以下、本発明の照明装置に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の照明装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
また、以下の説明においては、最初に本発明の第1の参考例の照明装置1について図1乃至図9を参照しながら説明する。次に本発明の一実施形態について図7乃至9を参照しながら説明する。次に本発明の第2の参考例の照明装置2について図10及び図11を参照しながら説明する。次に本発明の第2の参考例の照明装置2に設けられた導光板の製造方法について説明する。最後に本発明の一実施形態の照明装置の構成と主な作用効果について請求項毎に説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の参考例及び一実施形態の照明装置1について、図1乃至図9を参照しながら、具体的に説明する。なお、先ず照明装置1の構成について図1乃至図6を参照しながら説明し、次に照明装置1に設けられた導光部50の応用例に係る導光板58の構成及び光学特性について図7乃至図9を参照しながら説明する。
先ず、照明装置1の構成について、図1乃至図6を参照しながら、具体的に説明する。第1の実施形態の照明装置1は、例えば図1及び図2に示すように、受電部10、電源部20、光源部30、筐体部40、及び導光部50から構成される。以下、照明装置1の各構成について順に説明する。
受電部10は、外部から電力が供給される。この様な受電部10は、図2に示すように、口金11及び絶縁ケース12から構成されている。以下、受電部10の構成について説明する。受電部10の口金11は、金属から成り、例えば外周面11aが螺旋状の凹凸を備えた円錐形から形成され、内部に空洞を有している。この様な口金11の外周面11aを、例えば屋内施設に施工されているソケットにねじ込んで、電力の供給を受ける。また、口金11の直径は、例えば、一般的なサイズである直径26mmである。なお、受電部10に口金11を設ける構成に限定されることはなく、例えば、コンセントに差し込んで電力の供給を受けるプラグを設ける構成や、発電機又は蓄電池を接続して電力の供給を受ける端子を設ける構成としても良い。また、受電部10の絶縁ケース12は、例えば絶縁性を有するプラスチックスから成り、円筒形状から形成されている。この様な絶縁ケース12は、該絶縁ケース12の一端12aを口金11の内周面11bに嵌め込んで接合され、且つ他端12bを後述する筐体部40の筐体41に嵌め込んで接合されている。また、絶縁ケース12の内部の収納凹部12cには、後述する電源部20の電源回路21が収納されている。また、絶縁ケース12の他端12bに設けられたネジ孔12dは、後述する筐体部40の筐体41と接合して固定するためのものである。
電源部20は、受電部10と接続され、受電部10の口金11に接続された配線22を介して外部から供給された電力を所定の駆動電力に変換する。この様な電源部20は、図2に示すように、電源回路21、配線22、及び配線23から構成されている。以下、電源部20の構成について説明する。電源部20の電源回路21は、受電部10の口金11に接続された配線22を介して外部から入力された電力を、後述する光源部30の光源31の定格に合わせて、100Vから例えば24Vに降圧、直流の定電流への整流、整流後のパルス変調、及びノイズの除去等を行う。この様な電源回路21は、例えば、変圧器、整流器、及びコンデンサ等から構成される。また、電源回路21で生成された駆動電力は、配線23を介して後述する光源部30の光源31に供給される。
光源部30は、電源部20と接続され、該電源部20から供給された駆動電力により発光する。この様な光源部30は、図2に示すように、光源31及び基板32から構成されている。以下、光源部30の構成について説明する。光源部30の光源31は、例えば白色で発光する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)から構成されている。また、図2に示すように、複数の光源31が、後述する導光部50を構成する導光板51の入射面51a及び導光板52の入射面52aの直下に設けられている。また、光源31は、白色のLEDに限定されることはなく、例えば白色、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、又は紫色のいずれかの色若しくはそれらの色の組み合わせから成るLEDで構成しても良い。同様に、光源31を、紫外域の光を発するLEDで構成しても良い。同様に、光源31を、例えば有機発光ダイオード、蛍光管、冷陰極管、又はネオン管で構成しても良い。
また、光源部30に関し、基板32は、光源31を所定の配列で実装するための部材である。この様な基板32は、例えば、軽量で一定の強度を有するアルミニウムから成り、円盤状に形成されている。なお、基板32には、放熱性に優れた銅板や、加工性に優れたガラスエポキシ基板を用いても良い。ここで、図2に示すように、基板32には、例えば表面実装型のLEDから成る光源31が十字状に10個配列されている。また、図示していないが、基板32に開口された配線穴32aに配線23が通され、該配線23が例えば半田付けパッド32bに結線される。なお、例えば、配線23にコネクタを設け、該コネクタを基板32に設けられた図示せぬソケットに着脱可能に挿入する構成としても良い。また、詳細は後述するが、基板32は、該基板32に複数開口されたネジ孔32cを介して、後述する筐体部40の筐体41にネジ留めされる。
筐体部40は、電源部20及び光源部30を収納する。この様な筐体部40は、図2に示すように、筐体41、サラネジ42、保持部材43、及びナベネジ44から構成されている。以下、筐体部40の構成について説明する。筐体41は、例えばアルミニウムから成り、半球形状から形成されている。また、筐体41に開口された配線孔41aには、図示していないが、前述した電源部20の配線23が通される。また、筐体41に開口されたネジ孔41bには、例えばサラネジ42が通された上で、前述した受電部10の絶縁ケース12のネジ孔12dにネジ留めされることにより、絶縁ケース12と筐体41が接合されている。また、筐体41に形成された基板収納凹部41cに、基板32の裏面が当接される。また、筐体41の外周に形成された放熱面41eには、筐体41の表面積を増加させて電源部20及び光源部30で発生した熱を効率良く放熱させるため、例えば湾曲した凹凸形状から成る放熱用のフィンを複数形成しても良い。なお、例えば光源31の駆動電流値が十分に低い場合や、電源回路21での電力損失が小さい場合には、放熱面41eに放熱用のフィンを設けなくても良い。
また、筐体部40に関し、保持部材43は、一対から成り、例えば図2に示すように、後述する導光部50の導光板51及び導光板52にそれぞれ係合し、筐体41に保持されている。この様な保持部材43は、例えば、アルミニウムから成り、半円盤状から形成されている。すなわち、導光板51及び導光板52が組み合わされた状態で、一対の保持部材43の中央にそれぞれ開口された連結用切欠43aが、導光板52の下部の両端に設けられた凹状の連結用切欠52jに挿入され、且つ当接面43cが導光板52に当接されて着脱可能に係合されている。同様に、一対の保持部材43の両端にそれぞれ形成された突起43bが、導光板51の下部の両端に設けられた凹状の連結用切欠51jに挿入され、且つ当接面43cが導光板51に当接されて着脱可能に係合されている。
ここで、筐体部40に関し、一対の保持部材43が導光板51及び導光板52に係合されている状態で、一対の保持部材43の外周面43dが、筐体41の基板収納凹部41cに形成された内周面41fに当接するように、一対の保持部材43を筐体41に挿入されている。さらに、例えばナベネジから成るナベネジ44を、一対の保持部材43にそれぞれ開口されたネジ孔43e、及び基板32に開口されたネジ孔32cの順で通されている。その上で、ナベネジ44を、筐体41の基板収納凹部41cに設けられたネジ孔41dにネジ留めすることにより、導光板51と導光板52及び基板32を、一対の保持部材43を介し、筐体41に対して着脱可能に保持されている。なお、ナベネジ44が挿入された一対の保持部材43のネジ孔43eを、例えば反射剤が含有された接着剤で密封しても良い。
導光部50は、筐体部40の一端から突出して設けられ、入射面から入射させた光源部30の光を、曲面又は平面で形成された出射面から導出させる。また、導光部50の出射面の少なくとも1面以上は、入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜している。ここで、導光部50に設けられる導光板51及び導光板52の構造について、図2を参照しながら具体的に説明する。導光部50は、例えば導光板51及び導光板52を十字状に組み合わせて構成されている。この様な導光板51及び導光板52は、それぞれ例えば透明なアクリル樹脂板から成る。なお、導光板51及び導光板52は、透明な樹脂板に限定されることは無く、着色された樹脂板を用いても良い。また、導光板51及び導光板52には、例えば可視域の光を照射されることにより拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加した樹脂板を用いても良い。同様に、導光板51及び導光板52には、例えば紫外域や可視域の光を照射されることにより蛍光を発する蛍光剤を塗布又は添加した樹脂板を用いても良い。なお、導光板51及び導光板52に、防水、防汚、及び防塵等の機能を有した図示せぬシリコーンコーティング剤又は硝子コーティング剤を塗布、もしくは防水、防汚、及び防塵等の機能を有した図示せぬ透明樹脂を被覆しても良い。
また、導光部50に関し、導光板51及び導光板52は、それぞれ、対面同一になるように一対の略台形台形状から形成されている。すなわち、導光板51は、光源部30の光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面51aが形成されている。また、入射面51aと交差した第1の出射面51b及び第1の出射面51cが、対向して形成されている。同様に、第1の出射面51d及び第1の出射面51gが、対向して形成されている。ここで、第1の出射面51gと第1の出射面51bの間には、第1の出射面51iが鈍角を成すように隣接して形成されている。同様に、第1の出射面51gと第1の出射面51cの間には、第1の出射面51hが鈍角を成すように隣接して形成されている。また、入射面51aと対向し、該入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した第2の出射面51e及び該入射面51aと平行な第2の出射面51fが隣接して形成されている。上記の導光板51に係る略台形台形状が、対面同一になるように一対で形成されている。また、上記の導光板51に係る対面同一になるように一対で形成された略台形台形状については、導光板52についても同様である。
同様に、導光部50に関し、導光板51の第1の出射面51gの下部には、凹状の連結用切欠51jが形成されている。この様な連結用切欠51jに、保持部材43の両端にそれぞれ形成された突起43bが挿入されている。同様に、導光板52の第1の出射面52gの下部には、凹状の連結用切欠52jが形成されている。この様な連結用切欠52jに、保持部材43の中央にそれぞれ開口された連結用切欠43aが挿入されている。ここで、導光板51の出射面側の中央に設けられた凹状の切欠面51mと、導光板52の入射面52aの中央に設けられた凹状の切欠面52kが当接するように、導光板51及び導光板52が組み合わされている。なお、導光板51の切欠面51mと導光板52の切欠面52kを接合させた時に、導光板51の入射面51aと導光板52の入射面52aが同一面上に位置するように、導光板51及び導光板52が形成されている。また、導光板51の入射面51aの両端及び中央に設けられた凸状の当接面51n、及び導光板52の入射面52aの両端に設けられた凸状の当接面52nは、それぞれ光源部30の基板32に当接される。
なお、導光部50に係る光学特性の説明においては、先ず導光部50に設けられる各導光板の基本的な光学特性について図3に示す導光板100を参照しながら説明する。次に導光部50に設けられる略台形台形状に形成された導光板51に係る構成及び光学特性について図4乃至図6を参照しながら説明する。
先ず、導光部50に設けられる各導光板の基本的な光学特性について、図3に示す導光板100を参照しながら、具体的に説明する。図3(a)に示すように、導光板100の出射面100zに対して、光L1が臨界角以下の入射角θ1で入射されると、光L1の透過光に相当する光L2が出射角θ2で出射される。ここで、導光板100の屈折率n1にsin(入射角θ1)を掛けた値と、例えば空気の屈折率n2にsin(出射角θ2)を掛けた値は、等しい。また、図3(b)に示すように、導光板100の出射面100zに対して、光L3が臨界角を超えた入射角θ3で入射されると、光L3の全反射光に相当する光L4が、反射角θ4で導光板100の内部に反射される。ここで、入射角θ3と反射角θ4は、等しい。また、屈折率は、波長に依存し、短波長から長波長にかけて相対的に小さくなる。したがって、入射した光が全反射する最小の入射角である光の臨界角は、該光の波長及び入射角に依存する。
次に、導光部50に設けられる略台形台形状に形成された導光板51に係る構成について、図4を参照しながら、具体的に説明する。図4に示す導光板51は、略台形台形状から形成され、図2に示す導光板51の片側に相当する。すなわち、導光板51は、図4(a)に示すように、光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面51aが形成されている。また、入射面51aと交差した第1の出射面51p及び第1の出射面51sが、対向して形成されている。また、入射面51aと対向し、該入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した第2の出射面51q、及び該入射面51aと平行な第2の出射面51rが隣接して形成されている。さらに、導光板51は、図4(b)に示すように、入射面51aと交差した第1の出射面51b及び第1の出射面51cが、対向して形成されている。また、第1の出射面51bと第1の出射面51sの間には、第1の出射面51uが鈍角を成すように隣接して形成されている。同様に、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間には、第1の出射面51tが鈍角を成すように隣接して形成されている。
また、導光部50の導光板51に係る光学特性について、図5及び図6を参照しながら、具体的に説明する。なお、図5(a)乃至(d)は、図4の各出射面における所定の光の出射箇所での光学特性を、それぞれ個別に示す模式図である。ここで、光源31は、図5に示すように、例えば複数の発光体を隣接して設けた面光源から成り、導光部50を構成する導光板51の入射面51aの直下に設けられている。したがって、光源31の光は、導光板51の入射面51aの殆ど全面から、該導光板51の内部に入射される。しかしながら、該光源31の光に係る多数の光線を、図4や図5に示す導光板51の外形線に重ねて図示すると、該導光板51の光学特性を理解することが困難となる。そこで、図4及び図5では、任意の4箇所に係る光の出射箇所を基準として、光源31の光に係る光線を、導光板51の外形線に重ねて図示することに留めている。図5(a)に示す第2の出射面51rの光の出射箇所51vでは、入射面51aから法線方向に直進し第2の出射面51rに対して垂直に入射した光L101が、光L101の透過光に相当する光L102として導光板51から導出される。また、光の出射箇所51vでは、第2の出射面51rに対して臨界角以下で入射した光L112が、該光L112の透過光に相当する光L113として導光板51から導出される。なお、光L112は、第1の出射面51sにおける光L111の反射光に相当する。同様に、光の出射箇所51vでは、第2の出射面51rに対して臨界角以下で入射した光L121が、該光L121の透過光に相当する光L122として導光板51から導出される。
同様に、導光部50の導光板51に係る光学特性に関し、図5(b)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51wでは、入射面51aから法線方向に直進し第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L131が、光L131の透過光に相当する光L132として導光板51から導出される。また、光の出射箇所51wでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L142が、該光L142の透過光に相当する光L143として導光板51から導出される。なお、光L142は、第1の出射面51sにおける光L141の反射光に相当する。同様に、光の出射箇所51wでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L151が、該光L151の反射光に相当する光L152として導光板51の内部に反射される。また、該光L152は、第2の出射面51rで、光L152の反射光に相当する光L153として導光板51の内部に反射される。また、光L153は、該光L153の透過光に相当する光L154として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。また、光L161は、第1の出射面51pに対して臨界角以下の角度で入射されるため、光L161の透過光に相当する光L162として導光板51から導出され、第2の出射面51qの光の出射箇所51wには伝搬されない。
また、導光部50の導光板51に係る光学特性に関し、図5(c)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51xでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L171及び光L181が、それぞれ透過光に相当する光L172及び光L182として導光板51から導出される。なお、光L171は、入射面51aから法線方向に直進した光である。同様に、光の出射箇所51xでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L192が、該光L192の反射光に相当する光L193として導光板51の内部に反射される。なお、光L192は、第1の出射面51pにおける光L191の反射光に相当する。また、光L193は、該光L193の透過光に相当する光L194として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。また、光L201は、第1の出射面51sに対して臨界角以下の角度で入射されるため、光L201の透過光に相当する光L202として導光板51から導出され、第2の出射面51qの光の出射箇所51xには伝搬されない。
同様に、導光部50の導光板51に係る光学特性に関し、図5(d)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51yでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L211、光L231、及び光L241が、それぞれ透過光に相当する光L212、光L232、及び光L242として導光板51から導出される。なお、光L211は、入射面51aから法線方向に直進した光である。また、光の出射箇所51yでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L222が、該光L222の反射光に相当する光L223として導光板51の内部に反射される。なお、光L222は、第1の出射面51pにおける光L221の反射光に相当する。また、光L223は、該光L223の透過光に相当する光L224として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。
さらに、導光部50の導光板51に係る光学特性に関し、図6に示すように、第1の出射面51s、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間に形成された第1の出射面51t、及び第1の出射面51bと第1の出射面51sの間に形成された第1の出射面51uに対して、臨界角以下で入射した光L251、光L261、及び光L271が、それぞれ透過光に相当する光L252、光L262、及び光L272として導光板51から導出される。
したがって、導光部50の導光板51によれば、図4乃至図6に示すように、導光板51の入射面51aから入射された光源31の光を、該導光板51の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。すなわち、導光板51に、該導光板51の入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面51qを設けることにより、例えば、第2の出射面51qの光の出射箇所51w、光の出射箇所51x、及び光の出射箇所51yにおいて、様々な放射角で光源31の光を導出させることができる。さらに、導光板51に、例えば、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51t、及び第1の出射面51bと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51uを設けることにより、導光板51の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角となり易く、導光板51から導出され易くなる。
次に、本発明の一実施形態に係る照明装置1について説明する。ここでは、照明装置1に設けられた導光板58の構成及び光学特性について、図7乃至図9を参照しながら、具体的に説明する。
導光部50の導光板58は、図7に示すように、第2の出射面が図2等に図示された筐体部40の径方向の中心及び外側からそれぞれ複数の斜面が連なって形成されている。以下、導光板58の構成及び光学特性について、図7乃至図9を参照しながら、詳細に説明する。図7に示す導光板58は、入射面58aと隣接し直交した第1の出射面58pと、入射面58aに対向した第2の出射面58q、58r、58s、58t、58u及び58vとを備えている。さらに、導光板58の第2の出射面58q、58r、58s及び58tは、入射面58aとの成す角度が段階的に小さくなるように、筐体部40の径方向の中心及び外側からそれぞれ複数の斜面が連なって形成されている。すなわち、導光板58の複数の斜面は、導光板58の第2の出射面58q、58r、58s及び58tに相当し、それら複数の斜面が筐体部40の径方向の中心及び外側から対向するように設けられている。この様に導光板58は、十字状に配設された4片の山状の導光片から構成されている。なお、導光板58は、連結用切欠等の図示を省略している。また、導光板58は、複数の導光板を十字状に組み合わせて構成しても良いし、又は1個の導光板を十字状に一体成型して構成しても良い。また、図7に示す光源部30の基板32には、十字状に13個の光源31が配設されている。例えば、図8に示すように、7個の光源31a乃至31gが、導光板58の入射面58aの一列に、所定の距離だけ離間して設けられている。
この様な導光部50の導光板58は、図8に示すように、擬似的な発光中心位置P1を基準として、光L701から光L702が出射される広角に亘り光量の差が少ない優れた配光分布を有する。したがって、この様な導光板58を備えた照明装置1を天井面に配設して、下方の床面等を照らすような場合には、広範囲を均等に照明することができる。以下、そのような光学特性について、図9を参照しながら、詳細に説明する。
図9に示す導光板58には、図9中の左半分の領域に対して主に光源31a乃至31dの光が入射され、且つ図9中の右半分の領域に対して主に光源31d乃至31gの光が入射される。すなわち、十字状に配設された13個の光源31に対して、十字状に形成され且つ4片の山状の導光片から成る導光板58を設けることにより、約3.5個分の光源31の直上に1片の山状の導光片が配設されていることになる。この様な構成によれば、各光源31から出射された光の中、所定の配光角度以内の光は直上の導光片から放射状に導出され、且つ所定の配光角度を超えた光は隣接する導光片から放射状に導出される。ここで、図9に示す合計7個の光源31a乃至31gは、LEDから成る面発光の光源であり、様々な角度で光が導出されている。しかしながら、それらの光を全て図示すると、該光が密集して光学特性の理解が困難になる。そこで、図9においては、次の条件で光を図示している。先ず、光源31a乃至31gの各光源の中心から出射される光のみを図示している。次に、導光板58の入射面58aに入射された光が、該入射面58aの法線方向に対して0°、±10°、±20°、±30°及び±40°の角度で伝播する光のみを図示している。これは、導光板58の材質であるアクリル樹脂において、代表的な可視光での光の臨界角が約42°であることに基づく。上記の条件により、合計7個の光源31a乃至31gの各光源から、それぞれ7本の光を出射させその光を図示している。
ここで、図9に示す導光板58は、その外形が回転対称であるため、図中の左半分と右半分おいて伝播している光は、左右対称である。また、図中に符号が密集することを避けるため、光源31a乃至31dから出射された光の中、導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°及び±40°の角度で伝播する光のみを図示している。また、符号を付加していない光については、符号を付加した光と比較して、導光板58から外部に出射されている部分の光の長さを若干短くしている。ここで、光L711、L722、L723、L731、L751、L762、L763及びL771は、第2の出射面58q、58r又は58sのいずれかの面に入射した後、導光板58の内部に一旦反射されてから、該導光板58の外部に出射されている。また、光L721及びL761は、第2の出射面58uに入射した後、該導光板58の外部に出射されている。また、光L741は、第2の出射面58vに入射した後、該導光板58の外部に出射されている。また、光L712、L733、L752及びL773は、第2の出射面58rに入射した後、該導光板58の外部に出射されている。また、光L742及びL743は、第2の出射面58sに入射した後、該導光板58の外部に出射されている。また、光L713及びL772は、第1の出射面58pに入射した後、導光板58の内部に一旦反射されてから、該導光板58の外部に出射されている。
また、図9に示す導光板58の光L711は、光源31aから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。また、光L712は、光源31aから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°(図中時計回り)の角度で伝播する光である。さらに、光L713は、光源31aから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°(図中反時計回り)の角度で伝播する光である。同様に、光L721は、光源31bから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。また、光L722は、光源31bから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光である。さらに、光L723は、光源31bから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光である。
同様に、図9に示す導光板58の光L731は、光源31cから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。なお、光源31cから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光は、導光板58から出射した後に該導光板58に入射して光量が大きく減衰し照明に寄与し難いことから、符号を付加していない。さらに、光L733は、光源31cから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光である。同様に、光L741は、光源31dから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。また、光L742は、光源31dから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光である。さらに、光L743は、光源31dから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光である。
同様に、図9に示す導光板58の光L751は、光源31eから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。さらに、光L752は、光源31eから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光である。なお、光源31eから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光は、導光板58から出射した後に該導光板58に入射して光量が大きく減衰し照明に寄与し難いことから、符号を付加していない。同様に、光L761は、光源31fから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。また、光L762は、光源31fから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光である。さらに、光L763は、光源31fから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光である。同様に、光L771は、光源31gから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して0°の角度で伝播する光である。また、光L772は、光源31gから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して40°の角度で伝播する光である。さらに、光L773は、光源31gから導出され導光板58の入射面58aの法線方向に対して−40°の角度で伝播する光である。
図9を参照しながら説明したように、各光源31から出射された光の中、所定の配光角度以内の光は直上の導光片から放射状に導出され、且つ所定の配光角度を超えた光は隣接する導光片から放射状に導出される。ここで、導光板58に特徴的な光学特性として、該導光板58の内部を伝播し、入射面58aに隣接した第1の出射面58pと入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に近い第2の出射面58q及び58rに入射した大部分の光は、上述した臨界角の関係から該導光板58の内部に反射される。さらに、導光板58の内部に反射された光は、臨界角未満の角度となるため、入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に遠い第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。すなわち、導光板58の入射面58aから入光した光の大部分は、第1の出射面58pと第2の出射面58q、58r、58s、58t及び58uから均一に出射されることはなく、第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。
以上、第1の参考例に係る照明装置1によれば、例えば図5に示す導光板51の入射面51aから入射された光源31の光を、該導光板51の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。すなわち、図9に示す導光板58のように、擬似的な発光中心位置P1を基準として、光L701から光L702が出射される広角に亘り光量の差が少ない優れた配光分布を有する。したがって、この様な導光板58を備えた照明装置1を天井面に配設して、下方の床面等を照らすような場合には、広範囲を均等に照明することができる。すなわち、導光板58の内部を伝播し、入射面58aに隣接した第1の出射面58pと入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に近い第2の出射面58q及び58rに入射した大部分の光は、上述した臨界角の関係から該導光板58の内部に反射される。さらに、導光板58の内部に反射された光は、臨界角未満の角度となるため、入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に遠い第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。すなわち、導光板58の入射面58aから入光した光の大部分は、第1の出射面58pと第2の出射面58q、58r、58s、58t及び58uから均一に出射されることはなく、第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。
[第2の参考例]
以下、本発明の第2の参考例の照明装置2について、図10及び図11を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明の第2の参考例の照明装置2は、該照明装置2を構成する導光部60の導光板に、凹状又は凸状のパターンがそれぞれ形成されていることに特徴を有している。また、それ以外の第2の参考例に係る構成は、第1の参考例で述べた構成と同様である。すなわち、第2の参考例の照明装置2は、図11に示すように、第1の参考例の照明装置1と同様の仕様から成る受電部10、電源部20、光源部30、及び筐体部40と、第2の参考例の照明装置2に特有の導光部60から構成されている。そこで、第2の参考例においては、第1の参考例とは異なる構成である導光部60について中心に説明する。なお、第1の参考例の照明装置1において説明した全ての導光板について、凹状又は凸状のパターンを形成することができる。
第2の参考例の照明装置2を構成する導光部60の各導光板には、該導光板の出射面の1面以上に、光源部30の光を拡散光として導出させる凹状又は凸状のパターンが形成されている。ここで、導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様について図10及び図11を参照しながら説明する。
導光部60の導光板61に設けられた第1の出射面61b及び第1の出射面61cには、例えば図10及び図11に示すように、照射された光を拡散光として導出させる凹状のパターン61pが形成されている。この様なパターン61pは、例えば1mmから6mmの間隔でマトリクス状に形成されている。ここで、導光板61の第1の出射面61bに形成された複数のパターン61pで発生した複数の拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板61の対向する第1の出射面61cから導出される。同様に、導光板61の第1の出射面61cに形成された複数のパターン61pで発生した複数の拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板61の対向する第1の出射面61bから導出される。また、導光部60の導光板62に形成された凹状のパターン62pの仕様は、上述した導光板61に形成されたパターン61pの仕様と同様である。
また、導光板61及び導光板62の各出射面に形成する凹状又は凸状のパターンを、例えば点状、線状、又はそれらの組み合わせから構成しても良い。例えば、図8に示す導光板58に、凹状又は凸状のパターンを形成しても良い。なお、図11に示す導光部60に設けられる導光板61の外形形状は、図2に示す導光部50に設けられる導光板51の外形形状と同一である。したがって、導光部60に設けられる導光板61は、図5及び図6を参照しながら説明した導光部50に設けられる導光板51と同様の光学特性を有し、導光板61の入射面61aから入射された光源31の光を、該導光板61の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。
以上、第2の参考例に係る照明装置2によれば、前述した第1の参考例に係る照明装置1と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、例えば、導光部60に設けられる導光板61は、図5及び図6を参照しながら上述した導光部50の導光板51と同様の光学特性を有し、導光板61の入射面61aから入射された光源31の光を、該導光板61の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。また、導光板61に形成された凹状又は凸状のパターンを、図7乃至図9を参照しながら上述した導光部50の導光板58に適用しても良い。
次に、本発明の第2の参考例の照明装置2に設けられた導光板の製造方法について、具体的に説明する。
導光板の製造方法には、例えば超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工、及びシルク印刷加工を用いることができる。したがって、導光板の仕様やコスト及び必要数量等に応じて、各加工方法を選択することにより、凹状又は凸状のパターンを導光板の主面に精度良く安定的に形成することができる。以下、各製造方法について説明する。超音波加工では、導光板の主面に当接させた超音波加工用ホーンの超音波の振動を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。また、加熱加工では、導光板の主面に当接させた加工具の熱を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、切削加工では、導光板の主面に当接しながら回転又は付勢させた切削工具を用いて、導光板の主面を部分的に削り取ることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、レーザ加工では、導光板の主面に集光させたレーザ光の熱を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、成型加工では、成型する導光板の外形形状を反映させた形状を金型の内部に形成し、例えば射出成型機に装着した金型に対して加熱して軟化させた樹脂を注入してから、該樹脂を冷却させることにより、導光板の主面に凹状のパターン、凸状のパターン、又は凹状及び凸状のパターンを形成する。
また、導光板の製造方法に関し、シルク印刷加工では、導光板の主面に対して所定の孔が開口した版を当接させ、孔を介して硬化性の樹脂を主面に付着させて、該主面を部分的に樹脂で被覆させることにより、該主面に凸状のパターンを形成する。また、成型加工又はシルク印刷加工に用いる導光板の基材である樹脂に、例えば拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加しても良い。同様に、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工、又はレーザ加工を行う導光板の基材である樹脂に、例えば拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加したものを用いても良い。なお、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工、及びシルク印刷加工を組み合わせて導光板を形成しても良い。すなわち、例えば成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、例えば超音波加工により導光板の主面に凹状のパターンを形成しても良い。同様に、例えば成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、例えばシルク印刷加工により導光板の主面に凸状のパターンを形成しても良い。
最後に、本発明の一実施形態の照明装置の構成と主な作用効果について、請求項毎に説明する。
請求項1に記載の照明装置1は、外部から電力が供給される受電部10と、受電部10と接続され、電力を所定の駆動電力に変換する電源部20と、電源部20と接続され、駆動電力により発光する光源部30と、電源部20及び光源部30を収納する筐体部40と、入射面から入射させた光源部30の光を出射面から導出させる板状の導光板58を筐体部40の一端から突出して設けた導光部50とを有し、導光部50は、それぞれが入射面と隣接し直交した第1の出射面(58p)と、第1の出射面に隣接し且つ前記入射面に対向した第2の出射面(58q、58r、58s、58t)とを有する4つの多面体を備え、第2の出射面は、対向する第1の斜面群と第2の斜面群からなり、第1の斜面群は筐体部40の径方向の外側から中心に向けて複数の斜面が連なって形成されており、第2の斜面群は筐体部40の径方向の中心から外側に向けて複数の斜面が連なって形成されていることを特徴とする。
この様な請求項1に記載の照明装置1によれば、図9に示す導光板58のように、擬似的な発光中心位置P1を基準として、光L701から光L702が出射される広角に亘り光量の差が少ない優れた配光分布を有する。したがって、この様な導光板58を備えた照明装置1を天井面に配設して、下方の床面等を照らすような場合には、広範囲を均等に照明することができる。すなわち、導光板58の内部を伝播し、入射面58aに隣接した第1の出射面58pと入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に近い第2の出射面58q及び58rに入射した大部分の光は、上述した臨界角の関係から該導光板58の内部に反射される。さらに、導光板58の内部に反射された光は、臨界角未満の角度となるため、入射面58aに対向し該入射面58aから相対的に遠い第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。すなわち、導光板58の入射面58aから入光した光の大部分は、第1の出射面58pと第2の出射面58q、58r、58s、58t及び58uから均一に出射されることはなく、第2の出射面58s、58t及び58uから広角で導出される。
請求項2に記載の照明装置1は、請求項1に従属し、前記導光部は、2枚の導光板が十字状に組み合わされて構成されており、前記導光部の各導光板は、それぞれ2つの多面体を備えていることを特徴としている。
このような請求項2に記載の照明装置1によれば、図2及び図7に示されるような中心において交差する2枚の導光板のそれぞれに2つの多面体が形成された構成が実現される。
請求項3に記載の照明装置1は、請求項1又は2に従属し、前記複数の斜面は、光源から離間する毎に前記入射面との成す角度が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
この様な請求項3に記載の照明装置1によれば、例えば図7に示す導光部50の導光板58の入射面58aから入射した光源部30の光源31の光を、該導光板58の内部で多重反射させることなく、第2の出射面58q、58r、58s、58t又は58uから、略円弧状に光を導出させることができる。
請求項4に記載の照明装置1は、請求項1乃至3に従属し、前記斜面は、入射面の法線とのなす角度が臨界角以下となるように、該入射面に対して傾斜していることを特徴としている。
この様な請求項4に記載の照明装置1によれば、例えば図7に示す導光部50の導光板58の入射面58aから入射した光源部30の光源31の光を、該導光板58の内部で多重反射させることなく、第2の出射面58q、58r、58s、58t又は58uからすみやかに光を導出させることができる。
請求項5に記載の照明装置1は、請求項1に従属し、導光板の出射面の1面以上に、光源部30の光を拡散光として導出させる凹状又は凸状のパターンが形成されていることを特徴としている。