JP5290629B2 - 固形燃料の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質炭を原料とする固形燃料の製造装置および製造方法に関する。
多孔質炭を原料とする固形燃料の製造技術に関し、従来、特許文献1に記載された固形燃料の製造技術が知られている。
特許文献1に記載された固形燃料の製造方法は、重質油分と溶媒油分を含む混合油を多孔質炭と混合して原料スラリーを得、このスラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に重質油分と溶媒油分を含む混合油を含有せしめ、この後、このスラリーを固液分離することを特徴とする固形燃料の製造方法である。この特許文献1に記載された固形燃料の製造方法によれば、脱水されると共に、自然発火性が低くて、輸送性および貯蔵性に優れ、しかも高カロリー化された固形燃料を得ることができる。
即ち、多孔質炭は多量の水分を含有するので、この輸送に際しては水分を輸送しているに等しい面もあって輸送コストが割高となり、かかる点において輸送性が悪く、また、水分含有量が多い分だけカロリーが低くなる。そこで、多孔質炭を脱水することが望まれるが、この脱水をチューブラードライヤー等の乾燥蒸発型脱水法により行うと、脱水された多孔質炭の細孔内に存在する活性点への酸素の吸着および酸化反応によって自然発火事故を起こすという危険がある。
これに対し、特許文献1に記載された固形燃料の製造方法においては、原料スラリー(重質油分と溶媒油分を含む混合油と多孔質炭との混合体)の加熱により多孔質炭の細孔内の水分が気化蒸発すると共に、細孔内は重質油分を含む混合油によって被覆され、遂にはこの混合油、特に重質油分が優先して細孔内を充満するので、上記のような細孔内に存在する活性点への酸素の吸着および酸化反応が抑制され、このため自然発火が抑制される。また、上記加熱により脱水されると共に、この脱水と上記細孔内の重質油分充満によってカロリーが高くなる。従って、脱水されると共に、自然発火性が低くて、輸送性および貯蔵性に優れ、しかも高カロリー化された固形燃料を得ることができる。
また、上述したような固形燃料の製造工程における投入エネルギーを減少させるための技術として特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献2に記載の固形燃料の製造装置においては、重質油分と溶媒油分を含む混合油を低品位炭と混合してスラリーを作る混合槽と、該スラリーを水分蒸発処理する蒸発器と、この水分蒸発処理されたスラリーを固液分離する固液分離器とを備える。そして、前記混合槽が、原料スラリーを加熱する原料スラリー加熱手段を有している。
この構成においては、原料スラリー加熱手段により原料スラリーを加熱することで原料スラリーの流動性を向上させ、固形燃料の生産性(生産量/時間・投入エネルギー)を向上させることができる。
特開平7−233383号公報 特開2005−206695号公報
しかしながら、特許文献2に記載の構成により固形燃料の製造工程における投入エネルギーを低減させるのにも限界があり、当該固形燃料の製造工程における投入エネルギーを更に低減することが望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、固形燃料の製造工程における投入エネルギーを低減することが可能な固形燃料の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明は、多孔質炭を原料とする固形燃料の製造装置および製造方法に関する。
そして、本発明に係る固形燃料の製造装置および製造方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の固形燃料の製造装置および製造方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る固形燃料の製造装置における第1の特徴は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、前記第1濃度測定器および前記第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、を備え、前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され、前記第2制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第2攪拌手段の攪拌動力をP2、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第2濃度測定器で測定された濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、P2=P1×(X2/X1) となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御することである。
通常、混合槽および蒸発槽では、重質油分および溶媒油分を含む混合油と多孔質炭とが適度に混合され、沈降によって多孔質炭が堆積しない状態(以下、スラリー状態と称する。)を維持するため、例えば、攪拌機等の攪拌手段による攪拌が行われる。
本願発明者は、攪拌手段によりスラリーの攪拌を行う点に着目すると共に、スラリー状態を維持するために必要な攪拌動力が混合槽と蒸発槽とにおいて異なり、蒸発槽においては、混合槽よりも小さい攪拌動力で、スラリー状態を維持できることを新たに知見した。ここで、攪拌動力とは、スラリーを攪拌するために攪拌手段に投入される動力を意味する。
したがって、上記第1の特徴を有する構成によると、混合槽および蒸発槽において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、第2攪拌手段の攪拌動力を第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、第1濃度測定器および第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに基づいて、攪拌動力が第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくなるように第2攪拌手段が制御される。
本願発明者は、スラリー状態を維持するために必要な攪拌動力が、スラリーの濃度によって異なることを新たに知見した。
ここで、「スラリーの濃度」とは、スラリーの全重量に対する、多孔質炭の重量(当該多孔質炭に含まれる水分の重量も含む重量)の割合を意味する。
したがって、第1濃度測定器および第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに基づいて、第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくなるように第2攪拌手段を制御することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
本願発明者は、スラリーの濃度Xが増加するほど、当該スラリーのスラリー状態を維持するために必要な攪拌動力Pが、所定の定数をBとして、濃度XのB乗に比例して増加することを新たに知見した。
上記第の特徴を有する構成によると、混合槽において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌手段を駆動させた場合、蒸発槽においても、第2攪拌手段の攪拌によりスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第2攪拌手段の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、本発明に係る固形燃料の製造装置における第の特徴は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、前記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、前記第2濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、を備え、前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され、前記第1制御装置および前記第2制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、P=A×X となるように、前記第1攪拌手段および前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御することである。
この構成によると、混合槽および蒸発槽の攪拌動力が、各槽のスラリー濃度に基づいて制御されるので、濃度に対応した適切な攪拌動力で第1攪拌手段および第2攪拌手段を駆動させることができる。これにより、効率よく攪拌手段を制御することができる。
また、混合槽および蒸発槽において、スラリーの濃度が低い場合は、攪拌動力を低減することができるため、より効率よくスラリーを攪拌できる。
また、本発明に係る固形燃料の製造装置における第の特徴は、前記蒸発槽で水分蒸発処理された前記スラリーが供給され、前記蒸発槽よりも減圧された状態で当該スラリーを水分蒸発処理する減圧槽と、前記減圧槽において前記スラリーを攪拌する第3攪拌手段と、を備え、前記第3攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動されることである。
この構成によると、混合槽および減圧槽において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、第3攪拌手段の攪拌動力を第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、本発明に係る固形燃料の製造装置における第の特徴は、前記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、前記第1濃度測定器および前記第3濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、を備え、前記第3制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第3攪拌手段の攪拌動力をP3、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第3濃度測定器で測定された濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、P3=P1×(X3/X1) となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御することである。
この構成によると、第1濃度測定器および第3濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに基づいて、第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さくなるように第3攪拌手段を制御することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、混合槽において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌手段を駆動させた場合、減圧槽においても、第3攪拌手段の攪拌によりスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第3攪拌手段の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、本発明に係る固形燃料の製造装置における第の特徴は、前記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、前記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、前記第3濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、を備え、前記第1制御装置および前記第3制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、P=A×X となるように、前記第1攪拌手段および前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御することである。
この構成によると、混合槽および減圧槽の攪拌動力が、各槽のスラリー濃度に基づいて制御されるので、濃度に対応した適切な攪拌動力で第1攪拌手段および第3攪拌手段を駆動させることができる。これにより、効率よく攪拌手段を制御することができる。
また、混合槽および減圧槽において、スラリーの濃度が低い場合は、攪拌動力を低減することができるため、より効率よくスラリーを攪拌できる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る固形燃料の製造方法における第1の特徴は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、を備え、前記蒸発工程において、前記混合工程および当該蒸発工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記蒸発工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP2、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記蒸発工程における前記スラリーの濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、P2=P1×(X2/X1) となるように、前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌することである。
この構成によると、混合工程および蒸発工程において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、蒸発工程における攪拌動力を混合工程における攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、混合工程および蒸発工程におけるスラリーの濃度と、混合工程における攪拌動力とに基づいて、混合工程における攪拌動力よりも小さくなるように蒸発工程においてスラリーを攪拌することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、混合工程において、スラリー状態を維持できるように攪拌した場合、蒸発工程においても、スラリー状態を維持することが可能になる。これにより、蒸発工程における攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、本発明に係る固形燃料の製造方法における第の特徴は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、を備え、前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記蒸発工程において、当該蒸発工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、P=A×X となるように、前記混合工程および前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌することである。
この構成によると、混合工程および蒸発工程における攪拌動力が、各工程のスラリー濃度に基づいて制御されるので、濃度に対応した適切な攪拌動力で攪拌することができる。これにより、効率よくスラリーを攪拌できる。
また、混合工程および蒸発工程において、スラリーの濃度が低い場合は、攪拌動力を低減することができるため、より効率よくスラリーを攪拌できる。
また、本発明に係る固形燃料の製造方法における第の特徴は、前記混合工程において、
(1)粒径が1mm以上の石炭粒子の重量が、石炭粒子全体の重量の30%以下となるように調整された多孔質炭を用い、(2)多孔質炭の含水率をα、多孔質炭の乾燥基準重量に対する混合油の重量比である油炭比をR、定数γ=0.89、η=0.90、としたときに、
R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
の式を満たすように、多孔質炭と混合油とを混合するための混合槽に、多孔質炭と混合油とが投入されることである。
ここで、「含水率」とは、多孔質炭の乾燥基準重量と当該多孔質炭に含まれる水の重量との和に対する、当該多孔質炭に含まれる水の重量の割合を意味する。尚、多孔質炭の乾燥基準重量とは、多孔質炭内に含まれる水を全て取り除いたときの当該多孔質炭の重量を意味する。
即ち、含水率α(%)は、多孔質炭の乾燥基準重量をWa、当該多孔質炭に含まれる水の重量Wb、としたときに、以下の式で表される。
α={Wb/(Wa+Wb)}×100
また、「油炭比」とは、多孔質炭と混合油とが混合されるときに混合槽に投入される多孔質炭の乾燥基準重量と混合油の重量との比を意味する。
即ち、油炭比Rは、多孔質炭の乾燥基準重量をWa、混合油の重量をS、としたときに、以下の式で表される。
R=S/Wa
この構成によると、蒸発工程においてスラリーを攪拌する攪拌動力を、混合工程においてスラリーを攪拌する攪拌動力の1/2以下にすることができる。これにより、簡易な構成で、スラリー状態を維持しながら、攪拌時の投入エネルギーを低減することができる。
また、本発明に係る固形燃料の製造方法における第の特徴は、前記蒸発工程で水分蒸発処理された前記スラリーを、当該蒸発工程よりも減圧された状態で、且つ、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する減圧工程を備えることである。
この構成によると、混合工程および減圧工程において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、減圧工程における攪拌動力を混合工程における攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、本発明に係る固形燃料の製造方法における第の特徴は、前記減圧工程において、前記混合工程および当該減圧工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程における攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP3、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記減圧工程における前記スラリーの濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、P3=P1×(X3/X1) となるように、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌することである。
この構成によると、混合工程および減圧工程におけるスラリーの濃度と、混合工程における攪拌動力とに基づいて、混合工程における攪拌動力よりも小さくなるように減圧工程においてスラリーを攪拌することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、混合工程において、スラリー状態を維持できるように攪拌した場合、減圧工程においても、スラリー状態を維持することが可能になる。これにより、減圧工程における攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、本発明に係る固形燃料の製造方法における第の特徴は、前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記減圧工程において、当該減圧工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、P=A×X となるように、前記混合工程および前記減圧工程おいて前記スラリーを攪拌することである。
この構成によると、混合工程および減圧工程における攪拌動力が、各工程のスラリー濃度に基づいて制御されるので、濃度に対応した適切な攪拌動力で攪拌することができる。これにより、効率よくスラリーを攪拌できる。
また、混合工程および減圧工程において、スラリーの濃度が低い場合は、攪拌動力を低減することができるため、より効率よくスラリーを攪拌できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料の製造装置100を示す図である。
図1に示すように、製造装置100は、多孔質炭(RC)および混合油(MO)が供給される混合槽1と、多孔質炭が含有する水分を蒸発させる蒸発槽2と、多孔質炭と混合油とを分離する固液分離器4と、を備える。
混合槽1は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る槽である。この混合槽1には、第1攪拌機10(第1攪拌手段)が設けられている。
この第1攪拌機10は、例えば、攪拌羽根10aと、当該攪拌羽根10aを回転させるためのモータ10bとを有して構成される。そして、モータ10bを駆動して攪拌羽根10aを回転させることにより、混合槽1内の原料スラリーを攪拌することができる。
また、混合槽1は、その下部から原料スラリーをスラリーポンプ12を介して混合槽1の上部へ導入する循環流路11、13を有している。
尚、例えば、軸流型攪拌機等により混合槽1および第1攪拌機10が構成される。
蒸発槽2は、混合槽1で得られた原料スラリーの水分を蒸発させるための槽である。この蒸発槽2には、第2攪拌機20(第2攪拌手段)が設けられている。
この第2攪拌機20は、第1攪拌機10と同様に、例えば、攪拌羽根20aと、当該攪拌羽根20aを回転させるためのモータ20bとを有して構成される。そして、モータ20bを駆動して攪拌羽根20aを回転させることにより、蒸発槽2内のスラリーを攪拌することができる。
また、蒸発槽2は、その上流側で蒸発槽2の下部からスラリーをスラリーポンプ22を介して蒸発槽2の上部へ導入する上流側循環流路21,23,24を有している。また、蒸発槽2は、その下流側で蒸発槽2の下部からスラリーをスラリーポンプ27を介して蒸発槽2の上部へ導入する下流側循環流路26,28,29を有している。
混合槽1と蒸発槽2との間には、スラリー供給流路14が設けられている。このスラリー供給流路14は、循環流路13と上流側循環流路23とを連通する流路である。
固液分離器4は、蒸発槽2にて脱水された原料スラリー(以下、脱水スラリーと称する。)から、改質多孔質炭(脱水された多孔質炭)と混合油とを分離する。この固液分離器4としては、例えば、分離効率向上の観点から、遠心分離法により改質多孔質炭と混合油とを分離する遠心分離器を用いることができる。尚、沈降法、濾過法、圧搾法等を使用する分離器として構成することもできる。
蒸発槽2と固液分離器4との間には、脱水スラリー供給流路41が設けられている。この脱水スラリー供給流路41は、下流側循環流路26,28,29と固液分離器4とを連通する流路である。
また、固液分離器4と混合槽1との間には、循環ポンプ5を介して固液分離器4にて分離された混合油を混合槽1に戻すための混合油循環流路45が設けられている。この循環ポンプ5としては、遠心式ポンプを用いることができる。混合油循環流路45には、混合油加熱用熱交換器15が設けられている。この混合油加熱用熱交換器15としては、例えば、多管式型の熱交換器を用いることができる。尚、プレート型、スパイラル型等の熱交換器を使用してもよい。また、この混合油加熱用熱交換器15の熱源として、例えば、蒸発槽2で発生する水蒸気を用いることができる。
また、製造装置100は、第1攪拌機10のモータ10bおよび第2攪拌機20のモータ20bを制御するための制御装置70を備えている。
この制御装置70は、モータ20bに投入する電力が、モータ10bに投入する電力の1/2になるように、モータ10b,20bを制御する。例えば、混合槽1および蒸発槽2における攪拌羽根の回転抵抗が略同じであれば、モータ20bの回転数が、モータ10bの回転数の1/2になるように、モータ10b,20bを制御することになる。
また、製造装置100は、固液分離器4にて分離された改質多孔質炭を乾燥するための乾燥器を備えている(図示せず)。
次に、製造装置100を用いた固形燃料の製造方法について説明する。
(混合工程)
混合槽1においては、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーが得られる。尚、混合油は、混合油加熱用熱交換器15によって加熱されているので、混合槽1内において原料スラリーは適度な温度に保たれる。また、原料スラリーは、循環流路11、13を通って混合槽1の下部からスラリーポンプ12を介して混合槽1の上部へ導入され、循環される。
この混合工程においては、制御装置70により第1攪拌機10が予め設定された所定の回転数となるように駆動される。即ち、第1攪拌機10は、所定の攪拌動力で駆動される。
第1攪拌機10の回転数は、予め実験等により、混合槽1において沈降によって多孔質炭が堆積しない回転数を測定しておき、この測定された回転数を用いることができる。
ここで、多孔質炭は、水分を含有し、脱水することが望まれるいわゆる低品位石炭である。そのような多孔質炭として、例えば、褐炭、亜炭、亜れき青炭等が挙げられる。例えば、褐炭には、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等があり、亜れき青炭には、西バンコ炭、ビヌンガン炭、サマランガウ炭、エココール炭等がある。多孔質炭は、上記例示のものに限定されず、水分を含有し、脱水することが望まれる石炭であれば、いずれも本発明に係る多孔質炭に含まれる。
本実施形態においては、混合槽1には、含水率が約45%の多孔質炭が粉砕されて投入される。尚、含水率が25〜60%となる範囲の多孔質炭を粉砕して投入することが好ましい。また、粉砕された多孔質炭は、粒径1mm以上の石炭粒子の重量が、混合槽1に投入される石炭粒子全体の重量の30%以下となるように調整されて、混合槽1に投入される。
また、重質油分とは、真空残渣油の如く、例えば400℃でも実質的に蒸気圧を示すことがないような重質分あるいはこれを多く含む油である。
また、溶媒油分とは、当該重質油分を溶解させて分散させる油であり、例えば、重質油分との親和性、スラリーとしてのハンドリング性、細孔内への侵入容易性等の観点から軽沸油分が用いられる。尚、水分蒸発温度での安定性を考慮すれば、沸点100℃以上、好ましくは300℃以下の石油系油(灯油、軽油あるいは重油等)を使用することが推奨される。
このような重質油分含有混合油を使用すると、適切な流動性を示すため、重質油分単独では果たし得ないような細孔内への侵入が促進される。
ここで、混合槽1における原料スラリーに含まれる多孔質炭の重量濃度(以下、スラリーの重量濃度と記載する。)は、約50wt%となるように調整される。尚、スラリーの重量濃度が40〜55wt%の範囲内となるように、多孔質炭および混合油を混合槽1に供給することが望ましい。
ここで、スラリーの重量濃度X(wt%)は、原料スラリーに含まれる多孔質炭の重量をW1、原料スラリーの重量をW2として、以下の式で求められる。尚、式中の多孔質炭の重量W1には、多孔質炭に含有する水分の重量が含まれている。
X=(W1/W2)×100
また、混合槽1における圧力は大気圧とし、混合槽1内の温度は40〜100℃となるように調整される。
(蒸発工程)
原料スラリーは、循環流路11、13内で循環されるとともに、当該循環流路から分岐したスラリー供給流路14を通って上流側循環流路21,23,24に入り、これを通って蒸発槽2へ入る。蒸発槽2の内部では、第2攪拌機20により、原料スラリーが攪拌される。尚、蒸発槽2の内部は、2〜15気圧の加圧状態とされる。
ここで、制御装置70は、モータ20bに投入する電力が、モータ10bに投入する電力の1/2になるように、モータ20bを制御する。即ち、第2攪拌機20に投入される攪拌動力が、第1攪拌機10に投入される攪拌動力の約半分となるように、第2攪拌機20が駆動される。
スラリーは、熱交換器25Aにより、例えば、100℃〜250℃に加熱されて、蒸発槽2に入る。これにより、当該蒸発槽2にて、スラリー中の多孔質炭に含まれる水分の約90%が蒸発して脱水される。即ち、蒸発槽2にて、原料スラリーの水分蒸発処理がなされる。
この水分蒸発処理と同時に、多孔質炭の細孔内への混合油の含浸もなされる。こうして細孔内水分の気化蒸発が進行するのに応じて、混合油の付着・被覆が行われる。また、若干の水蒸気が残存していても、それが冷却工程で凝縮するときに負圧が形成されて重質油分含有混合油が細孔内に吸引されていくので、細孔内表層部は重質油分を含有する混合油によって次々被覆され、遂には細孔開口部のほぼ全域が重質油分含有混合油によって充満しつくされる。しかも混合油中の重質油分は活性点に選択的に吸着され易く、また付着すると離れ難いため、結果的に溶媒油分よりも優先的に付着していくことが期待される。こうして細孔内表層部が外気から遮断されることによって自然発火性を失わせることが可能になる。また大量の水分が脱水除去されると共に重質油分含有混合油、特に重質油分が優先して細孔内を充満することになるので、多孔質炭全体としてのカロリーアップが安価に達成される。
蒸発槽2の原料スラリーは、下流側循環流路26,28,29を通って蒸発槽2の下部からスラリーポンプ27を介して蒸発槽2の上部へ導入される。このとき原料スラリーは、熱交換器25Bにより加熱される。これにより、原料スラリーの水分蒸発処理がより有効になされる。
蒸発槽2にて発生した水蒸気は、圧縮機50を通り、流路51を通って熱交換器25Bに導入され、熱交換器25Bの熱源として用いられ、更に、流路52,53を通って混合油加熱用熱交換器15に導入され、混合油加熱用熱交換器15の熱源として用いられる。また、圧縮機50を通った水蒸気は、熱交換器25Aの熱源としても用いられる。
(固液分離工程)
脱水スラリーは、下流側循環流路26,28,29から分岐している脱水スラリー供給流路41を通って固液分離器4に入り、固液分離され、固体分(改質多孔質炭)と液体分(混合油)とが得られる。
(循環工程)
固液分離工程で回収された混合油は循環油として、循環ポンプ5によって、混合油循環流路45を経て混合槽1に戻される。このとき、混合油は、混合油加熱用熱交換器15によって加熱された後、混合槽1での原料スラリーの調整に再利用される。
(乾燥工程)
固液分離工程で分離された改質多孔質炭は、通常は混合油により未だ湿潤しているので、乾燥器に入り、乾燥され、粉末状固形燃料として用いることができる状態となる。
尚、乾燥方法は改質多孔質炭から混合油を蒸発分離できる限り特に制限されない。
乾燥された改質多孔質炭は所望により冷却および成型され、固形燃料が得られる。例えば、冷却工程で冷却され、粉末状固形燃料として用いることもできる。また、冷却されることなく、成型工程で成型されて成型固形燃料を得てもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係る固形燃料の製造装置100は、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合槽1と、前記原料スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽2と、混合槽1において前記原料スラリーを攪拌する第1攪拌機10と、蒸発槽2において前記原料スラリーを攪拌する第2攪拌機20と、を備える。そして、第2攪拌機20は、第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で制御装置70により駆動される。
ここで、本願発明者は、攪拌手段により原料スラリーの攪拌を行う点に着目して、以下に示す攪拌実験を行った。当該実験においては、原料スラリーの重量濃度と、当該原料スラリーに含まれる多孔質炭が沈降によって多孔質炭が堆積しないように攪拌機を駆動するための最小動力との関係を調べた。
(実験1)
図2は、実験装置の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、容量3Lのビーカー101に、所定の重量濃度となるように石炭粒子と灯油とを混合した原料スラリーを入れ、当該原料スラリーを攪拌するための攪拌機102を設置した。攪拌機102は、攪拌軸102aの回転に伴って、スラリー内に配置されたパドル102bが回転し、ビーカー101内の原料スラリーを攪拌することができる。尚、ビーカー101内壁面に攪拌抵抗となるようにビーカー中心方向に板103を突出させて設置した。また、ビーカー101の底の流動状態が確認できるように、ビーカー101の下方に鏡104を配置した。
石炭スラリーは黒色であるが、パドル102bを回転させたときに、石炭に含まれる白色の粒子(灰分の多い石炭粒子)が運動しているのが認められるので、これを流動状態の目安とした。
そして、パドル102bの回転数を連続的に増加させていき、攪拌軸102aの真下(ビーカー101の底)に集まる石炭粒子の集合体が消える直前の攪拌機102の回転数(回転速度)とトルク値とから必要最小攪拌動力を算出した。
尚、必要最小攪拌動力は、原料スラリーの重量濃度が、約35wt%、約41wt%、約51wt%の場合について、それぞれ算出した。
図3は、実験により得られた原料スラリーの重量濃度と相対必要最小攪拌動力との関係を示す図である。尚、図3において、相対必要最小攪拌動力は、原料スラリーの重量濃度が40wt%の時の必要最小攪拌動力を1.0とした相対値である。
図3に示すように、原料スラリーの重量濃度Xと、相対必要最小攪拌動力Prとは以下の式に示す関係にある。
Pr=A×XB1 ・・・式(1)
A1=2.157−10、B1=6.031
尚、使用する石炭粒子の粒径分布や炭種等が異なる場合においても、定数A1、B1の値を、使用する石炭粒子の粒径分布や炭種等によって定まる所定の値とすることで、前記式(1)と同様の式を用いて原料スラリーの重量濃度Xと相対必要最小攪拌動力Prとの関係を適切に表すことができる。
この実験結果から、原料スラリーの重量濃度Xが増加するほど、当該原料スラリーのスラリー状態を維持するために必要な攪拌動力Pが、所定の定数をBとして、重量濃度XのB乗に比例して増加することが分かる。即ち、原料スラリーの重量濃度Xが低い場合は、当該原料スラリーのスラリー状態を維持するために必要な攪拌動力Pを小さくすることができることが分かる。
ここで、混合槽1および蒸発槽2における原料スラリーの重量濃度を測定したところ、混合槽1における重量濃度は、約48wt%、蒸発槽2における重量濃度は、約30wt%であり、蒸発槽2においては、混合槽1よりも原料スラリーの重量濃度が低いことが分かる。
したがって、第1実施形態の固形燃料の製造装置100のように、第2攪拌機20の攪拌動力を、第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さくしても、蒸発槽2において多孔質炭が沈降して堆積することを防ぐことができる。即ち、製造装置100の構成によれば、多孔質炭が沈降して堆積することを防ぎつつ第2攪拌機20の攪拌動力を低減することができ、結果として、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、本実施形態で示したように、含水率が約45%で、且つ、粒径1mm以上の石炭粒子が、混合槽1に投入される石炭粒子全体の30%以下となるように調整された多孔質炭を用いて、混合槽1におけるスラリー中の多孔質炭の重量濃度が約50wt%となるように混合油を混合槽1に投入した場合、蒸発工程における攪拌動力は、少なくとも混合工程における攪拌動力の約1/2でスラリー状態を維持することができる。したがって、混合槽1に投入する多孔質炭および混合油を上記本実施形態で示した条件とすることで、簡易な構成で、スラリー状態を維持しながら、攪拌手段への投入エネルギーを半減することができる。
尚、本実施形態で示す多孔質炭および混合油の条件に限定されず、混合工程において、(1)粒径が1mm以上の石炭粒子が、石炭粒子全体の30%以下となるように調整された多孔質炭を用い、(2)油炭比をR、含水率をα、定数γ=0.89、η=0.90、としたときに、以下の式(A)を満たすように、混合槽1に、当該多孔質炭と当該混合油を投入することで、蒸発工程における攪拌動力を、スラリー状態を維持しつつ、混合工程における攪拌動力の1/2以下にすることができる。
R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
・・・式(A)
上記式(A)を満たすことで、攪拌動力を1/2以下にすることができる理由を、以下に示す。
粒径が1mm以上の石炭粒子が、石炭粒子全体の30%以下となるように調整された多孔質炭を用いた場合、上記式(1)におけるB1の値は、約6.031となる。
スラリーの重量濃度Xは、含水率αと、油炭比Rと、を用いて、以下の式(a1)で表される。
X=1/{R(1−α)+1} ・・・式(a1)
ここで、発明者は、蒸発工程において、多孔質炭に含まれる水分が蒸発するのと同時に、当該蒸発した水の重量の約70%に等しい混合油が留出することを知見している。これにより、蒸発工程において、多孔質炭に含まれる水分のうちの90%が蒸発したときのスラリーの重量濃度X’を以下の式(a2)で近似することができる。尚、当該式(a2)においてη=0.90である。
X’={1−0.9α}/{R(1−α)+1−1.7αη} ・・・式(a2)
ここで、式(1)から、スラリーの重量濃度がXのときの相対必要最小攪拌動力Pに対する、スラリーの重量濃度がX’のときの相対必要最小攪拌動力P’の比(以下、攪拌動力比と記載する)は、以下の式(a3)で表される。
P’/P=(X’/X)6.031 ・・・式(a3)
上記式(a1)、(a2)、(a3)の関係から、上記式(A)を満たす場合には、攪拌動力比P’/Pは、1/2よりも小さくなる。
尚、油炭比Rが、上記式(A)の範囲外に設定された場合、攪拌動力比が急激に大きくなるため、攪拌動力比が約1/2となるように条件を設定することが好ましい。
また、本実施形態においては、混合槽1には、含水率が25〜60%の多孔質炭が粉砕されて投入される。この点、原料として用いる多孔質炭の含水率が多くなるにつれ、上述した固形燃料を製造するプロセスにおけるエネルギー効率(投入した全エネルギーに対する回収される石炭が持つエネルギーの割合)は低下するが、含水率が60%を超えるとエネルギー効率は90%よりも低下し、当該固形燃料の製造プロセスの経済性が急激に低下してしまう。従って、含水率は60%以下であることが望ましい。また、含水率が25%以下の石炭は、直接燃焼しても十分高い発熱量を持つ。そのため、水分を蒸発させるなどして脱水する必要はない。従って、含水率は25%以上であることが望ましい。
また、本実施形態においては、混合槽1において、スラリーの重量濃度は、40〜55wt%の範囲内となるように調整される。これは、スラリーの重量濃度が55%を超えるとスラリーの攪拌に必要な攪拌動力が著しく大きくなってしまうためであり、また、スラリーの重量濃度が40wt%よりも小さい場合は、多孔質炭を加熱する効率が悪いからである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る固形燃料の製造装置について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。
第2実施形態に係る製造装置200は、減圧槽3を更に備える点で第1実施形態に係る製造装置100と異なる。また、各槽のスラリーの重量濃度を測定する濃度測定器81,82,83を更に備え、当該濃度測定器81,82,83の測定結果に基づいて攪拌制御される点で第1実施形態に係る製造装置100と異なる。その他の構成は第1実施形態に係る製造装置100と同様であるため、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
混合槽1の循環流路11には、スラリーの重量濃度を測定する第1濃度測定器81を備えた第1サンプリングポット11aが介設されている。この第1濃度測定器81は、信号線を介して制御装置71(第2制御装置)と接続されている。
蒸発槽2の下流側循環流路26には、スラリーの重量濃度を測定する第2濃度測定器82を備えた第2サンプリングポット26aが介設されている。この第2濃度測定器82は、信号線を介して制御装置71と接続されている。
減圧槽3は、蒸発槽2で水分蒸発処理された脱水スラリーが供給され、蒸発槽2よりも減圧された状態で当該脱水スラリーの水分を更に蒸発させるための槽である。第2実施形態においては、蒸発槽2の内部は、2〜15気圧の加圧状態とされ、減圧槽3内部の圧力は、大気圧となるように調整される。
また、この減圧槽3には、第3攪拌機30(第3攪拌手段)が設けられている。
この第3攪拌機30は、第1攪拌機10および第2攪拌機20と同様に、例えば、攪拌羽根30aと、当該攪拌羽根を回転させるためのモータ30bとを有して構成される。そして、モータ30bを駆動して攪拌羽根30aを回転させることにより、減圧槽3内の脱水スラリーを攪拌することができる。
また、減圧槽3は、その下流側で減圧槽3の下部から脱水スラリーをスラリーポンプ32を介して減圧槽3の上部へ導入する下流側循環流路31,33,34を有している。この下流側循環流路31には、スラリーの重量濃度を測定する第3濃度測定器83を備えた第3サンプリングポット31aが介設されている。この第3濃度測定器83は、信号線を介して制御装置71と接続されている。
蒸発槽2と減圧槽3との間には、脱水スラリー供給流路42が設けられている。この脱水スラリー供給流路42は、下流側循環流路26,28,29と減圧槽3とを連通する流路である。
減圧槽3と固液分離器4との間には、脱水スラリー供給流路43が設けられている。この脱水スラリー供給流路43は、下流側循環流路31,33,34と固液分離器4とを連通する流路である。
また、製造装置200は、第1攪拌機10のモータ10b、第2攪拌機20のモータ20bおよび第3攪拌機30のモータ30bを制御するための制御装置71を備えている。
この制御装置71は、第1濃度測定器81および第2濃度測定器82によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10に投入する電力(攪拌動力)とに基づいて、第2攪拌機20に投入する電力を制御する。
具体的には、第1攪拌機10に投入する電力をP1、第2攪拌機20に投入する電力をP2、第1濃度測定器81で測定された重量濃度をX1、第2濃度測定器82で測定された重量濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
P2=P1×(X2/X1)B2 ・・・式(2)
となるように、第2攪拌機20に投入する電力を制御する。
ここで、前記式(2)における定数B2の値は、例えば以下のようにして予め設定される。
上記実験1と同様の実験を、製造装置200で使用する原料スラリーについて行う。即ち、製造装置200で使用する原料スラリーについて、複数のスラリーの重量濃度で、当該スラリーの必要最小攪拌動力を測定する。そして、測定結果に近似するように、前記式(1)における定数B1(およびA1)を決定する。このようにして決定された定数B1の値を、式(2)の定数B2として設定できる。
また、制御装置71は、第1濃度測定器81および第3濃度測定器83によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10に投入する電力とに基づいて、第3攪拌機30に投入する電力を制御する。
具体的には、第1攪拌機10に投入する電力をP1、第3攪拌機30に投入する電力をP3、第1濃度測定器81で測定された重量濃度をX1、第3濃度測定器83で測定された重量濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
P3=P1×(X3/X1)B2 ・・・式(3)
となるように、第3攪拌機30に投入する電力を制御する。
ここで、定数B2は、第2攪拌機20の制御のための前記式(2)に用いた値である。
尚、混合槽1においては、制御装置71により第1攪拌機10が予め設定された所定の回転数となるように駆動される。即ち、第1攪拌機10は、所定の攪拌動力で駆動される。
第1攪拌機10の回転数は、予め実験等により、混合槽1において沈降によって多孔質炭が堆積しない回転数を求めておき、当該回転数を用いることができる。
次に、製造装置200を用いた固形燃料の製造方法について説明する。尚、第1実施形態と同じ部分は適宜省略して説明する。
(混合工程)
混合槽1においては、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーとされる。尚、第1攪拌機10は、予め設定された所定の攪拌動力で駆動される。
(蒸発工程)
原料スラリーは、熱交換器25A,25Bにより、例えば、100℃〜250℃に加熱され、蒸発槽2に入るので、当該蒸発槽2にて、原料スラリー中の多孔質炭に含まれる水分が蒸発して脱水される。尚、第2攪拌機20は、制御装置71により前記式(2)に基づいて制御される。
(減圧工程)
前記蒸発工程で脱水された脱水スラリーは、下流側循環流路26,28,29から分岐した脱水スラリー供給流路42を通って減圧槽3へ入る。減圧槽3は、蒸発槽2よりも減圧されているとともに、下流側循環流路31,33,34において熱交換器35で脱水スラリーが加熱されるので、当該減圧槽3にて、脱水スラリー中の多孔質炭に含まれる水分が更に蒸発して脱水される。尚、第3攪拌機30は、制御装置71により前記式(3)に基づいて制御される。
(固液分離工程)
前記減圧工程で更に脱水された脱水スラリーは、下流側循環流路31,33,34から分岐している脱水スラリー供給流路43を通って固液分離器4に入り、固液分離され、固体分(改質多孔質炭)と液体分(混合油)とが得られる。
その後、第1実施形態と同様に、循環工程および乾燥工程が行われる。
尚、減圧槽3内は大気圧まで減圧されているため、減圧槽3から固液分離器4にスラリーが移行される際の雰囲気圧力の低下が抑制される。これにより、固液分離器4内で気相が生じることを防ぐことができる。
ここで、第2実施形態に係る製造装置200を用いて、上述した混合工程、蒸発工程、減圧工程を行った場合に、濃度測定器81,82,83によって測定されたスラリーの重量濃度の一例を以下に示す。
第1濃度測定器81(混合槽1)・・・約48wt%
第2濃度測定器82(蒸発槽2)・・・約30wt%
第3濃度測定器83(減圧槽3)・・・約33wt%
このように、混合槽1に比べ、蒸発槽2および減圧槽3のスラリーの重量濃度は低いため、製造装置200においては、前記式(2)および前記式(3)に基づいて、第1攪拌機10の攪拌動力に比べ、第2攪拌機20および第3攪拌機30の攪拌動力が小さくなるように制御される。
また、上記の濃度測定結果から、蒸発槽2に比べ、減圧槽3のスラリーの重量濃度は高いことが分かる。このため、製造装置200においては、前記式(2)および前記式(3)に基づいて第2攪拌機20と第3攪拌機30とが制御されることにより、第2攪拌機20の攪拌動力に比べ、第3攪拌機30の攪拌動力が大きくなる。尚、蒸発槽2に比べて、減圧槽3のスラリーの重量濃度が高いのは、減圧槽3での圧力減少に伴い、混合油の蒸発が助長されたことが原因の一つと考えられる。
以上説明したように、第2実施形態に係る製造装置200は、混合槽1のスラリーの重量濃度を測定する第1濃度測定器81と、蒸発槽2のスラリーの重量濃度を測定する第2濃度測定器82と、第1濃度測定器81および第2濃度測定器82によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10の攪拌動力とに基づいて、第2攪拌機20の攪拌動力を制御する制御装置71と、を備える。
この構成によると、蒸発槽2のスラリーの重量濃度に応じて、自動的に第2攪拌機20の攪拌動力が調整されるので、より効率よくスラリーを攪拌することができる。また、混合槽1における攪拌動力およびスラリーの重量濃度に基づいて第2攪拌機20の攪拌動力が制御されるので、より確実にスラリー状態を維持することができる。
また、製造装置200における制御装置71は、前記式(2)に基づいて、第2攪拌機20の攪拌動力を制御する。
本願発明者は、上述の実験1等により、スラリーの重量濃度Xが増加するほど、当該スラリーのスラリー状態を維持するために必要な攪拌動力Pが、所定の定数をBとして、重量濃度XのB乗に比例して増加することを新たに知見した。
混合槽1において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌機10を駆動させているため、前記式(2)に基づき、第2攪拌機20の攪拌動力を制御することで、蒸発槽2においてもスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第2攪拌機20の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、製造装置200は、蒸発槽2で水分蒸発処理された脱水スラリーが供給され、蒸発槽2よりも減圧された状態で脱水スラリーを水分蒸発処理する減圧槽3と、減圧槽3において脱水スラリーを攪拌する第3攪拌機30と、を備える。そして、第3攪拌機30は、第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動される。
この構成によると、混合槽1および減圧槽3において沈降による多孔質炭の堆積を防ぎつつ、第3攪拌機30の攪拌動力を第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さくすることができる。これにより、固形燃料の製造工程において投入するエネルギーを低減することができる。
また、製造装置200は、混合槽1の原料スラリーの重量濃度を測定する第1濃度測定器81と、減圧槽3の脱水スラリーの重量濃度を測定する第3濃度測定器83と、第1濃度測定器81および第3濃度測定器83によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10の攪拌動力とに基づいて、第3攪拌機30の攪拌動力を制御する制御装置71と、を備える。
この構成によると、第1濃度測定器81および第3濃度測定器83によって測定された重量濃度と、第1攪拌機10の攪拌動力とに基づいて、第1攪拌機10の攪拌動力よりも小さくなるように第3攪拌機30を制御することで、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
また、製造装置200における制御装置71は、前記式(3)に基づいて、第3攪拌機30の攪拌動力を制御する。
この構成によると、混合槽1において、スラリー状態を維持できるように第1攪拌機10を駆動させているため、減圧槽3においても、第3攪拌機30の攪拌によりスラリー状態を維持することが可能になる。これにより、第3攪拌機30の攪拌動力を低減して、より効率よくスラリーを攪拌することが可能になる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る固形燃料の製造装置について説明する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。
第3実施形態に係る製造装置300は、混合槽1、蒸発槽2および減圧槽3に、それぞれ、第1制御装置91、第2制御装置92および第3制御装置93を備えており、攪拌機10,20,30の制御方法が異なる点で第2実施形態と異なる。その他の構成は第2実施形態に係る製造装置200と同様であるため、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
混合工程において、第1制御装置91は、第1濃度測定器81によって測定された重量濃度に基づいて、第1攪拌機10の攪拌動力を制御する。また、蒸発工程において、第2制御装置92は、第2濃度測定器82によって測定された重量濃度に基づいて、第2攪拌機20の攪拌動力を制御する。また、減圧工程において、第3制御装置93は、第3濃度測定器83によって測定された重量濃度に基づいて、第3攪拌機30の攪拌動力を制御する。
このとき、制御装置91,92,93は、それぞれ、攪拌機10,20,30の攪拌動力をP、濃度測定器81,82,83で測定された重量濃度をX、A3およびB3を所定の定数としたときに、
P=A3×XB3 ・・・式(4)
となるように、攪拌機10,20,30の攪拌動力を制御する。
ここで、前記式(4)における定数A3およびB3の値は、例えば以下のようにして予め設定される。
上記実験1と同様の実験を、製造装置300で使用する原料スラリーについて行う。即ち、製造装置300で使用する原料スラリーについて、複数のスラリーの重量濃度で、当該スラリーの必要最小攪拌動力を測定する。そして、測定結果に近似するように、前記式(1)における定数A1およびB1を決定する。このようにして決定された定数A1およびB1の値を、それぞれ、式(4)の定数A3およびB3として設定できる。
以上説明したように、第3実施形態に係る固形燃料の製造装置300は、混合槽1のスラリーの重量濃度を測定する第1濃度測定器81と、蒸発槽2のスラリーの重量濃度を測定する第2濃度測定器82と、減圧槽3のスラリーの重量濃度を測定する第3濃度測定器83とを備える。更に、第1濃度測定器81によって測定された重量濃度に基づいて第1攪拌機10の攪拌動力を制御する第1制御装置91と、第2濃度測定器82によって測定された重量濃度に基づいて第2攪拌機20の攪拌動力を制御する第2制御装置92と、第3濃度測定器83によって測定された重量濃度に基づいて第3攪拌機30の攪拌動力を制御する第3制御装置93とを備える。
この構成によると、混合槽1、蒸発槽2および減圧槽3の攪拌動力が、各槽のスラリーの重量濃度に基づいて制御されるので、重量濃度に対応した適切な攪拌動力で第1攪拌機10、第2攪拌機20および第3攪拌機30を駆動させることができる。これにより、効率よく攪拌機10,20,30を制御することができる。
また、第3実施形態に係る製造装置300の制御装置91,92,93は、それぞれ、前記式(4)に基づいて、攪拌機10,20,30の攪拌動力を制御する。
この構成によると、混合槽1、蒸発槽2および減圧槽3において、スラリーの重量濃度が低い場合は、攪拌動力を低減することができるため、より効率よくスラリーを攪拌できる。
このように、第3実施形態に係る製造装置200においては、一の槽を攪拌する攪拌機の制御を、他の槽の重量濃度および攪拌動力によらず、当該一の槽のスラリーの重量濃度のみに基づいて行うことができるため、制御系統を簡易な構成とすることができる。
尚、第3実施形態においては、混合槽1のスラリーを攪拌する第1攪拌機10の攪拌動力が、当該混合槽1のスラリーの重量濃度に基づいて、スラリー状態を維持し得るような攪拌動力に自動的に制御されるので、混合槽1を効率よく攪拌することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態においては、混合槽1、蒸発槽2および減圧槽3等に収容されたスラリーを攪拌するための攪拌手段として、攪拌羽根を備える攪拌機を用いているがこの場合に限定されない。例えば、槽内のスラリーを循環させる専用流路及び循環専用のスラリーポンプを設けることにより攪拌手段を構成してもよい。この場合、当該循環専用のスラリーポンプの動力を攪拌動力として、上記実施形態で攪拌機を制御したのと同様にして当該スラリーポンプを制御することができる。また、当該循環専用のスラリーポンプ及び実施形態に示した攪拌機との双方を攪拌手段として用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。 実験装置の構成を模式的に示す図である。 実験により得られた原料スラリーの重量濃度と相対必要最小攪拌動力との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る固形燃料の製造装置を示す図である。
符号の説明
1 混合槽
2 蒸発槽
3 減圧槽
10 第1攪拌機(第1攪拌手段)
20 第2攪拌機(第2攪拌手段)
30 第3攪拌機(第3攪拌手段)
81 第1濃度測定器
82 第2濃度測定器
83 第3濃度測定器
70、71、91〜93 制御装置
100、200、300 製造装置

Claims (11)

  1. 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、
    前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、
    前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、
    前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、
    前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、
    前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、
    前記第1濃度測定器および前記第2濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、
    を備え、
    前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され
    前記第2制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第2攪拌手段の攪拌動力をP2、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第2濃度測定器で測定された濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
    P2=P1×(X2/X1)
    となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する固形燃料の製造装置。
  2. 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合槽と、
    前記スラリーを水分蒸発処理する蒸発槽と、
    前記混合槽において前記スラリーを攪拌する第1攪拌手段と、
    前記蒸発槽において前記スラリーを攪拌する第2攪拌手段と、
    前記混合槽の前記スラリーの濃度を測定する第1濃度測定器と、
    前記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、
    前記蒸発槽の前記スラリーの濃度を測定する第2濃度測定器と、
    前記第2濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する第2制御装置と、
    を備え
    前記第2攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動され、
    前記第1制御装置および前記第2制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
    P=A×X
    となるように、前記第1攪拌手段および前記第2攪拌手段の攪拌動力を制御する固形燃料の製造装置。
  3. 前記蒸発槽で水分蒸発処理された前記スラリーが供給され、前記蒸発槽よりも減圧された状態で当該スラリーを水分蒸発処理する減圧槽と、
    前記減圧槽において前記スラリーを攪拌する第3攪拌手段と、
    を備え、
    前記第3攪拌手段は、前記第1攪拌手段の攪拌動力よりも小さい攪拌動力で駆動される請求項1又は2に記載の固形燃料の製造装置。
  4. 記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、
    前記第1濃度測定器および前記第3濃度測定器によって測定された濃度と、第1攪拌手段の攪拌動力とに対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、
    を備え
    前記第3制御装置は、前記第1攪拌手段の攪拌動力をP1、前記第3攪拌手段の攪拌動力をP3、前記第1濃度測定器で測定された濃度をX1、前記第3濃度測定器で測定された濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
    P3=P1×(X3/X1)
    となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する請求項に記載の固形燃料の製造装置。
  5. 記第1濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第1攪拌手段の攪拌動力を制御する第1制御装置と、
    前記減圧槽の前記スラリーの濃度を測定する第3濃度測定器と、
    前記第3濃度測定器によって測定された濃度に対応した攪拌動力となるように、前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する第3制御装置と、
    を備え
    前記第1制御装置および前記第3制御装置は、前記攪拌手段の攪拌動力をP、前記濃度測定器で測定された濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
    P=A×X
    となるように、前記第1攪拌手段および前記第3攪拌手段の攪拌動力を制御する請求項に記載の固形燃料の製造装置。
  6. 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、
    前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、
    を備え
    前記蒸発工程において、前記混合工程および当該蒸発工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記蒸発工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP2、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記蒸発工程における前記スラリーの濃度をX2、Bを所定の定数としたときに、
    P2=P1×(X2/X1)
    となるように、前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌する固形燃料の製造方法。
  7. 多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合してスラリーを得る混合工程と、
    前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、前記スラリーを攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する蒸発工程と、
    を備え、
    前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記蒸発工程において、当該蒸発工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
    P=A×X
    となるように、前記混合工程および前記蒸発工程おいて前記スラリーを攪拌する固形燃料の製造方法。
  8. 前記混合工程において、
    (1)粒径が1mm以上の石炭粒子の重量が、石炭粒子全体の重量の30%以下となるように調整された多孔質炭を用い、
    (2)多孔質炭の含水率をα、多孔質炭の乾燥基準重量に対する混合油の重量比である油炭比をR、定数γ=0.89、η=0.90、としたときに、
    R>{γ×(1−1.7αη)−(1−αη)}/{(1−α)×(1−αη−γ)}
    の式を満たすように、多孔質炭を混合油と混合するための混合槽に、多孔質炭と混合油とが投入される、
    請求項6又は7に記載の固形燃料の製造方法。
  9. 前記蒸発工程で水分蒸発処理された前記スラリーを、当該蒸発工程よりも減圧された状態で、且つ、前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力よりも小さい攪拌動力で、攪拌しながら当該スラリーを水分蒸発処理する減圧工程を備える請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の固形燃料の製造方法。
  10. 前記減圧工程において、前記混合工程および当該減圧工程における前記スラリーの濃度と、前記混合工程における攪拌動力とに対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記混合工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP1、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP3、前記混合工程における前記スラリーの濃度をX1、前記減圧工程における前記スラリーの濃度をX3、Bを所定の定数としたときに、
    P3=P1×(X3/X1)
    となるように、前記減圧工程において前記スラリーを攪拌する請求項に記載の固形燃料の製造方法
  11. 前記混合工程において、当該混合工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記減圧工程において、当該減圧工程における前記スラリーの濃度に対応した攪拌動力で、当該スラリーを攪拌し、
    前記スラリーを攪拌する攪拌動力をP、前記スラリーの濃度をX、AおよびBを所定の定数としたときに、
    P=A×X
    となるように、前記混合工程および前記減圧工程おいて前記スラリーを攪拌する請求項に記載の固形燃料の製造方法。
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