JP5290008B2 - 車両用衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車のバンパ等に装着されて、衝突時の衝撃を吸収する車両用衝撃吸収部材に関するものである。
従来から、例えば、自動車のバンパや車室を形成する部材等に採用されて、衝突に際して衝撃的な荷重を吸収する衝撃吸収部材が知られている。このような衝撃吸収部材の一種としては、衝撃荷重の入力方向に直交する方向に広がる板状リブと、板状リブの幅方向両端部分に連結されて衝撃荷重を板状リブに対して幅方向の分力成分をもって伝達する荷重伝達部を備えた構造のものがある。例えば、特開2007−118931号公報(特許文献1)に示されているものが、それであり、衝撃荷重が荷重伝達部に入力されて板状リブに幅方向の引張変形が生ぜしめられ、板状リブの延性等によるエネルギー損失に基づいて、衝撃エネルギーが吸収されるようになっている。
ところで、近年では、乗員や歩行者をより安全に保護するために、衝突時における乗員および歩行者の安全性確保がより高度に要求されている。特に、車両と歩行者との衝突時における歩行者の保護に対する関心が高まっており、歩行者と接触する可能性が高いバンパ等に対しても、衝突時のエネルギー吸収機能がより高度に求められるようになっている。
このような人身保護の要求に対応すべく、本願発明者が更なる検討と実験を繰り返したところ、特許文献1に記載の衝撃吸収部材にも、未だ改良の余地が存するとの知見を得るに至った。即ち、特許文献1に記載の衝撃吸収部材では、その図4にも示されているように、衝撃吸収部材の被装着面に対して直交する方向に入力される衝突荷重を有効に吸収するように設計されている。しかしながら、例えば、衝撃吸収部材を自動車のバンパに装着して、車両と歩行者が衝突するケースを想定すると、一般的に、歩行者は、その重心位置よりも下側(脚部)においてバンパに接触することから、衝突による外力の作用によって歩行者が車両側に倒れ込む場合も少なくないことが明らかになってきている。かくの如き衝突状態では、バンパに取り付けられた衝撃吸収部材に対して斜め上方から荷重が入力されて、上下方向に作用する分力によって衝撃吸収部材のバンパビームに対する装着位置のずれや脱落等が生じるおそれがある。しかも、想定された荷重入力方向とは異なる方向に衝撃荷重が及ぼされることにより、衝撃吸収部材が想定外の変形を生じて、所期の衝撃エネルギー吸収作用が有効に発揮されない可能性もあることが、判明しつつある。
特開2007−118931号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、実際の衝突に際して問題となる斜め上方からの衝撃荷重入力に対応して高度な衝撃エネルギー吸収作用を発揮する、改良された構造の車両用衝撃吸収部材を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明は、衝突体が打ち当たる受荷重部材における衝突体の打ち当たり部分である取付面に装着される合成樹脂材料製の長手状の車両用衝撃吸収部材であって、受荷重部材における取付面に対して離隔位置せしめられる板状リブが、衝突体の打ち当たりによる衝撃荷重の入力方向で互いに離隔して複数設けられていると共に、それら複数の板状リブの幅方向両端縁部をそれぞれ連結して衝突体の打ち当たりによる衝撃荷重を複数の板状リブに対してそれぞれ幅方向の引張方向荷重として伝達せしめる荷重伝達部が設けられており、更に複数の板状リブが何れも取付面に対して同一方向に傾斜せしめられていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた車両用衝撃吸収部材によれば、複数の板状リブが、取付面に対して予め傾斜せしめられていることから、取付面に対して直交(90°)および平行(0°)以外の所定角度だけ傾斜した方向に、衝突体の打ち当たりによる衝撃荷重が入力された場合にも、板状リブの延伸等の変形による衝撃エネルギーの吸収作用が有効に発揮される。それ故、衝撃荷重による車両や衝突体の損傷を軽減することが可能となる。
特に、このような斜め方向での荷重入力に対する優れた緩衝作用が発揮されることから、本発明に係る車両用衝撃吸収部材を自動車のバンパ等に装着することで、自動車と歩行者との衝突に際して、歩行者の脚部を効果的に保護することが出来る。蓋し、自動車のバンパが歩行者の脚部に衝突すると、歩行者が衝突荷重の作用で自動車側に倒れ込むことから、衝撃荷重の衝撃吸収部材への入力方向が変化して、斜め上方から入力されるようになる。そこにおいて、本発明に従う構造の衝撃吸収部材をバンパに取り付けることで、かかる荷重入力方向の変化に対しても、優れた衝撃吸収性能を維持することが出来て、歩行者の保護を有利に実現することが可能である。
また、本発明に係る車両用衝撃吸収部材においては、荷重伝達部が、複数の板状リブの幅方向一方の端部を相互に連結する第一の連結部と、幅方向他方の端部を相互に連結する第二の連結部とを備えており、板状リブにおける第一の連結部側の幅方向端部が第二の連結部側の幅方向端部よりも取付面に対して大きく離隔せしめられていると共に、第一の連結部の厚さ寸法が第二の連結部の厚さ寸法よりも大きくされていることが望ましい。
このような態様によれば、衝突による衝撃荷重の入力方向が取付面に対して直交する方向から徐々に傾斜する場合に、衝突体に対して先に当接する側である第一の連結部を、衝突体に対して後から当接する側である第二の連結部よりも、厚肉とすることにより、第一の連結部の降伏点を第二の連結部の降伏点よりも高く設定することが出来る。これにより、第一の連結部側と第二の連結部側との衝突タイミングの違いによって第一の連結部が局所的に変形するのを防いで、第一の連結部と第二の連結部における塑性変形のバランスをコントロールすることで、目的とする衝撃エネルギーの吸収作用を安定して得ることが出来る。
また、本発明に係る車両用衝撃吸収部材においては、荷重伝達部が受荷重部材の取付面に対して最も近い位置に配された板状リブの幅方向両端部から取付面側に突出せしめられて、荷重伝達部における突出部分が板状リブを取付面に対して支持せしめる第一の支持部および第二の支持部とされていると共に、それら第一の支持部および第二の支持部の長さと、それら第一の支持部および第二の支持部が取付面に対してなす角度との、少なくとも一方が相互に異ならされていることにより、板状リブが取付面に対して傾斜せしめられていても良い。
このように、第一,第二の支持部の長さ寸法(取付面側端部から板状リブ側端部までの寸法)と、第一,第二の支持部が取付面に対してなす角度との、少なくとも一方を異ならせることにより、本発明に係る車両用衝撃吸収部材を具体的に実現することが出来る。また、第一,第二の支持部によって板状リブを取付面に対して離隔した位置に保持させることにより、引張力の作用による板状リブの塑性変形を安定して発現させることが可能になり得る。
さらに、上記態様に係る車両用衝撃吸収部材において、より好適には、第一の支持部および第二の支持部の突出先端部を相互に連結する基端板が設けられており、基端板が受荷重部材の取付面に重ね合わされて固定されている。このような基端板を設けることにより、衝撃吸収部材の車両への装着をより強固に実現することが出来る。しかも、第一,第二の支持部の基端部が板状リブで連結されると共に、突出先端部が基端板で連結されることから、第一,第二の支持部の形状安定性を向上せしめて、板状リブを目的とする傾斜角度に保持することが出来る。
また、本発明に係る車両用衝撃吸収部材においては、荷重伝達部が受荷重部材の取付面に対して最も遠い位置に配された板状リブの幅方向両端部から取付面と反対側に突出せしめられて、荷重伝達部における突出部分が第一の受圧部および第二の受圧部とされていると共に、荷重伝達部がそれら第一の受圧部および第二の受圧部における突出先端部を相互に連結する先端板を有しており、更に先端板が受荷重部材の取付面に対して板状リブと同一方向に傾斜せしめられていても良い。
これによれば、衝突時に、衝突体に対して当接する先端板が設けられていると共に、先端板が取付面に対して板状リブと同一方向に傾斜せしめられていることから、衝突荷重の入力方向が取付面に対して傾斜している場合にも、衝撃吸収部材の塑性変形を効率的に生ぜしめて、有効なエネルギー吸収作用を発揮させることが出来る。
さらに、上記態様に係る車両用衝撃吸収部材において、より好適には、前記先端板が少なくともそれに最も近い位置に配された前記板状リブに対して平行とされている。
このような態様によれば、例えば、荷重入力方向が、衝突体の先端板への当接によって所定角度だけ傾斜した後、その方向に保持されて一定の方向に荷重が入力される場合において、先端板とそれに最も近い板状リブとの両方を、荷重入力方向を想定した最良の角度で傾斜させておくことにより、エネルギー吸収作用を効率的に発揮させることが出来る。
また、本発明に係る車両用衝撃吸収部材においては、荷重伝達部が、複数の板状リブの幅方向一方の端部を相互に連結する第一の連結部と、幅方向他方の端部を相互に連結する第二の連結部とを備えており、それら第一の連結部および第二の連結部が複数の板状リブに対して等しい角度で連結されていると共に、複数の板状リブが互いに平行に配されていても良い。
このように、複数の板状リブを平行に配することで、特定の傾斜角度で入力される衝撃荷重に対して、エネルギー吸収作用を効率的に得ることが出来る。また、第一の連結部と板状リブの間の角度と、第二の連結部と板状リブとの間の角度が、互いに略同じに設定されることにより、複数の板状リブに対して荷重を安定して作用させて、衝撃吸収部材の塑性変形を全体的に生ぜしめることが出来る。それ故、塑性変形時の内部摩擦等に基づくエネルギー損失を利用した衝撃吸収作用が、効果的に発揮される。
また、本発明に係る車両用衝撃吸収部材においては、荷重伝達部が、全体として中空の管体形状とされていると共に、複数の板状リブに対して衝撃荷重を伝達する各部位が、衝撃荷重の入力時において外方に凸となる曲げモーメントを生ずる形状とされていることが望ましい。
これによれば、管体形状とされた荷重伝達部において板状リブに対して衝撃荷重を伝達する各部位が塑性変形を生じる場合に、変形した荷重伝達部の各部位が板状リブ間や板状リブと先端板又は基端板との間等に入り込む等して、変形の進行が妨げられたり、変形の態様(変形する位置や変形の程度等)が変化することにより、衝撃吸収効果が低下するのを防ぐことが出来る。
また、本発明においては、複数の板状リブと荷重伝達部とが一体形成されていても良く、少ない部品点数と簡易な構造で本発明に従う構造の衝撃吸収部材を実現することが出来る。
本発明の一実施形態としての衝撃吸収部材を示す縦断面図。 同衝撃吸収部材の斜視図。 同衝撃吸収部材の車両装着状態の概略を示す縦断面図。 同衝撃吸収部材の性能評価試験の結果を示すグラフであって、ストライカ当接初期からの変位量に対する荷重値の関係を示す。 同衝撃吸収部材の性能評価試験の様子を示す図面であって、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。 同衝撃吸収部材の性能評価試験においてストライカとベースの相対角度を0°に設定した実施例1を示す縦断面図であって、(a)が衝突初期を、(b)が衝突中期を、(c)が衝突末期をそれぞれ示す。 同衝撃吸収部材の性能評価試験においてストライカとベースの相対角度を10°に設定した実施例2を示す縦断面図であって、(a)が衝突初期を、(b)が衝突中期を、(c)が衝突末期をそれぞれ示す。 同衝撃吸収部材の性能評価試験においてストライカとベースの相対角度を20°に設定した実施例3を示す縦断面図であって、(a)が衝突初期を、(b)が衝突中期を、(c)が衝突末期をそれぞれ示す。 同衝撃吸収部材の別の性能評価試験の結果を示すグラフであって、ストライカとベースの相対角度に対するエネルギー吸収量の関係を示す。 同衝撃吸収部材のまた別の性能評価試験の結果を示すグラフであって、t1 の寸法差による衝撃吸収性能の違いを示す。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態として、自動車用衝撃吸収部材10が示されている。衝撃吸収部材10は、図2に示されているように、略一定の断面形状を有する長手状の部材であって、例えば、図3に示されているように、自動車のバンパやドアフレーム等の衝撃吸収対象に設けられて、衝撃吸収対象に衝撃荷重が入力された際に、自身の変形に基づいて衝撃を吸収するようになっている。また、衝撃吸収部材10は、第一の板状リブ12と第二の板状リブ14を備えている。なお、以下の説明において、幅方向とは、原則として、図1中の左右方向を言う。また、長手方向とは、原則として、図1における紙面直交方向を言う。
より詳細には、第一, 第二の板状リブ12,14は、図1に示されているように、何れも薄肉の略平板形状を有しており、面直交方向で所定距離を隔てて、互いに平行に広がっている。また、本実施形態では、第一の板状リブ12の厚さ寸法:t1 が、第二の板状リブ14の厚さ寸法:t2 よりも大きく(t1 >t2 )設定されている。また、t1 ,t2 の好適な数値としては、0.2mm≦t1 ≦1.5mm、且つ、0.1mm≦t2 ≦1.0mmに設定される。特に本実施形態では、t1 が0.5mmに設定されていると共に、t2 が0.25mmに設定されている。
また、第一,第二の板状リブ12,14は、合成樹脂で形成されており、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート,ポリブチレンテレフタレートアロイ,ポリエチレン,ABS樹脂,ポリアミド,ナイロン6等を好適に採用することが出来る。特に本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14が、充分な曲げ弾性率と引張破断伸び,引張降伏応力を有するポリプロピレンを材料として形成されている。なお、第一,第二の板状リブ12,14を形成する合成樹脂材料は、曲げ弾性率が1Gpa以上、且つ引張破断伸びが100%以上、且つ引張降伏応力が15Mpa以上であることが望ましい。
また、第一,第二の板状リブ12,14は、それらの両端部が荷重伝達部としての筒状部16によって互いに連結されている。筒状部16は、全体として略八角形断面を呈する長手状の管体形状を有しており、第一,第二の板状リブ12,14と一体形成されている。また、筒状部16は、合成樹脂製とされており、特に限定されるものではないが、第一,第二の板状リブ12,14の材料と同様の合成樹脂材料から選択されることが望ましい。特に本実施形態では、ポリカーボネートが採用されている。このように、本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16の形成材料が互いに異なっており、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16が二色押出成形によって一体形成されている。
また、筒状部16は、第一,第二の板状リブ12,14の端部間を相互に連結する第一,第二の連結部18,20を含んで構成されている。第一,第二の連結部18,20は、何れも、略板形状を有しており、第一,第二の板状リブ12,14に対して略直交して、幅方向で対向するように設けられている。また、第一,第二の連結部18,20は、何れも、幅方向内面および外面がそれぞれ幅方向外側に向かって凸となる湾曲面で構成された湾曲板形状を有しており、本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14の対向方向中央側に向かって次第に薄肉となっている。また、第一,第二の連結部18,20は、第一,第二の板状リブ12,14の対向方向で外側に位置する端部が、第一,第二の板状リブ12,14の幅方向端部に対して滑らかに連結されている。
さらに、本実施形態では、第一の連結部18(図1中、左側)の最薄部での厚さ寸法:t3 と、第二の連結部20(図1中、右側)の最薄部での厚さ寸法:t4 が互いに異なっており、t3 >t4 とされている。なお、特に限定されるものではないが、1.0mm≦t3 ≦4.0mm、且つ、0.5mm≦t4 ≦3.0mmに設定されることが望ましい。より好適には、第一,第二の連結部18,20の最小厚さ寸法:t3 ,t4 は、第一,第二の板状リブ12,14の厚さ寸法:t1 ,t2 よりも大きくされる(t3 >t4 >t1 >t2 )。
また、第一の板状リブ12の幅方向両端部には、第二の板状リブ14と反対側に向かって突出する第一,第二の受圧部22,24が一体形成されている。第一,第二の受圧部22,24は、何れも略板形状とされており、第一の板状リブ12から離れるに従って互いに接近するように傾斜して突出せしめられている。また、第一,第二の受圧部22,24は、幅方向内側の面が略平面とされていると共に、幅方向外側の面が外側に凸となる湾曲面とされており、第一,第二の受圧部22,24が突出方向の略中央に向かって次第に厚肉となっている。
さらに、本実施形態では、第一の受圧部22における最薄部の厚さ寸法:t5 と、第二の受圧部24における最薄部の厚さ寸法:t6 が、互いに異なっており、t5 <t6 とされている。なお、特に限定されるものではないが、t5 が、1.5mm≦t5 ≦3.0mmの範囲とされると共に、t6 が、2.0mm≦t6 ≦4.0mmの範囲とされることが望ましい。より好適には、第一,第二の受圧部22,24の最小厚さ寸法:t5 ,t6 は、第一,第二の連結部18,20の最小厚さ寸法:t3 ,t4 よりも大きくされる(t5 >t3 ,t6 >t4 )。
また、第一,第二の受圧部22,24の突出先端部には、先端板としての当接板部26が一体形成されており、それら第一,第二の受圧部22,24の突出先端部が当接板部26によって相互に連結されている。当接板部26は、第一の板状リブ12に対して所定距離を隔てて広がる略板形状とされており、その幅方向両端部が第一,第二の受圧部22,24に接続されている。また、当接板部26は、第一,第二の板状リブ12,14に対して、所定距離を隔てて略平行に配置されている。なお、本実施形態において、当接板部26は、略一定の厚さ寸法で形成されているが、例えば、幅方向中央に向かって次第に厚肉となっていても良い。
一方、第二の板状リブ14の幅方向両端部には、第一の板状リブ12と反対側に向かって突出する第一,第二の支持部28,30が一体形成されている。第一,第二の支持部28,30は、何れも略板形状とされており、第二の板状リブ14から離れるに従って互いに接近するように傾斜して突出せしめられている。また、第一,第二の支持部28,30は、幅方向内側の面が略平面とされていると共に、幅方向外側の面が外側に凸となる湾曲面とされており、第一,第二の支持部28,30が突出方向の略中央に向かって次第に厚肉となっている。
さらに、本実施形態では、第一の支持部28における最薄部の厚さ寸法:t7 と、第二の支持部30における最薄部の厚さ寸法:t8 が、互いに異なっており、t7 <t8 とされている。なお、特に限定されるものではないが、1.0mm≦t7 ≦2.5mm、且つ、1.5mm≦t8 ≦3.0mmに設定されることが望ましい。より好適には、第一,第二の支持部28,30の最小厚さ寸法:t7 ,t8 は、第一,第二の受圧部22,24の最小厚さ寸法:t5 ,t6 よりも小さくされる(t7 <t5 ,t8 <t6 )。
また、第一,第二の支持部28,30の突出先端部には、基端板としての取付板部32が一体形成されている。取付板部32は、第二の板状リブ14に対して所定距離を隔てて広がる略板形状とされており、その幅方向両端部が第一,第二の支持部28,30に接続されている。なお、本実施形態において、取付板部32は、当接板部26と同様に、略一定の厚さ寸法で形成されているが、例えば、幅方向中央に向かって次第に厚肉となっていても良い。
このような構造とされた筒状部16では、第一,第二の連結部18,20が幅方向外側に向かって凸となる断面形状を有していると共に、第一,第二の受圧部22,24と第一,第二の支持部28,30が、何れも第一,第二の板状リブ12,14から離隔するに従って次第に接近する方向に傾斜せしめられている。これにより、後述するように第一,第二の板状リブ12,14に略直交する方向に荷重が入力されると、筒状部16を構成する連結部18,20と受圧部22,24と支持部28,30との何れに対しても、幅方向外側に向かって凸となるモーメントが及ぼされるようになっている。
ここにおいて、第一の支持部28の突出寸法:l1 と、第二の支持部30の突出寸法:l2 が、互いに異なっており、l1 >l2 とされている。これにより、第一,第二の板状リブ12,14が、取付板部32に対して、相対的に角度:αだけ傾斜せしめられている。これにより、図1に示された縦断面において、第二の板状リブ14の幅方向中央と取付板部32の幅方向中央とを結ぶ直線が、第一,第二の板状リブ12,14の幅方向中央とを結ぶ直線に対して、相対的に傾斜せしめられている。傾斜角度:αは、予測される衝突時の荷重入力方向に応じて、5°≦α≦45°の範囲で適当に設定されることが望ましく、本実施形態では、α=10°とされている。なお、本実施形態では、当接板部26が第一,第二の板状リブ12,14に対して平行に配されていることにより、当接板部26が取付板部32に対して第一,第二の板状リブ12,14と同じ方向に傾斜せしめられている。
さらに、本実施形態では、第一の支持部28が第二の板状リブ14との間になす角度:θ1 が、第二の支持部30が第二の板状リブ14との間になす角度:θ2 と略同じとされている。要するに、本実施形態では、取付板部32の第二の板状リブ14に対する傾斜が、第一,第二の支持部28,30の突出寸法の違いのみによって実現されている。なお、第一,第二の支持部28,30の長さ寸法を同じにして、それら支持部28,30の第二の板状リブ14に対する傾斜角度を互いに異ならせることにより、第二の板状リブ14と取付板部32との相対的な傾斜が実現されるようになっていても良い。更に、第一,第二の支持部28,30の長さと傾斜角度の両方が互いに異なっていても良い。
一方、第一の受圧部22の突出寸法:l3 と、第二の受圧部24の突出寸法:l4 が、略同じ(l3 =l4 )とされていると共に、第一の受圧部22と第一の板状リブ12のなす角度:θ3 と、第二の受圧部24と第二の板状リブ14のなす角度:θ4 が、略同じ(θ3 =θ4 )とされている。これらにより、本実施形態では、第一の板状リブ12と当接板部26が互いに平行とされている。要するに、本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14と当接板部26が互いに平行とされていると共に、取付板部32がそれら第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26に対して傾斜せしめられている。
このような構造とされた自動車用衝撃吸収部材10は、例えば、自動車の前後部に装備されるバンパに対して、車両左右方向に延びるように装着される。より詳細には、衝撃吸収部材10は、図3に示されているように、バンパフェイシア34とバンパビーム36の間に配設されており、衝撃吸収部材10の取付板部32が、取付面であるバンパビーム36の前面又は後面に対して重ね合わされて、図示しないピン又はボルト等の取付部材によって固定されたり、接着又は溶着等によって固着されることにより、衝撃吸収部材10がバンパに対して取り付けられている。
このような衝撃吸収部材10の自動車への装着下、第一,第二の板状リブ12,14がバンパビーム36に対して所定距離を隔てて離隔配置されて、第一,第二の支持部28,30によってバンパビーム36に対して支持されている。また、図2中にそれぞれ一点鎖線で示された、第一,第二の板状リブ12,14と当接板部26の幅方向中心を結んだ方向と、第二の板状リブ14と取付板部32の幅方向中心を結んだ方向とが、相対的に傾斜している。要するに、衝撃吸収部材10は、バンパビーム36の取付面に対して、離隔するに従って次第に上方に傾斜するように突出して装着されている。
また、衝撃吸収部材10の自動車への装着下、第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26における第一の連結部18側の端部が、それら第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26における第二の連結部20側の端部よりも、バンパビーム36の取付面から大きく離隔せしめられている。換言すれば、第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26における第一の連結部18側の端部が、それら第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26における第二の連結部20側の端部よりも、バンパフェイシア34に接近して位置せしめられている。
かくの如き衝撃吸収部材10の自動車への装着状態下、自動車の衝突によってバンパに対して荷重が入力されると、衝撃吸収部材10の変形によるエネルギー損失等を利用して、目的とする衝撃吸収作用が発揮されるようになっている。
すなわち、衝突による荷重がバンパフェイシア34に対して入力されると、バンパフェイシア34の変形や破壊が生じて、バンパフェイシア34がバンパビーム36に接近する方向(図2中、右側)に変位せしめられる。これにより、衝撃吸収部材10がバンパフェイシア34とバンパビーム36の間で挟み込まれて、衝撃吸収部材10が圧縮変形せしめられる。
そして、当接板部26が第一の板状リブ12側に変位せしめられることにより、第一,第二の受圧部22,24の第一の板状リブ12側端部が、幅方向外側に変位せしめられて、第一の板状リブ12に対して幅方向の引張力が及ぼされる。これにより、第一の板状リブ12が引張変形せしめられて、変形時のエネルギー損失等を利用した衝突エネルギーの吸収作用が発揮されるようになっている。
さらに、第一,第二の受圧部22,24によって伝達される荷重によって、第一,第二の板状リブ12,14を相互に連結する第一,第二の連結部18,20が外側に凸となるように変形せしめられることにより、第二の板状リブ14に対して幅方向の引張力が及ぼされる。これにより、第二の板状リブ14が引張変形せしめられて、衝突エネルギーの吸収作用が発揮されるようになっている。
ところで、本実施形態では、衝撃吸収部材10の車両バンパへの装着下、取付板部32の垂線方向に対して傾斜した方向に衝突による衝撃荷重が入力される。そこにおいて、本実施形態に従う構造とされた衝撃吸収部材10では、かかる斜め方向の荷重入力に対して、特に優れた衝撃吸収作用が発揮されるようになっている。
すなわち、本実施形態に従う構造とされた自動車用衝撃吸収部材10では、バンパビーム36への装着下、第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26が、衝突荷重の入力方向に対して直交する方向で広がるように鉛直方向(図3中、上下方向)に対して傾斜せしめられている。これにより、斜め上方からの衝突荷重の入力によって、第一,第二の板状リブ12,14の変形が有効に生ぜしめられて、それらの変形によるエネルギー吸収作用が効果的に発揮されるようになっている。特に本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14が互いに平行に配設されていることから、特定の傾斜角度で入力される荷重に対して、特に優れた衝撃吸収効果が発揮されるようになっている。なお、第一,第二の板状リブ12,14の傾斜方向(傾斜角度)は、シミュレーション等によって予測される衝突時の荷重入力方向の変化を考慮して適当に設定される。例えば、斜め上方からの荷重の入力方向と第一,第二の板状リブ12,14のなす角度が、荷重入力方向と取付面(取付板部32)のなす角度よりも大きくなるように、第一,第二の板状リブ12,14の傾斜が設定される。
第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26が、バンパビーム36の取付面に対して傾斜せしめられていることにより、斜め方向からの荷重入力に対して衝撃吸収効果が有利に発揮される理由としては、以下のように推測される。即ち、第一,第二の板状リブ12,14の幅方向中央と当接板部26の幅方向中央とを結ぶ方向(図3中に一点鎖線で示す)が、衝突荷重の入力方向に対して略平行とされることにより、筒状部16の幅方向両側部分を構成する各部(連結部18,20と受圧部22,24と支持部28,30)が、荷重入力によって外側に凸となるモーメントを安定して生じる。それ故、それら連結部18,20と受圧部22,24と支持部28,30の変形によって衝撃エネルギーが吸収されると共に、第一,第二の板状リブ12,14への荷重の伝達が確実且つ効率的に実現されて、衝撃吸収効果が向上せしめられるものと考えられる。
また、本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14の幅方向外側端部を連結する荷重伝達部が、管体形状の筒状部16とされていると共に、筒状部16の幅方向両側部分を構成する連結部18,20と受圧部22,24と支持部28,30が、衝突による衝撃荷重の入力によって幅方向外側に向かって凸となるモーメントを生じる形状(幅方向外側に向かって凸とされた湾曲板形状)とされている。それ故、衝撃荷重の入力によって変形する際に、当接板部26と第一の板状リブ12の対向面間と、第一,第二の板状リブ12,14の対向面間と、第二の板状リブ14と取付板部32の対向面間とに、変形した連結部18,20と受圧部22,24と支持部28,30が入り込んで、変形の進行を阻害したり、予定外の変形が生じるのを、回避することが出来る。それ故、目的とするエネルギー吸収効果を安定して得ることが出来る。
また、本実施形態では、第一,第二の連結部18,20が第一,第二の板状リブ12,14に対して互いに同じ角度且つ同じ長さで設けられていると共に、第一,第二の受圧部22,24が第一の板状リブ12に対して互いに同じ角度且つ同じ長さで設けられている。これにより、第一,第二の板状リブ12,14に対して、幅方向両側に向かって略等しい荷重が及ぼされて、第一,第二の板状リブ12,14の引張変形が有効に生ぜしめられ、優れた衝撃吸収効果が発揮される。
また、本実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16が、合成樹脂材料で一体形成されている。それ故、部品点数を少なくすることが出来て、製造が容易であると共に、製造コストも低減することが出来る。しかも、衝撃吸収部材10は、第一,第二の板状リブ12,14を形成する合成樹脂材料と、筒状部16を形成する合成樹脂材料とを互いに異ならせて、二色成形によって一体的に形成されている。それ故、第一,第二の板状リブ12,14の要求特性と、筒状部16の要求特性とを、何れも高度に実現することが出来る。
また、本実施形態では、第一の連結部18の最小厚さ寸法:t3 が、第二の連結部20の最小厚さ寸法:t4 よりも大きくされていると共に、第一,第二の板状リブ12,14および当接板部26における第一の連結部18側の端部が、他方の端部よりも衝突体側となるバンパフェイシア34側に突出して位置せしめられている。それ故、幅方向で衝突体に対して先に当接する側に位置する第一の連結部18が、衝突初期に局所的に降伏するのを防いで、衝撃吸収部材10の全体的な変形によって、衝撃吸収効果が効率的に発揮される。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14が互いに略平行に広がっているが、複数の板状リブの取付面に対する傾斜角度は、それぞれ異なっていても良い。具体的には、例えば、前記実施形態において、第一の板状リブ12と取付面との相対的な傾斜角度を、第二の板状リブ14と取付面との相対的な傾斜角度よりも、小さく設定することにより、衝撃荷重の入力方向が漸次変化するような場合に、特に優れた衝撃吸収効果を発揮する衝撃吸収部材を実現出来る。なお、このような第一,第二の板状リブ12,14の相対的な傾斜は、例えば、第一,第二の連結部18,20の長さと、第一,第二の連結部18,20の第一の板状リブ12又は第二の板状リブ14に対する角度との、少なくとも一方を互いに異ならせることにより実現される。
また、前記実施形態では、2つの板状リブを設けた構造が示されているが、板状リブは、複数であれば3つ以上が設けられていても良い。
また、前記実施形態では、第一,第二の支持部28,30の第二の板状リブ14からの突出先端部が、取付板部32によって相互に連結されているが、必ずしも第一,第二の支持部28,30の突出先端部が相互に連結されている必要はない。具体的には、例えば、取付板部32が省略されて、衝撃荷重伝達部が特開2006−62635号公報の図6に示されているような脚部を備えたスリット付き筒状とされていても良い。
また、前記実施形態に示された第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16を構成する各部の具体的な構造は、あくまでも例示であって、要求される衝撃吸収性能等に応じて適当に変更可能である。更に、前記実施形態で示した部材相互の厚さや角度の関係についても、適宜に変更されるものである。
また、前記実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16が、何れも合成樹脂によって形成されているが、それら第一,第二の板状リブや筒状部は、例えばアルミニウム合金等の金属によって形成することも出来る。更に、合成樹脂で形成された第一,第二の板状リブや筒状部を、要求されるエネルギー吸収特性に応じて、金属プレートで補強しても良い。
また、前記実施形態では、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16が一体形成されているが、それら第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16は、別体の部材とされていても良い。これによれば、例えば、第一,第二の板状リブ12,14と筒状部16を、金属と合成樹脂等のような異なる材料で形成された別部材として、それらを組み合わせることにより衝撃吸収部材を構成することにより、優れた衝撃エネルギーの吸収作用を発揮させることも可能となり得る。
また、前記実施形態では、本発明に係る衝撃吸収部材が自動車のバンパに装着された例を示したが、本発明は、自動車において衝撃吸収が要求される他の部分に装着されていても良いし、自動車以外の車両、即ち列車や自動二輪車等にも採用可能である。
前記実施形態に示された衝撃吸収部材10を用いて、本発明の衝撃吸収効果について確認するために試験を行った。かかる試験の内容および結果を以下に実施例として記載する。
先ず、図4には、前記実施形態に係る衝撃吸収部材10と同一の構造とされた衝撃吸収部材と、従来構造の衝撃吸収部材において、変形量(mm)と荷重値(kN)を測定した結果が示されている。
測定方法としては、先ず、前記実施形態に係る衝撃吸収部材10と同一の構造とされた衝撃吸収部材を3つ準備して、それぞれ実施例1,2,3とする。一方、板状リブと当接板部と取付板部を互いに平行とした衝撃吸収部材を準備して比較例1とすると共に、板状リブと取付板部を互いに平行とし、当接板部をそれら板状リブおよび取付板部に対して相対的に傾斜せしめた衝撃吸収部材を準備して比較例2とする。
次に、図5に示されているように、金属製のベース38に衝撃吸収部材10の取付板部32を重ね合わせて固着すると共に、当接板部26の上方に直径が70mmで長さが200mmの円筒形状とされたストライカ40を、ストライカ40の長手方向と衝撃吸収部材10の長手方向が互いに直交するように配置して、ストライカ40を落下させて当接板部26に上方から衝突させる。これにより、当接板部26に対して3m/sの衝撃荷重を及ぼして、当接板部26および第一,第二の連結部18,20の変形に伴って第一,第二の板状リブ12,14を引張変形させる。
そこにおいて、図6〜8に示されているように、ベース38の水平に対する傾斜角度を0°,10°,20°とした場合におけるストライカ40の変位量(mm)と、ストライカ40に作用する荷重値(kN)を測定した結果が、図4において実施例1,2,3として太線で示されている。一方、比較例1,2についても、同様の測定方法によって測定されており、ベース38の傾斜角度を20°とした比較例1の測定結果と、ベース38の傾斜角度を15°とした比較例2の測定結果が、図4に細線で示されている。
図4に示された測定結果によれば、実施例1〜3では、荷重値が、当接初期に2kN程度まで上昇した後、変位量の増加に伴って緩やかな上昇を示しながらも、略フラットな状態で変位量50mm程度まで保持されており、安定した衝撃吸収効果の発現を確認出来る。一方、比較例1,2では、荷重値が、2kN程度まで上昇した後、大幅に低下していると共に、その後も安定することなく上下しており、衝撃吸収効果が不充分であることが窺える。なお、図4では、実施例1が実線、実施例2が破線、実施例3が一点鎖線でそれぞれ示されていると共に、比較例1が一点鎖線、比較例2が二点鎖線でそれぞれ示されている。
また、図6〜8に示された実施例1〜3の変形の様子からは、ベース38の傾斜角度が0〜20°の範囲において、衝撃荷重を伝達する第一,第二の連結部18,20と第一,第二の受圧部22,24と第一,第二の支持部28,30が、何れも、外側に凸となる曲げモーメントを生じて変形せしめられていることを確認出来る。これにより、衝撃吸収部材10が安定して所定の変形を生じて、目的とする衝撃エネルギー吸収作用が有効に発揮される。
次に、図9には、ベース38の傾斜角度(°)に対するエネルギー吸収量比との関係を、前記実施形態に係る衝撃吸収部材10と同一の構造とされた衝撃吸収部材と、比較例1と同一の構造とされた衝撃吸収部材について測定した結果が示されている。図9によれば、前記実施形態に示された衝撃吸収部材10では、0°〜20°の範囲で衝撃吸収効果が発揮されており、−10°〜10°の範囲で衝撃吸収効果が発揮される比較例1に係る衝撃吸収部材に比べて、予想される衝撃入力方向(ここでは10°方向)に対して衝撃入力方向がばらついた時にも、より安定した衝撃吸収効果を期待することが出来る。なお、図9におけるエネルギー吸収量比とは、比較例1に係る衝撃吸収部材を用いた試験において、ベース38の傾斜角度を0°に設定した場合のエネルギー吸収量を100として、それに対するエネルギー吸収量の比率を示したものである。
また次に、図10には、前記実施形態に係る衝撃吸収部材10と略同一の構造とされた衝撃吸収部材において、第一の連結部18における板圧寸法の最小値:t3 を、第二の連結部20における板厚寸法の最小値:t4 に対して、大きく設定した場合(t3 =2.5mm)と、略同じに設定した場合(t3 =1.6mm)に、ストライカ40の変位量(mm)と、ストライカ40に作用する荷重値(kN)を測定した結果が、示されている。図10によれば、ストライカ40の変位量が30mmを超える程度までは、同等の衝撃吸収効果が発揮されているが、それ以上になると、破線で示すt3 =1.6mmに設定された構造(比較例)では、荷重値が急激に低下しており、充分な衝撃吸収効果が発揮されなくなっている。一方、実線で示すt3 =2.5mmに設定された構造(実施例)では、50mm程度まで荷重値が略フラットな状態に維持されており、有効な衝撃吸収効果が発揮されることが確認された。
10:衝撃吸収部材、12:第一の板状リブ、14:第二の板状リブ、16:筒状部、18:第一の連結部、20:第二の連結部、22:第一の受圧部、24:第二の受圧部、26:当接板部、28:第一の支持部、30:第一の支持部、32:取付板部

Claims (9)

  1. 衝突体が打ち当たる受荷重部材における該衝突体の打ち当たり部分である取付面に装着される合成樹脂材料製の長手状の車両用衝撃吸収部材であって、
    前記受荷重部材における前記取付面に対して離隔位置せしめられる板状リブが、前記衝突体の打ち当たりによる衝撃荷重の入力方向で互いに離隔して複数設けられていると共に、それら複数の板状リブの幅方向両端縁部をそれぞれ連結して該衝突体の打ち当たりによる衝撃荷重を該複数の板状リブに対してそれぞれ幅方向の引張方向荷重として伝達せしめる荷重伝達部が設けられており、更に該複数の板状リブが何れも該取付面に対して同一方向に傾斜せしめられていることを特徴とする車両用衝撃吸収部材。
  2. 前記荷重伝達部が、前記複数の板状リブの幅方向一方の端部を相互に連結する第一の連結部と、幅方向他方の端部を相互に連結する第二の連結部とを備えており、該板状リブにおける該第一の連結部側の幅方向端部が該第二の連結部側の幅方向端部よりも前記取付面に対して大きく離隔せしめられていると共に、該第一の連結部の厚さ寸法が該第二の連結部の厚さ寸法よりも大きくされている請求項1に記載の車両用衝撃吸収部材。
  3. 前記荷重伝達部が、前記受荷重部材の前記取付面に対して最も近い位置に配された前記板状リブの幅方向両端部から該取付面側に突出せしめられて、該荷重伝達部における突出部分が該板状リブを該取付面に対して支持せしめる第一の支持部および第二の支持部とされていると共に、それら第一の支持部および第二の支持部の長さと、それら第一の支持部および第二の支持部が該取付面に対してなす角度との、少なくとも一方が相互に異ならされていることにより、該板状リブが該取付面に対して傾斜せしめられている請求項1又は2に記載の車両用衝撃吸収部材。
  4. 前記第一の支持部および前記第二の支持部の突出先端部を相互に連結する基端板が設けられており、該基端板が前記受荷重部材の前記取付面に重ね合わされて固定されている請求項3に記載の車両用衝撃吸収部材。
  5. 前記荷重伝達部が前記受荷重部材の前記取付面に対して最も遠い位置に配された前記板状リブの幅方向両端部から該取付面と反対側に突出せしめられて、該荷重伝達部における突出部分が第一の受圧部および第二の受圧部とされていると共に、該荷重伝達部がそれら第一の受圧部および第二の受圧部における突出先端部を相互に連結する先端板を有しており、更に該先端板が該受荷重部材の前記取付面に対して該板状リブと同一方向に傾斜せしめられている請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両用衝撃吸収部材。
  6. 前記先端板が少なくともそれに最も近い位置に配された前記板状リブに対して平行とされている請求項5に記載の車両用衝撃吸収部材。
  7. 前記荷重伝達部が、前記複数の板状リブの幅方向一方の端部を相互に連結する第一の連結部と、幅方向他方の端部を相互に連結する第二の連結部とを備えており、それら第一の連結部および第二の連結部が該複数の板状リブに対して等しい角度で連結されていると共に、該複数の板状リブが互いに平行に配されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両用衝撃吸収部材。
  8. 前記荷重伝達部が、全体として中空の管体形状とされていると共に、前記複数の板状リブに対して衝撃荷重を伝達する各部位が、衝撃荷重の入力時において外方に凸となる曲げモーメントを生ずる形状とされている請求項1乃至7の何れか一項に記載の車両用衝撃吸収部材。
  9. 前記複数の板状リブと前記荷重伝達部とが一体形成されている請求項1乃至8の何れか一項に記載の車両用衝撃吸収部材。
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