JP5291655B2 - 軸箱支持装置 - Google Patents
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Description
ところが、このような曲線走行時においては車輪の転走方向が曲線の接触方向と一致していない。このため車輪踏面とレールの車輪踏面接触面との間にはアタックアングルと称する角度が生じ、これに起因する応力と車両の遠心力のため車輪とレール間には横圧が発生する。
即ち、本発明に係る軸箱支持装置は、鉄道車両用台車の前輪及び後輪の輪軸両端部に設けられる軸箱を、車両の前後方向に延在する連結手段によって該台車の台車枠に対してそれぞれ支持する軸箱支持装置であって、前記連結手段は、前記台車枠に取り付けられ、シリンダ部を有する台車側部材と、前記軸箱に取り付けられ、前記シリンダ部に挿入されて前記軸箱側に向かって変位可能とされたロッドを有する軸箱側部材と、操舵指令によって前記シリンダ部の第一シリンダ室及び前記第二シリンダ室に流体圧を供給する流体圧供給手段と、前記第一シリンダ室に設けられ、前記流体圧の非供給時に前記ロッドを前記台車枠側に押圧するとともに、前記流体圧によって前記ロッドの押圧が相殺される第一ピストンと、前記第二シリンダ室に設けられ、前記流体圧により前記ロッドを前記軸箱側に押圧する第二ピストンと、前記ロッドが外力により前記軸箱側に変位した際にのみ前記第二シリンダ室内への前記流体圧の供給を許容するバルブ手段と、を備えることを特徴とする。
図1は実施形態に係る軸箱支持装置を備えた鉄道車両用台車の側面図、図2は実施形態に係る軸箱支持装置の側断面図である。
なお、以下の説明では、通常の鉄道車両技術と同様に、レールの長手方向(車両の進行方向)を前後方向、軌道面におけるレール長手方向と直交する方向を左右方向(車幅方向)、軌道面に垂直な鉛直方向を上下方向と称する。
また、軸箱40は、輪軸30の車軸32の両端部に設けられて該輪軸30を回動可能に支持するものであって、車軸32をその軸線回りに回転可能に支持する軸受、該軸受を収容する軸箱体、及び潤滑装置等を備えて構成されている。
また、ダンパ52は、軸箱40の側部と台車枠10との間に設けられており、軸箱40が台車枠10に対して上下方向に変位した際に減衰力を発生させて振動を低減させるものである。
そして、ロッド91は、ロッドパッキン、ウェアリング、スクレーパ等が介装されることにより、貫通孔73a,74a,80aとの間で気密性を確保しながら中心軸線O方向に相対移動可能とされている。
なお、流体圧供給手段100から供給される流体圧としては、空圧、油圧等を適宜採用することができる。
曲線走行時において、4つの車輪31a,31b,31c,31dのうち外軌側の前輪31aには、車両進行方向前方へ向かっての外力Fout、即ち、前輪31aを台車側部材70から離間させる方向への外力Foutがレールから与えられる。この際、外軌側の前輪31aの軸箱支持装置50の連結手段60の軸箱側部材90に対しても、外力Foutが同様の大きさの引張荷重として作用する。
一方、内軌側の前輪31bには、車両進行方向後方へ向かっての外力Fin、即ち、前輪31bを台車側部材70に接近させる方向への外力Finがレールから与えられる。この際、内軌側の前輪31bの軸箱支持装置50の連結手段60の軸箱側部材90に対しても、外力Finが同様の大きさの圧縮荷重として作用する。
曲線通過時に正常に操舵指令が入力されると、外軌側の軸箱支持装置50において流体圧供給手段100による第一供給ポート72b及び第二供給ポート72cに流体圧の導入が開始される。この際、第一シリンダ室71Aの流体圧導入室78に対しては連通路72dを介して流体圧の供給が行なわれる。一方、第二シリンダ室71Bの流体圧導入室81に対しては、ロッド91の止栓部93が流体圧導入室81への供給口71bを閉塞しているため、流体圧の供給が禁止される。
このように、外力Foutに加えて、第二シリンダ室71B内に供給される流体圧による第二ピストン80の押圧力FPによってロッド91を軸箱40側に変位させることができる。これにより、外軌側の前輪31aにおける連結手段の前後方向長さを伸張させることができるため、曲線通過性能を向上させることが可能となる。
何らかの不具合によって曲線通過時に逆操舵の指令が入力されてしまった場合、内軌側の軸箱支持装置50において流体圧供給手段100による流体圧の供給が開始されてしまう。これにより、シリンダ部71の第一シリンダ室71A内のみに流体圧が供給され、第一ピストン76によるロッド91の拘束が解除され、該ロッド91が軸箱40側に変位可能な状態になる(図6参照)。
ここで、本実施形態においては、止栓部93が流体圧を受ける受圧面の面積がロッド91の軸箱側段部91dの面積よりも小さいものとされている。したがって、上記のように止栓部93及び軸箱側段部91dのそれぞれに互いに逆向きの流体圧が作用した際には、ロッド91全体として台車枠10側に向かっての力が作用する。したがって、流体圧によってロッド91が不用意に移動してしまうことはない。
なお、この図9及び図10において第2及び図5と同様の構成要素には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
例えば、付勢部材79としては皿バネ79aを採用した構成のみならず、コイルスプリング、ゴム等の弾性体等、他のものを採用して構成してもよい。
10 台車枠
30 輪軸
31 車輪
40 軸箱
50 軸箱支持装置
60 連結手段
70 台車側部材
71 シリンダ部
71a 供給口
71b 供給口
71A 第一シリンダ室
71B 第二シリンダ室
74 中間プレート
76 第一ピストン
77 付勢部材収容室
78 流体圧導入室
79 付勢部材
79a 皿バネ
80 第二ピストン
81 流体圧導入室
90 軸箱側部材
91 ロッド
91a 軸箱側小径部
91b 大径部
91c 台車側小径部
91d 軸箱側段部
91e 台車側段部
93 止栓部(バルブ手段)
100 流体圧供給手段
110 検知手段
111 電磁弁(バルブ手段)
Claims (4)
- 鉄道車両用台車の前輪及び後輪の輪軸両端部に設けられる軸箱を、車両の前後方向に延在する連結手段によって該台車の台車枠に対してそれぞれ支持する軸箱支持装置であって、
前記連結手段は、
前記台車枠に取り付けられ、シリンダ部を有する台車側部材と、
前記軸箱に取り付けられ、前記シリンダ部に挿入されて前記軸箱側に向かって変位可能とされたロッドを有する軸箱側部材と、
操舵指令によって前記シリンダ部の第一シリンダ室及び第二シリンダ室に流体圧を供給する流体圧供給手段と、
前記第一シリンダ室に設けられ、前記流体圧の非供給時に前記ロッドを前記台車枠側に押圧するとともに、前記流体圧によって前記ロッドの押圧が相殺される第一ピストンと、
前記第二シリンダ室に設けられ、前記流体圧により前記ロッドを前記軸箱側に押圧する第二ピストンと、
前記ロッドが外力により前記軸箱側に変位した際にのみ前記第二シリンダ室内への前記流体圧の供給を許容するバルブ手段と、を備えることを特徴とする軸箱支持装置。 - 前記バルブ手段は、
前記ロッドの前記台車枠側の端部に設けられ、前記第二シリンダ室内への前記流体圧の供給口を閉塞するとともに、前記ロッドが外力により変位した際にのみ前記供給口を開放する止栓部であることを特徴とする請求項1に記載の軸箱支持装置。 - 前記供給口を閉塞する前記止栓部が前記軸箱側に向かって受ける前記流体圧の大きさが、前記第一シリンダ室内において前記ロッドが前記台車枠側に向かって受ける前記流体圧の大きさよりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の軸箱支持装置。
- 前記バルブ手段は、
前記ロッドが外力により前記軸箱側に変位したことに連動して、前記第二シリンダ室内への前記流体圧の供給を許容する電磁弁であることを特徴とする請求項1に記載の軸箱支持装置。
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