JP5287215B2 - 貯蔵タンクのアンカー - Google Patents
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しかし、本発明によれば、アンカー本体に引張力が作用したときに、係止部の対向面とアンカー本体とが平行になる。または、アンカー本体の下方側ほど、係止部の対向面がアンカー本体から離間した状態となる。これにより、アンカー本体に引張力が作用したときに、アンカー本体が係止部の対向面に押し付けられることを防止できる。そのため、アンカー本体の上部と係止部の対向面との間に面圧が作用しなくなる。
したがって、アンカー本体に引張力が作用した状態で、外槽に対して内槽が周方向に相対的に変位しても、アンカー本体の上部と係止部の対向面との間に摩擦力が作用することを防止できる。これにより、アンカー本体から外槽に作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
これにより、アンカー本体の上部が係止部によって係止され、内槽の側板から脱落することを防止できる。
このとき、係止凸部の下端面が曲面状に形成されているので、係止凸部が係止部に食い込んで引っ掛かるような状態になることが防止される。そのため、係止凸部が係止部の上端面の上を滑りやすくなり、アンカー本体と内槽とが相対的に変位しやすくなる。
したがって、アンカー本体の上部に作用する力を低減して、アンカー本体から外槽に作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
したがって、アンカー本体の上部に作用する力を低減して、アンカー本体によって外槽に作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
したがって、アンカー本体の上部に作用する摩擦力を低減して、アンカー本体によって外槽に作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
しかし、本発明によれば、アンカー本体に引張力が作用したときに、係止部の対向面とアンカー本体とが平行になる。または、アンカー本体の下方側ほど、係止部の対向面がアンカー本体から離間した状態となる。これにより、アンカー本体に引張力が作用したときに、アンカー本体が係止部の対向面に押し付けられることを防止できる。そのため、アンカー本体の上部と係止部の対向面との間に面圧が作用しなくなる。
したがって、アンカー本体に引張力が作用した状態で、セカンダリーバリアに対して内槽が周方向に相対的に変位しても、アンカー本体の上部と係止部の対向面との間に摩擦力が作用することを防止できる。これにより、アンカー本体からセカンダリーバリアに作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
したがって、アンカー本体からセカンダリーバリアに作用する内槽の周方向のせん断応力を低減することができる。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、貯蔵タンク1は、例えば液化天然ガス(LNG)等の低温の液体を貯蔵する内槽2と、内槽2を包囲して防液提として機能する外槽3とを備えている。また、内槽2と外槽3との間には、地震等の応答により内槽2が貯蔵する液体が漏洩した場合に、その液体を収容して外部に漏洩するのを防止するセカンダリーバリア4が設けられている。
図2に示すように、ストッパー20は、内槽2の側板2sに固定された一対の座板21と、座板21に立設された一対のブラケット22と、一対のブラケット22間に掛け渡されたカバープレート(係止部)23とを備えている。座板21、ブラケット22及びカバープレート23はそれぞれ、例えば9%ニッケル鋼等の低温用鋼材により形成されている。座板21は内槽2の側壁2sに溶接され、ブラケット22は座板21に溶接され、カバープレート23はブラケット22に溶接されている。
固体潤滑剤皮膜は、例えば脱脂洗浄、下地処理、予熱等の予備工程を経た後、塗料状の固体潤滑剤を塗布して乾燥・加熱硬化させることで形成されている。
また、一対のブラケット22間に横架されたカバープレート23は側板2sに対して傾斜させて設けられている。カバープレート23は、ストラッププレート11に対向する対向面23iの傾斜角度θ2がストラッププレート11の傾斜角度θ1と等しいか、またはそれよりも大きな傾斜角度θ2となるように傾斜している。本実施形態では、カバープレート23の対向面23iの傾斜角度θ2がストラッププレート11の傾斜角度θ1と略等しく、カバープレート23の対向面23iとストラッププレート11とが略平行になっている。
例えば内槽2の内圧や地震時の応答により、図1に示す内槽2の隅角部2cが上方に浮き上がろうとすると、内槽2の側壁2sを外槽3の底板3bに繋ぐアンカー10のストラッププレート11に引張力Fが作用する。このとき、図2及び図3に示すように、ストラッププレート11の上部11tにはストッパプレート12が固定され、その下端面12bがストッパー20のカバープレート23の上端面23tに対向するように配置されている。
そのため、ストラッププレート11に引張力Fが作用したときに、カバープレート23の対向面23iと、ストラッププレート11のカバープレート23に対向する対向面11iとが平行になる。これにより、ストラッププレート11の対向面11iがカバープレート23の対向面23iに押し付けられることを防止できる。そのため、ストラッププレート11の対向面11iとカバープレート23の対向面23iとの間に面圧が作用しなくなる。
したがって、ストラッププレート11の上部11tに作用する内槽2の周方向の力を低減して、ストラッププレート11からセカンダリーバリア4の溶接部WPに作用するせん断応力を低減することができる。
したがって、内槽2の内圧や地震時の応答等によるセカンダリーバリア4の破損を防止して、セカンダリーバリア4の液密性及び健全性を確保することができる。
したがって、内槽2の側板2sの肉厚増加によるコストの増大を防止して、低コストにせん断応力の低減を実現することができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図1及び図3を援用し、図4を用いて説明する。本実施形態では、アンカー本体として棒状のストラップバー13を用い、係止凸部として下端面14bが曲面状に形成されたストッパプレート14を用いる点で上述の第一実施形態で説明したアンカー10と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態のアンカー10Bは、棒状のストラップバー(アンカー本体)13と、下端面14bが曲面状に形成されたストッパプレート(係止凸部)14とを備えている。ストラップバー13及びストッパプレート14は、第一実施形態のストラッププレート11及びストッパプレート12と同様の低温用鋼材により形成されている。また、ストッパプレート14はストラップバー13の上部13tに溶接されて固定されている。
第一実施形態と同様に、例えば内槽2の内圧や地震時の応答により、図1に示す内槽2の隅角部2cが上方に浮き上がろうとすると、内槽2を外槽3に繋ぐ図4のアンカー10Bのストラップバー13には、引張力Fが作用する。
したがって、ストラップバー13の上部13tに作用する内槽2の周方向の力を低減して、ストラップバー13からセカンダリーバリア4の溶接部WPに作用するせん断応力を低減することができる。
次に、本発明の第三実施形態について、図1〜図3を援用し、図5を用いて説明する。本実施形態では、ストッパプレート12とカバープレート23との間にローラー30が設けられている点で上述の第一実施形態で説明したアンカー10と異なっている。また、ストッパプレート12の下端面12bとカバープレート23の上端面23tには、固体潤滑剤皮膜が形成されていない。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態のアンカー10Cは、ストッパプレート12とカバープレート23との間に、これらが内槽2の周方向に相対的に移動可能にローラー30が設けられている。ローラー30は、例えばストッパプレート12に固定されたベアリング(図示省略)を備えている。そのベアリングにはシャフト31が支持されている。シャフト31には、回転部用ベアリング(図示省略)が取り付けられ、このベアリングを介して回転部32がシャフト31に取り付けられている。
したがって、ストラッププレート11の上部11tに作用する内槽2の周方向の力を低減して、ストラッププレート11によってセカンダリーバリア4の溶接部WPに作用するせん断応力を低減することができる。
次に、本発明の第四実施形態について、図1及び図2を援用し、図6及び図7を用いて説明する。本実施形態では、ストラッププレート11の上部11tとセカンダリーバリア4との間に摺動部40,50が形成されている点で上述の第一実施形態で説明したアンカー10と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図6及び図7に示すように、本実施形態のアンカー10D及びアンカー10Eは、ストラッププレート11の上部11tとセカンダリーバリア4との間に、内槽2とセカンダリーバリア4との周方向の相対的な変位を許容する摺動部40及び摺動部50がそれぞれ形成されている。
レール部11Rは、例えばセカンダリーバリア4を貫通したストラッププレート11の上端部のセカンダリーバリア4上に、ストラッププレート11の幅W方向(内槽2の周方向)に延びるように形成する。
摺動板11Pは、ストラッププレート11の幅W方向(内槽2の周方向)に摺動可能な状態で、レール部11Rの内部に挿入され、ストッパー20から下方に延びるストラッププレート11に連結されている。
また、レール部11R及び摺動板11Pの互いに対向する摺動面11r,11pの少なくとも一方に、第一実施形態と同様の表面処理を施して、摺動面11r,11pの摩擦係数を低減させるのが好ましい。
したがって、ストラッププレート11からセカンダリーバリア4に作用するせん断応力を低減することができる。
例えば、上述の実施形態ではセカンダリーバリアが設けられている貯蔵タンクについて説明したが、セカンダリーバリアが設けられていない貯蔵タンクに本発明のアンカーを適用できることは言うまでもない。セカンダリーバリアが設けられていない貯蔵タンクに本発明のアンカーを適用することで、例えば外槽のアンカーボックスに作用する内槽の周方向のせん断力を低減することができる。これにより、地震時の応答等により内槽が周方向に変位した場合であっても、アンカーや外槽に破損や変形等の悪影響が及ぶことを防止できる。
また、係止凸部は、係止部の上端面に対向する下端面を有するものであればアンカー本体と一体的に形成されていてもよい。すなわち、上述の実施形態で説明したストラッププレートにストッパプレートを溶接するのではなく、例えばストラッププレートを直接加工して係止凸部を形成してもよい。
また、表面処理は、固体潤滑剤皮膜の形成以外にも、潤滑油等の液体潤滑材の塗布や、研磨処理により行ってもよい。これにより、アンカーの製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。
また、上述の実施形態において、ローラーは、ストッパプレート側ではなくカバープレート側に設けられていてもよい。
また、摺動部は、内槽とカバープレートとの周方向の相対的な変位を許容するものであれば、上述の実施形態で説明した構成に限定されない。
Claims (6)
- 内槽と外槽とを備えた貯蔵タンクの前記内槽を、アンカー本体により前記外槽に係留する貯蔵タンクのアンカーであって、
前記内槽の側板には、前記アンカー本体の上部を係止する係止部が設けられ、
前記アンカー本体は、前記上部が前記係止部よりも前記内槽側に配置され、下方側ほど前記内槽から離間するような傾斜角度で配置され、
前記係止部の前記アンカー本体に対向する対向面が、前記アンカー本体の前記傾斜角度以上の傾斜角度で設けられ、
前記アンカー本体は、前記上部に係止凸部が設けられ、
前記係止凸部は、その下端面が前記係止部の上端面に対向するように配置され、
前記係止凸部の前記下端面は、前記係止部の前記上端面に当接する頂点を有する曲面状に形成され、
前記係止凸部と前記係止部との間には、これらが前記内槽の周方向に相対的に移動可能にローラーが設けられていることを特徴とする貯蔵タンクのアンカー。 - 前記下端面は、球面または楕円球面の一部であることを特徴とする請求項1記載の貯蔵タンクのアンカー。
- 前記アンカー本体は、帯板状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の貯蔵タンクのアンカー。
- 前記アンカー本体は、棒状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の貯蔵タンクのアンカー。
- 前記貯蔵タンクは前記内槽と前記外槽との間にセカンダリーバリアを備え、
前記アンカー本体は前記セカンダリーバリアに固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の貯蔵タンクのアンカー。 - 前記アンカー本体は、前記上部と前記セカンダリーバリアとの間に、前記内槽と前記セカンダリーバリアとの周方向の相対的な変位を許容する摺動部を備えることを特徴とする請求項5記載の貯蔵タンクのアンカー。
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