JP5282753B2 - 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5282753B2
JP5282753B2 JP2010074409A JP2010074409A JP5282753B2 JP 5282753 B2 JP5282753 B2 JP 5282753B2 JP 2010074409 A JP2010074409 A JP 2010074409A JP 2010074409 A JP2010074409 A JP 2010074409A JP 5282753 B2 JP5282753 B2 JP 5282753B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
piezoelectric
piezoelectric body
optical scanner
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010074409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011209362A (ja
Inventor
徹 垣内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2010074409A priority Critical patent/JP5282753B2/ja
Publication of JP2011209362A publication Critical patent/JP2011209362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5282753B2 publication Critical patent/JP5282753B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

本発明は、駆動効率を向上させつつ、放電による電極間の短絡を防止することができる圧電アクチュエータ、かかる圧電アクチュエータを備えた光スキャナ、かかる光スキャナを備えた光走査型画像表示装置、かかる光スキャナを備えた画像形成装置に関する。
圧電アクチュエータとは、圧電素子を用いた可動装置のことである。圧電素子とは、圧電体が電圧の印加により変形する現象(以下、逆圧電効果と称する)を利用した受動素子である。
圧電アクチュエータは、光スキャナ、圧電スピーカ等に用いられ、プリンタ、プロジェクタ、スピーカ等に用いられている。圧電アクチュエータの例として、ここでは光スキャナを取り上げる。
例えば、導電性の基板を通して圧電体に電圧を印加することができる光スキャナが、特許文献1に開示されている。
また例えば、圧電層を挟んで両側に電極を有するバルクの圧電素子が接着層を介して基板に接着された光スキャナが、特許文献2に開示されている。
特開2006−293116号公報(段落[0014]、[0018]、図2) 特開2007−271788号公報(段落[0003]〜[0007]、図6)
そして、特許文献1に開示されている導電性の基板と、特許文献2に開示されているバルクの圧電素子と、が導電性接着層を介して接着されていた場合を考える。
一般的に、圧電素子の厚みを薄くすると、圧電素子が接着された基板の変位量は大きくなる。その結果、所望の基板の変位量を得るために必要な駆動電圧(以下、駆動効率と称する)を小さくすることができる。しかしながら、圧電素子の厚みを薄くすると、相対的に電極同士が対向する方向の電極間の距離が近くなる。このため、駆動電圧が電源から電極に印加された際に、一方の電極の導電性接着層から他方の電極へ放電が起こり、電極間の短絡が起こってしまう可能性がある。圧電アクチュエータの電極間に短絡が起こってしまうと、圧電アクチュエータが動作しなくなる恐れがある。これを踏まえ、電極間の短絡を防止する方法を考える。
例えば圧電体の厚みを厚くする方法が考えられるが、圧電体の厚みを厚くすると、相対的に電極同士が対向する方向の電極間の距離が遠くなる。このため、駆動電圧が印加された際に、電極間に放電が起こりにくく、その結果電極間の短絡が起こりにくくなる。このように、圧電体の厚みを十分厚くすることで、電極間の短絡を防止することができる。
しかしながら、圧電体の厚みを厚くすると、駆動効率が低下するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、駆動効率を向上させつつ、放電による電極間の短絡を防止することができる圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る圧電アクチュエータは、所定の方向に厚みを有する板状の圧電体と、前記圧電体の両面のうち一方の面に設けられた第1の電極と、前記圧電体の両面のうち他方の面に設けられた第2の電極と、を含む圧電素子と、前記圧電素子の伸縮により、曲げ変形される導電性の振動板と、前記振動板と前記圧電素子とを接着する接着層と、を備え、前記接着層は、前記振動板の両面のうち片側の面と前記第1の電極の両面のうち前記圧電体が設けられる面とは反対側の面との間の領域に設けられ、前記片側の面と前記反対側の面とを接着する導電性接着層と、前記第1の電極の前記所定の方向に沿った側面全面と前記圧電体の前記所定の方向に沿った側面とを覆うように設けられ、前記片側の面と前記圧電体の前記所定の方向に沿った側面とを接着する絶縁性接着層と、を有し、前記片側の面からの前記所定の方向の前記絶縁性接着層の高さは、前記片側の面と前記反対側の面との間の前記所定の方向の前記導電性接着層の厚みと前記所定の方向の前記第1の電極の厚みとを足した長さ以上であり、
前記絶縁性接着層の弾性率は、前記導電性接着層の弾性率と同等以上であることを特徴とする。
請求項2に係る圧電アクチュエータは、請求項1に係る圧電アクチュエータにおいて、前記高さは、前記長さと前記圧電体の厚みとを足した長さ以上であることを特徴とする。
請求項に係る光スキャナは、請求項1又は2に係る圧電アクチュエータを備える光スキャナであって、入射した光束を反射するミラーを有す板状のミラー部と、前記ミラー部の揺動軸に沿って延び、前記ミラー部を支持する1対の梁部と、前記振動板を含み、前記1対の梁部がそれぞれ連結され、前記ミラー部と前記1対の梁部とを囲むように設けられた枠状の枠板部と、を備える基板と、前記基板を支持する筐体と、を備えることを特徴とする。
請求項に係る光走査型画像表示装置は、画像信号に応じた光束を出射する光源制御部と、前記光源制御部から出射された光束を前記ミラーに反射させ、第1方向に走査する請求項に係る光スキャナと、前記光スキャナによって前記第1方向に走査された光束を、前記第1方向と略直交する第2方向に走査するスキャナ部と、前記スキャナ部によって前記第2方向に走査された光束を被投射対象に投射する投射部と、を備えることを特徴とする。
請求項に係る画像形成装置は、画像信号に応じた光束を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射された光束を前記ミラーにより反射させ、第1方向に走査する請求項に係る光スキャナと、前記光スキャナから前記第1方向に走査された光束が照射されることにより、静電潜像を形成する感光体と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の圧電アクチュエータによれば、絶縁性接着層は、圧電体側面を覆うように設けられ、振動板の片側の面と圧電体の側面とを接着することを特徴とする。これにより、圧電体の側面の伸縮は、絶縁性接着層を通して、直接振動板に伝えられる。その結果、絶縁性接着層が圧電体の側面に設けられていない場合と比較して、圧電アクチュエータの駆動効率を向上させることができる。また、第1の電極の側面は絶縁性接着層で覆われているため、圧電アクチュエータの電極間の放電による短絡の発生を防ぐことができる。
絶縁性接着層は、導電性接着層と同等以上の弾性率を有することを特徴とする。これにより、絶縁性接着層が導電性接着層より弾性率が小さい場合と比較して、絶縁性接着層を通して、圧電体の側面の伸縮を減衰させることなく振動板に伝えることができる。その結果、絶縁性接着層が導電性接着層より弾性率が小さい場合と比較して、圧電アクチュエータの駆動効率を向上させることができる。
請求項2に記載の圧電アクチュエータによれば、絶縁性接着層の高さは、導電性接着層と第1の電極と圧電体の厚みとを足した長さ以上であることを特徴とする。即ち、絶縁性接着層は、圧電体の側面全面を覆うように設けられている。これにより、圧電体の側面全面の伸縮は、絶縁性接着層を通して、直接振動板に伝えられる。その結果、絶縁性接着層が圧電体側面全面に覆われていない場合と比較して、圧電アクチュエータの駆動効率を向上させることができる。
請求項に記載の光スキャナによれば、枠板部と1対の梁部とミラー部とミラーとを備える基板と筐体とを備えることを特徴とする。これにより、圧電素子に電圧を印加することで、圧電体の側面の伸縮が直接枠板部に伝わり、枠板部が振動する。枠板部の振動が、1対の梁部を介してミラー部に伝わることで、絶縁性接着層が圧電体の側面に設けられていない場合と比較して、ミラーの振れ角を大きくすることができる。また、第1の電極の側面は絶縁性接着層で覆われている。このため、圧電素子の電極間の放電による短絡の発生を防ぐことができる。上記の理由により、絶縁性接着層が第1の電極の側面と圧電体の側面とに設けられていない場合と比較して、所望のミラー振れ角で揺動させるための駆動電圧が小さく、かつ圧電素子の電極間の短絡が起こらない光スキャナを提供することができる。
請求項に記載の光走査型画像表示装置は、請求項に記載の光スキャナを備えることを特徴とする。これにより、圧電素子に電圧を印加することで、圧電体の側面の伸縮が直接枠板部に伝わり、枠板部が振動する。枠板部の振動が、1対の梁部を介してミラー部に伝わる。このため、絶縁性接着層が圧電体の側面に設けられていない場合と比較して、ミラーの振れ角を大きくすることができる。また、第1の電極の側面は絶縁性接着層で覆われている。このため、圧電素子の電極間の放電による短絡の発生を防ぐことができる。上記の理由により、絶縁性接着層が第1の電極の側面と圧電体の側面とに設けられていない場合と比較して、所望の画像を表示するための駆動電圧が小さく、かつ圧電素子の電極間の短絡が起こらない光走査型画像表示装置を提供することができる。
請求項に記載の画像形成装置は、請求項に記載の光スキャナを備えることを特徴とする。これにより、圧電素子に電圧を印加することで、圧電体の側面の伸縮が直接枠板部に伝わり、枠板部が振動する。枠板部の振動が、1対の梁部を介してミラー部に伝わる。このため、絶縁性接着層が圧電体の側面に設けられていない場合と比較して、ミラーの振れ角を大きくすることができる。また、第1の電極の側面は絶縁性接着層で覆われている。このため、圧電素子の電極間の放電による短絡の発生を防ぐことができる。上記の理由により、絶縁性接着層が第1の電極の側面と圧電体の側面とに設けられていない場合と比較して、所望の画像を形成するための駆動電圧が小さく、かつ圧電素子の電極間の短絡が起こらない画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態の光スキャナ1の概観を示す斜視図である。 光スキャナ1の圧電アクチュエータ39を示す平面図である。 図2のA−A線に従う矢視断面図である。 圧電アクチュエータ39の側面を示す断面図である。 圧電素子40と基板10との接着工程を示す断面図である。 光スキャナ1が用いられた網膜走査ディスプレイ101の構成を示す図である。 圧電体41の伸縮に伴う、応力の伝達を示す断面図である。 駆動電圧とミラー振れ角との関係を示すグラフである。 光スキャナ1が用いられたレーザプリンタ125の構成を示す図である。
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータが組み込まれた光スキャナについて図面を参照しつつ説明する。
〔光スキャナ概観〕
まず図1を用いて、光スキャナと水平走査ドライバとについて説明する。図1は、本発明の光スキャナと水平走査ドライバとの概観を示す斜視図である。まず、光スキャナについて説明する。図1に示される光スキャナ1は、基板10と、筐体20と、圧電素子40と、接着層50と、を備える。本実施形態における光スキャナ1は、本発明の光スキャナの一例である。
本実施形態における方向を定義する。同一平面上において直交する方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向とする。また、そのX軸Y軸がなす平面に直交する方向をZ軸方向とする。本実施形態におけるZ軸方向は、順に本発明の所定の方向の一例である。
基板10は、導電性を有す部材であるステンレスにて形成される。基板10は、厚みが100μmの四角い板形状を有す。基板10は、ミラー部11と、梁部12、13と、枠板部14と、を備える。ミラー部11は、四角い板形状を有している。さらに、ミラー11mが、ミラー部11の両面のうち一方の面に形成されている。梁部12、13は、ミラー部11からX軸方向に延び、ミラー部11を支持している。枠板部14は、四角い枠形状を有している。さらに、枠板部14は、ミラー部11と、梁部12、13とを囲むように形成され、梁部12、13と連結されている。後述するが、枠板部14の片側の面に接着層50が塗布される。この枠板部14の片側の面を枠板部14の接着面14aと称する。本実施形態における接着面14aは、本発明の片側の面の一例である。本実施形態における基板10、ミラー部11、ミラー11m、枠板部14は、順に本発明の基板、ミラー部、ミラー、枠板部の一例である。本実施形態における梁部12、13は、本発明の1対の梁部の一例である。
筐体20は、支持部21と、ベース部22と、を備える。支持部21は、Z軸方向に長い直方体形状を有している。基板10のY軸方向における両端のうち一端が、支持部21と接続される。ベース部22は、直方体形状を有している。支持部21とベース部22とは接続されている。本実施形態における筐体20は、本発明の筐体の一例である。
次に、同じく図1を用いて水平走査ドライバについて説明する。図1に示される水平走査ドライバ30は、駆動電圧を制御する装置である。そして、水平走査ドライバ30は、配線31を経由して基板10に電気的に接続される。さらに、水平走査ドライバ30は、配線32を経由して、圧電素子40に電気的に接続される。
〔圧電アクチュエータ概観〕
次に、図2、図3、図4を用いて、光スキャナ1の圧電アクチュエータ39について説明する。図2は、光スキャナ1の圧電アクチュエータ39を示す平面図である。図3は、図2のA−A線に従う矢視断面図である。図4は、圧電アクチュエータ39の側面を示す断面図である。圧電アクチュエータ39は、圧電素子40と、接着層50と、基板10の枠板部14の一部と、を含む。本実施形態における枠板部14の一部は、本発明の振動板の一例である。本実施形態における圧電アクチュエータ39は、本発明の圧電アクチュエータの一例である。
圧電素子40のX軸方向の距離を圧電素子40の横幅Px、圧電素子40のY軸方向の距離を圧電素子40の縦幅Py、圧電素子40のZ軸方向の距離を圧電素子40の厚みPzと称する。図2に示すように、圧電素子40は、接着面14aに形成される。圧電素子40は、圧電素子40の横幅Pxが3mm、圧電素子40の縦幅Pyが3mm、圧電素子40の厚みPzが0.06mmである四角い板形状を有す。また、絶縁性接着層52が圧電素子40の側面に形成されている。
さらに、図3に示すように、圧電素子40は、圧電体41と、1対の電極42と、を備える。圧電体41の材料は、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと称する)を含む。圧電体41は、板形状を有す。1対の電極42は、圧電体41のZ軸方向における両面に設けられる。1対の電極42は、導電性を有する材質である金にて形成される。1対の電極42は、第1の電極43と第2の電極44とを有す。第2の電極44は、図示しない配線32を経由して、図示しない水平走査ドライバ30と接続されている。図4に示すように、第1の電極43は圧電体41の両面のうち他方の面41bに設けられ、第2の電極44は圧電体41のZ軸方向における両面のうち一方の面41aに設けられる。本実施形態における圧電素子40、圧電体41、第1の電極43、第2の電極44、一方の面41a、他方の面41bは、順に本発明の圧電素子、圧電体の第1の電極、第2の電極、一方の面、他方の面の一例である。
図3に示すように、接着層50は、熱硬化性を有している。接着層50は、エポキシ樹脂材料にて形成される。接着層50は、導電性接着層51と、絶縁性接着層52と、を有す。図4に示すように、導電性接着層51は、第1の電極43の両面のうち圧電体41が設けられる面43aとは反対側の面43bと、枠板部14の接着面14aと、の間の領域に設けられている。導電性接着層51は、第1の電極43の面43bと、枠板部14の接着面14aと、を接着している。絶縁性接着層52は、枠板部14の接着面14a上にあり、第1の電極43のZ軸方向に沿った側面43e全面と圧電体41のZ軸方向に沿った側面41e全面とを覆い、第2の電極44のZ軸方向に沿った側面44eまで延びて設けられている。絶縁性接着層52は、枠板部14の接着面14aと圧電体41の側面41eとを接着している。導電性接着層51は、圧電体41の伸縮を枠板部14に十分伝えることができる程度の弾性率を有する。また、絶縁性接着層52の弾性率は、導電性接着層51の弾性率と同等以上である。本実施形態における面43a、面43b、接着層50、導電性接着層51、絶縁性接着層52は、順に本発明の圧電体が設けられる面、反対側の面、接着層、導電性接着層、絶縁性接着層の一例である。本実施形態における側面43e、側面41eは、順に本発明の第1の電極の前記所定の方向に沿った側面、圧電体の前記所定の方向に沿った側面の一例である。
接着層50の距離について図4を用いて説明する。第1の電極43の面43aと枠板部14の接着面14aとの間における導電性接着層51のZ軸方向の距離(以下、導電性接着層51の厚みBczと称する。)は10μm、枠板部14の接着面14aからの絶縁性接着層52のZ軸方向の距離(以下、絶縁性接着層52の高さBizと称する。)は71.5μm、第1の電極43のZ軸方向に沿った側面43eからの絶縁性接着層52のX軸方向の距離(以下、絶縁性接着層52の横幅Bixと称する。)と、第1の電極43のZ軸方向に沿った側面43eからの絶縁性接着層52のY軸方向の距離(以下、絶縁性接着層52の縦幅Biyと称する。図4には図示しない)とは、どちらも100μmとなる。本実施形態における導電性接着層51の厚みBcz、絶縁性接着層52の高さBizは、順に本発明の導電性接着層の厚み、絶縁性接着層の高さの一例である。
また、圧電素子40の距離について図4を用いて説明する。第1の電極43のZ軸方向の距離(以下、第1の電極43の厚みPe1zと称する)は1μm、圧電体41のZ軸方向の距離(以下、圧電体41の厚みPbzと称する)は60μm、第2の電極44のZ軸方向の距離(以下、第2の電極44の厚みPe2zと称する)は1μmであった。さらに、第1の電極43の厚みPe1zと圧電体41の厚みPbzと第2の電極44の厚みPe2zとを足し合わせた距離(圧電素子40の厚みPz)は、62μmであった。本実施形態における第1の電極43の厚みPe1z、圧電体41の厚みPbzは、順に本発明の第1の電極の厚み、圧電体の厚みの一例である。
〔光スキャナの製造方法〕
次に、作業者が光スキャナ1を製造する方法について図5を用いて説明する。
まず、図5(A)に示すように、作業者は基板10を用意する。
次に、図5(B)に示すように、作業者は、ディスペンサにより、導電性接着層51を枠板部14の接着面14a上の1.5mm×1.5mm×0.04mm(導電性接着層51のX軸方向の距離×導電性接着層51のY軸方向の距離×導電性接着層51のZ軸方向の距離)の領域に塗布する。
さらに、図5(C)に示すように、作業者は、ディスペンサにより、枠板部14の接着面14a上の導電性接着層51の外周に絶縁性接着層52を0.09mm塗布する。
作業者は、圧電素子40を用意する。そして、作業者は、Panasonic製FLIP CHIP BONDER FB30T−Mを用いて、圧電素子40を枠板部14に実装する。
具体的には、図5(D)に示すように、作業者は、Z軸方向で枠板部14の接着面14aと第1の電極43とが近づく向きに、導電性接着層51と第1の電極43とが接触するまで、第1の電極43を枠板部14の接着面14aに近づける。
さらに、図5(E)に示すように、作業者は、Z軸方向で枠板部14の接着面14aと第1の電極43とが近づく向きに、圧電素子40の第2の電極44側から例えば2kgfの圧力を120secかける。これにより、圧電素子40と導電性接着層51及び絶縁性接着層52とが密着する。圧電素子40と導電性接着層51及び絶縁性接着層52とが密着したことにより、絶縁性接着層52は、圧電素子40の外側にあふれ出し、圧電体41の側面41eと枠板部14の接着面14aとが接着される。
さらに、作業者は、基板10をオーブンに投入し、例えば150℃の状態で計30分間保持する。これにより、導電性接着層51及び絶縁性接着層52が硬化される。そして、作業者は、ワイヤーボンディング装置により、第2の電極44と水平走査ドライバ30との間に配線32を接続する。さらに、作業者は、基板10と筐体20とを接続する。このようにして、作業者は、光スキャナ1を製造する。
〔光スキャナの動作〕
光スキャナ1の動作について説明する。水平走査ドライバ30内にて駆動電圧が生成される。第2の電極44側では、駆動電圧が、水平走査ドライバ30から配線32を経由して第2の電極44へ印加される。基板10側では、駆動電圧が、水平走査ドライバ30から配線31を経由して基板10に印加される。基板10と第1の電極43とは、導電性接着層51により電気的に接続されている。ゆえに、駆動電圧が、基板10から導電性接着層51を経由して圧電素子40の第1の電極43へ印加される。駆動電圧が圧電素子40の第1の電極43と第2の電極44とに印加されると、逆圧電効果が第1の電極43と第2の電極44とに挟まれた圧電体41内に生じる。圧電素子40と基板10の枠板部14とは導電性接着層51及び絶縁性接着層52で接着されている。このため、圧電素子40の伸縮が、導電性接着層51及び絶縁性接着層52を経由して、枠板部14に伝えられ、枠板部14がたわむ。このたわみが枠板部14から梁部12、13を介してミラー部11へと伝わり、結果的にミラー部11が梁部12、13の長手方向を揺動軸15として共振揺動される。ミラー11mが揺動された状態で光束がミラー11mに入射される。すると、光束がミラー11mに反射され、結果的に1方向に走査される。このように、光スキャナ1に水平走査ドライバ30から駆動電圧を印加することで、光束を走査することができる。本実施形態における揺動軸15は、本発明の揺動軸の一例である。
〔光スキャナの使用例〕
本実施形態に係る光スキャナ1は、網膜走査ディスプレイ等に用いられる。図6は、光スキャナ1が用いられた網膜走査ディスプレイ101の構成を示す図である。
図6に示すように、網膜走査ディスプレイ101は、光源制御部102を備える。光源制御部102は、映像信号供給回路103を備える。映像信号104、水平同期信号105、及び、垂直同期信号106は、映像信号供給回路103から出力される。本実施形態における網膜走査ディスプレイ101、光源制御部102は、順に本発明の光走査型画像表示装置、光源制御部の一例である。
光源制御部102は、光源としてのRレーザ113,Gレーザ112,Bレーザ111と、その各光源を駆動するためのRレーザドライバ110,Gレーザドライバ109,Bレーザドライバ108と、各光源より出射された光束をそれぞれ平行光化するように設けられたコリメート光学系114と、それぞれ平行光化された光束を合波するダイクロイックミラー115と、合波された光束を光ファイバ117に導くファイバ結合光学系116とを備える。
また、網膜走査ディスプレイ101は、光束を光源制御部102から伝搬する光ファイバ117と、光ファイバから出射された光束を受けるコリメート光学系118と、コリメート光学系118によって平行光化された光束を水平方向に走査する水平走査系119と、水平走査系119によって走査された光束を垂直走査系121に導く第1リレー光学系120と、水平走査系119によって走査され第1リレー光学系120を介して入射された光束を垂直方向に走査する垂直走査系121と、垂直走査系121に走査された光束を観察者の瞳孔124に導く第2リレー光学系122と、を有している。
水平走査系119は、表示すべき画像の1フレームごとに、光束を水平方向に走査する水平走査を行う光学系である。また、水平走査系119は、水平走査を行う光スキャナ1と、入射された光束を反射するミラー11m、その光スキャナ1の駆動制御を行う水平走査ドライバ30とを備えている。本実施形態における水平方向は、本発明の第1方向の一例である。
これに対し、垂直走査系121は、水平走査系119にて水平走査された光束を垂直方向に垂直走査する垂直走査を行う光学系である。また、垂直走査系121は、光束を垂直方向に走査するスキャナ部121aと、入射された光束を反射する垂直走査ミラー121b、そのスキャナ部121aの駆動制御を行う垂直走査ドライバ121cとを備えている。本実施形態における垂直方向は、本発明の第2方向の一例である。本実施形態におけるスキャナ部121aは、本発明のスキャナ部の一例である。
第1リレー光学系120は、凸レンズ141、142を有している。第2リレー光学系122は、凸レンズ151、152を有している。第1リレー光学系120は、水平走査系119の光スキャナ1と、垂直走査系121のスキャナ部121aとが共役となるように、また、第2リレー光学系122は、スキャナ部21aと、観察者の瞳孔124とが共役となるように、各々設けられている。本実施形態における第2リレー光学系122は、本発明の投射部の一例である。
よって、水平走査系119と垂直走査系121とは互いに直交する方向に走査を行うようになっている。
また、水平走査系119,垂直走査系121は、各々映像信号供給回路103に接続され、映像信号供給回路103より出力される水平同期信号105,垂直同期信号106にそれぞれ同期して光束を走査するように設けられている。
次に、本発明の一実施形態の網膜走査ディスプレイ101が、映像信号供給回路103が外部からの映像信号を受けてから、観察者の網膜上に映像を投影するまでの過程について図6を用いて説明する。
図6に示すように、光源制御部102に設けられた映像信号供給回路103が外部からの映像信号の供給を受ける。すると、映像信号供給回路103は、赤,緑,青の各色の光束出力を制御するためのR映像信号,G映像信号,B映像信号からなる映像信号104と、水平同期信号105と、垂直同期信号106とが出力する。Rレーザドライバ110,Gレーザドライバ109,Bレーザドライバ108は各々入力されたR映像信号,G映像信号,B映像信号に基づいてRレーザ113,Gレーザ112,Bレーザ111に対してそれぞれ駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいて、Rレーザ113,Gレーザ112,Bレーザ111はそれぞれ強度変調された光束を生成する。Rレーザ113,Gレーザ112,Bレーザ111によって生成された光束は、各々の光束をコリメート光学系114に出力する。出力された光束は、コリメート光学系114によってそれぞれ平行光化される。コリメート光学系114によって平行光化された光束は、ダイクロイックミラー115に入射され1つの光束となるよう合波される。ダイクロイックミラー115によって合波された光束は、ファイバ結合光学系116によって光ファイバ117に入射されるよう導かれる。
光ファイバ117によって伝搬された光束は、光ファイバ117からコリメート光学系118によって平行光化され水平走査系119に出射される。水平走査系119に出射された光束は、水平走査系119の光スキャナ1のミラー11mに入射される。光スキャナ1のミラー11mに入射された光束は水平同期信号105に同期して水平方向に走査される。水平方向に走査された光束は、第1リレー光学系120を介し、垂直走査系121のスキャナ部121aの垂直走査ミラー121bに入射される。スキャナ部121aに入射された光束は、垂直同期信号106に同期して、スキャナ部121aによって垂直方向に走査される。水平走査系119及び垂直走査系121によって水平方向及び垂直方向に2次元走査された光束は、第2リレー光学系122により観察者の瞳孔124へ入射され、網膜上に投影される。このようにして、観察者は2次元走査されて網膜上に投影された光束による画像を認識することができる。本実施形態における瞳孔124は、本発明の被投射対象の一例である。
網膜走査ディスプレイ101は、観察者の頭部に搭載する頭部搭載型画像表示装置である。ゆえに、例えばめがね形状、ゴーグル形状、ヘルメット形状等の図示しない筐体に搭載され、観察者の頭部に装着した状態で使用する。
〔本実施形態の効果〕
圧電体41の側面41eの応力の伝達について説明する。圧電素子40の第1の電極43と第2の電極44とに電圧が印加される。すると、図7に示すように、圧電体41に逆圧電効果が起こり、圧電素子40が伸縮する。一方、絶縁性接着層52は、圧電体41の側面41eに接している。このため、応力F1が絶縁性接着層52にかかる。さらに、絶縁性接着層52は、枠板部14の接着面14aと接している。このため、応力F2が枠板部14に伝えられる。応力F2とは別に、圧電素子40の伸縮により導電性接着層51を通して枠板部14の接着面14aに伝えられる応力がある。即ち、圧電素子40から導電性接着層51を通して枠板部14に伝わる応力に加え、応力F2が枠板部14に伝えられる。ゆえに、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに形成されていない場合と比較して、一層たわむ。従って、圧電アクチュエータ39の駆動効率を、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに形成されていない場合と比較して、高くすることができる。
さらに、枠板部14が大きく変形することにより、その変形力が梁部12、13を介してミラー部11に伝わる。これにより、結果的にミラー部11が一層揺動される。即ち、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに設けられていない場合と比較して、ミラー11の振れ角を大きくすることができる。言い換えると、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに形成されていない場合と比較して、光スキャナ1を所望のミラー振れ角で揺動させるための駆動電圧を小さくすることができる。
また、圧電体41の側面41eにおける絶縁性接着層52の有無による駆動効率の差異を明確化するため、シミュレーションを行った。図8は、駆動電圧と光スキャナ1のミラー振れ角との関係を示すグラフである。圧電素子40の横幅Pxを3mm、圧電素子40の縦幅Pyを3mm、圧電素子40の厚みPzを60μm、導電性接着層51の厚みBczを20μm、絶縁性接着層52の高さBizを80μm、絶縁性接着層52の横幅Bixを125μm、絶縁性接着層52の縦幅Biyを125μmとして、シミュレーションソフトはANSYSを使用し、シミュレーションを行った。図8に実線で示された特性Aは絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eにない場合のシミュレーション結果であり、図8に一点鎖線で示された特性Bは絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eにある場合のシミュレーション結果である。図8を見てみると、特性A,Bともに、5V〜10Vの間では、駆動電圧が大きくなると、振れ角が大きくなっている。また、5V〜10Vの間では、特性Bは特性Aより振れ角が大きい。例えば、ミラー振れ角25°で揺動させるために、特性Aだと駆動電圧が約10V必要であるが、特性Bだと駆動電圧が約9Vしか必要ない。つまり、5V〜10Vの間では、特性Bは、特性Aより所望のミラー振れ角で揺動させるための駆動電圧が小さい。ゆえに、特性Bは特性Aより駆動効率が高いと考えられる。このように、シミュレーション結果からも、絶縁性接着層52が圧電素子41の側面41eに形成されていない場合と比較して、本実施形態に係る光スキャナにおいて、所望のミラー振れ角で揺動させるための駆動電圧が小さくなることは明らかである。
また、絶縁性接着層52は、第1の電極43のZ軸方向に沿った側面43eと圧電体41のZ軸方向に沿った側面41eとを覆っている。このため、駆動電圧が圧電素子40に印加された際に、第1の電極43と第2の電極44との間に放電による短絡が起こらない。ゆえに、短絡により光スキャナ1が動作しなくなる恐れがなくなる。従って、放電による電極間の短絡が起こらない圧電アクチュエータを提供することができる。本実施形態における光スキャナ及び光走査型画像表示装置は放電によるこの圧電アクチュエータを用いているため、同様の効果が得られる。即ち、放電による電極間の短絡が起こらない光スキャナ、光走査型画像表示装置を提供することができる。
さらに、絶縁性接着層52は、圧電体41の側面41e全面を覆い、第2の電極44の側面44eまで延びている。これにより、絶縁性接着層52を通して、圧電体41の側面41e全面の伸縮を直接枠板部14に伝えることができる。ゆえに、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41e全面に形成されていない場合と比較して、一層たわむ。即ち、圧電アクチュエータ39の駆動効率を、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41e全面を覆わない場合と比較して、一層高くすることができる。
接着層50の弾性率について説明する。絶縁性接着層52は、圧電体41の側面41eの伸縮を枠板部14に伝える。一方、導電性接着層51は、圧電体41の伸縮を枠板部14に十分伝えることができる程度の弾性率を有する。ゆえに、絶縁性接着層52の弾性率が導電性接着層51の弾性率より十分小さい、即ち絶縁性接着層52が柔らかいと、圧電体41が伸縮した際に、枠板部14に伝わる応力が絶縁性接着層52に吸収されやすくなる。これにより、圧電体41の伸縮が枠板部14に十分伝わらない恐れがある。即ち、絶縁性接着層52を圧電体41の側面41eに形成したとしても、圧電アクチュエータ39の駆動効率が高くならない可能性がある。しかしながら、絶縁性接着層52の弾性率は、導電性接着層51の弾性率と同等以上である。ゆえに、絶縁性接着層52の弾性率が導電性接着層51の弾性率より小さい場合と比較して、絶縁性接着層52を経由して圧電体41の側面41eの伸縮を枠板部14に十分伝えることができる。従って、絶縁性接着層52の弾性率が導電性接着層51の弾性率より小さい場合と比較して、圧電アクチュエータの駆動効率を高くすることができる。
また、光スキャナ1は、網膜走査ディスプレイ101等の光走査型画像表示装置に用いられる。これにより、圧電素子40に駆動電圧を印加することで、圧電体41の側面41eの伸縮が直接枠板部14に伝わり、枠板部14が振動する。枠板部14の振動が、梁部12、13を介してミラー部11に伝わる。このため、絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに設けられていない場合と比較して、ミラー11の振れ角を大きくすることができる。これにより、網膜走査ディスプレイ101を用いて所望の画像を表示するために光スキャナ1のミラー11mを揺動させる際に、所望のミラー振れ角でミラー11mを揺動させるための駆動電圧を小さくすることができる。
接着層50の材料について説明する。圧電素子40と基板10との接着工程においては、圧電素子40と基板10との接着を早く行い、一定時間に光スキャナ1を生産する数(以下、光スキャナ1の生産効率と称する。)を向上させることが求められる。一方、接着層50は、熱硬化性を有している。このため、作業者が、圧電素子40と基板10とを接着した直後の接着層50に熱を十分加えることで素早く硬化させることができる。接着層50を素早く硬化させることができるので、光スキャナ1の生産効率を向上させることができる。
また、接着層50はエポキシ樹脂材料を含む。エポキシ樹脂剤は、圧電体41の伸縮を基板10の枠板部14に十分伝えることができるだけの弾性を有している。このため、圧電体41の伸縮を基板10の枠板部14に伝えるのに適している。また、エポキシ樹脂剤は、熱硬化性を有す。このため、圧電素子40と基板10との接着工程において、圧電素子40と基板10とを接着した直後の接着層50に熱を加えることで、接着層50を素早く硬化させることができる。また、エポキシ樹脂剤は比較的安価である。ゆえに、光スキャナ1の製造コストを低くすることができる。
〔変形例〕
なお、以上のように、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本実施形態においては、圧電素子40の大きさ、基板10の厚み、導電性接着層51、絶縁性接着層52の塗布量等を具体的数値を用いて説明したが、この具体的数値はその一例を示すものであり、これに限定されないことは言うまでもない。
本実施形態においては、圧電素子40と基板10との接着を行うために、作業者は、ディスペンサを用いて接着層50を塗布し、Panasonic製FLIP CHIP BONDER FB30T−Mを用いて圧電素子40を基板10に実装し、オーブンを用いて接着層50を硬化させ、ワイヤーボンディング装置を用いて配線32を接続した。しかしながら、これに限らず、圧電素子40と基板10とを高精度に接着することができる装置であるならば、何でもよい。また、装置を用いずとも、人間が手動で、基板10に接着層50を塗布し、圧電素子40を基板10に実装してもよい。しかし、圧電素子40と基板10との接着は、比較的高い精度が求められる。このため、人間が手動で接着を行う方法は好適ではない。
本実施形態においては、接着層50は、エポキシ樹脂材料を含む。しかしながら、エポキシ樹脂剤に限らず、アクリル樹脂剤、シリコン樹脂剤等であってもよい。また、これらに限らず、接着層50が圧電素子40と基板10とを接着でき、かつ圧電素子40の伸縮を基板10に十分伝えることができる程度の弾性率を有している材料であるならば、何でもよい。
本実施形態においては、絶縁性接着層52の弾性率は、導電性接着層51の弾性率と同等以上であった。しかしながら、これに限らず、絶縁性接着層52、導電性接着層51の弾性率が圧電素子40の伸縮を基板10に十分伝えることができる程度に高いのであれば、絶縁性接着層52の弾性率は、導電性接着層51の弾性率より小さくても構わない。
本実施形態においては、接着層50は、熱硬化性を有している。しかしながら、これに限らず、接着層50は、熱硬化性を有していなくてもよい。しかし、光スキャナ1の生産効率を考慮すると、接着層50は、熱硬化性を有していることが望ましい。
本実施形態においては、導電性接着層51の厚みBczは10μm、絶縁性接着層52の高さBizは60μm、絶縁性接着層52の横幅Bix及び絶縁性接着層52の縦幅Biyは100μm、であった。しかしながら、これに限らず、導電性接着層51の厚みBczは0以外であるならば何でもよい。絶縁性接着層52の高さBizは、導電性接着層51の厚みBczと第1の電極43の厚みPe1zとを足した値以上であれば、何でもよい。絶縁性接着層52の横幅Bix、絶縁性接着層52の縦幅Biyは、0以外であるならば何でもよい。
本実施形態においては、圧電体41は、PZTを含む。しかしながら、PZTに限らず、圧電体41が、水晶、酸化亜鉛、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム等の種種の圧電材料のうち1種類を含んでいるならば、何でもよい。
本実施形態においては、基板10はステンレスにて形成される。しかしながら、ステンレスに限らず、基板10は、チタン、鉄等であってもよい。導電性を有す部材から形成され、かつ圧電体11の伸縮により十分可動可能な弾性率を有しているのであれば、何でもよい。
本実施形態においては、一対の電極42は金にて形成される。しかしながら、金に限らず、白金であってもよい。一対の電極42は、導電性を有す部材から形成され、かつ圧電体11の伸縮により十分変形可能な弾性率を有しているのであれば、何でもよい。
本実施形態においては、基板10、ミラー部11、圧電素子40はいずれも四角い板形状を有し、枠板部14は四角い枠形状を有している。しかしながら、四角に限らず、多角形、円形、楕円形等であっても板形状を有しているならば、何でもよい。
なお、本実施形態においては、光スキャナ1の圧電素子40の数は、1つであった。しかしながら、1つに限らず、特開2009−186652に示されるように、枠板部14のY軸方向の両側にそれぞれ1つ、合計2つ設けてもよい。
なお、本実施形態においては、絶縁性接着層52の横幅Bixと、絶縁性接着層52の縦幅Biyは同じ値であった。しかしながら、これに限らず、絶縁性接着層52の横幅Bixと絶縁性接着層52の縦幅Biyが異なっていたとしてもよい。
上述した実施形態においては、光束は先に水平走査系19によって水平方向に走査され、その後に、垂直走査系21によって垂直方向に走査される構成であった。しかしながら、これに限らず、光束を先に垂直走査系21によって垂直方向に走査し、その後に、水平走査系19によって水平方向に走査する構成であってもよい。
また、図6においては光スキャナ1を網膜走査ディスプレイ101に適用した例を説明した。しかしながら、これに限らず、第2リレー光学系122を投射レンズ系に変更し、瞳孔124に変えて投影スクリーンあるいは建物の壁等とすれば、レーザプロジェクタとして使用することができる。本実施形態における投射レンズ系、レーザプロジェクタは、順に本発明の投射部、光走査型画像表示装置の一例である。本実施形態における投影スクリーン、建物の壁は、本発明の被投射対象の一例である。
また、光スキャナ1は網膜走査ディスプレイ、レーザプロジェクタ等の光走査型画像表示装置だけではなく、レーザプリンタ等の画像形成装置内で光束を走査する光スキャナにも応用できる。図9は、上記光スキャナ1を用いたレーザプリンタ125の構成を示す図である。同一の部分又は同一の機能の部分には同一の符号を付した。本実施形態におけるレーザプリンタ125は、本発明の画像形成装置の一例である。
図9において、外部からの画像信号に応じて、レーザ光源126は光束を光スキャナ1のミラー11mに照射する。光スキャナ1のミラー11mに入射された光束は水平方向に走査される。水平方向に走査された光束はFθレンズ127を通過して凹面鏡129により反射されて回転ドラム上の感光体128に照射し、感光体128に静電潜像を形成する。さらに、回転ドラムが回転してこの静電潜像を図示しない複写紙に複写する。本実施形態におけるレーザ光源126、水平方向、感光体128は、順に本発明のレーザ光源、第1方向、感光体の一例である。
このように、光スキャナ1は画像形成装置に用いられる。本実施形態に係る光スキャナ1は、所望のミラー振れ角で揺動させるための駆動電圧を小さくすることができる。このため、レーザプリンタ125においては所望の画像を形成するために感光体128に光スキャナ1のミラー11mを照射する際に、所望のミラー振れ角でミラー11mを揺動させるための駆動電圧を小さくすることができる。すなわち絶縁性接着層52が圧電体41の側面41eに設けられていない場合と比較して、所望の画像を形成するための駆動電圧が小さく、かつ電極間の短絡が起こらない画像形成装置を提供することができる。
図9によりレーザプリンタ125に用いられる光スキャナ1の実施の形態を説明したが、1次元又は2次元バーコード読み取り装置等においても光スキャナ1を使用することができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 光スキャナ
10 基板
11 ミラー部
11m ミラー
12、13 梁部
14 枠板部
14a 接着面
15 揺動軸
20 筐体
21 支持部
22 ベース部
30 水平走査ドライバ
31、32 配線
39 圧電アクチュエータ
40 圧電素子
41 圧電体
42 1対の電極
43 第1の電極
44 第2の電極
50 接着層
51 導電性接着層
52 絶縁性接着層

Claims (5)

  1. 所定の方向に厚みを有する板状の圧電体と、
    前記圧電体の両面のうち一方の面に設けられた第1の電極と、
    前記圧電体の両面のうち他方の面に設けられた第2の電極と、
    を含む圧電素子と、
    前記圧電素子の伸縮により、曲げ変形される導電性の振動板と、
    前記振動板と前記圧電素子とを接着する接着層と、
    を備え、
    前記接着層は、
    前記振動板の両面のうち片側の面と前記第1の電極の両面のうち前記圧電体が設けられる面とは反対側の面との間の領域に設けられ、前記片側の面と前記反対側の面とを接着する導電性接着層と、
    前記第1の電極の前記所定の方向に沿った側面全面と前記圧電体の前記所定の方向に沿った側面とを覆うように設けられ、前記片側の面と前記圧電体の前記所定の方向に沿った側面とを接着する絶縁性接着層と、を有し、
    前記片側の面からの前記所定の方向の前記絶縁性接着層の高さは、前記片側の面と前記反対側の面との間の前記所定の方向の前記導電性接着層の厚みと前記所定の方向の前記第1の電極の厚みとを足した長さ以上であり、
    前記絶縁性接着層の弾性率は、前記導電性接着層の弾性率と同等以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記高さは、前記長さと前記圧電体の厚みとを足した長さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータを備える光スキャナであって、
    入射した光束を反射するミラーを有す板状のミラー部と、
    前記ミラー部の揺動軸に沿って延び、前記ミラー部を支持する1対の梁部と、
    前記振動板を含み、前記1対の梁部がそれぞれ連結され、前記ミラー部と前記1対の梁部とを囲むように設けられた枠状の枠板部と、
    を備える基板と、
    前記基板を支持する筐体と、
    を備えることを特徴とする光スキャナ。
  4. 画像信号に応じた光束を出射する光源制御部と、
    前記光源制御部から出射された光束を前記ミラーに反射させ、第1方向に走査する請求項に記載の光スキャナと、
    前記光スキャナによって前記第1方向に走査された光束を、前記第1方向と略直交する第2方向に走査するスキャナ部と、
    前記スキャナ部によって前記第2方向に走査された光束を被投射対象に投射する投射部と、
    を備えることを特徴とする光走査型画像表示装置。
  5. 画像信号に応じた光束を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された光束を前記ミラーにより反射させ、第1方向に走査する請求項に記載の光スキャナと、
    前記光スキャナから前記第1方向に走査された光束が照射されることにより、静電潜像を形成する感光体と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2010074409A 2010-03-29 2010-03-29 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置 Expired - Fee Related JP5282753B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074409A JP5282753B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074409A JP5282753B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011209362A JP2011209362A (ja) 2011-10-20
JP5282753B2 true JP5282753B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=44940530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010074409A Expired - Fee Related JP5282753B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5282753B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6003529B2 (ja) * 2012-10-24 2016-10-05 株式会社リコー 圧電光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3491643B2 (ja) * 1994-08-25 2004-01-26 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド
JPH10211701A (ja) * 1996-11-06 1998-08-11 Seiko Epson Corp 圧電体素子を備えたアクチュエータ及びインクジェット式記録ヘッド、並びにこれらの製造方法
JP3611198B2 (ja) * 2000-02-16 2005-01-19 松下電器産業株式会社 アクチュエータとこれを用いた情報記録再生装置
JP3885536B2 (ja) * 2001-09-25 2007-02-21 ヤマハ株式会社 熱電装置
KR100570586B1 (ko) * 2002-12-17 2006-04-13 (주)아이블포토닉스 강유전성 단결정 막 구조물 제조 방법
JP4806896B2 (ja) * 2003-03-06 2011-11-02 パナソニック株式会社 薄膜圧電体素子、アクチュエータおよびディスク装置
JP4893067B2 (ja) * 2006-03-30 2012-03-07 ブラザー工業株式会社 振動素子、振動素子の製造方法、光走査装置、画像形成装置及び画像表示装置
JP5070869B2 (ja) * 2007-02-09 2012-11-14 ブラザー工業株式会社 光走査装置及びそれを備えた網膜走査型画像表示装置
JP5296423B2 (ja) * 2008-06-19 2013-09-25 キヤノン電子株式会社 光走査装置、画像形成装置、表示装置及び入力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011209362A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9229224B2 (en) Image display apparatus and head-mounted display
WO2009087883A1 (ja) マイクロスキャナ装置およびマイクロスキャナ装置の制御方法
JP2008151887A (ja) レーザー投射装置
US10598950B2 (en) Image projection apparatus and movable body
US11655140B2 (en) Micro-electro-mechanical device with a shock-protected tiltable structure
JP2007268374A (ja) 振動素子、振動素子の製造方法、光走査装置、画像形成装置及び画像表示装置
WO2010113602A1 (ja) 光スキャナ
US8064117B2 (en) Oscillating element, manufacturing method of oscillating element, optical scanning device, image forming device and image display device
JP5282753B2 (ja) 圧電アクチュエータ、光スキャナ、光走査型画像表示装置、画像形成装置
US20200174249A1 (en) Light deflection device, distance measurement device, and mobile body
JP7225771B2 (ja) 可動装置、距離測定装置、画像投影装置、車両、及び台座
JP4622916B2 (ja) 振動素子、振動素子の製造方法、光走査装置、画像形成装置及び画像表示装置
JP5516746B2 (ja) マイクロスキャナおよびそれを備えた光学機器
JP2011217447A (ja) 圧電アクチュエータ
JP2010060689A (ja) 光学反射素子ユニット
EP3064975B1 (en) Optical scanning apparatus, substrate fixing method in optical scanning apparatus, image display apparatus, and vehicle
JP7243174B2 (ja) 可動装置、距離測定装置、画像投影装置、及び車両
JP5381751B2 (ja) 光スキャナ、及び光スキャナを用いた画像表示装置
JP2022143323A (ja) 可動装置、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、距離測定装置、及び移動体
JP2016081037A (ja) 光偏向器、2次元画像表示装置、光走査装置及び画像形成装置
JP2021071582A (ja) 光偏向器、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、物体認識装置、及び車両
JP2019211526A (ja) 光偏向装置及びその製造方法、画像投影装置、物体認識装置、レーザヘッドランプ装置、光書込装置、並びに移動体
US20220299755A1 (en) Light deflector, image projection apparatus, laser headlamp, head-mounted display, distance measurement apparatus, and mobile object
US20240241369A1 (en) Movable device, projection apparatus, head-up display, laser headlamp, head-mounted display, object recognition apparatus, mobile object, method of manufacturing movable device
US20210109342A1 (en) Light deflector, deflecting device, distance-measuring apparatus, image projection device, and vehicle

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130513

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees