JP5284532B1 - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 椅子に座っている間に蓄積される疲労である首のこりを低減できる椅子を提供することを目的とする。
【解決手段】座面を上面に有する座部を含む本体部と、座面に腰掛けた状態の使用者が胸を当接させることができる胸当接面と、腰掛けた状態の使用者のあごに下方から当接する上面又は上縁に形成されたあごが嵌入される凹部であるあご当接部と、を有してなる当接部と、腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばすことができるよう、当接部を本体部に対して支持する支持部と、を備えてなる、椅子である。
【選択図】図7

Description

本発明は、椅子に関し、より詳細には、首のこりを含む座っている間に蓄積される疲労を低減する椅子に関する。
以前から、椅子は様々な場面や場所において用いられており、座り心地や座ることによる疲労を低減するために様々な椅子が提案されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、「長時間の着座あるいは寝姿勢における着座疲労の軽減と、高い安定感が得られ、また、クッション性において体圧分散能力を高め、局部的な圧迫感を与えることのない座り心地の良い椅子およびその製造方法を提供せんとする」(特許文献1の段落番号0004)ためになされた「椅子の座部や背凭れを、合板等による芯材と、該芯材の表面に形成される発泡ウレタンと、該発泡ウレタンの表面に形成される粘弾性ゲルと、該粘弾性ゲルの表面から前記発泡ウレタンを介して前記芯材の裏面に固定される表皮とで構成した椅子。」(特許文献1の請求項1)が開示されており、これによれば「発泡ウレタンと粘弾性ゲルとを積層した構造であることから、臀部や背中の凹凸に対し、体圧を分散すると共に適切に変形するので、均等な体圧分布が得られ、その結果、着座時の安定感が向上すると共に姿勢保持が容易になり、かつ、長時間の着座においても着座疲労が軽減され、また、粘弾性ゲルの温度伝導性が低いことにより、着座時における蒸れを防止できる。」(特許文献1の段落番号0016)というものである。
特許文献2には、「特に、下肢に障害を持つ人に対して、長時間に亘る着座作業の場合に、下肢や臀部の凝りや蒸れを効果的に防止することができるとともに、下肢が座面から側方にずれることがなく、かつ快適な座り心地を得ることができるようにした椅子を提供する」(特許文献2の段落番号0008)ためになされた「座体と、この座体の後方に起立する背凭れとを備えてなる椅子において、座体が、座部基板と、この座部基板上に、中央に窪み部を形成しうるように、正面縦断面視上向きコ字状になるように設けたクッション性を有する周壁部と、この周壁部によって形成された窪み部内に、上面を少なくとも左右の周壁部の上端よりも低く位置するように配置したエアクッションとを備えるものとしたことを特徴とする椅子。」(特許文献2の請求項1)が開示されており、これによれば「座体が、座部基板と、この座部基板上に、中央に窪み部を形成しうるように、正面縦断面視上向きコ字状になるように設けたクッション性を有する周壁部と、この周壁部によって形成された窪み部内に、上面を少なくとも左右の周壁部の上端よりも低く位置するように配置したエアクッションとを備えるものとしてあるため、特に、下肢に障害を持つ人に対して、長時間に亘る着座作業の場合にも、下肢や臀部の凝りや蒸れを効果的に防止することができるとともに、着座者の下肢が座面から側方にずれることがなく、かつ快適な座り心地を得ることができる。」(特許文献2の段落番号0017)というものである。
特開平11−18867号公報(例えば、要約、発明の詳細な説明中の段落番号0001〜0006、0016、第1図等) 特開2009−297319号公報(例えば、要約、発明の詳細な説明中の段落番号0001〜0017、第4図、第5図等)
前述の通り、特許文献1の椅子は、着座時の安定感が向上すると共に姿勢保持が容易になり、長時間の着座においても着座疲労が軽減される。そして、特許文献2の椅子は、長時間に亘る着座作業の場合にも、下肢や臀部の凝りや蒸れを効果的に防止することができるとともに、着座者の下肢が座面から側方にずれることがなく、かつ快適な座り心地を得ることができる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれの椅子においても、椅子に座っている間に蓄積される首のこりを低減できるものではなかった。
そこで、本発明では、椅子に座っている間に蓄積される疲労である首のこりを低減できる椅子を提供することを目的とする。
本発明の椅子(以下、「本椅子」という)は、座面を上面に有する座部を含む本体部と、座面に腰掛けた状態の使用者が胸を当接させることができる胸当接面と、腰掛けた状態の使用者のあごに下方から当接する上面又は上縁に形成されたあごが嵌入される凹部であるあご当接部と、を有してなる当接部と、腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばすことができるよう、当接部を本体部に対して支持する支持部と、を備えてなる、椅子である。
本椅子は、本体部と、当接部と、支持部と、を備えてなる。
本体部は座部を含み、座部は本椅子の使用者が座ることができる座面を上面として有する。
当接部は、胸当接面と、あご当接部と、を有してなる。胸当接面は、座面に腰掛けた状態の使用者が胸を当接させることができる位置に存し、通常、座面に腰掛けた状態の使用者が上半身を鉛直からやや前傾させた状態において使用者の胸が当接する位置に配置される。あご当接部は、当接部の上面又は上縁に形成され、座面に腰掛けた状態の使用者のあごを下から当接することで支えるものである。あご当接部は、使用者のあごが嵌入される凹部形状に形成され、凹部にあごを嵌入することで使用者のあごが安定した状態で支えられる。
支持部は、当接部を本体部に対して支持する。この支持部が当接部を本体部に対して支持する状態は、座面に腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばすことができるようにされる。
このように本椅子においては、座面に腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばした状態で、胸当接面に胸を当接させると共にあご当接部(凹部)にあごを嵌入してあごが安定した状態で支えられるので、胸当接面への胸の当接によって使用者が上半身を支える負担を軽減すると共にあご当接部によるあごの支持によって使用者の重たい頭部の重量を使用者の首が支える負担を軽減することにより、椅子に座っている間に蓄積される疲労である首のこりを低減することができる。
本椅子においては、当接部が、腰掛けた状態の使用者の左右の上腕を支持する左上腕支持部及び右上腕支持部を有するものであってもよい。
こうすることで当接部の左上腕支持部及び右上腕支持部が、腰掛けた状態の使用者の左右の上腕を支持することから、使用者の肩が左右の上腕を支える負担を軽減することにより、椅子に座っている間に蓄積される疲労である肩のこりを低減することができる。
左上腕支持部及び右上腕支持部の上腕支持部は、上腕支持部が使用者の上腕の重量の少なくとも一部を支持するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、当接部の側面又は側縁に形成された上腕を係合させる窪み、当接部に形成された上腕を貫通させる穴、当接部に形成された上腕を係合させるフック等を例示できる。
本椅子においては、支持部が、上方に向かって立ち上がるよう下端が本体部に取り付けられると共に上端に当接部が取り付けられる第1支持棒及び第2支持棒であって、腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿を貫通させる上腿貫通穴を第1支持棒と第2支持棒と当接部と本体部とによって取り囲むように形成する一対配設された第1支持棒及び第2支持棒を有してなるもの(以下、「両支持棒本椅子」という。)であってもよい。
こうすることで、支持部が、一対配設された第1支持棒及び第2支持棒を有してなり、第1支持棒及び第2支持棒のいずれも下端が本体部に取り付けられると共に上端に当接部が取り付けられることで、当接部を本体部に対して支持する。第1支持棒及び第2支持棒は、第1支持棒と第2支持棒と当接部と本体部とによって取り囲むように穴(上腿貫通穴)を形成し、かかる穴が、腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿を貫通させる上腿貫通穴として機能する(即ち、腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿の左右に一対の第1支持棒及び第2支持棒が配設される。このように伸ばした両方の上腿の左右に一対配設された第1支持棒及び第2支持棒により当接部を本体部に対して支持することで、左右バランス良く十分な強度で当接部を支持することができる。)。腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿をこの上腿貫通穴に貫通させることで、腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばすことができるよう支持部が当接部を本体部に対して支持する。
両支持棒本椅子の場合、当接部と本体部との間を連結する第1支持棒のいずれかの位置に、使用者の上腿を通過させることができる通過隙間を形成可能なもの(以下、「通過隙間形成本椅子」という。)であってもよい。
こうすることで、第1支持棒と第2支持棒と当接部と本体部とによって取り囲まれて形成された上腿貫通穴に、第1支持棒のいずれかの位置に形成される通過隙間を通過させて使用者の上腿を容易に出し入れできるので、本椅子の使用を便ならしめることができる。
通過隙間形成本椅子の場合、第1支持棒の下端が本体部に着脱自在にされると共に、該下端が本体部から取り外された状態において該下端と本体部との間に通過隙間を形成可能なものであってもよい。
通過隙間形成本椅子において第1支持棒の、通過隙間を形成する位置は、第1支持棒の上端が当接部に着脱自在にされることで該上端が当接部から取り外された状態において該上端と当接部との間に通過隙間を形成するような場合(以下、「上端通過隙間形成本椅子」という。)、第1支持棒の上端と下端との間の中間に係脱自在な部分を形成することで該係脱自在な部分を取り外す(開く)ことによって中間に通過隙間を形成するような場合(以下、「中間通過隙間形成本椅子」という。)、第1支持棒の下端が本体部に着脱自在にされることで該下端が本体部から取り外された状態において該下端と本体部との間に通過隙間を形成するような場合(以下、「下端通過隙間形成本椅子」という。)等を例示できる。下端通過隙間形成本椅子とすれば、第1支持棒の移動を大きくすることなく通過隙間をできるだけ下に形成できるので、使用者の上腿を通過隙間を通過させることを容易に行うことができる(上腿貫通穴に上腿を一層容易に出し入れできる)。
下端通過隙間形成本椅子の場合、第2支持棒の下端が本体部に対して回動可能に形成されており、第1支持棒の下端を本体部から取り外して第2支持棒の下端を本体部に対して回動させることで第1支持棒の下端と本体部との間に通過隙間を形成するものであってもよい。
こうすることで、第2支持棒の下端を本体部に対して回動可能に形成すると共に第1支持棒の下端を本体部に着脱自在に形成するという簡単な構成により、第1支持棒の下端を本体部から取り外して第2支持棒の下端を本体部に対して回動させることで第1支持棒の下端と本体部との間に容易に通過隙間を形成できる。
第2支持棒の下端を本体部に対して回動させる回動軸としては、第2支持棒の下端を本体部に対して回動させることで第1支持棒の下端と本体部との間に通過隙間が形成できるものであれば特に制限されないが、ほぼ鉛直な回動軸とすれば回動に伴う位置エネルギー変化が略ないので容易かつ安全に回動させることができる。
両支持棒本椅子の場合、上腿貫通穴の少なくとも一部を塞ぐことで背もたれの一部を構成する補助背もたれ部を備えてなるもの(以下、「補助背もたれ部具備本椅子」という。)であってもよい。
本椅子の使用者が、当接部の胸当接面に胸を当接させる状態(以下、「胸当接状態」という。)から180度反対方向になるように座面に腰掛けた状態(以下、「通常椅子状態」という。)において、当接部の胸当接面を背もたれとして用いることができる。この通常椅子状態においては、当接部の胸当接面に加え、上腿貫通穴の少なくとも一部を塞ぐことで背もたれの一部を構成する補助背もたれ部が存することで、使用者の背中に当接する背もたれの面積を補助背もたれ部の分だけ大きくすることができ、通常椅子状態における座り心地を改善することができる。
補助背もたれ部具備本椅子の場合、補助背もたれ部が、第1支持棒及び第2支持棒に沿ってスライド自在な板状部材によって形成され、該板状部材の上縁を含む少なくとも一部が当接部の内部に収容可能なもの(以下、「補助背もたれ収容本椅子」という。)であってもよい。
こうすることで、胸当接状態においては補助背もたれ部を形成する板状部材を当接部の内部に収容することで、腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿を貫通させるための上腿貫通穴を広くとることができると共に、通常椅子状態においては補助背もたれ部を形成する板状部材を第1支持棒及び第2支持棒に沿ってスライドさせ引き出すことで、胸当接状態における広い上腿貫通穴(胸当接状態の使用を容易にする)の形成と通常椅子状態における広い背もたれ面積(通常椅子状態の座り心地改善)とを両立することができる。
補助背もたれ収容本椅子の場合、補助背もたれ部を形成する前記板状部材の少なくとも一部が当接部の内部に収容された状態において、該板状部材が当接部の内部から脱出することを防止する脱出防止部を有するものであってもよい。
胸当接状態においては、補助背もたれ部を形成する前記板状部材の少なくとも一部が当接部の内部に収容された状態が保持され、不意に該板状部材が当接部の内部から脱出することを防止する脱出防止部を有することが好ましい。脱出防止部としては、該板状部材が当接部の内部から不意に脱出することを防止できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、当接部に対して該板状部材を支持する磁石(当接部と該板状部材との一方に取り付けた磁石と、他方に取り付けた磁石又は鋼材と、による)、当接部に対して該板状部材を支持する係止具(例えば、(1)当接部に固定した面ファスナーと、該板状部材に固定した面ファスナーと、による場合。(2)当接部と該板状部材との一方に取り付けたフックと、他方に取り付けた該フックと係合する係合部と、による場合。)等を例示できる。
補助背もたれ収容本椅子の場合、補助背もたれ部を形成する前記板状部材の側縁がスライド自在に嵌入される側縁嵌入溝が第1支持棒及び第2支持棒に連続的に形成されているものであってもよい。
補助背もたれ部を構成する前記板状部材は、第1支持棒及び第2支持棒に沿ってスライド自在とされるので、前記板状部材の側縁がスライド自在に嵌入される側縁嵌入溝が第1支持棒及び第2支持棒に連続的に形成されていれば、第1支持棒に連続的に形成された側縁嵌入溝に前記板状部材の一側縁が嵌入されると共に第2支持棒に連続的に形成された側縁嵌入溝に前記板状部材の他側縁が嵌入されることで、前記板状部材の両側縁が第1支持棒及び第2支持棒の側縁嵌入溝に沿ってスライド自在とされ、前記板状部材を第1支持棒及び第2支持棒に沿って確実にスライド自在とすることができる。
本椅子においては、腰掛けた状態の使用者に対して当接部の高さが、異なる少なくとも2以上の値を取り得るものであってもよい。
当接部は、使用者が胸を当接させる胸当接面と、使用者のあごが嵌入されるあご当接部と、を有してなり、座面に腰掛けた状態の使用者の体形によって胸やあごの座面からの高さが異なる。このため使用者の体形に応じて、座面からの当接部の高さが異なる少なくとも2以上の値をとるように可変とされることで、様々な体形の使用者が快適に使用できる本椅子とすることができる。
本発明の一実施形態に係る椅子(本椅子)を示す図である。 図1(a)のA−A端面図である。 図1(b)のB−B断面図である。 図4(a)は図3中の矢印Eが指した部分の拡大図であり、図4(b)は図4(a)に示したC−C断面による断面図である。 図3中の矢印Fが指した部分の拡大図である。 図1に示した本椅子の当接部を回動させたところを示す右側面図である。 使用者が座面に腰掛け使用する使用状態を示す右側面図である。 図7のB−B端面図である。 図7及び図8の使用状態とは別の使用状態を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る椅子(本椅子)を示す右側面図(一部拡大図)である。 本発明の別の一実施形態に係る椅子(本椅子)を示す断面図である。 図12は図11の一部拡大図である。 本椅子に用いることができる固定ピンと、固定ピンを付勢する付勢バネと、の別の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る椅子(本椅子)11を示す図(詳細には、図1(a)は本椅子11の正面図であり、図1(b)は本椅子11の右側面図(図1(a)中の矢印G方向から見たところを示す)である。)であり、図2は図1(a)のA−A端面図であり、図3は図1(b)のB−B断面図であり、図4(a)は図3中の矢印Eが指した部分の拡大図(理解を容易にするため後述の補助背もたれ板81は図示していない)であり、図4(b)は図4(a)に示したC−C断面による断面図であり、そして図5は図3中の矢印Fが指した部分の拡大図である。図1乃至図5を参照して、本椅子11について説明する。
ここでは本椅子11は、水平な載置面たる床面201に載置された状態で配設されており、大まかには、床面201に載置された基礎部21と、基礎部21に支持された座部31と、基礎部21に下端が取り付けられた一対の連結棒41、51と、一対の連結棒41、51の上端に取り付けられた当接部61と、当接部61の内部に一部が収容された補助背もたれ板81と、を備えてなる。
基礎部21は、先端が床面201に当接すると共に基端が互いに取り付けられた棒状基礎部23a、23b、23c、23d(放射状に配設されている)と、棒状基礎部23a、23b、23c、23dの互いに取り付けられた基端に下端が取り付けられ床面201に対して垂直(ここでは略鉛直)に立ち上がるように配設された柱状基礎部25と、柱状基礎部25の上端に取り付けられ座部31を支持する板状基礎部27(特に図1(b)参照)と、板状基礎部27の一縁に取り付けられた連結棒取付部29a、29bと、を有してなる。連結棒取付部29a、29bいずれも、上方に開放された円柱状の内部空間を有しており、後述の通り、かかる円柱状の内部空間に連結棒41、51の下端部分を受け入れることで連結棒41、51を支持する。
座部31は、基礎部21の板状基礎部27の上面に載置された状態で固定されており、その上面は使用者(不図示)が腰掛ける座面33を形成している。座部31は、座面33と板状基礎部27上面との間にスポンジ状の弾力性のある部材を内包しており、これにより座面33が柔らかで使用者(不図示)が座面33に快適に腰掛けることができる。なお、このような座部31及び基礎部21については、従来の椅子に類似した構成である。
連結棒41は、連結棒取付部29aの上方に開放された円柱状の内部空間に下端部分が嵌入されることで取り付けられた下部連結棒43と、下部連結棒43の上端部分を内嵌する上部連結棒45と、上部連結棒45に穿設されたピン嵌入孔に遊嵌された固定ピン47と、固定ピン47の先端を上部連結棒45に内嵌された下部連結棒43に向けて付勢する付勢バネ49と、を有してなる。
下部連結棒43は、直円柱形状を有しており、連結棒取付部29aの該円柱状の内部空間に下端がちょうど嵌入され、そして嵌入された状態において連結棒取付部29aに対して下部連結棒43がその軸(下部連結棒43が形成する該直円柱形状の軸)を中心に回動可能に支持されている。そして、下部連結棒43の上端近傍には、固定ピン47の先端が嵌入されるピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3が形成されている(図4(a)参照)。ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3は、下部連結棒43が形成する該直円柱形状の軸を含む一平面P(図4(a)が示す断面に一致する。図4(b)に点線にて示す。)に沿って等間隔に形成されている。加えて、下部連結棒43には、その上端からその長手方向(下部連結棒43が形成する該直円柱形状の軸に沿った方向)の所定位置まで連続的にスライド溝44が形成されている。スライド溝44の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、詳細には、一平面Pに対して垂直な平面に沿った奥面44aと一平面Pに対して平行な平面に沿った一対の側面44b、44cとによってスライド溝44は規定されている(図4(b)参照)。
上部連結棒45は、下方に開放された円柱状の内部空間45cを有しており(図4(a)参照)、上部連結棒45の内部空間45cには下部連結棒43の上端部分が内嵌されている。内部空間45cに内嵌された下部連結棒43の上端部分近傍に形成されたピン嵌入凹部43h1には、付勢バネ49により付勢された固定ピン47の先端部分が嵌入されており、これによって上部連結棒45と下部連結棒43との相対的位置が固定されている。なお、固定ピン47の頭部分47bを把持し、付勢バネ49の付勢力に抗して固定ピン47の先端部分をピン嵌入凹部43h1から引き抜いて、上部連結棒45と下部連結棒43との相対的位置を変えて、ピン嵌入凹部43h2、43h3に固定ピン47の先端部分を嵌入することで連結棒41の長さを変更することができる。そして、上部連結棒45にはその上端から連続的にスライド溝46が形成されている。スライド溝46の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、詳細には、一平面Pに沿ってスライド溝44と略同じ幅で形成されている。これらスライド溝46及びスライド溝44には補助背もたれ板81の一縁が嵌入された状態でスライド移動するためのものである。
連結棒51は、連結棒取付部29bの上方に開放された円柱状の内部空間に下端部分が嵌入されることで取り付けられた下部スライド筒52と、下部スライド筒52に上方から下端が内嵌され取り付けられた下部連結棒53と、下部スライド筒52に穿設されたピン嵌入孔に遊嵌された固定ピン54pと、固定ピン54pの先端を下部スライド筒52に内嵌された下部連結棒53に向けて付勢する付勢バネ54sと、下部連結棒53の上端部分を内嵌する上部連結棒55と、上部連結棒55に穿設されたピン嵌入孔に遊嵌された固定ピン57と、固定ピン57の先端を上部連結棒55に内嵌された下部連結棒53に向けて付勢する付勢バネ59と、を有してなる。
下部スライド筒52は、上下の両端が開放された中空の直円筒形状(下部スライド筒52の内部空間52cは直円柱形状をなす)を有しており、連結棒取付部29bの円柱状の内部空間に下端側が嵌入されている。下部スライド筒52は、力を上方に加えることで連結棒取付部29bの円柱状の内部空間から下端側を引き抜くことができ、また再び、連結棒取付部29bの円柱状の内部空間に上方から下端側を差し込むことができる。
下部連結棒53は直円柱形状を有しており、その下端側は下部スライド筒52の内部空間52cに内嵌されている。
内部空間52cに内嵌された下部連結棒53の下端部分近傍に形成されたピン嵌入凹部53haには、付勢バネ54sにより付勢された固定ピン54pの先端部分が嵌入されており、これによって下部スライド筒52と下部連結棒53との相対的位置が固定されている。なお、固定ピン54pの頭部分54pbを把持し、付勢バネ54sの付勢力に抗して固定ピン54pの先端部分をピン嵌入凹部53haから引き抜くことで、下部連結棒53に対して下部スライド筒52を上方に移動させ、連結棒51下端の連結棒取付部29bへの係合を解くことができる。また、下部連結棒53に対して下部スライド筒52を上方に移動させた状態(連結棒51下端の連結棒取付部29bへの係合を解いた状態)から、再び、下部連結棒53に対して下部スライド筒52を下方に移動させて連結棒取付部29bの円柱状の内部空間に上方から下部スライド筒52の下端側を差し込むことで連結棒51下端を連結棒取付部29bへ係合させることができる(このとき付勢バネ54sの付勢力により固定ピン54pの先端部分がピン嵌入凹部53haにうまく嵌入される。)。
下部連結棒53には、下部連結棒43と同様、その上端からその長手方向(下部連結棒53が形成する該直円柱形状の軸に沿った方向)の所定位置まで連続的にスライド溝54が形成されている。スライド溝54の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、スライド溝44と同様の形状を有している。
下部連結棒53の上端近傍の構造(図3中、矢印Nが指す部分。下部連結棒53の上端近傍、上部連結棒55、固定ピン57及び付勢バネ59の構成)は、上述の図3中の矢印Eが指す部分(図4参照)と同様になっている。
上部連結棒55は、下方に開放された円柱状の内部空間55cを有しており、上部連結棒55の内部空間55cには下部連結棒53の上端部分が内嵌されている。内部空間55cに内嵌された下部連結棒53の上端部分近傍には、下部連結棒43の上端部分近傍と同様にピン嵌入凹部53h1が形成されており、付勢バネ59により付勢された固定ピン57の先端部分が嵌入されている。これによって上部連結棒55と下部連結棒53との相対的位置が固定されている。なお、固定ピン57の頭部分を把持し、付勢バネ59の付勢力に抗して固定ピン57の先端部分をピン嵌入凹部53h1から引き抜いて、上部連結棒55と下部連結棒53との相対的位置を変えて、ピン嵌入凹部53h2、53h3に固定ピン57の先端部分を嵌入することで連結棒51の長さを変更することができる。そして、上部連結棒55にはその上端から連続的にスライド溝56が形成されている。スライド溝56の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、スライド溝54と略同じ幅で形成されている。これらスライド溝56及びスライド溝54は補助背もたれ板81の他縁が嵌入された状態でスライド移動するためのものである。
なお、ピン嵌入凹部53h1、53h2、53h3は、ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3に対応する位置に形成されており、例えば、固定ピン57の先端部分をピン嵌入凹部53h1に嵌入すると共に固定ピン47の先端部分をピン嵌入凹部43h1に嵌入すると連結棒41の上端と連結棒51の上端とが同じ高さになり、固定ピン57、47をピン嵌入凹部53h2とピン嵌入凹部43h2とに嵌入した場合やピン嵌入凹部53h3とピン嵌入凹部43h3とに嵌入した場合も同様に連結棒41の上端と連結棒51の上端とが同じ高さになる。
当接部61は、一対の連結棒41、51の上端に取り付けられることで支持されており、全体としては所定の厚みを有する板状の形状を有している。なお、当接部61は、後述するように使用者(不図示)があごを載せたりもたれかかることで力が加わるので、それに耐えるような骨部材(不図示。一対の連結棒41、51の上端に取り付けられている。)が内蔵されている。
当接部61は、座面33に腰掛けた使用者(不図示)の胴部に面する表面61aと、背面61bと、を有してなり、表面61aと背面61bとに連なるように上縁部62、一方の側縁63、他方の側縁64及び下縁65が形成されている。表面61aと上縁部62と側縁63と側縁64とは、使用者(不図示)に当接することを考慮し、柔軟で弾力を有する材料によって形成されている。
上縁部62の略中心には、下方に窪んだ上縁窪み62dが形成されている。上縁窪み62dは、使用者(不図示)のあごの下面や首の後の曲面にほぼ沿うような曲面に形成されており、これによって使用者(不図示)があごの下面や首の後を上縁窪み62dに快適に担持させることができる。
一方の側縁63の下部には、他方の側縁64方向に窪んだ一方窪み63dが形成されている。一方窪み63dは、使用者(不図示)の左上腕の曲面にほぼ沿うような曲面に形成されており、これによって使用者(不図示)が左上腕を一方窪み63dに快適に係合させることができる。
同様に、他方の側縁64の下部には、一方の側縁63方向に窪んだ他方窪み64dが形成されている。他方窪み64dは、使用者(不図示)の右上腕の曲面にほぼ沿うような曲面に形成されており、これによって使用者(不図示)が右上腕を他方窪み64dに快適に係合させることができる。
下縁65は平面に略沿って形成されており、そのほぼ中央には、当接部61の内部空間67が外部に連通する開口68が形成されている。内部空間67は、ここでは直方体形状をほぼなし、該直方体の一面が開口68を形成している。内部空間67がなす該直方体の3辺x、y、z(但し、長さはx>y>z)のうち辺zが表面61a及び背面61bに垂直になると共に、辺xと辺yとを含むxy面との距離とxy面に平行な該直方体の面との距離とが等しい平面に連結棒41の中心軸(下部連結棒43がなす直円柱形状の軸)と連結棒51の中心軸(下部連結棒53がなす直円柱形状の軸)とが存する(なお、連結棒41の中心軸(下部連結棒43がなす直円柱形状の軸)と連結棒51の中心軸(下部連結棒53がなす直円柱形状の軸)と辺yとは互いに略平行である。)。
補助背もたれ板81は、本椅子11を通常の椅子として使用する際(通常椅子状態)、使用者(不図示)の背を支持するためのものであり、かかる場合には、内部空間67から開口68を経て下方に引き出されて使用されるが、使用者(不図示)が当接部61の表面61aに胸を当接させる際(胸当接状態)には図1〜図3に示すように補助背もたれ板81の一部(ここでは下端近傍を除く部分)が内部空間67に収容される。補助背もたれ板81は、通常椅子状態において使用者(不図示)の背を支持するのに十分な強度を有すると共に、使用者(不図示)の背に面する当接面81aは柔軟な材料によって形成されている。
補助背もたれ板81は、略長方形の当接面81a及び裏面81b(図2参照)を有する直方体形状をなしており、下端81c近傍を除く部分が当接部61の内部空間67に収容(遊びをもって内嵌)される。補助背もたれ板81の上端に沿って磁石82が配設されており、下端81c近傍を除く部分が当接部61の内部空間67に収容された状態において、磁石82に対応する当接部61の内部空間67の位置(磁石82を吸着する位置)に磁石69が配設されている。これら磁石69と磁石82との吸引力によって、補助背もたれ板81の下端81c近傍を除く部分が当接部61の内部空間67に収容された状態が保持され、かかる状態において開口68から下方に突出した補助背もたれ板81の下端81c近傍を把持し補助背もたれ板81に下方への力を加えることで(磁石69と磁石82との吸引力に抗し)補助背もたれ板81を下方に引き出すことができる。このように下方に引き出された補助背もたれ板81は、その側縁81d1(図3参照)がスライド溝46及びスライド溝44に嵌入された状態でスライド可能であると共に、その側縁81d2(図3参照)がスライド溝56及びスライド溝54に嵌入された状態でスライド可能である。
次いで、本椅子11の使用方法を説明する。
図6は、本椅子11の当接部61を連結棒41を中心に90度回動させたところを示す右側面図(図1(b)と同様の方向から見たところを示している)である。図1〜図5の状態から、固定ピン54pの頭部分54pbを把持し、付勢バネ54sの付勢力に抗して固定ピン54pの先端部分をピン嵌入凹部53haから引き抜き、下部連結棒53に対して下部スライド筒52を上方に移動させて連結棒51下端の連結棒取付部29bへの係合を解いた後、当接部61を連結棒41を中心に90度回動させることで図6に示すような状態となる。また、連結棒取付部29aに対して下部連結棒43は回動可能である。なお、連結棒51下端の連結棒取付部29bへの取付はここでは下部スライド筒52の嵌入によっているが、連結棒51下端及び連結棒取付部29bの一方に設けた磁石と他方に設けた磁石又は鋼材との吸引力によることもできる。
図6に示すような状態において、使用者が座部31の座面33に腰掛ける(図7に示す使用者101のように腰掛ける)。その後、図1〜図5に示したように当接部61を連結棒41を中心に90度回動させた後、連結棒51下端を連結棒取付部29bへ係合させる。この連結棒51下端の連結棒取付部29bへの係合は、詳しくは、下部連結棒53に対して下部スライド筒52を下方に移動させて連結棒取付部29bの円柱状の内部空間に上方から下部スライド筒52の下端側を差し込み、付勢バネ54sの付勢力により固定ピン54pの先端部分をピン嵌入凹部53haに嵌入させればよい。
そして、使用者101が当接部61の表面61aに胸を当接させ(胸当接状態)、使用者101があご103を上縁部62の上縁窪み62dに担持させると共に、使用者101が左上腕104を一方窪み63dに係合させ、使用者101が右上腕105を他方窪み64dに係合させることで本椅子11を使用することができる。図7はかかる状態を示す右側面図(図1(b)及び図6と同様の方向から見たところを示している)であり、図8は図7のB−B端面図である。図7及び図8に示す通り、基礎部21と座部31とを含む本体部、連結棒41、連結棒51及び当接部61によって取り囲まれた上腿貫通穴91を使用者101の左上腿107a及び右上腿107bが貫通している。そして、使用者101のあご103は上縁部62の上縁窪み62dに嵌入され担持されると共に、使用者101の左上腕104は一方窪み63dに係合し、使用者101の右上腕105は他方窪み64dに係合している。あご103が担持されることで頭部102の重さを支える首の負荷を軽減することができる(首のこり等を減少)と共に、左上腕104の一方窪み63dへの係合と右上腕105の他方窪み64dへの係合により両腕の重さを支える肩の負荷を軽減することができる(肩こり等を減少)。なお、ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3のいずれに固定ピン47の先端部分を嵌入するかにより連結棒41の長さを変更し、ピン嵌入凹部53h1、53h2、53h3のいずれに固定ピン57の先端部分を嵌入するかにより連結棒51の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。
図7及び図8の使用状態を使用者101が終了するには、両上腕104、105とあご103の本椅子11からの係合を解き、図6のように当接部61を連結棒41を中心に90度回動させて使用者101を本椅子11から解放すればよい。
図9は、図7及び図8の使用状態とは別の使用状態(通常椅子状態)を示す図である。図9(a)は、図1(a)に示す状態の本椅子11において、開口68から下方に突出した補助背もたれ板81の下端81c近傍を把持し補助背もたれ板81を内部空間67から下方に引き出したところを示す正面図(図1(a)と同じ方向から見たところを示している)である。補助背もたれ板81は内部空間67から下方に引き出される際、側縁81d1(図3参照)がスライド溝46及びスライド溝44に嵌入されることで案内された状態で下方にスライドすると共に、側縁81d2(図3参照)がスライド溝56及びスライド溝54に嵌入されることで案内された状態で下方にスライドする。
このように補助背もたれ板81が内部空間67から下方に引き出され、殆どの当接面81aが露出した状態では、図9(b)のように使用者101は、当接部61及び補助背もたれ板81を背もたれとして使用する(表面61a及び当接面81aが使用者101の背中に当接する)ように座面33に腰掛けることで、本椅子11を通常の椅子として使用することができる。なお、このときピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3のいずれに固定ピン47の先端部分を嵌入するかにより連結棒41の長さを変更し、ピン嵌入凹部53h1、53h2、53h3のいずれに固定ピン57の先端部分を嵌入するかにより連結棒51の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。例えば、首の後108を上縁部62の上縁窪み62dに担持させる場合であれば、図9(b)の状態よりも当接部61を高くするようにしてもよい。
図10(a)は、本発明の他の一実施形態に係る椅子(本椅子)211を示す右側面図(一部拡大図)である。本椅子211は、本椅子11に比して連結棒51及び連結棒取付部29bが連結棒251及び連結棒取付部229bになった点が異なるがその余は本椅子11と同様であるので、ここでは連結棒251及び連結棒取付部229bについて説明をし、本椅子11と同様の説明は省略する。なお、本椅子11と異なり、本椅子211においては連結棒取付部29aに対して下部連結棒43は回動不可能とされている。
連結棒取付部229bは、所定の間隔を隔てて互いに平行に配設された一対の板状部材と、該一対の板状部材に形成されたピン嵌入孔に貫入される固定ピン252(該一対の板状部材の一方229b1から他方(図にあらわれない)に向けて貫入される)と、固定ピン252を該一対の板状部材のピン嵌入孔に嵌入する方向に付勢する付勢バネ(該一対の板状部材の一方229b1から他方に向けて固定ピン252を付勢する)と、を含んでなる。
連結棒251は、所定の間隔を隔てて互いに平行に当接部61の下縁65に取り付けられた一対の板状部材(一対の板状部材の一方252aのみが図示されている)と、該一対の板状部材に形成されたピン嵌入孔に貫入される固定ピン253(該一対の板状部材の一方252aから他方に向けて貫入される)と、固定ピン253を該一対の板状部材のピン嵌入孔に嵌入する方向に付勢する付勢バネ(該一対の板状部材の一方252aから他方に向けて固定ピン253を付勢する)と、一端近傍に固定ピン253を嵌入するピン嵌入孔254が複数(ここでは3)形成され該一対の板状部材の間に該一端が挟まれた状態で固定ピン253を中心に回動自在な回動棒255と、を有してなる。回動棒255の他端側には、連結棒取付部229bの固定ピン252を嵌入するピン嵌入孔256(図10(b)参照)が形成されており、図10(a)に示すように回動棒255の他端が連結棒取付部229bの前記一対の板状部材の一方229b1と他方との間に挟まれた状態で固定ピン252がピン嵌入孔256に嵌入された状態では連結棒251が当接部61を支持する(即ち、図10(a)の状態が本椅子11における図1〜図3の状態に相当する。)。図10(a)の状態から固定ピン252をピン嵌入孔256から抜き、回動棒255を固定ピン253を中心に回動(はね上げる)させた状態が図10(b)(図示及び理解を容易にするため連結棒41は図示していない)に示されている。図10(b)においては、回動棒255の他端と連結棒取付部229bとの間に通過隙間301が形成されており、この通過隙間301を経て使用者101の左上腿107a及び右上腿107bを、基礎部21と座部31とを含む本体部、連結棒41、連結棒251及び当接部61によって取り囲まれた上腿貫通穴に出し入れすることができる(即ち、図10(b)の状態が本椅子11における図6の状態に相当する。)。即ち、本椅子211は図10(b)及び図10(a)の両状態をとることで本椅子11と同様に使用することができる。
なお、本椅子11と同様、本椅子211においても、ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3のいずれに固定ピン47の先端部分を嵌入するかにより連結棒41の長さを変更し、複数のピン嵌入孔254のいずれに固定ピン253を嵌入するかにより連結棒251の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。
図11は、本発明の別の一実施形態に係る椅子(本椅子)311を示す断面図(本椅子11における図3と同様の断面を示している)であり、図12は図11の一部拡大図(図12(a)は図11中の矢印Jにより指された部分の拡大図(一部省略)であり、図12(b)は図11中の矢印Kにより指された部分の拡大図である。)である。図11及び図12を参照して、本椅子311について説明する。
本椅子311は、基礎部21、座部31、当接部61及び補助背もたれ板81は本椅子11と同様であり、一対の連結棒341、351が異なるのみでその余は本椅子11と同様であるので、ここでは連結棒341、351について説明をし、本椅子11と同様の説明は省略する。なお、本椅子311においては、連結棒取付部29aに対して下部連結棒343は回動不可能とされている。
連結棒351は、連結棒取付部29bの上方に開放された円柱状の内部空間に下端部分が嵌入されることで取り付けられた下部連結棒353(直円柱形状)と、下部連結棒353の上端部分を内嵌する上部連結棒355と、上部連結棒355に穿設されたピン嵌入孔に遊嵌された固定ピン357と、固定ピン357の先端を上部連結棒355に内嵌された下部連結棒353に向けて付勢する付勢バネ359と、を有してなる。
なお、図12(b)に示すように、ここでは連結棒取付部29bにはピン嵌入孔が穿設されており、このピン嵌入孔には固定ピン29bbが遊嵌されると共に、固定ピン29bbの先端を連結棒取付部29bに内嵌された下部連結棒353に向けて付勢する付勢バネ352によって、固定ピン29bbの先端が下部連結棒353下端近傍に形成されたピン嵌入窪み353fに確実に嵌入される。これにより連結棒取付部29bに下部連結棒353が確実に取り付けられている。固定ピン29bbの頭部分を把持し、付勢バネ352の付勢力に抗して固定ピン29bbの先端部分をピン嵌入窪み353fから引き抜くことで、下部連結棒353を連結棒取付部29bから抜き取ることができる。また、再び、下部連結棒353を連結棒取付部29bに差し込むことができ(差し込む際には固定ピン29bbの先端部分が下部連結棒353に干渉しないようにやや引いた状態とする)、このとき付勢バネ352の付勢力により固定ピン29bbの先端部分がピン嵌入窪み353fにうまく嵌入されることで、連結棒取付部29bに下部連結棒353が確実に取り付けられる。
下部連結棒353の上側部分には、固定ピン357の先端が嵌入されるピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3が形成されている。ピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3は、下部連結棒53と同様、下部連結棒353が形成する該直円柱形状の軸を含む一平面(図11が示す断面)に沿って等間隔に形成されている。加えて、下部連結棒353には、その上端からその長手方向(下部連結棒353が形成する該直円柱形状の軸に沿った方向)の所定位置まで連続的にスライド溝54と同様のスライド溝354が形成されている。
上部連結棒355は、上端と下端とが開放された円柱状の内部空間355cを有しており、上部連結棒355の内部空間355cには下部連結棒353の上端部分が内嵌されている。内部空間355cに内嵌された下部連結棒353の上端部分近傍に形成されたピン嵌入凹部353h2には、付勢バネ359により付勢された固定ピン357の先端部分が嵌入されており、これによって上部連結棒355と下部連結棒353との相対的位置が固定されている。なお、固定ピン357の頭部分を把持し、付勢バネ359の付勢力に抗して固定ピン357の先端部分をピン嵌入凹部353h2から引き抜いて、上部連結棒355と下部連結棒353との相対的位置を変えて、ピン嵌入凹部353h1、353h3に固定ピン357の先端部分を嵌入することで連結棒351の長さを変更することができる。そして、上部連結棒355にはその上端から下端まで連続的にスライド溝356が形成されている。スライド溝356の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、詳細には、該一平面(図11が示す断面)に沿ってスライド溝354と略同じ幅で形成されている。これらスライド溝356及びスライド溝354には補助背もたれ板81の縁が嵌入された状態でスライド移動するためのものである。
連結棒341は、上方に開放された連結棒取付部29aの円柱状の内部空間に下端部分が嵌入されることで取り付けられた下部連結棒343と、下部連結棒343の上端部分を内嵌する上部連結棒345と、上部連結棒345に穿設されたピン嵌入孔に遊嵌された固定ピン347と、固定ピン347の先端を上部連結棒345に内嵌された下部連結棒343に向けて付勢する付勢バネ349と、を有してなる。
下部連結棒343は、直円柱形状を有しており、連結棒取付部29aの該円柱状の内部空間に下端がちょうど嵌入され、そして嵌入された状態において連結棒取付部29aに対して下部連結棒343がその軸(下部連結棒343が形成する該直円柱形状の軸)を中心に回動不可能に支持されている。そして、下部連結棒353と同様、下部連結棒343の上側部分には、固定ピン347の先端が嵌入されるピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3が形成されている。ピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3は、下部連結棒43と同様、下部連結棒343が形成する該直円柱形状の軸を含む一平面(図11が示す断面)に沿って等間隔に形成されている。加えて、下部連結棒343には、その上端からその長手方向(下部連結棒343が形成する該直円柱形状の軸に沿った方向)の所定位置まで連続的にスライド溝44と同様のスライド溝344が形成されている。
上部連結棒345は、上端と下端とが開放された円柱状の内部空間345cを有しており、上部連結棒345の内部空間345cには下部連結棒343の上端部分が内嵌されている。内部空間345cに内嵌された下部連結棒343の上端部分近傍に形成されたピン嵌入凹部343h2には、付勢バネ349により付勢された固定ピン347の先端部分が嵌入されており、これによって上部連結棒345と下部連結棒343との相対的位置が固定されている。なお、固定ピン347の頭部分を把持し、付勢バネ349の付勢力に抗して固定ピン347の先端部分をピン嵌入凹部343h2から引き抜いて、上部連結棒345と下部連結棒343との相対的位置を変えて、ピン嵌入凹部343h1、343h3に固定ピン347の先端部分を嵌入することで連結棒341の長さを変更することができる。そして、上部連結棒345にはその上端から下端まで連続的にスライド溝346が形成されている。スライド溝346の該長手方向に対して垂直な断面形状は、該長手方向のいずれの位置においても同じであり、詳細には、該一平面(図11が示す断面)に沿ってスライド溝344と略同じ幅で形成されている。これらスライド溝346及びスライド溝344には補助背もたれ板81の縁が嵌入された状態でスライド移動するためのものである。
なお、ピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3は、ピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3に対応する位置に形成されており、例えば、固定ピン357の先端部分をピン嵌入凹部353h1に嵌入すると共に固定ピン347の先端部分をピン嵌入凹部343h1に嵌入すると連結棒341の上端と連結棒351の上端とが同じ高さになり、固定ピン357、347をピン嵌入凹部353h2とピン嵌入凹部343h2とに嵌入した場合やピン嵌入凹部353h3とピン嵌入凹部343h3とに嵌入した場合も同様に連結棒341の上端と連結棒351の上端とが同じ高さになる。
図11及び図12に示すように、固定ピン347の先端部分をピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3のいずれかに嵌入し、固定ピン357の先端部分をピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3のいずれかに嵌入すると共に固定ピン29bbの先端部分をピン嵌入窪み353fに嵌入して連結棒取付部29bに下部連結棒353を取り付けた状態(ここでは下部連結棒343の下端は連結棒取付部29aに固着されている。)では、連結棒341、351が当接部61を支持する(即ち、図11の状態が本椅子11における図1〜図3の状態に相当する。)。図11の状態から、固定ピン29bbの先端部分をピン嵌入窪み353fから抜くと共に固定ピン357の先端部分をピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3から抜いた後、下部連結棒353を上方(当接部61の方向)にスライドさせることで、下部連結棒353の下端と連結棒取付部29bとの間に隙間を形成することができる。この隙間(通過隙間)を経て使用者101の左上腿107a及び右上腿107bを、基礎部21と座部31とを含む本体部、連結棒341、連結棒351及び当接部61によって取り囲まれた上腿貫通穴に出し入れすることができる(即ち、本椅子11における図6の状態に相当する。)。即ち、本椅子311は図11の状態及びその状態から下部連結棒353を上方にスライドさせた状態の両状態をとることで本椅子11と同様に使用することができる。
なお、本椅子11と同様、本椅子311においても、ピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3のいずれに固定ピン347の先端部分を嵌入するかにより連結棒341の長さを変更し、ピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3のいずれに固定ピン357の先端部分を嵌入するかにより連結棒351の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。
図13は、本椅子に用いることができる固定ピン501と、固定ピン501の先端が嵌入されるピン嵌入凹部521に向けて固定ピン501を付勢する付勢バネ531と、の別の例を示す断面図である。図13に示す通り、固定ピン501は、第1の直円柱(半径r1)形状をなす軸部505と、軸部505の一端に取り付けられた第2の直円柱(半径r2。但しr2>r1。)形状をなす把持部503と、軸部505の他端に取り付けられた第3の直円柱(半径r3。但しr3>r1。第1の直円柱の軸と第2の直円柱の軸と第3の直円柱の軸とは一直線上に略存する。)形状をなす先端部507と、を含んでなる。軸部505には、つるまきばね(圧縮ばね)たる付勢バネ531が外嵌されており、該つるまきばねの内径rsは、rs>r1かつr2>rsかつr3>rsとなっている(なお、付勢バネ531の外径は第3の直円柱の外径よりも小さい。)。
外管551には内管561が内嵌されており、外管551には軸部505を遊嵌するが把持部503、先端部507及び付勢バネ531が通過不可能な軸部貫通孔553が形成されている。さらに、外管551の内面552(内管561に面する面)側には、収容室557が軸部貫通孔553に連通するように形成されている。収容室557は、把持部503が把持され、図13中の矢印Q方向に引き出された状態において、押し縮められた付勢バネ531と先端部507とを収容可能な大きさ及び形状に形成されている(付勢バネ531と先端部507とが収容室557に収容されることで、外管551に対して内管561が長手方向に沿って自由に移動可能となる。)。
内管561には、収容室557に対応する位置にピン嵌入凹部521が形成されている。ピン嵌入凹部521は、ここでは直円柱に沿った形状をなし、把持部503に力が加わっていない際の付勢バネ531の一部と先端部507と軸部505の一部とを収容する。ここではピン嵌入凹部521と収容室557とを合わせると1の直円柱形状を略形成し、軸部貫通孔553も直円柱に略沿った形状をなしているが、該1の直円柱の軸と軸部貫通孔553が沿った直円柱の軸との両方の軸は、前記した第1の直円柱の軸と第2の直円柱の軸と第3の直円柱の軸とが略存する一直線の上に略存する。
固定ピン501は、圧縮バネである付勢バネ531(付勢バネ531の一端は外管551の係止面555に当接し、付勢バネ531の他端は先端部507に当接している。)の付勢力によって、図13中の矢印Qとは反対方向に付勢されている。これにより先端部507がピン嵌入凹部521に収容された状態が保持され、外管551に対する内管561の移動を禁止する。このような図13の状態から把持部503を把持し、付勢バネ531の付勢力に抗して固定ピン501を図13中の矢印Q方向に引き出すことで、付勢バネ531を押し縮めて先端部507をピン嵌入凹部521から収容室557へ移動させることができる。付勢バネ531と先端部507とを収容室557に収容した後、外管551に対して内管561を長手方向に沿って自由に移動させることができる。
このような図13に示した固定ピン501及び付勢バネ531を含む構造は、上述の本椅子11、311の固定ピン47及び付勢バネ49、固定ピン57及び付勢バネ59、固定ピン54p及び付勢バネ54s、固定ピン29bb及び付勢バネ352、固定ピン357及び付勢バネ359、固定ピン347及び付勢バネ349に替えて用いてもよい。
図13に示した構造は様々な方法で構成できるが、例えば、図13中に点線Sで示す平面Sによって外管551を上部(図13中で平面Sより上部分)と下部(図13中で平面Sより下部分)とに分割した状態で準備しておき(収容室557と軸部貫通孔553とになる部分を該上部及び該下部に形成している)、付勢バネ531を外嵌した固定ピン501の先端部507を図13に示すようにピン嵌入凹部521に収容した後、該上部及び該下部を図13のように平面Sにて接合し(これにより図13の状態が形成される)、該上部と該下部とを溶接等によって固定してもよい。また、これとは別の方法として、軸部貫通孔553を取り囲む外管551の部分を外管551の残部とは別体(該部分と該残部との境界の例を図13中に点線Tとして示した)としておき、該部分に図13に示すような状態で、付勢バネ531を外嵌した固定ピン501を装着した後(例えば、固定ピン501から把持部503を取り外したものに付勢バネ531を外嵌し、軸部505を軸部貫通孔553に貫通させ、その後、把持部503を取り付ける等)、固定ピン501の先端部507を図13に示すようにピン嵌入凹部521に収容し(これにより図13の状態が形成される)、該部分と該残部とを境界線(例えば点線T)に沿って溶接等によって固定するようにしてもよい。
以上説明の通り、本椅子11、211、311は、座面33を上面に有する座部31を含む本体部(基礎部21と座部31とを含んで構成される)と、座面33に腰掛けた状態の使用者101が胸を当接させることができる胸当接面(ここでは当接部61の表面61a)と、腰掛けた状態の使用者101のあご103に下方から当接する上面又は上縁に形成されたあご103が嵌入される凹部であるあご当接部(上縁窪み62d)と、を有してなる当接部61と、腰掛けた状態の使用者101が両方の上腿107a、107bを正面に向かって伸ばすことができるよう、当接部61を本体部(基礎部21及び座部31)に対して支持する支持部(本椅子11においては連結棒41、51が構成し、本椅子211においては連結棒41、連結棒251が構成し、本椅子311においては連結棒341、351が構成する。)と、を備えてなる、椅子である。
そして、本椅子11、211、311においては、当接部61が、腰掛けた状態の使用者101の左右の上腕104、105を支持する左上腕支持部(ここでは一方窪み63d)及び右上腕支持部(ここでは他方窪み64d)を有するものである。
本椅子11、211、311においては、支持部(本椅子11では連結棒41、51、本椅子211では連結棒41、251、本椅子311では連結棒341、351)が、上方に向かって立ち上がるよう下端が本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)に取り付けられると共に上端に当接部61が取り付けられる第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)及び第2支持棒(本椅子11では連結棒41、本椅子211では連結棒41、本椅子311では連結棒341)であって、腰掛けた状態の使用者101の正面に向かって伸ばした両方の上腿107a、107bを貫通させる上腿貫通穴91を第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)と第2支持棒(本椅子11では連結棒41、本椅子211では連結棒41、本椅子311では連結棒341)と当接部61と本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)とによって取り囲むように形成する一対配設された第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)及び第2支持棒(本椅子11では連結棒41、本椅子211では連結棒41、本椅子311では連結棒341)を有してなるものである。
本椅子11、211、311においては、当接部61と本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)との間を連結する第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)のいずれかの位置に、使用者101の上腿107a、107bを通過させることができる通過隙間(本椅子11においては図6に示す連結棒51下端と連結棒取付部29bとの間の隙間98が該当する。本椅子211においては通過隙間301が該当する。本椅子311においては図11の状態から下部連結棒353を上方にスライドさせて下部連結棒353下端と連結棒取付部29bとの間に形成される隙間が該当する。)を形成可能なものである。
本椅子11、211、311においては、第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)の下端が本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)に着脱自在にされると共に、該下端が本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)から取り外された状態において該下端と本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)との間に通過隙間を形成可能なものである。
本椅子11においては、第2支持棒(連結棒41)の下端が本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)に対して回動可能に形成されており、第1支持棒(連結棒51)の下端を本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)から取り外して第2支持棒(連結棒41)の下端を本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)に対して回動させることで第1支持棒(連結棒51)の下端と本体部(基礎部21及び座部31を含んで構成される)との間に通過隙間(隙間98)を形成するものである。
本椅子11、211、311においては、上腿貫通穴91の少なくとも一部を塞ぐことで背もたれの一部を構成する補助背もたれ部(補助背もたれ板81)を備えてなるものである。
本椅子11、211、311においては、補助背もたれ部(補助背もたれ板81)が、第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)及び第2支持棒(本椅子11では連結棒41、本椅子211では連結棒41、本椅子311では連結棒341)に沿ってスライド自在な板状部材によって形成され、該板状部材の上縁を含む少なくとも一部が当接部61の内部(内部空間67)に収容可能なものである。
本椅子11、211、311においては、補助背もたれ部(補助背もたれ板81)を形成する前記板状部材の少なくとも一部が当接部61の内部(内部空間67)に収容された状態において、該板状部材が当接部61の内部(内部空間67)から脱出することを防止する脱出防止部(ここでは互いに引き合う磁石69と磁石82とにより構成される)を有するものである。
本椅子11、211、311においては、補助背もたれ部(補助背もたれ板81)を形成する前記板状部材の側縁がスライド自在に嵌入される側縁嵌入溝(連結棒41においてはスライド溝46及びスライド溝44である。連結棒51においてはスライド溝56及びスライド溝54である。連結棒251も図示しないが連結棒51と同様のスライド溝が形成されている。連結棒341においてはスライド溝346及びスライド溝344である。連結棒351においてはスライド溝356及びスライド溝354である。)が第1支持棒(本椅子11では連結棒51、本椅子211では連結棒251、本椅子311では連結棒351)及び第2支持棒(本椅子11では連結棒41、本椅子211では連結棒41、本椅子311では連結棒341)に連続的に形成されているものである。
本椅子11、211、311においては、腰掛けた状態の使用者101に対して当接部61の高さが、異なる少なくとも2以上の値を取り得るものである。具体的には、本椅子11であれば、ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3のいずれに固定ピン47の先端部分を嵌入するかにより連結棒41の長さを変更し、ピン嵌入凹部53h1、53h2、53h3のいずれに固定ピン57の先端部分を嵌入するかにより連結棒51の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。本椅子211であれば、ピン嵌入凹部43h1、43h2、43h3のいずれに固定ピン47の先端部分を嵌入するかにより連結棒41の長さを変更し、複数のピン嵌入孔254のいずれに固定ピン253を嵌入するかにより連結棒251の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。本椅子311であれば、ピン嵌入凹部343h1、343h2、343h3のいずれに固定ピン347の先端部分を嵌入するかにより連結棒341の長さを変更し、ピン嵌入凹部353h1、353h2、353h3のいずれに固定ピン357の先端部分を嵌入するかにより連結棒351の長さを変更することで、当接部61の高さを調節することができる。
かかる本椅子11、211、311は、上述の如く、使用者101が椅子へ着座することによる首のこりや肩こり等の疲労を減少させることができるので、長時間の快適な着座を可能ならしめ、例えば、着座して行う食事、読書、事務仕事を快適なものとすることができる。さらに、本椅子11、211、311は、身体的な障害を有する者や高齢者の着座を楽にすることができる。加えて、使用者101の着座体勢も好ましいものとすることができる。
また、本椅子11、211、311はその使用状態や目的に応じ、様々な変更が可能であり、例えば、床面に対して本椅子11、211、311を容易に移動させるためには基礎部21の下面に車輪を設けるようにしてもよい。
11 本椅子
21 基礎部
23a、23b、23c、23d 棒状基礎部
25 柱状基礎部
27 板状基礎部
29a、29b 連結棒取付部
29bb 固定ピン
31 座部
33 座面
41 連結棒
43 下部連結棒
43h1、43h2、43h3 ピン嵌入凹部
44 スライド溝
44a 奥面
44b、44c 側面
45 上部連結棒
45c 内部空間
46 スライド溝
47 固定ピン
47b 頭部分
49 付勢バネ
51 連結棒
52 下部スライド筒
52c 内部空間
53 下部連結棒
53ha ピン嵌入凹部
53h1、53h2、53h3 ピン嵌入凹部
54 スライド溝
54p 固定ピン
54pb 頭部分
54s 付勢バネ
55 上部連結棒
55c 内部空間
56 スライド溝
57 固定ピン
59 付勢バネ
61 当接部
61a 表面
61b 背面
62 上縁部
62d 上縁窪み
63、64 側縁
63d 一方窪み
64d 他方窪み
65 下縁
67 内部空間
68 開口
69 磁石
81 補助背もたれ板
81a 当接面
81b 裏面
81c 下端
81d1、81d2 側縁
82 磁石
91 上腿貫通穴
101 使用者
102 頭部
103 あご
104 左上腕
105 右上腕
107a 左上腿
107b 右上腿
108 首の後
201 床面
211 本椅子
229b 連結棒取付部
229b1 板状部材の一方
251 連結棒
252 固定ピン
252a 板状部材の一方
253 固定ピン
254 ピン嵌入孔
255 回動棒
256 ピン嵌入孔
301 通過隙間
311 本椅子
341 連結棒
343 下部連結棒
343h1、343h2、343h3 ピン嵌入凹部
344 スライド溝
345 上部連結棒
345c 内部空間
346 スライド溝
347 固定ピン
349 付勢バネ
351 連結棒
352 付勢バネ
353 下部連結棒
353h1、353h2、353h3 ピン嵌入凹部
353f ピン嵌入窪み
354 スライド溝
355 上部連結棒
355c 内部空間
356 スライド溝
357 固定ピン
359 付勢バネ
501 固定ピン
503 把持部
505 軸部
507 先端部
521 ピン嵌入凹部
531 付勢バネ
551 外管
552 内面
553 軸部貫通孔
555 係止面
557 収容室
561 内管

Claims (10)

  1. 座面を上面に有する座部を含む本体部と、
    座面に腰掛けた状態の使用者が胸を当接させることができる胸当接面と、腰掛けた状態の使用者のあごに下方から当接する上面又は上縁に形成されたあごが嵌入される凹部であるあご当接部と、を有してなる当接部と、
    腰掛けた状態の使用者が両方の上腿を正面に向かって伸ばすことができるよう、当接部を本体部に対して支持する支持部と、
    を備えてなり、
    支持部が、上方に向かって立ち上がるよう下端が本体部に取り付けられると共に上端に当接部が取り付けられる第1支持棒及び第2支持棒であって、腰掛けた状態の使用者の正面に向かって伸ばした両方の上腿を貫通させる上腿貫通穴を第1支持棒と第2支持棒と当接部と本体部とによって取り囲むように形成する一対配設された第1支持棒及び第2支持棒を有してなるものである、椅子。
  2. 当接部が、腰掛けた状態の使用者の左右の上腕を支持する左上腕支持部及び右上腕支持部を有するものである、請求項1に記載の椅子。
  3. 当接部と本体部との間を連結する第1支持棒のいずれかの位置に、使用者の上腿を通過させることができる通過隙間を形成可能なものである、請求項1又は2に記載の椅子。
  4. 第1支持棒の下端が本体部に着脱自在にされると共に、該下端が本体部から取り外された状態において該下端と本体部との間に通過隙間を形成可能なものである、請求項3に記載の椅子。
  5. 第2支持棒の下端が本体部に対して回動可能に形成されており、第1支持棒の下端を本体部から取り外して第2支持棒の下端を本体部に対して回動させることで第1支持棒の下端と本体部との間に通過隙間を形成するものである、請求項4に記載の椅子。
  6. 上腿貫通穴の少なくとも一部を塞ぐことで背もたれの一部を構成する補助背もたれ部を備えてなるものである、請求項1乃至5のいずれか1に記載の椅子。
  7. 補助背もたれ部が、第1支持棒及び第2支持棒に沿ってスライド自在な板状部材によって形成され、該板状部材の上縁を含む少なくとも一部が当接部の内部に収容可能なものである、請求項6に記載の椅子。
  8. 補助背もたれ部を形成する前記板状部材の少なくとも一部が当接部の内部に収容された状態において、該板状部材が当接部の内部から脱出することを防止する脱出防止部を有するものである、請求項7に記載の椅子。
  9. 補助背もたれ部を形成する前記板状部材の側縁がスライド自在に嵌入される側縁嵌入溝が第1支持棒及び第2支持棒に連続的に形成されているものである、請求項7又は8に記載の椅子。
  10. 腰掛けた状態の使用者に対して当接部の高さが、異なる少なくとも2以上の値を取り得るものである、請求項1乃至9のいずれか1に記載の椅子。
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