本発明の実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、以下の説明においては、ソース機器として携帯電話端末を例示し、シンク機器としてテレビジョン受像機(以下「テレビ」と呼称する)を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に、携帯電話端末は、ソース機器として機能する携帯機器の一例に過ぎず、本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型デジタルオーディオプレーヤ、デジタルカメラ等の携帯機器にも適用することができる。
〔システムの構成〕
テレビ1と携帯電話端末2とを含むシステム10の構成について、図2を参照して説明する。図2は、システム10の構成を示す図である。
図2(a)に示すように、システム10は、HDMI入力端子11を備えたテレビ1と、HDMI出力端子21を供えた携帯電話端末2とを含んでおり、テレビ1のHDMI入力端子11と携帯電話端末2のHDMI出力端子21とをHDMIケーブル3によって接続することにより構成される。システム10において、携帯電話端末2は、テレビ1にコンテンツを供給するソース機器として機能し、テレビ1は、携帯電話端末2から供給されたコンテンツを出力するシンク機器として機能する。携帯電話端末2が供給し、テレビ1が出力するコンテンツとしては、映像及び音声の何れか一方又は両方が想定される。
また、図2(b)に示すように、システム10は、N個(ここでは3個)のHDMI入力端子11a〜11cを備えたテレビ1と、N台以下(ここでは3台)の携帯電話端末2a〜2cとを含んでいてもよい。この場合、テレビ1が備えるHDMI入力端子11a〜11cの各々と、携帯電話端末2a〜2cの各々とが、HDMIケーブル3a〜3cによって接続される。なお、図2(b)に示した例では、携帯電話端末2a〜2cを台4a〜4c(後述する充電台4など)に載置することによって、携帯電話端末2a〜2cがHDMIケーブル3a〜3cの一端に接続され、テレビ1と携帯電話端末2a〜2cとのHDMI接続が確立されるようになっている。
なお、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続する接続態様は、図2に示すものに限定されない。図3(a)及び図3(b)に示すように、充電台4を用いてテレビ1と携帯電話端末2とを接続する構成を採用してもよい。
図3(a)に示す充電台4は、HDMI入力端子41と電源端子42とを備えており、携帯電話端末2を載置すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と電源端子22とが、それぞれ、充電台4のHDMI入力端子41と電源端子42とに接続される。充電台4のHDMI入力端子41には、HDMIケーブル43が接続されており、そのHDMIケーブル43の他端をテレビ1のHDMI入力端子11に接続することによって、テレビ1と携帯電話端末2とがHDMI接続される。また、充電台4の電源端子42には、電源ケーブル44が接続されており、その電源ケーブル44の他端に設けられたACアダプターを商用電源に接続することによって、携帯電話端末2に電力を供給することができる。
図3(b)に示す充電台4は、図3(a)に示す充電台4と同様、HDMI入力端子41と電源端子42とを備えており、携帯電話端末2を載置すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と電源端子22とが、それぞれ、充電台4のHDMI入力端子41と電源端子42とに接続される。一端がHDMI入力端子41に接続されたHDMIケーブル43の他端をテレビ1のHDMI入力端子11に接続すれば、テレビ1と携帯電話端末2とをHDMI接続することができる。また、一端が電源端子42に接続された電源ケーブル44の他端をテレビ1に内蔵されたACアダプター12に接続すれば、携帯電話端末2に電力を供給することができる。なお、HDMIケーブル43と電源ケーブル44とを一体化し、1本のケーブルでHDMI接続と電力供給とを同時に行えるようにしてもよい。
また、HDMIケーブル3を介さずに、図3(c)に示すように、テレビ1と携帯電話端末2とを直接HDMI接続する構成を採用してもよい。図3(c)に示すテレビ1には、スロット13が設けられており、携帯電話端末2をスロット13に装填すると、携帯電話端末2のHDMI出力端子21と、スロット13内に設けられたテレビ1のHDMI入力端子41とが直接接続される。なお、携帯電話端末2を側面からテレビ1に装填する構成に代えて、携帯電話端末2を正面からテレビ1のベゼル部(LCDの下方のベゼル部)に装填する構成を採用してもよい。
〔テレビの構成〕
次に、本実施形態に係るテレビ1の構成について、図4を参照して説明する。図4は、テレビ1の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、テレビ1は、3つのHDMI入力端子11a〜11c、HDMIスイッチ11d、HDMIレシーバ100、映像入力端子101a、音声入力端子101b、BDドライブ102、チューナ103、IP放送チューナ104、衛星放送チューナ105、OSD生成部106、映像セレクタ107、映像処理回路108、LCDコントローラ109、LCD(Liquid Crystal Display)110、音声セレクタ111、音声処理回路112、デジタルアンプ113、スピーカ114、イーサネット(登録商標)I/F115、ROM116、RAM117、CPU118、赤外線受光部119、カメラ120、及び、人感センサ121を備えている。図4においては、映像信号の経路を実線で、音声信号の経路を1点鎖線で、データや制御信号の経路(バス)を太線で示している。
(1)HDMIレシーバ100が受信した映像、(2)映像入力端子101aから入力された映像、(3)BDドライブ102がBD(Blu-ray Disc)から読み出した映像、(4)チューナ103が受信した映像、(5)IP放送チューナ104が受信した映像、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した映像は、それぞれ、映像セレクタ107に供給される。また、(1)HDMIレシーバ100が受信した音声、(2)音声入力端子101bから入力された音声、(3)BDドライブ102がBDから読み出した音声、(4)チューナ103が受信した音声、(5)IP放送チューナ104が受信した音声、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した音声は、それぞれ、音声セレクタ111に供給される。
なお、(a)HDMIレシーバ100が何れのHDMI入力端子に接続されるか、すなわち、HDMIスイッチ11dが何れのHDMI入力端子から入力されたコンテンツをHDMIレシーバ100に供給するか、(b)チューナ103が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するか、(c)IP放送チューナ104が何れのサーバから配信されたコンテンツを受信するか、(d)衛星放送チューナ105が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するかを選局する選局制御は、CPU118によって行われる。また、(e)BDドライブ102における再生、停止、早送り、巻戻し、チャプタ遷移などの再生制御も、CPU118によって行われる。
映像セレクタ107は、(1)HDMIレシーバ100から供給された映像、(2)映像入力端子101aから供給された映像、(3)BDドライブ102から供給された映像、(4)チューナ103から供給された映像、(5)IP放送チューナ104から供給された映像、及び、(6)衛星放送チューナ105から供給された映像のうちの何れか1つを選択する。映像セレクタ107によって選択された映像は、映像処理回路108に供給される。なお、映像セレクタ107が何れの映像を選択するかは、CPU118によって制御される。
映像処理回路108は、映像セレクタ107から供給された映像の画質を調整する。また、映像処理回路108は、映像セレクタ107から供給された映像をスケーリングする。ここで、画質の調整とは、例えば、輝度、シャープネス、及び、コントラストの少なくとも何れかを変化させることを指す。また、スケーリングとは、表示すべき映像本来のアスペクト比を保ったままサイズを縮小することを指す。映像処理回路108によって画質調整とスケーリングとを施された映像は、LCDコントローラ109に供給される。なお、映像処理回路108が画質をどのように変化させるか、及び、映像をどの程度縮小するかは、CPU118によって制御される。
LCDコントローラ109は、映像処理回路108から供給された映像が表示されるようにLCD110を駆動する。これにより、映像セレクタ107により選択された映像がLCD110から出力される。なお、OSD生成部106からOSD画像が供給されている場合、LCDコントローラ109は、OSD生成部106から供給されたOSD画像を映像処理回路108から供給された映像に重ねて表示する。
音声セレクタ111は、(1)HDMIレシーバ100から供給された音声、(2)映像入力端子101aから供給された音声、(3)BDドライブ102から供給された音声、(4)チューナ103から供給された音声、(5)IP放送チューナ104から供給された音声、及び、(6)衛星放送チューナ105から供給された音声のうちの何れか1つを選択する。音声セレクタ111によって選択された音声は、音声処理回路112に供給される。なお、音声セレクタ111が何れの音声を選択するかは、CPU118によって制御される。ただし、映像セレクタ107における映像の選択と、音声セレクタ111における音声の選択とは連動しており、例えば、映像セレクタ107がHDMIレシーバ100から供給された映像を選択しているときには、音声セレクタ111もHDMIレシーバ100から供給された音声を選択する。
音声処理回路112は、音声セレクタ111から供給された音声の音量及び音質を調整する。ここで、音質の調整とは、音声セレクタ111から供給された音声の周波数特性を変化させること(例えば、低域の強調や高域の強調など)を指す。音声処理回路112によって音量及び音質を調整された音声は、デジタルアンプ113に供給される。なお、音声処理回路112によって音量及び音質をどのように変化させるかは、CPU118によって制御される。
デジタルアンプ113は、音声処理回路112から供給された音声が出力されるようにスピーカ114を駆動する。これにより、音声セレクタ111により選択された音声がスピーカ114から出力される。
CPU118は、赤外線受光部119が受信したリモコン信号、カメラ120が撮像した画像、及び、人感センサ121が出力する出力信号に応じて上記各部を制御する。人感センサ121の出力信号は、その感知範囲内に視聴者が存在するか否かを示す2値信号である。赤外線受光部119を用いた制御としては、例えば、チューナ103にて選択するチャンネルをリモコン信号に応じて切り替える制御や、映像セレクタ107及び音声セレクタ111にて選択する映像及び音声をリモコン信号に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、カメラ120を用いた制御としては、例えば、映像処理回路108において画質をどのように調整するかを、撮像した画像に基づいて特定した視聴者に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、人感センサ121を用いた制御としては、例えば、LCD110のバックライトを点灯するか消灯するかを、感知結果に応じて切り替える制御などが挙げられる。
また、CPU118は、HDMIレシーバ100が携帯電話端末2から受信したCECコマンドを実行したり、HDMIレシーバ100が携帯電話端末2に送信するCECコマンドを生成したりすることによって、携帯電話端末2との連携動作を実現する。CECコマンドを用いたテレビ1と携帯電話端末2との連携動作については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
ROM116は、CPU118によって実行されるプログラムなどの固定データが格納される、読み出し可能かつ書き込み不能なメモリである。OSD画像を生成するためにOSD生成部106が参照するJPEGデータやSVG(Scalable Vector Graphics)データなども、このROM116に格納される。一方、RAM117は、CPU118が演算のために参照するデータ、及び、CPU118が演算によって生成したデータなどの可変データが格納される、読み出し可能かつ書き込み可能なメモリである。
イーサネットI/F115は、テレビ1をネットワークに接続するためのインターフェースである。上述したIP放送チューナ104は、このイーサネットI/F115を介してインターネット上のサーバにアクセスする。
〔携帯電話端末の構成〕
次に、携帯電話端末2の構成について、図5を参照して説明する。図5は、携帯電話端末2の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、携帯電話端末2は、HDMI出力端子21、HDMIトランスミッタ200、マイクロUSB端子201、マイクロUSB・I/F202、Bluetooth(登録商標)・I/F203、WLAN(Wireless LAN)・I/F204、メモリカード205(着脱可能)、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード206(着脱可能)、GPS(Global positioning system)207、RF部211、音声CODEC212、メインコントローラ213、RTC(Real Time Clock)部214、キースキャン部215、充電回路216、電源レギュレータ217、電池残量検出部218、電池219、LCDコントローラ220、LCD221、タッチパネル222、カメラ223、DTV部224、FLASHメモリ225、及び、RAM226を備えている。図5においては、メインコントローラ213と共に主基板上に実装されるブロックを点線で囲んで示している。
携帯電話端末2は、(1)主にRF部211と音声CODEC部212とにより実現される通話機能、(2)主にカメラ223により実現される撮像機能、(3)主にDTV部224により実現されるワンセグ放送の受信機能、(4)主に電池219と電源レギュレータ217とにより実現される給電機能、(5)主に充電回路216と電池残量検出部218と電池219によって実現される充電機能、(6)主にBluetooth・I/F203又はWLAN・I/F204によって実現される無線通信機能、(7)主にGPS207によって実現される位置管理機能、(8)主にRTC部214によって実現される時間管理機能、(9)主にキースキャン部215又はタッチパネル222によって実現されるユーザ操作検知機能を有している。ただし、これらの機能は、従来の携帯電話端末2が備えている通常の機能であるため、ここではその説明を省略する。
携帯電話端末2は、これらの機能の他に、コンテンツを再生するコンテンツ再生機能を有している。携帯電話端末2が再生可能なコンテンツとしては、静止画、動画、音声などが挙げられる。静止画、動画、又は音声の再生は、例えば、メインコントローラ213がFLASHメモリ226から読み出した静止画データ(JPEGデータ等)、動画データ(MPEGデータ等)、又は音声データ(MP3データ等)をデコードすることによって実現される。FLASHメモリ226の代わりに、MicroUSB端子に接続されたUSBデバイス、あるいは、メモリカード205から読み出した静止画データ、動画データ、又は音声データをデコードするようにしてもよい。メインコントローラ213によってデコードされたコンテンツは、HDMIトランスミッタ200に供給される。HDMIトランスミッタ200は、メインコントローラ213から供給されたコンテンツを、HDMIケーブル3を介して接続されたテレビ1に送信する。
また、携帯電話端末2は、通信用アプリケーションの実行機能を有している。携帯電話端末2が実行可能な通信用アプリケーションには、RF211部による基地局との通信を利用するものと、Bluetooth・I/F203又はWLAN・I/F204による近距離無線通信を利用するものとがある(インターネットを利用するアプリケーションは、前者の通信用アプリケーションとしても後者の通信用アプリケーションとしても実装することが可能である)。通信用アプリケーションの具体例としては、電子メールクライアントやウェブブラウザなどの汎用アプリケーションに加え、各種ウェブサービスを利用するための専用アプリケーションなどが挙げられる。例えば、ニュースや渋滞情報などの文字情報を配信するプッシュ型情報サービスは、そのようなウェブサービスの一例である。
更に、メインコントローラ213は、HDMIトランスミッタ200がテレビ1から受信したCECコマンドを実行したり、HDMIトランスミッタ200がテレビ1に送信するCECコマンドを生成したりすることによって、テレビ1との連携動作を実現する。たとえば、HDMIトランスミッタ200が<Give Physical Address>コマンドを受信すると、メインコトローラ213は、自身の物理アドレスと論理アドレス(Playback Device)とを引数とする引数とする<Report Physical Address>コマンドをHDMIトランスミッタ200に送信させる。また、HDMIトランスミッタ200が<Give Device Type>コマンドを受信すると、メインコトローラ213は、自身のデバイスタイプ(Mobile Phone)を引数とする<Report Device Type>コマンドをHDMIトランスミッタ200に送信させる。CECコマンドを用いたテレビ1と携帯電話端末2との連携動作については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
〔HDMIトランスミッタおよびHDMIレシーバの詳細〕
次に、図6を参照して、テレビ1が備えているHDMIレシーバ100と、携帯電話端末2が備えているHDMIトランスミッタ200とについて、もう少し詳しく説明する。図6は、HDMIレシーバ100及びHDMIトランスミッタ200の構成を示したブロック図である。
HDMIケーブル3は、コンテンツ(映像信号および音声信号)を伝送するTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ラインと、CEC(Consumer Electronics Control)コマンドを伝送するCECラインと、EDID(Extended Display Identification Data)を伝送するDDC(Display Data Cannel)ラインと、HPD(Hot Plug Detect)信号を伝送するHPDラインと、接続検知のためにソース機器によって電圧(対グランド電位)が5Vに制御される5V電力ラインとを備えている。
HDMIレシーバ100は、TMDSレシーバ151、CEC・I/F152、DDC・I/F153、HPD制御部154、5V電力検知部155、及び、EDID格納部156を備えている。HDMIレシーバ100の各部は、CPU118によって制御される。
TMDSレシーバ151は、HDMIケーブル3のTMDSラインを介して伝送されたコンテンツを受信するためのインターフェースである。TMDSレシーバ151が受信したコンテンツは、映像セレクタ107及び音声セレクタ111に供給される。
CEC・I/F152は、HDMIケーブル3のCECラインを介して伝送されたCECコマンドを受信するためのインターフェースである。CEC・I/F152が受信したCECコマンドは、CPU118に供給される。また、CEC・I/F152は、HDMIケーブル3のCECラインを介してCECコマンドを送信するためのインターフェースである。CEC・I/F152が送信するCECコマンドは、CPU118から供給される。
DDC・I/F153は、HDMIケーブル3のDDCラインを介してEDIDを送信するためのインターフェースである。DDC・I/F153が送信するEDIDは、EDID格納部156から読み出される。
5V電力検知部155は、HDMIケーブル3の5V電力ラインが接続される5V電力ピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。5V電力ピンの電圧が5Vに立ち上がったことを検知すると、5V電力検知部155は、HDMIトランスミッタ200との接続が確立されたことをCPU118及びHPD制御部154に通知する。HPD制御部154は、5V電力検知部155からこの通知を受けると、HDMIケーブル3のHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をHレベルに立ち上げる。HDMIトランスミッタ200は、HDMIケーブル3のHPDラインに接続されるHPDピンの電圧がHレベルに立ち上がると、HDMIレシーバ100のEDID格納部156に格納されたEDIDを、DDCラインを介して読み出す。
(HDMIトランスミッタ200の詳細)
HDMIトランスミッタ200は、TMDSトランスミッタ251、CEC・I/F252、DDC・I/F253、HPD検知部254、及び、5V電力制御部255を備えている。HDMIトランスミッタ200の各部はメインコントローラ213によって制御される。
TMDSトランスミッタ251は、HDMIケーブル3のTMDSラインを介してコンテンツを送信するためのインターフェースである。TMDSトランスミッタ251が送信するコンテンツは、メインコントローラ213によってデコードされたコンテンツである。
CEC・I/F252は、HDMIケーブル3のCECラインを介して伝送されたCECコマンドを受信するためのインターフェースである。CEC・I/F252が受信したCECコマンドは、メインコントローラ213に供給される。また、CEC・I/F252は、HDMIケーブル3のCECラインを介してCECコマンドを送信するためのインターフェースである。CEC・I/F252が送信するCECコマンドは、メインコントローラ213から供給される。
DDC・I/F253は、HDMIケーブル3のDDCラインを介して伝送されたEDIDを受信するためのインターフェースである。DDC・I/F253が受信したEDIDは、メインコントローラ213を介してRAM227に記憶される。
HDMIレシーバ100がHDMIトランスミッタ200に接続されたことを検知できるよう、5V電力制御部255は、HDMIケーブル3の5V電力ラインに接続される5V電力ピンの電圧を5Vに制御する。HPD検知部254は、HDMIケーブル3のHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。HPDピンの電圧がHレベルに立ち上がったことを検知すると、HPD検知部254は、シンク機器との接続が確立されたことをメインコントローラ213及びDDC・I/F253に通知する。DDC・I/F253は、HPD検知部254からこの通知を受けると、HDMIレシーバ100のDDC・I/Fを介して、EDID格納部156に格納されているEDIDを読み出す。
なお、HDMIケーブルによって接続された機器間で送受信されるCECコマンドには、送信元および/または送信先の論理アドレスおよび/または物理アドレスが引数として含まれる。HDMIケーブルによって接続された各機器は、CECコマンドに含まれる論理アドレスおよび/または物理アドレスによって、そのCECコマンドの送信元および/または送信先を特定する。
ここで、論理アドレスは、機器種別(テレビ、レコーダ、プレーヤ、チューナ、オーディオの何れか)を示す1から15までの自然数によって表現される。例えば、テレビには論理アドレス「0」が割り振られ、1台目のレコーダには論理アドレス「1」が割り振られる、2台目のレコーダには論理アドレス「2」が割り振られる。なお、論理アドレスと機器種別との対応関係は、下表のように定められている。本明細書においては、下表における「TV」、「Recording Device1〜3」、「Playback Device1〜3」、「Tuner1〜4」、及び「Audio System」のことを、それぞれ、「テレビ」、「レコーダ」、「プレーヤ」、「チューナ」、及び「オーディオ」とも記載する。
一方、物理アドレスは、ソース機器からのパスを示す4桁の自然数によって表現される。例えば、シンク機器(テレビ)のx番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Xには物理アドレス(x,0,0,0)が割り振られ、ソース機器Xのy番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Yには物理アドレス(x,y,0,0)が割り振られる。図4に示した構成においては、HDMI入力端子11aに接続されたソース機器に物理アドレス(1,0,0,0)が割り振られ、HDMI入力端子11bに接続されたソース機器に物理アドレス(2,0,0,0)が割り振られる。なお、シンク機器であるテレビには物理アドレス(0,0,0,0)が割り振られる。
〔携帯電話端末のメインコントローラが有する機能〕
次に、テレビ1との連係動作を実現するために、携帯電話端末2のメインコントローラ213が有する機能について、図1を参照して説明する。図1は、携帯電話端末2のメインコントローラ213、及び、テレビ1のCPU118が有する機能を表現した機能ブロック図である。なお、図1に示すブロック図は、メインコントローラ213及びCPU118が有する各種機能のうち、本発明に特有なものを表現したものであり、メインコントローラ213及びCPU118が、図1に示されていない機能を有していてもよいことは言うまでもない。
図1に示すように、携帯電話端末2のメインコントローラ213は、通話アプリケーション301、電子メールクライアント302、プッシュ型情報配信サービスクライアント303、及び、コマンド処理部304を備えている。
通話アプリケーション301は、音声通話機能及びTV電話機能を実現するためのアプリケーションである。通話アプリケーション301は、音声通話を着信すると、呼出処理を開始すると共に、呼出開始をコマンド処理部304に通知する。また、通話処理を開始することなく呼出処理を終了した場合(すなわち、ユーザが呼出に応じなかった場合)、呼出終了をコマンド処理部304に通知すると共に、発信元の電話番号を着信履歴としてRAM226に記録する。テレビ電話を着信したときにも同様の処理を実行する。
電子メールクライアント302は、電子メールを送受信するためのアプリケーションである。電子メールクライアント302は、電子メールを受信すると、電子メールを受信した旨をコマンド処理部304に通知すると共に、送信元のメールアドレスを受信履歴としてRAM226に記録する。
プッシュ型情報配信サービスクライアント303は、プッシュ型情報配信サーバから配信された文字情報(以下「プッシュ型情報」と呼称する)を受信すると、受信したプッシュ型情報をコマンド処理部304に通知すると共に、受信したプッシュ型情報をRAM226に格納する。
コマンド処理部304は、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させるためのコマンドを発行する手段である。具体的には、以下のように動作する。
コマンド処理部304は、通話アプリケーション301から呼出開始が通知されると、携帯電話端末2の状態が「音声通話着信中状態」に遷移したと判断し、「音声通話着信中状態」に対応するイベントID=5を含む〈Report Mobile Event〉コマンドを、CEC・I/F252を介してテレビ1に発行する。また、コマンド処理部304は、通話アプリケーション301から呼出終了が通知されると、携帯電話端末2の状態が「非音声通話着信中状態」に遷移したと判断し、「音声通話着信中」である旨の表示をクリアさせるためのコマンドを、CEC・I/F252を介してテレビ1に発行する。
ここで、〈Report Mobile Event〉コマンドは、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させるためのコマンドである。本実施形態においては、テレビ1に「音声通話着信中」である旨の表示をクリアさせるためにも、また、後述するように、テレビ1にプッシュ型情報を送信するためにも、この〈Report Mobile Event〉コマンドを利用する。なお、〈Report Mobile Event〉コマンドの詳細については、参照する図面を代えて後述する。
また、コマンド処理部304は、電子メールクライアント302から電子メールを受信した旨の通知を受けると、携帯電話端末2の状態が「新着メールあり」に遷移したと判断し、「新着メールあり」状態に対応するイベントID=9を含む〈Report Mobile Event〉コマンドを、CEC・I/F252を介してテレビ1に発行する。
また、コマンド処理部304は、プッシュ型情報配信サービスクライアント303からプッシュ型情報を取得すると、取得したプッシュ型情報を、CEC・I/F252を介してテレビ1に送信する。上述したとおり、本実施形態においては、テレビ1にプッシュ型情報を送信するためにも〈Report Mobile Event〉コマンドを利用する。
更に、コマンド処理部304は、HPD検知部254によってテレビ1との接続が確立されたことが検知されたときにも、〈Report Mobile Event〉コマンドを使って、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させる。また、コマンド処理部304は、テレビ1から要求(Request Mobile Functionコマンド、詳細については後述)を受けたときにも、〈Report Mobile Event〉コマンドを使って、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させる。この際、コマンド処理部304がテレビ1に表示させる状態は、何れの場合も、RAM226に蓄積されている着信履歴及び受信履歴の件数によって指定される状態(「新着メールA件、不在着信B件」として表現し得る状態)である。なお、「新着メールA件、不在着信B件」という状態を指定するためには、対応するイベントID=4に加えて、2つのパラメータA及びBとが用いられる。
なお、コマンド処理部304は、HPD検知部254によってテレビ1との接続が確立されたことが検知されたとき、及び、テレビ1から要求(Request Mobile Functionコマンド)を受けたときにテレビ1に表示させる状態は、着信履歴及び受信履歴の件数によって指定される状態に限らない。例えば、着信履歴及び受信履歴の件数によって指定される状態の代わりに、音声通話もしくはテレビ電話の着信履歴の有無、又は、電子メールの受信履歴の有無によって指定される状態(「新着メールあり」「不在着信あり」として表現し得る状態)をテレビ1に表示させるようにしてもよい。
携帯電話端末2の状態と、携帯電話端末2が〈Report Mobile Event〉コマンドに含めるイベントIDとの関係は、下表のように整理される。
図7は、〈Report Mobile Event〉コマンドのデータ構造を示す図である。〈Report Mobile Event〉コマンドは、フォーマットID(同図において「Format_ID」)、優先順位指定情報(同図において「優先順位」)、ガイド表示指定情報(同図において「ガイド表示有無」)、イベントID、表示期間指定情報(同図において「表示時間」)、表示位置指定情報(同図において「表示位置」)、アイコンID、効果音ID、文字色指定情報(同図において「文字色」)、背景色指定情報(同図において「背景色」)、パラメータ1(同図において「Parameter1」)、及び、パラメータ2(同図において「Parameter2」)が連接されてなる引数をもつ。
フォーマットIDは、後続する引数のデータ構造を示す。例えば、フォーマットID「0000」は、優先順位指定情報、ガイド表示指定情報、及び、イベントIDがこの順で後続することを示し、フォーマットID「0001」は、優先順位指定情報、ガイド表示指定情報、イベントID、及び、パラメータ1がこの順で後続することを示す。
優先順位指定情報は、テレビ1がどの〈Report Mobile Event〉コマンドを優先して実行すべきか(どの〈Report Mobile Event〉コマンドに含まれるイベントIDにより指定される状態を優先して表示すべきか)を指定する情報である。優先順位指定情報は、0〜15の値をとる。優先度が最も高い〈Report Mobile Event〉コマンドにおいては、優先順位指定情報の値が0に設定され、優先度が最も低い〈Report Mobile Event〉コマンドにおいては、優先順位指定情報が15に設定される。
イベントIDは、携帯電話端末2の状態を指定する情報である。イベントIDにより指定可能な状態としては、先に示した表2に示す各状態が挙げられる。表2において、「音声通話着信中」は、音声通話の着信後、呼出中の状態を示し、「不在音声着信あり」は、通話が実現することなく呼出が解除された音声通話の着信履歴が蓄積されている状態を示す。また、「テレビ電話着信中」は、テレビ電話の着信後、呼出中の状態を示し、「不在テレビ電話着信あり」は、通話が実現することなく呼出が解除されたテレビ電話の着信履歴が蓄積されている状態を示す。また、「新着メールあり」とは、受信した電子メールが未確認のまま蓄積されている状態を示す。更に、「新着メールA件、不在着信B件」は、受信したA件の電子メールが未確認のまま蓄積され、かつ、通話が実現することなく呼出が解除された音声通話の着信履歴がB件分蓄積されていることを示す。
ガイド表示指定情報は、操作方法を示す操作ガイドを、携帯電話端末2の状態と共にテレビ1に表示させるか否かを指定する情報である。ガイド表示指定情報は、0又は1の値をとる。操作ガイドを表示させない場合には、ガイド表示指定情報の値が0に設定され、操作ガイドを表示させる場合には、ガイド表示指定情報の値が1に設定される。
表示期間指定情報は、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させる期間を指定する情報である。具体的には、表示を継続する時間が予め定められた単位時間の何倍かを指定する。表示期間指定情報が省略された場合、テレビ1は、予め定められた単位時間の2倍の時間に渡って携帯電話端末2の状態を表示する。表示位置指定情報は、携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示させる位置を指定する情報である。具体的には、予め定められた表示位置(ここではディスプレイの右下隅、右上隅、左下隅、左上、又は中央)の何れかを指定する。表示位置指定情報が省略された場合、テレビ1は、ディスプレイの右下隅に携帯電話端末2の状態を表示する。表示位置指定情報によって、右下隅、右上隅、左下隅、左上、又は中央以外のディスプレイ上の位置を指定することができるようにしてもよい。例えば、チャンネルコール欄に表示するといった指定も可能である。
アイコンID(アイコン指定情報)は、携帯電話端末2の状態と共にテレビ1に表示させるアイコンを指定する情報である。アイコンIDが省略された場合、テレビ1は、アイコンを表示しない。効果音ID(効果音指定情報)は、携帯電話端末2の状態と共にテレビ1に出力させる効果音を指定する情報である。効果音IDが省略された場合、テレビ1は、効果音を出力しない。
文字色指定情報は、携帯電話端末2の状態を示すテキストの文字色を指定する情報である。文字色指定情報が省略された場合、テレビ1は、予め定められたデフォルトの文字色(例えば黒)で携帯電話端末2の状態を示すテキストを表示する。背景色指定情報は、携帯電話端末2の状態を示すテキストの背景色を指定する情報である。背景色指定情報が省略された場合、テレビ1は、予め定められたデフォルトの背景色(例えば白)の上に、携帯電話端末2の状態を示すテキストを表示する。
なお、〈Report Mobile Event〉コマンドに含める各パラメータの値は、〈Report Mobile Event〉コマンドに含めるイベントIDに応じて、例えば、下表のように設定される。
なお、本実施形態においては、図7に示すように、フォーマットID=1100に設定された〈Report Mobile Event〉コマンドを、携帯電話端末2からテレビ1に8バイトの文字列を送信するために使用する。
なお、本実施形態においては、フォーマットID=0000に設定され、かつ、イベントID=0に設定された〈Report Mobile Event〉コマンドを、テレビ1における携帯電話端末2の状態表示をクリアするために使用する。また、フォーマットID=0000に設定され、かつ、イベントID=1に設定されたコマンドを、テレビ1の文字列バッファをクリアするために使用する。
更に、本実施形態においては、フォーマットID=1100に設定され、かつ、イベントID=2に設定された〈Report Mobile Event〉コマンドを、携帯電話端末2からテレビ1に文字列(8バイト分)を伝送するために使用する。〈Report Mobile Event〉コマンドをN回用いることによって、8×Nバイトの文字列を分割伝送することができる。このように伝送された文字列は、各〈Report Mobile Event〉コマンドに含まれる文字列順序指定情報(同図において「文字列順番」)に関連付けて文字列バッファに格納される。また、また、フォーマットID=000に設定され、かつ、イベントID=3に設定された〈Report Mobile Event〉コマンドを、テレビ1に文字列の表示開始を指示するために使用する。このコマンドを受けたテレビ1は、文字列バッファに蓄積された各文字列を文字列順序指定情報により指定される順序で連結することによって元の文字列を再構築し、再構築した文字列の表示を開始する。このような仕組みを採用することによって、プッシュ型情報配信サービスにより提供されるニュースなどの長い文字列であっても、CECコマンドを用いてテレビ1に伝送することが可能になる。
〔テレビのCPUが有する機能〕
再び図1を参照して、テレビ1のCPUが有する機能について説明する。テレビ1のCPU118は、UI部305及び入力ソース選択部307として機能する。
UI部305は、携帯電話端末2によって発行された〈Report Mobile Event〉コマンドに応じたテキストをOSD表示するための構成である。UI部305は、OSD表示すべきテキストをRAM117に格納されたテーブルを参照して決定する。このテーブルには、〈Report Mobile Event〉コマンドに含まれるイベントIDと、〈Report Mobile Event〉コマンドに応じてOSD表示すべきテキストとが関連付けて格納されており、UI部305は、〈Report Mobile Event〉コマンドに含まれるイベントIDからOSD表示すべきテキストを導出することができる。下表は、そのようなテーブルの一例である。
また、UI部305は、上記のテーブルから導出したテキストをOSD表示する表示期間及び表示位置を、〈Report Mobile Event〉コマンドに含まれる表示期間指定情報及び表示位置指定情報に応じて設定する。なお、携帯電話端末2から表示期間及び表示位置が重複する2つの〈Report Mobile Event〉コマンドを受信した場合には、どちらのテキストを表示するかを、それら2つの〈Report Mobile Event〉コマンドの各々に含まれる優先順位指定情報を比較することによって決定する。
また、UI部305は、上記のテーブルから導出したテキストと共に表示するアイコンをアイコンIDに基づいて設定し、上記テーブルから導出したテキストを表示するのと同時に鳴らす効果音を効果音IDに基づいて設定する。更に、上記のテーブルから導出したテキストの表示する際の文字色、及び、上記のテーブルから導出したテキストの背景色を、文字色指定情報、及び、背景色指定情報に基づいて設定する。
なお、本実施形態において、UI部305がイベントIDに応じたテキストのOSD表示を開始するタイミングは、そのイベントIDを含む〈Report Mobile Event〉コマンドを受信した直後であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、UI部305がイベントIDに応じたテキストのOSD表示を開始するタイミングを、CM開始タイミングまで遅延する構成を採用してもよい。これにより、CM以外の番組の視聴を阻害されることなく、携帯電話端末2の状態をOSD表示することが可能になる。
〔Report Mobile Errorコマンドについて〕
次に、携帯電話端末2のコマンド処理部304が発行するReport Mobile Errorコマンドについて説明する。
携帯電話端末2のコマンド処理部304は、携帯電話端末2でエラーが発生した場合、エラーが発生したことをテレビ1に表示させるためのコマンドを、テレビ1に発行する。コマンド処理部304は、発生したエラーの状態を指定するエラーID(状態指定情報)を含むコマンド(エラー通知コマンド)をテレビ1のUI部305に送信する。なお、エラー通知コマンドとして、本実施形態においては、本願において開示する新規なベンダコマンドである<Report Mobile Error>コマンドを使用する。
テレビ1のUI部305は、受信したエラー通知コマンドに含まれるエラーIDに関連付けられた処理内容をテレビ1のRAM117から読み出す。以下の表に、テレビ1のRAM117に格納されている、エラーIDに対応付けられているテレビ1の処理内容の例を示す。
〔Request Mobile Functionコマンドについて〕
次に、テレビ1のUI部305が発行するRequest Mobile Functionコマンドについて説明する。
コマンド処理部304は、〈Request Mobile Function〉コマンドをテレビ1から取得し、取得した〈Request Mobile Function〉コマンドに含まれるリクエストID(処理指定情報)によって指定された処理の実行を各部に指示する。
以下の表に、リクエストIDに携帯電話端末2の処理内容の例及びテレビ1からの<Request Mobile Function>コマンドの内容の例を示す。
テレビ1から送信された<Request Mobile Function>コマンドに含まれるリクエストIDが「1」の場合、要求される処理は受信メールの内容表示である。携帯電話端末2は、受信メールの内容を表示するための受信メール画面をテレビ1に表示させる処理を行う。つまり、コマンド処理部304は、携帯電話端末2に表示される受信メール画面を、テレビ1の画面サイズに合わせてスケーリングした受信メール画面を生成するよう電子メールクライアント302に指示する。電子メールクライアント302により生成された受信メール画面を表す映像信号は、TMDSトランスミッタ251からテレビ1に供給される。
即ち、受信メールの内容は映像信号としてTMDSトランスミッタ251からテレビ1に供給される。TMDSトランスミッタ251のラインは、広帯域のラインである。このラインを使用することで、受信メールの内容が大量になった場合であっても、受信メールの内容を高速にテレビ1に表示することができる。一方、このラインはコンテンツ(映像、音声など)を送信するためのものである。そこで、このラインを使用するために、電子メールクライアント302は、受信メールの内容から受信メール画面を表す映像信号を生成している。
図8は、受信メール画面の例を示す図である。図8(a)及び(b)は、携帯電話端末2のLCD221に表示される受信メール画面の例であり、図8(c)は、テレビ1のLCD110に表示される受信メール画面の例である。電子メールクライアント302は、図8(a)もしくは(b)に示すような携帯電話端末2に表示される受信メール画面を、テレビ1の画面サイズに合わせてスケーリングする。これにより、テレビ1に受信メール画面を表示させることができる。
電子メールクライアント302に受信メール画面の生成を指示した後、コマンド処理部304は、携帯電話端末2にHDMI接続しているシンク機器であるテレビ1に対し、携帯電話端末2に入力ソースの切り替えを要求する。シンク機器への要求は、CECコマンドとしてCEC・I/F252から送信する。入力ソースの切り替えを要求するCECコマンドとして、本実施形態においては<Active Source>コマンドを想定する。
テレビ1の入力ソース選択部307は、携帯電話端末2から<Active Source>コマンドを受信すると、その<Active Source>コマンドに含まれる物理アドレスにより指定されるソース機器(本実施形態の場合、携帯電話端末2)に入力ソースを切り替えると共に、その物理アドレスを引数とする<Set Stream Path>コマンドをテレビ1に接続されている各ソース機器に送信する。ここで、物理アドレス(x,y,z,w)により指定されるソース機器に入力ソースを切り替えるとは、x番目のHDMI入力端子がHDMIレシーバ100に接続されるよう、HDMIスイッチ11dを制御することを指す。その後、<Set Stream Path>コマンドを送信、テレビ1と<Active Source>コマンドを送信したソース機器との間にパスが通るよう、これらの間に介在する機器に入力ソースの切り替えを指示する。これにより、電子メールクライアント302によって生成された受信メール画面が、確実にテレビ1に表示される。
また、テレビ1から送信された<Request Mobile Function>コマンドに含まれるリクエストIDが「0」の場合、要求される処理は着信履歴及び受信履歴の表示である。携帯電話端末2は、不在着信件数(着信履歴)及び新着メール件数(受信履歴)をテレビ1に表示させる。つまり、コマンド処理部304は、RAM226に格納されている不在着信件数及び新着メール件数を取得する。取得した不在着信件数及び新着メール件数を含む〈Report Mobile Event〉コマンドを発行するようコマンド処理部304に通知する。コマンド処理部304は、不在着信件数及び新着メール件数を示すイベントIDをRAM226から取得し、該イベントID、不在着信件数及び新着メール件数を含む〈Report Mobile Event〉コマンドを発行する。これにより、テレビ1に不在着信件数及び新着メール件数を表示させることができる。
なお、表6で挙げたリクエストID、リクエストIDに対応付けられている携帯電話端末2の処理内容及び、リクエスト内容はこれに限定されるものではない。
図9は、イベント画面を含む表示画面(テレビ1のLCD110に表示される画面)の構成例を示す図である。図9(a)は、携帯電話端末2に音声着信があった場合の表示画面の表示例である。ここでは、テレビ1が受信した地上波デジタル放送の映像60aが表示されると共に、UI部305からの指示によって生成された音声通話着信中のイベントを示すイベント画面50aがOSD表示されている。図9(b)は、携帯電話端末2がメールを受信した場合の表示画面の表示例である。ここでは、BDドライブ102が再生している映像60bが表示されると共に、UI部305からの指示によって生成されたメール受信のイベントを示すイベント画面50bがOSD表示されている。また、イベント画面50bは、ガイド表示51を含んでいる。ユーザは、ガイドに従い、テレビ1を操作することによって、表6に示すようなリクエスト内容の処理を要求することができる。
なお、ここでは、イベント画面50a及びイベント画面50bがテレビ1にOSD表示されている場合の構成として、地上波デジタル放送の映像、及び、BDドライブが再生している映像を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、(1)HDMIレシーバ100から供給された映像、(2)映像入力端子101aから供給された映像、(3)BDドライブ102から供給された映像、(4)チューナ103から供給された映像、(5)IP放送チューナ104から供給された映像、及び、(6)衛星放送チューナ105から供給された映像などが挙げられる。つまり、テレビ1に表示されている映像が、どのような映像であっても、イベント画面をOSD表示することが可能である。
(コマンド発行処理の具体例)
携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立されているときに、携帯電話端末2にて実行されるコマンド発行処理の具体例について、図10〜図13を参照して説明する。なお、上述した本実施形態にて使用する<Report Mobile Event>コマンドに含まれるイベントID及び該イベントIDに関連付けられた携帯電話端末2の状態をテレビ1に表示するために必要な情報は、該イベントIDのみで表現し、該イベントIDを括弧([])で括って示す。また、<Request Mobile Function>コマンドに含まれるリクエストID、及び、<Report Mobile Error>コマンドに含まれるエラーIDも同様に括弧([])で括って示す。
図10は、携帯電話端末2に音声着信があった時、携帯電話端末2にて実行されるコマンド発行処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すフローチャートに含まれる各ステップについて順に説明すれば以下のとおりである。
ステップS11:通話アプリケーション301は、音声通話を着信すると、コマンド処理部304に音声通話着信中(呼出中)である旨の通知を行う。コマンド処理部304は、テレビ1に対し、音声通話着信中のイベントIDを含むコマンド<Report Mobile Event>[5]を発行する。
ステップS12〜S13:通話アプリケーション301は、呼出を実行している間、m秒毎(mは、自然数)にコマンド処理部304に音声通話着信中である旨の通知を繰り返す。上記秒数は、<Report Mobile Event>[5]に含まれる表示時間(n秒とする)より短い時間に設定する(m<n)。これは、テレビ1に表示されるイベント画面が携帯電話に音声着信がある間、表示され続けるようにするためである。コマンド処理部304は、通話アプリケーション301から音声通話着信中のである旨の通知を受けると、<Report Mobile Event>[5]をテレビ1に対して再度発行する。
ステップS14:通話アプリケーション301は、呼出が終了すると、呼出が終了した旨をコマンド処理部304に通知する。コマンド処理部304は、テレビ1に対し、音声着信終了のイベントIDを含むコマンド<Report Mobile Event>[0]を発行する。
ステップS15〜S16:通話アプリケーション301は、該音声着信が不在着信であるか否かを判断し、不在着信ではない場合、処理を終了する。通話が成立することなく呼出が終了した場合は、不在着信である。不在着信である場合、通話アプリケーション301はコマンド処理部304に不在着信となった旨を通知する。コマンド処理部304は、不在着信発生のイベントIDを含むコマンド<Report Mobile Event>[6]をテレビ1に対して発行する。
ステップS17〜S18:コマンド処理部304は、テレビ1から着信情報の詳細表示を要求する要求コマンド<Request Mobile Function>[0]を受信した場合、RAM226から不在着信件数及び新着メール件数を取得し、取得した不在着信件数及び新着メール件数を含む〈Report Mobile Event〉コマンドを発行するようコマンド処理部304に通知する。コマンド処理部304は、不在着信件数及び新着メール件数を示すイベントIDをRAM226から取得し、該イベントID、不在着信件数及び新着メール件数を含むコマンド<Request Mobile Function>[4]を、テレビ1に対して発行する。
図11は、コマンド発行処理の実行例であって、携帯電話端末2とテレビ1との間でHDMI接続が確立され、携帯電話端末2に音声着信があった時の実行例を示すシーケンス図である。図11に示すように、携帯電話端末2に音声着信があった時、音声通話着信中はテレビ1にイベント画面が表示され続けるように、<Report Mobile Event>[5]を送信し、着信が終了した時に<Report Mobile Event>[0]を送信する。テレビ1は<Report Mobile Event>[0]を受信するとイベント画面の表示を終了する。また、テレビ1に不在着信がある旨のイベント画面が表示され、ユーザの操作によって、着信情報の詳細表示要求が携帯電話端末2に送信された場合、携帯電話端末2は、コマンド処理部304は、不在着信件数及び新着メール件数を示すイベントID、不在着信件数及び新着メール件数を含むコマンド<Request Mobile Function>[4]をテレビ1に送信することで、不在着信件数と新着メール件数をイベント画面に表示させる。
図12は、携帯電話端末2が電子メールを受信した時、携帯電話端末2にて実行されるコマンド発行処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すフローチャートに含まれる各ステップについて順に説明すれば以下のとおりである。
ステップS21:電子メールクライアント302は、電子メールを受信した場合、コマンド処理部304に電子メールを受信した旨の通知を行う。コマンド処理部304は、テレビ1に対し、電子メール受信のイベントIDを含むコマンド<Report Mobile Event>[9]を発行する。
ステップS22〜S24:コマンド処理部304は、テレビ1から受信メールの詳細表示要求コマンド<Request Mobile Function>[1]を受信した場合、電子メール機能である電子メールクライアントに受信メール画面を表示させる。電子メールクライアントが応答しない場合、コマンド処理部304は、受信メールの表示機能が使用できない旨のエラーを表示させるエラー通知コマンド<Report Mobile Error>[1]をテレビ1に対して発行する。
ステップS25:電子メールクライアント302は、携帯電話端末2に表示する受信メール画面をスケーリングして、テレビ1に表示する受信メール画面を生成する。そして、生成した受信メール画面を表す映像信号を、TMDSトランスミッタ251からテレビ1に供給する。
ステップS26:コマンド処理部304は、起動コマンドである<Text View On>をテレビ1に対して送信する。
ステップS27: コマンド処理部304は、入力ソース切り替え要求コマンドである<Active Source>コマンドをテレビ1に対して送信する。
ステップS28:コマンド処理部304は、入力ソース切り替え指示コマンドである<Set Stream Path>を受信する。これにより、テレビ1の入力を携帯電話端末2に切り替えることができる。
図13は、コマンド発行処理の実行例であって、携帯電話端末2とテレビ1との間でHDMI接続が確立され、携帯電話端末2が電子メールを受信した時の実行例を示すシーケンス図である。図13に示すように、携帯電話端末2が電子メールを受信した時、携帯電話端末2は、電子メール受信のイベントIDを含むコマンド<Report Mobile Event>[9]をテレビ1に対して送信する。ユーザ操作によってメールの内容を確認する指示がテレビ1から送信された場合、携帯電話端末2は電子メールクライアントを起動し、電子メールの画面をテレビ1に対して供給する。
このように、携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立しているときに、携帯電話端末2は、携帯電話端末2の状態の変化をトリガーにして、テレビ1に携帯電話端末2の状態を表示させることができる。携帯電話端末2の状態を示すイベント画面がテレビ1に表示されることにより、ユーザは、携帯電話端末2から離れた場所に居る場合においても、携帯電話端末2の状態を確認することができる。
また、ユーザがテレビ1を操作することによって、携帯電話端末2がテレビ1からの要求を受信した時に、携帯電話端末2は、テレビ1がユーザの要求した処理を行うことができる。これにより、ユーザは、携帯電話端末2を直接操作することなく、携帯電話端末2に対し、指定する処理を要求することができ、携帯電話端末2は、指定された処理を行うことができる。
なお、テレビ1に携帯電話端末2の状態を表示するトリガーとなるものは、携帯電話端末2の状態が変化した時、もしくは、携帯電話端末2がテレビ1からの要求を受信した時に限定されない。携帯電話端末2は、携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立したときをトリガーにして、テレビ1に携帯電話端末2の状態を表示させることが可能である。
携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立した時、テレビ1に表示させる携帯電話端末2の状態とは、例えば、不在着信件数と新着メール件数であってもよい。この場合、表2に示すように携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立したという状態変化とイベントIDとを関連付けて携帯電話端末2のRAM226に格納し、表4に示すように該イベントIDに関連付けられたテレビ1の処理内容をテレビ1のRAM117に格納することで、携帯電話端末2は不在着信件数と新着メール件数をテレビ1に表示させることができる。
また、携帯電話端末2は、携帯電話端末2の状態が変化した時及び携帯電話端末2とテレビ1とのHDMI接続が確立した時、イベント画面をテレビ1に表示させる前に、テレビ1に対しCECコマンド<Give Device Power Status>を送信し、テレビ1の電源状態を確認し、電源状態がONで無い場合は、起動コマンド<Text View On>を送信する構成としてもよい。これにより、イベント画面が表示されないということを防ぐことができ、ユーザはテレビ1の電源状態を気にしなくともテレビ1の画面上で携帯電話端末2の状態を確認することができる。
また、状態指定情報(イベントID)として、表2に示す携帯電話端末2の各状態を指定する状態指定情報について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話端末2の電池219の状態、つまり、電池残量検出部218によって検出された電池残量を状態指定情報としてもよい。これにより、携帯電話端末2の電池残量をテレビ1に表示することができる。
また、状態指定情報(イベントID)として、携帯電話端末2に自動的にプッシュ配信される文字情報を状態指定情報としてもよい。これにより、ユーザは、携帯電話端末2の近くに居ることなく、携帯電話端末2に自動的に表示される天気予報やニュースといった文字情報をテレビ1の画面上で確認することができる。
(携帯型情報端末を利用したテレビ及びソース機器の制御)
図14は、携帯型情報端末5を利用してテレビ1を操作することが可能なシステム10’の構成を示す図である。図14に示すように、システム10’は、テレビ1、携帯電話端末2、携帯型情報端末5、およびルータ7を含んでいる。携帯電話端末2は、携帯電話端末以外のソース機器、例えば、レコーダ等であってもよい。テレビ1は、商用電源に接続して利用する据え置き型のテレビであってもよいし、バッテリーを内蔵したポータブルテレビ(外付チューナから無線LANを介して送出される映像を再生するモニタを含む)であってもよい。
図14に示すシステム10’において、テレビ1と携帯電話端末2とは、HDMIケーブル3によって互いに接続されている。テレビ1と携帯電話端末2とが、このHDMIケーブル3を介して伝送されるCECコマンドを用いて相互に制御しあう点は、図2(a)に示したシステム10と同様である。
図14に示すシステム10’においては、更に、テレビ1と携帯型情報端末5とが互いに通信可能に構成されている。テレビ1と携帯型情報端末5との間の通信をサポートする通信媒体は特に限定されないが、ここでは、テレビ1と携帯型情報端末5との間にルータ7を介在させ、テレビ1とルータ7とをイーサネットケーブル6によって接続し、ルータ7と携帯型情報端末5とをIEEE802.11シリーズ等の無線LANによって接続している。なお、テレビ1が無線LANインターフェースを備えている場合には、テレビ1とルータ7とを無線LANによって接続する構成、あるいは、ルータ7を介さずにテレビ1と携帯型情報端末5とを無線LANによって接続する構成も可能である。
テレビ1及び携帯型情報端末5は、UPnP(Universal Plug and Play)をサポートしていることが好ましい。この場合、携帯型情報端末5は、ルータ7のサービスエリア内に入ると、SDDP等のプロトコルを用いてルータ7に接続されたテレビ1を自動的に検出することができる。この際、携帯型情報端末5は、テレビ1の機器名を取得する。
携帯型情報端末5には、携帯型情報端末5をテレビ1のリモコンのように機能させるためのアプリケーション(以下「リモコンアプリ」と記載)がインストールされている。リモコンアプリが起動された後にテレビ1を検出した場合、あるいは、テレビ1を検出した後にリモコンアプリが起動された場合、携帯型情報端末5によるテレビ1の操作(IPコントロール)が可能になる。なお、LAN内にテレビ1等のUPnP対応機器が複数存在している場合、携帯型情報端末5は、それらUPnP対応機器の機器名のリストを表示し、ユーザに操作対象機器を選択させる。
携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリにより生成され、携帯電話端末5のタッチパネルに表示される表示画面の例を図15(a)に示す。この表示画面は、リモコンをエミュレートしたものであり、「テレビ電源」と記された電源キー、「−」「+」と記された音量調整キー、「1」〜「12」が放送局名と共に記されたチャンネルキーなど、テレビ1を操作するための各種キーが設けられている。例えば、「1」と記されたチャンネルキーが押下されると、リモコンアプリは、チャンネルを1チャンネルに切り替えることを指示する制御コマンドをテレビ1に送信する。テレビ1は、受信した制御コマンドに従って、チャンネルを1チャンネルに切り替える。この際、テレビ1においては、図4に示すイーサネットI/F115及びCPU118が制御コマンド受信手段として機能する。
リモコンアプリは、テレビ1を操作する機能の他に、携帯電話端末2を操作する機能も有している。具体的には、図15(a)に示す表示画面の下部に設けられた「リンク操作」キーを押下すると、図15(b)に示す表示画面が現れる。図15(b)に示す表示画面には、早戻しキー、再生キー、早送りキーなど、携帯電話端末2を操作するための各種キーが設けられている。例えば、再生キーが押下されると、リモコンアプリは、対象コンテンツの再生開始を指示する制御コマンドをテレビ1に送信する。テレビ1は、受信した制御コマンドをこれに相当するCECコマンドに変換し、得られたCECコマンドを携帯電話端末2に送信する。携帯電話端末2は、受信したCECコマンドに従って対象コンテンツの再生を開始する。この際、テレビ1においては、図4に示すイーサネットI/F115、CPU118、及びHDMIレシーバ100が制御コマンド転送手段として機能する。
携帯電話端末2を操作するための表示画面に関して、テレビ1が携帯電話端末の論理アドレス及び/又はデバイスタイプを携帯型情報端末5に通知し、携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリが携帯電話端末2の論理アドレス及び/又はデバイスタイプに応じた表示画面を表示するようにしてもよい。これにより、どのようなタイプの携帯電話端末2がテレビ1にHDMI接続された場合であっても、そのタイプの携帯電話端末2の操作に適したリモコンとして携帯型情報端末5を機能させることが可能になる。
なお、携帯型情報端末5上で動作するリモコンアプリは、従来の赤外線リモコンをエミュレートすることを基本としたものであるが、従来の赤外線リモコンにはなかった機能をも有し得る。従来の赤外線リモコンが有する機能の他に、例えば、以下のような機能をリモコンアプリに持たせることができる。
1.URLジャンプ機能、すなわち、テレビ1上で動作するウェブブラウザを起動し、指定したURLにアクセスさせる機能。
2.TV状態取得機能、すなわち、テレビ1のステータス情報、設定情報、及びイベント情報を取得する機能。
3.文字入力機能、すなわち、ソフトウェアキーボードを用いた文字列の入力を受け付け、入力された文字列をテレビ1に送信する機能。
4.インフォメーション通知機能、すなわち、携帯型情報端末5において電話着信イベントやメール受信イベントが発生した際に、当該イベントの発生をテレビ1に通知する機能。
5.シームレス検索機能、すなわち、キーワードにより番組情報、録画リスト、VODタイトル、インターネットから検索した結果を表示する機能。
6.フレンドリネーム設定機能、すなわち、テレビ1側のフレンドリネーム(機器リスト名)を、携帯型情報端末5を用いて設定する機能。
なお、以上の説明では、携帯型情報端末5と携帯電話端末2とがルータ7及びテレビ1を介して通信するものとしたが、携帯型情報端末5と携帯電話端末2とが無線LANを用いて直接通信する構成を採用してもよい。この場合、携帯電話端末2を操作するための制御コマンドを携帯型情報端末5から携帯電話端末2に直接送信することも可能になる。
本発明は、このような機能を持った携帯型情報端末5を含むシステム10’についても適用可能である。
(プログラム及び記録媒体)
最後に、携帯電話端末2及びテレビ1の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、携帯電話端末2及びテレビ1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話端末2及びテレビ1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話端末2及びテレビ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、携帯電話端末2及びテレビ1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
なお、テレビ1と携帯電話端末2との接続態様は、図2〜図3に示す有線接続に限定されない。テレビ1と携帯電話端末2とは、無線接続されていてもよいし、有線伝送媒体と無線伝送媒体との双方により接続されていてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。