JP5291440B2 - 鋼製2ピース組合せオイルリング本体の製造方法及びそれを用いた鋼製2ピース組合せオイルリング - Google Patents

鋼製2ピース組合せオイルリング本体の製造方法及びそれを用いた鋼製2ピース組合せオイルリング Download PDF

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Description

本発明は各種内燃機関のピストンに装着されるピストンリングの一つである鋼製2ピース組合せオイルリングのオイルリング本体の製造方法及びそれによって製造される鋼製2ピース組合せオイルリングに関する。
従来から、往復動内燃機関においては、燃焼ガスや潤滑オイルのシールのために、ピストンリングが用いられている。ピストンリングには燃焼ガスをシールする圧力リングと潤滑オイルをシールするオイルリングがある。そして、オイルリングとしては主にガソリンを燃料とするガソリンエンジンに3ピース組合せオイルリングと呼ばれるものが使われ、軽油を燃料とするディーゼルエンジンに2ピース組合せオイルリングと呼ばれるものが使われてきた。両者とも内周側から板状又はコイル状等バネによりシリンダ内面に上下レール摺動面部を一定の接触圧力で接触させ、上下レール間の潤滑油をシリンダ内面に塗布すると共に、余剰の潤滑オイルを掻き落し、適切な油膜を形成する役割を果たしている。しかしながら、自動車エンジンの低燃費化の要請から、オイルリングのシリンダ内面への接触圧力を下げる傾向にあり、低接触圧力下で有利な2ピース組合せオイルリングがガソリンエンジンにも使われるようになってきている。
2ピース組合せオイルリングは、シリンダ内面と摺動する上下レール部と、それらを繋ぎ中央部に周方向に一定間隔で通油孔を有する柱部から成る断面略M字型又はI字型の本体と、その本体を内周側から拡張するコイルエキスパンダで構成される。従来の2ピース組合せオイルリング本体は、リング状に鋳造された鋳鉄素材を加工して断面略M型に削りだし、柱部の中央部に切削により通油孔が形成されていた。近年、エンジンの高性能化に伴い、ピストンリングも高強度化が望まれるようになり、2ピース組合せオイルリング本体も鋳鉄製から鋼製に置換され塑性加工方法により製造されるようになってきている。
特開昭61−4517号には、断面略I字型鋼製2ピース組合せオイルリングに関して記載されている。このような鋼製2ピース組合せオイルリングの製造方法は、線材メーカーにおいて、圧延加工された素材を焼鈍し、再び圧延を行い、断面略M字型又はI字型とした後、本体柱部分に穿孔パンチを用いて穿孔し通油孔を設け、熱処理によって硬化して鋼製2ピース組合せオイルリング用線材とする。その後、ピストンリングメーカーにてコイリング成形、切断、表面処理、外周加工等が行われ、鋼製2ピース組合せオイルリング本体が製造されていた。
特許文献1は、「窒化層が外周摺動面に形成され、Ni系合金めっき層が上下面及びウェブ外周面に形成された断面略I字型の鋼製2ピース組合せオイルリング」に関するものである。その製造方法として、「異形鋼線材にパンチ加工を施して窓孔を形成」→「コイリング加工」→「切断」→「オイルリング形状」→「全周面にNi系めっき」→「窒化処理」なる工程が記載されている。
同様に、特許文献2は、外周摺動面に硬質皮膜が形成されている断面略I字型の鋼製2ピース組合せオイルリングに関するものであり、「断面略I字型の異形線材のウェブに油孔を形成」→「コイル状に曲げ加工」→「切断」→「鋼製2ピース組合せオイルリング本体」→「外周面・上下面加工」→「ガス窒化処理」なる工程で製造されることが記載されている。
なお、特許文献3は、鋼製シールリング(ピストンリング)のコイリング成形加工装置に関するものであるが、前記鋼製2ピース組合せオイルリング本体のコイリング成形も同様な装置・方法を用いることで成形されている。
従来、線材メーカーにおいて、穿孔パンチを用いて穿孔して通油孔を設け、熱処理によって硬化した鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を、ピストンリングメーカーにおいて、コイリング成形、切断、外周面・上下面加工、表面処理等を行い、鋼製2ピース組合せオイルリング本体を製造してきた。このような製造方法では、ピストンリング本体の通油孔周辺にクラックが発生し易く、コイリング成形時に通油孔の有無によって外周面の曲率に差異が生じ、その結果、外周摺動面の真円度が均一にならず、外周摺動面のオイルシール性能が劣る等の不具合が発生することがあった。
そのため、、鋼製2ピース組合せオイルリング外周面に形成する耐摩耗性層を必要以上に厚く設け、外周研磨工程での取り代を多くして、外周摺動面の当たりを確保してきた。しかし、この方法では、外周摺動面の当たり幅にバラツキが生じることになり、結局、摺動面の面圧分布のバラツキを抑えることができないので、オイルシール性能を向上させることはできない。また、この方法では、皮膜形成時間や外周摺動面研磨時間が増加することになり生産性の低下を招き、その結果、鋼製2ピース組合せオイルリングの製造コストを高いものにしていた。
特許文献4は、前記鋼製2ピース組合せオイルリング本体の窓近くに発生するクラックやバリ等の不具合を解消するとともに、前記外周摺動面の変形に伴う不具合を解消することを目的とするもので、ピストンリング本体を円環状に成形した後に、窓部をレーザービームにより穿孔することを提案している。この方法により成形精度が高く、正確な窓を有するオイルリングを製造できることが記載されている。
その他、特許文献5、特許文献6等、鋼製2ピース組合せオイルリングの製造方法に関する特許は多く出願されているが、何れも、鋼製2ピース組合せオイルリング用線材に通油孔を形成する方法に関するものであり、鋼製2ピース組合せオイルリング本体そのものの製造方法を課題としたものはない。
本願発明者らは、特許文献4の方法に基づき、成形精度の向上により真円度の良好な鋼製2ピース組合せオイルリングの本体の製造方法を探求した結果、真円度の悪化はコイリング成形時の母材変形による成形精度の狂いのみを原因とするものだけではなく、その後の耐摩耗性層を形成する際にも生じることを見出し本願発明に至ったものである。
特開平09−4251号公報 特開2003−194223号公報 特開昭59−8454号公報 特開平03−260473号公報 特開平05−256366号公報 特開2006−194272号公報
すなわち、従来の鋼製2ピース組合せオイルリング本体の製造方法では、線材メーカーにおいて本体柱部分に穿孔パンチまたはレーザーで穿孔し通油孔を設けた後、ピストンリングメーカーにおいて「コイリング成形」→「切断」→「外周面加工」→「耐摩耗性層形成」の工程を経て鋼製2ピース組合せオイルリングが製造されている。そのため、コイリング時の変形により、まず、鋼製2ピース組合せオイルリング本体の真円度の悪化が生じていた。ここで、前記特許文献4のように、コイリング成形後に通油孔を設ける手段を採用して解消したとしても、その後の耐摩耗性層形成工程で、再び真円度の悪化を招く。そのため、耐摩耗性層を必要以上に厚く形成し、外周研磨での研磨代を多くしなければならないことから鋼製2ピース組合せオイルリングの製造コストを高いものにしていた。
本願発明は、前記従来の製造方法の問題点に鑑み成されたものであり、真円度に優れ、且つ、生産性に優れた鋼製2ピース組合せオイルリング本体の製造方法及びその方法により製造される安価な鋼製2ピース組合せオイルリングを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本願発明では、上下のレール部(4、5)と、前記上下のレール部(4、5)を繋ぎその中央部に周方向に一定間隔で通油孔(6)を有する柱部(7)からなり、外周面(8)に耐摩耗性層(9)を有する鋼製2ピース組合せオイルリング本体(2)の製造方法であって、前記通油孔(6)を有しない鋼製2ピース組合せオイルリング用鋼線材を略円形に連続成形して、コイル状リング集合体(11)に成形した後、前記コイル状リング集合体(11)の外周面(8)に耐摩耗性層(9)を設けることを特徴とする鋼製2ピース組合せオイルリング本体(2)の製造方法である。
ここで、前記耐摩耗性層が窒化処理層及び/又はPVD(Physical Vapor Deposition)処理層であることが好ましい。
また、本願発明の鋼製2ピース組合せオイルリングは、オイルリング本体が、前記製造方法により製造されたことを特徴とする。
本願発明においては、通油孔を有しない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材をコイリング成形によりコイル状リング集合体にした後、その状態で前記コイル状リング集合体の外周面に耐摩耗性層を形成することを特徴とするものであり、本願発明の構成によって以下の効果を得ることが出来る。
1)通油孔を有しない線材をコイリング成形することでコイリング成形時の真円度の悪化を防止できる。その後、コイル状リング集合体のまま、外周摺動面に耐摩耗性層を形成するので、耐摩耗性層を形成するときに生じる鋼製2ピース組合せオイルリング本体の真円度の悪化を防ぐことが出来る。耐摩耗性層として窒化処理層を用いる場合には、合口切断後の窒化処理では外周面側の膨張(窒素の拡散による)が内周側の膨張より大きいので、合口端部に近いほど縮径し真円度が悪化する。又、PVD処理ではPVD皮膜の残留圧縮が大きいのでの、窒化処理と同様に、合口端部に近いほど縮径し真円度が悪化する。しかしながら、コイル状リング集合体のまま窒化処理やPVD処理を行うと、個々の2ピースオイルリング本体の真円度バラツキが少ない。これは、窒化処理やPVD処理でリング径の縮径はコイル状リング集合体全体で均等に行われるためと考えられる。真円度バラツキが少ないことから、外周摺動面の研磨加工量を減らすことができ、耐摩耗性層の形成膜厚を薄くすることが出来る。その結果、耐摩耗性層の形成時間や外周研磨時間が短縮され、従来の製造方法に比べ大幅なコスト低減が可能となる。なお、製品時のオイルリング外周摺動面の当たり幅のバラツキが少なくなることは言うまでもない。
2)外周面に耐摩耗性層を形成した後に通油孔を形成するので、通油孔面積を大きくすることができ、オイルスラッジの堆積を防ぐことが出来る。従来の製造方法では通油孔形成後に耐摩耗性層を形成するので、通油孔の内周面にも耐摩耗性層が形成され、設計時の通油孔面積は維持されず狭くなっていた。昨今、オイルシール性能の向上目的で、オイルリングh1寸法(軸方向厚さ)を小さくすることから、柱部の上下方向寸法も小さくなり、又、パンチによる穿孔では、柱部にパンチの受け部が必要となる等の理由で形成できる通油孔の面積も小さくなってきている。従って、耐摩耗性層による通油孔の面積の縮小が生じない効果は甚だ大きい。
なお、穿孔方法は、特に限定されないが、レーザービーム法を用いると、通油孔周辺の耐摩耗性層が熱処理を受けることになるので、通油孔エッジの耐摩耗性層の欠け・剥離発生が抑えられる。
3)更に、コイリング成形後に通油孔を形成するので、図3の(a)に示すように、通油孔が合口端部に架かる不具合が発生しない。従来は、通油孔が形成された線材をコイリング成形していたため、特定の径の鋼製2ピース組合せオイルリング以外の鋼製2ピース組合せオイルリングでは図3の(b)に示すように切断箇所である合口両端部に通油孔の一部が架かると言う不具合が発生していた。
4)コイル状リング集合体のまま耐摩耗性層を形成するので、その際の使用治工具形状が単純であること、又、コイル状リング集合体の取り扱いも容易であり、表面処理工程での生産性がきわめて良好となる。
以下、本願発明の詳細を説明する。
図4は本願発明の鋼製2ピース組合せオイルリング製造方法の工程を示す図である。(ア)は従来製造方法、(イ)、(ウ)が本願発明の製造方法である。
従来の鋼製2ピース組合せオイルリング本体は、線材メーカーで塑性加工により製造した通油孔を有するほぼ直線の鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を、コイリング成形によりオイルリング本体で約数百本分に相当する略円形のコイル状リング集合体を成形した後、合口相当部で一括切断して、約数百本の鋼製2ピース組合せオイルリング本体とし、その外周面に耐摩耗層を形成して、外周加工、側面加工等を施し製品とする工程で製造されていた。
これに対し、本願発明の製造方法は、まず、塑性加工により製造した通油孔がないほぼ直線の鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を、コイリング成形で例えばピストンリング約数百本相当の略円形のコイル状リング集合体に成形し、このコイル状リング集合体の少なくとも外周摺動面に耐摩耗性層を設ける。その後に、合口相当部で一括切断して、約数百本の鋼製2ピース組合せオイルリング本体に分離した後、通油孔の穿孔を行う方法(イ)、耐摩耗性層を形成したコイル状リング集合体に通油孔の穿孔を行った後、合口相当部で切断し、約数百本の鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得る方法(ウ)とがある。
何れの方法においても、通油孔のない線材を用いて、規定寸法の外径のコイル状リング集合体に成型したのち、そのまま切断しないで、コイル状リング集合体の少なくとも外周面に、耐摩耗性層を形成するので、切断後でも真円度の良好な鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得ることが出来る。
又、何れの方法においても、規定寸法の外径のコイル状リング集合体に成型した後に、合口相当部で切断を行うので、通油孔が合口端部と接触しない、形状の揃った鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得ることが出来る。
なお、従来工法及び本願発明の何れに於いても、コイル状リング集合体を切断したときには、すべての鋼製2ピース組合せオイルリング本体には、合口部分で約1本分の厚さの軸方向歪みが生じている。この歪みをなくすには、軸方向から応力を加えた状態で熱処理を行う必要がある。
以下、製造工程順に本願発明の製造方法を述べる。
1)コイリング成形工程
鋼製2ピース組合せオイルリング本体のコイリング成形は、例えば、特開平7−24545号公報に記載された構造・機能の装置で成型される。塑性加工により製造されたほぼ直線のピストンリング用鋼線材を、曲げ加工によりコイル状に成形し、ピストンリングで数百本相当の長さ200mm〜400mm程度の、規定の外径を持ったコイル状リング集合体(11)とする。
巻径の範囲が60mm〜170mm、リング厚さh1が1.5mm〜5.0mm、リング幅が1.2mm〜3.0mmのオイルリング本体が成形可能である。
従来のように通油孔のある線材を用いて成形すると、通油孔の有無によって線材の断面形状が異なり、線材の強度も異なるから、均等な応力を加えるコイリング成形によって成形されるコイルの真円度は微妙に変化する。そのため、図5に示すように通油孔の有る部分が尖った多角形状の円形(図5)となっていた。
2)表面処理工程
次に、コイル状リング集合体の外周面に耐摩耗性層を形成する。ピストンリングの耐摩耗性層形成の方法としては、めっき処理、PVD処理、溶射、窒化処理等が用いられる。これらピストンリングに用いられる表面処理のなかで、本願発明はPVD処理、窒化処理を用いた耐摩耗性層を形成したオイルリングに適用するのが好ましい。
本願発明ではPVD処理による耐摩耗性層形成は、略円形に成形されたコイル状ピストンリング集合体をその外周摺動面に凹凸が生じないように、パイプ状治具の外周面に巻き付け両端部を緩く拘束する。このようにすることで、成膜されたPVD皮膜の内部圧縮応力により合口部近傍が縮径し真円度の悪化を防ぐことが出来る。従来方法では、合口部を切断した後に外周面にPVD皮膜を形成するので、穴無し線材を用いてコイリング成形して良好な真円度としても、PVD処理で真円度を悪化させていた。なお、この方法では、ピストンリング側面にPVD皮膜が付着することを防止する効果もある。
パイプ状治具の外周面に巻き付けた状態で外周面に所定の前処理を行う。一般的にはアルゴンイオンによるイオンボンバードを行い皮膜の密着性を高める。次いでPVD処理、例えばアークイオンプレーティング法で窒化クロム皮膜等を形成する。他のPVD処理であるスパッタリング法や真空蒸着法による皮膜形成でも良い。所定の膜厚が形成された後真空装置より取り出し次の加工を行う。なお、PVD処理により耐摩耗性層を形成する2ピース組合せオイルリングに用いる線材材質としては、PVD処理温度が400℃から500℃と比較的低温であることから、通常のバネ鋼、マルテンサイト系やオーステナイト系ステンレス鋼やSUH、SCM、SKD等の合金鋼を用いることが出来る。
以下に、アークイオンプレーティング法により外周面に20〜30μm厚さの窒化クロム膜を形成する場合のコーティング条件を記載する。
ターゲット材:金属クロム
前処理:Arイオンボンバード
真空度(窒素分圧):1.33Pa
温度:450℃
バイアス電圧:−10V
コーティング時間:180分
本願発明で耐摩耗性層として窒化層を用いる場合、ガス窒化、塩浴窒化、イオン窒化、ラジカル窒化等何れの窒化処理も用いることが出来る。但し、ガス窒化、塩浴窒化では、前記PVD処理と異なり、パイプ状治具に巻き付けることはせずに、コイル状リング集合体をリング内径よりも小径な金属棒に掛け、窒化処理層内に横置きにしたフリー状態で行う。また、イオン窒化、ラジカル窒化では、PVD処理と同様にパイプ状治具に巻き付け軽く両端を拘束することが望ましい。これは、ピストンリング側面への窒化層の形成がガス窒化・塩浴窒化ではムラなく行われるのに対し、イオン窒化・ラジカル窒化では窒化層厚さ等にムラが生じるためである。
いずれにしても、合口部で切断をしないでコイル状リング集合体のまま窒化処理を行うことで、真円度の悪化を防止することが出来る。従来の合口切断後に窒化処理を行う方法では、窒化層のリング内周側と外周側の膨張差による応力で合口部近傍の縮径が生じ真円度を悪くしていた。
窒化処理後の工程は前記PVD処理リングと同様である。なお、鋼製2ピース組合せオイルリング本体に用いる材質としては、窒化処理により表面硬さが上昇する、マルテンサイト系やオーステナイト系ステンレス鋼、SUH、SCM、SKD等の合金鋼を使用するのが好ましい。
以下に、外周摺動面に70〜90μmのガス窒化層を形成する窒化処理条件を記載する。
前処理:塩化アンモンによる炉内前処理
アンモニア雰囲気:72%
窒化温度:585℃
時間:50分
なお、鋼製2ピース組合せオイルリングの側面に耐摩耗性向上を目的として窒化処理層を形成する場合には、窒化処理後にPVD処理又はPVD処理後に窒化処理等、これらの処理を組み合わせることが出来る。
3)切断工程
図6に本願発明で実施した切断工程の概略図を示す。鋼製2ピース組合せオイルリング本体はコイル状リング集合体(12)の外周摺動面にPVD処理層、窒化処理層等を形成し、合口相当部で一括切断して得る。外周摺動面にPVD処理層、窒化処理層が形成されたコイル状リング集合体(12)を内径:φ81.70mmとなる切断雇(13)に巻き付ける。切断雇(13)の一部には切断砥石(14)の逃げ溝(15)があり、コイル状リング集合体(12)の両端部はカラー(16)で固定している。切断雇(13)の一端から逃げ溝に沿って他端に切断砥石(14)を回転数:2300rpm、移動量:1800mm/分でコイル状リング集合体(12)を切断して、鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得る。
4)歪取り熱処理
コイル状リング集合体(12)を切断して得られる個々の鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)は、合い口端部で軸方向にリング厚さ約1本分の歪みが発生している。これを、熱処理で平行に強制する必要があり、切断後に熱処理を行う。なお、この熱処理は鋼種に合わせて、300℃〜600℃の範囲で行う。硬質Crめっき皮膜はこの歪み取り熱処理で皮膜の硬さが低下することがあるため、対策が必要である。
この熱処理は具体的には次の方法で行う。まず、切断により得た個々の鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)を円筒雇(18)に、オイルリング数十本単位で合口が180°互い違いになるようにセットする。雇一本分のオイルリング本体を巻き付けた後、重さが数百グラムの円板状の錘(19)を載せて熱処理を行う。熱処理温度・時間はピストンリング鋼種により変える必要がある。
リング材質が軟鋼の場合は約430℃で約60分、窒化処理用のステンレス鋼や合金鋼の場合は約600℃で約60分である。
5)穿孔工程
鋼製2ピース組合せオイルリングの穿孔行程は例えば、特許文献4と同様な装置で通油孔を形成される。分離された個々の鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)は上下レール部(4、5)を繋ぐ柱部(7)とその中央部に周方向にレーザービームを照射することにより、一定間隔で通油孔(6)を形成する。通油孔(6)の長さはレーザービームに対する鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)の長さ方向の送り速度とレーザービームの照射時間を決定するパルス幅によって決定される。また、通油孔の幅はレーザービームに対する鋼製2ピース組合せオイルリング本体の幅方向の送り速度または焦点面でのスポット径により決定される。固定された鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)に対してレーザービームを移動させパルス状のレーザービームを鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)に照射することにより通油孔(6)の形成が可能となる。
外周側からのレーザービーム照射は図8(c)のように鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)がワークサイズ径になるように合口部を揃えて回転軸(20)にカラー(21)をセットし、鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)をカラー(21)で両端から固定して行う。レーザービーム照射についてはオイルリング本体を固定した回転軸(20)を回転させ、レーザービーム照射機(22)を移動させて穿孔する。そのとき、合口部の位相を確認し、合口部から数mmずらした位置に通油孔を形成するように僅かな間隔でレーザービーム照射を行う。通油孔の位置は個体差によるばらつきが低減した。
内周側からのレーザービーム照射については図8(d)のように割り雇(23)で固定したオイルリング本体の内周からレーザービーム照射機(22)を移動させて穿孔する。加工条件は外周側からのレーザービーム照射と同様に、図8(e)のように鋼製2ピース組合せオイルリング本体(17)がワークサイズ径になるように合口部を揃えて割雇(23)外周面から固定する。そのとき、合口部の位相を確認し、合口部から数mmずらした位置に通油孔を形成するような間隔でレーザービーム照射を行う通油孔の位置は個体差によるばらつきが低減した。
以下に実施例及び比較例を示して本願発明をさらに具体的に説明するとともにその効果を述べる。
本願発明の効果を確認するために、次の実験を行った。
(実施例1)
通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材をコイリング成形してコイル状リング集合体を成形し、このコイル状リング集合体のまま、ガス窒化処理を行い窒化層を形成した。それを切断して、鋼製2ピース組合せオイルリング本体とした。続いて、これを熱処理して軸方向歪みを取り除いた後、外周面をラッピング研磨加工し、真円度の測定を行った。続いて、レーザービームにより外周面側から柱部に通油孔を形成し、再び、真円度の測定を行った。
工程概略
[通油孔無し断面略M字型の異形線材]→「コイル状リング集合体に曲げ加工」→「ガス窒化処理」→「切断」→[鋼製2ピース組合せオイルリング本体]→「歪み取り熱処理」→「外周面のラップ研磨加工」→(真円度測定A)「通油孔形成」→(真円度測定B)
材質がC:0.85、Si:0.35、Mn:0.30、P:0.03、S:0.02、Cr:18.0、Mo:1.25、V:0.10、Fe:残部(質量%)(JIS SUS440B相当)であり、寸法は上下方向幅が1.5mm、内外径厚さが1.5mmであって、通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を用い、外径が84.3mmになるようにピストンリング用コイリング装置によりオイルリングとして約300本分のコイル状リング集合体を成形した。このコイル状リング集合体を、外径10φの金属棒に掛け、所定の前処理を実施した後、処理温度:585℃、処理時間70分の窒化処理を行い80μmの厚さの窒化層を形成した。続いて、これを内径がφ81.70mmの切断雇(13)に巻き付けた。切断雇(13)の一端から逃げ溝に沿って切断砥石(14)を2300rpmの回転数、移動量1800mm/分でコイル状リング集合体(12)を切断して、300本の鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得た後、これに600℃×60分の歪取り熱処理を行い、軸方向歪みを取り除き、外周面をラッピング研磨してから真円度の測定を行った。次に、レーザービームを柱部に照射して、通油孔を形成した後に再び真円度を測定して、レーザービームによる通油孔形成の真円度に与える影響を確認した。
(実施例2)
通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材をコイリング成形してコイル状リング集合体を成形した後、コイル状リング集合体のまま、PVD処理を行い、耐摩耗性層を形成した。続いて、レーザービームにより柱部に通油孔を形成した後、切断し、鋼製2ピース組合せオイルリング本体とし、続いて、これを熱処理して軸方向歪みを取り除き、外周面をラッピング研磨加工して、真円度の測定を行った。
工程概略
[通油孔無し断面略M字型の異形線材]→「コイル状リング集合体に曲げ加工」→「イオンプレーティング処理」→「通油孔形成」→「切断」→[鋼製2ピース組合せオイルリング本体]→「歪み取り熱処理」→「外周面のラップ研磨加工」→(真円度測定B)
材質がC:0.85、Si:0.35、Mn:0.30、P:0.03、S:0.02、Cr:18.0、Mo:1.25、V:0.10、Fe:残部(質量%)(JIS SUS440B相当)であり、寸法は上下方向幅が1.5mm、内外径厚さが1.5mmであって通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材をコイリング成形して、鋼製2ピース組合せオイルリング本体で300本に相当するコイル状リング集合体を成形した。このコイル状リング集合体を、所定のパイプ状治具に巻き付け、所定の前処理を実施した後、イオンプレーティング処理を行い約30μm膜厚の窒化クロム耐摩耗性層を形成した。その後、レーザービームを外周面側から柱部に照射して狙いの大きさの通油孔を形成した。このコイル状リング集合体を切断して鋼製2ピース組合せオイルリング本体を得た。この後、600℃×60分の熱処理で軸方向歪みを取り除き、外周面をラッピング研磨したあと、真円度の測定を行った。尚、通油孔の形成位置は、合口切断時に合口端部に架からないように計算して位置決めしている。
(比較例1)
従来の製造方法である。通油孔を形成済みである鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を用いて、コイリング成形しコイル状リング集合体を形成した後に、切断して、鋼製2ピース組合せオイルリング本体とした。これを熱処理して、軸方向歪みを取り除き、その後、外周面を軽くラップ研磨して凹凸をなくし、真円度を測定した。
工程概略
「通油孔有り断面略M字型の異形線材」→「コイル状リング集合体に曲げ加工」→「切断」→[鋼製2ピース組合せオイルリング本体]→「歪み取り熱処理」→「外周面のラップ研磨加工」→(真円度測定B)
材質がC:0.85、Si:0.35、Mn:0.30、P:0.03、S:0.02、Cr:18.0、Mo:1.25、V:0.10、Fe:残部(質量%)(JIS SUS440B相当)であり、寸法は上下方向幅が1.5mm、内外径厚さが1.5mmであって、柱部中央に大きさが長さ:1.5mm、幅:0.5mm通油孔が形成された鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を用い、外径が84.3mmになるようにピストンリング用コイリング装置によりオイルリングとして300本分のコイル状リング集合体を成形した後、切断し、その後、φ81.80mmの円筒雇に巻きつけた熱処理でリング軸方向の歪みの除去を行った。続いて、軽く外周摺動面のラップ研磨加工を行った。
(比較例2)
ここでは、通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材をコイリング成形してコイル状リング集合体を成形した後、切断して、鋼製2ピース組合せオイルリング本体とした。続いて、これを熱処理して、軸方向歪みを取り除き、これの真円度を測定した。次に、イオンプレーティングによる膜厚約30μmの窒化クロム耐摩耗性層を形成した後、外周面にラッピング研磨を行い、再び真円度の測定を行った。
工程概略
[通油孔無し断面略M字型の異形線材]→「コイル状リング集合体に曲げ加工」→「切断」→[鋼製2ピース組合せオイルリング本体]→「歪み取り熱処理」→(真円度測定A)→「イオンプレーティング処理」→「外周面のラップ研磨加工」→(真円度測定B)
まず、比較例1と同じ材質、寸法であるが、通油孔が形成されていない鋼製2ピース組合せオイルリング用線材を用いた。この線材を、比較例1と同様に、外径が84.3mmになるようにピストンリング用コイリング装置によりオイルリングとして300本分のコイル状リング集合体を成形した後、切断し、その後、φ81.80mmの円筒雇に巻きつけて熱処理で軸方向の歪みの除去を行い、真円度を測定した。
なお、比較例、実施例共にイオンプレーティング処理、ガス窒化処理は表面処理での膜厚等のバラツキ発生を防止するために、同時処理を行った。
(実験結果)
ピストンリングの真円度測定は下記の方法で行った。
2ピースオイルリング本体(24)をφ83.50の径のゲージにならわせて固定軸(25)にセットしたリング抑え板(26、27)で固定し、真円度測定器にセットした。測定子(28)を2ピースオイルリング本体(24)の外周に当てて、固定軸(25)を回転させ、測定子(28)で感知した信号から真円度形状を測定した。
(真円度測定結果)
図9に真円度測定結果の形状データを示す。
図9(1)は、実施例1の結果であり、通油孔を有しない線材をコイリング成形し、コイル状リング集合体のまま窒化処理し通油孔を設ける方法で製作した窒化2ピースオイルリングの外周面のラップ研磨加工後の真円度測定結果である。花びら形状も合口部の縮径も認められなかった。なお、図示しないが、レーザーによる通油孔形成での真円度変化は殆ど無かった。
図9(2)は、実施例2の結果である。実施例2は実施例1と同様に、通油孔を有しない線材をコイリング成形し、コイル状リング集合体のままイオンプレーティング処理を行い、その後、切断してから、通油孔を設ける方法で製作した外周面に窒化クロム皮膜を形成したオイルリングの外周面のラップ研磨加工後の真円度測定結果である。窒化処理したオイルリングと同様に、花びら形状も合口部の縮径も認められなかった。
図9(3)は従来の製造方法で製造した表面処理前品の外周面をラップ研磨加工した後の外周形状データである。通油孔の有る線材をコイリング成形したため、コイリング成形後において外周形状は花びら状になった。外周面のラッピング加工により幾分花びら形状は修正されているが、このラッピング加工にも時間を要した。
図9(4)(5)は、従来の製造方法の一つである特許文献4に基づく製造方法により製作した、イオンプレーティング皮膜を有する鋼製2ピースオイルリングの真円度を測定したものである。通油孔がない線材を用いてコイリング成形したものであり、コイリング成形後での通油孔による真円度の悪化(花びら形状)はないが、切断後にイオンプレーティング処理を行うため、真円度形状は実施例2のものに比べ合口部の縮径が大きかった。
又、図10に比較例と実施例の真円度グラフを示す。比較例1,2に比べ、実施例1,2の真円度は良好な結果となった。
本願発明の実施の一形態を示す2ピースオイルリング全体の断面図である。 本願発明で実施した成形されたコイル状リング集合体の概略図である。 オイルリング本体の合口部を外周側から見た概略平面図である。(a)は本願発明品、(b)は従来品 (ア)は従来の製造方法(イ)、(ウ)は本願発明の製造方法、(エ)は特開平03−260473号の製造方法である。 従来の製造方法で通油孔の有る線材を用いて成形したオイルリング本体の真円度形状(花びら形状)である。 本願発明で実施した切断工程の概略図である。 本願発明で実施した熱処理工程の概略図である。 本願発明で実施した穿孔工程の概略図である。 真円度測定結果の形状データである。 真円度測定方法概略図である。 比較例と実施例の真円度グラフである。
符号の説明
1 2ピースオイルリング
2 オイルリング本体
3 コイルエキスパンダ
4、5 レール部
6 通油孔
7 柱部
8 外周摺動面
9、10 耐摩耗性層
11 成形されたコイル状リング集合体
12 耐磨耗性層を有するコイル状リング集合体
13 切断雇
14 切断砥石
15 切断溝
16 カラー
17 個々の鋼製2ピース組合せオイルリング本体
18 円筒雇
19 重り
20 回転軸
21 抑え板
22 レーザービーム照射機
23 割り雇
24 切断されたオイルリング本体
25 固定軸
26 上抑え板
27 下抑え板
28 測定子

Claims (3)

  1. 上下のレール部(4、5)と、前記上下のレール部(4、5)を繋ぎその中央部に周方向に一定間隔で通油孔(6)を有する柱部(7)からなり、外周面(8)に耐摩耗性層(9)を有する鋼製2ピース組合せオイルリング本体(2)の製造方法であって、前記通油孔(6)を有しない鋼製2ピース組合せオイルリング用鋼線材を略円形に連続成形して、コイル状リング集合体(11)に成形した後、前記コイル状リング集合体(11)の外周面(8)に耐摩耗性層(9)を設け、その後に通油孔を形成することを特徴とする鋼製2ピース組合せオイルリング本体(2)の製造方法。
  2. 前記耐摩耗性層が窒化処理層及び/又はPVD処理層であることを特徴とする請求項1に記載の鋼製2ピース組合せオイルリング本体の製造方法。
  3. オイルリング本体が請求項1又は2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする鋼製2ピース組合せオイルリング。
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