JP2015108417A5 - - Google Patents

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大型ピストンリング及びその素材並びにそれらの製造方法。
本発明は、大型ピストンリング(以下「大型リング」ともいう。)に関し、特に熱伝導率に優れた鋼製の大型リング(以下「大型スチールリング」ともいう。)及びその素材並びにそれらの製造方法に関する。
大型ディーゼルエンジンに使用される大型リングは、耐熱性、耐摩耗性に優れた鋳鉄製ピストンリングが主流である。例えば、使用条件の厳しいトップリングには、片状黒鉛鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄との中間的なCV(Compacted Vermicular)黒鉛鋳鉄が採用されてきた。近年、大型ディーゼルエンジンにおいても、地球環境問題の顕在化とともに、ますます高出力化、高効率化の傾向にあり、シリンダ有効圧力や最高圧力の上昇、熱負荷増大による作用応力の増大、あるいは平均ピストン速度の上昇などのため、その使用環境はますます過酷になり、従来のCV黒鉛鋳鉄製リングでは要求仕様を満足できないエンジンが開発されてきている。
一般に、鋳鉄は組織中に黒鉛が分散しているため、耐スカッフ性などの摺動特性に優れ、また熱伝導特性にも優れている。しかし、使用環境が過酷になると、低強度であるためにピストンリングの折損という致命的な欠点がクローズアップされてくる。
一方、自動車エンジン用のピストンリングでは鋳鉄から鋼への材料置換(以下「スチール化」ともいう。)が進み、トップリングでは、今やマルテンサイト系ステンレス鋼に窒化処理やイオンプレーティング処理(例えば、CrNやTiN等)を施したものが主流である。自動車用を主体とする小型エンジン用トップリングは、所定の断面形状に伸線されたマルテンサイト系ステンレス線材からリングの自由形状に成形するカーリング加工によって製造されるのが一般的である。
しかし、舶用エンジンなどの大型リングになると、リング断面積も大きくなるため、使用するスチール線材もより断面積の大きい素線が必要になる。断面積の大きい素線は取扱いが困難なこと、圧延機や熱処理装置が大型化することから、線材から大型リングを成形するスチール化は進んでいない。また、特許文献1は、特殊な鋼を鋳造法でリング形状に成形した鋳鋼製ピストンリング材を開示しているが、結局、鋳造に起因する引け巣やピンホール等の鋳造欠陥のない製法と材料特性との両立が困難で、信頼性の点で実用化できていないのが実情である。
特開平6−221436号公報
峯田宏之、仁科芳彦、安達直功、横井隆、小原卓、SOKEIZAI、Vol.50 (2009)、No.12、P.48-51。
本発明者らは、上記問題に鑑み、大型リングにおいてリングローリング加工を含む熱間鍛造によりスチール化を進め、耐スカッフ性、耐摩耗性及び耐熱ヘタリ性に優れた、高強度の大型スチールリングの製造方法を特願2013−120497として出願した。本発明は、さらに熱伝導特性に注目して研究を進め、鋳鉄に匹敵する熱伝導特性を備えた大型スチールリング、すなわち、エンジンの熱負荷の高い環境で使用することが可能な熱伝導性に優れた大型スチールリング及びその素材並びにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、機械的特性や熱ヘタリ性などの熱的特性を満足する範囲で、材料の合金元素量をできるだけ少なくすることにより熱伝導性に優れた鋼と、大型リングのスチール化を可能とするリングローリング加工とを組合せることによって、大型スチールリングを提供できることに想到した。
すなわち、本発明の大型ピストンリングは、呼び径が200 mm以上1100 mm未満の大型ピストンリングであって、前記大型ピストンリングの母材が、必須合金元素としてC、Si、Mn、Cr、選択合金元素としてV、Mo、Bを含む鋼からなり、熱伝導率が30 W/(m・K)以上あることを特徴とする。前記母材の、前記必須合金元素の組成は、質量%で、C:0.45〜1.10%、Si:0.15〜1.60%、Mn:0.30〜1.15%、Cr:0.50〜1.60%であることが好ましく、前記選択合金元素の組成は、質量%で、V:0〜0.25%、Mo:0〜0.35%、B:0〜0.005%であることが好ましい。
また、前記母材は焼戻しマルテンサイト中に炭化物を分散した組織を有することが好ましい。
また、本発明の第1の大型ピストンリングは、シリンダに装着されたとき、自己張力に基づく面圧が発生することが好ましい。さらに、前記第1の大型ピストンリングの熱ヘタリ率(リングの接線張力減退率)は8%未満であることが好ましい。
また、前記第1の大型ピストンリングの外周摺動面は、窒化処理、めっき処理、溶射皮膜、化成処理皮膜、イオンプレーティング皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることが好ましい。さらに、前記大型ピストンリングの側面も、窒化処理、めっき処理、化成処理皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることが好ましい。
また、前記第1の大型ピストンリングを製造する方法は所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程と、前記第2の円筒状素材からピストンリングに加工する機械加工工程を含むことが好ましい。さらに、前記大型ピストンリングが軸に直角な断面で非円形形状を有するように、前記第3の熱間鍛造工程の後に、前記第2の円筒状素材軸に直角な方向にプレス成形することが好ましい。
また、前記第1の大型ピストンリングを製造するための素材は、円筒状鋼素材からなる大型ピストンリング素材であって、前記円筒状鋼素材が周方向にファイバーフロー組織を有することが好ましい。また、前記円筒状鋼素材の軸に垂直な断面が非円形形状であることが好ましい。
また、前記第1の大型ピストンリング素材を製造する方法は所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程を含み、前記第3の熱間鍛造工程の後に、前記大型ピストンリング素材が軸に直角な断面で非円形形状を有するように、前記第2の円筒状素材軸に直角な方向にプレス成形することが好ましい。
また、本発明の第2の大型ピストンリングは、張力を付与するためのコイルエキスパンダと組合せられることが好ましく、その素材は、円筒状鋼素材からなる大型ピストンリング素材であって、前記円筒状鋼素材が周方向にファイバーフロー組織を有し、前記円筒状鋼素材の外周面及び内周面が軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有していることが好ましい。
また、前記第2の大型ピストンリングを製造する方法は所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程と、前記第2の円筒状素材からピストンリングに加工する機械加工工程を含み、前記第2の円筒状素材が軸と直角な断面で円形形状であり、外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有するように、前記第3の熱間鍛造工程において、異形形状の主ロールとマンドレルを使用することが好ましい。
また、前記第2の大型ピストンリング素材を製造する方法は所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程を含み、前記第2の円筒状素材が軸と直角な断面で円形形状であり、外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有するように、前記第3の熱間鍛造工程において、異形形状の主ロールとマンドレルを使用することが好ましい。
本発明の大型ピストンリングは、熱伝導と熱ヘタリ性に優れた鋼製のピストンリングであるので、使用環境が過酷になり、熱負荷が増大しても、リングの張力を減退させることなくピストンヘッドの熱を効率よくシリンダ壁に逃すことができ、また、リングローリング加工を含む熱間鍛造法により、呼び径200 mm以上のピストンリングを製造できるため、従来のCV黒鉛鋳鉄製リングでは要求仕様を満足できない舶用ディーゼルエンジン等に適用可能となる。もちろん、鋳鉄のように折損することがなく安心して使用できる。また、窒化物を形成しやすいCrを必須元素として含んでいるので窒化処理が可能となり、特に、従来側面に適用してきた硬質クロムめっき処理に代えて適用することができ、コスト低減に貢献できる。耐スカッフ性、耐摩耗性を確保するため外周摺動面への溶射やイオンプレーティングによる硬質皮膜被覆ももちろん可能である。さらに、所定のサイズの円筒状素材を軸に垂直にプレス成形することによって、リングの自由形状が非円形形状(カム形状)の圧力リング形状に成形することができ、また、リングローリングミルによる熱間鍛造工程において主ロールとマンドレルの形状を所定の形状とすることによって、M型形状又はI型形状を有するオイルリング本体の形状に近い素材形状とすることができ、後工程の機械加工工程での取り代を少なくすることも可能となる。
本発明の大型ピストンリングの製造方法において、ピストンリング素材の形状変化を素材の中心軸をとおる断面で模式的に示した図である。 第3の熱間鍛造工程のリングローリング加工を模式的に示した図である。 円筒状素材を軸に直角方向にプレス成形する熱間鍛造において、断面円形形状の円筒状素材から断面非円形形状の円筒状素材への変化を模式的に示した図である。 大型ピストンリングの圧力リングに用いられる特殊合口形状の一例(二重段付き合口)を示す図である。 ピストンリングの面圧分布に関し、(a)は等圧分布、(b)は合口方向の面圧が合口に直角方向の面圧より低い面圧分布を示した図である。 コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングの断面を示した図である。 外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で複数の凹部が形成された第2の円筒状素材を示した図である。
本発明の大型ピストンリング材料は、鋼材の基本合金元素であるC、Si、Mnに加え、特にCrを必須合金元素としている。Crは炭化物を形成するほか、Feに置換型に固溶するため、耐食性の向上とともに、固溶強化によって耐熱ヘタリ性を向上させる。ここで、熱ヘタリとは、ピストンリングの高温での使用中に、クリープ現象に基づく張力低下によってシール特性が劣化する現象をいう。さらに、必要に応じてV、Mo、Bを選択的に使用する。Vは鋼の組織を微細化し強靱化するとともに高硬度の炭化物を形成し、Mo及びBは鋼の焼き入れ性を増大し、特にMoは高温強度も向上する。
従来の大型ピストンリングは、基本的に鋳鉄製であり、熱伝導率は比較的良好であるといわれている。例えば、非特許文献1によれば、熱伝導率は、片状黒鉛鋳鉄で48 W/(m・K)、CV黒鉛鋳鉄で38 W/(m・K)、球状黒鉛鋳鉄でも30 W/(m・K)である。自動車用トップリングに使用されている17Crマルテンサイト系ステンレス鋼の熱伝導率20 W/(m・K)と比較すると50〜140%高い。よって、本発明の大型ピストンリングは、基本的に従来の鋳鉄製ピストンリングと同等であるものとし、熱伝導率は30 W/(m・K)以上とする。38 W/(m・K)以上であればより好ましく、48 W/(m・K)以上であればさらに好ましい。
熱伝導率の観点から合金元素量は少ない方が好ましいが、必要な機械的性質を確保するため、本発明の大型ピストンリングの母材の組成は、前記必須合金元素の組成が、質量%で、C:0.45〜1.10%、Si:0.15〜1.60%、Mn:0.30〜1.15%、Cr:0.50〜1.60%であることが好ましく、前記選択合金元素の組成が、質量%で、V:0〜0.25%、Mo:0〜0.35%、B:0〜0.005%であることが好ましい。熱伝導率の観点で、特にSiを0.15〜0.35%とすることがより好ましく、またCも0.45〜0.65%とすることがより好ましいが、耐摩耗性や窒化特性を向上させる観点では、Cを0.95〜1.10、Crを0.80〜1.60%、Vを0.15〜0.25%とすることが好ましく、Crを1.30〜1.60%とすることがより好ましい。総合すると、本発明の大型ピストンリングの母材の組成は、質量%で、C:0.45〜0.55%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.65〜0.95%、Cr:0.80〜1.10%、V:0.15〜0.25%、残部が鉄及び不可避的不純物からなる組成を有することが好ましく、また、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%、残部が鉄及び不可避的不純物からなる組成を有することが好ましい。なお、一般に、鋼には0.03質量%未満のP及びSが含まれるが、不可避的不純物として扱い、特に規定していない。
耐熱ヘタリ性の観点では、本発明の大型ピストンリングの母材は、焼戻しマルテンサイト中に炭化物が分散した組織を有することが好ましい。分散した微細な炭化物は300℃においても転位の移動やクリープを抑制し、耐熱ヘタリ性の向上に寄与する。
なお、大型ピストンリングも、小型ピストンリングと同様、圧力リングとオイルリングに分類され、圧力リングは、シリンダに装着されたときに自己張力に基づく面圧が発生するような非円形の自由形状(「カム形状」ともいう。)をしており、一方、オイルリングは、コイルエキスパンダの張力を利用したコイルエキスパンダ付きオイルリングが主流であり、その本体は円形の自由形状をしている。
本発明の大型ピストンリングが圧力リングとして使用される第1の大型リングは、シリンダに装着されたとき、自己張力に基づき面圧を発生させる。圧力リングとして有効に機能するため、耐熱ヘタリ特性が要求されるが、この熱ヘタリ率(リングを呼び径に閉じた状態で、温度300℃、時間3時間加熱した後の、接線張力減退度(%)で評価される。)は、大型ピストンリングでは、JIS B 8037-5:1998によれば、材料がねずみ鋳鉄(片状黒鉛鋳鉄)と球状黒鉛鋳鉄に対し、それぞれ、15%以下と10%以下と規定されている。しかし、材料が鋼の場合には、呼び径が200 mm以上、1100 mm未満のピストンリングが実現(製造)されていないため、何も規定されていない。本発明の大型ピストンリングは、上記のような組成とすることによって、耐熱ヘタリ性を向上することができるので、JIS規定より優れた熱ヘタリ率である8%未満であるのが好ましい。6%未満であればより好ましく、5%未満であればさらに好ましい。
本発明の第1の大型ピストンリングは、その母材を鋼材としているため、そのままでは、鋳鉄に比べ、耐スカッフ性等の摺動特性に課題がある。しかし、それらの課題は、近年の表面処理技術の進歩により克服されつつある。よって、本発明の第1の大型ピストンリングは、その外周摺動面に、窒化皮膜、めっき皮膜、溶射皮膜、化成処理皮膜、イオンプレーティング皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることが好ましい。また、側面には、窒化皮膜、めっき皮膜、化成処理皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることが好ましい。特に、側面への窒化処理の適用は、従来から側面に適用してきた硬質クロムめっきに代えることが可能となり、コスト低減に貢献することができる。前記めっき皮膜には、硬質クロムめっき皮膜、多層クロムめっき皮膜、ニッケル複合分散めっき皮膜が含まれ、前記溶射皮膜には、モリブデン溶射皮膜やサーメット溶射皮膜、前記イオンプレーティング皮膜には、CrNやTiN皮膜が含まれる。
本発明の大型ピストンリングの製造方法は所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間鍛造工程と、前記第2の円筒状素材からピストンリングに加工する機械加工工程を含むことが好ましい。図1は、本発明の製造方法において、ピストンリング素材の形状変化を素材の中心軸をとおる断面で模式的に示した図である。円柱状素材(1)から円柱状成形体(2)を成形する第1の熱間鍛造工程、円板状成形体(2)から第1の円筒状素材(3)を成形する第2の熱間鍛造工程、そして、第1の円筒状素材(3)から第2の円筒状素材(4)を成形する第3の熱間鍛造工程を含んでいる。第3の熱間鍛造工程は、図2にその加工方法を模式的に示すリングローリングミルを使用する。リングローリングミルは、主ロール(6)、マンドレル(7)、アキシャルロール(8)、バックアップロール(9)等から構成されている。主ロール(6)は一定の回転数で駆動される一方、マンドレル(7)、アキシャルロール(8)及びバックアップロール(9)は被加工材(5)との摩擦で回転する従動式である。リングローリング加工は、基本的に、主ロール(6)とマンドレル(7)間でリングの径方向への圧下が行われ、被加工材(5)の肉厚を減少させながら径を拡大して所望の形状、寸法とする加工方法であるが、軸方向寸法については一対のアキシャルロール(8)間により、また被加工材(5)の真円度や表面性状については複数のバックアップロールにより調整されている。
上記のリングローリング加工により製造した第2の円筒状素材(4,10)は、機械加工工程によりピストンリングに加工される。この機械加工工程には、例えば、外周旋削加工、内周旋削加工、端面旋削加工、突切加工又は切断加工、側面研削加工、合口切断加工、合口フライス加工、外周カムならい旋削加工、外周研磨加工、外周バフ研磨加工、さらには、オイルリングのオイル穴加工、等が含まれる。
本発明において、第1の大型ピストンリングの製造方法は、非円形の自由形状をもつ大型リング、すなわち、大型圧力リングの製造方法に関する。圧力リングは、いわゆるシングルピース型で、合口を閉じてシリンダに装着したときに、ガスをシールするため、径方向外側に張り出すような自己張力を持つ必要がある。上述した第3の熱間鍛造工程のリングローリング加工は、基本的に円形リングを成形する加工方法であり、自己張力をもたせるためには、図3に示すように、第3の熱間鍛造工程で成形した第2の円筒状素材(4)を非円形の自由形状素材(10)にプレス成形して修正することが好ましい。図3では、プレス方向以外を拘束しない、いわゆる自由鍛造を示しているが、もちろん所定の楕円形状をした下型及び/又は上型を利用した型鍛造としてもよい。円筒状素材(10)の断面が、短軸d2、長軸d3の楕円形状になるよう、温度、圧力P、圧下量Δdを調整し、d3/d2は1.005〜1.05とすることが好ましく、1.01〜1.03とすることがより好ましい。
円形形状のピストンリングから非円形の自由形状をもつピストンリングに修正するには、所定のサイズの合口ピースを合口に挟んだ状態で熱処理することによっても可能であるが、大型リングでしばしば用いられる、図4に示す二重段付き合口(11)のような特殊合口とする場合は、合口部の機械加工を考慮すると難しい。特殊合口の大型リングを製造するには、素材の段階で自由形状であることが必要となり、その点でも、第2の円筒状素材(4)を非円形の自由形状素材(10)に修正することが好ましい。
シリンダに装着したときのリングの面圧分布はエンジンの性能に応じて決定される。基本的な面圧分布は、図5(a)のような等圧分布であるが、合口部でスカッフィングの発生しやすい大型リングには、図5(b)のような合口方向の面圧が合口に直角方向の面圧より低い面圧分布であることが好ましい。リングがポートを摺動する2サイクルエンジンでも、孔枠部の摩耗対策や、ポートからのリングの飛び出し防止を考慮し、この面圧分布が好ましく用いられる。
本発明において、第2の大型ピストンリングの製造方法は、円形の自由形状をもつ大型リング、すなわち、大型オイルリングの製造方法に関する。ここで、大型オイルリングは、いわゆるツーピース型のコイルエキスパンダと組合せて使用されるものであって、図6に示すように、軸方向上下に形成されシリンダ内周面と摺動する一対のレール部(14,14)を有するオイルリング本体(12)と、オイルリング本体(12)の内周溝部に装着されてオイルリング本体(12)を半径方向外方に押圧するコイルエキスパンダ(13)とから構成される。オイルリング本体(12)は、その張力をコイルエキスパンダ(13)に頼っているため、自己張力をもつ必要が無く、よって非円形の自由形状をもつ必要がない。むしろ、優れたオイル掻き性能を果たすため、エンジン運転中のシリンダの変形に追従し、すなわち、リングがシリンダ壁に十分ならって運動する優れた追従性が求められる。このリングの追従性は次の追従性係数Kで表わされる。
K=3・Ft・d12/(E・h1・a13)
ここで、Ftはリング張力、d1は呼び径、Eはヤング率、h1はリング幅寸法、a1はリング厚さ寸法である。この式から、リングの追従性は、リング本体の寸法、特に厚さ寸法(a1)の3乗に反比例するため、厚さ寸法(a1)をできるだけ小さくすることが好ましく、結果的に、図6に示すような形状(「M型形状」又は「I型形状」ともいう。)をとることが好ましい。よって、本発明の第2の大型ピストンリングの製造方法では、オイルリングに特徴的なM型形状又はI型形状にできるだけ近い素材形状とするため、図7に示す、第2の円筒状素材が軸と直角な断面で円形形状であり、外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有するように、第3の熱間鍛造工程において、異形形状の主ロールとマンドレルを使用することが好ましい。
上記の熱間鍛造工程における被加工材の温度は、使用される材料により適宜選択されるが、例えば、上記鋼を使用する場合は、素材温度が850〜1250℃であることが好ましく、900〜1100℃であることがより好ましい。
リングローリング加工により製造した第2の円筒状素材(4,10,15)は、焼鈍処理により鍛造後の内部応力を除去し、切削性を改善することが好ましい。また、焼鈍処理後、ショットブラストによる酸化スケールを除去した後、表面の脱炭層の除去加工を行うことが好ましい、さらに、第2の円筒状素材からは複数本のリングが取れるため、脱炭層の除去加工後に、所定の幅のリングに突切又は切断することが好ましい。
得られたリング素材は、リングローリング加工により得られた周方向ファイバーフロー(鍛流線)組織により、欠陥のない高強度の材料となるが、ピストンリング材料としては、耐熱ヘタリ性等、所定の特性を付与するため、焼入・焼戻処理を行うことが好ましい。素材として上記鋼を使用する場合は、焼入温度を800〜1100℃、焼戻温度を470〜550℃とする焼入・焼戻処理を行うことが好ましい。この熱処理により、焼戻マルテンサイト中に微細な炭化物が分散した顕微鏡組織が得られる。本発明の材料は、好ましくは、Hv 430〜500のビッカース硬度、190 GPa以上の弾性率を有する。
実施例1(E1)
材料組成が、質量%で、C:0.48%、Si:0.21%、Mn:0.79%、Cr:1.02%、V:0.22%で、外形110 mm、長さ200 mmの棒鋼を、1000℃に加熱し、外径約165 mm、高さ約90 mmの円板状成形体にプレス成形し、さらに、コアポンチにより中央部に凹部を形成し、それを貫通、穴開けして、外径約180 mm、内径約50 mmの第1の円筒状素材を作製した。次に第1の円筒状素材を、高周波誘導加熱装置により再度加熱し、リングローリングミルにセットし、リングローリング加工により外径約353 mm、内径約311 mm、幅約90 mmの第2の円筒状素材を作製した。この第2の円筒状素材を790℃、10時間の焼鈍後、ショットブラストによる酸化スケールの除去後、長径352 mm、短径346 mmの非円形形状(カム形状)に内外周を同時に粗加工した後、突切加工して非円形形状のリングを5本得た。900℃からの焼入、490℃、3時間の焼戻しの後、仕上加工を施して、呼び径(d1) 330 mm、幅(h1) 7 mm、厚さ(a1) 10 mmの矩形断面で外周面がバレル形状、二重段付き合口形状の圧力リングとした。次に、460℃、5時間のガス窒化によりリング全面に窒化層を約70μm形成し、さらに外周には、高速フレーム溶射によりNi合金基地中に微細なCr炭化物粒子が分散した複合材粒子を主たる構成粒子(スルザーメテコ社のSM5241粉末)とするサーメット溶射被膜を約500μm形成し、最終的には溶射被膜の膜厚約350μmまで仕上研磨を施した。ここで、ガス窒化により表面に生成した化合物層(白層)は研削除去した。
[1] 熱伝導率の測定
熱伝導率は、実施例1のリングと同等の実施例1の鋼材の測定用サンプルを切り出し、研磨して、レーザーフラッシュ法により3回測定した。3回の測定値の平均値は38 W/(m・K)であり、CV黒鉛鋳鉄の熱伝導率に匹敵する値であった。
[2] 熱ヘタリ試験
熱ヘタリ試験は、JIS B 8037-5 に基づく。最初に張力を測定し、呼び径にリングを閉じて300℃で3時間加熱した後、再度張力を測定して、その減退率(JISでは接線方向張力減退度)を評価することによって行う。実施例1の5本のリングについて行った結果、熱ヘタリ率の平均値は4.8%であり、いずれも5%以内で、バラツキも小さかった。
比較例1(C1)
材料組成が、質量%で、C:3.8%、Si:2.6%、Mn:0.5%、P:0.04%、S:0.01%、Cr:0.09%、Ni:0.88%、V:0.06%、Cu:2.42%の鋳鉄から、溶解、鋳造して第2の円筒状素材に該当するCV黒鉛鋳鉄製素材を作製し、窒化処理及び溶射処理を省略した以外は、実施例1と同様にして、圧力リングを作製した。実施例1と同様にして熱伝導率の測定と熱ヘタリ試験を行った結果、熱伝導率の平均値は36 W/(m・K)、熱ヘタリ率の平均値は7.0%であり、実施例1と比較すると、実施例1の耐熱ヘタリ性が著しく向上したことがわかる。
実施例2(E2)
実施例1と同じ組成の鋼材を用い、リングローリング加工により外径約348 mm、内径約319 mm、幅約125 mmの第2の円筒状素材を作製し、さらに、その円筒状素材を再度加熱し、軸に直角な方向にプレス成形して、長軸351 mm、短軸345 mmの非円形形状の円筒状素材に成形した。なお、このプレス成形では、所定の楕円形状をした下型及び上型を使用した。得られた非円形形状の円筒状素材は、実施例1と同様にして、焼鈍し、ショットブラストによる酸化スケールの除去後、内外周同時加工、突切加工して非円形形状のリングを5本得た。実施例1と同様に、焼入、焼戻の後、仕上加工を行い、さらに窒化処理と溶射処理を施して、圧力リングとした。実施例2では、実施例1に比べ内外周同時加工の加工時間が約1/5に短縮された。
実施例3(E3)
実施例1で作製した、外径約353 mm、内径311 mm、幅約90 mmの第2の円筒状素材から、呼び径(d1) 330 mm、幅(h1) 6.0 mm、厚さ(a1) 4.5 mmの図6に示すようなI型形状のオイルリング本体を旋削加工により作製した。表面処理は、オイルリング本体全体に窒化処理を施した。
実施例4(E4)
実施例1で作製した、外径約180 mm、内径約50 mmの第1の円筒状素材から、リングローリング加工により外径約300 mm、内径約280 mmの第2の円筒状素材を作製し、さらに、図7に示すような断面の第2の円筒状素材が成形できるような形状をもつ主ロール及びマンドレルを使用してリングローリング加工を行い、外径約333 mm、内径約317 mmのオイルリング本体の素材を作製した。突切加工、熱処理、仕上加工、窒化処理等を行い、実施例3と同様なオイルリング本体を作製した。実施例4では、実施例3に比べ加工時間を大幅に低減することができた。
実施例5〜8(E5〜E8)
材料組成が、表1に示す鋼材を使用した以外は、実施例2と同様にして非円形形状の圧力リングを各鋼材につき5本づつ作製した。実施例1と同様にして熱伝導率の測定と熱ヘタリ試験を行った結果について、実施例1及び比較例1の結果も含め表1に示す。
Figure 2015108417
* E1、E5〜E8、C1は、いずれもP及びSを不可避的不純物として含んでいる。
** E8のCuは不純物として含まれたものである。
E5〜E8の熱伝導率は31〜49 W/(m・K)であり、熱ヘタリ率は4.6〜6.3%であった。熱伝導率は、少なくとも球状黒鉛鋳鉄の30 W/(m・K)以上であり、38 W/(m・K)、さらには49 W/(m・K)とCV黒鉛鋳鉄や片状黒鉛鋳鉄に相当する値も得られている。また、熱ヘタリ率も少なくとも7%未満であり、6%未満、さらには5%未満の値も得られている。
1 円柱状鋼素材
2 円板状成形体
3 第1の円筒状素材
4 第2の円筒状素材(大型ピストンリング素材)
5 被加工材
6 主ロール
7 マンドレル
8 アキシャルロール
9 バックアップロール
10 自由形状素材
11 合口
12 オイルリング本体
13 コイルエキスパンダ
14 レール部
15 第2の円筒状素材

Claims (16)

  1. 呼び径が200 mm以上1100 mm未満の大型ピストンリングであって、前記大型ピストンリングの母材が、必須合金元素としてC、Si、Mn、Cr、選択合金元素としてV、Mo、Bを含む鋼からなり、熱伝導率が30 W/(m・K)以上あることを特徴とする大型ピストンリング。
  2. 請求項1に記載の大型ピストンリングにおいて、前記母材の前記必須合金元素の組成が、質量%で、C:0.45〜1.10%、Si:0.15〜1.60%、Mn:0.30〜1.15%、Cr:0.50〜1.60%であり、前記選択合金元素の組成が、質量%で、V:0〜0.25%、Mo:0〜0.35%、B:0〜0.005%であることを特徴とする大型ピストンリング。
  3. 請求項1又は2に記載の大型ピストンリングにおいて、前記母材が焼戻しマルテンサイト中に炭化物を分散した組織を有することを特徴とする大型ピストンリング。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の大型ピストンリングにおいて、前記大型ピストンリングがシリンダに装着されたとき、自己張力に基づく面圧が発生することを特徴とする大型ピストンリング。
  5. 請求項4に記載の大型ピストンリングにおいて、熱ヘタリ率が8%未満であることを特徴とする大型ピストンリング。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の大型ピストンリングにおいて、前記大型ピストンリングの外周摺動面に、窒化皮膜、めっき皮膜、溶射皮膜、化成処理皮膜、イオンプレーティング皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることを特徴とする大型ピストンリング。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の大型ピストンリングにおいて、前記大型ピストンリングの側面に窒化皮膜、めっき皮膜、化成処理皮膜からなるグループから選択された1又は2以上の皮膜を有していることを特徴とする大型ピストンリング。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の大型ピストンリングを製造する方法であって所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程と、前記第2の円筒状素材からピストンリングに加工する機械加工工程を含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の大型ピストンリングを製造する方法において、前記大型ピストンリングが軸に直角な断面で非円形形状を有するように、前記第3の熱間鍛造工程の後に、前記第2の円筒状素材軸に直角な方向にプレス成形することを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の大型ピストンリングを製造するための円筒状鋼素材からなる大型ピストンリング素材であって、前記円筒状鋼素材が周方向にファイバーフロー組織を有することを特徴とする大型ピストンリング素材。
  11. 請求項10に記載の大型ピストンリング素材において、前記円筒状鋼素材の軸に垂直な断面が非円形形状であることを特徴とする大型ピストンリング素材。
  12. 請求項10又は11に記載の大型ピストンリング素材を製造する方法であって所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程を含み、前記第3の熱間鍛造工程の後に、前記大型ピストンリング素材が軸に直角な断面で非円形形状を有するように、前記第2の円筒状素材軸に直角な方向にプレス成形することを特徴とする方法。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載の大型ピストンリングであって、前記大型ピストンリングが張力を付与するためのコイルエキスパンダと組みあわせられることを特徴とする大型ピストンリング。
  14. 請求項13に記載の大型ピストンリングを製造するための円筒状鋼素材からなる大型ピストンリング素材であって、前記円筒状鋼素材が周方向にファイバーフロー組織を有し、前記円筒状鋼素材の外周面及び内周面が軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有していることを特徴とする大型ピストンリング素材。
  15. 請求項13に記載の大型ピストンリングを製造する方法であって所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程と、前記第2の円筒状素材からピストンリングに加工する機械加工工程を含み、前記第2の円筒状素材が軸と直角な断面で円形形状であり、外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有するように、前記第3の熱間鍛造工程において、異形形状の主ロールとマンドレルを使用することを特徴とする方法。
  16. 請求項14に記載の大型ピストンリング素材を製造する方法であって所定の長さに切断された円柱状素材を加熱し、プレス成形によって円板状成形体に据込み加工する第1の熱間鍛造工程と、前記円板状成形体からコアポンチにより中央部に凹部を形成し穴開け加工して第1の円筒状素材に加工する第2の熱間鍛造工程と、前記第1の円筒状素材からリングローリングミルにより拡径した第2の円筒状素材に加工する第3の熱間加工工程を含み、前記第2の円筒状素材が軸と直角な断面で円形形状であり、外周面及び内周面に軸方向に一定間隔で形成された複数の凹部を有するように、前記第3の熱間鍛造工程において、異形形状の主ロールとマンドレルを使用することを特徴とする方法。
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