなどが井戸管23,33内に取り込まれないように、金属や樹脂によって網目状などのスクリーンとして形成されるもので、井戸管23,33の下端に嵌め合わされて固定されている。
そして、本実施の形態の淡水50を取水する一方の井戸2のストレーナ21は、淡水レンズLの淡水50に挿入され、塩水51を取水する他方の井戸3のストレーナ31は、淡水レンズLの下方の塩水51に挿入されている。
加えて、この一対のストレーナ21,31は、淡水50と塩水51との境界52からの距離が略同一になるように設けられている。
さらに、水中ポンプ27,37は相互に連動するように制御されているため、略同一の圧力で吸い上げることで、略同一の通水面積を有するストレーナ21,31を通じて、略同時に略同量の淡水50と塩水51とを吸い上げることができる。
また、塩水51を吸い上げるための井戸3に接続される排水路32は、塩水51を取水する他方の井戸3を通じて吸い上げた塩水51を海64に排水するために、井戸3から海64まで延設されている。
次に、本実施の形態の取水システム1の井戸2,3のうち、一方の井戸2の施工順序について、図4を参照しながら説明する。なお、他方の井戸3の施工順序は、ストレーナ31の高さが塩水51の高さに設けられることを除いて略同様であるから説明は省略する。
まず、図4(a)に示すように、掘削機械71によって、透水性の地盤62を円柱状に削孔し、孔壁が崩壊しないように保護するための円筒状のケーシング72を建て込む。
つづいて、図4(b)に示すように、ケーシング72の内側に、先端にストレーナ21を取り付けた井戸管23を建て込む。ここにおいて、このストレーナ21は、淡水50と塩水51の境界52より上に位置するように設置される。
次に、図4(c)に示すように、ケーシング72を引き抜きながら、ストレーナ21の周囲にケイ砂24を充填する。
そして、図4(d)に示すように、ケーシング72を引き抜きながら、ケイ砂24の上に遮水のためのベントナイトペレット25を50cm程度の厚みで充填し、ベントナイトペレット25の上にセメントミルク26を充填する。
最後に、井戸2の井戸管23には、下端に水中ポンプ27が取り付けられた通水管28が挿入されて、井戸2の施工が完了する(図3参照)。
この他、塩水51を取水する他方の井戸3には、取水した塩水51を海64に排水できるように、通水管38に排水路32が接続される(図1,2,3参照)。
次に、本実施の形態の取水システム1を備える淡水貯留取水システムSの作用について、図5,6を参照しながら説明する。
このように、本実施の形態の取水システム1は、互いに近接する一対の井戸2,3が構築され、一方の井戸2のストレーナ21は淡水レンズLの淡水50の高さに位置し、他方の井戸3のストレーナ31は淡水レンズLの下方の塩水51の高さに位置して、両方のストレーナ21,31を通じて淡水50及び塩水51から取水する。
したがって、両方の井戸2,3から取水することで、塩水51と淡水50との境界52付近において井戸2,3に向かう鉛直方向の流れが相殺され、淡水50を取水する際に塩水51が混入することを防止できる。
すなわち、図6(a)に示すように、一つの井戸2Aを用いて淡水レンズLの淡水50を取水する場合には、図5(a)に示すように、図中において白丸で示したストレーナ21位置を中心として同心円状に流れ場が形成される。
したがって、ストレーナ21の下方では、ストレーナ21に向かう上向きの流れが生ずることになる。そうすると、図6(a)に示すように、淡水50と塩水51との境界52が楔状に淡水レンズLに引き込まれることとなり、最終的には取水の際に塩水51を取水してしまうことになる。
これに対して、本実施の形態の取水システム1では、図5(b)に示すように、図中において上側の白丸で示した一方のストレーナ21と下側の白丸で示した他方のストレーナ31との中間の高さに、鉛直方向の流速がない流れ場が形成されている。
つまり、両方のストレーナ21,31の間では、鉛直方向の流速が打ち消し合って、水平方向の流速のみが残留することになる。そうすると、前記したような淡水レンズLに対する塩水51の楔状の引き込みは生じず、図6(b)に示すように淡水レンズLの厚みが一定の割合で減少するようになる。
すなわち、井戸2,2Aを通じて、略同一量の淡水50を取水した場合には、図6(a)の従来の取水システムと比べて、図6(b)に示す本実施の形態の取水システム1のほうが、井戸2,2Aの近傍の淡水レンズLの層厚の減少量が抑制される。したがって、淡水50の取水時に塩水51の混入を防止できることになる。
この場合、それぞれの井戸2,3からの取水量を地盤62の透水係数などを考慮して調整することで、鉛直流速が平衡する深さを調整できるため、淡水レンズLの層厚が減少した際にも、これに対応して塩水51の引き込みを防止できる。
また、本実施の形態の取水システム1は、いわゆる満州井戸などのように、立坑の底部近傍から水平方向に複数の横坑を設ける必要がないため、地上からの施工によってきわめて容易に取水のための井戸2,3を構築することができる。
したがって、1つの淡水レンズLについて、複数の取水システム1を設けることも容易となる。
そして、複数の取水システム1を設けることで、1つの取水システム1からの取水量を少なくできるため、淡水レンズLに対する塩水51の楔状の引き込みをいっそう抑制することもできる。
また、本実施の形態の淡水貯留取水システムSは、淡水レンズLは、地下止水壁4によって囲まれるとともに、取水システム1の一方のストレーナ21は、地下止水壁4によって囲まれて厚みが増した淡水レンズLの淡水50の高さに位置し、他方のストレーナ31は淡水レンズLの下方の塩水51の高さに位置して、両方のストレーナ21,31を通じて淡水50及び塩水51から取水する。
したがって、淡水50の貯留量が増加するとともに、淡水レンズLの厚みが増えることで、いっそう取水の際に塩水51が混入しにくくなる。
つまり、淡水レンズLの厚みが薄い端部近傍において、地下止水壁4を構築して淡水50が海64へ向かう流れを堰き止めることで、地下止水壁4の内部において海64の海面から上の淡水50の厚みが増加し、これに対応して海面から下の淡水50の厚みも増加することになる。
この場合、ガイベン−ヘルツベルグの法則によれば、基準となる周囲の海面から下の淡水50の厚みは、海面から上の淡水50の厚みの40倍になることが知られている。例えば、20cmだけ海面上の淡水50の水位を上げることで、海面下の淡水50の厚みは8m増加することになる。
したがって、一般に少なくとも数十〜数百メートル単位の広さを有する淡水レンズLにおいて、わずかに淡水50の水位を上げてやることで、貯留量を著しく大きくすることが可能となる。
さらに、このように淡水レンズLの厚みを人工的に厚くし、淡水レンズLを強化してやることで、井戸2,3を通じて取水した際に、楔状の引き込みが発生しにくくなる。
つまり、淡水50と塩水51とから同時に取水する場合でも、淡水レンズLの厚みが薄い場合には、塩水51の引き込みが発生する可能性はあるが、淡水レンズLの厚みが厚い場合には、それぞれのストレーナ21,31の位置を境界52から離してやることで塩水51の引き込みは発生しにくくなる。
そして、地下止水壁4の下端42が、不透水性の地盤63よりも高い位置にあることで、地下止水壁4の下から塩水51を吐き出すことができる。
すなわち、仮に、地下止水壁4の下端42が不透水性の地盤63に貫入していれば、淡水域の淡水50の厚みが増加しても地下止水壁4の下から塩水51が流出しないため、下方の塩水51を押し出して淡水域の厚みが増すことはない。したがって、塩水51の上に淡水50が積層される結果、淡水50の貯留量の増加はわずかなものにとどまることになる。
これに対して、地下止水壁4の下端42が不透水性の地盤63に貫入していなければ、地下止水壁4の下から塩水51が流出し、下方の塩水51を押し出して淡水域の厚みが増すため、淡水50の貯留量は大きく増加することになる。
ただし、地下止水壁4の下端42が不透水性の地盤63に貫入していても、通水のための通水部などがあれば、塩水51を吐き出して淡水50を貯留することができる。
さらに、地下止水壁4の上端41は、地下水位53よりも高い位置にあることで、浸透する雨水を効率よく貯留することができる。
つまり、雨水を地下止水壁4によって堰き止めることで、海面より上の淡水50の厚みが増加するため、これに伴って海面より下の淡水50の厚みも増加する。
また、地下止水壁4の上端41が、地表面61よりも低い位置にあることで、大雨の際に地下止水壁4を越流しても、地表面61が冠水してしまうことを防止できる。
加えて、地下止水壁4の上端41が、地表面61よりも低い位置とすることで、生物などの移動を妨げないため、環境に配慮した構造物となる。
さらに、地下止水壁4には、淡水レンズLを隙間なく囲むのではなく、通水のための隙間である通水部を設けて囲むことで、所定の貯水量を確保しつつ地表面61が冠水してしまうことを防止できるうえに、淡水貯留取水システムSの全体の建設費用を抑えることもできる。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、本実施の形態では、地下止水壁4によって、淡水レンズLが囲まれる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、地下止水壁4を設けなくても、取水システム1を構築することはできる。
そして、本実施の形態では、淡水域として島60の地下に形成される淡水レンズLを例として説明したが、これに限定されるものではなく、塩水51の上方に形成された淡水域であれば、取水システム1を適用できる。
また、本実施の形態では、1つの取水システム1について、淡水50を取水するための井戸2と、塩水51を取水するための井戸3と、を1つずつ有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも一対の井戸2,3を備えていれば、それぞれが複数あってもよい。
さらに、本実施の形態では、淡水貯留取水システムSにおいて、1つの取水システム1を構築する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数の取水システムを、複数の箇所において複数の深さに設けることで、より効率的に淡水50を取水することができる。
本発明の最良の実施の形態の淡水貯留取水システムの全体構成を説明する断面図である。 本発明の最良の実施の形態の淡水貯留取水システムの全体構成を説明する平面図である。 本発明の最良の実施の形態の取水システムの構成を説明する断面図である。 井戸を設置する施工方法について説明した施工手順図である。(a)は掘削であり、(b)は井戸管建込であり、(c)はケイ砂投入であり、(d)はベントナイトペレット投入及びセメントミルク注入である。 本発明の取水システムを用いた場合の流れ場を、従来の取水設備を用いた場合の流れ場と比較して説明する説明図である。 本発明の取水システムを用いた場合の淡水レンズの形状を、従来の取水設備を用いた場合の淡水レンズの形状と比較して説明する説明図である。
符号の説明
S 淡水貯留取水システム
L 淡水レンズ(淡水域)
1 取水システム
2,3 井戸
21,31 ストレーナ
32 排水路
4 地下止水壁
41 上端
42 下端
50 淡水
51 塩水
52 境界
53 地下水位
60 島
62 透水性の地盤
63 不透水性の地盤
64 海

Claims (3)

  1. 地下の塩水の上方に形成された淡水域の淡水を取水する取水システムであって、複数の箇所において互いに近接する一対の井戸が構築され、一方の井戸のストレーナは前記淡水域の淡水に挿入されるとともに、他方の井戸のストレーナは前記塩水に挿入されて、両方の前記ストレーナを通じて前記淡水及び前記塩水を取水する取水システムと、
    前記淡水域を囲む地下止水壁と、を備え、
    前記地下止水壁の下端は、不透水性の地盤より上に位置することを特徴とする淡水貯留取水システム。
  2. 前記地下止水壁は、通水のための通水部を有することを特徴とする請求項1に記載の淡水貯留取水システム。
  3. 前記地下止水壁の上端は、海面から上の淡水の厚みが増加して海面より下の淡水の厚みも増加するように、海面よりも上に位置することを特徴とする請求項又は請求項に記載の淡水貯留取水システム。
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