JP5290629B2 - 固形燃料の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された固形燃料の製造方法は、重質油分と溶媒油分を含む混合油を多孔質炭と混合して原料スラリーを得、このスラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に重質油分と溶媒油分を含む混合油を含有せしめ、この後、このスラリーを固液分離することを特徴とする固形燃料の製造方法である。この特許文献1に記載された固形燃料の製造方法によれば、脱水されると共に、自然発火性が低くて、輸送性および貯蔵性に優れ、しかも高カロリー化された固形燃料を得ることができる。
特許文献2に記載の固形燃料の製造装置においては、重質油分と溶媒油分を含む混合油を低品位炭と混合してスラリーを作る混合槽と、該スラリーを水分蒸発処理する蒸発器と、この水分蒸発処理されたスラリーを固液分離する固液分離器とを備える。そして、前記混合槽が、原料スラリーを加熱する原料スラリー加熱手段を有している。
この構成においては、原料スラリー加熱手段により原料スラリーを加熱することで原料スラリーの流動性を向上させ、固形燃料の生産性(生産量/時間・投入エネルギー)を向上させることができる。
そして、本発明に係る固形燃料の製造装置および製造方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の固形燃料の製造装置および製造方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
本願発明者は、攪拌手段によりスラリーの攪拌を行う点に着目すると共に、スラリー状態を維持するために必要な攪拌動力が混合槽と蒸発槽とにおいて異なり、蒸発槽においては、混合槽よりも小さい攪拌動力で、スラリー状態を維持できることを新たに知見した。ここで、攪拌動力とは、スラリーを攪拌するために攪拌手段に投入される動力を意味する。
したがって、上記第1の特徴を有する構成によると、混合槽および蒸発槽において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、第2攪拌手段の攪拌動力を第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
本願発明者は、スラリー状態を維持するために必要な攪拌動力が、スラリーの濃度によって異なることを新たに知見した。
ここで、「スラリーの濃度」とは、スラリーの全重量に対する、多孔質炭の重量(当該多孔質炭に含まれる水分の重量も含む重量)の割合を意味する。
したがって、第1濃度測定器および第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに基づいて、第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくなるように第2攪拌手段を制御することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
上記第1の特徴を有する構成によると、混合槽において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌手段を駆動させた場合、蒸発槽においても、第2攪拌手段の攪拌によりスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第2攪拌手段の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
(1)粒径が1mm以上の石炭粒子の重量が、石炭粒子全体の重量の30%以下となるように調整された多孔質炭を用い、(2)多孔質炭の含水率をα、多孔質炭の乾燥基準重量に対する混合油の重量比である油炭比をR、定数γ=0.89、η=0.90、としたときに、
R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
の式を満たすように、多孔質炭と混合油とを混合するための混合槽に、多孔質炭と混合油とが投入されることである。
即ち、含水率α(%)は、多孔質炭の乾燥基準重量をWa、当該多孔質炭に含まれる水の重量Wb、としたときに、以下の式で表される。
α={Wb/(Wa+Wb)}×100
即ち、油炭比Rは、多孔質炭の乾燥基準重量をWa、混合油の重量をS、としたときに、以下の式で表される。
R=S/Wa
図1は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料の製造装置100を示す図である。
図1に示すように、製造装置100は、多孔質炭(RC)および混合油(MO)が供給される混合槽1と、多孔質炭が含有する水分を蒸発させる蒸発槽2と、多孔質炭と混合油とを分離する固液分離器4と、を備える。
この第1攪拌機10は、例えば、攪拌羽根10aと、当該攪拌羽根10aを回転させるためのモータ10bとを有して構成される。そして、モータ10bを駆動して攪拌羽根10aを回転させることにより、混合槽1内の原料スラリーを攪拌することができる。
また、混合槽1は、その下部から原料スラリーをスラリーポンプ12を介して混合槽1の上部へ導入する循環流路11、13を有している。
尚、例えば、軸流型攪拌機等により混合槽1および第1攪拌機10が構成される。
この第2攪拌機20は、第1攪拌機10と同様に、例えば、攪拌羽根20aと、当該攪拌羽根20aを回転させるためのモータ20bとを有して構成される。そして、モータ20bを駆動して攪拌羽根20aを回転させることにより、蒸発槽2内のスラリーを攪拌することができる。
また、蒸発槽2は、その上流側で蒸発槽2の下部からスラリーをスラリーポンプ22を介して蒸発槽2の上部へ導入する上流側循環流路21,23,24を有している。また、蒸発槽2は、その下流側で蒸発槽2の下部からスラリーをスラリーポンプ27を介して蒸発槽2の上部へ導入する下流側循環流路26,28,29を有している。
また、固液分離器4と混合槽1との間には、循環ポンプ5を介して固液分離器4にて分離された混合油を混合槽1に戻すための混合油循環流路45が設けられている。この循環ポンプ5としては、遠心式ポンプを用いることができる。混合油循環流路45には、混合油加熱用熱交換器15が設けられている。この混合油加熱用熱交換器15としては、例えば、多管式型の熱交換器を用いることができる。尚、プレート型、スパイラル型等の熱交換器を使用してもよい。また、この混合油加熱用熱交換器15の熱源として、例えば、蒸発槽2で発生する水蒸気を用いることができる。
この制御装置70は、モータ20bに投入する電力が、モータ10bに投入する電力の1/2になるように、モータ10b,20bを制御する。例えば、混合槽1および蒸発槽2における攪拌羽根の回転抵抗が略同じであれば、モータ20bの回転数が、モータ10bの回転数の1/2になるように、モータ10b,20bを制御することになる。
(混合工程)
混合槽1においては、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーが得られる。尚、混合油は、混合油加熱用熱交換器15によって加熱されているので、混合槽1内において原料スラリーは適度な温度に保たれる。また、原料スラリーは、循環流路11、13を通って混合槽1の下部からスラリーポンプ12を介して混合槽1の上部へ導入され、循環される。
第1攪拌機10の回転数は、予め実験等により、混合槽1において沈降によって多孔質炭が堆積しない回転数を測定しておき、この測定された回転数を用いることができる。
また、溶媒油分とは、当該重質油分を溶解させて分散させる油であり、例えば、重質油分との親和性、スラリーとしてのハンドリング性、細孔内への侵入容易性等の観点から軽沸油分が用いられる。尚、水分蒸発温度での安定性を考慮すれば、沸点100℃以上、好ましくは300℃以下の石油系油(灯油、軽油あるいは重油等)を使用することが推奨される。
このような重質油分含有混合油を使用すると、適切な流動性を示すため、重質油分単独では果たし得ないような細孔内への侵入が促進される。
X=(W1/W2)×100
原料スラリーは、循環流路11、13内で循環されるとともに、当該循環流路から分岐したスラリー供給流路14を通って上流側循環流路21,23,24に入り、これを通って蒸発槽2へ入る。蒸発槽2の内部では、第2攪拌機20により、原料スラリーが攪拌される。尚、蒸発槽2の内部は、2〜15気圧の加圧状態とされる。
脱水スラリーは、下流側循環流路26,28,29から分岐している脱水スラリー供給流路41を通って固液分離器4に入り、固液分離され、固体分(改質多孔質炭)と液体分(混合油)とが得られる。
固液分離工程で回収された混合油は循環油として、循環ポンプ5によって、混合油循環流路45を経て混合槽1に戻される。このとき、混合油は、混合油加熱用熱交換器15によって加熱された後、混合槽1での原料スラリーの調整に再利用される。
固液分離工程で分離された改質多孔質炭は、通常は混合油により未だ湿潤しているので、乾燥器に入り、乾燥され、粉末状固形燃料として用いることができる状態となる。
尚、乾燥方法は改質多孔質炭から混合油を蒸発分離できる限り特に制限されない。
図2は、実験装置の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、容量3Lのビーカー101に、所定の重量濃度となるように石炭粒子と灯油とを混合した原料スラリーを入れ、当該原料スラリーを攪拌するための攪拌機102を設置した。攪拌機102は、攪拌軸102aの回転に伴って、スラリー内に配置されたパドル102bが回転し、ビーカー101内の原料スラリーを攪拌することができる。尚、ビーカー101内壁面に攪拌抵抗となるようにビーカー中心方向に板103を突出させて設置した。また、ビーカー101の底の流動状態が確認できるように、ビーカー101の下方に鏡104を配置した。
石炭スラリーは黒色であるが、パドル102bを回転させたときに、石炭に含まれる白色の粒子(灰分の多い石炭粒子)が運動しているのが認められるので、これを流動状態の目安とした。
そして、パドル102bの回転数を連続的に増加させていき、攪拌軸102aの真下(ビーカー101の底)に集まる石炭粒子の集合体が消える直前の攪拌機102の回転数(回転速度)とトルク値とから必要最小攪拌動力を算出した。
尚、必要最小攪拌動力は、原料スラリーの重量濃度が、約35wt%、約41wt%、約51wt%の場合について、それぞれ算出した。
図3に示すように、原料スラリーの重量濃度Xと、相対必要最小攪拌動力Prとは以下の式に示す関係にある。
Pr=A×XB1 ・・・式(1)
A1=2.157−10、B1=6.031
ここで、混合槽1および蒸発槽2における原料スラリーの重量濃度を測定したところ、混合槽1における重量濃度は、約48wt%、蒸発槽2における重量濃度は、約30wt%であり、蒸発槽2においては、混合槽1よりも原料スラリーの重量濃度が低いことが分かる。
したがって、第1実施形態の固形燃料の製造装置100のように、第2攪拌機20の攪拌動力を、第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さくしても、蒸発槽2において多孔質炭が沈降して堆積することを防ぐことができる。即ち、製造装置100の構成によれば、多孔質炭が沈降して堆積することを防ぎつつ第2攪拌機20の攪拌動力を低減することができ、結果として、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
・・・式(A)
スラリーの重量濃度Xは、含水率αと、油炭比Rと、を用いて、以下の式(a1)で表される。
X=1/{R(1−α)+1} ・・・式(a1)
ここで、発明者は、蒸発工程において、多孔質炭に含まれる水分が蒸発するのと同時に、当該蒸発した水の重量の約70%に等しい混合油が留出することを知見している。これにより、蒸発工程において、多孔質炭に含まれる水分のうちの90%が蒸発したときのスラリーの重量濃度X’を以下の式(a2)で近似することができる。尚、当該式(a2)においてη=0.90である。
X’={1−0.9α}/{R(1−α)+1−1.7αη} ・・・式(a2)
ここで、式(1)から、スラリーの重量濃度がXのときの相対必要最小攪拌動力Pに対する、スラリーの重量濃度がX’のときの相対必要最小攪拌動力P’の比(以下、攪拌動力比と記載する)は、以下の式(a3)で表される。
P’/P=(X’/X)6.031 ・・・式(a3)
上記式(a1)、(a2)、(a3)の関係から、上記式(A)を満たす場合には、攪拌動力比P’/Pは、1/2よりも小さくなる。
次に、第2実施形態に係る固形燃料の製造装置について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。
第2実施形態に係る製造装置200は、減圧槽3を更に備える点で第1実施形態に係る製造装置100と異なる。また、各槽のスラリーの重量濃度を測定する濃度測定器81,82,83を更に備え、当該濃度測定器81,82,83の測定結果に基づいて攪拌制御される点で第1実施形態に係る製造装置100と異なる。その他の構成は第1実施形態に係る製造装置100と同様であるため、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
この第3攪拌機30は、第1攪拌機10および第2攪拌機20と同様に、例えば、攪拌羽根30aと、当該攪拌羽根を回転させるためのモータ30bとを有して構成される。そして、モータ30bを駆動して攪拌羽根30aを回転させることにより、減圧槽3内の脱水スラリーを攪拌することができる。
この制御装置71は、第1濃度測定器81および第2濃度測定器82によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10に投入する電力(攪拌動力)とに基づいて、第2攪拌機20に投入する電力を制御する。
具体的には、第1攪拌機10に投入する電力をP1、第2攪拌機20に投入する電力をP2、第1濃度測定器81で測定された重量濃度をX1、第2濃度測定器82で測定された重量濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
P2=P1×(X2/X1)B2 ・・・式(2)
となるように、第2攪拌機20に投入する電力を制御する。
上記実験1と同様の実験を、製造装置200で使用する原料スラリーについて行う。即ち、製造装置200で使用する原料スラリーについて、複数のスラリーの重量濃度で、当該スラリーの必要最小攪拌動力を測定する。そして、測定結果に近似するように、前記式(1)における定数B1(およびA1)を決定する。このようにして決定された定数B1の値を、式(2)の定数B2として設定できる。
具体的には、第1攪拌機10に投入する電力をP1、第3攪拌機30に投入する電力をP3、第1濃度測定器81で測定された重量濃度をX1、第3濃度測定器83で測定された重量濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
P3=P1×(X3/X1)B2 ・・・式(3)
となるように、第3攪拌機30に投入する電力を制御する。
ここで、定数B2は、第2攪拌機20の制御のための前記式(2)に用いた値である。
第1攪拌機10の回転数は、予め実験等により、混合槽1において沈降によって多孔質炭が堆積しない回転数を求めておき、当該回転数を用いることができる。
混合槽1においては、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーとされる。尚、第1攪拌機10は、予め設定された所定の攪拌動力で駆動される。
原料スラリーは、熱交換器25A,25Bにより、例えば、100℃〜250℃に加熱され、蒸発槽2に入るので、当該蒸発槽2にて、原料スラリー中の多孔質炭に含まれる水分が蒸発して脱水される。尚、第2攪拌機20は、制御装置71により前記式(2)に基づいて制御される。
前記蒸発工程で脱水された脱水スラリーは、下流側循環流路26,28,29から分岐した脱水スラリー供給流路42を通って減圧槽3へ入る。減圧槽3は、蒸発槽2よりも減圧されているとともに、下流側循環流路31,33,34において熱交換器35で脱水スラリーが加熱されるので、当該減圧槽3にて、脱水スラリー中の多孔質炭に含まれる水分が更に蒸発して脱水される。尚、第3攪拌機30は、制御装置71により前記式(3)に基づいて制御される。
前記減圧工程で更に脱水された脱水スラリーは、下流側循環流路31,33,34から分岐している脱水スラリー供給流路43を通って固液分離器4に入り、固液分離され、固体分(改質多孔質炭)と液体分(混合油)とが得られる。
その後、第1実施形態と同様に、循環工程および乾燥工程が行われる。
第1濃度測定器81(混合槽1)・・・約48wt%
第2濃度測定器82(蒸発槽2)・・・約30wt%
第3濃度測定器83(減圧槽3)・・・約33wt%
このように、混合槽1に比べ、蒸発槽2および減圧槽3のスラリーの重量濃度は低いため、製造装置200においては、前記式(2)および前記式(3)に基づいて、第1攪拌機10の攪拌動力に比べ、第2攪拌機20および第3攪拌機30の攪拌動力が小さくなるように制御される。
混合槽1において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌機10を駆動させているため、前記式(2)に基づき、第2攪拌機20の攪拌動力を制御することで、蒸発槽2においてもスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第2攪拌機20の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
次に、第3実施形態に係る固形燃料の製造装置について説明する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。
第3実施形態に係る製造装置300は、混合槽1、蒸発槽2および減圧槽3に、それぞれ、第1制御装置91、第2制御装置92および第3制御装置93を備えており、攪拌機10,20,30の制御方法が異なる点で第2実施形態と異なる。その他の構成は第2実施形態に係る製造装置200と同様であるため、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
このとき、制御装置91,92,93は、それぞれ、攪拌機10,20,30の攪拌動力をP、濃度測定器81,82,83で測定された重量濃度をX、A3およびB3を所定の定数としたときに、
P=A3×XB3 ・・・式(4)
となるように、攪拌機10,20,30の攪拌動力を制御する。
上記実験1と同様の実験を、製造装置300で使用する原料スラリーについて行う。即ち、製造装置300で使用する原料スラリーについて、複数のスラリーの重量濃度で、当該スラリーの必要最小攪拌動力を測定する。そして、測定結果に近似するように、前記式(1)における定数A1およびB1を決定する。このようにして決定された定数A1およびB1の値を、それぞれ、式(4)の定数A3およびB3として設定できる。
尚、第3実施形態においては、混合槽1のスラリーを攪拌する第1攪拌機10の攪拌動力が、当該混合槽1のスラリーの重量濃度に基づいて、スラリー状態を維持し得るような攪拌動力に自動的に制御されるので、混合槽1を効率よく攪拌することができる。
2 蒸発槽
3 減圧槽
10 第1攪拌機(第1攪拌手段)
20 第2攪拌機(第2攪拌手段)
30 第3攪拌機(第3攪拌手段)
81 第1濃度測定器
82 第2濃度測定器
83 第3濃度測定器
70、71、91〜93 制御装置
100、200、300 製造装置
Claims (11)
- 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、
前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、
前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、
前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、
前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、
前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、
前記第1濃度測定器および前記第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、
を備え、
前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され、
前記第2制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第2攪拌手段の攪拌動力をP2、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第2濃度測定器で測定された濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
P2=P1×(X2/X1) B
となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する固形燃料の製造装置。 - 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、
前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、
前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、
前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、
前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、
前記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、
前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、
前記第2濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、
を備え、
前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され、
前記第1制御装置および前記第2制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
P=A×X B
となるように、前記第1攪拌手段および前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する固形燃料の製造装置。 - 前記蒸発槽で水分蒸発処理された前記スラリーが供給され、前記蒸発槽よりも減圧された状態で当該スラリーを水分蒸発処理する減圧槽と、
前記減圧槽において前記スラリーを攪拌する第3攪拌手段と、
を備え、
前記第3攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動される請求項1又は2に記載の固形燃料の製造装置。 - 前記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、
前記第1濃度測定器および前記第3濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、
を備え、
前記第3制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第3攪拌手段の攪拌動力をP3、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第3濃度測定器で測定された濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
P3=P1×(X3/X1) B
となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する請求項3に記載の固形燃料の製造装置。 - 前記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、
前記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、
前記第3濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、
を備え、
前記第1制御装置および前記第3制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
P=A×X B
となるように、前記第1攪拌手段および前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する請求項3に記載の固形燃料の製造装置。 - 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、
前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、
を備え、
前記蒸発工程において、前記混合工程および当該蒸発工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記蒸発工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP2、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記蒸発工程における前記スラリーの濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
P2=P1×(X2/X1) B
となるように、前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌する固形燃料の製造方法。 - 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、
前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、
を備え、
前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記蒸発工程において、当該蒸発工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
P=A×X B
となるように、前記混合工程および前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌する固形燃料の製造方法。 - 前記混合工程において、
(1)粒径が1mm以上の石炭粒子の重量が、石炭粒子全体の重量の30%以下となるように調整された多孔質炭を用い、
(2)多孔質炭の含水率をα、多孔質炭の乾燥基準重量に対する混合油の重量比である油炭比をR、定数γ=0.89、η=0.90、としたときに、
R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
の式を満たすように、多孔質炭を混合油と混合するための混合槽に、多孔質炭と混合油とが投入される、
請求項6又は7に記載の固形燃料の製造方法。 - 前記蒸発工程で水分蒸発処理された前記スラリーを、当該蒸発工程よりも減圧された状態で、且つ、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する減圧工程を備える請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の固形燃料の製造方法。
- 前記減圧工程において、前記混合工程および当該減圧工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程における攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP3、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記減圧工程における前記スラリーの濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
P3=P1×(X3/X1) B
となるように、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌する請求項9に記載の固形燃料の製造方法。 - 前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記減圧工程において、当該減圧工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
P=A×X B
となるように、前記混合工程および前記減圧工程おいて前記スラリーを攪拌する請求項9に記載の固形燃料の製造方法。
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